JP3915305B2 - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3915305B2
JP3915305B2 JP07090099A JP7090099A JP3915305B2 JP 3915305 B2 JP3915305 B2 JP 3915305B2 JP 07090099 A JP07090099 A JP 07090099A JP 7090099 A JP7090099 A JP 7090099A JP 3915305 B2 JP3915305 B2 JP 3915305B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
generating layer
heat generating
coil
toner image
excitation coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07090099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000268952A (ja
Inventor
基文 馬場
康博 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP07090099A priority Critical patent/JP3915305B2/ja
Publication of JP2000268952A publication Critical patent/JP2000268952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3915305B2 publication Critical patent/JP3915305B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送体上に担持される被加熱体を加熱する加熱装置、及び該加熱装置が用いられる電子写真方式の画像形成装置に係り、より具体的には、導電性材料からなる発熱層を用いて被加熱体を電磁誘導加熱方式により加熱する加熱装置、及び該加熱装置をトナー像の転写定着装置に適用する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機、プリンターなどに代表される画像形成装置では、未定着トナー像を記録材に定着させるための加熱定着装置が用いられている。この加熱定着装置は、例えばハロゲンランプを用いた熱ローラー方式が主流であり、他には、加熱源として帯状のヒーターをエンドレスフィルム内面に接触させて定着を行うSURF方式などがある。
【0003】
熱ローラー方式の加熱装置は、ハロゲンランプ等の熱源により加熱され、所定の温度に温度調節されたヒートロールと、これに圧接されたプレッシャーロールとの回転ロール対を基本構成とするものである。そして、両ロールの圧接ニップ部に記録材を導入して挟持搬送させることで、ヒートロールの熱により記録材の未定着トナー像を加熱定着させるものである。またSURF方式は、帯状のヒーターをエンドレスフィルム内面に接触させ、その熱によりトナー像を記録材に加熱定着させるものである。
【0004】
また、中間転写体から記録材にトナー像を転写する際に、トナー像を加熱して転写と定着とを同時に行う画像形成装置が用いられている。この画像形成装置は、離型性を有する中間転写体に像担持体上のトナー像を一次転写し、この中間転写体上のトナー像を加熱・ 加圧手段により記録材上に溶融して二次転写と同時に定着させるものである。この加圧・ 加熱手段としては、例えば中間転写体を介して圧接される加熱ロール及び加圧ロールが知られており、両者の圧接部で加熱ロールにより中間転写体上のトナーを溶融するとともに記録材に浸透させ、この記録材を中間転写体の離型効果を利用して該中間転写体から剥離するものである。このように転写と定着とを同時に行う画像形成装置は、例えば、特開平2−106774号公報、特公昭64−1027号公報、特開昭57−163264号公報、特開昭50−107936号公報、特開昭49−78559号公報などに記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の装置では、以下に示すような問題点がある。
加熱源としてハロゲンランプを用いる場合は、放射加熱方式であり、未定着トナー像等の被加熱体までの熱伝達の効率が低く、熱損失が大きい。また被加熱体を直接加熱するものではないので、被加熱体に所定の熱量を付与するまでに時間がかかるといった問題を有している。
また帯状ヒーター等を用いる場合は、上記問題点は解決されるが、被加熱体に加圧接触させてヒーター自体を発熱させ、この熱を被加熱体に熱伝導させるので、駆動トルクが大きく、小型機にしか適用できないといった欠点を有する。
【0006】
画像形成装置の加熱装置として、上記の転写と定着を同時に行う中間転写方式の加熱装置があるが、加熱ロールに熱を与えて被加熱体である中間転写体に熱伝導する方式をとっており、中間転写体全体を加熱するために熱的な損失は大きい。
【0007】
これを解決する加熱手段として電磁誘導加熱方式の加熱装置が提案されている。この加熱装置は、導電性材料からなる発熱層を形成した加熱部材の上に被加熱体を載置し、この被加熱体の表面と非接触に励磁コイルを配置して交番磁界を作用させる。そして、この交番磁界により発熱層に渦電流を生じさせ、電磁誘導による発熱層の自己発熱により被加熱体を加熱するものである。
このような電磁誘導加熱方式を用いた加熱装置は、非接触の加熱手段であるため、熱効率を損なう介在物を少なくし、被加熱体に直接的に熱を付与できるという利点がある。また、被加熱体の必要なところだけを加熱できるので熱効率が高い。
【0008】
しかし、このような電磁誘導方式の加熱装置は、加熱部周辺に配置される交番磁場発生源の励磁コイルが大型となるといった問題や、励磁コイルの近傍に配置された発熱体によって決定される交流回路の力率が低く、駆動電源が大容量化するという欠点がある。また、電磁誘導加熱方式で加熱を行う場合、交番磁場発生源から漏れた磁界が他の金属部等を加熱したり、人体に悪影響を及ぼすなどの弊害が生じる可能性がある。このため、漏洩磁束の回収を十分に行わなければならず、加熱部周辺が大型化するといった問題となる。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電磁誘導作用によって発熱する発熱層を有する搬送体を効率的に加熱することができるとともに、励磁コイルを含む交流回路の高い力率の設定を可能とし、発熱部周辺の交番磁場発生源の大型化や漏洩磁束の発生を防止することができる加熱装置を提供することである。さらに、この加熱装置を用いることによって、トナー像担持搬送体上の未定着トナー像を記録材に確実に転写定着することができるとともに、限られた電力で高速プリントが可能な画像形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、 導電性材料からなる薄層状の発熱層を有し、該発熱層と平行な方向に移動する搬送体と、 該搬送体の両側の互いに対向する位置に設けられた第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルと、 該第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとに交流電圧を印加する単一の電源装置とを有し、
前記第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとは、
それぞれの巻き線が前記搬送体の表面に沿って巻き回わされ、前記二つの励磁コイル間で巻き線が連続するとともに巻き回す方向が同一であって、前記二つの励磁コイルが和動接続結合され、これらの励磁コイルによって励起される磁束が、前記発熱層を貫通するように設定されていることを特徴とする加熱装置を提供する。
【0011】
このような加熱装置では、搬送体の両側に設けられた第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとが磁気的に和動接続結合されているので、これらの励磁コイルによる磁束は薄層状の発熱層を容易に貫通する。これにより、発熱層には渦電流が誘導され、発熱する。そして、発熱層は薄層状となっているので、短い時間で温度が上昇し、二つの励磁コイル間を通過する間に充分に加熱される。
また、上記のように発熱層の両側に励磁コイルを設け、磁束を貫通させると、発熱層の片側のみに励磁コイルを設けた場合に比べ、コイルの体積(コイル巻線の断面積×コイルの巻線長)が同じであると、力率が向上し、有効に発熱層を加熱することが可能となる。
【0012】
特に、磁性材料からなる部材によって図11(a)又は図11(b)に示すように、磁束をループ状に誘導し、周面に拡がらないようにすることによって、より効率のよい加熱が可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加熱装置において、 前記発熱層は、銅、銀、アルミニウム又はこれらと同等以下の電気抵抗率を有する、非磁性の材料からなるものであり、 この発熱層の層厚が、0.1μm以上で20μm以下であるものとする。
【0014】
上記銅、銀、アルミニウムと同様以下の抵抗率を有する非磁性の材料とは、上記三種の金属の他、これらを含む合金又はこれら以外の金属の合金等を含むものである。抵抗率は、上記三種の金属のうち最も抵抗率が大きいアルミニウム(抵抗率:2.66×10-8Ω・m)とほぼ同じか、これより小さい値の材料が該当する。
【0015】
このような加熱装置では、発熱層の厚さが0.1μmから20μmと薄いものであり、熱容量が小さいので極めて短い時間に高温まで加熱することができる。また、急速に冷却することもできる。
【0016】
また、一般に電磁誘導加熱を行うときの発熱層は磁性材料が望ましいとされているが、上記のように発熱層の厚さを小さくした場合には、電気抵抗が大きくなって渦電流の量が低下し、有効に加熱することが難しくなる。これに対し、一般的な磁性材料である鉄、ニッケル等より抵抗率の小さい材料の方が有効に発熱させることができる。本発明はこのような新たな事実を見出すことによってなされたものであり、発熱層を薄くして急速な加熱・冷却を行うとともに効率のよい加熱を行うものである。
【0017】
さらに、発熱層として非磁性材料を用いることにより、次式で示される表皮厚さδが大きくなり、実際の発熱層をこの表皮厚さよりも充分に小さなものとすることができる。そして、発熱層の厚さが表皮厚さよりも充分に薄くなっていることにより、磁束が容易に発熱層を貫通し、効率の良い加熱が行われる。
表皮厚さδ=√(2/μσω)=√(2ρ/μω)=503√(ρ/fμr
μ:透磁率(H/m)
σ:導電率(1/Ω・m)
ω:角振動数(=2πf)(1/sec)
f:周波数(Hz)
ρ:抵抗率(Ω・m)
μr :比透磁率(=μ/μ0
μ0 :真空の透磁率(=4π×10-7H/m)
【0018】
請求項3に記載の発明は、 静電電位の差による潜像にトナーを付着することによって形成されたトナー像を無端状の周面上に担持し、該周面が周回移動するように駆動されるトナー像担持搬送体と、 該トナー像担持搬送体の内側及び外側に、互いに対向するように設けられた第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルと、 該第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルに交流電圧を印加する電源装置と、 前記トナー像担持搬送体の周回方向における前記第1及び第2の励磁コイルが対向する位置の下流側で、記録媒体を該トナー像担持搬送体に押圧する押圧手段とを有し、 前記トナー像担持搬送体は、 周面に沿って、導電性材料からなる薄層状の発熱層を有するものであり、 前記第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルは単一電源からの交流電圧の印加により、前記発熱層を電磁誘導加熱するように配置され、 前記第1の励磁コイルと前記第2の励磁コイルとは、 それぞれの巻き線が前記搬送体の表面に沿って巻き回わされ、前記二つの励磁コイル間で巻き線が連続するとともに巻き回す方向が同一であって、前記二つの励磁コイルが和動接続結合され、これらの励磁コイルによって励起される磁束が、前記発熱層を貫通するように設定されていることを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0019】
このような画像形成装置では、トナー像担持搬送体に記録媒体が押圧され、トナー像の転写が行われる位置より上流に加熱装置を構成する励磁コイルが設けられているので、無端状周面を有するトナー像担持搬送体の内側及び外側の双方に充分なスペースを確保することができ、このトナー像担持搬送体の両側に励磁コイルを設けて急速に加熱を行うことができる。そして、発熱層の加熱によって、このトナー像担持搬送体に担持されているトナーを軟化させ、下流側にある押圧手段で記録媒体を圧接すると、軟化したトナーは記録媒体に強く付着し、転写と定着が同時に行われる。
【0020】
上記のように発熱層を薄くして記録媒体にトナー像を圧接させる直前に急速に加熱することによりトナー像を軟化させるための熱エネルギーは少なくて済み、効率のよい転写・定着が行われる。
また、トナー像担持搬送体の熱容量を小さくすることができ、急速に冷却されるので、トナー像担持搬送体が中間転写体であって感光体と近接しても、感光体への影響を低減することができる。
【0021】
さらに、このような画像形成装置では、トナー像担持搬送体の両側に設けられた第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとが磁気的に和動接続結合されているので、これらの励磁コイルによる磁束は発熱層を容易に貫通する。これにより、発熱層に渦電流が誘導され、発熱層の発熱によりトナー像担持搬送体上のトナー像が加熱される。この発熱層は薄層状となっているので、短い時間で温度が上昇し、二つの励磁コイル間を通過する間にトナー像が充分に加熱され、軟化する。また、上記のように発熱層の両側に励磁コイルを設け、磁束を貫通させることで力率が向上し、有効に発熱層を加熱してトナーを軟化させることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、 前記トナー像担持搬送体が有する発熱層は、銅、銀、アルミニウム又はこれらと同等以下の電気抵抗率を有する、非磁性の材料からなるものであり、 この発熱層の層厚が、0.1μm以上で20μm以下であるものとする。
【0023】
このような画像形成装置では、発熱層の厚さが0.1μmから20μmと薄く、熱容量が小さいので、極めて短い時間に高温まで加熱することができ、また急速に冷却することもできる。
また磁性材料である鉄、ニッケル等に比べ、上記銅、銀、アルミニウム等のように抵抗率の小さい材料を用いることで、発熱層の厚さを小さくした場合にも有効に発熱させることができる。さらに、発熱層の厚さが表皮厚さよりも充分に薄くなっていることにより、磁束が容易に発熱層を貫通し、効率の良い加熱を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1又は請求項2に記載の発明の第1の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
この加熱装置は、周回移動が可能に支持された円筒状の搬送体1と、この搬送体1の両側に互いに対向するように設けられた第1のコイル2aと第2のコイル2bとからなる励磁コイル2と、この励磁コイル2に交流電圧を印加する電源装置3とで主要部が構成されている。
【0025】
上記搬送体1は、耐熱性の高い円筒状基材11の周面に、電磁誘導作用により自己発熱する薄層状の発熱層12と、その上の表面層13とを有している。発熱層12は、厚さが10mm〜0.1μmで、固有抵抗が10-10 〜10-5Ω・mの電気良導体材料からなり、渦電流損によるジュール発熱を生じさせるものである。この層は、例えば強磁性材料や反磁性材料として、金属、金属化合物、有機導電体などを用いることができ、さらに詳しくは、鉄、ニッケル、コバルト、銅、銀、アルミニウム、またはそれらの化合物などが選択可能である。これらのうち発熱性能を考慮すれば銅、銀、アルミニウムなど電気抵抗率の低いものが好ましく、特に銅が最適であるので本実施形態ではこれを採用している。また発熱層12の厚さはなるべく薄い方が好ましく、特に0.1μm〜20μmが最適である。
【0026】
上記励磁コイル2は、搬送体1の外側に配置された第1のコイル2aと、内側に配置された第2のコイル2bとからなり、これらが磁気的に和動接続結合されたペアコイルである。このように和動接続結合されている場合、これらの励磁コイル2によって励起される磁束が、搬送体1の発熱層12を貫通するようになっている。
【0027】
また、第1のコイル2aと第2のコイル2bの周辺には、それぞれ強磁性体14a,14bが設けられている。この強磁性体14a,14bは、優れた加熱効率を得るために高インダクタンス化するとともに、漏洩磁束を収束させるためのものである。この強磁性体14a,14bには、ソフトフェライト等のヒステリシス損や渦電流損などが非常に小さいものが用いられる。
【0028】
上記第1のコイル2aと第2のコイル2bとからなる励磁コイル2は単一の電源装置3で駆動され、この電源装置3から20k〜100kHzの高周波交流電圧が印加される。
上記励磁コイル2のインダクタンスは、第1のコイル2aのインダクタンス成分と第2のコイル2bのインダクタンス成分との磁気的結合度を変えて決定する。磁気的結合度は、発熱層12と励磁コイルとの距離と、それぞれのコイルが作る磁界で決定する。
【0029】
励磁コイル2に印加される交流電圧の周波数は、発熱層12の厚さと透磁率および固有抵抗で決定できるが、発熱層12の厚さに対して幅や長さが10倍以上の場合、発熱層12に対して垂直に磁束が鎖交すれば渦電流損は大きくなる。例えば、発熱層12の厚さが50μ〜0.1μm程度の薄膜の場合、交流電圧の周波数を10kHz以上の高周波数とし、励磁コイル2による磁束を発熱層に対して垂直に鎖交させる。
【0030】
上記のような加熱装置では、磁気的に和動接続結合された第1のコイル2aと第2のコイル2bに電源装置3から交流電圧が印加されると、これらの励磁コイル2による磁束が図1に示すように発熱層12を貫通してループ状に誘導される。そしてこの磁束と垂直な発熱層12に渦電流が発生し、この渦電流と発熱層の固有抵抗によって発熱層12が発熱する。この発熱層12は薄膜状となっているので、短い時間で温度が上昇し、搬送体1が第1のコイル2aと第2のコイル2bとの対向部を通過する間に充分に加熱される。
【0031】
次に、上記加熱装置において、発熱層の材料や厚さを選定するための根拠について説明する。
前述したように表皮厚さδは、周波数f(Hz)、抵抗率ρ(Ω・m)、比透磁率μr により
δ=503√(ρ/fμr
と表わされる。
【0032】
発熱層の材料として、例えば銅、ニッケル、鉄、銀、アルミニウムの抵抗率ρ(Ω・m)と比透磁率μr については表1のように示される。
【表1】
Figure 0003915305
【0033】
さらに周波数fを数段階に変化させて表皮厚さδを算出すると、表2〜表6のようになる。
【表2】
Figure 0003915305
【0034】
【表3】
Figure 0003915305
【0035】
【表4】
Figure 0003915305
【0036】
【表5】
Figure 0003915305
【0037】
【表6】
Figure 0003915305
【0038】
これらの表より、銅、銀、アルミニウムのように抵抗率ρが小さく、比透磁率μr の大きい材料を用いることにより、表皮厚さδが大きくなる。従って、発熱層の厚さを表皮厚さδよりも充分に小さく設定することにより、磁束が容易に発熱層を貫通し、効率の良い加熱が行われる。本実施形態の発熱層の厚さは0.1μmから20μmと薄いものであり、熱容量が小さいので極めて短時間に高温まで加熱することができる。
【0039】
また、一般に電磁誘導加熱を行うときの発熱層は磁性材料が望ましいとされているが、上記のように発熱層の厚さを薄くした場合には、電気抵抗が大きくなって渦電流の量が低下し、有効に加熱することが難しくなる。これに対し、磁性材料である鉄、ニッケル等よりも抵抗率の小さい、銅、銀、アルミニウムなどの材料の方が有効に発熱させることができる。
【0040】
次に、励磁コイルを発熱層を挟んで外側と内側に和動接続結合させた本実施形態の加熱装置と、励磁コイルを発熱層の外側一方にのみ配置した従来の加熱装置とを比較する実験を行った結果について説明する。
この実験では、発熱層として厚さ2μmの銅を用いる。従来と本実施形態の両装置とも発熱層と励磁コイルとの距離と、励磁コイルの抵抗成分を等しくし、加熱状態は両装置とも同様の条件が得られるように設定する。力率は、励磁コイルに流れる電流と電圧の位相差から算出し、励磁コイルの大きさは、外側のコイル体積で比較している。また、漏洩磁束は両装置とも励磁コイル周辺に強磁性体を設けて磁束を回収するような条件を整えた上で、励磁コイル周辺部に漏洩した磁束密度の平均値を測定して比較する。その結果を表7に示す。
【0041】
【表7】
Figure 0003915305
【0042】
表7に示すように、従来の加熱装置では力率が0.35程度であるのに対し、本実施形態の加熱装置では0.85程度まで高くなり、全体のコイル体積がほぼ同じであっても力率が向上することがわかる。従って、励磁コイルを駆動する電源装置の低容量化、低コスト化が可能となる。また本実施形態の加熱装置では、漏洩磁束も従来の加熱装置に比べ大幅に低減できることがわかる。このため、漏洩磁束を回収するための装置の大型化などを防止することができる。
【0043】
図2は、請求項1又は請求項2に記載の発明の第2の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
この加熱装置は、図1に示す加熱装置の円筒状搬送体1に代えて、無端ベルト状部材からなる搬送体21を備えている。この搬送体21は、耐熱性の高い無端状のシート基材31の周面に、電磁誘導作用により自己発熱する薄層状の導電層32と、その上の表面層33とを有している。そして図示しない駆動手段により、図2中に示す矢印方向に周回移動するようになっている。なお、この加熱装置は、図1に示す装置と同様に、第1のコイル22aと第2のコイル22bとからなる励磁コイル22と、電源装置23と、強磁性体34a,34bとを備えており、これらの構成は図1に示すものと同じである。
【0044】
上記発熱層32には、例えば、厚さを20μm、10μm、2μmの3種に変えた銀が用いられている。また、励磁コイル22に印加する交流電圧には、20k〜100kHzの高周波数のものが用いられている。
【0045】
このような加熱装置では、搬送体21の発熱層32を挟んで外側と内側に第1のコイル22aと第2のコイル22bとが配置され、これらが磁気的に和動接続結合されているので、これらの励磁コイルによる磁束は発熱層32を貫通し、渦電流により発熱層が急激に加熱される。
上記のように厚さを変えた3種類の発熱層を用いた場合、すべての場合において良好な発熱効果を得ることができた。
【0046】
図3は、請求項1又は請求項2に記載の発明の第3の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
この加熱装置は、図2に示す加熱装置の励磁コイル22に代えて、無端ベルト状の搬送体51と対向する位置に、2つの独立した励磁コイル52,53を並列に配置したものである。励磁コイル52は、搬送体51の外側の第1のコイル52aと内側の第2のコイル52bとからなり、これらが磁気的に和動接続結合されたものであり、励磁コイル53も同様に、搬送体51の外側の第1のコイル53aと内側の第2のコイル53bとからなり、これらが磁気的に和動接続結合されたものである。なお、この装置では、基材61上に発熱層62と表面層63を有する搬送体51と、励磁コイル52,53に交流電圧を印加する電源装置54を備えており、これらの構成は図2に示す装置と同じである。
【0047】
このような加熱装置では、搬送体51と対向する2つの励磁コイル52,53によって発熱層62が電磁誘導作用により加熱される。このため、搬送体51の広い範囲で発熱層62を加熱することができ、加熱領域を広くとりたい場合に有利である。
【0048】
図4は、請求項1又は請求項2に記載の発明の第4の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
この加熱装置は、図2に示す加熱装置の励磁コイル22に代えて、コイルの巻線方向が搬送体71の周面とほぼ平行となるように配置された励磁コイル72を備えている。この励磁コイル72は、搬送体71の外側の第1のコイル72aと、搬送体71の内側の励磁コイル72bとからなり、それぞれが強磁性体84a,84bに巻き回されている。なお、この加熱装置の他の構成は図2に示す加熱装置と同じである。
このような加熱装置においても、図4に示すように励磁コイル72による磁束は搬送体71の発熱層82を貫くループ状に誘導され、発熱層82を効率よく加熱することができる。
【0049】
図5は、請求項3又は請求項4に記載の発明の第1の実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、周面が周回可能に支持された無端ベルト状の中間転写体105を備えており、この中間転写体105と対向する位置に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する4つの画像形成ユニット107Y,107M,107C,107Bが配設されている。各画像形成ユニットは、表面に静電潜像が形成される像担持体101を有しており、各像担持体101の周囲に、該像担持体101の表面をほぼ一様に帯電させる帯電装置102と、像担持体表面に像光を照射して潜像を形成する露光装置103と、像担持体上に形成された潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する現像装置104と、像担持体上のトナー像を中間転写体105上に転写する一次転写ロール106とを備えている。
【0050】
上記中間転写体105の内側には、駆動ロール108と、テンションロール109と、支持ロール110,112と、二次転写ロール113とが配置されており、これらによって中間転写体105が周回可能に張架されている。二次転写ロール113と対向する位置には、中間転写体105を二次転写ロール113に押圧する加圧ロール114を備えており、これらの押圧部の中間転写体105の周回方向上流側には、中間転写体105上に転写されたトナー像を電磁誘導作用により加熱する加熱装置120が設けられている。さらに加圧ロール114と中間転写体105との圧接部に記録材116を送り込むペーパーガイド117と、記録材を所定の搬送方向に案内する案内部材118とが配設されている。
【0051】
上記中間転写体105は、図6に示すように、耐熱性の高い無端状のシート基材131の周面に、電磁誘導作用により自己発熱する誘電発熱層132と、その上の表面離型層133とを有している。この中間転写体105は、駆動ロール108の回転により、図中に示す矢印方向に160mm/sの速度で周回移動するようになっている。
【0052】
上記加熱装置120は、中間転写体105の外側に配置された第1のコイル115aと、内側に配置された第2のコイル115bとからなる励磁コイルを備えており、第1のコイル115aと第2のコイル115bとは磁気的に和動接続結合されている。この加熱装置120は図2に示す加熱装置と同じものである。
【0053】
励磁コイルのインダクタンスLは、第1のコイル115aのインダクタンスL1と、第2のコイル115bのインダクタンスL2との磁気的結合度kが0.65〜0.95の範囲となるように設定する。この磁気的結合度kは以下の式で表わされる。
k=(L−L1−L2)/2√(L1×L2)
【0054】
この磁気的結合度kは、発熱層132と第1のコイル115a及び第2のコイル115bとの距離と、これらの励磁コイルが作る磁界の形状で決定する。これにより、励磁コイルと発熱層との力率を0.4〜0.9の範囲で設定することができる。
第1のコイル115aと第2のコイル115bとからなる励磁コイルは単一の駆動電源(図示せず)で駆動され、この駆動電源は20k〜100kHzの高周波交流電源となっている。
【0055】
上記画像形成装置で用いられるトナーは、発色性、定着性を考慮するといわゆるシャープメルトを用いることが望ましく、結着樹脂として、例えばポリエステル樹脂などを使用することができる。またトナーの軟化点は75〜150℃、好ましくは80〜125℃の低温の軟化点を有するものがよい。
ここで、シャープメルト性を有するトナーとは、見掛けの溶融粘度が103 Pa・sを示す時の温度をT1 、見掛けの溶融粘度が5×102 Pa・sを示す時の温度をT2 としたときに、T1 =80〜140℃であり、T2 −T1 =5℃〜20℃の条件を満足するものをいう。これらの温度−溶融粘度特性を有するシャープメルト性樹脂は、加熱されることにより極めてシャープに粘度低下を起こす。この粘度低下が中間転写体上の最上部トナー層と最下部トナー層との適度な混合を生じ、さらにトナー層自体の透明性を急激に増加させ、良好な減色混合を起こすものである。
【0056】
また、このシャープメルトトナーの流動によって、粉体中に含んでいた空気が逃げてトナー層内の熱伝導率が上昇するため、各色トナーを重ね合わせた場合でも、トナー層全体を短い加熱時間で溶融することができ、本実施形態の画像形成装置では特に有効となる。さらに、このようなシャープメルト性のカラートナーは親和力が大きく、定着時にオフセットし易いが、本発明では軟化点以下の温度で中間転写体105から剥離するためオフセットはまったく発生しない。
【0057】
次に上記のような画像形成装置の動作について説明する。
画像情報はシアン(C)、 マゼンタ(M)、 イエロー(Y)、 ブラック(K)の4色の像に分解され、 各画像形成ユニット107Y,107M,107C,107Kにより、像担持体101上にそれぞれ異なる色のトナー像が形成される。中間転写体105は一定方向に循環移動しており、像担持体101からトナー像が一次転写ロール106の作用により転写される。4台の画像形成ユニットからトナー像が順次転写された後、重ね合わされた4色のトナー像Gは中間転写体105の移動により加熱装置120と対向する領域に搬送される。
【0058】
そして、この領域で電磁誘導作用により中間転写体105の発熱層132が発熱し、中間転写体105上の4色のトナー像が加熱により溶融される。溶融したトナーは二次転写ロール113と圧力ロール114との対向位置で室温の記録材と圧接され、トナー像が記録材に瞬時に浸透して転写定着される。ニップの出口では、トナーの温度が記録材との接触により低下しており、トナーの凝集力が大きくなっているため、オフセットを生じることなくトナー像はそのままほぼ完全に記録材上に転写定着される。
【0059】
次に、上記画像形成装置において、加熱装置120の効果を確認するため前述の実験と同様に力率を調査する実験を行った。
この実験では、発熱層132を厚さ2μmの銅とし、交番磁場発生源を総体積80cm3 の励磁コイルとし、Φ=0.3mmの銅線を撚ったリッツ線を用いて偏平渦巻き状に巻いた40cm3 のコイルを2個作成して和動接続結合させた励磁コイルを、発熱層132を挟んで配置した。このとき、励磁コイルに印加する交流電圧の周波数を100kHz、発熱層と励磁コイルとの距離を5mmに設定すると、力率は0.85となることが確認された。
【0060】
これに対して、同体積で偏平渦巻き状に巻いた1個のコイルを作成し、発熱層を片側一方から、上記同様の周波数、上記同様の発熱層と励磁コイルとの距離に設定して加熱した場合、力率は0.4となることが確認された。従って、本実施形態の加熱装置120により高い力率を得ることができる。
【0061】
また、上記画像形成装置とほぼ同じ構成で、中間転写体の構成のみを変えてもよい。例えば図7に示すように、耐熱性の高い無端状のシート基材141の周面に、発熱層142とその上の表面離型層143を備え、さらにシート基材141の内側に発泡層144を備える4層構造の中間転写体135を用いてもよい。このような中間転写体135では、発泡層144が断熱層として機能し、中間転写体135の温度低下や裏面側の部材に熱伝導したりするのが防止され、熱効率のよい画像形成装置が得られる。
【0062】
図8は、請求項3又は請求項4に記載の発明の第2の実施形態である画像形成装置で用いられる加熱装置の近傍を示す部分構成図である。
この画像形成装置では、無端ベルト状の中間転写体151の内側に二次転写ロール152が配置され、この二次転写ロール152に中間転写体151を押圧する圧力ロール153が備えられている。そして中間転写体151の周回方向における圧力ロール153の上流側には、中間転写体151の周面と近接対向する第1のコイル154aと、二次転写ロール152の内側に配置される第2のコイル154bとを備えた加熱装置170が設けられている。また二次転写ロール152は図中に示す矢印方向に回転しており、表面近傍に発熱層152aが設けられている。なお、この画像形成装置の他の構成は図5に示す画像形成装置と同じである。
【0063】
このような画像形成装置では、中間転写体151上に一次転写されたトナー像Gは該中間転写体の周回方向に移動し、加熱装置170が設けられた位置で電磁誘導作用により二次転写ロール152の発熱層152aが加熱されてトナー像が溶融する。このトナー像は二次転写ロール152と圧力ロール153との対向位置で室温の記録材と圧接され、トナー像が記録材上に転写定着される。
【0064】
図9は、請求項3又は請求項4に記載の発明の第3の実施形態である画像形成装置で用いられる加熱装置の近傍を示す部分構成図である。
この画像形成装置では、無端ベルト状の中間転写体161の内側に固定パッド162が設けられ、この固定パッド162に中間転写体161を押圧する圧力ロール163が設けられている。この固定パッド162と圧力ロール163との圧接部には記録材が送り込まれるようになっている。また、固定パッド162と圧力ロール163との圧接部の上流側には、中間転写体161の両端部付近に該中間転写体161を湾曲させて周回移動させる案内部材(図示せず)が設けられいる。そしてこの案内部材の内側には、中間転写体161の中央部付近と近接対向するように第1のコイル164aと第2のコイル164bとを備えた加熱装置170が配置されている。この中間転写体161は図6に示すものと同じ構成であり、内部に発熱層が設けられている。なお、この画像形成装置の他の構成は図5に示す装置と同じである。
【0065】
このような画像形成装置では、中間転写体161上のトナー像Gが第1のコイル164aと第2のコイル164bとの対向部で電磁誘導作用により加熱され溶融される。そして中間転写体161の移動により固定パッド162と圧力ロール163との圧接部で室温の記録材165と押圧され、トナー像が記録材165上に転写定着される。
【0066】
また、図10に示すように、上記固定パッド162に代えてロール状部材172を配置してもよい。このような装置では、中間転写体171上のトナー像Gが第1のコイル174aと第2のコイル174bとを備えた加熱装置180との対向位置に搬送され、トナー像が電磁誘導加熱により溶融される。このトナー像はロール状部材172と圧力ロール173との圧接部で室温の記録材と圧接され、記録材上に良好に転写定着される。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明に係る加熱装置では、発熱層の両側に励磁コイルを設け、この励磁コイルによる磁束を薄層状の発熱層に貫通させるので、発熱層の片側のみに励磁コイルを設けた場合に比べて力率が向上し、有効に発熱層を加熱することができる。このため、低容量の電源を設計できるとともに、加熱装置の小型化、漏洩磁束の回収を効率的に行うことができる。
また、このような加熱装置を画像形成装置に適用し、発熱層を有するトナー像担持搬送体の両側に励磁コイルを設けて加熱することで、トナー像担持搬送体上のトナーを急激に溶融することができる。そしてこのトナー像を下流側にある押圧手段で記録媒体と圧接することにより、軟化したトナーが記録媒体に強く付着し、転写と同時に定着が行われる。このため、熱エネルギーを低減できるとともに、良好な転写定着画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1又は請求項2に記載の発明の第1の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
【図2】 請求項1又は請求項2に記載の発明の第2の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
【図3】 請求項1又は請求項2に記載の発明の第3の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
【図4】 請求項1又は請求項2に記載の発明の第4の実施形態である加熱装置を示す概略構成図である。
【図5】 請求項3又は請求項4に記載の発明の第1の実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
【図6】 上記画像形成装置で用いられる中間転写体を示す構成図である。
【図7】 上記画像形成装置で用いられる中間転写体の他の例を示す構成図である。
【図8】 請求項3又は請求項4に記載の発明の第2の実施形態である画像形成装置の加熱装置近傍を示す部分構成図である。
【図9】 請求項3又は請求項4に記載の発明の第3の実施形態である画像形成装置の加熱装置近傍を示す部分構成図である。
【図10】 請求項3又は請求項4に記載の発明の第4の実施形態である画像形成装置の加熱装置近傍を示す部分構成図である。
【図11】 本願発明の加熱装置により生じる磁束の状態を示す図である。
【符号の説明】
1、21、51、71 搬送体
2、22、52、53、72 励磁コイル
2a、22a、52a、53a、72a 第1のコイル
2b、22b、52b、53b、72b 第2のコイル
3、23、54 電源装置
11、31、61、81、131、141 基材
12、32、62、82、132、142 発熱層
13、33、63、83、133、143 表面層
14a、34a、64a、65a、84a 強磁性体
14b、34b、64b、65b、84b 強磁性体
101 像担持体
102 帯電装置
103 露光装置
104 現像装置
105、135、151、161、171 中間転写体
106 一次転写ロール
107 画像形成ユニット
108 駆動ロール
109 テンションロール
110、112 支持ロール
113 二次転写ロール
114、153、173 圧力ロール
115a、154a、164a、174a 第1のコイル
115b、154b、164b、174b 第2のコイル
116、155、165、175 記録材
117 ペーパーガイド
118 案内部材
120、160、170、180 加熱装置
144 発泡層
162 固定パッド
172 ロール状部材

Claims (4)

  1. 導電性材料からなる薄層状の発熱層を有し、該発熱層と平行な方向に移動する搬送体と、
    該搬送体の両側の互いに対向する位置に設けられた第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルと、
    該第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとに交流電圧を印加する単一の電源装置とを有し、
    前記第1の励磁コイルと第2の励磁コイルとは、
    それぞれの巻き線が前記搬送体の表面に沿って巻き回わされ、前記二つの励磁コイル間で巻き線が連続するとともに巻き回す方向が同一であって、前記二つの励磁コイルが和動接続結合され、これらの励磁コイルによって励起される磁束が、前記発熱層を貫通するように設定されていることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記発熱層は、銅、銀、アルミニウム又はこれらと同等以下の電気抵抗率を有する、非磁性の材料からなるものであり、
    この発熱層の層厚が、0.1μm以上で20μm以下であることを特徴する請求項1に記載の加熱装置。
  3. 静電電位の差による潜像にトナーを付着することによって形成されたトナー像を無端状の周面上に担持し、該周面が周回移動するように駆動されるトナー像担持搬送体と、
    該トナー像担持搬送体の内側及び外側に、互いに対向するように設けられた第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルと、
    該第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルに交流電圧を印加する電源装置と、
    前記トナー像担持搬送体の周回方向における前記第1及び第2の励磁コイルが対向する位置の下流側で、記録媒体を該トナー像担持搬送体に押圧する押圧手段とを有し、
    前記トナー像担持搬送体は、
    周面に沿って、導電性材料からなる薄層状の発熱層を有するものであり、
    前記第1の励磁コイル及び第2の励磁コイルは単一電源からの交流電圧の印加により、前記発熱層を電磁誘導加熱するように配置され、
    前記第1の励磁コイルと前記第2の励磁コイルとは、
    それぞれの巻き線が前記搬送体の表面に沿って巻き回わされ、前記二つの励磁コイル間で巻き線が連続するとともに巻き回す方向が同一であって、前記二つの励磁コイルが和動接続結合され、これらの励磁コイルによって励起される磁束が、前記発熱層を貫通するように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記トナー像担持搬送体が有する発熱層は、銅、銀、アルミニウム又はこれらと同等以下の電気抵抗率を有する、非磁性の材料からなるものであり、
    この発熱層の層厚が、0.1μm以上で20μm以下であることを特徴する請求項3に記載の画像形成装置。
JP07090099A 1999-03-16 1999-03-16 加熱装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP3915305B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07090099A JP3915305B2 (ja) 1999-03-16 1999-03-16 加熱装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07090099A JP3915305B2 (ja) 1999-03-16 1999-03-16 加熱装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000268952A JP2000268952A (ja) 2000-09-29
JP3915305B2 true JP3915305B2 (ja) 2007-05-16

Family

ID=13444882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07090099A Expired - Fee Related JP3915305B2 (ja) 1999-03-16 1999-03-16 加熱装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3915305B2 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4186457B2 (ja) 2001-07-30 2008-11-26 富士ゼロックス株式会社 磁場発生用磁心、およびこれを用いた電子写真装置
US7239836B2 (en) 2002-08-23 2007-07-03 Kyocera Mita Corporation Fixing apparatus
EP1666985B1 (en) 2003-10-17 2012-03-21 Panasonic Corporation Fixing apparatus
US7424259B2 (en) 2003-10-21 2008-09-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Fixing apparatus
CN101115803B (zh) 2005-02-07 2012-12-12 富士胶片株式会社 色料、油墨、喷墨用油墨、喷墨记录方法、彩色墨粉及彩色滤色片
JP5041716B2 (ja) * 2005-03-18 2012-10-03 株式会社リコー 定着方法及び画像形成方法
JP5062981B2 (ja) * 2005-09-14 2012-10-31 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP4756967B2 (ja) 2005-09-14 2011-08-24 キヤノン株式会社 画像加熱装置
JP4827080B2 (ja) 2005-12-19 2011-11-30 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP4787014B2 (ja) * 2005-12-21 2011-10-05 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP4847131B2 (ja) * 2006-01-05 2011-12-28 東京特殊電線株式会社 加熱ロール装置
JP4728123B2 (ja) * 2006-01-05 2011-07-20 東京特殊電線株式会社 加熱ロール装置
JP2009235113A (ja) 2008-03-25 2009-10-15 Fujifilm Corp インクジェット画像の形成方法
JP5401299B2 (ja) 2008-12-26 2014-01-29 富士フイルム株式会社 インクセット、記録物及び印刷物
JP2010180330A (ja) 2009-02-05 2010-08-19 Fujifilm Corp 非水系インク、インクセット、画像記録方法、画像記録装置、および記録物
JP2010235897A (ja) 2009-03-31 2010-10-21 Fujifilm Corp 非水系インク、インクセット、画像記録方法、画像記録装置、および記録物
JP5656376B2 (ja) * 2009-08-17 2015-01-21 キヤノン株式会社 電磁誘導加熱方式の加熱装置
US8580025B2 (en) 2009-09-04 2013-11-12 Fujifilm Corporation Ink set, recording method, recorded material and printed material
AU2010290459B2 (en) 2009-09-04 2014-06-12 Fujifilm Corporation Aqueous pigment dispersion, and aqueous ink for inkjet recording
JP5530683B2 (ja) 2009-09-04 2014-06-25 富士フイルム株式会社 アゾ顔料を含む顔料分散体、及び、これを用いたインクジェット記録用水性インク
JP5850654B2 (ja) 2010-12-28 2016-02-03 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク
JP5696004B2 (ja) 2011-08-30 2015-04-08 富士フイルム株式会社 トリアジン側鎖を有する新規化合物、着色組成物、インクジェット用インク、インクジェット記録方法、カラーフィルター、及びカラートナー
KR101717829B1 (ko) 2011-11-08 2017-03-17 후지필름 가부시키가이샤 착색 조성물 및 잉크젯 기록용 잉크
CN104011142B (zh) 2011-12-26 2016-11-16 富士胶片株式会社 具有呫吨骨架的化合物、着色组合物、喷墨记录用油墨及喷墨记录方法
WO2013129265A1 (ja) 2012-02-29 2013-09-06 富士フイルム株式会社 着色組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法
JP5836200B2 (ja) 2012-05-30 2015-12-24 富士フイルム株式会社 キサンテン骨格を有する化合物、着色組成物、インクジェット記録用インク、及びインクジェット記録方法
EP2669338B1 (en) 2012-05-31 2017-04-05 Fujifilm Corporation Coloring composition, ink for inkjet recording and inkjet recording method
EP2921530A4 (en) 2012-11-15 2016-08-03 Fujifilm Corp COLORING COMPOSITION, INK-INK PRINTING INK USING THE COLORING COMPOSITION, INK-JET PRINTING METHOD USING THIS INK FOR INK-JET PRINTING, INK CARTRIDGE, AND JET-PRINTED MATERIAL INK
JPWO2014077291A1 (ja) 2012-11-15 2017-01-05 富士フイルム株式会社 着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物
JP6170901B2 (ja) 2014-01-10 2017-07-26 富士フイルム株式会社 化合物、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、インクジェット記録物、カラーフィルタ、カラートナー、及び転写用インク
WO2018061784A1 (ja) 2016-09-30 2018-04-05 富士フイルム株式会社 水溶液、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、及びインクカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000268952A (ja) 2000-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3915305B2 (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP3491973B2 (ja) 加熱装置
JP5673053B2 (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP5585839B2 (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP2002040845A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP4508485B2 (ja) 像加熱装置、画像形成装置及び設定方法
JP2000356919A (ja) 像加熱装置および像加熱用コイル
JPH0876620A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP2002056961A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JPH08129314A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP3931589B2 (ja) 電磁誘導加熱装置、定着装置及び画像記録装置
JPH0816006A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP3901414B2 (ja) 電磁誘導加熱装置及びこれを用いた画像記録装置並びに電磁誘導加熱用被加熱体
JPH0816007A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP4277694B2 (ja) 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JPH0980939A (ja) 画像形成装置の加熱装置
JPH0850422A (ja) 励磁コイル、加熱装置、及び画像形成装置
JP2005056595A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP4103303B2 (ja) 加熱加圧装置
JP2003077645A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP4165614B2 (ja) 加熱加圧装置
JP4609146B2 (ja) 加熱装置およびその製造方法、並びにこれを用いた定着装置、画像形成装置
JP5699676B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP7176322B2 (ja) 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
JP4245070B2 (ja) 加熱加圧装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060623

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060905

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061101

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140216

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees