JPWO2018047468A1 - 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

厚さが4.0μm〜9.0μmである多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面に設けられた、接着性樹脂及び熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kである熱伝導性無機フィラーを含有する接着性多孔質層と、を備え、前記接着性多孔質層における前記熱伝導性無機フィラーの含有量が、前記多孔質基材の両面の合計として、前記接着性樹脂と前記熱伝導性無機フィラーの合計量に対して45体積%〜75体積%であり、前記接着性多孔質層の厚さが、前記多孔質基材の両面の合計として、0.5μm〜2.9μmである、非水系二次電池用セパレータ。

Description

本発明は、非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、カムコーダ等の携帯型電子機器の電源として広く用いられている。携帯型電子機器の小型化及び軽量化に伴い、非水系二次電池の外装の簡素化及び軽量化がなされており、外装材としてステンレス製の缶にかわって、アルミ製の缶が開発され、さらに金属製の缶にかわって、アルミラミネートフィルム製のパックが開発されている。ただし、アルミラミネートフィルム製パックは軟らかいが故に、該パックを外装材とする電池(所謂ソフトパック電池)においては、外部からの衝撃や、充放電に伴う電極の膨張及び収縮によって、電極とセパレータとの間に隙間が形成されやすく、電池のサイクル寿命が低下することがある。
上記の課題を解決するため、電極とセパレータとの接着を高める技術が提案されている。その技術の一つとして、ポリオレフィン微多孔膜等からなる基材上にポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む多孔質層を備えたセパレータが知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
ほかに、非水系二次電池に関し、電池の安全性確保の観点から電池内部の温度上昇を抑制することを目的に、セパレータ又は電極の熱伝導性を高める技術が提案されている(例えば、特許文献2〜7参照)。
ほかに、非水系二次電池に関し、様々な目的で、無機粒子を含む樹脂層を有するセパレータが提案されている(例えば、特許文献8〜13参照)。
特許第4127989号公報 特許第5888451号公報 特開2014−191912号公報 特許第5834940号公報 特開2008−282558号公報 特開2011−159488号公報 特開2013−149434号公報 特開2013−54973号公報 特開2014−112553号公報 特開2014−123573号公報 国際公開第2014/148036号 国際公開第2015/097953号 国際公開第2016/002567号
電子機器のさらなる小型化及び軽量化のために、非水系二次電池自体のさらなる小型化及び軽量化が求められている。小型化及び軽量化しても電池の出力及び容量を確保するには、電池のエネルギー密度を高める必要があり、したがって、セパレータの薄膜化が求められている。一方で、セパレータが薄膜化すると、機械的耐熱性及び電極との接着が弱まる傾向があるので、電池の短絡を抑制する方策、及び電極との接着を確保する方策を講じる必要がある。
本開示は、上記状況のもとになされた。
本開示は、薄膜化と電極に対する接着性とを両立し、且つ厚さ方向の熱伝導性に優れる非水系二次電池用セパレータを提供することを目的とし、これを解決することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の形態が含まれる。
[1] 厚さが4.0μm〜9.0μmである多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面に設けられた、接着性樹脂及び熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kである熱伝導性無機フィラーを含有する接着性多孔質層と、を備え、前記接着性多孔質層における前記熱伝導性無機フィラーの含有量が、前記多孔質基材の両面の合計として、前記接着性樹脂と前記熱伝導性無機フィラーの合計量に対して45体積%〜75体積%であり、前記接着性多孔質層の厚さが、前記多孔質基材の両面の合計として、0.5μm〜2.9μmである、非水系二次電池用セパレータ。
[2] 前記接着性樹脂が、フッ化ビニリデン単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン単量体単位を有し、ヘキサフルオロプロピレン単量体単位の含有量が3質量%〜20質量%であり、且つ重量平均分子量が10万〜150万であるポリフッ化ビニリデン系樹脂である、[1]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[3] 前記熱伝導性無機フィラーが、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、及び炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[4] 前記熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径が0.05μm〜0.8μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[5] 厚さ方向の熱伝導率が0.9W/m・K〜5.0W/m・Kである、[1]〜[4]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[6] 正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された[1]〜[5]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータと、を備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池。
本開示によれば、薄膜化と電極に対する接着性とを両立し、且つ厚さ方向の熱伝導性に優れる非水系二次電池用セパレータが提供される。
以下に、発明の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、「機械方向」とは、長尺状に製造される多孔質基材及びセパレータにおいて長尺方向を意味し、「幅方向」とは、「機械方向」に直交する方向を意味する。本開示において、「機械方向」を「MD方向」ともいい、「幅方向」を「TD方向」ともいう。
本開示において、樹脂の「単量体単位」とは、樹脂の構成単位であって、単量体が重合してなる構成単位を意味する。
<非水系二次電池用セパレータ>
本開示の非水系二次電池用セパレータ(「セパレータ」ともいう。)は、厚さが4.0μm〜9.0μmである多孔質基材と、該多孔質基材の片面又は両面に設けられた接着性多孔質層とを備える。
本開示のセパレータにおいて接着性多孔質層は、接着性樹脂と、熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kである熱伝導性無機フィラーとを含有する。本開示において「熱伝導性無機フィラー」とは、熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kの無機フィラーを指す。
本開示のセパレータは、接着性多孔質層における熱伝導性無機フィラーの含有量が、多孔質基材の両面の合計として、接着性樹脂と熱伝導性無機フィラーの合計量に対して45体積%〜75体積%であり、接着性多孔質層の厚さが、多孔質基材の両面の合計として、0.5μm〜2.9μmである。
本開示のセパレータにおいて接着性多孔質層は、セパレータの最外層として存在し、電極と接着する層である。
本開示のセパレータは、薄膜化と電極に対する接着性とを両立し、且つ厚さ方向の熱伝導性に優れる非水系二次電池用セパレータである。本開示のセパレータは、薄膜化していることにより、電池のエネルギー密度を高め、電極との接着が良好であることにより、電池のサイクル特性(容量維持率)を向上させ、厚さ方向の熱伝導性に優れることにより、電池の放熱性を向上させ短絡を抑制する。
電池は、一般的に、正極と負極とセパレータとを積層して形成した素子を外装材に封入して製造するところ、通常は、両極とセパレータの積層方向に対して直交する方向が、電池の主面(最も面積の広い面)となる。電池の短絡を抑制するためには、電池の主面から効率的に放熱できることが望ましく、そのためには、セパレータは厚さ方向に熱伝導性に優れることが望ましい。
本開示のセパレータは、接着性多孔質層に、熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kである熱伝導性無機フィラーを含有する。熱伝導率が30W/m・K未満である無機フィラーでは、接着性多孔質層及びセパレータの熱伝導性を確保することが難しい。一方、熱伝導率が250W/m・K超である無機フィラーは、電子伝導性を発揮する場合があり、電池の短絡を誘発するおそれがあり好ましくない。
本開示のセパレータは、接着性多孔質層における熱伝導性無機フィラーの含有量が、多孔質基材の両面の合計として、45体積%〜75体積%である。熱伝導性無機フィラーの含有量が、接着性樹脂との合計量に対して45体積%未満であると、接着性多孔質層及びセパレータの熱伝導性を確保することが難しい。一方、熱伝導性無機フィラーの含有量が、接着性樹脂との合計量に対して75体積%超であると、接着性多孔質層において面方向に熱が拡散してしまい、接着性多孔質層及びセパレータの厚さ方向の熱伝導性を確保することが難しい場合がある。また、熱伝導性無機フィラーの含有量が、接着性樹脂との合計量に対して75体積%超であると、セパレータは電極との接着に劣り、その結果、電池の製造歩留りが低い。
本開示のセパレータは、多孔質基材の厚さが4.0μm〜9.0μmであり、且つ、接着性多孔質層の厚さが、多孔質基材の両面の合計として0.5μm〜2.9μmである。このように薄膜化していることにより、本開示のセパレータによれば、電池のエネルギー密度を高めることができる。
セパレータの多孔質基材及び接着性多孔質層は、電池のエネルギー密度を高めるためには薄いほど好ましい。ただし、多孔質基材又は接着性多孔質層が薄すぎると、セパレータの製造歩留り又は電池の製造歩留りが低い。これらの観点から、本開示のセパレータは、多孔質基材の膜厚と、接着性多孔質層の層厚とを、上記範囲とする。
以下、本開示のセパレータが有する多孔質基材及び接着性多孔質層の詳細を説明する。
[多孔質基材]
本開示において多孔質基材とは、内部に空孔ないし空隙を有する基材を意味する。このような基材としては、微多孔膜;繊維状物からなる、不織布、紙等の多孔性シート;これら微多孔膜や多孔性シートに他の多孔性の層を1層以上積層した複合多孔質シート;などが挙げられる。本開示においては、セパレータの薄膜化及び強度の観点から、微多孔膜が好ましい。微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった膜を意味する。
多孔質基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料が好ましく、有機材料及び無機材料のいずれでもよい。
多孔質基材は、多孔質基材にシャットダウン機能を付与するため、熱可塑性樹脂を含むことが望ましい。シャットダウン機能とは、電池温度が高まった際に、構成材料が溶解して多孔質基材の孔を閉塞することによりイオンの移動を遮断し、電池の熱暴走を防止する機能をいう。熱可塑性樹脂としては、融点200℃未満の熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;などが挙げられ、中でもポリオレフィンが好ましい。
多孔質基材としては、ポリオレフィンを含む微多孔膜(「ポリオレフィン微多孔膜」という。)が好ましい。ポリオレフィン微多孔膜としては、例えば、従来の電池セパレータに適用されているポリオレフィン微多孔膜が挙げられ、この中から十分な力学特性とイオン透過性を有するものを選択することが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜は、シャットダウン機能を発現する観点から、ポリエチレンを含むことが好ましく、ポリエチレンの含有量としては、ポリオレフィン微多孔膜全体の質量に対して95質量%以上が好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜は、高温に曝されたときに容易に破膜しない程度の耐熱性を付与する観点からは、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン微多孔膜が好ましい。このようなポリオレフィン微多孔膜としては、ポリエチレンとポリプロピレンが1つの層において混在している微多孔膜が挙げられる。該微多孔膜においては、シャットダウン機能と耐熱性の両立という観点から、95質量%以上のポリエチレンと5質量%以下のポリプロピレンとを含むことが好ましい。また、シャットダウン機能と耐熱性の両立という観点からは、2層以上の積層構造を備え、少なくとも1層はポリエチレンを含み、少なくとも1層はポリプロピレンを含む構造のポリオレフィン微多孔膜も好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンとしては、重量平均分子量(Mw)が10万〜500万のポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンのMwが10万以上であると、微多孔膜に十分な力学特性を付与できる。一方、ポリオレフィンのMwが500万以下であると、微多孔膜のシャットダウン特性が良好であるし、微多孔膜の成形がしやすい。
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、溶融したポリオレフィン樹脂をT−ダイから押し出してシート化し、これを結晶化処理した後延伸し、次いで熱処理をして微多孔膜とする方法:流動パラフィンなどの可塑剤と一緒に溶融したポリオレフィン樹脂をT−ダイから押し出し、これを冷却してシート化し、延伸した後、可塑剤を抽出し熱処理をして微多孔膜とする方法;などが挙げられる。
繊維状物からなる多孔性シートとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の耐熱性樹脂;セルロース;などの繊維状物からなる、不織布、紙等の多孔性シートが挙げられる。耐熱性樹脂とは、融点が200℃以上の樹脂、又は、融点を有さず分解温度が200℃以上の樹脂を指す。
複合多孔質シートとしては、微多孔膜や繊維状物からなる多孔性シートに、機能層を積層したシートが挙げられる。このような複合多孔質シートは、機能層によってさらなる機能付加が可能となる観点から好ましい。機能層としては、例えば耐熱性を付与するという観点からは、耐熱性樹脂からなる多孔性の層や、耐熱性樹脂及び無機フィラーからなる多孔性の層が挙げられる。耐熱性樹脂としては、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン及びポリエーテルイミドから選ばれる1種又は2種以上の耐熱性樹脂が挙げられる。無機フィラーとしては、アルミナ等の金属酸化物;水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;などが挙げられる。複合化の手法としては、微多孔膜や多孔性シートに機能層を塗工する方法、微多孔膜や多孔性シートと機能層とを接着剤で接合する方法、微多孔膜や多孔性シートと機能層とを熱圧着する方法等が挙げられる。
多孔質基材の表面には、多孔質層を形成するための塗工液との濡れ性を向上させる目的で、多孔質基材の性質を損なわない範囲で、各種の表面処理を施してもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
[多孔質基材の特性]
多孔質基材の厚さは、電池のエネルギー密度を高める観点及びセパレータの厚さ方向の熱伝導性の観点から9.0μm以下であり、8.0μm以下がより好ましく、セパレータの製造歩留り及び電池の製造歩留りの観点から、4.0μm以上であり、5.0μm以上がより好ましい。
多孔質基材のガーレ値(JIS P8117:2009)は、電池の短絡の抑制及び十分なイオン透過性を得る観点から、50秒/100cc〜200秒/100ccが好ましい。
多孔質基材の空孔率は、適切な膜抵抗やシャットダウン機能を得る観点から、20%〜60%が好ましい。多孔質基材の空孔率は、下記の算出方法に従って求める。即ち、構成材料がa、b、c、…、nであり、各構成材料の質量がWa、Wb、Wc、…、Wn(g/cm)であり、各構成材料の真密度がda、db、dc、…、dn(g/cm)であり、膜厚をt(cm)としたとき、空孔率ε(%)は以下の式より求められる。
ε={1−(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
多孔質基材の突刺強度は、セパレータの製造歩留り及び電池の製造歩留りを向上させる観点から、300g以上が好ましい。多孔質基材の突刺強度は、カトーテック社KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行って測定する最大突刺荷重(g)を指す。
[接着性多孔質層]
本開示において接着性多孔質層は、多孔質基材の片面又は両面に設けられた、少なくとも接着性樹脂及び熱伝導性無機フィラーを含む多孔質層である。本開示において接着性多孔質層は、さらに、熱伝導性無機フィラー以外の無機フィラー、有機フィラー等を含んでもよい。
本開示において接着性多孔質層は、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となっている。
本開示において接着性多孔質層は、多孔質基材の片面又は両面にセパレータの最外層として設けられ、セパレータと電極とを重ねてプレス又は熱プレスしたときに電極と接着する層である。
接着性多孔質層は、多孔質基材の片面のみにあるよりも両面にある方が、電池のサイクル特性が優れる観点から好ましい。接着性多孔質層が多孔質基材の両面にあると、セパレータの両面が接着性多孔質層を介して両電極とよく接着するからである。
・接着性樹脂
接着性多孔質層に含まれる接着性樹脂は、電極と接着し得るものであれば特に制限されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、フッ素系ゴム、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ビニルニトリル化合物(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)の単独重合体又は共重合体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等)などが挙げられる。
接着性樹脂は、重量平均分子量(Mw)が10万〜300万であることが好ましい。接着性樹脂のMwが10万以上であると、接着性多孔質層の力学特性が優れる。一方、接着性樹脂のMwが300万以下であると、接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液の粘度が高くなり過ぎず成形性及び結晶形成がよく、接着性多孔質層の多孔化が良好である。接着性樹脂のMwは、より好ましくは30万〜200万であり、更に好ましくは50万〜150万である。
接着性多孔質層は、接着性樹脂を1種のみ含んでもよく、2種以上含んでもよい。接着性多孔質層に含まれる接着性樹脂としては、電極に対する接着性の観点から、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましく、ポリフッ化ビニリデン系樹脂がより好ましい。接着性多孔質層の実施形態例においては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、接着性多孔質層に含まれる全樹脂の総量の90質量%以上を占めることがあり、95質量%以上を占めることがあり、100質量%を占めることがある。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体(即ちポリフッ化ビニリデン);フッ化ビニリデンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(ポリフッ化ビニリデン共重合体);これらの混合物;が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロエチレン、フッ化ビニル等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、電極に対する接着性の観点から、フッ化ビニリデン単量体単位(「VDF単位」ともいう。)とヘキサフルオロプロピレン単量体単位(「HFP単位」ともいう。)とを有する共重合体(「VDF−HFP共重合体」ともいう。)が好ましい。ヘキサフルオロプロピレンをフッ化ビニリデンと共重合することで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の結晶性と耐熱性を適度な範囲に制御できる。その結果、電極との接着処理の際に接着性多孔質層が流動することを抑制することができる。
VDF−HFP共重合体としては、HFP単位の含有量が、全単量体単位の総量の3質量%〜20質量%であり、且つ重量平均分子量(Mw)が10万〜150万であるVDF−HFP共重合体が好ましい。
VDF−HFP共重合体におけるHFP単位含有量が3質量%以上であると、加熱した際のポリマー鎖の運動性が高く、熱プレスを行った際に電極に対して強い接着を得ることができる。この観点からは、VDF−HFP共重合体におけるHFP単位含有量は、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましい。
VDF−HFP共重合体におけるHFP単位含有量が20質量%以下であると、電解液に溶解しにくく過度に膨潤することもないので、電池内部において電極との接着が保たれる。この観点からは、VDF−HFP共重合体におけるHFP単位含有量は、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
VDF−HFP共重合体のMwが10万以上であると、接着性多孔質層が電極との接着処理に耐え得る力学特性を確保でき、電極との接着がよい。この観点からは、VDF−HFP共重合体のMwは、30万以上がより好ましく、50万以上が更に好ましく、60万以上が更に好ましい。
VDF−HFP共重合体のMwが150万以下であると、接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液の粘度が高くなり過ぎず成形性及び結晶形成がよく、接着性多孔質層の表面性状の均一性が高く、その結果、電極への接着性がよい。この観点からは、VDF−HFP共重合体のMwは、120万以下がより好ましく、100万以下が更に好ましい。
VDF−HFP共重合体は、VDF単位及びHFP単位以外の単量体単位を有していてもよいが、VDF単位及びHFP単位のみからなる共重合体であることが好ましい。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステルを単独重合した又は共重合した重合体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステルを単独重合した又は共重合した重合体;少なくとも1種のアクリル酸エステルと少なくとも1種のメタクリル酸エステルとの共重合体;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等から選ばれる少なくとも1種とを共重合した共重合体;が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂(Polymethyl methacrylate、PMMA)が好ましい。PMMAは、メタクリル酸メチルが単独重合した重合体でもよく、メタクリル酸メチル以外の他のモノマーが共重合した共重合体でもよく、共重合される他のモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸、及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
・熱伝導性無機フィラー
本開示において、熱伝導性無機フィラーとは、熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kの無機フィラーを指す。
熱伝導性無機フィラーとしては、セパレータの熱伝導性を高める観点から、熱伝導率が35W/m・K以上である無機フィラーがより好ましく、熱伝導率が40W/m・K以上である無機フィラーが更に好ましい。
熱伝導性無機フィラーとしては、該フィラーが電子伝導性を発揮することを抑制する観点から、熱伝導率が225W/m・K以下である無機フィラーがより好ましく、熱伝導率が200W/m・K以下である無機フィラーが更に好ましい。
熱伝導性無機フィラーとしては、例えば、窒化ホウ素粒子(BN、熱伝導率30〜50W/m・K)、窒化アルミニウム粒子(AlN、熱伝導率150〜250W/m・K)、酸化マグネシウム粒子(MgO、熱伝導率45〜60W/m・K)、酸化亜鉛粒子(ZnO、熱伝導率30〜45W/m・K)、炭化ケイ素粒子(SiC、熱伝導率100〜200W/m・K)などが挙げられる。
窒化ホウ素は、化学的に安定であるが故に電池内部においてガス発生を誘発せず好ましい。窒化ホウ素の結晶構造には六方晶と立方晶とがあり、六方晶窒化ホウ素は、熱伝導性、耐熱性、電気絶縁性、耐食性、潤滑性、離型性に優れるが故に、接着性多孔質層の材料として好ましい。六方晶窒化ホウ素の形状としては、鱗片状又は多角板状が一般的である。熱伝導性無機フィラーとして、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を集合させた凝集粉末も使用可能であるが、熱伝導性無機フィラーとしては、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が好ましく、鱗片状の一次粒子が好ましい。
酸化マグネシウムは、熱伝導性、耐熱性、電気絶縁性に優れるが故に、接着性多孔質層の材料として好ましい。また、酸化マグネシウム粒子は、モース硬度が低いこと及び比重が小さいことにより、製造工程においてハンドリング性に優れる。
熱伝導性無機フィラーの粒子形状には制限はなく、球に近い形状でもよく、板状の形状でもよいが、電池の短絡抑制の観点からは、板状の粒子が好ましい。また、熱伝導性無機フィラーは、電池の短絡抑制の観点から、凝集していない一次粒子であることが好ましい。
熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径は、0.05μm〜0.8μmが好ましい。
熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径が0.05μm以上であると、該フィラーの凝集が抑制されるが故に接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液の均一性が高まり、表面性状の均一性の高い接着性多孔質層を形成し得る。したがって、熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径が0.05μm以上であると、電極への接着性が良好な接着性多孔質層が得られ、電池のサイクル特性が向上する。また、熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径が0.05μm以上であると、接着性多孔質層の層厚方向に並ぶ該フィラーの個数が多くなり過ぎず、熱伝導効率がよいと推測される。これらの観点から、熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径は、0.1μm以上がより好ましく、0.2μm以上が更に好ましい。
一方、熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径が0.8μm以下であると、該フィラーどうしの接触頻度が高くなり、熱伝導効率が向上するものと推測される。この観点から、熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径は、0.7μm以下がより好ましく、0.6μm以下が更に好ましい。
接着性多孔質層における熱伝導性無機フィラーの含有量は、多孔質基材の両面の合計として、接着性樹脂と熱伝導性無機フィラーの合計量に対して45体積%〜75体積%である。
熱伝導性無機フィラーの含有量が、多孔質基材の両面の合計として、45体積%以上であることにより、接着性多孔質層の熱伝導性が向上し、その結果、セパレータの熱伝導性が良好である。この観点から、熱伝導性無機フィラーの含有量は、両面合計として、50体積%以上がより好ましく、55体積%以上が更に好ましい。
熱伝導性無機フィラーの含有量が、多孔質基材の両面の合計として、75体積%以下であることにより、接着性多孔質層において面方向に熱が拡散しにくく、接着性多孔質層及びセパレータの厚さ方向の熱伝導性を確保しやすい。また、熱伝導性無機フィラーの含有量が75体積%以下であることにより、接着性多孔質層と電極との接着が良好であり、電池のサイクル特性が向上する。また、熱伝導性無機フィラーの含有量が75体積%以下であることにより、接着性多孔質層と電極との接着が良好であり、その結果、電池の製造歩留りが高い。
接着性多孔質層における熱伝導性無機フィラーの含有量は、多孔質基材の片面としても、接着性樹脂と熱伝導性無機フィラーの合計量に対して45体積%〜75体積%であることが好ましい。上記含有量は、下限が、50体積%以上がより好ましく、55体積%以上が更に好ましく、上限が、70体積%以下がより好ましく、65体積%以下が更に好ましい。
接着性多孔質層は、熱伝導性無機フィラー以外の無機フィラー又は有機フィラーを含有していてよい。接着性多孔質層の実施形態例においては、熱伝導性無機フィラーが、接着性多孔質層に含まれる全フィラーの総量の90質量%以上を占めることがあり、95質量%以上を占めることがあり、100質量%を占めることがある。
・その他の成分
熱伝導性無機フィラー以外の無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素等の金属水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;などの粒子が挙げられる。無機フィラーは、シランカップリング剤等により表面修飾されたものでもよい。
有機フィラーとしては、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル等の架橋アクリル系樹脂、架橋ポリスチレンなどが挙げられ、架橋ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
接着性多孔質層に含まれるフィラーは、電解液に対して安定であり、且つ、電気化学的に安定な物質が好ましい。
接着性多孔質層は、界面活性剤等の分散剤、湿潤剤、消泡剤、pH調整剤などの添加剤を含んでいてもよい。分散剤は、接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液に、分散性、塗工性及び保存安定性を向上させる目的で添加される。湿潤剤、消泡剤、pH調整剤は、接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液に、例えば、多孔質基材とのなじみをよくする目的、塗工液へのエア噛み込みを抑制する目的、又はpH調整の目的で添加される。
[接着性多孔質層の特性]
本開示において接着性多孔質層の厚さは、多孔質基材の両面の合計として、0.5μm〜2.9μmである。両面の合計の厚さが0.5μm以上であると、セパレータの製造歩留り及び電池の製造歩留りが高い。また、両面の合計の厚さが0.5μm以上であると、電極との接着が良好であるが故に電池のサイクル特性が向上し得るし、セパレータの厚さ方向の熱伝導性がよい。これらの観点からは、接着性多孔質層の厚さは、多孔質基材の両面の合計として、0.8μm以上がより好ましく、1.0μm以上が更に好ましい。一方、両面の合計の厚さが2.9μm以下であると、電池のエネルギー密度を高めることができるし、イオン透過性が良好であるが故に電池の負荷特性が向上し得る。これらの観点からは、接着性多孔質層の厚さは、多孔質基材の両面の合計として、2.5μm以下がより好ましく、2.0μm以下が更に好ましい。「両面の合計」とは、接着性多孔質層が多孔質基材の両面に設けられている場合は、両方の接着性多孔質層の厚さの合計を意味し、接着性多孔質層が多孔質基材の片面のみに設けられている場合は、当該片面の接着性多孔質層の厚さを意味する。
接着性多孔質層が多孔質基材の両面に設けられている場合、一方の面における接着性多孔質層の厚さと、他方の面における接着性多孔質層の厚さとの差は、両面合計の厚さに対して20%以下であることが好ましく、低いほど好ましい。
接着性多孔質層は、イオン透過性の観点から十分に多孔化された構造であることが好ましい。具体的には、空孔率が30%〜80%であることが好ましい。空孔率が80%以下であると、電極と接着させるプレス工程に耐え得る力学特性を確保でき、また表面開口率が高くなり過ぎず、十分に強い接着を確保するのに適している。一方、空孔率が30%以上であると、イオン透過性が良好になる観点から好ましい。本開示における接着性多孔質層の空孔率の求め方は、多孔質基材の空孔率の求め方と同様である。
[セパレータの特性]
本開示のセパレータの厚さは、機械的強度の観点からは、5.0μm以上が好ましく、電池のエネルギー密度の観点からは、10.0μm以下が好ましい。
本開示のセパレータの突刺強度は、250g〜1000gが好ましく、300g〜600gがより好ましい。セパレータの突刺強度の測定方法は、多孔質基材の突刺強度の測定方法と同様である。
本開示のセパレータの空孔率は、電極に対する接着性、ハンドリング性、イオン透過性、及び機械的強度の観点から、30%〜60%が好ましい。
本開示のセパレータのガーレ値(JIS P8117:2009)は、機械的強度と電池の負荷特性の観点から、50秒/100cc〜200秒/100ccが好ましい。
本開示のセパレータは、イオン透過性の観点から、セパレータ(多孔質基材上に接着性多孔質層を形成した状態)のガーレ値から多孔質基材のガーレ値を減算した値が、35秒/100cc以下であることが好ましく、25秒/100cc以下であることがより好ましく、15秒/100cc以下であることが更に好ましい。前記値の下限は、特に制限はなく、0秒/100cc以上である。
本開示のセパレータは、厚さ方向の熱伝導率が0.9W/m・K以上であることが好ましい。セパレータの厚さ方向の熱伝導率が0.9W/m・K以上であると、電池内部の温度上昇が効率的に抑制され、電池の短絡が抑制される。この観点からは、セパレータの厚さ方向の熱伝導率は高いほど好ましい。一方で、セパレータの材料の特性から、セパレータの厚さ方向の熱伝導率は一般的に5.0W/m・K以下である。本開示においてセパレータの厚さ方向の熱伝導率は、[実施例]に記載された測定方法によって測定される値である。
[セパレータの製造方法]
本開示のセパレータは、例えば、下記工程(i)〜(iii)を有する湿式塗工法によって製造することができる。以下の説明においては、接着性樹脂としてポリフッ化ビニリデン系樹脂を用いる実施形態を例に挙げて説明する。
(i)ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び熱伝導性無機フィラーを含む塗工液を多孔質基材に塗工し、塗工層を形成する工程。
(ii)塗工層を形成した多孔質基材を凝固液に浸漬し、塗工層において相分離を誘発しつつポリフッ化ビニリデン系樹脂を固化させ、多孔質基材上に多孔質層を形成し、複合膜を得る工程。
(iii)複合膜を水洗及び乾燥する工程。
塗工液は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶媒に溶解させ、そこに熱伝導性無機フィラーを分散させて調製する。
塗工液の調製に用いる溶媒は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を溶解する溶媒(以下、「良溶媒」ともいう。)を含む。良溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の極性アミド溶媒が挙げられる。
塗工液の調製に用いる溶媒は、良好な多孔構造を有する多孔質層を形成する観点から、相分離を誘発させる相分離剤を含むことが好ましい。したがって、塗工液の調製に用いる溶媒は、良溶媒と相分離剤との混合溶媒であることが好ましい。相分離剤は、塗工に適切な粘度が確保できる範囲の量で良溶媒と混合することが好ましい。相分離剤としては、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
塗工液の調製に用いる溶媒としては、良好な多孔構造を形成する観点から、良溶媒と相分離剤との混合溶媒であって、良溶媒を60質量%以上含み、相分離剤を40質量%以下含む混合溶媒が好ましい。
塗工液におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂の濃度は、良好な多孔構造を形成する観点から、1質量%〜20質量%であることが好ましい。
多孔質基材への塗工液の塗工手段としては、マイヤーバー、ダイコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター等が挙げられる。多孔質層を多孔質基材の両面に形成する場合、塗工液を両面同時に基材へ塗工することが生産性の観点から好ましい。
凝固液は、塗工液の調製に用いた良溶媒及び相分離剤と、水とを含むことが一般的である。良溶媒と相分離剤の混合比は、塗工液の調製に用いた混合溶媒の混合比に合わせるのが生産上好ましい。凝固液中の水の含有量は40質量%〜90質量%であることが、多孔構造の形成および生産性の観点から好ましい。凝固液の温度は、例えば20℃〜50℃である。
本開示のセパレータは、乾式塗工法でも製造し得る。乾式塗工法とは、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び熱伝導性無機フィラーを含む塗工液を多孔質基材に塗工して塗工層を形成した後、塗工層を乾燥させて塗工層を固化させ、多孔質基材上に多孔質層を形成する方法である。ただし、乾式塗工法は湿式塗工法と比べて多孔質層が緻密になりやすいので、良好な多孔構造を得られる観点から湿式塗工法の方が好ましい。
本開示のセパレータは、多孔質層を独立したシートとして作製し、この多孔質層を多孔質基材に重ねて、熱圧着や接着剤によって積層する方法によっても製造し得る。多孔質層を独立したシートとして作製する方法としては、上述した湿式塗工法又は乾式塗工法を適用して剥離シート上に多孔質層を形成し、多孔質層から剥離シートを剥離する方法が挙げられる。
<非水系二次電池>
本開示の非水系二次電池は、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池であり、正極と、負極と、本開示の非水系二次電池用セパレータとを備える。ドープとは、吸蔵、担持、吸着、又は挿入を意味し、正極等の電極の活物質にリチウムイオンが入る現象を意味する。
本開示の非水系二次電池は、例えば、負極と正極とがセパレータを介して対向した電池素子が電解液と共に外装材内に封入された構造を有する。本開示の非水系二次電池は、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池に好適である。
本開示の非水系二次電池は、本開示のセパレータの厚さ方向の熱伝導性が良好であるが故に、放熱性に優れ、その結果、電池の短絡が発生しにくい。
本開示の非水系二次電池は、本開示のセパレータが接着性多孔質層を介して電極と良好に接着するが故に、電池のサイクル特性(容量維持率)が良好である。
以下、本開示の非水系二次電池が備える正極、負極、電解液及び外装材の形態例を説明する。
正極の実施形態例としては、正極活物質及びバインダ樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造が挙げられる。活物質層は、さらに導電助剤を含んでもよい。正極活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物が挙げられ、具体的にはLiCoO、LiNiO、LiMn1/2Ni1/2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3、LiMn、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2、LiAl1/4Ni3/4等が挙げられる。バインダ樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末等の炭素材料が挙げられる。集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、アルミ箔、チタン箔、ステンレス箔等が挙げられる。
本開示の非水系二次電池においては、本開示のセパレータの接着性多孔質層にポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有させた場合、ポリフッ化ビニリデン系樹脂が耐酸化性に優れるため、接着性多孔質層を非水系二次電池の正極側に配置することで、正極活物質として、4.2V以上の高電圧で作動可能なLiMn1/2Ni1/2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3等を適用しやすい。
負極の実施形態例としては、負極活物質及びバインダ樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造が挙げられる。活物質層は、さらに導電助剤を含んでもよい。負極活物質としては、リチウムを電気化学的に吸蔵し得る材料が挙げられ、具体的には例えば、炭素材料;ケイ素、スズ、アルミニウム等とリチウムとの合金;ウッド合金;などが挙げられる。バインダ樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末等の炭素材料が挙げられる。集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等が挙げられる。また、上記の負極に代えて、金属リチウム箔を負極として用いてもよい。
電解液は、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した溶液である。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等が挙げられる。非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びそのフッ素置換体等の鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル;などが挙げられ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。電解液としては、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを質量比(環状カーボネート:鎖状カーボネート)20:80〜40:60で混合し、リチウム塩を0.5mol/L〜1.5mol/L溶解した溶液が好適である。
外装材としては、金属缶、アルミラミネートフィルム製パック等が挙げられる。電池の形状は角型、円筒型、コイン型等があるが、本開示のセパレータはいずれの形状にも好適である。
本開示の非水系二次電池の製造方法としては、セパレータに電解液を含浸させて熱プレス処理(本開示において「ウェットヒートプレス」という。)を行って電極に接着させることを含む製造方法;セパレータに電解液を含浸させずに熱プレス処理(本開示において「ドライヒートプレス」という。)を行って電極に接着させることを含む製造方法;が挙げられる。
本開示の非水系二次電池は、正極と負極との間に本開示のセパレータを配置した積層体を製造した後、この積層体を用いて、例えば下記の製造方法1〜3により製造できる。
製造方法1:積層体にドライヒートプレスして電極とセパレータとを接着した後、外装材(例えばアルミラミネートフィルム製パック。以下同じ)に収容し、そこに電解液を注入し、外装材の上からさらに積層体をウェットヒートプレスし、電極とセパレータとの接着と、外装材の封止とを行う。
製造方法2:積層体を外装材に収容し、そこに電解液を注入し、外装材の上から積層体をウェットヒートプレスし、電極とセパレータとの接着と、外装材の封止とを行う。
製造方法3:積層体にドライヒートプレスして電極とセパレータとを接着した後、外装材に収容し、そこに電解液を注入し、外装材の封止を行う。
積層体を製造する際において、正極と負極との間にセパレータを配置する方式は、正極、セパレータ、負極をこの順に少なくとも1層ずつ積層する方式(所謂スタック方式)でもよく、正極、セパレータ、負極、セパレータをこの順に重ね、長さ方向に捲き回す方式でもよい。
上記製造方法1〜3における熱プレスの条件としては、ドライヒートプレス及びウェットヒートプレスそれぞれ、プレス温度は60℃〜120℃が好ましく、80℃〜100℃がより好ましく、プレス圧は、電極1cm当たりの荷重として、0.5kg〜40kgが好ましい。プレス時間は、プレス温度及びプレス圧に応じて調節することが好ましく、例えば0.5分間〜60分間の範囲で調節する。
上記製造方法1又は3においては、ドライヒートプレスする前に積層体に常温プレス(常温下での加圧)を施して、積層体を仮接着してもよい。上記製造方法2においては、積層体を外装材に収容する前に常温プレスして、積層体を仮接着してもよい。
以下に実施例を挙げて、本開示のセパレータ及び非水系二次電池をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本開示のセパレータ及び非水系二次電池の範囲は、以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきではない。
<測定方法、評価方法>
実施例及び比較例で適用した測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
[ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量]
ポリフッ化ビニリデン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置(日本分光社GPC−900)を用い、カラムに東ソー社TSKgel SUPER AWM−Hを2本用い、溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを使用し、温度40℃、流量10ml/minの条件で、ポリスチレン換算の分子量として測定した。
[ポリフッ化ビニリデン系樹脂の組成]
ポリフッ化ビニリデン系樹脂20mgを重ジメチルスルホキシド0.6mlに100℃にて溶解し、100℃で19F−NMRスペクトルを測定し、NMRスペクトルからポリフッ化ビニリデン系樹脂の組成を求めた。
[無機フィラーの体積平均粒径]
無機フィラーを、非イオン性界面活性剤であるTriton X−100を含有する水に分散し、レーザー回折式粒度分布測定装置(シスメックス社製マスターサイザー2000)を用いて粒度分布を測定した。体積基準の粒度分布において、小径側から累積50%となる粒径(D50)を無機フィラーの体積平均粒径(μm)とした。
[無機フィラーの熱伝導率]
無機フィラーを、寸法40mm×80mm×114mmに押し固めた無機フィラー塊を2個作製し、2個を重ね合せて試験片とした。JIS R2616:2001に記載されている非定常熱線法に準拠し、熱伝導率測定装置(京都電子工業製QTM−500)を用いて、昇温範囲30℃〜120℃、昇温速度5℃/分の条件で熱伝導率(W/m・K)を測定した。
[多孔質基材及びセパレータの膜厚]
多孔質基材及びセパレータの膜厚(μm)は、接触式の厚み計(ミツトヨ社LITEMATIC)にて20点を測定し、これを平均することで求めた。測定端子は直径5mmの円柱状の端子を用い、測定中に7gの荷重が印加されるように調整した。
[接着性多孔質層の層厚]
接着性多孔質層の層厚(μm)は、セパレータの膜厚から多孔質基材の膜厚を減算することにより、両面の合計の層厚を求めた。
[ガーレ値]
多孔質基材及びセパレータのガーレ値(秒/100cc)は、JIS P8117:2009に従い、ガーレ式デンソメータ(東洋精機社G−B2C)を用いて測定した。
[空孔率]
セパレータの空孔率(%)は、下記の式に従って求めた。式中、εはセパレータの空孔率(%)、Wsはセパレータの目付(g/m)、dsはセパレータの真密度(g/cm)、tはセパレータの膜厚(μm)である。
ε={1−Ws/(ds・t)}×100
[セパレータの熱伝導率および熱伝導性]
寸法150mm×75mmに切り出したセパレータを複数枚重ねて熱プレス機で圧着させ、総厚30μm以上の積層体を2枚作製し、2枚を重ね合せて試験片とした。JIS R2616:2001に記載されている非定常熱線法に準拠し、熱伝導率測定装置(京都電子工業製QTM−500)を用いて、昇温範囲30℃〜120℃、昇温速度5℃/分の条件で熱伝導率(W/m・K)を測定した。熱伝導率に基づき、セパレータの熱伝導性を下記のとおり分類した。
A:熱伝導率が2.0W/m・K以上。
B:熱伝導率が1.5W/m・K以上、2.0W/m・K未満。
C:熱伝導率が1.0W/m・K以上、1.5W/m・K未満。
D:熱伝導率が1.0W/m・K未満。
[スポット加熱および放熱性]
セパレータを水平な台に置き、先端直径2mmのハンダゴテを加熱して先端温度を260℃にした状態で該ハンダゴテの先端をセパレータ表面に1分間、点接触させた。点接触によってセパレータに生じた穴の面積(mm)を測定した。セパレータの放熱性が高いほど、セパレータに生じる穴の面積は小さい。穴の面積に基づき、セパレータの放熱性を下記のとおり分類した。
A:穴の面積が7.0mm未満。
B:穴の面積が7.0mm以上、8.0mm未満。
C:穴の面積が8.0mm以上、9.0mm未満。
D:穴の面積が9.0mm以上。
[正極との接着強度]
正極活物質であるコバルト酸リチウム粉末89.5g、導電助剤であるアセチレンブラック4.5g、及びバインダであるポリフッ化ビニリデン6gを、ポリフッ化ビニリデンの濃度が6質量%となるようにN−メチル−ピロリドンに溶解し、双腕式混合機にて攪拌し、正極用スラリーを作製した。この正極用スラリーを厚さ20μmのアルミ箔の片面に塗布し、乾燥後プレスして、正極活物質層を有する正極を得た。
上記で得た正極を幅1.5cm、長さ7cmに切り出し、セパレータをTD方向1.8cm、MD方向7.5cmに切り出した。正極とセパレータとを重ね、温度85℃、圧力1.0MPa、時間10秒間の条件で熱プレスして、正極とセパレータとを接着させ、これを試験片とした。試験片の長さ方向(即ちセパレータのMD方向)の一端において正極からセパレータを少し剥がし、2つに分離した端部をテンシロン(オリエンテック社製RTC−1210A)に把持させてT字剥離試験を行った。T字剥離試験の引張速度は20mm/minとし、正極からセパレータが剥離する際の荷重(N)を測定し、測定開始後10mmから40mmまでの荷重を0.4mm間隔で採取しその平均を算出し、さらに試験片3枚の測定値を平均して、セパレータの接着強度(N)とした。表1〜表4には、実施例及び比較例の各セパレータの接着強度を、比較例5のセパレータの接着強度で除した百分率(%)を示す。
[負極との接着強度]
負極活物質である人造黒鉛300g、バインダであるスチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40質量%含む水溶性分散液7.5g、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース3g、及び適量の水を双腕式混合機にて攪拌し、負極用スラリーを作製した。この負極用スラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、乾燥後プレスして、負極活物質層を有する負極を得た。
上記で得た負極を用いて、前記[正極との接着強度]と同様にしてT字剥離試験を行い、セパレータの接着強度(N)を求めた。表1〜表4には、実施例及び比較例の各セパレータの接着強度を、比較例5のセパレータの接着強度で除した百分率(%)を示す。
[電池のサイクル特性(容量維持率)]
前記の正極及び負極にリードタブを溶接し、正極、セパレータ、負極の順に積層し、常温プレス(1MPa、30秒間)し、次いで熱プレス(85℃、1MPa、30秒間)して、積層体を作製した。アルミラミネートフィルム製のパック中に、前記積層体を挿入し、さらに電解液(1mol/L LiPF−エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート[質量比3:7])を注入し、積層体に電解液をしみ込ませた。次いで、真空シーラーを用いて前記パック内を真空状態にして仮封止し、前記パックごと前記積層体の積層方向に熱プレス機を用いて熱プレスを行い、これにより、電極とセパレータとの接着と、パックの封止とを行った。熱プレスの条件は、電極1cm当たり20kgの荷重、温度90℃、プレス時間2分間とした。
温度30℃の環境下で、電池に300サイクルの充放電を行った。充電は1C且つ4.2Vの定電流定電圧充電、放電は1C且つ2.75Vカットオフの定電流放電とした。300サイクル目の放電容量を初期容量で除し、さらに電池10個の平均を算出し、容量維持率(%)とした。
[製造歩留り]
セパレータ(幅108mm)を2枚用意して重ね、MD方向の一端をステンレス製の巻芯に巻きつけた。2枚のセパレータの間に、リードタブを溶接した正極(幅106.5mm)をはさみ、一方のセパレータ上に、リードタブを溶接した負極(幅107mm)を配置し、この積層体を巻回して、巻回積層体を連続的に50個作製した。得られた巻回積層体を常温プレス(1MPa、30秒間)し、次いで熱プレス(85℃、1MPa、30秒間)して、平板状の電池素子を得た。
熱プレス直後と熱プレスから1時間経過後において、平板状の電池素子の厚さを測定し、厚さの変化が3%以下の場合を合格と判定し、厚さの変化が3%超の場合を不合格と判定した。合格した電池素子の個数割合(%)を算出し、下記のとおり分類した。
A:合格した個数割合が100%(不合格が0個)。
B:合格した個数割合が95%以上、100%未満(不合格が1個又は2個)。
C:合格した個数割合が90%以上、95%未満(不合格が3個〜5個)。
D:合格した個数割合が90%未満(不合格が6個以上)。
[電池の放熱性]
上記の製造歩留り試験における電池素子の製造方法と同様にして、但し、巻回の回数を25回にして、平板状の電池素子を得た。電池素子の厚さ方向(即ち、両電極とセパレータの積層方向)について、熱伝導率(単位:W/m・K)を熱伝導率測定装置(アドバンス理工株式会社製GH−1)を用いて、ASTM E1530に準拠した熱流計方式定常法によって測定し、下記のとおり分類した。
A:熱伝導率が0.75W/m・K以上。
B:熱伝導率が0.50W/m・K以上、0.75 W/m・K未満。
C:熱伝導率が0.25W/m・K以上、0.50 W/m・K未満。
D:熱伝導率が0.25W/m・K未満。
<セパレータの作製>
[実施例1]
ジメチルアセトアミドとトリプロピレングリコールの混合溶媒(ジメチルアセトアミド:トリプロピレングリコール=90:10[質量比])に、VDF−HFP共重合体(HFP単位含有量5.4質量%、重量平均分子量113万)を溶解させ、さらに、窒化ホウ素粒子(一次粒子の体積平均粒径0.4μm)を分散させ、接着性多孔質形成用の塗工液を作製した。塗工液に含まれるVDF−HFP共重合体と窒化ホウ素粒子の体積比を45:55とし、VDF−HFP共重合体の濃度を4.0質量%とした。
塗工液を、多孔質基材であるポリエチレン微多孔膜(膜厚6.0μm、ガーレ値105秒/100cc、空孔率40%)の両面に塗工し(その際、表裏の塗工量が等量になるように塗工した)、凝固液(水:ジメチルアセトアミド:トリプロピレングリコール=62.5:30:7.5[質量比]、液温35℃)に浸漬して固化させた。次いで、これを水洗し乾燥して、ポリエチレン微多孔膜の両面に接着性多孔質層が形成されたセパレータを得た。
[実施例2〜5]
接着性多孔質層の層厚を表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例6〜8]
窒化ホウ素粒子の含有量を表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例9]
窒化ホウ素粒子の一次粒子の体積平均粒径を0.05μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例10]
窒化ホウ素粒子の一次粒子の体積平均粒径を0.8μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例11〜16]
VDF−HFP共重合体を別のVDF−HFP共重合体又はポリフッ化ビニリデン(フッ化ビニリデンの単独重合体)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例17]
窒化ホウ素粒子を酸化マグネシウム粒子(一次粒子の体積平均粒径0.5μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例18]
窒化ホウ素粒子を酸化亜鉛粒子(一次粒子の体積平均粒径0.7μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例19]
窒化ホウ素粒子を窒化アルミニウム粒子(一次粒子の体積平均粒径0.6μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例20]
窒化ホウ素粒子を炭化ケイ素粒子(一次粒子の体積平均粒径0.8μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例21]
多孔質基材を別のポリエチレン微多孔膜(膜厚4.0μm、ガーレ値100秒/100cc、空孔率35%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例22]
多孔質基材を別のポリエチレン微多孔膜(膜厚9.0μm、ガーレ値120秒/100cc、空孔率40%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例1]
多孔質基材を別のポリエチレン微多孔膜(膜厚10.0μm、ガーレ値130秒/100cc、空孔率42%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例2〜3]
接着性多孔質層の層厚を表4に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例4]
多孔質基材を別のポリエチレン微多孔膜(膜厚9.0μm、ガーレ値120秒/100cc、空孔率40%)に変更し、接着性多孔質層の層厚を表4に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例5]
多孔質基材を別のポリエチレン微多孔膜(膜厚9.0μm、ガーレ値120秒/100cc、空孔率40%)に変更し、窒化ホウ素粒子を水酸化マグネシウム粒子(一次粒子の体積平均粒径0.6μm)に変更し、接着性多孔質層の層厚を表4に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例6〜7]
窒化ホウ素粒子の含有量を表4に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例8]
窒化ホウ素粒子を水酸化マグネシウム粒子(一次粒子の体積平均粒径0.9μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例9]
窒化ホウ素粒子を酸化アルミニウム(一次粒子の体積平均粒径0.8μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
実施例1〜22及び比較例1〜9の各セパレータの物性及び評価結果を表1〜表4に示す。
2016年9月7日に出願された日本国出願番号第2016−174993号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
[1] 厚さが4.0μm〜9.0μmである多孔質基材と、前記多孔質基材の片面又は両面に設けられた、接着性樹脂及び熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kである熱伝導性無機フィラーを含有する接着性多孔質層と、を備え、
前記接着性樹脂が、フッ化ビニリデン単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン単量体単位を有し、ヘキサフルオロプロピレン単量体単位の含有量が3質量%〜20質量%であり、且つ重量平均分子量が10万〜150万であるポリフッ化ビニリデン系樹脂を含み、
前記接着性多孔質層における前記熱伝導性無機フィラーの含有量が、前記多孔質基材の両面の合計として、前記接着性樹脂と前記熱伝導性無機フィラーの合計量に対して45体積%〜75体積%であり、前記接着性多孔質層の厚さが、前記多孔質基材の両面の合計として、0.5μm〜2.9μmである、非水系二次電池用セパレータ。
[2] 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂が、フッ化ビニリデン単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン単量体単位を有し、ヘキサフルオロプロピレン単量体単位の含有量が5質量%〜15質量%であり、且つ重量平均分子量が30万〜120万であるポリフッ化ビニリデン系樹脂である、[1]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[3] 前記熱伝導性無機フィラーが、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、及び炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[4] 前記熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径が0.05μm〜0.8μmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[5] 厚さ方向の熱伝導率が0.9W/m・K〜5.0W/m・Kである、[1]〜[4]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[6] 正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された[1]〜[5]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータと、を備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池。
[実施例11〜14、参考例15〜16
VDF−HFP共重合体を別のVDF−HFP共重合体又はポリフッ化ビニリデン(フッ化ビニリデンの単独重合体)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
実施例1〜14、17〜22、参考例15〜16及び比較例1〜9の各セパレータの物性及び評価結果を表1〜表4に示す。

Claims (6)

  1. 厚さが4.0μm〜9.0μmである多孔質基材と、
    前記多孔質基材の片面又は両面に設けられた、接着性樹脂及び熱伝導率が30W/m・K〜250W/m・Kである熱伝導性無機フィラーを含有する接着性多孔質層と、
    を備え、
    前記接着性多孔質層における前記熱伝導性無機フィラーの含有量が、前記多孔質基材の両面の合計として、前記接着性樹脂と前記熱伝導性無機フィラーの合計量に対して45体積%〜75体積%であり、
    前記接着性多孔質層の厚さが、前記多孔質基材の両面の合計として、0.5μm〜2.9μmである、
    非水系二次電池用セパレータ。
  2. 前記接着性樹脂が、フッ化ビニリデン単量体単位及びヘキサフルオロプロピレン単量体単位を有し、ヘキサフルオロプロピレン単量体単位の含有量が3質量%〜20質量%であり、且つ重量平均分子量が10万〜150万であるポリフッ化ビニリデン系樹脂である、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  3. 前記熱伝導性無機フィラーが、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、及び炭化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  4. 前記熱伝導性無機フィラーの体積平均粒径が0.05μm〜0.8μmである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  5. 厚さ方向の熱伝導率が0.9W/m・K〜5.0W/m・Kである、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  6. 正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用セパレータと、を備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池。
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