JP6237589B2 - セパレータ及びセパレータを備えた非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、セパレータと、セパレータを備えた非水電解液二次電池とに関する。
特許文献1(特開2011−110704号公報)には、通気特性と耐熱性とを兼ね備えた積層多孔フィルムにおいてポリオレフィン系樹脂多孔フィルムの少なくとも片面にフィラーと樹脂バインダとを含む耐熱層が設けられていることが記載されている。この文献には、ポリオレフィン系樹脂多孔フィルムがシャットダウン層を含んでも良いことが記載されている。
特開2011−110704号公報
非水電解液二次電池には、更なる安全性が要求されており、例えば過充電時には充電電流を迅速に遮断させることが要求されている。このような要求は、非水電解液二次電池を車両用電源、工場用電源又は家庭用電源等として用いる場合に顕著となっている。本発明では、非水電解液二次電池の安全性を更に高めることが可能なセパレータの提供を目的とする。
民生用電子機器の電源として用いられる非水電解液二次電池(以下では「民生用非水電解液二次電池」と記す)では、セパレータ(樹脂層)と正極又は負極との間に耐熱層を設けることによって、その安全性が高められている。そこで、本発明者らは、車両用電源、工場用電源又は家庭用電源等として用いられる非水電解液二次電池(以下では「大型非水電解液二次電池」と記すことがある)においても、上記耐熱層を設ければその非水電解液二次電池の安全性を高めることができるのではないか、と考えた。しかし、今般、このような構成では大型非水電解液二次電池の安全性を高めることが難しいということが分かった。そこで、本発明者らは、大型非水電解液二次電池の安全性とセパレータ又は耐熱層との関係について鋭意検討し、次に示す知見を得た。
大型非水電解液二次電池では、民生用非水電解液二次電池に比べ、高容量化が要求されるため、巻回電極体における電極の巻き数が多い。例えば、電極は、民生用非水電解液二次電池の巻回電極体では13周以上17周以下に巻かれているが、大型非水電解液二次電池の巻回電極体では20周以上50周以下に巻かれている。そのため、大型非水電解液二次電池では、巻回電極体の内周側において、過充電により生じた熱が逃げ難く、よって、高温になり易い。これにより、巻回電極体の内周側と巻回電極体の外周側とでは、セパレータの溶融に時間差が発生し易くなるので、充電電流の遮断に時間差が発生し易くなる。その結果、巻回電極体のうち充電電流の遮断のタイミングが遅かった箇所(例えば巻回電極体の外周側)に負荷が集中し易くなる。本発明者らは、かかる知見に基づいてセパレータの構成を鋭意検討し、本発明のセパレータを完成させた。
本発明のセパレータは、基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられた耐熱層とを備える。耐熱層は、基材よりも高い耐熱温度を有する耐熱材料と、第1温度で溶融する結着剤とを含む。基材は、細孔径が互いに異なる2以上の多孔質層を有する。2以上の多孔質層は、第1多孔質層と第2多孔質層とを含む。第1多孔質層は、細孔径が最も大きな層であり、耐熱層に接し、結着剤が溶融したときには溶融した結着剤を保持する。第2多孔質層は、第1温度よりも高い温度でシャットダウンする。
本発明のセパレータでは、温度が第1温度に達すると、耐熱層に含まれる結着剤が溶融する。耐熱層には、細孔径が最も大きな層(第1多孔質層)が接しているので、溶融した結着剤は、第1多孔質層に形成された細孔(第1細孔)の少なくとも1つに侵入する。これにより、耐熱層における結着剤の密度が低くなるので、耐熱層における耐熱材料の密度が高くなる。よって、本発明のセパレータを用いて巻回電極体を作製し、その巻回電極体を備えた非水電解液二次電池が過充電状態となった場合には、巻回電極体で発生した熱は、耐熱材料によって、巻回電極体全体に拡散することとなる。したがって、巻回電極体において充電電流の遮断に時間差が生じることを防止できる。
また、本発明のセパレータを用いて巻回電極体を作製し、その巻回電極体を備えた非水電解液二次電池が過充電状態となった場合、その非水電解液二次電池の温度が第1温度に達すると、耐熱層において結着剤が溶融し、溶融した結着剤は第1細孔の少なくとも1つに侵入する。これにより、充電電流が遮断される。非水電解液二次電池の温度が第1温度よりも更に高くなった場合には、第2多孔質層を構成する材料が溶融し、これによっても、充電電流が遮断される。
「第1多孔質層は、結着剤が溶融したときには溶融した結着剤を保持する」とは、溶融した結着剤が、第1多孔質層に形成された細孔の少なくとも1つの内部に存在することを意味する。セパレータは、第1多孔質層を2層有することが好ましい。この場合、セパレータは、第1多孔質層のそれぞれに接する耐熱層を有することが好ましく、換言すると耐熱層を当該セパレータの表面のそれぞれに有することが好ましい。
「第2多孔質層は、第1温度よりも高い温度でシャットダウンする」とは、第2多孔質層を構成する材料が第1温度よりも1℃以上高い温度で溶融することによって、第2多孔質層に形成された細孔(第2細孔)の少なくとも1つが閉塞し、その結果、充電電流が遮断することを意味する。
「巻回電極体において充電電流の遮断に時間差が生じることを防止できる」とは、巻回電極体のある部分と当該巻回電極体のそれ以外の部分とにおいて充電電流が遮断されるタイミングが異なることを防止できる、ということを意味する。
好ましくは、第1多孔質層に形成された第1細孔の孔径が0.7μm以上2μm以下であり、第2多孔質層に形成された第2細孔の孔径が0.03μm以上0.6μm以下であり、第1細孔の孔径と第2細孔の孔径との差が0.65μm以上1.4μm以下である。これにより、溶融した結着剤が第1細孔にさらに侵入し易くなる。また、第2多孔質層を構成する材料の溶融による第2細孔の閉塞がさらに起こり易くなる。より好ましくは、第1細孔の孔径は0.9μm以上1.2μm以下であり、第2細孔の孔径は0.1μm以上0.5μm以下である。
耐熱材料は、好ましくは常温20℃において30W/(m×K)以上200W/(m×K)以下の熱伝導率を有し、より好ましくはSiC(炭化シリコン)及びAlN(窒化アルミニウム)のうちの少なくとも1つからなる。これにより、本発明のセパレータを用いて巻回電極体を作製し、その巻回電極体を備えた非水電解液二次電池が過充電状態となった場合には、巻回電極体で発生した熱は、耐熱材料によって、巻回電極体全体に拡散し易くなる。
本発明の非水電解液二次電池は、正極と負極とが本発明のセパレータを挟んで巻回されて構成された巻回電極体を備える。セパレータの耐熱層は、正極、負極、又は、正極及び負極に対向している。これにより、本発明の非水電解液二次電池が過充電状態となった場合には、巻回電極体において充電電流の遮断に時間差が生じることを防止できる。
本発明のセパレータでは、非水電解液二次電池の安全性を更に高めることができる。
本発明の一実施形態の非水電解液二次電池の要部を示す斜視図である。 図1に示すII−II線における断面の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態のセパレータの模式断面図である。 本発明の一実施形態のセパレータの模式断面図である。 本発明の一実施形態のセパレータの模式断面図である。 本発明の一実施形態の巻回電極体の断面の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態の組電池の模式側面図である。 本発明の一実施形態のセパレータの模式断面図である。
以下、本発明について図面を用いて説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
[非水電解液二次電池の構成]
図1は、本発明の一実施形態の非水電解液二次電池の要部を示す斜視図である。図2には、図1に示すII−II線における断面の一部を示す。
本実施形態の非水電解液二次電池100では、電池ケース1に巻回電極体11と非水電解液(不図示)とが設けられている。巻回電極体11では、正極13と負極17とがセパレータ15を挟んで巻回されている。正極13は、正極集電体13Aと、正極集電体13Aの表面に設けられた正極合剤層13Bとを有する。負極17は、負極集電体17Aと、負極集電体17Aの表面に設けられた負極合剤層17Bとを有する。セパレータ15は、正極合剤層13Bと負極合剤層17Bとの間に設けられている。非水電解液は、正極合剤層13B、セパレータ15及び負極合剤層17Bに保持されている。
正極13の幅方向一端では、正極合剤層13Bが設けられることなく正極集電体13Aが露出しており(正極露出部13D)、負極17の幅方向一端では、負極合剤層17Bが設けられることなく負極集電体17Aが露出している(負極露出部17D)。巻回電極体11では、正極露出部13Dと負極露出部17Dとがセパレータ15よりも正極13の幅方向外側(又は負極17の幅方向外側)へ向かって互いに逆向きに突出している。正極露出部13Dには、電池ケース1に設けられた正極端子3が接続されており、負極露出部17Dには、電池ケース1に設けられた負極端子7が接続されている。以下では、セパレータ15を説明しながら非水電解液二次電池100を更に説明する。
≪セパレータ≫
図3は、通常の充放電時におけるセパレータ15の模式断面図である。図4及び図5は、過充電時におけるセパレータ15の模式断面図である。図6には、過充電時における巻回電極体11の断面の一部を示す。セパレータ15は、基材40と、基材40の第1面(上面)41に設けられた耐熱層60とを備える。
耐熱層60は、耐熱材料160と、結着剤260とを含む。耐熱材料160は、基材40よりも高い耐熱温度を有する。結着剤260は、第1温度(以下では「結着剤260の融点」と記すこともある)で溶融する。
基材40は、第1多孔質層140と、第2多孔質層240とを有する。第1多孔質層140は、耐熱層60に接しており、結着剤260が溶融したときには溶融した結着剤260を保持する。第2多孔質層240は、第1多孔質層140に対して耐熱層60とは反対側に位置しており、第1多孔質層140に接している。また、第2多孔質層240は、結着剤260の融点よりも高い温度でシャットダウンする。
第1多孔質層140には1個以上の第1細孔140aが形成されており、第2多孔質層240には1個以上の第2細孔240aが形成されている。第1細孔140aの孔径は第2細孔240aの孔径よりも大きい(図3)。
セパレータ15を用いて構成された非水電解液二次電池(例えば非水電解液二次電池100)が過充電状態となると、その非水電解液二次電池100の温度が上昇する。非水電解液二次電池100の温度が第1温度(例えば135℃)に達すると、耐熱層60において結着剤260が溶融する。ここで、耐熱層60は、第1多孔質層140に接している。また、第1細孔140aの孔径は、第2細孔240aの孔径よりも大きい。そのため、溶融した結着剤260は、第1細孔140aの少なくとも1つに侵入する(図4)。これにより、第1多孔質層140のうち耐熱層60側に位置する部分には、第1細孔140aが閉塞した領域Xが形成される。
第1細孔140aが閉塞すると、その第1細孔140aの内部に存在していた非水電解液は第1細孔140aの外へ排出される。これにより、第1多孔質層140においてリチウムイオンの移動が遮断されるので、正極13と負極17との間におけるリチウムイオンの移動が遮断される。よって、充電電流が遮断される。
第2多孔質層240は、第1温度よりも高い温度でシャットダウンする。そのため、非水電解液二次電池100の温度が第1温度よりも更に高くなった場合には(例えば140℃)、第2多孔質層240を構成する材料が溶融し、よって、第2細孔240aの少なくとも1つが閉塞する(図5)。これにより、第2多孔質層240においてリチウムイオンの移動が遮断されるので、正極13と負極17との間におけるリチウムイオンの移動が遮断される。したがって、充電電流が遮断される。このように、セパレータ15には、過充電時に充電電流を遮断する機会が2回存在する。
また、溶融した結着剤260が第1細孔140aの少なくとも1つに侵入すると、耐熱層60における結着剤260の密度が低くなるので、耐熱層60における耐熱材料160の密度が高くなる(図4)。ここで、耐熱材料160は、基材40よりも高い耐熱温度を有する。そのため、結着剤260が溶融しても、耐熱材料160の溶融、収縮又は分解等を防止できる。よって、耐熱層60における耐熱材料160の密度が高くなると、耐熱材料160同士が接触し易くなる(図4)。また、耐熱材料160は、巻回電極体11の径方向において耐熱層60の隣りに位置する電極に接触し易くなる(図6)。
一般に、巻回電極体の内周側の方が、巻回電極体の外周側よりも、熱が逃げ難い。しかし、本実施形態では、非水電解液二次電池100の温度が上昇して第1温度に達すると、耐熱材料160同士が巻回電極体11の周方向に亘って互いに接触し易くなり(図4)、また、耐熱材料160が巻回電極体11の周方向に亘って正極13又は負極17に接触し易くなる(図6)。そのため、巻回電極体11の内周側で発生した熱は、耐熱材料160によって巻回電極体11の周方向に拡散し、これにより、巻回電極体11の外周側へ速やかに伝わる。つまり、巻回電極体11で発生した熱は、耐熱材料160によって巻回電極体11全体に拡散する。よって、過充電時に巻回電極体11の温度が巻回電極体11の内周側で局所的に高くなることを防止できる。したがって、巻回電極体11の内周側と巻回電極体11の外周側とにおいて、溶融した結着剤260の侵入による充電電流の遮断に時間差が発生することを防止できる。同様の理由から、第2多孔質層240を構成する材料の溶融による充電電流の遮断に時間差が発生することを防止できる。
過充電時、巻回電極体11において充電電流の遮断に時間差が発生することを防止できれば、巻回電極体11の一部分に負荷を集中させることなく充電電流を遮断できる。そのため、セパレータ15を用いて非水電解液二次電池100を構成すれば、その非水電解液二次電池100の安全性を更に高めることができる。巻回電極体における電極の巻き数が多くなるほど巻回電極体の内周側では熱が逃げ難いということを考慮すれば、このような効果は巻回電極体11における電極の巻き数が多い場合に顕著となる。よって、セパレータ15は、車両用電源、工場用電源又は家庭用電源等として使用される非水電解液二次電池に含まれるセパレータとして好適である。
また、上述したように、セパレータ15には、過充電時に充電電流を遮断する機会が2回存在する。そのため、セパレータ15は、拘束状態で使用される非水電解液二次電池(例えば組電池を構成する非水電解液二次電池)に含まれるセパレータとして好適であり、この点からも車両用電源、工場用電源又は家庭用電源等として使用される非水電解液二次電池に含まれるセパレータとして好適である。以下、図7を参照しながら詳細に示す。
図7は、本実施形態の非水電解液二次電池を備えた組電池の一例を示す模式側面図である。非水電解液二次電池100を車両用電源、工場用電源又は家庭用電源等として用いる場合には、非水電解液二次電池100を用いて組電池300を構成することが好ましい。組電池300では、非水電解液二次電池100は、互いに平行に配置されており、エンドプレート301と拘束バンド303と板状の介在部材305とによって拘束されている。具体的には、エンドプレート301は、非水電解液二次電池100の配列方向両端に配置されており、拘束バンド303によって拘束されている。介在部材305は、隣り合う非水電解液二次電池100の間に設けられ、エンドプレート301と非水電解液二次電池100との間に設けられている。
非水電解液二次電池100が拘束状態にあれば、セパレータ15には圧力(拘束圧)が付与される。そのため、拘束状態の非水電解液二次電池100が過充電状態となると、溶融した結着剤260は、上記拘束圧によって第1細孔140aに侵入し易くなる。これにより、結着剤260の溶融による充電電流の遮断のタイミングを速めることができるので、非水電解液二次電池100の安全性をより一層高めることができる。
従来のセパレータでは、セパレータを構成する材料が溶融することによってリチウムイオンの移動が遮断され、その結果、充電電流が遮断される。そのため、充電電流が遮断されたときには、セパレータの機械的強度が低下しているので、セパレータが上記拘束圧によって押し潰され易い。その結果、漏れ電流が発生し易くなる。
しかし、セパレータ15では、まず、溶融した結着剤260の侵入によって充電電流が遮断される。そのため、充電電流の遮断時には、セパレータ15の機械的強度を高く維持できるので、上記拘束圧によるセパレータ15の破壊を防止できる。よって、漏れ電流の発生を防止できる。このことによっても、非水電解液二次電池100の安全性をより一層高めることができる。
なお、非水電解液二次電池100の温度が第1温度未満であれば、結着剤260及び第2多孔質層240を構成する材料が溶融しないので、充電電流が遮断されない。そのため、通常の充放電時に発生する熱によって充電電流が遮断されることを防止できるので、非水電解液二次電池の利便性を高く維持しつつ非水電解液二次電池の性能及び安全性を更に高めることができる。以下、基材40及び耐熱層60を順に示す。
<基材>
(細孔の孔径)
第1細孔140aの孔径の方が、第2細孔240aの孔径よりも、大きい。これにより、溶融した結着剤260が第1細孔140aに侵入し易くなる。よって、溶融した結着剤260の侵入によって充電電流が遮断され易くなる。
また、第2細孔240aの孔径の方が第1細孔140aの孔径よりも小さければ、第2多孔質層240を構成する材料の溶融による第2細孔240aの閉塞が起こり易くなる。これにより、第2多孔質層240を構成する材料の溶融によって充電電流が遮断され易くなる。
「第1細孔140aの孔径の方が第2細孔240aの孔径よりも大きい」とは、第1細孔140aの孔径が第2細孔240aの孔径の1倍よりも大きく70倍以下であることを意味し、好ましくは第1細孔140aの孔径が第2細孔240aの孔径の10倍以上30倍以下である。より好ましくは、第1細孔140aの孔径と第2細孔240aの孔径との差((第1細孔140aの孔径)−(第2細孔240aの孔径))が0.65μm以上1.4μm以下である。
「第1細孔140aの孔径」は、第1細孔140aの横断面における大きさ(直径)を意味する。「第1細孔140aの横断面」とは、基材40のMD(Machine Direction)方向における第1細孔140aの横断面であっても良いし、基材40のTD(Transverse Direction)方向における第1細孔140aの横断面であっても良い。
第1細孔140aの横断面における大きさ(直径)が2つ以上存在する場合には、例えば第1細孔140aの横断面形状が楕円形である場合には、「第1細孔140aの孔径」は、第1細孔140aの横断面における大きさ(直径)の最大値r1を意味する(図3)。また、その最大値r1が第1細孔140aごとに異なる場合には、「第1細孔140aの孔径」はその平均値(平均細孔径)を意味する。
「第2細孔240aの孔径」についても同様のことが言える。つまり「第2細孔240aの孔径」は、第2細孔240aの横断面における大きさ(直径)を意味する。「第2細孔240aの横断面」とは、基材40のMD方向における第2細孔240aの横断面であっても良いし、基材40のTD方向における第2細孔240aの横断面であっても良い。
また、第2細孔240aの横断面における大きさ(直径)が2つ以上存在する場合には、例えば第2細孔240aの横断面形状が楕円形である場合には、「第2細孔240aの孔径」は、第2細孔240aの横断面における大きさ(直径)の最大値r2を意味する(図3)。また、その最大値r2が第2細孔240aごとに異なる場合には、「第2細孔240aの孔径」はその平均値(平均細孔径)を意味する。
水銀ポロシメーターを用いた細孔分布測定方法にしたがって第1細孔140aの孔径と第2細孔240aの孔径とを測定できる。この測定は、第1多孔質層140と第2多孔質層240とが一体化された状態で(つまり基材40の状態で)行われても良いし、基材40に耐熱層60が設けられた状態で(つまりセパレータ15の状態で)行われても良いし、第1多孔質層140と第2多孔質層240とが単体の状態で行われても良い。
具体的には、第1細孔140aの孔径は、0.7μm以上2μm以下であることが好ましい。第1細孔140aの孔径が0.7μm以上であれば、溶融した結着剤260が第1細孔140aに侵入し易くなる。第1細孔140aの孔径が2μm以下であれば、第1細孔140aを閉塞させるために必要な結着剤260の量を少なく抑えることができる。よって、溶融した結着剤260が第1細孔140aに侵入して第1細孔140aを閉塞させた場合であっても、耐熱層60の形状を維持できる。より好ましくは、第1細孔140aの孔径は0.9μm以上1.2μm以下である。
第2細孔240aの孔径は、0.03μm以上0.6μm以下であることが好ましい。これにより、第1細孔140aが閉塞した状態であっても、第2多孔質層240を構成する材料の溶融によって第2細孔240aが閉塞し易くなる。第2細孔240aの孔径は、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。
(空孔率)
第2多孔質層240の空孔率は、セパレータの空孔率として従来公知の値であることが好ましく、例えば20%以上60%以下であることが好ましい。一方、第1多孔質層140の空孔率は、例えば30%以上70%以下であることが好ましい。なお、第1細孔140aの孔径は第2細孔240aの孔径よりも大きいので、第1多孔質層140の空孔率が第2多孔質層240の空孔率よりも高くなることがある。
第1多孔質層140の空孔率は、第1細孔140aが形成されていないと仮定した場合における第1多孔質層140の体積に対する第1細孔140aの体積(合計)の割合を意味し、第1多孔質層140を構成する材料の密度と第1多孔質層140の密度とを用いて算出される。第2多孔質層240の空孔率についても同様のことが言える。
(材料)
第2多孔質層240は、PE(polyethylene)からなることが好ましい。これにより、第2多孔質層240がシャットダウンする温度を結着剤260の融点よりも高めることができる。組み立てられた非水電解液二次電池100を分解して第2多孔質層240を構成する材料を採取し、採取されたサンプルの融点を測定すれば、第2多孔質層240がシャットダウンする温度を確認できる。
第1多孔質層140は、PEからなっても良いし、PP(polypropylene)からなっても良い。第1多孔質層140がPEからなれば、過充電時には、第1多孔質層140の軟化により第1多孔質層140と結着剤260との接着性を高めることができる。よって、溶融した結着剤260の侵入による充電電流の遮断が起こり易くなる。第1多孔質層140がPPからなれば、第1多孔質層140の耐潰れ性を高めることができる。X線回折(X‐ray diffraction)法によって第1多孔質層140を構成する材料と第2多孔質層240を構成する材料とを同定できる。
(厚さ)
基材40の厚さ(第1多孔質層140の厚さt1と第2多孔質層240の厚さt2との合計)は、セパレータ15の厚さtの25%以上95%以下であることが好ましい。基材40の厚さがセパレータ15の厚さtの25%以上であれば、非水電解液を保持するというセパレータ15の本来の機能を高く維持できる。基材40の厚さがセパレータ15の厚さtの95%以下であれば、耐熱層60の厚さを確保できるので、セパレータ15の耐熱性を高めることができる。より好ましくは、基材40の厚さはセパレータ15の厚さtの65%以上75%以下である。なお、セパレータ15の厚さtは、好ましくは10μm以上40μm以下であり、より好ましくは11μm以上30μm以下である。また、基材40の厚さは、好ましくは6μm以上30μm以下であり、より好ましくは8μm以上20μm以下である。
第1多孔質層140の厚さt1は、基材40の厚さの30%以上60%以下であることが好ましい。第1多孔質層140の厚さt1が基材40の厚さの30%以上であれば、溶融した結着剤260が第1多孔質層140に保持され易くなる。第1多孔質層140の厚さt1が基材40の厚さの60%以下であれば、セパレータ15の機械的強度を高く維持できる。より好ましくは、第1多孔質層140の厚さt1は基材40の厚さの30%以上40%以下である。なお、第1多孔質層140の厚さt1は、好ましくは4μm以上10μm以下であり、より好ましくは5μm以上10μm以下である。
第2多孔質層240の厚さt2は、基材40の厚さの30%以上60%以下であることが好ましい。第2多孔質層240の厚さt2が基材40の厚さの30%以上であれば、セパレータ15の機械的強度を高く維持できる。第2多孔質層240の厚さt2が基材40の厚さの60%以下であれば、第1多孔質層140の厚さt1を確保できるので、溶融した結着剤260が第2多孔質層240へ侵入することを防止できる。より好ましくは、第2多孔質層240の厚さt2は基材40の厚さの30%以上40%以下である。なお、第2多孔質層240の厚さt2は、好ましくは4μm以上10μm以下であり、より好ましくは5μm以上10μm以下である。
基材40の厚さは、基材40の第1面41に対して垂直な方向における基材40の大きさを意味する。第1多孔質層140の厚さt1、第2多孔質層240の厚さt2及びセパレータ15の厚さtについても同様のことが言える。セパレータ15の断面SEM(scanning electron microscope)画像の観察によって、基材40の厚さと第1多孔質層140の厚さt1と第2多孔質層240の厚さt2とセパレータ15の厚さtとを求めることができる。
第1多孔質層140と第2多孔質層240との境界面(仮想的な境界面)が基材40の第1面41に対して平行でない場合には(例えば図3参照)、第1多孔質層140の厚さt1は上記境界面と基材40の第1面41との距離の平均値を意味し、第2多孔質層240の厚さt2は基材40の厚さから第1多孔質層140の厚さを差し引いた値を意味する。セパレータ15の断面SEM画像の観察によって、上記距離を求めることができる。
<耐熱層>
耐熱層60の厚さt3は、基材40の厚さの20%以上60%以下であることが好ましい。耐熱層60の厚さt3が基材40の厚さの20%以上であれば、セパレータ15の耐熱性を高めることができる。耐熱層60の厚さt3が基材40の厚さの60%以下であれば、セパレータ15における基材40の厚さを確保できるので、非水電解液を保持するというセパレータ15の本来の機能を高く維持できる。より好ましくは、耐熱層60の厚さt3は基材40の厚さの30%以上50%以下である。なお、耐熱層60の厚さt3は、好ましくは2μm以上10μm以下であり、より好ましくは3μm以上10μm以下であり、さらに好ましくは4μm以上8μm以下である。セパレータ15の断面SEM画像の観察によって、耐熱層60の厚さt3を求めることができる。
耐熱層60は、10質量%以上80質量%以下の結着剤260を含むことが好ましい。耐熱層60が10質量%以上の結着剤260を含む場合には、耐熱層60における結着剤260の含有量を確保できる。これにより、溶融した結着剤260が第1細孔140aに侵入した場合であっても、耐熱層60側に残存する結着剤260の量を確保できるので、耐熱層60の形状を維持できる。この効果は、溶融した結着剤260が第1細孔140aに侵入し易い場合(例えば非水電解液二次電池100が拘束状態にある場合(図7参照))に顕著となる。
耐熱層60が80質量%以下の結着剤260を含む場合には、耐熱層60における耐熱材料160の含有量を確保できる。これにより、過充電時には、巻回電極体11において充電電流の遮断に時間差が生じることをより一層防止できる。
より好ましくは、耐熱層60は20質量%以上70質量%以下の結着剤260を含む。また、耐熱層60は、好ましくは20質量%以上90質量%以下の耐熱材料160と10質量%以上80質量%以下の結着剤260とを含み、より好ましくは30質量%以上80質量%以下の耐熱材料160と20質量%以上70質量%以下の結着剤260とを含む。蛍光X線分析法又はICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法によって、耐熱材料160の含有量と結着剤260の含有量とを求めることができる。
(耐熱材料)
耐熱材料160は、好ましくは300℃以上の耐熱温度を有し、より好ましくは1000℃以上の耐熱温度を有する。これにより、過充電時においても、耐熱材料160の溶融、収縮又は分解等を防止できるので、セパレータ15の耐熱性を高く維持できる。
耐熱材料160は、好ましくは常温20℃において30W/(m×K)以上200W/(m×K)以下の熱伝導率を有する。これにより、セパレータ15の放熱性を高めることができる。例えば、過充電時に巻回電極体11の内周側で発生した熱は、耐熱材料160によって、より一層速やかに、巻回電極体11の外周側へ伝わることとなる。つまり、過充電時に巻回電極体11で発生した熱は、耐熱材料160によって、巻回電極体11全体に拡散し易くなる。よって、過充電時には、巻回電極体11の温度が巻回電極体11の内周側で局所的に高くなることをより一層防止できるので、巻回電極体11において充電電流の遮断に時間差が発生することをより一層防止できる。より好ましくは、耐熱材料160は常温20℃において50W/(m×K)以上200W/(m×K)以下の熱伝導率を有する。例えばJIS R1611:1997で規定の方法に準拠して耐熱材料160の熱伝導率を測定できる。
このような物性を有する耐熱材料160としては、α−Al23、SiC又はAlN等を挙げることができる。耐熱材料160としては、これらの1種を単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。より好ましくは、耐熱材料160としてSiC及びAlNのうちの少なくとも1つを用いる。X線回折法又はICP発光分光分析法によって、耐熱材料160の組成を調べることができる。
α−Al23は、粒子状に成形されていることが好ましい。α−Al23粒子は、粒径が0.2μm以上1.2μm以下であることがより好ましく、BET比表面積が1.3m2/g以上50m2/g以下であることがより好ましい。
同様に、SiCは、粒子状に成形されていることが好ましい。SiC粒子は、粒径が0.5μm以上1.5μm以下であることがより好ましく、BET比表面積が5m2/g以上20m2/g以下であることがより好ましい。
また、AlNは、粒子状に成形されていることが好ましい。AlN粒子は、粒径が0.5μm以上1.5μm以下であることがより好ましく、BET比表面積が2m2/g以上15m2/g以下であることがより好ましい。
「α−Al23粒子の粒径」は、α−Al23粒子の粒度分布を体積基準で測定したときのメジアン径D50を意味し、例えばレーザ回折式粒子径分布測定装置を用いて求められる。「SiC粒子の粒径」及び「AlN粒子の粒径」についても同様のことが言える。「α−Al23粒子のBET比表面積」は、BET法により求められたα−Al23粒子の比表面積を意味する。「SiC粒子のBET比表面積」及び「AlN粒子のBET比表面積」についても同様のことが言える。
(結着剤)
結着剤260の材料としては、第2多孔質層240がシャットダウンする温度よりも低い温度で溶融可能な材料であれば、特に限定されない。例えば結着剤260としてPVdF(PolyVinylidene DiFluoride)を用いる場合には、PVdFの分子量が大きくなればPVdFの融点が低くなるため、PVdFの分子量を調整することによって結着剤260の融点を調整できる。組み立てられた非水電解液二次電池100を分解して結着剤260を採取し、採取されたサンプルの融点を測定すれば、結着剤260の融点を確認できる。
以上、図3〜図6を参照しながらセパレータ15を説明したが、セパレータ15の構成は図3に示す構成に限定されない。例えば、第1細孔140aの形状、第1細孔140aの個数、又は、第1多孔質層140における第1細孔140aの配置等は、図3に限定されない。同様に、第2細孔240aの形状、第2細孔240aの個数、第2多孔質層240における第2細孔240aの配置、耐熱材料160の形状、耐熱材料160の個数、耐熱層60における耐熱材料160の配置等は、図3に限定されない。
非水電解液二次電池100の温度が第1温度に達したとき、溶融した結着剤260は全ての第1細孔140aに侵入しても良い。また、非水電解液二次電池100の温度が第1温度よりも高くなったとき、第2多孔質層240を構成する材料の溶融によって第2細孔240aの一部が閉塞しても良い。
基材40は、第1多孔質層140及び第2多孔質層240とは異なる多孔質層(第3多孔質層)を更に有していても良い。第3多孔質層は、第1多孔質層140と第2多孔質層240との間に設けられていても良いし、第2多孔質層240に対して第1多孔質層140とは反対側に設けられていても良い。第3多孔質層に形成された細孔の孔径は、第1細孔140aの孔径未満であれば良く、第2細孔240aの孔径以上第1細孔140aの孔径未満であっても良いし、第2細孔240aの孔径未満であっても良い。
耐熱層60は、正極13に対向していても良いし、1つのセパレータ15に2つ設けられていても良い(図8)。
図8は、セパレータ15の別の一例を示す模式断面図である。図8に示すセパレータ15では、基材40は2つの第1多孔質層140を有し、第2多孔質層240は2つの第1多孔質層140で挟まれている。耐熱層60は、第1多孔質層140のそれぞれに接しており、よって、基材40の第1面41だけでなく基材40の第2面43(下面)にも設けられている。つまり、耐熱層60は、セパレータ15の表面のそれぞれに設けられている。このような場合であっても、図3等に示すセパレータ15が奏する効果と同様の効果を得ることができる。
それだけでなく、図8に示すセパレータ15では、耐熱層60が基材40の第1面41と基材40の第2面43とに設けられているので、耐熱層60を正極13と負極17との両方に対向させることができる。これにより、図3等に示すセパレータ15を用いた場合に比べて、過充電時に巻回電極体11で発生した熱は、耐熱材料160によって、巻回電極体11全体により一層拡散し易くなるので、巻回電極体11において充電電流の遮断に時間差が生じることをより一層防止できる。よって、非水電解液二次電池100の安全性をより一層高めることができる。
図3及び図8に示すセパレータ15は、車両用電源、工場用電源又は家庭用電源等として使用される非水電解液二次電池に含まれるセパレータとして好適であるが(上述)、民生用非水電解液二次電池に含まれるセパレータとしても用いることができる。この場合であっても、上述の効果を得ることができる。
≪正極≫
正極13は、非水電解液二次電池の正極として従来公知の構成を有することが好ましい。例えば、正極13の厚さ(正極集電体13Aの厚さと正極合剤層13Bの厚さとの合計)は、40μm以上100μm以下であることが好ましい。また、正極集電体13Aは、厚さが5μm以上50μm以下であるアルミニウム箔であることが好ましい。
正極合剤層13Bは、正極活物質と導電剤と結着剤とを含むことが好ましい。正極活物質は、非水電解液二次電池の正極活物質として従来公知の材料からなることが好ましく、例えば、一般式LiNiaCobMnc2(0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)で表される化合物、又は、一般式LixFePO4(0≦x<1)で表される化合物からなることが好ましい。導電剤は、非水電解液二次電池の正極合剤層に含まれる導電剤として従来公知の材料からなることが好ましく、例えばアセチレンブラック等の炭素材料からなることが好ましい。結着剤は、非水電解液二次電池の正極合剤層に含まれる結着剤として従来公知の材料からなることが好ましく、例えばPVdFからなることが好ましい。
正極合剤層13Bにおける正極活物質の含有量、導電剤の含有量及び結着剤の含有量は、それぞれ、非水電解液二次電池の正極合剤層における正極活物質の含有量、導電剤の含有量及び結着剤の含有量として従来公知の含有量であることが好ましい。例えば、正極合剤層13Bは、80質量%以上95質量%以下の正極活物質と、3質量%以上15質量%以下の導電剤と、2質量%以上5質量%以下の結着剤と含むことが好ましい。
≪負極≫
負極17は、非水電解液二次電池の負極として従来公知の構成を有することが好ましい。例えば、正極13の容量に対する負極17の容量の割合は、1.7以上2.0以下であることが好ましい。また、負極17の厚さ(負極集電体17Aの厚さと負極合剤層17Bの厚さとの合計)は、50μm以上150μm以下であることが好ましい。また、負極集電体17Aは、厚さが5μm以上50μm以下である銅箔であることが好ましい。
負極合剤層17Bは、負極活物質と結着剤とを含むことが好ましい。負極活物質は、非水電解液二次電池の負極活物質として従来公知の材料からなることが好ましく、例えば、天然黒鉛を核材とする材料からなることが好ましい。結着剤は、非水電解液二次電池の負極合剤層に含まれる結着剤として従来公知の材料からなることが好ましく、例えばSBR(styrene-butadiene rubber)からなることが好ましい。
負極合剤層17Bにおける負極活物質の含有量及び結着剤の含有量は、それぞれ、非水電解液二次電池の負極合剤層における負極活物質の含有量及び結着剤の含有量として従来公知の含有量であることが好ましい。例えば、負極合剤層17Bは、80質量%以上95質量%以下の負極活物質と、5質量%以上20質量%以下の結着剤とを含むことが好ましい。
≪非水電解液≫
非水電解液は、非水電解液二次電池の非水電解液として従来公知の構成からなることが好ましい。例えば、非水電解液は、1種以上の有機溶媒と1種以上のリチウム塩とを含むことが好ましく、添加剤を更に含むことがより好ましい。
添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(vinylene carbonate)、ビニルエチレンカーボネート(vinyl ethylene carbonate)、フルオロエチレンカーボネート(fluoroethylene carbonate)、エチレンサルファイト(ethylene sulfite)、プロパンサルトン(propane sultone)又はリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI(Lithium bis(trifluoro methanesulfonyl)imide))等を挙げることができる。また、LiBF2(C24)又はLiPF2(C242等のオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を挙げることができる。また、Li[B(C242]又はLiPO22等を挙げることができる。
[非水電解液二次電池の製造]
次に示す方法にしたがって非水電解液二次電池100を製造できる。
≪セパレータの作製≫
次に示す方法にしたがって図3に示すセパレータ15を作製できる。まず、基材40を準備する。PEからなる第1多孔質層140とPEからなる第2多孔質層240とを有する基材40を作製する場合には、湿式法を用いても良いし、乾式法を用いても良い。湿式法を用いる場合には、粒径の異なる可塑剤が含有された2種類のPEシートを貼り合せた後、可塑剤を取り除いてから延伸する。このようにして基材40が得られる。粒径の大きな可塑剤を含有していたPEシートが第1多孔質層140となる。可塑剤の粒径及び延伸条件の少なくとも1つを制御することにより、第1細孔140aの孔径及び第2細孔240aの孔径を最適化できる。
乾式法を用いる場合には、同種類のPEシートを2枚用意し、そのうちの1枚のPEシートのみを延伸してそのPEシートに細孔を形成する。このようにして得られたPEシートを延伸されていないPEシートに貼り合せた後、延伸を再度行う。このようにして基材40が得られる。延伸が2回行われたPEシートが第1多孔質層140となる。延伸条件を制御することにより、第1細孔140aの孔径及び第2細孔240aの孔径を最適化できる。
PPからなる第1多孔質層140とPEからなる第2多孔質層240とを有する基材40を作製する場合には、乾式法を用いることが好ましい。具体的には、まず、PPシートを延伸してそのPPシートに細孔を形成する。次に、このPPシートをPEシート(PEシートは延伸されていない)に貼り合せた後、延伸を再度行う。このようにして基材40が得られる。延伸条件を制御することにより、第1細孔140aの孔径及び第2細孔240aの孔径を最適化できる。
次に、第2多孔質層240との接触面とは反対側に位置する第1多孔質層140の表面(図3では基材40の第1面41)に、耐熱材料160と結着剤260とを含むペーストを塗布する。結着剤260としてPVdFを用いた場合には、上記ペーストの塗布後にそのペーストを冷却することが好ましい。このようにしてセパレータ15が得られる。
なお、本発明者らは、セパレータ15の製造中(例えば上記ペーストの塗布時)に結着剤260が第1細孔140aへ侵入しないことを確認している。一方、本発明者らは、セパレータ15を含む非水電解液二次電池100の温度が第1温度に達すると、結着剤260が溶融し、溶融した結着剤260が第1細孔140aに侵入することを確認している。その理由としては、巻回電極体11では、セパレータ15は正極13又は負極17に接しているので、正極13又は負極17からセパレータ15に対して圧力(上記拘束圧よりも小さいと考えられる)が付与されるからである、と考えている。
また、セパレータ15の製造中(例えば上記ペーストの塗布時)には結着剤260が第1細孔140aへ侵入しないので、安全性に優れた非水電解液二次電池100を歩留り良く製造できる。
≪正極の作製≫
非水電解液二次電池の正極の作製方法として従来公知の方法にしたがって正極13を作製できる。例えば、まず、正極活物質と導電剤と結着剤とを含む正極合剤ペーストを準備する。次に、目付量が各面で9.8mg/cm2以上15.2mg/cm2以下となるように、正極合剤ペーストを正極集電体13Aに塗布する。このとき、正極集電体13Aの幅方向一端を除く領域に正極合剤ペーストを塗布することが好ましい。正極合剤ペーストを乾燥させた後、得られた電極を圧延する。このようにして、1.8g/cc以上2.4g/cc以下の密度を有する正極合剤層13Bを含む正極13が得られる。
≪負極の作製≫
非水電解液二次電池の負極の作製方法として従来公知の方法にしたがって負極17を作製できる。例えば、まず、負極活物質と結着剤とを含む負極合剤ペーストを準備する。次に、目付量が各面で4.8mg/cm2以上10.2mg/cm2以下となるように、負極合剤ペーストを負極集電体17Aに塗布する。このとき、負極集電体17Aの幅方向一端を除く領域に負極合剤ペーストを塗布することが好ましい。負極合剤ペーストを乾燥させた後、得られた電極を圧延する。このようにして、0.8g/cc以上1.4g/cc以下の密度を有する負極合剤層17Bを含む負極17が得られる。
≪巻回電極体の作製≫
まず、セパレータ15の耐熱層60を負極17に対向させる。また、正極露出部13Dと負極露出部17Dとが正極集電体13Aの幅方向においてセパレータ15から互いに逆向きに突出するように、正極13と負極17とセパレータ15とを配置する。
次に、正極集電体13Aの幅方向に対して平行となるように巻回用軸を配置し、その巻回用軸に正極13と負極17とセパレータ15とを巻きつける。好ましくは、セパレータ15に単位断面積当たり0.35〜4.3N/mm2のテンションが掛かるように、巻回用軸に正極13と負極17とセパレータ15とを巻きつける。このようにして巻回電極体11が得られる。必要に応じて、扁平化処理を行っても良い。
≪巻回電極体の挿入、非水電解液の注入≫
電池ケース1の蓋体に設けられた正極端子3と正極露出部13Dとを接続し、蓋体に設けられた負極端子7と負極露出部17Dとを接続する。これにより、蓋体が巻回電極体11に接続される。この巻回電極体11を電池ケース1のケース本体の凹部に入れ、蓋体でケース本体の開口を塞ぐ。その後、非水電解液を、ケース本体又は蓋体に予め形成されていた注液用孔からケース本体の凹部へ注入する。必要に応じて電池ケース内を減圧した後、注液用孔を封止する。このようにして非水電解液二次電池100を製造できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に限定されない。
<実施例1>
(セパレータの作製)
細孔が形成されていないPEシート(融点:143℃)を3枚準備した。準備した3枚のPEシートのうちの2枚のPEシートのみを延伸した。これにより、その2枚のPEシートには細孔が形成された。この2枚のPEシートで残りのPEシートを挟んでこれらを貼り合せ、延伸を再度行った。このようにして、基材が得られた。得られた基材では、細孔(孔径:0.03μm)が形成されたPE層(第2多孔質層)のそれぞれの面に、細孔(孔径:0.7μm)が形成されたPE層(第1多孔質層)が設けられていた。
超音波分散機(エム・テクニック株式会社製の商品名「クレアミックス」)を用いて、α−Al23粒子(粒径(メジアン径D50):0.8μm、BET比表面積:8m2/g)とPVdF(融点:136℃)とNMP(N-methylpyrrolidone、増粘剤)とを混練した。得られた混練物をグラビア塗工法によって基材の両面に塗布した後、冷却した。このようにして、セパレータが得られた。得られたセパレータでは、基材の各面に耐熱層(厚さが5μm)が形成されていた。
(正極の作製)
正極活物質として、LiNiCoMnO粉末を準備した。質量比で90:8:2となるように正極活物質とアセチレンブラックとPVdFとを混ぜ、NMPで希釈した。このようにして正極合剤ペーストを得た。
正極合剤ペーストを、Al箔(厚さが15μm、正極集電体)の幅方向一端が露出するようにAl箔の両面に塗布した後、乾燥させた。得られた極板を圧延して正極を得た。正極では、Al箔の幅方向一端を除く領域において、Al箔の両面に正極合剤層が形成されていた。
(負極の作製)
負極活物質として、天然黒鉛を核材とする材料(非晶質炭素が天然黒鉛の表面に被覆されて形成された炭素材料に対して球形化処理が施されたもの)を準備した。質量比で98:1:1となるように負極活物質とCMC(carboxymethylcellulose)(増粘剤)とSBR(結着剤)とを混ぜ、水で希釈した。このようにして負極合剤ペーストを得た。
負極合剤ペーストを、Cu箔(厚さが10μm、負極集電体)の幅方向一端が露出するようにCu箔の両面に塗布した後、乾燥させた。得られた極板を圧延して負極を得た。負極では、Cu箔の幅方向一端を除く領域において、Cu箔の両面に負極合剤層が形成されていた。
(巻回電極体の作製、挿入)
セパレータを正極と負極との間に配置した。また、Al箔が正極合剤層から露出する部分(正極露出部)とCu箔が負極合剤層から露出する部分(負極露出部)とがAl箔の幅方向においてセパレータから互いに逆向きに突出するように、正極と負極とセパレータとを配置した。
その後、Al箔の幅方向に対して平行となるように巻回用軸を配置し、その巻回用軸に正極、セパレータ及び負極を巻きつけた。このとき、セパレータに単位断面積当たり3N/mm2のテンションが掛かるように、正極、セパレータ及び負極を巻きつけた。このようにして得られた円筒型電極体に対して互いに逆向きの圧力を与え、扁平な巻回電極体を得た。得られた巻回電極体では、軸方向における長さが130mmであり、横断面の長軸方向における長さ(図1の上下方向における長さ)が50mmであった。また、セパレータの積層数は130層であった。
電池ケースの蓋体に設けられた正極端子と正極露出部とを接続し、蓋体に設けられた負極端子と負極露出部とを接続した。これにより、蓋体が巻回電極体に接続された。巻回電極体を電池ケースのケース本体の凹部に入れ、蓋体でケース本体の開口を塞いだ。
(非水電解液の調製、注入)
体積比で3:4:3となるように、EC(ethylene carbonate)とEMC(dimethyl carbonate)とDMC(ethyl methyl carbonate)とを混合した。このようにして得られた混合溶媒にLiPF6を添加して、非水電解液を得た。得られた非水電解液では、LiPF6の濃度が1.1mol/Lであった。
得られた非水電解液を、蓋体に形成された注液用孔からケース本体の凹部へ注入した。電池ケース内を減圧した後、注液用孔を封止した。このようにして本実施例のリチウムイオン二次電池が作製された。
(温度上昇率の測定)
作製されたリチウムイオン二次電池に対して10Cの電流を、その電流が遮断されるまで供給した。熱電対を用いて、電流遮断直後のリチウムイオン二次電池の温度と、電流を遮断してから1分間が経過したときのリチウムイオン二次電池の温度(1分後のリチウムイオン二次電池の温度)とを測定した。測定された値を下記式に代入して温度上昇率を算出した。温度上昇率が低い方がリチウムイオン二次電池は安全性に優れると言える。その結果を表1に示す。
(温度上昇率)=(1分後のリチウムイオン二次電池の温度)÷(電流遮断直後のリチウムイオン二次電池の温度)×100(%)。
<実施例2〜18、比較例1、比較例2>
表1に示す物性を有するセパレータを用いたことを除いては実施例1に記載の方法にしたがってリチウムイオン二次電池を作製し、実施例1に記載の方法にしたがって温度上昇率を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0006237589
表1において、「『層数』が3である」とは、1つの第2多孔質層が2つの第1多孔質層で挟まれることによりセパレータの基材が構成されていることを意味する。この場合、耐熱層は、2つ設けられ、第1多孔質層のそれぞれの表面に設けられていた。「『層数』が2である」とは、1つの第1多孔質層が1つの第2多孔質層の片面に形成されることによりセパレータの基材が構成されていることを意味する。この場合、耐熱層は、1つ設けられ、第1多孔質層の表面に設けられていた。
表1において、「『第1多孔質層の材料』がPE,PPである」とは、セパレータが第1多孔質層としてPE層とPP層とを含むことを意味する。また、「『層数』が3である」場合に「『第1多孔質層の材料』がPEである」とは、セパレータが第1多孔質層として2つのPE層を含み、そのPE層が第2多孔質層の表面のそれぞれに配置されていることを意味する。同様に、「『層数』が3である」場合に「『第1多孔質層の材料』がPPである」とは、セパレータが第1多孔質層として2つのPP層を含み、そのPP層が第2多孔質層の表面のそれぞれに配置されていることを意味する。
<考察>
表1に示すように、比較例1及び2では、実施例1〜18に比べて、温度上昇率が高かった。実施例1〜18、比較例1及び比較例2では、第1細孔の孔径の方が第2細孔の孔径よりも大きい。しかし、比較例1では、実施例1〜18に比べて、耐熱層に含まれる結着剤の融点が高い。そのため、比較例1では、10Cの電流の供給時に結着剤が溶融し難かったと考えられる。その結果、溶融した結着剤の侵入による充電電流の遮断が起こり難かったと考えられる。また、結着剤が溶融し難ければ、耐熱層における耐熱材料の密度を高めることが難しいため、10Cの電流の供給時に巻回電極体で発生した熱が耐熱材料によって巻回電極体全体に拡散し難かったと考えられる。
比較例2では、実施例1〜18に比べて、第1細孔の孔径が大きい。そのため、比較例2では、10Cの電流の供給時には、結着剤による第1細孔の充填が不十分であったと考えられる。その結果、溶融した結着剤の侵入による充電電流の遮断が起こり難かったと考えられる。
また、実施例1〜18では、耐熱材料としてα−Al23粒子、SiC粒子(粒径(メジアン径D50):0.8μm、BET比表面積:9m2/g)又はAlN粒子(粒径(メジアン径D50):0.9μm、BET比表面積:10m2/g)を用いた。一方、比較例1及び比較例2では、耐熱材料としてベーマイト粒子(粒径(メジアン径D50):0.8μm、BET比表面積:8m2/g)を用いた。この結果から、耐熱材料としてα−Al23粒子、SiC粒子又はAlN粒子を用いれば、温度上昇率を50%以下に抑えることができるということが分かった。
実施例3〜17では、実施例1、2及び18に比べて、温度上昇率は更に低かった。この結果から、耐熱材料としてSiC粒子又はAlN粒子を用いれば、過充電時には巻回電極体において充電電流の遮断に時間差が発生することを更に防止できることが分かった。
実施例3〜15では、実施例16及び17に比べて、温度上昇率は更に低かった。この結果から、第2細孔の孔径は0.05μm以上0.5μm以下であることがより好ましいことが分かった。
実施例4〜15では、温度上昇率が15%未満であった。この結果から、第1細孔の孔径が0.9μm以上1.2μm以下であり、第2細孔の孔径が0.1μm以上0.5μm以下であり、且つ、耐熱層が20質量%以上70質量%以下の結着剤を含むことがさらに好ましいことが分かった。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電池ケース、3 正極端子、7 負極端子、11 巻回電極体、13 正極、13A 正極集電体、13B 正極合剤層、13D 正極露出部、15 セパレータ、17 負極、17A 負極集電体、17B 負極合剤層、17D 負極露出部、40 基材、41 第1面、43 第2面、60 耐熱層、100 非水電解液二次電池、140 第1多孔質層、140a 第1細孔、160 耐熱材料、240 第2多孔質層、240a 第2細孔、260 結着剤、300 組電池、301 エンドプレート、303 拘束バンド、305 介在部材。

Claims (6)

  1. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられた耐熱層とを備え、
    前記耐熱層は、前記基材よりも高い耐熱温度を有する耐熱材料と、第1温度で溶融する結着剤とを含み、
    前記基材は、細孔径が互いに異なる2以上の多孔質層を有し、
    前記2以上の多孔質層は、第1多孔質層と第2多孔質層とを含み、
    前記第1多孔質層は、細孔径が最も大きな層であり、前記耐熱層に接し、前記結着剤が溶融したときには溶融した結着剤を保持し、
    前記第2多孔質層は、前記第1温度よりも高い温度でシャットダウンし、
    前記第1多孔質層に形成された第1細孔の孔径は、0.7μm以上2μm以下であるセパレータ。
  2. 記第2多孔質層に形成された第2細孔の孔径が0.03μm以上0.6μm以下であり、
    前記第1細孔の孔径と前記第2細孔の孔径との差が0.65μm以上1.4μm以下である請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記第1細孔の孔径は、0.9μm以上1.2μm以下であり、
    前記第2細孔の孔径は、0.1μm以上0.5μm以下である請求項2に記載のセパレータ。
  4. 前記耐熱材料は、30W/(m×K)以上200W/(m×K)以下の熱伝導率を有する請求項1〜3のいずれかに記載のセパレータ。
  5. 前記耐熱材料は、SiC及びAlNのうちの少なくとも1つからなる請求項4に記載のセパレータ。
  6. 正極と負極とがセパレータを挟んで巻回されて構成された巻回電極体を備え、
    前記セパレータは、請求項1〜5のいずれかに記載のセパレータであり、
    前記セパレータの前記耐熱層は、前記正極、前記負極、又は、前記正極及び前記負極に対向している非水電解液二次電池。
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