JP2017157515A - 蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部短絡を十分に抑制できる蓄電素子を提供する。【解決手段】電極としての正極11及び負極12と、正極11及び負極12の間に配置されたセパレータ4とを備え、少なくともいずれかの電極は、基材層111、121と、基材層111、121の少なくとも一方の面に沿って配置され絶縁粒子を含む絶縁層113、123と、基材層111、121及び絶縁層113、123の間に配置された活物質層112、122と、を有し、電極は、周縁の一部に沿って形成され中央部よりも厚みが薄い肉薄部114、124を有し、肉薄部114、124は、絶縁層113、123が少なくとも基材層111、121の一部を覆った状態で、セパレータ4と厚み方向に隣り合い、肉薄部114、124の先端部は、隣り合うセパレータ4と離れている、蓄電素子。【選択図】図7

Description

本発明は、非水電解質二次電池などの蓄電素子に関する。
従来、正極板及び負極板を電極として備えた電池が知られている。この種の電池は、正極板が正極合剤層を有し、少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散した正極合剤塗料が、正極集電体の両面に塗布されて正極合剤層が形成されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の電池は、正極板と同様にして形成された負極板と、正極板及び負極板の間に配置されたセパレータと、正極板または負極板が作製されるときに切断によって生じた面(切断面)を被覆する絶縁体層と、をさらに有する。
特許文献1に記載の電池では、正極板または負極板の切断面に、切断によって生じる集電体のバリ(尖り部分)が生じているが、バリが絶縁体層で被覆されている。これにより、バリがセパレータを破損させて内部短絡を生じさせることが幾分抑制されている。
しかしながら、特許文献1に記載の電池では、内部短絡を必ずしも十分に抑制できない場合がある。
特開2010−009818号公報
本実施形態は、内部短絡を十分に抑制できる蓄電素子を提供することを課題とする。
本実施形態の蓄電素子は、電極としての正極及び負極と、正極及び負極の間に配置されたセパレータとを備え、少なくともいずれかの電極は、基材層と、該基材層の少なくとも一方の面に沿って配置され絶縁粒子を含む絶縁層と、基材層及び絶縁層の間に配置された活物質層と、を有し、電極は、周縁の一部に沿って形成され中央部よりも厚みが薄い肉薄部を有し、肉薄部は、絶縁層が少なくとも基材層の一部を覆った状態で、セパレータと厚み方向に隣り合い、肉薄部の先端部は、隣り合うセパレータと離れている。
斯かる構成の蓄電素子にて、セパレータと厚み方向に隣り合った肉薄部では、絶縁層が少なくとも基材層の一部を覆っており、肉薄部の厚みは、電極の中央部よりも薄い。また、肉薄部の先端部は、隣り合うセパレータと離れている。肉薄部の厚みが薄い分、電極の肉薄部は、隣り合うセパレータに当接しにくく、肉薄部の基材層がセパレータを破ってもう一方の電極に当接することが抑制されている。また、基材層がセパレータに当接したとしても、絶縁粒子を含む絶縁層で基材層が覆われている分、基材層がセパレータを破ることが抑制されている。従って、内部短絡を十分に抑制できる。
上記の蓄電素子の電極の肉薄部の厚みは、外縁に向かうほど薄くてもよい。斯かる構成により、基材層の外縁がセパレータに当接することをより十分に抑制できる。従って、蓄電素子の内部短絡をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子の電極の肉薄部では、基材層の端面の少なくとも一部を絶縁層が覆っていてもよい。また、電極の肉薄部を、該肉薄部の外縁から内側へ向けて見たときに、電極の面積に占める絶縁層の面積の比率が0.5以上であってもよい。これにより、基材層の端面の露出部分を少なくすることができる分、内部短絡をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子の電極の肉薄部では、基材層の端面の全てを絶縁層が覆っていてもよい。斯かる構成により、基材層の端面の全てが絶縁層で覆われるため、基材層の外縁がセパレータを破ることによって起こる内部短絡をより十分に抑制できる。
本実施形態によれば、内部短絡が十分に抑制された蓄電素子を提供できる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII−III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図7は、重ね合わされた正極、負極、及びセパレータの断面図(図6のVII−VII断面)である。 図8は、同実施形態に係る蓄電素子の電極の肉薄部の拡大断面図である。 図9は、他実施形態に係る蓄電素子の電極の肉薄部の断面図である。 図10は、同実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。 図11は、蓄電素子の製造方法の工程を表したフローチャート図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図8を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図8に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(正極の基材層)と、金属箔111の表面に沿って配置され絶縁粒子を含む絶縁層113と、金属箔111及び絶縁層113の間に配置され活物質を含む活物質層112と、を有する。本実施形態では、活物質層112は、金属箔111の両側にそれぞれ配置され、金属箔111の両方の面にそれぞれ重なる。また、絶縁層113は、各活物質層112の外側の面に重なるように、金属箔111の厚み方向の両側にそれぞれ配置される。なお、正極11の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
正極11は、周縁の一部に沿って形成され中央部よりも厚みが薄い肉薄部114を有する。肉薄部114は、電極体2の巻回軸方向の一方側にて、巻回方向に沿って形成されている。肉薄部114は、少なくとも金属箔111の一方の面を絶縁層113が覆った状態で、セパレータ4と厚み方向に隣り合っている。
正極11の金属箔111は帯状である。本実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、図7に示すように、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)115を有する。正極11は、帯形状の短手方向である幅方向の他方の外縁に沿って形成された、上記の肉薄部114を有する。
正極11の肉薄部114の先端部は、隣り合うセパレータと離れている。正極11の肉薄部114の厚みは、図7及び図8に示すように、外縁に向かうほど薄い。肉薄部114では、金属箔111の端面の少なくとも一部を絶縁層113が覆っている。肉薄部114は、正極11の外縁に沿って外縁から所定長さ内側までの部分に形成される。斯かる所定長さは、通常、0μmよりも大きく30μm以下である。
正極11の肉薄部114を、肉薄部114の外縁から内側へ向けて見たときに、正極11の面積に占める絶縁層113の面積の比率は、0.5以上1.0以下である。詳しくは、正極11の幅方向(巻回軸方向)の一方側から肉薄部114を見たときに、正極11全体の面積に対する絶縁層113の面積の比率が0.5以上1.0以下である。斯かる面積の比率を測定するときには、正極11の外縁に沿った少なくとも500μm長さの肉薄部114を測定対象とする。上記の絶縁層113の面積の比率は、次のようにして測定する。まず、肉薄部114の外縁から内側へ向けて見たSEM観察画像を撮影する。その画像を解析するために、コントラストを調整して二値化し、被覆された部分と露出した部分とを区別する。そして、解析ソフトによって、被覆された部分の面積の比率を測定する。
本実施形態において、肉薄部114では、金属箔111の端面の全てを絶縁層113が覆う。即ち、正極11の幅方向(巻回軸方向)の一方側(非被覆部が形成されない側)から肉薄部114を見たときに、金属箔111の端面は、絶縁層113で覆われている。
正極活物質層112は、活物質と、導電助剤と、バインダとを含む。例えば、正極活物質層112は、活物質を88質量%以上91.5質量%以下含み、導電助剤を4.5質量%以上9質量%以下含み、バインダを3質量%以上4.5質量%以下含む。なお、正極活物質層112の厚みは、通常、10μm以上50μm以下である。
正極11の活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極11の活物質は、粒子状である。正極11の活物質の平均粒径D50は、通常、3μm以上20μm以下である。
正極11の活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極の活物質は、例えば、LiMeO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、又は、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。
本実施形態では、正極11の活物質は、LiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物(ただし、0<p≦1.3であり、q+r+s=1であり、0≦q≦1であり、0≦r≦1であり、0≦s≦1であり、1.7≦t≦2.3である)である。なお、0<q<1であり、0<r<1であり、0<s<1であってもよい。
上記のごときLiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物は、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi1/6Co2/3Mn1/6、LiNi1/6Co1/6Mn2/3、LiCoO、LiNi3/5Co1/5Mn1/5 などである。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層112の導電助剤は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
絶縁層113は、正極活物質層112を覆い、正極活物質層112と接している。絶縁層113は、金属箔111に重なった正極活物質層112の外側の面を覆う。絶縁層113は、電気絶縁性を有する絶縁粒子を含み、さらに、バインダを含む。
絶縁層113の厚みは、正極11の中央部にて、セパレータ基材41(後述)の厚みの1/2以下であり、1/5以下であることが好ましい。絶縁層113の厚みは、正極11の中央部にて、通常、セパレータ基材41(後述)の厚みの1/10以上である。絶縁層113の厚みは、通常、正極11の中央部にて、1μm以上10μm以下である。
絶縁層113の厚みは、肉薄部114にて、外縁に向かうほど薄い。斯かる形状の絶縁層113は、例えば後述するスリット刃を用いた切断によって形成される。絶縁層113は、図7に示すように、肉薄部114にて、金属箔111の一方の面に重なった活物質層112の外側の面を覆う。絶縁層113は、金属箔111に接しつつ金属箔111の一方の面を覆ってもよい。
絶縁層113は、Liイオンなどが層内で移動できるように、絶縁粒子間の空隙によって多孔質に形成されている。絶縁粒子は、電気伝導率が10−6 S/m未満の絶縁材料を95質量%以上含むものである。
絶縁層113は、通常、絶縁粒子を30質量%以上99質量%以下含有する。絶縁層113は、絶縁粒子を50質量%以上98質量%以下含有することが好ましい。
絶縁層113は、通常、バインダを1質量%以上10質量%以下含有する。絶縁層113の電気絶縁性は、正極活物質層112及び負極活物質層122のいずれの電気絶縁性よりも高い。即ち、絶縁層113の電気伝導率は、正極活物質層112及び負極活物質層122のいずれの電気伝導率よりも低い。絶縁層113の電気伝導率は、10−6 S/m未満である。
絶縁粒子としては、例えば、酸化物粒子、窒化物粒子、イオン結晶粒子、共有結合性結晶粒子、粘土粒子、鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物質の粒子などが挙げられる。酸化物粒子(金属酸化物粒子)としては、例えば、酸化鉄、SiO、Al、TiO、BaTiO、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物などの粒子が挙げられる。窒化物粒子としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの粒子が挙げられる。イオン結晶粒子としては、例えば、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの粒子が挙げられる。共有結合性結晶粒子としては、例えば、シリコン、ダイヤモンドなどの粒子が挙げられる。粘土粒子としては、例えば、タルク、モンモリロナイトなどの粒子が挙げられる。鉱物資源由来物質あるいはそれらの人造物質の粒子としては、例えば、ベーマイト(アルミナ水和物)、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナイト、マイカなどの粒子が挙げられる。なお、水和物を含む天然鉱物(例えば、上記の粘土、鉱物資源由来物質)を焼成した焼成体を採用することもできる。本実施形態では、絶縁粒子は、Al粒子である。
絶縁層113のバインダは、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン− ブタジエンゴム、ニトリル− ブタジエンゴム、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートなどである。
負極12は、金属箔121(負極の基材層)と、金属箔121の上に配置された負極活物質層122と、負極活物質層122の上に配置された絶縁層123と、を有する。本実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。本実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)非被覆部125を有する。なお、負極12の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
負極12の絶縁層123及び肉薄部124は、正極11の絶縁層113及び肉薄部114とそれぞれ同様に構成される。即ち、図7及び図8に示すように、負極12は、周縁の一部に沿って形成され中央部よりも厚みが薄い肉薄部124を有し、負極12の肉薄部124は、少なくとも基材層121の一方の面を絶縁層123が覆った状態で、セパレータ4と厚み方向に隣り合う。
負極活物質層122は、活物質と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極11と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。負極活物質層122の厚みは、通常、10μm以上50μm以下である。
負極活物質層122では、バインダの比率は、負極の活物質とバインダとの合計質量に対して、1質量%以上10質量%以下であってもよい。
負極12の活物質は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。例えば、負極12の活物質は、グラファイト、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。負極12の活物質は、粒子状である。本実施形態の負極の活物質は、非晶質炭素である。より具体的には、負極の活物質は、難黒鉛化炭素である。
負極活物質層122に用いられるバインダは、正極活物質層112に用いられたバインダと同様のものである。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、少なくともセパレータ基材41を備える。セパレータ基材41は、多孔質な材料で形成される。本実施形態では、セパレータ4は、セパレータ基材41のみを有する。
セパレータ基材41は、例えば、織物、不織布、又は多孔膜によって多孔質に構成される。セパレータ4の材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)、又は、セルロースが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図6に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図6参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5〜1.5mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。
ケース3内には、上記の電極体2がケース本体31の内側の面と接した状態で収容される。電極体2は、充放電に伴い、膨張及び収縮を繰り返すことから、電極体2が膨張したときに、電極体2は、ケース本体31の内側の面によって外方から圧縮される状態になる。膨張によって電極体2が圧縮される状態では、電極体2の正極11、セパレータ4、及び負極12は、収縮時よりも、互いにより近接する。従って、金属箔111,121の外縁がセパレータ4に当接しやすい状況となる。
ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(本実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。面71は、平面である。外部端子7は、蓋板32に沿って拡がる板状である。詳しくは、外部端子7は、Z軸方向視において矩形状の板状である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、集電体5は、ケース3内において、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
次に、上記実施形態の蓄電素子の製造方法について、図11を参照しつつ説明する。
上記の製造方法では、活物質及びバインダを含む合剤を電極の基材層(金属箔)に塗布する(ステップS1)。塗布後の合剤に絶縁粒子を含む組成物を塗布する(ステップS2)。少なくとも合剤が塗布された電極原反を切断する(ステップS3)。正極、セパレータ、及び負極を重ね合わせて電極体を形成する(ステップS4)。電極体をケースに入れ、ケースに電解液を入れることによって蓄電素子を組み立てる(ステップS5)。
ステップS1では、正極用の金属箔111の両方の面に、正極活物質とバインダと溶媒とを含む合剤をそれぞれ塗布することによって正極活物質層112を形成する。正極活物質層112を形成するための塗布方法としては、一般的な方法が採用される。以下、負極12も同様である。
ステップS2では、形成した各正極活物質層112の外側の面に、絶縁粒子とバインダと溶媒とを含む組成物を塗布することによって絶縁層113を形成する。絶縁層113を形成するための塗布方法としては、一般的な塗工方法が採用される。一方で、塗布方法としては、例えば、溶媒を用いないドライコート法(静電塗工)が採用される。例えば、ドライコート法では、絶縁粒子(例えばアルミナ粒子)とバインダ(例えばPVdF粒子)とを物理的に混合した混合粉体を調製する。帯電させた混合粉体を正極原反の表面(活物質層の表面)に吹き付ける。吹き付けた混合粉体が気相中にて表面に沿って移動しつつ正極活物質層の表面を覆う。表面に沿って移動した混合粉体は、正極原反の外縁に達すると、外縁を回り込んで正極原反の反対側の面の方へ移動することから、混合粉体の流れ速度は、外縁部で速くなる。従って、外縁部に付着する混合粉体の量が中央部に比べて少なくなる。これにより、作製した正極11における中央部よりも外縁部にて絶縁層113の厚みを薄くすることができる。また、外縁に向かうほど絶縁層113の厚みを薄くすることができる。その後、混合粉体に赤外線などを照射してバインダを加熱することによって、バインダが軟化し、バインダを介して絶縁粒子同士を固着させる。また、活物質層と絶縁層113とを密着させる。
ステップS3では、例えば、円盤状のスリット刃を用いて原反を切断する。詳しくは、金属箔111と正極活物質層112とが少なくとも積み重なった原反を一方向に移動させつつスリット刃によって切断する。これにより、切断によって圧縮された部分の厚みが薄くなる。従って、切断されることによって生じた端部の厚みは、中央部の厚みよりも薄くなる。また、外縁に向かうほど切断部分の厚みを薄くすることができる。
ステップS2の後にステップS3を行う場合、ステップS2では、絶縁粒子とバインダと溶媒とを含む組成物を正極活物質層112の上に塗工して絶縁層113を形成し、電極用の原反を作製する。その後、ステップS3では、原反をスリット刃によって切断する。スリット刃による切断によって、切断された部分の厚みが圧縮されて薄くなる。これにより、正極11の肉薄部114を形成することができる。なお、スリット刃による切断条件を調整すること、又は、絶縁層113に含まれるバインダの量や種類を設計することにより、上記切断によって生じた金属箔111の端面が絶縁層113で被覆される比率を調整することができる。金属箔111の端面の全てを絶縁層113で被覆するためには、例えば、より大きいゴム弾性を有するバインダを絶縁層用の組成物に配合し、切断時のせん断力に絶縁層113がより追随するようにする。これにより、切断時のせん断力に追随した絶縁層113で金属箔111の端面を覆うことができる。
一方、ステップS2と、ステップS3とは、順序が逆であってもよい。即ち、絶縁層113が形成されず金属箔111上に正極活物質層112が形成された電極用の原反を切断してステップS3を行った後に、正極活物質層112の上にドライコート法によって絶縁層113を形成して、ステップS2を行ってもよい。上述したように、ドライコート法によって絶縁層113を形成することにより、中央部よりも外縁部の厚みが薄い絶縁層113を形成できる。これにより、正極11の肉薄部114を形成することができる。
ステップS4では、正極11と負極12との間にセパレータ4を挟み込んだ積層体22を巻回することにより、電極体2を形成する。電極体2の形成では、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。次に、積層体22を巻回して、電極体2を形成する。
ステップS5では、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
本発明は、以下の形で実施することができる。
(1)電極としての正極及び負極と、正極及び負極の間に配置されたセパレータとを備え、少なくともいずれかの電極は、基材層と、該基材層の少なくとも一方の面に沿って配置され絶縁粒子を含む絶縁層と、基材層及び絶縁層の間に配置された活物質層と、を有し、電極は、周縁の一部に沿って形成され中央部よりも厚みが薄い肉薄部を有し、肉薄部は、絶縁層が少なくとも基材層の一部を覆った状態で、セパレータと厚み方向に隣り合い、肉薄部の先端部は、隣り合うセパレータと離れている、蓄電素子。
(2)電極の肉薄部の厚みは、外縁に向かうほど薄い、(1)に記載の蓄電素子。
(3)電極の肉薄部では、基材層の端面の少なくとも一部を絶縁層が覆っている、(1)又は(2)に記載の蓄電素子。
(4)電極の肉薄部を、該肉薄部の外縁から内側へ向けて見たときに、電極の面積に占める絶縁層の面積の比率が0.5以上である、(1)乃至(3)のいずれかに記載の蓄電素子。
(5)電極の肉薄部では、基材層の端面の全てを絶縁層が覆っている、(1)乃至(4)のいずれかに記載の蓄電素子。
上記のように構成された本実施形態の蓄電素子1は、電極としての正極11及び負極12と、正極11及び負極12の間に配置されたセパレータ4とを備える。いずれの電極も、基材層111,121と、該基材層111,121の少なくとも一方の面に沿って配置され絶縁粒子を含む絶縁層113,123と、基材層111,121及び絶縁層113,123の間に配置された活物質層112,122と、を有する。いずれの電極も、周縁の一部に沿って形成され中央部よりも厚みが薄い肉薄部114,124を有する。肉薄部114,124は、基材層111,121の一方の面の少なくとも一部を絶縁層113,123が覆った状態で、セパレータ4と厚み方向に隣り合っている。斯かる構成の蓄電素子にて、セパレータ4と厚み方向に隣り合った肉薄部114,124では、基材層111,121の少なくとも一方の面を絶縁層113,123が覆っており、肉薄部114,124の厚みは、電極の中央部よりも薄い。また、肉薄部114の先端部は、隣り合うセパレータと離れている。肉薄部114,124の厚みが薄い分、電極の肉薄部114,124は、隣り合うセパレータ4に当接しにくく、肉薄部114,124の基材層111,121がセパレータ4を破ってもう一方の電極に当接することが抑制されている。また、基材層111,121がセパレータ4に当接したとしても、絶縁粒子を含む絶縁層113,123で基材層111,121が覆われている分、基材層111,121がセパレータを破ることが抑制されている。従って、内部短絡を十分に抑制できる。
上記の蓄電素子1では、基材層111,121の端面の少なくとも一部を絶縁層113,123が覆う。また、電極の肉薄部114,124を、該肉薄部114,124の外縁から内側へ向けて見たときに、電極の面積に占める絶縁層113,123の面積の比率が0.5以上である。具体的には、肉薄部114,124では、基材層111,121の端面の全てを絶縁層113,123が覆っている。これにより、基材層111,121の端面の露出部分を少なくすることができる分、内部短絡をより十分に抑制できる。即ち、基材層111,121の端面の全てが絶縁層113,123で覆われるため、基材層111,121の外縁がセパレータ4を破ることによって起こる内部短絡を確実に抑制できる。
上記の蓄電素子1は、正極11と負極12とセパレータ4との積層体22が巻回された状態の電極体2を備える。電極の肉薄部114,124は、電極体2の巻回軸方向の一方側及び他方側のそれぞれで巻回方向に沿って形成される。上記の蓄電素子1では、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とがそれぞれ束ねられている。正極11の非被覆積層部26が電極体2の巻回軸方向の一方側で束ねられることによって、斯かる束ねた側の負極12の肉薄部124とセパレータ4とは、束ね力によって近接することとなる。負極12の非被覆積層部26が電極体2の巻回軸方向の他方側で束ねられることによって、正極11の肉薄部114とセパレータ4とも、同様に近接することとなる。しかしながら、電極の金属箔の外縁が隣り合うセパレータ4を破ることは、肉薄部114,124の絶縁層113,123によって抑制されている。従って、内部短絡を抑制できる。
上記の蓄電素子1では、電極用の原反をスリット刃を用いて切断すると、切断した部分の金属箔にバリ(尖った部分)が生じる。斯かるバリは、よりセパレータ4を破りやすいものである。しかしながら、肉薄部114,124の絶縁層113,123によって斯かるバリが覆われるため、バリがセパレータ4を破ることが抑制されている。従って、内部短絡を抑制できる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記の実施形態では、スリット刃による切断によって厚みが薄くなった肉薄部114,124を有する電極について詳しく説明したが、本発明では、図9に示すように、正極及び負極のうち少なくともいずれかの電極において、活物質層112,122の外縁よりも金属箔111,121の外縁を外側へはみ出させ、はみ出した部分に活物質層を形成しないことによって、中央部よりも厚みの薄い肉薄部114,124が形成されてもよい。
上記の実施形態では、セパレータ基材41のみで構成されたセパレータ4について詳しく説明したが、本発明では、セパレータ4が、セパレータ基材41と、該セパレータ基材41の少なくとも一方の面に重なり且つ絶縁性無機粒子を含む無機層を有してもよい。
上記の実施形態では、活物質を含む活物質層が金属箔に直接接した正極について詳しく説明したが、本発明では、正極が、バインダと導電助剤とを含む導電層を有し、導電層が、金属箔と活物質層との間に配置されてもよい。
上記実施形態では、活物質層が各電極の金属箔の両面側にそれぞれ配置された電極について説明したが、本発明の蓄電素子では、正極11又は負極12は、活物質層を金属箔の片面側にのみ備えてもよい。
上記実施形態では、積層体22が巻回されてなる電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回されない積層体22を備えてもよい。詳しくは、それぞれ矩形状に形成された正極、セパレータ、負極、及びセパレータが、この順序で複数回積み重ねられてなる電極体を蓄電素子が備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図10に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材91と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
26:非被覆積層部、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
4:セパレータ、 41:セパレータ基材、
5:集電体、 50:クリップ部材、
6:絶縁カバー、
7:外部端子、 71:面、
11:正極、
111:正極の金属箔(正極の基材層)、 112:正極活物質層、
113:正極の絶縁層、 114:正極の肉薄部、
12:負極、
121:負極の金属箔(負極の基材層)、 122:負極活物質層、
123:負極の絶縁層、 124:負極の肉薄部、
91:バスバ部材、
100:蓄電装置。

Claims (5)

  1. 電極としての正極及び負極と、前記正極及び前記負極の間に配置されたセパレータとを備え、
    少なくともいずれかの電極は、基材層と、該基材層の少なくとも一方の面に沿って配置され絶縁粒子を含む絶縁層と、前記基材層及び前記絶縁層の間に配置された活物質層と、を有し、
    前記電極は、周縁の一部に沿って形成され中央部よりも厚みが薄い肉薄部を有し、
    前記肉薄部は、前記絶縁層が少なくとも前記基材層の一部を覆った状態で、前記セパレータと厚み方向に隣り合い、
    前記肉薄部の先端部は、隣り合うセパレータと離れている、蓄電素子。
  2. 前記電極の肉薄部の厚みは、外縁に向かうほど薄い、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記電極の肉薄部では、前記基材層の端面の少なくとも一部を前記絶縁層が覆っている、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 前記電極の肉薄部を、該肉薄部の外縁から内側へ向けて見たときに、前記電極の面積に占める前記絶縁層の面積の比率が0.5以上である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記電極の肉薄部では、前記基材層の端面の全てを前記絶縁層が覆っている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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