JP2019079633A - 電極、電極の製造方法および蓄電素子 - Google Patents

電極、電極の製造方法および蓄電素子 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁粒子から構成される絶縁層を備えながらも、製造装置へダメージを与え難い電極を提供すること。【解決手段】本発明の電極は、合剤層と該合剤層表面に配置された絶縁層とを備え、該絶縁層が絶縁粒子とバインダを含み、該絶縁粒子が該バインダで被覆されており、該バインダの厚みが0.4μm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電極、電極の製造方法および蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池においては、その安全性を高める手法として、非水電解質二次電池を構成する電極を絶縁層でコートする手法が用いられることがある。絶縁層を設けることにより、セパレータが収縮あるいは破膜した場合にも、正負極間の絶縁性が確保される。より具体的には、集電箔と集電箔上に設けられた合剤層を有する電極について、正負極間の合剤層どうしの短絡を防止するため、合剤層表面を絶縁層でコート(オーバーコート)する手法が知られている。
再公表特許WO2010/116533号公報 特開2016−225077号公報
上記絶縁層においては、絶縁体として無機物から構成される絶縁粒子が多用される。しかしながら、上記絶縁粒子により絶縁層を形成すると、絶縁粒子の硬度が高いため、当該絶縁粒子が、絶縁層形成時あるいは電極製造時に、パスライン上の製造装置(例えば、ロールプレス機、巻回機等)のロール等を傷つけることがある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、絶縁粒子から構成される絶縁層を備えながらも、製造装置へダメージを与え難い電極を提供することにある。
本発明の電極は、合剤層と該合剤層表面に配置された絶縁層とを備え、該絶縁層が絶縁粒子とバインダとを含み、該絶縁粒子が該バインダに被覆されており、該バインダの厚みが0.4μm以上である。
本発明によれば、特定の厚みを有するバインダに被覆された絶縁粒子用いることにより、絶縁粒子から構成される絶縁層を備えながらも、製造装置へダメージを与え難い電極を提供することができる。また、本発明によれば、絶縁粒子の表面に所定の厚み以上のバインダが存在することで、絶縁粒子同士の結着性を確保することできるので、絶縁粒子の脱離等を抑制することができる。
本発明の1つの実施形態による電極の概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による電極の絶縁層の外表面を示す概略部分断面図である。 本発明の1つの実施形態による非水電解質二次電池の概略構成を示す一部破断斜視図である。 本発明の実施例における正極合剤層および絶縁層の電子線マイクロアナライザー(EPMA)による断面分析画像である。
A.電極の概要
図1は、本発明の1つの実施形態による電極の概略断面図である。電極100は、合剤層10と、合剤層10の表面に配置された絶縁層20とを備える。実用的には、電極100は、合剤層10の絶縁層20とは反対側に集電箔30をさらに備え得る。図示していないが、合剤層に加え集電箔上にも、絶縁層が形成されていてもよい。
絶縁層20は、絶縁粒子21aとバインダ21bとを含む。図2は、本発明の1つの実施形態による電極の絶縁層の外表面を示す概略部分断面図である。絶縁粒子21aは、バインダ21bに被覆されている。バインダ21bは、少なくとも絶縁層20の外表面において、絶縁粒子21aを被覆する。バインダ21bの厚みは、0.4μm以上である(詳細は後述)。
絶縁層を備える本発明の電極を用いて非水電解質二次電池を構成すれば、セパレータが収縮あるいは破膜した場合にも、正負極間の絶縁性が確保される。本発明においては、厚みが0.4μm以上のバインダに被覆された絶縁粒子を用いて絶縁層を形成することにより、電池製造工程において、パスライン上の製造装置のロール等に傷をつけ難い電極を得ることができる。本発明は、高硬度な粒子(例えば、無機粒子)を絶縁粒子として用いる場合に、特に有用である。さらに、絶縁粒子は厚いバインダに被覆されているため、絶縁層中において、絶縁粒子とバインダとから構成される複合体同士の接触面積および当該複合体と合剤層との接触面積が広くなる。その結果、絶縁粒子の脱離が抑制される。
本発明の電極は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池の正極または負極として用いられる。1つの実施形態においては、本発明の電極は、非水電解質二次電池の正極として用いられる。絶縁層が形成された正極を用いれば、セパレータと正極合剤層との接触を回避することができ、セパレータが酸化することを防止し得る。
B.絶縁層
上記のとおり、絶縁層は絶縁粒子とバインダから構成され、絶縁粒子はバインダにより被覆されている。より詳細には、絶縁粒子とバインダとは複合体を構成し、当該複合体は、いわゆるコアシェル構造を有し、絶縁粒子から構成されるコア部と、バインダから構成されるシェア部とを含む。バインダは、絶縁粒子同士、ならびに、絶縁粒子と合剤層とを結着させる機能を有する。
上記バインダの厚みは、0.4μm以上であり、さらに好ましくは0.5μm〜1.0μmである。電池製造工程において、パスライン上の製造装置のロール等に傷をつけ難い電極を得ることができる。また、このような範囲であれば、絶縁粒子の脱離を防止することができる。上記のように厚いバインダで被覆された絶縁粒子から構成される絶縁層は、後述の乾式塗工法(静電塗工)により形成され得る。「バインダの厚み」は、以下の手順により測定される。
(i)絶縁層の無作為に抽出した箇所について、外表面近傍の電子線マイクロアナライザー(EPMA)による断面分析画像(倍率:8000倍、分析範囲:長さ30μm×深さ約30μm)を取得し、当該画像から複合体のコア粒子(絶縁粒子)/シェル部(バインダ)を判別する;
(ii)上記画像内で絶縁層の最外側に存在する絶縁粒子から、粒径が大きい上位5つの絶縁粒子を選択する;
(iii)上記選択された絶縁粒子の絶縁層の外表面におけるバインダの厚みを測定する;
(iv)(iii)で測定した5点のバインダの厚みを平均し、得られた平均値を「バインダの厚み」とする。
なお、図2において、破線で囲まれた部分は、上記断面分析画像の範囲を示し、矢印は、粒径が大きい上位5つの絶縁粒子の絶縁層の外表面におけるバインダの厚みを示す。
上記バインダの厚みのCV値(変動係数)は、好ましくは0.35以下であり、より好ましくは0.3以下である。バインダ厚みの均一な絶縁粒子から構成された絶縁層は、絶縁性に優れ、かつ、絶縁粒子の脱離が抑制される。上記CV値は小さいほど好ましいが、その下限値は、例えば、0.05(好ましくは0.01)である。「バインダの厚みのCV値」は、上述の「バインダの厚み」の測定手順で得られた測定値から算出され得る。
上記絶縁粒子の表面の80面積%以上がバインダにより被覆されていることが好ましく、90面積%以上がバインダにより被覆されていることがより好ましく、95面積%以上がバインダにより被覆されていることがさらに好ましい。上記絶縁粒子の表面の80面積%以上がバインダにより被覆されていることで、絶縁層の表面において絶縁粒子が露出する確率を低くできるので、電池製造工程において、パスライン上の製造装置に傷をつけ難い電極を得ることができる。
上記絶縁粒子の平均粒子径は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは1.2μm〜・5.0μmであり、さらに好ましくは1.8μm〜3.5μmである。なお、本明細書において、「平均粒子径」とは、JIS−Z−8815(2013年)に準拠し、粒子を溶媒で希釈した希釈液に対しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値を意味する。
上記絶縁粒子の平均粒径に対する上記バインダの厚みの比(バインダの厚み/絶縁粒子の平均粒子径)は、好ましくは0.05以上であり、より好ましくは0.08以上である。このような範囲であれば、バインダの厚みが十分であり、絶縁粒子の脱離を防止することができる。また、電池製造工程において、パスライン上の製造装置に傷をつけ難い電極を得ることができる。上記絶縁粒子の平均粒径に対する上記バインダの厚みの比(バインダの厚み/絶縁粒子の平均粒子径)の上限は、好ましくは0.4であり、より好ましくは0.25である。このような範囲であれば、絶縁層が厚くなりすぎるのを防ぐことできる。
上記絶縁粒子の材料としては、絶縁性を有する限り、任意の適切な材料を用いることができる。当該粒子を構成する材料としては、絶縁性の無機物が用いられ得る。無機物から構成される絶縁粒子を用いれば、耐熱性に優れる絶縁層を形成することができる。絶縁性の無機物としては、例えば、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、シリカ、ジルコニア、マグネシア等の金属酸化物が挙げられる。また、炭化珪素等の珪化物、窒化アルミニウム等の窒化物等を用いてもよい。その形状は特に限定されないが、塗工性の観点から球状または塊状が好ましい。球状または塊状とは、アスペクト比1.5以下の形状を指す。
上記バインダを構成する材料としては、樹脂又はゴムからなる材料が好ましい。樹脂又はゴムからなるバインダは硬度が低いので、本発明の効果が得られやすい。バインダを構成する材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、およびポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのポリアクリル酸樹脂、ポリイミドおよびポリアミドイミド等のイミド系樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム等が挙げられる。
上記バインダ粒子の平均粒子径(上記加熱前の平均粒子径)は、好ましくは0.1〜0.5μmであり、より好ましくは0.15〜0.3μmである。このような範囲であれば、絶縁粒子とバインダ粒子との複合体を形成する際に、加熱前のバインダ粒子の層厚みを調整することができるので、適切な厚みのバインダで被覆された絶縁粒子を得ることができる。なお、バインダ粒子が凝集し易い場合は、SEM観察により平均粒子径を測定することができる。詳しくは、SEM画像にて任意に10個の粒子を選択し、それら粒子径を測定し(粒子形状が球状ではない場合、最も長い径と最も短い径との平均を粒子径とする)、それら粒子径の平均を平均粒子径とする。
上記絶縁層の厚みは、好ましくは2μm〜15μmであり、より好ましくは3μm〜10μmである。
上記絶縁層の面積は、上記合剤層の平面部の総面積に対して、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上であり、特に好ましくは100%である。このような範囲であれば、電池性能への悪影響が小さく、絶縁性に優れる絶縁層を形成することができる。
上記絶縁層の空隙率は、好ましくは10%〜50%であり、より好ましくは15%〜35%である。このような範囲であれば、電池性能への悪影響が小さく、絶縁性に優れる絶縁層を形成することができる。
C.合剤層
1つの実施形態においては、上記電極が負極として構成される場合、合剤層は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、グラファイト(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛)、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス類、活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブ等の炭素材料、アルミニウム、ケイ素、鉛、錫、亜鉛、カドミウム等とリチウムとの合金、Li(LiN)等の窒化リチウム、金属リチウム、LiFe、WO、MoO、SiO、CuO等の金属酸化物等が挙げられる。負極活物質は、単独で用いてもよく、2以上を組み合わせて用いてもよい。
別の実施形態においては、上記電極が正極として構成される場合、合剤層は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含む。正極活物質としては、組成式LiMO、Li(ただし、Mは1種類以上の遷移金属、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される複合酸化物、トンネル構造または層状構造の金属カルコゲン化物、金属酸化物等の、リチウムを吸蔵放出する遷移金属酸化物を用いることができる。その具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiCoNi1−x、LiMn、LiMn等が挙げられる。
上記合剤層は、結着剤、導電剤、増粘剤、フィラー等の添加剤をさらに含み得る。結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエン・ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、フッ素ゴム、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が挙げられる。導電剤としては、例えば、金属、導電性セラミック等の導電性無機化合物、導電性ポリマー等の導電性有機化合物等が挙げられる。
D.集電箔
上記集電箔としては、非水電解質二次電池に常用される任意の適切な集電箔が用いられ得る。上記電極が負極として構成される場合、集電箔としては、例えば、銅箔等の金属箔が用いられる。上記電極が正極として構成される場合、集電箔としては、例えば、アルミニウム箔等の金属箔が用いられる。
E.電極の製造方法
集電箔と合剤層とから構成される積層体の合剤層上に、絶縁層形成材料を塗工することにより、上記電極を製造することができる。絶縁層形成材料の一部を集電箔に塗工して、集電箔上にも絶縁層を形成してもよい。例えば、合剤層端部近傍の集電箔上に絶縁層が形成されるように絶縁層形成材料を塗工すれば、集電箔表面にも絶縁層が形成させることができる。
1つの実施形態においては、上記絶縁層は、溶媒を用いない乾式塗工法により形成される。乾式塗工法による電極の製造方法として、絶縁粒子および粒子状のバインダ(以下、バインダ粒子ともいう)の複合体を、合剤層(および必要に応じて集電箔表面)に付着させて、絶縁層を形成する製造方法がある。より具体的には、(i)絶縁粒子と、バインダ粒子とを混合して、絶縁粒子の表面にバインダ粒子を被覆せた複合体を得る工程、(ii)上記複合体を、合剤層(および必要に応じて集電箔表面)に付着させる工程、(iii)上記複合体を加熱して、バインダ粒子を溶融させる工程を経て、上記絶縁粒子およびバインダを含む絶縁層が形成される。上記製造方法の結果、バインダが絶縁粒子の表面を被覆した形態が得られる。
溶媒を用いない乾式塗工法を用いれば、溶剤と共にバインダが合剤層に侵入することもない。その結果、絶縁粒子の表面にバインダを保持することができるので、厚いバインダで被覆された絶縁粒子を得ることができる。また、合剤層にバインダが侵入して活物質粒子間の隙間をバインダで塞ぐことがないので、電解液の浸透性の優れた合剤層を得ることができ、その結果、高率放電特性に優れた非水電解質二次電池を得ることができる。一方、溶媒を用いた湿式塗工では、溶媒と共にバインダが合成層に流れ込むので、絶縁粒子の表面の一定の厚みを有するバインダを形成することが難しい。湿式塗工にて絶縁粒子の表面に一定の厚み以上のバインダを形成するためには、絶縁層のバインダの質量を多くする必要があり、絶縁粒子間の隙間をバインダで塞いでしまう恐れがある。
絶縁粒子とバインダ粒子との混合方法としては、任意の適切な方法が採用される。例えば、絶縁粒子とバインダ粒子とを回転羽根を備える攪拌機に投入し、これらの粒子を攪拌混合することにより、絶縁粒子の表面にバインダ粒子が配置した複合体を得ることができる。絶縁粒子とバインダ粒子とに十分な摩擦耐電が生じるように、撹拌条件が設定される。
乾式塗工の一つとして静電塗工が挙がられ、静電塗工としては、例えば、静電流動浸漬法、静電粉体スプレー法等が採用され得る。1つの実施形態においては、静電塗工用電極を備えた塗工ブース内に、上記集電箔と合剤層とから構成される積層体および絶縁粒子とバインダ粒子とから構成される複合体を投入し、複合体を帯電させ、静電引力により合剤層(および必要に応じて集電箔表面)に複合体を付着させる。
静電塗工の後、複合体を加熱し、バインダ粒子を溶融させて、バインダで被覆された絶縁粒子を得る。バインダ粒子の融着により、隣接する絶縁粒子同士、および絶縁粒子と合剤層とが結着される。加熱温度は、バインダ粒子の種類に応じて任意の適切な温度とされ得る。加熱方法としては、複合体が付着した上記積層体を加熱炉に投入する方法、加熱ロールを用いて複合体が付着した上記積層体をプレスしながら加熱する方法等が挙げられる。
バインダの厚みは、絶縁粒子とバインダとの質量比率で調整することができる。つまり、絶縁粒子とバインダ粒子との混合において絶縁粒子の表面に付着させるバインダ粒子の量によって、加熱した後のバインダの厚みを調整することできる。上記バインダの含有量は、絶縁粒子およびバインダの合計質量に対して、好ましくは10質量部〜40質量部であり、より好ましくは15質量部〜30質量部である。
上記の電極の製造方法により、絶縁粒子の表面に所定の厚みを有するバインダを被覆することができる。このような絶縁粒子が絶縁層の最表面に配置されることで、絶縁粒子がパスラインやプレス機など製造装置へダメージを与えることを抑制することができる。
F.非水電解質二次電池
図3は、本発明の1つの実施形態による非水電解質二次電池の概略構成を示す一部破断斜視図である。非水電解質二次電池110は、集電箔および正極合剤層を備える正極100と、集電箔および負極合剤層を備える負極200とを備える。代表的には、図3に示すように、非水電解質二次電池110は、正極100と負極200とがセパレータ300を挟んだ状態で巻回されて構成される発電要素111を備える。発電要素111は、セパレータ300に非水電解質を含浸させた状態で、電池ケース112内に収納される。電池ケース112は、例えば、上面側に開口を有する略箱型である。当該開口は板状の電池蓋113によって塞がれている。電池蓋113には正極端子114および負極端子115が設けられており、正極端子114は正極リード116を介して正極100と、負極端子115は負極リード117を介して負極200と、それぞれ電気的に接続されている。
負極および/または正極として、上記電極が用いられる。好ましくは、上記のとおり、非水電解質二次電池は、正極として上記電極が用いられる。
非水電解質としては、任意の適切な非水電解質が用いられる。非水電解質は、非水溶媒と電解質塩を含む。非水溶媒としては、例えば、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジフェニルカーボネート等の鎖状カーボネート;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、スチレンカーボネート、等が挙げられる。これらの非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。電解質塩としては、例えば、LiPF、LiPF(C、LiPF(CFCF、LiPF(C)LiClO、LiBF、LiAsF等のイオン性化合物が挙げられる。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を主成分とする微多孔膜等が用いられる。微多孔膜は、単独で単層膜として用いてもよいし、複数を組み合わせて複合膜として用いてもよい。また、微多孔膜は、各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤等の添加剤を適量含有していてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(正極合剤層)
正極活物質である平均粒子径(D50)が5μmのリチウム遷移金属複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、及び平均粒子径(D50)が20μmのリチウム遷移金属複合酸化物(LiMn)、導電剤であるアセチレンブラック、バインダであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及び非水系溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)を用いて正極スラリーを作製した。正極活物質、バインダ及び導電剤の質量比率は93:4:3(固形分換算)とした。この正極スラリーを15μmのアルミ箔に、乾燥し、ロールプレスを行うことにより、正極合剤層を作製した。
(絶縁層)
絶縁粒子である平均粒子径(D50)が3μmのアルミナと、バインダ粒子である平均粒子径(SEM観察による測定)が0.2μmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、質量比率85:15で、メカノヒュージョンにより混合することで、アルミナ粒子の表面にPVDF粒子が付着した複合体を作製した。この複合体を帯電させた後、上記の正極合剤層の上に噴霧して加熱をおこなうことで乾式塗工により絶縁層を形成した。
上記で作製した正極合剤層および絶縁層の電子線マイクロアナライザー(EPMA)による断面分析画像(倍率:8000倍、分析範囲:長さ30μm×深さ約30μm)を図4に示す。図4からわかるように、絶縁層の外表面には一定の厚みを有するバインダ層が形成されており、この一定の厚みを有するバインダ層が存在することにより、硬度の高い絶縁粒子が電池製造工程の製造装置のロール等を傷つけることを抑制することができる。一方、溶媒を用いた湿式塗工で絶縁層を形成した場合には、バインダを含むスラリーが正極活物質層に流れ込む現象がみられ、絶縁層の外表面において一定(0.4μm)の厚みを有するバインダ層の存在は確認できなかった。
本実施例では、正極合剤層に絶縁層を形成したが、負極合剤層に絶縁層を形成してもよい。
10 合剤層
20 絶縁層
21 複合体
21a 絶縁粒子
21b バインダ
30 集電箔
100 電極

Claims (5)

  1. 合剤層と該合剤層表面に配置された絶縁層とを備え、
    該絶縁層が絶縁粒子とバインダを含み、
    該絶縁粒子が該バインダで被覆されており、
    該バインダの厚みが0.4μm以上である、電極。
  2. 前記絶縁粒子の表面の80面積%以上が、前記バインダにより被覆されている、請求項1に記載の電極。
  3. 上記絶縁粒子の平均粒径に対する上記バインダの厚みの比(バインダの厚み/絶縁粒子の平均粒子径)が0.05以上である、請求項1又は2のいずれかに記載の電極。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電極の製造方法であって、
    乾式塗工法により前記絶縁層を形成することを含む、電極の製造方法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の電極を備える、蓄電素子。
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