JP7176322B2 - 定着装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、電磁誘導過熱方式を用いた定着装置において、磁界誘導部材が所望の温度のキュリー点を有するように構成され、定着部材と磁界誘導部材との間に空隙が設けられており、誘導加熱部により電磁誘導加熱される導電性を有する発熱補助層が、定着部材の長手方向端部の内周面に対向する磁界誘導部材の外周面に設けられ、長手方向端部における磁界誘導部材の発熱量が長手方向中央部における発熱量よりも態様が開示されている。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る定着装置において、前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭いことを特徴とする定着装置である。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る定着装置において、前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体非通過領域の端部位置から前記媒体通過領域の基準位置にかけて連続的に又は階段状に狭める方向に変化することを特徴とする定着装置である。
請求項6に係る発明は、請求項3に係る定着装置のうち前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体の幅方向中央である態様において、前記発熱制御手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向の中央部が前記磁界発生手段に向かって突出する凸部を有していることを特徴とする定着装置である。
請求項7に係る発明は、磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、を備え、前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭く形成されると共に、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体の幅方向中央であり、前記発熱制御手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向の中央部が最も薄く形成されていることを特徴とする定着装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る定着装置において、前記発熱制御手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向端部から中央部にかけて連続的に又は階段状に厚さを減少させることを特徴とする定着装置である。
請求項9に係る発明は、磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、を備え、前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭く形成されると共に、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体の幅方向中央であり、前記磁界発生手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向の中央部が前記定着回転手段に対して最も接近していることを特徴とする定着装置である。
請求項11に係る発明は、磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、を備え、前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、前記発熱制御手段は前記定着回転手段に対向しない背面側に熱を蓄積する蓄熱手段を備え、前記発熱制御手段と前記蓄熱手段との接触面積は、前記媒体非通過領域の端部位置の方が前記媒体通過領域の基準位置よりも少ないことを特徴とする定着装置である。
請求項12に係る発明は、媒体に画像を形成する作像手段と、前記作像手段にて作像された媒体上の画像を定着する請求項1乃至11のいずれかに係る定着装置と、を備えた画像形成装置である。
特に、請求項1乃至11に係る発明は以下のように特有な効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、発熱制御手段につき媒体通過領域を媒体非通過領域に比べて温度上昇し易く配置するだけで、媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差を低減することができる。
請求項2に係る発明によれば、磁界発生手段のレイアウトを変化させるだけで、発熱制御手段の媒体通過領域を媒体非通過領域に比べて温度上昇し易くすることができ、媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差を低減することができる。
請求項3に係る発明によれば、発熱制御手段と磁界発生手段との相対位置関係を工夫することで、発熱制御手段の媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差を低減することができる。
請求項4に係る発明によれば、発熱制御手段と磁界発生手段との相対位置関係を連続的又は階段状に変化させない場合に比べて、発熱制御手段の媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差をより平滑に低減することができる。
請求項5に係る発明によれば、媒体の位置合せ基準が媒体の幅方向中央である態様において、発熱制御手段と磁界発生手段との相対位置関係を工夫するだけで、発熱制御手段の媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差を低減することができる。
請求項6に係る発明によれば、媒体の位置合せ基準が媒体の幅方向中央である態様において、発熱制御手段の形状を工夫するたけで発熱制御手段の媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差を低減することができる。
請求項7に係る発明によれば、媒体の位置合せ基準が媒体の幅方向中央である態様において、発熱制御手段の長手方向の中央部における媒体通過領域の熱容量を低減することができ、媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差を低減することができる。
請求項8に係る発明によれば、媒体の位置合せ基準が媒体の幅方向中央である態様において、発熱制御手段の長手方向の端部から中央部にかけて連続的又は階段状に厚さを減少させない場合に比べて、発熱制御手段の媒体通過領域と媒体非通過領域との間の温度差をより平滑に低減することができる。
請求項9に係る発明によれば、媒体の位置合せ基準が媒体の幅方向中央である態様において、磁界発生手段のレイアウトを変化させるだけで、発熱制御手段の長手方向の中央部における媒体通過領域を媒体非通過領域に比べて温度上昇し易くすることができる。
請求項10に係る発明によれば、蓄熱手段を有しない場合に比べて、発熱制御手段が非磁性化した際の急激な温度減少を抑制することができる。
請求項11に係る発明によれば、発熱制御手段と蓄熱手段との熱交換性を媒媒体非通過領域の端部で抑制することができる。
請求項12に係る発明によれば、誘導加熱により定着するに当たり、感温磁性特性を有する発熱制御手段が媒体の通過方向に交差する方向に対し磁界発生手段との位置関係が一律である場合に比べて、発熱制御手段の媒体通過領域と媒体非通過領域との間で生ずる温度差を抑制することが可能な定着装置を含む画像形成装置を構築することができる。
図1(a)は本発明が適用された定着装置を含む画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
同図において、画像形成装置は、媒体Sに画像Gを形成する作像手段11と、作像手段11にて作像された媒体S上の画像Gを定着する係る定着装置12と、を備えたものである。
そして、本例では、定着装置12は、磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段1と、定着回転手段1に対向して設けられ、当該定着回転手段1との間に媒体Sを挟持して搬送する対向回転手段2と、定着回転手段1の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段3と、定着回転手段1を介して磁界発生手段3と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、発熱層の発熱を制御する発熱制御手段4と、を備え、発熱制御手段4は、媒体Sの搬送方向に交差する幅方向において、媒体Sが通過する媒体通過領域Rsの基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域Rxの端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えたものである。
尚、図1(a)中、符号6は定着回転手段1を対向回転手段2に所定の接触域をもって押圧する押圧手段である。
また、媒体Sの位置合せ基準としては、媒体Sの搬送方向に交差する幅方向中央である所謂センタレジ方式であってもよいし、あるいは、媒体Sの幅方向一側縁である所謂サイドレジ方式のいずれをも含む。
更に、磁界発生手段3としては例えば励磁コイル3aを有し、励磁された磁界をフェライト部材などの磁界保持部材3bで保持する態様が用いられ、定着回転手段1の外周面又は内周面に沿って設けられるものを含み、発熱制御手段4は定着回転手段1を介して磁界発生手段3に対向して配置されるものを対象とする。よって、磁界発生手段3が定着回転手段1の外部で、発熱制御手段4が定着回転手段1の内部である態様は勿論、磁界発生手段3が定着回転手段1の内部で、発熱制御手段4が定着回転手段1の外部である態様も含む。
更に、発熱制御手段4は感温暴走を抑制する作用を奏する。
つまり、発熱制御手段4が磁界発生手段3と一律の位置関係を有する態様では、発熱制御手段4はキュリー点を境に強磁性から常磁性に変化するものであり、強磁性の状態では誘導加熱によりそれ自体の温度が上昇して定着回転手段1の温度を加熱するが、キュリー点に近づくと徐々に非磁性化し、キュリー点で完全に非磁性化(常磁性)するため、高温になった部分の温度上昇を抑制する。このとき、媒体通過領域Rsでは媒体Sが定着回転手段1の熱を奪うことから、媒体非通過領域Rxの方が媒体通過領域Rsよりも温度上昇し易い傾向がある。このため、発熱制御手段4の長手方向において温度差が発生し、高温部が急に非磁性化すると、負荷変動によって電源投入過剰状態になり、電源が故障してしまう現象(感温暴走)の虞れがある。これを抑制するため、本実施の形態では、発熱制御手段4には媒体通過領域Rsに対して媒体非通過領域Rxの温度上昇を抑えるようにしたものである。
先ず、発熱制御手段4と磁界発生手段3とのレイアウトの代表的態様としては、両者間の距離につき、媒体通過領域Rsの基準位置Pcにおける距離dcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peにおける距離deに比べて狭い態様が挙げられる。本例は、発熱制御手段4と磁界発生手段3との間の距離が近い程誘導加熱されやすいことに着目したものである。
また、発熱制御手段4と定着回転手段1とのレイアウトの代表的態様としては、両者間の距離につき、媒体通過領域Rsの基準位置Pcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peに比べて狭い態様が挙げられる。本例は、発熱制御手段4と定着回転手段1との間の距離が近い程定着回転手段1を誘導加熱し易いことに着目したものである。
更に、磁界発生手段3と定着回転手段1とのレイアウトの好ましい態様としては、両者間の距離につき、媒体通過領域Rsの基準位置Pcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peに比べて狭い態様が挙げられる。本例は、磁界発生手段3と定着回転手段1との間の距離が近い程定着回転手段1を誘導加熱し易いことに着目したものである。
また、発熱制御手段4と磁界発生手段3とのレイアウトの好ましい態様としては、発熱制御手段4と磁界発生手段3との間の距離は、媒体非通過領域Rxの端部位置Peから媒体通過領域Rsの基準位置Pcにかけて連続的に又は階段状に狭める方向に変化する態様が挙げられる。本例は、発熱制御手段4の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間の温度差を平滑に低減させる上で好ましい。
更に、センタレジ方式での発熱制御手段4の別の代表的態様としては、媒体Sの幅方向に沿う長手方向の中央部が磁界発生手段3に向かって突出する凸部を有している態様が挙げられる。
更にまた、センタレジ方式での発熱制御手段の他の代表的態様としては、媒体Sの幅方向に沿う長手方向の中央部が最も薄く形成されている態様が挙げられる。本例は、発熱制御手段4の厚さが厚いほど熱容量が大きくなり、温度が上昇にし難くなることに着目したものである。
本例における好ましい態様としては、媒体Sの幅方向に沿う長手方向端部から中央部にかけて連続的に又は階段状に厚さを減少させる態様が挙げられる。
また、センタレジ方式での磁界発生手段3の好ましい態様としては、媒体Sの幅方向に沿う長手方向の中央部が定着回転手段1に対して最も接近している態様が挙げられる。
更に、蓄熱手段5の好ましい態様としては、発熱制御手段4と蓄熱手段5との接触面積は、媒体非通過領域Rxの端部位置Peの方が媒体通過領域Rsの基準位置Pcよりも少ない態様が挙げられる。本例は、発熱制御手段4と蓄熱手段5との熱交換性につき媒体非通過領域Rxの端部で抑制し、発熱制御手段4の媒体非通過領域Rxの端部での温度上昇を抑制する上で好ましい。
◎実施の形態1
図2は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置20は、連続する媒体(以下連続紙という)Sに画像を形成するもので、作像部としての作像エンジン30を内蔵する作像ユニット21と、この作像ユニット21の下方に配置され、作像ユニット21に連続紙Sを供給する供給ユニット22と、作像ユニット21及び供給ユニット22の側方に隣接して配置され、作像ユニット21から排出された連続紙Sを回収する回収ユニット23と、を備えたものである。
本実施の形態において、作像エンジン30は、複数(本例では4つ)の色成分画像を形成する画像形成部31(具体的には31a~31d)と、各画像形成部31にて形成された各画像を連続紙Sに転写する前に一次転写して保持するベルト状の中間転写体40と、中間転写体40上に一次転写された各画像を連続紙Sに一括転写(二次転写)する二次転写装置50とを備えている。
ここで、本例では、画像形成部31は、例えば電子写真方式を採用するもので、例えば周面に感光層が形成されたドラム状の感光体32と、この感光体32を帯電する例えば帯電ロール等の帯電装置33と、この帯電装置33にて帯電された感光体32上に静電潜像を書き込む例えばLEDアレイからなる潜像書込装置34と、この潜像書込装置34にて書き込まれた感光体32上の静電潜像を各色成分トナーが含まれる現像剤にて可視像化する現像装置35と、この現像装置35にて可視像化されたトナーによる画像のうち感光体32上に残留したトナーを清掃する清掃装置36と、を備えている。本例では、電子写真デバイスは公知のものを広く採用することができ、例えば潜像書込装置34としてはLEDアレイに代えてレーザ走査装置を用いるようにしてもよい。また、画像形成部31は、本例では電子写真方式を採用したものであるが、これに限られるものではなく、例えば感光体32に代えて誘電体を用い、静電潜像をイオンヘッドにて形成する静電記録方式など適宜選定して差し支えない。尚、符号37(具体的には37a~37d)は各現像装置35に各色成分トナーを補給するためのトナーカートリッジである。
更に、中間転写体40のうち二次転写部位よりも回転方向下流側(本例では張架ロール41に対向する部位)には中間転写体40上に残留するトナーを清掃する中間転写体清掃装置46が設置されている。
更にまた、二次転写装置50は、図2に示すように、中間転写体40の張架ロール41に対向する部位にて中間転写体40に追従回転する二次転写ロール51を有し、中間転写体40との間で連続紙Sをニップ搬送すると共に、張架ロール41を対向電極として二次転写電界を形成することにより連続紙Sに対して中間転写体40上で多重化された各画像を連続紙Sに一括転写するものである。本例では、二次転写ロール51は金属製(例えば鋼材)の芯材の周囲に半導電性の発泡ゴム(カーボンブラック、イオン導電剤等の導電剤を混入した発泡ゴム)を巻き付けたものである。
一方、回収ユニット23は、連続紙回収部として、連続紙Sがロール状に巻かれ且つ図示外の駆動源にて回転することで連続紙Sが巻き取られる巻取ロール80を有し、作像ユニット21から排出された連続紙Sを複数の対構成の搬送ロール81,82にて搬送し、巻取ロール80に巻き取って回収するようになっている。
本実施の形態において、定着装置60は、図2及び図3(a)に示すように、所謂誘導加熱方式を採用したものであって、磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着加熱手段としての定着加熱ベルト61と、当該定着加熱ベルト61に対向して設けられ、当該定着加熱ベルト61との間に連続紙Sを挟持して搬送する定着加圧手段としての定着加圧ロール62と、定着加熱ベルト61の外周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段としての磁界発生器63と、磁界発生器63に対向して定着加熱ベルト61内に設けられ、定着加熱ベルト61の発熱層の発熱を制御する発熱制御手段としての発熱制御部材64と、を備えている。
本例において、定着加熱ベルト61は無端状のベルト部材を有し、当該ベルト部材は少なくとも連続紙Sの幅よりも幅広のものが使用されている。そして、ベルト部材は、例えば基層、導電層(発熱層として機能)、弾性層及び表面層等の多層構造として構成されている。
また、定着加圧ロール62は回転軸621の周囲に弾性体からなるロール本体622を設けたものである。
そして、定着加圧ロール62に対向する定着加熱ベルト61内にはパッド支持部材65が配置されている。このパッド支持部材65は定着加熱ベルト61の幅方向に延びる棒状に形成されており、このパッド支持部材65の定着加圧ロール62に対向する部位には押圧手段としての押圧パッド66が支持され、定着加圧ロール62に対して定着加熱ベルト61を押圧し、定着加圧ロール62と定着加熱ベルト61との間に連続紙Sを所定の接触域で挟持して搬送すると共に連続紙S上の画像を定着処理するようになっている。
尚、定着加熱ベルト61の内周面の適宜箇所には図示外の温度センサが接触若しくは非接触に設置されており、当該温度センサにて定着加熱ベルト61の温度を検知し、磁界発生器63による磁界の発生を制御することで定着加熱ベルト61を温度制御するようになっている。
更に、本例では、磁界発生器63は、定着加熱ベルト61の外周面のうち定着加圧ロール62とは反対側に位置する略半周部を囲む台座部631を有している。この台座部631は定着加熱ベルト61の幅方向に沿って延びる断面円弧状に形成されており、この台座部631には定着加熱ベルト61の幅方向に沿って周回するコイル受部632が設けられ、このコイル受部632に巻線構造の励磁コイル633が保持されている。そして、台座部631のうち励磁コイル633の背面側(定着加熱ベルト61とは反対側に相当)には磁界保持部材634が設けられている。この磁界保持部材634は例えばフェライト部材からなり、台座部631の背面側を囲むように台座部631の形状に沿って断面略円弧状に形成され、励磁コイル633から発生した磁界を定着加熱ベルト61の反対側から漏出しないように保持するようになっている。
また、本実施の形態では、発熱制御部材64は、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成されている。
ここで、キュリー点とは強磁性体が常磁性体に変化する転移温度を指し、キュリー点以上で強磁性体としての特性が消失するものである。また、感温磁性材料としては、Fe,Ni,Si、B,Nb,Cu,Zr,Coなどからなる金属軟磁性材料で、例えば、Fe-Niの二元系整磁鋼やFe-Ni-Crの三元系整磁鋼を用いることが可能であり、本例では例えばフェライト部材が選定される。
また、本例において、発熱制御部材64は、定着加熱ベルト61の内周面に略沿った断面形状を有し、かつ、定着加熱ベルト61の幅方向に延びた形状に形成されており、例えばパッド支持部材65に取り付けられた保持ブラケット68に保持されている。そして、発熱制御部材64は定着加熱ベルト61の内周面に非接触に配置されていても差し支えないが、本例では、図示外のベルト案内部材にて定着加熱ベルト61を所定の案内軌跡に沿って移動させ、発熱制御部材64と定着加熱ベルト61とは接触して配置されている。
このため、本例では、発熱制御部材64は、図4(b)(c)に示すように、連続紙Sの幅方向に沿う長手方向の中央部が磁界発生器63に向かって突出する凸部64aを有し、当該凸部64aを頂部として長手方向の両端部に向かって寸法hだけ低くなるように山型状に傾斜した傾斜部64bを有している。
ここで、発熱制御部材64、磁界発生器63及び定着加熱ベルト61のレイアウトについて整理すると、本例では、発熱制御部材64と磁界発生器63との間の距離については、図5(a)に示すように、幅狭の連続紙Sが通過する媒体通過領域Rs(図4(a)参照)の基準位置Pcにおける距離dcが、連続紙Sが通過しない媒体非通過領域Rx(図4(a)参照)の端部位置Peにおける距離deに比べて狭くなっている。
また、発熱制御部材64と定着加熱ベルト61との間の距離については、図5(a)に示すように、媒体通過領域Rsの基準位置Peにおける距離gcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peにおける距離geに比べて狭くなっている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
今、図2に示す画像形成装置においては、作像を開始するに当たって、二次転写装置50の二次転写ロール51を連続紙Sとの接触位置から一時的に退避させ、連続紙Sの紙送り、二次転写ロール51の回転を停止したまま、作像エンジン30の画像形成部31(31a~31d)及び中間転写体40を用いて画像形成を開始する。このとき、各画像形成部31の感光体32には各色成分の画像が形成され、夫々中間転写体40に一次転写されるが、この作像動作中、連続紙Sは停止したままの状態を保っている。
この後、中間転写体40上の画像の先端が二次転写部位(中間転写体40と連続紙Sとの接触部位で二次転写可能な部位に相当)に到達すると、二次転写ロール51が回転を開始すると共に、中間転写体40側に圧接し、中間転写体40との間に連続紙Sを挟持して搬送し、更に、二次転写装置50による二次転写処理が開始され、中間転写体40上の画像が連続紙Sに一括転写される。
この後、画像を保持した連続紙Sは定着装置60に至り、連続紙S上に画像が定着される。
ここで、定着装置60の作動について説明する。
本実施の形態では、磁界発生器63に電源回路67からの高周波電流が供給され、励磁コイル633から磁界が発生する。すると、励磁コイル633から発生した磁界は主として定着加熱ベルト61側に作用し、定着加熱ベルト61の発熱層を直接若しくは発熱制御部材64を介して発熱させる。
このようにして定着加熱ベルト61は加熱されることになり、定着加熱ベルト61と定着加圧ロール62との間の定着域(接触域に相当)に挟持搬送されている連続紙S上の画像を加熱、加圧定着する。
このような定着処理において、例えば幅狭の連続紙Sが定着装置60の定着域を通過する場合を想定すると、媒体通過領域Rsでは定着加熱ベルト61の熱は連続紙Sに奪われるのに対し、媒体非通過領域Rxでは連続紙Sが通過しないことから、定着加熱ベルト61の温度は上昇し易い傾向にある。このとき、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間の温度差が顕著になり易く、これに伴って、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間の温度差も顕著になり易い。
このような状態において、発熱制御部材64はキュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成されているため、仮に、発熱制御部材64の媒体非通過領域Rxが早期にキュリー点以上の高温部に至ってしまうと、当該高温部が非磁性化してしまう事態が起こり、高温部における温度上昇は抑制される。このような負荷変動が生ずると、磁界発生器63にて発生している磁界のLRが小さくなり、電源投入過剰状態になる。つまり、図3(b)に示すように、LRが小さくなると、ダイオード整合器673を流れる回生電流Isが増大し、スイッチング素子(IGBT素子)672の発熱が促進され、スイッチング素子672が異常昇温してしまうと電源が故障する要因(感温暴走)になるという懸念がある。
この結果、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間で生ずる温度差も抑制されることになり、前述した電源の故障(感温暴走)は生じ難い。
図6は変形の形態1-1に係る定着装置を示す。
同図において、定着装置60の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、発熱制御部材64のうち定着加熱ベルト61に対向しない背面側に蓄熱手段としての蓄熱部材100を備えたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、蓄熱部材100は、渦電流を流れ易くするために電気抵抗が小さく、非磁性体であり、耐熱性及び熱伝導性がある材料、例えばアルミニウムにて構成されており、発熱制御部材64と密着するように発熱制御部材64の形状に倣った形状に形成されている。
本実施の形態によれば、基本的に実施の形態1と同様な作用を奏するほか、蓄熱部材100と発熱制御部材64とは密着することによりお互いの熱を交換するため、例えば発熱制御部材64がキュリー点以上で非磁性化する直前に至ったとしても、蓄熱部材100に蓄積された熱が伝達されることから、発熱制御部材64が非磁性化にした際の急激な温度減少が抑制される。
更に、発熱制御部材64と蓄熱部材100との接触面積について、媒体非通過領域Rxの端部位置の方が媒体通過領域Rsの基準位置よりも少なくすると、発熱制御部材64と蓄熱部材100との熱交換性が媒体非通過領域Rxの端部で抑制され、その分、発熱制御部材64の媒体非通過領域Rxの端部での温度上昇をより抑制される。
図7(a)乃至図7(c)は変形の形態1-2に係る定着装置の要部を示す。
同図において、定着装置60の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる発熱制御部材64を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、発熱制御部材64は、記録紙Sの幅方向に沿う長手方向の中央部が最も薄い薄肉部110として形成され、更に、長手方向の端部から中央部にかけて階段状に厚さtを減少させるようにしたものである。
但し、本例では、発熱制御部材64の肉厚を変化させた構成であるため、発熱制御部材64と磁界発生器63との間の距離d0は、媒体通過領域Rsの基準位置Pc、媒体非通過領域Rxの端部位置Peのいずれも同じに設定されている。
本実施の形態では、発熱制御部材64の厚さtが厚い程熱容量が大きくなり、その分、温度が上昇し難い。このため、本例では、発熱制御部材64の長手方向中央部が薄肉部110であり、端に行くにつれて厚肉部111になっているため、発熱制御部材64の中央部に比べて端部の方が温度上昇し難くなり、その分、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間の温度差は低減される。
尚、本例は、発熱制御部材64の厚さを階段状に変化させているが、これに限られるものではなく、連続的に厚さを変化させるようにしてもよい。
図8(a)乃至図8(c)は変形の形態1-3に係る定着装置の要部を示す。
同図において、定着装置60の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1、変形の形態1-2と異なる発熱制御部材64を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例は、発熱制御部材64は、図8(b)(c)に示すように、厚さtが略一定の構造で、かつ、定着加熱ベルト61との間の距離はいずれも一定に保たれている。
本例は、磁界発生器63と定着加熱ベルト61との間の距離について、媒体通過領域Rsの基準位置Pcにおける距離mcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peにおける距離meよりも狭くなっている。
このため、本例では、磁界発生器63と発熱制御部材64との間の距離についても、媒体通過領域Rsの基準位置Pcにおける距離dcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peにおける距離deよりも狭くなっている。
本例によれば、磁界発生器63から発生する磁界は、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsに強く、媒体非通過領域Rxに弱く作用し、また、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsに強く、媒体非通過領域Rxに弱く作用する。このため、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsの方が媒体非通過領域Rxに比べて直接若しくは発熱制御部材64を介して間接的に発熱され易くなり、その分、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsの方が媒体非通過領域Rxに比べて発熱量が増加する。
しかしながら、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsでは連続紙Sに熱を奪われることから、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの温度差は抑制されることになり、これに伴って、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの温度差は抑制される。
図9(a)は実施の形態2に係る定着装置のレイアウトを示す説明図である。
同図において、定着装置60は、連続紙Sの位置合せ基準が搬送方向に交差する幅方向一側(所謂サイドレジ)である態様に設置されたものである。
本例において、定着装置60の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる発熱制御部材64を備えている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例においては、連続紙Sが通過する媒体通過領域Rsの基準位置Pcは、図9(a)に示すように、サイドレジの基準線SLに連続紙Sの一側縁を位置合せているため、サイドレジの基準線SLから連続紙Sの幅寸法wsの1/2の寸法分だけ変位した位置になっている。
このため、本例では、発熱制御部材64は、図9(b)(c)示すように、媒体通過領域Rsの基準位置Pcが当該基準位置Pcから離れた媒体非通過領域Rxの端部位置Peに比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えている。
具体的には、発熱制御部材64は、媒体通過領域Rsの基準位置Pcにおいて磁界発生器63に向かって突出する凸部120を有し、媒体非通過領域Rxの端部位置Peに向かってh1の段差をもつ傾斜部121を有すると共に、媒体通過領域Rsの端部位置(サイドレジの基準線SLに相当)に向かってh2の段差をもつ傾斜部122を有している。尚、h2はh1に比べて十分に小さくて差し支えなく、段差0でもよい。また、傾斜部121,122は直線状に形成されたものが示されているが、曲面状に形成されたものであっても差し支えない。
また、発熱制御部材64と定着加熱ベルト61との間の距離についても、媒体通過領域Rsの基準位置Peにおける距離gcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peにおける距離geよりも狭くなっている。
本実施の形態では、実施の形態1と異なり、サイドレジ方式の画像形成装置に適用されたものであるが、発熱制御部材64のうち媒体通過領域Rsに対応する部分は磁界発生器63、定着加熱ベルト61に接近して配置されており、一方、媒体非通過領域Rxに対応する部分は磁界発生器63、定着加熱ベルト61から離れて配置されている構造であるため、発熱制御部材64のうち、磁界発生器63からの磁界の作用、あるいは、定着加熱ベルト61からの温度の影響が媒体通過領域Rsに対応した部分の方が媒体非通過領域Rxに対応した部分よりも強くなり、その分、図10(b)に示すように、発熱制御部材64のうち、媒体通過領域Rsに対応した部分の時間に対する温度上昇特性は、媒体非通過領域Rxに対応する部分よりも早くなり、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsに対する発熱量が媒体非通過領域Rxに比べて増加する。しかしながら、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsの発熱量の増加分は連続紙Sに奪われることから、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間の温度差は抑制される。
この結果、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間で生ずる温度差も抑制されることになり、前述した電源の故障(感温暴走)は生じ難い。
図11(a)乃至11(c)は変形の形態2-1に係る定着装置の要部を示す。
同図において、定着装置60の基本的構成は、実施の形態2と略同様であるが、実施の形態2と異なる発熱制御部材64を備えている。尚、実施の形態2と同様な構成要素については実施の形態2と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例において、発熱制御部材64は、記録紙Sの媒体通過領域Rsの基準位置Peが最も薄い薄肉部130として形成され、更に、薄肉部130から長手方向の端部にかけて階段状に厚さtを減少させるようにしたものである。
但し、本例では、発熱制御部材64の肉厚を変化させた構成であるため、発熱制御部材64と磁界発生器63との間の距離d0は、媒体通過領域Rsの基準位置Pc、媒体非通過領域Rxの端部位置Peのいずれも同じに設定されている。
本実施の形態では、発熱制御部材64の厚さtが厚い程熱容量が大きくなり、その分、温度が上昇し難い。このため、本例では、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsの基準位置Pcが薄肉部130であり、端に行くにつれて厚肉部131になっているため、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsに比べて媒体非通過領域Rxの端部の方が温度上昇し難くなり、その分、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの間の温度差は低減される。
尚、本例は、発熱制御部材64の厚さを階段状に変化させているが、これに限られるものではなく、連続的に厚さを変化させるようにしてもよい。
図12(a)乃至図12(c)は変形の形態2-2に係る定着装置の要部を示す。
同図において、定着装置60の基本的構成は、実施の形態2と略同様であるが、実施の形態2、変形の形態2-1と異なる発熱制御部材64を備えている。尚、実施の形態2と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本例は、発熱制御部材64は、図12(b)(c)に示すように、厚さtが略一定の構造で、かつ、定着加熱ベルト61との間の距離はいずれも一定に保たれている。
本例は、磁界発生器63と定着加熱ベルト61との間の距離について、媒体通過領域Rsの基準位置Pcにおける距離mcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peにおける距離meよりも狭くなっている。
このため、本例では、磁界発生器63と発熱制御部材64との間の距離についても、媒体通過領域Rsの基準位置Pcにおける距離dcが媒体非通過領域Rxの端部位置Peにおける距離deよりも狭くなっている。
本例によれば、磁界発生器63から発生する磁界は、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsに強く、媒体非通過領域Rxに弱く作用し、また、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsに強く、媒体非通過領域Rxに弱く作用する。このため、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsの方が媒体非通過領域Rxに比べて直接若しくは発熱制御部材64を介して間接的に発熱され易くなり、その分、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsの方が媒体非通過領域Rxに比べて発熱量が増加する。
しかしながら、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsでは連続紙Sに熱を奪われることから、定着加熱ベルト61の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの温度差は抑制されることになり、これに伴って、発熱制御部材64の媒体通過領域Rsと媒体非通過領域Rxとの温度差は抑制される。
本実施例は、実施の形態1に係る定着装置を具現化し、正常限界温度を測定したものである。
本例では、発熱制御部材64として媒体通過領域Rsの基準位置に凸部を設けたものである。
尚、比較例1は発熱制御部材64として実施例1の凸部を設けることなく、磁界発生器63との間の距離を一体にしたものを使用した態様である。
ここで、「正常限界温度」とは、幅狭の連続紙S(ws=100mm)を通過させたときに、電源回路のスイッチング素子(IGBT素子)が異常昇温しない定着温度の最大値を指す。例えば、正常限界温度が170℃の定着装置では、定着温度設定170℃では正常に稼働するが、171℃ではスイッチング素子に異常昇温が発生する。
図13(a)に示すように、比較例1では正常限界温度のばらつきは大きく、図13(b)に示すように、プリント枚数増加に伴って正常限界温度が低下し、維持制が損なわれる懸念がある。
これに対し、実施例1では、図13(a)に示すように、正常限界温度を抜本的に高くすることが可能になり、また、図13(b)に示すように、初期的に正常限界温度が下がることは避けられないものの、その温度は再考設定定着温度よりも十分に高い状態で維持することが可能である。
本実施例は実施の形態1に係る定着装置を具現化したもので、定着加熱ベルトの発熱分布を測定したところ、図14(a)に示す結果が得られた。
図14(a)によれば、定着加熱ベルトの発熱分布は略均一であることが理解される。
尚、図14(b)は実施例2で用いられる発熱制御部材の頂点の高さ分布を示す説明図である。
◎比較例2
比較例2は発熱制御部材として図15(b)に示す頂点の高さ分布のものを用い、定着加熱ベルトの発熱分布を測定したところ、図15(a)に示す結果が得られた。
図15(a)によれば、定着加熱ベルトの発熱分布は実施例2に比べて不均一であることが理解される。
◎比較例3
比較例3は発熱制御部材として図16(b)に示す頂点の高さ分布のものを用い、定着加熱ベルトの発熱分布を測定したところ、図16(a)に示す結果が得られた。
図16(a)によれば、定着加熱ベルトの発熱分布は実施例2、比較例2に比べて更に不均一であることが理解される。
Claims (12)
- 磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、
前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、
前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、
を備え、
前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、
前記発熱制御手段と前記定着回転手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭いことを特徴とする定着装置。 - 磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、
前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、
前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、
を備え、
前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、
前記磁界発生手段と前記定着回転手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭いことを特徴とする定着装置。 - 請求項1又は2に記載の定着装置において、
前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭いことを特徴とする定着装置。 - 請求項3に記載の定着装置において、
前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体非通過領域の端部位置から前記媒体通過領域の基準位置にかけて連続的に又は階段状に狭める方向に変化することを特徴とする定着装置。 - 請求項3に記載の定着装置のうち前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体の幅方向中央である態様において、
前記発熱制御手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向の中央部が前記磁界発生手段に対して最も接近していることを特徴とする定着装置。 - 請求項3に記載の定着装置のうち前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体の幅方向中央である態様において、
前記発熱制御手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向の中央部が前記磁界発生手段に向かって突出する凸部を有していることを特徴とする定着装置。 - 磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、
前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、
前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、
を備え、
前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、
前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭く形成されると共に、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体の幅方向中央であり、
前記発熱制御手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向の中央部が最も薄く形成されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項7に記載の定着装置において、
前記発熱制御手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向端部から中央部にかけて連続的に又は階段状に厚さを減少させることを特徴とする定着装置。 - 磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、
前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、
前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、
を備え、
前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、
前記発熱制御手段と前記磁界発生手段との間の距離は、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体非通過領域の端部位置に比べて狭く形成されると共に、前記媒体通過領域の基準位置が前記媒体の幅方向中央であり、
前記磁界発生手段は、前記媒体の幅方向に沿う長手方向の中央部が前記定着回転手段に対して最も接近していることを特徴とする定着装置。 - 請求項1、2、7又は9に記載の定着装置において、
前記発熱制御手段は前記定着回転手段に対向しない背面側に熱を蓄積する蓄熱手段を備えていることを特徴とする定着装置。 - 磁界の作用により発熱する発熱層を有する定着回転手段と、
前記定着回転手段に対向して設けられ、当該定着回転手段との間に媒体を挟持して搬送する対向回転手段と、
前記定着回転手段の外周面又は内周面に対し予め決められた間隙をもって配置され、磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記定着回転手段を介して前記磁界発生手段と対向して配置され、キュリー点を持つ感温磁性材料を含んで構成され、前記発熱層の発熱を制御する発熱制御手段と、
を備え、
前記発熱制御手段は、前記媒体の搬送方向に交差する幅方向において、前記媒体が通過する媒体通過領域の基準位置が当該基準位置から離れた媒体非通過領域の端部位置に比べて、時間に対する温度上昇特性を早くする構成を備えており、
前記発熱制御手段は前記定着回転手段に対向しない背面側に熱を蓄積する蓄熱手段を備え、前記発熱制御手段と前記蓄熱手段との接触面積は、前記媒体非通過領域の端部位置の方が前記媒体通過領域の基準位置よりも少ないことを特徴とする定着装置。 - 媒体に画像を形成する作像手段と、
前記作像手段にて作像された媒体上の画像を定着する請求項1乃至11のいずれかに記載の定着装置と、
を備えた画像形成装置。
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