JPWO2018061784A1 - 水溶液、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
下記一般式(1)で表される化合物と、防腐剤とを含む水溶液であって、上記一般式(1)で表される化合物の含有量が上記水溶液全量に対して5〜25質量%である水溶液。
条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
<2>
上記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である<1>に記載の水溶液。
条件(i−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(i−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
<3>
上記一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405が上記条件(ii−1)を満たし、R406、R407、R408、R409及びR410が上記条件(ii−2)を満たす<2>に記載の水溶液。
<4>
上記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(2’)で表される化合物である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の水溶液。
<5>
上記一般式(2’)のR401及びR406がヒドロキシル基である<4>に記載の水溶液。
<6>
上記防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水溶液。
<7>
上記防腐剤が上記複素環化合物であり、上記複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物である<6>に記載の水溶液。
<8>
上記防腐剤が2種以上含まれる<1>〜<7>のいずれか1つに記載の水溶液。
<9>
上記防腐剤の総含有量が、上記水溶液全量に対して0.01〜0.5質量%である<1>〜<8>のいずれか1つに記載の水溶液。
<10>
上記一般式(1)で表される化合物と、上記防腐剤との質量比が90/10〜99/1である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の水溶液。
<11>
さらにベタイン化合物を含む<1>〜<10>のいずれか1つに記載の水溶液。
<12>
上記ベタイン化合物の含有量が、上記水溶液全量に対して1〜10質量%である<11>に記載の水溶液。
<13>
<1>〜<12>のいずれか1つに記載の水溶液を用いた着色組成物。
<14>
<1>〜<12>のいずれか1つに記載の水溶液、又は<13>に記載の着色組成物を用いたインクジェット記録用インク。
<15>
<14>に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成するインクジェット記録方法。
<16>
<14>に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ。
まず、本発明における置換基の具体例を、置換基群Aとして定義する。
ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
本発明の水溶液は、下記一般式(1)で表される化合物と、防腐剤とを含む水溶液であって、一般式(1)で表される化合物の含有量が水溶液全量に対して5〜25質量%である水溶液である。
一般式(1)で表される化合物について説明する。一般式(1)で表される化合物は染料として用いられる。
条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
R17、R18、R19及びR20は水素原子を表すことが好ましい。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基又はエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
イオン性親水性基としては、カルボキシル基、スルホ基又はホスホノ基が好ましい。イオン性親水性基の対カチオンとしては、水素原子(プロトン)、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、合成の容易性(染料粉末としての取り扱いの容易さ)の観点からアルカリ金属カチオンであることが好ましい。
R4及びR9は、各々独立に水素原子、スルホ基又はカルボキシル基を表すことが好ましく、水素原子又はスルホ基を表すことがより好ましく、水素原子を表すことが更に好ましい。
R2、R3、R7及びR8がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、R2、R3、R7及びR8が表すアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R2及びR7が各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR3及びR8がアルキル基を表す場合、又は、R3及びR8が各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR2及びR7がアルキル基を表す場合が好ましく、R2及びR7が各々独立に一般式(A)で表される置換基を表し、かつR3及びR8がアルキル基を表す場合がより好ましい。
なお、一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)におけるカルボキシル基の対カチオンとしては、水素原子(プロトン)、アルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられるが、アルカリ金属カチオンであることが好ましい。
条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
R401、R402、R403、R404、及びR405がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、原料の入手性からメチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
さらに、R401が水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表し、R403及びR405が水素原子を表すことがより好ましく、R401が塩素原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表し、R403及びR405が水素原子を表すことがさらに好ましく、R401がヒドロキシル基を表し、R403及びR405が水素原子を表すことが特に好ましい。
上記条件(i)において、R403がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合、又は、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
R401、R402、R403、R404、及びR405がヒドロキシル基、カルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。また、R401、R402、R403、R404、及びR405が置換基を表す場合の置換基としては、上記とは別の態様として、カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基が挙げられ、カルボキシル基、塩素原子、又はニトロ基がより好ましく、カルボキシル基が更に好ましい。特に、R401がヒドロキシル基を表し、かつR402がカルボキシル基を表す場合に、R404が上記した置換基(カルボキシル基、塩素原子、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基)であることが好ましい。
条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R504がヒドロキシル基を表し、かつR503がカルボキシル基を表す場合、又は、R504がヒドロキシル基を表し、かつR505がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R504がヒドロキシル基を表し、かつR503がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
上記条件(iii)において、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507がヒドロキシル基、カルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。
条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607がアルキル基を表す場合、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
R606がヒドロキシル基を表し、かつR605がカルボキシル基を表す場合、又は、R603がヒドロキシル基を表し、かつR602がカルボキシル基を表す場合が好ましく、R606がヒドロキシル基を表し、かつR605がカルボキシル基を表す場合がより好ましい。
上記条件(v)において、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607がヒドロキシル基、カルボキシル基以外の置換基を表す場合の置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられ、アルキル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基が更に好ましく、メチル基又はメトキシ基が特に好ましい。
条件(i−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(i−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(iii−1):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv−1):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(iii−2):R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv−2):R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(v−1):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi−1):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(v−2):R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi−2):R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(2)中のR3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405は、上記条件(ii−1)を満たすことが好ましい。すなわち、R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R401、R402、R403、R404及びR405の好ましい範囲は、各々一般式(X1)中のR401、R402、R403、R404及びR405と同様である。
一般式(2)中のR406、R407、R408、R409及びR410は、上記条件(ii−2)を満たすことが好ましい。すなわち、R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R406、R407、R408、R409及びR410の好ましい範囲は、各々一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405と同様である。
一般式(3)中のR3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(3)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は、上記条件(iv−1)を満たすことが好ましい。すなわち、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507の好ましい範囲は、各々一般式(X2)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507と同様である。
一般式(3)中のR508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514は、上記条件(iv−2)を満たすことが好ましい。すなわち、R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R508、R509、R510、R511、R512、R513及びR514の好ましい範囲は、各々一般式(3)中のR501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507と同様である。
一般式(4)中のR3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表し、アルキル基を表すことが好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。また、アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
一般式(4)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は、上記条件(vi−1)を満たすことが好ましい。すなわち、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607の好ましい範囲は、各々一般式(X3)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607と同様である。
一般式(4)中のR608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614は、上記条件(vi−2)を満たすことが好ましい。すなわち、R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表すことが好ましい。R608、R609、R610、R611、R612、R613及びR614の好ましい範囲は、各々一般式(4)中のR601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607と同様である。
R401及びR406がハロゲン原子を表す場合のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。その中でも特に塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子が最も好ましい。
R401及びR406は、水素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、又はメチル基であることが好ましく、水素原子、ヒドロキシル基であることがより好ましく、その中でもヒドロキシル基が最も好ましい。
Mはアルカリ金属カチオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、又はカリウムイオン)であることが好ましく、その中でも特にリチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンが最も好ましい。
水溶液中に含まれる一般式(1)で表される化合物の含有量を5質量%以上にすることで、インクジェット記録用インクの処方設計が容易になる。また、25質量%以下にすることで、水溶液に長期貯蔵安定性を付与できる。
次に、防腐剤について説明する。
本発明において、防腐剤とは微生物、特に細菌及び真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものを言う。
本発明の水溶液に防腐剤を用いることで、水溶液の長期保存においてもカビの発生を抑制することができ、長期保存後の水溶液を用いたインクジェット記録用インクを使用してインクジェットプリンターで印画する際に、ノズル等でのインク詰まりが起こりにくく、高品質な印画物を得ることが可能となる。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
本発明の水溶液は、2種以上の防腐剤を含有してもよい。本発明では、これらの防腐剤を2種以上併用して使用すると、水溶液及び上記水溶液を用いた着色組成物又はインクジェット記録用インクを使用して画した記録画像の保存安定性、特に色相安定性が向上し、また長期保存後の水溶液を用いたインクジェット記録用インクを使用してインクジェットプリンターで印画する際のインク吐出安定性が格段に向上するなど、本発明の効果が更に良好に発揮される。これは、2種以上の防腐剤に菌が接触することにより、個々の防腐剤に対する菌の耐性獲得が抑制されるためであると考えられる。
2種以上の防腐剤を組み合わせる場合、それらの防腐剤は異なった化学構造の骨格を有するものであることが好ましい。また、2種以上の防腐剤を含有する場合には、少なくとも1種の防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、又はアルカンジオール類であることが好ましく、なかでも複素環化合物であることが好ましい。例えば、複素環化合物とフェノキシエーテル誘導体の組み合わせ、複素環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ、複素環化合物とアルカンジオール類との組み合わせ等が好ましく挙げられる。
チアゾール系化合物は、防腐剤のなかでも、特に防黴剤として機能する。チアゾール系化合物としては、ベンズイソチアゾリン、イソチアゾリン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−(チオシアノメチルチオ)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズチアゾール及び3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−1,1−オキシド等を挙げることができる。また、チアゾール系防黴剤としてアーチ・ケミカルズ(株)より製造販売されているProxel(商標)シリーズ(BDN,BD20,GXL,LV,XLII及びUltra10等)を使用することもできる。
上記の範囲とすることで本発明の水溶液中に一般式(1)で表される化合物が安定に溶解し、且つ、細菌及び真菌(カビ)の発生、発育を防止する効果を両立できることになる。
本発明の水溶液は、必要に応じてベタイン化合物を含有することが好ましい。本発明の水溶液にベタイン化合物を含有させることによりインクジェット記録用インクの処方設計及び製造時の調液が容易になるため好ましい。
更に、本発明の水溶液をインクジェット記録用インクとして調液後使用した際に、インクジェット印画物の耐湿度性(滲み)が向上する。
(R)p−N−[L−(COOM1)q]r
なお、M1が式中のN原子からなるアンモニウムイオンの対イオンとなる場合は、カチオンとして存在しない基を表す。
一価のカウンターカチオンとしては、アルカリ金属カチオン(たとえばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン)、アンモニウムイオン、アミン性の有機カチオン(1ないし3級アミンの場合、プロトン化されたものを表す。たとえばプロトン化されたメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ピラジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン等。4級アンモニウム塩の場合、たとえばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン、メチルピリジニウムイオン、ベンジルピリジニウムイオン等。)を表す。
M1は、アルカリ金属イオン又は水素原子を表すことが好ましい。
(R)s−N−[L−(COOM1a)t]u
M1aがアルカリ金属イオンを表す場合のアルカリ金属イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、セシウムイオン等が挙げられる。
R−N−(L−COOM1)2
中でも特に、Rに炭素数8以上の長鎖アルキル基が含有されるものが好ましい。
その中でも、炭素数12以上の長鎖アルキル基が含有されるものが好ましく、特に炭素数14〜18の長鎖アルキル基が含有されるものが最も好ましい。
含有量を0.1質量%以上とすることでインクジェット記録用インクとして使用した際の印画物の画質及び保存安定性が向上し、10質量%以下とすることで本発明の水溶液の製造時の工程安定化が確保される。
2種以上を併用する場合、最大使用量の化合物は最小使用量の化合物に対して、1〜10000倍の質量比で使用されることが好ましい。
本発明の水溶液は、上記の成分の他に必要に応じてその他の成分を含んでいてもよい。例えば、グリセリン、2−ピロリドン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
本発明の水溶液がその他の成分を含む場合、その含有量としては、水溶液全量に対して1〜10質量%とすることが好ましい。
本発明の着色組成物は、上記水溶液を用いた着色組成物である。すなわち、本発明の着色組成物は、上記水溶液を用いて調製されたものであり、上記水溶液を含むものである。また、上記水溶液そのものを着色組成物として用いてもよい。
本発明の着色組成物は、更に、媒体を含有させることができるが、媒体として溶媒を用いた場合は特にインクジェット記録用インクとして好適である。上記媒体としては、親油性媒体又は水性媒体が挙げられ、好ましくは、水性媒体を用いる場合である。
本発明の着色組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の水溶液又は本発明の着色組成物を用いたインクジェット記録用インクである。すなわち、本発明のインクジェット記録用インクは、上記水溶液又は着色組成物を用いて調製されたものであり、上記水溶液又は着色組成物を含むものである。また、上記水溶液又は着色組成物そのものをインクジェット記録用インクとして用いてもよい。インクジェット記録用インクは、好ましくは水性媒体を用いたインクである。
インクジェット記録用インクは必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を奏する範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤、ベタイン化合物等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録用インクにエネルギーを供与して、公知の受像材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等に画像を形成する。
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、インクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
(例示化合物(1−11)の合成)
例示化合物(1−11)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
中間体(A)23.0g(特開2011−148973号公報の第17頁の段落番号0065記載の方法で合成)を、10%発煙硫酸420gに添加して、室温にて48時間反応させた。反応液を大過剰の酢酸エチルに注ぎ入れ、析出した結晶をろ別した。ろ別した結晶を500mLのメタノールに溶解させ、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を用いてpH7に調整し、析出した硫酸ナトリウムをろ過により取り除いた。ろ液をロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:メタノール)で精製し、中間体(B)の結晶を得た。収量21.0g、収率68%、マススペクトル(MS)(m/z)=793([M−2Na+H]−、100%)。
中間体(B)3.0gを超純水15mLに溶解させ、内温を10℃以下に冷却した。5−クロロスルホニルサリチル酸(独国特許DE264786号記載の方法で合成)2.55gを粉体添加し、内温10℃以下のまま、10%NaOH水溶液を用いて反応液のpHを8.0に保ち、pHの変化がなくなるまで滴下を続けた。得られた反応液を大過剰のイソプロピルアルコールに注ぎ入れ、析出した固体をろ別した。得られた固体を水/メタノール:1/1混合溶媒20mLに溶解し、カラムクロマトグラフィ(充填剤:セファデックスLH−20(ファルマシア製)、展開溶媒:水/メタノール)で精製したのちに、透析膜(分画分子量3500、Spectra/Por3 Dialysis Membrane(商品名、スペクトラム=ラボラトリー社製))を用いて、無機塩及び残留有機溶媒を除去した。得られた水溶液を、希水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し、メンブレンフイルターで除塵ろ過を行い、得られた水溶液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固することで例示化合物(1−11)の緑色光沢結晶を得た。収量1.5g、収率33%。MS(m/z)=1191([M−1]−、100%)。例示化合物(1−11)の希薄水溶液中での吸収スペクトルの吸収極大波長は532nm、モル吸光係数は87000であった。例示化合物(1−11)のジメチルスルホキシド−d6中での1H−NMRスペクトルを図1に示す。
例示化合物(1−30)は、たとえば下記スキームに従い、合成することができる。
例示化合物(1−18)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
例示化合物(1−25)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
例示化合物(1−26)は、例えば下記スキームに従い、合成することができる。
(水溶液1の調製)
下記の成分に脱イオン水を加え100gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、25℃まで冷却し、10mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にてpH=8.5に調製し、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで減圧濾過し水溶液1を調製した。
染料(例示化合物(1−11)) 10.00g
プロキセルXLII(防腐剤、Avecia製) 0.2g
ベタイン−1 5.7g
上記水溶液1に親水性有機溶媒、水等を加え、染料である例示化合物(1−11)が3.5質量%となるように上記水溶液1を脱イオン水で希釈し、インクジェット記録用インク1を調製した。インクジェット記録用インク1の組成:
染料(例示化合物(1−11)) 3.50g
プロキセルXLII(防腐剤、Avecia製) 0.11g
ベタイン−1(下記構造のベタイン化合物) 2.00g
ジエチレングリコール 10.65g
グリセリン 14.70g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 12.70g
トリエタノールアミン 0.65g
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 0.90g
脱イオン水 54.79g
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−18)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液2及びインクジェット記録用インク2を調製した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−19)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液3及びインクジェット記録用インク3を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−20)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液4及びインクジェット記録用インク4を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−25)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液5及びインクジェット記録用インク5を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−26)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液6及びインクジェット記録用インク6を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−29)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液7及びインクジェット記録用インク7を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−30)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液8及びインクジェット記録用インク8を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−34)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液9及びインクジェット記録用インク9を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、例示化合物(1−35)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により水溶液10及びインクジェット記録用インク10を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.1gへ変更した以外は、実施例6と同様の操作により水溶液11及びインクジェット記録用インク11を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.3gへ変更した以外は、実施例6と同様の操作により水溶液12及びインクジェット記録用インク12を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.4gへ変更した以外は、実施例6と同様の操作により水溶液13及びインクジェット記録用インク13を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.1gへ変更した以外は、実施例7と同様の操作により水溶液14及びインクジェット記録用インク14を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.3gへ変更した以外は、実施例7と同様の操作により水溶液15及びインクジェット記録用インク15を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.4gへ変更した以外は、実施例7と同様の操作により水溶液16及びインクジェット記録用インク16を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.1gへ変更した以外は、実施例8と同様の操作により水溶液17及びインクジェット記録用インク17を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.3gへ変更した以外は、実施例8と同様の操作により水溶液18及びインクジェット記録用インク18を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.4gへ変更した以外は、実施例8と同様の操作により水溶液19及びインクジェット記録用インク19を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.1gへ変更した以外は、実施例9と同様の操作により水溶液20及びインクジェット記録用インク20を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.3gへ変更した以外は、実施例9と同様の操作により水溶液21及びインクジェット記録用インク21を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの使用量0.2gを0.4gへ変更した以外は、実施例9と同様の操作により水溶液22及びインクジェット記録用イン22を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、プロキセルGXLを用いた以外は、実施例6と同様の操作により水溶液23及びインクジェット記録用インク23を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、プロキセルGXLを用いた以外は、実施例7と同様の操作により水溶液24及びインクジェット記録用インク24を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、プロキセルGXLを用いた以外は、実施例8と同様の操作により水溶液25及びインクジェット記録用インク25を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、プロキセルGXLを用いた以外は、実施例9と同様の操作により水溶液26及びインクジェット記録用インク26を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLII0.2gの代わりに、プロキセルXLII0.1g+プロキセルGXL0.1gを用いた以外は、実施例6と同様の操作により水溶液27及びインクジェット記録用インク27を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLII0.2gの代わりに、プロキセルXLII0.1g+プロキセルGXL0.1gを用いた以外は、実施例7と同様の操作により水溶液28及びインクジェット記録用インク28を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLII0.2gの代わりに、プロキセルXLII0.1g+プロキセルGXL0.1gを用いた以外は、実施例8と同様の操作により水溶液29及びインクジェット記録用インク29を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLII0.2gの代わりに、プロキセルXLII0.1g+プロキセルGXL0.1gを用いた以外は、実施例9の同様の操作により水溶液30及びインクジェット記録用インク30を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、フェノキシエタノールを用いた以外は、実施例6と同様の操作により水溶液31及びインクジェット記録用インク31を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、フェノキシエタノールを用いた以外は、実施例8と同様の操作により水溶液32及びインクジェット記録用インク32を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、ペンチレングリコールを用いた以外は、実施例6と同様の操作により水溶液33及びインクジェット記録用インク33を調液した。
プロキセルXLIIの代わりに、ペンチレングリコールを用いた以外は、実施例8と同様の操作により水溶液34及びインクジェット記録用インク34を調液した。
水溶液の調製におけるプロキセルXLIIの代わりに、フェノキシエタノール0.1g+ペンチレングリコール0.1gを用いた以外は、実施例6と同様の操作により水溶液35及びインクジェット記録用インク35を調液した。
ベタイン化合物(ベタイン1)をベタイン2へ変更した以外は、実施例1と同様の操作により水溶液36及びインクジェット記録用インク36を調液した。
ベタイン化合物(ベタイン1)をベタイン2へ変更した以外は、実施例6と同様の操作により水溶液37及びインクジェット記録用インク37を調液した。
ベタイン化合物(ベタイン1)をベタイン2へ変更した以外は、実施例7と同様の操作により水溶液38及びインクジェット記録用インク38を調液した。
ベタイン化合物(ベタイン1)をベタイン2へ変更した以外は、実施例8と同様の操作により水溶液39及びインクジェット記録用インク39を調液した。
ベタイン化合物(ベタイン1)をベタイン2へ変更した以外は、実施例9と同様の操作により水溶液40及びインクジェット記録用インク40を調液した。
プロキセルXLIIを添加しない以外は、実施例1と同様の操作により比較水溶液1及び比較インクジェット記録用インク1を調液した。
プロキセルXLIIを添加しない以外は、実施例6と同様の操作により比較水溶液2及び比較インクジェット記録用インク2を調液した。
プロキセルXLIIを添加しない以外は、実施例7と同様の操作により比較水溶液3及び比較インクジェット記録用インク3を調液した。
プロキセルXLIIを添加しない以外は、実施例8と同様の操作により比較水溶液4及び比較インクジェット記録用インク4を調液した。
プロキセルXLIIを添加しない以外は、実施例9と同様の操作により比較水溶液5及び比較インクジェット記録用インク5を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(1)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により比較水溶液6及び比較インクジェット記録用インク6を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(2)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により比較水溶液7及び比較インクジェット記録用インク7を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(3)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により比較水溶液8及び比較インクジェット記録用インク8を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(4)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により比較水溶液9及び比較インクジェット記録用インク9を調液した。
例示化合物(1−11)の代わりに、比較化合物(5)を用いた以外は、実施例1と同様の操作により比較水溶液10及び比較インクジェット記録用インク10を調液した。
上記実施例1〜40で作成した水溶液1〜40及び比較例1〜10で作成した比較水溶液1〜10に関して、60℃、14日間の条件で水溶液貯蔵安定性の試験を行い、下記判定基準により評価した。
目視及び0.2μmのろ過にて溶解状態を保っているものをA、染料の析出又は分離が起きたものをBの2段階で評価した。
結果を下記表3及び4に示した。
日水製薬(株)製の細菌検査用フードスタンプ(生菌数用及び真菌用)のキャップをとり、寒天培地面に充分な水溶液1〜40及び比較水溶液1〜10を塗布した。キャップをしないまま10時間放置することにより、菌の付着を促した。その後でキャップをし、生菌数用フードスタンプについては36℃の恒温槽中で2日間、真菌用フードスタンプについては23℃の恒温槽中で5日間、培養した。目視観察により、以下の基準にて評価を行った。
A・・・黴の発生なし
B・・・黴の発生あり
結果を下記表3及び4に示した。
またインクジェット記録用インク1〜40、比較インクジェット記録用インク1〜10についても、同様に防腐性を評価したところ、それぞれ水溶液1〜40及び比較水溶液1〜10と同じ結果であった。
実施例1〜40のインクジェット記録用インク1〜40及び比較例の比較インクジェット記録用インク1〜10について、下記評価を行った。
なお、各評価は、各インクジェット記録用インクをインクカートリッジに装填し、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製;PM−700C)で写真用紙(セイコーエプソン(株)製写真紙<光沢>)に画像を記録した後で評価したものである。
印画したサンプルを目視で観測し、純色のマゼンタである場合をA、やや赤みがかった赤色に近いマゼンタをB、明らかに赤紫色の場合をCの三段階で評価した。
印画物の彩度(C*)を、色特性に測定に基づき、下記式によって算出した。印加電圧50%における印画画像部分について、反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて、CIE L*a*b*表色系(国際照明委員会規格(1976年)/又はJIS規格Z8781−4:2013)における明度L*と色度a*及びb*を測定し、得られた値から下記算出式に基づいて彩度(C*)を求め、評価を行い、下記判定基準により評価した。
B: C*が80以上90未満の場合
C: C*が80未満の場合
インクジェットプリンター(商品名PM−700C、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、上記に示したインクジェット記録用インクを用いて、インクジェット専用記録媒体{写真用紙<光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製)}にマゼンタ(Magenta)色のOD(Optical Density)値が0.1〜2.0の範囲で階段状に濃度が変化した単色の画像パターンを印字させた。
写真用紙に印画濃度(ODmax)における反射濃度を画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、印画濃度が2.0以上の場合をA、1.8以上2.0未満の場合をB、1.8未満の場合をCとして、三段階で評価した。
記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(10万ルクス)を28日間照射した後、再び画像濃度Cf1を測定し、キセノン光照射前後の画像濃度から色素残存率を算出し評価した。画像濃度は反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定した。色素残存率は、初期の画像濃度が1.0±0.2の画像部分を用いて測定した。
次式より色素残存率を求め、下記判定基準により評価した。
色素残存率(%)=(Cf1/Ci)×100
B: 色素残存率が80%以上90%未満の場合
C: 色素残存率が80%未満の場合
シーメンス型オゾナイザーの二重ガラス管内に乾燥空気を通しながら、5kV交流電圧を印加し、これを用いてオゾンガス濃度が5±0.1ppm、室温、暗所に設定されたボックス内に、画像を形成したフォト光沢紙を3日間放置し、オゾンガス下放置後の画像濃度を反射濃度計(商品名 X−Rite 310TR、Xrite社製)を用いて測定し、初期の画像濃度Ciとオゾンガス下放置後の画像濃度Cf2から色素残存率を算出し評価した。なお、色素残存率は、初期の画像濃度が1.0±0.2の画像部分を用いて測定した。ボックス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。
次式より色素残存率を求め、下記判定基準により評価した。
色素残存率(%)=(Cf2/Ci)×100
A: 色素残存率が85%以上の場合
B: 色素残存率が80%以上85%未満の場合
C: 色素残存率が80%未満の場合
高湿条件下での画像のにじみについては、マゼンタの1mm×1mmの正方形を、正方形同士の間に0.5mmの白地隙間が形成されるように配置した、3cm×3cmの印字パターンを作製し、この画像サンプルを45℃相対湿度80%の条件下、7日間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察した。
具体的には、上記高湿条件に晒す前と晒した後の印刷物のOD値を、反射濃度計(「Spectrilino」(商品名:Gretag社製)を用いて測定し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのグリーンフィルターにおいて、0.02未満の場合をA、0.02以上0.05未満の場合をB、0.05以上0.10未満の場合をC、0.10以上の場合をDとした。
吐出安定性については、上記で得られた各インクをインクジェット記録装置(商品名:商品名PM−700C、セイコーエプソン株式会社製)用のインクカートリッジに充填し、カートリッジをインクジェット記録装置にセットし全ノズルからのインクの吐出を確認した後、A4の紙100枚に出力し、以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れが殆ど無し
B:印字の乱れのある出力が多数発生する
C:印刷開始から終了まで終始印字の乱れあり
この実験を、インクカートリッジを40℃、相対湿度80%の条件下、2週間保存後に行った。
実施例1〜40の水溶液1〜40及び比較例1〜10の比較水溶液1〜10を60℃で14日間保存(「強制保存試験」ともいう)後に、それぞれの水溶液を用いてインクジェット記録用インクを調液し、再び上記実験を行い、強制保存試験に供す前の(調液直後の)水溶液を用いて調液したインクジェット記録用インクの品質・性能を保っているものをA、表5及び6中の要求試験項目(色相、彩度、印画濃度、耐光性、耐オゾン性、耐湿性、吐出安定性)のうち1項目でも品質・性能が低下したものをBとして、2段階で評価し、結果を表5及び6に示した。
本出願は、2016年9月30日出願の日本特許出願(特願2016−193942)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
Claims (16)
- 下記一般式(1)で表される化合物と、防腐剤とを含む水溶液であって、前記一般式(1)で表される化合物の含有量が前記水溶液全量に対して5〜25質量%である水溶液。
一般式(1)中、R1、R5、R6及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R4、R9、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R2、R3、R7及びR8は各々独立に水素原子、アルキル基又は下記一般式(A)で表される置換基を表し、R2、R3、R7及びR8のうち少なくとも1つは下記一般式(A)で表される置換基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
一般式(A)中、Xは下記一般式(X1)、一般式(X2)又は一般式(X3)で表される置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(X1)中、R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i)又は(ii)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(i):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(X2)中、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507は下記条件(iii)又は(iv)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(iii):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(iv):R501、R502、R503、R504、R505、R506及びR507のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
一般式(X3)中、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607は下記条件(v)又は(vi)を満たす。*は硫黄原子に結合する結合手を表す。
条件(v):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(vi):R601、R602、R603、R604、R605、R606及びR607のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。 - 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の水溶液。
一般式(2)中、R1、R5、R6及びR10は各々独立にアルキル基を表す。R4、R9、R17、R18、R19及びR20は各々独立に水素原子又は置換基を表す。R3及びR8は各々独立に水素原子又はアルキル基を表す。R401、R402、R403、R404及びR405は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R401、R402、R403、R404及びR405は下記条件(i−1)又は(ii−1)を満たす。R406、R407、R408、R409及びR410は各々独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、R406、R407、R408、R409及びR410は下記条件(i−2)又は(ii−2)を満たす。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。
条件(i−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−1):R401、R402、R403、R404及びR405のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。
条件(i−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも1つはヒドロキシル基を表し、かつ少なくとも1つはカルボキシル基を表す。
条件(ii−2):R406、R407、R408、R409及びR410のうち少なくとも2つはカルボキシル基を表す。 - 前記一般式(2)中のR401、R402、R403、R404及びR405が前記条件(ii−1)を満たし、R406、R407、R408、R409及びR410が前記条件(ii−2)を満たす請求項2に記載の水溶液。
- 前記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(2’)で表される化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水溶液。
一般式(2’)中、R401及びR406はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はメチル基を表す。Mは水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、又はアンモニウムイオンを表す。 - 前記一般式(2’)のR401及びR406がヒドロキシル基である請求項4に記載の水溶液。
- 前記防腐剤が、複素環化合物、フェノール誘導体、フェノキシエーテル誘導体、及びアルカンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水溶液。
- 前記防腐剤が前記複素環化合物であり、前記複素環化合物がチアゾール系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物である請求項6に記載の水溶液。
- 前記防腐剤が2種以上含まれる請求項1〜7のいずれか1項に記載の水溶液。
- 前記防腐剤の総含有量が、前記水溶液全量に対して0.01〜0.5質量%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の水溶液。
- 前記一般式(1)で表される化合物と、前記防腐剤との質量比が90/10〜99/1である請求項1〜9のいずれか1項に記載の水溶液。
- さらにベタイン化合物を含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の水溶液。
- 前記ベタイン化合物の含有量が、前記水溶液全量に対して1〜10質量%である請求項11に記載の水溶液。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の水溶液を用いた着色組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の水溶液、又は請求項13に記載の着色組成物を用いたインクジェット記録用インク。
- 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成するインクジェット記録方法。
- 請求項14に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェット記録用インクカートリッジ。
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