JP2017183082A - 蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温で十分な出力性能を有し、サイクル特性に優れた蓄電素子の提供。【解決手段】電極基材と、該電極基材に重ねられ導電助剤を含む導電層と、該導電層に重ねられた活物質層とを有する電極を備え、導電層の表面であって前記活物質層と重なった表面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下であり、活物質層は、活物質とバインダとを含み、バインダは、結晶化度が39%以下のフッ素樹脂であるポリフッ化ビニリデンを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子に関する。
従来、正極活物質粒子を含む正極を備えるリチウム二次電池が知られている。この種の電池としては、正極活物質粒子の表面がポリフッ化ビニリデンなどの撥水性樹脂によって被覆されたものが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の電池は、撥水性樹脂によって被覆されている正極活物質粒子の平均粒径(メジアン径:d50)をA[μm]、その質量をB[g]とし、かつ、正極活物質粒子を被覆している撥水性樹脂被膜の質量をC[g]、該撥水性樹脂の結晶化度をD[%]としたとき、3.0≦A×(C/B)×D≦10.0なる関係式を満たす。
しかしながら、特許文献1に記載の電池では、低温での出力性能が必ずしも十分でない場合がある。
特開2012−009401号公報
本実施形態は、低温で十分な出力性能を有する蓄電素子を提供することを課題とする。
本実施形態の蓄電素子は、活物質層を有する電極を備え、活物質層は、活物質とバインダとを含み、バインダは、結晶化度が39%以下のフッ素樹脂を含む。斯かる構成の蓄電素子では、バインダのフッ素樹脂における結晶化度が39%以下であるため、放電時の活物質表面における反応がバインダによって妨げられにくい。従って、低温での十分な出力性能を発揮できる。
上記の蓄電素子では、フッ素樹脂は、ポリフッ化ビニリデンであってもよい。フッ素樹脂がポリフッ化ビニリデンであることにより、上記の蓄電素子は、より確実に、低温での十分な出力性能を発揮できる。
上記の蓄電素子では、電極は、電極基材と、該電極基材に重ねられ導電助剤を含む導電層と、該導電層に重ねられた活物質層とを有してもよい。斯かる構成により、充放電を繰り返した後に出力が低下することを抑制できる。
上記の蓄電素子では、導電層の表面であって活物質層と重なった表面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下であってもよい。斯かる構成により、充放電を繰り返した後に出力が低下することを抑制できる。
上記の蓄電素子では、電極は、電極基材と、該電極基材に重ねられた活物質層とを有し、電極基材の表面であって活物質層と重なった表面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下であってもよい。斯かる構成により、低温でのより十分な出力性能を発揮できる。
本実施形態によれば、低温で十分な出力性能を有する蓄電素子を提供できる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII−III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図7は、重ね合わされた正極、負極、及びセパレータの断面図(図6のVII−VII断面)である。 図8は、同実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。 図9は、電池の低温での出力性能を表すグラフである。 図10は、電池をサイクル試験した後の出力保持率を表すグラフである。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図7を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図7に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(正極基材)と、金属箔111の表面を覆うように配置され且つ活物質を含む活物質層112と、金属箔111(正極基材)及び活物質層112の間に配置され導電助剤を含む導電層113と、を有する。本実施形態では、導電層113は、金属箔111の両方の面にそれぞれ重なる。活物質層112は、各導電層113の一方の面にそれぞれ重なる。活物質層112は、金属箔111の厚み方向の両側にそれぞれ配置され、同様に、導電層113は、金属箔111の厚み方向の両側にそれぞれ配置される。なお、正極11の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
金属箔111は帯状である。本実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)115を有する。
正極活物質層112の目付量は、通常、5mg/cm以上20mg/cm以下である。正極活物質層112の密度は、通常、1.7g/cm以上2.6g/cm 以下である。目付量及び密度は、金属箔111の一方の面を覆うように配置された1層分における密度である。
正極11の活物質は、粒子状であり、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極11の活物質の平均粒子径D50は、通常、3μm以上10μm以下である。
正極11の活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極の活物質は、例えば、LiMeO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、又は、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。
本実施形態では、正極11の活物質は、LiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物(ただし、0<p≦1.3であり、q+r+s=1であり、0≦q≦1であり、0≦r≦1であり、0≦s≦1であり、1.7≦t≦2.3である)である。なお、0<q<1であり、0<r<1であり、0<s<1であってもよい。
上記のごときLiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物は、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi1/6Co1/6Mn2/3、LiCoO などである。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素樹脂を含む。フッ素樹脂は、分子中に少なくともC−F結合を有する樹脂である。本実施形態のバインダは、フッ素樹脂であり、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(ホモポリマー)である。
フッ素樹脂の結晶化度は、39%以下である。フッ素樹脂の結晶化度は、38%以下であることが好ましい。フッ素樹脂の結晶化度は、通常、0%よりも大きい。フッ素樹脂の結晶化度は、36%以上であることが好ましい。結晶化度は、示差走査熱量測定(DSC測定)によって求められる。DSC測定では、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン)を含む正極活物質層が20〜30mgの所定量となるように、正極活物質層112の一部を取り出してDSC測定用パンに密封する。DSC測定は、5℃/分の昇温速度で行われる。具体的には、DSC測定は、実施例に記載された方法によって行われる。なお、結晶化度は、後述する正極11の作製において、活物質層112を乾燥させるときやプレスするときの温度を上げることによって、大きくすることができる。一方、結晶化度は、活物質層112を乾燥させるときやプレスするときの温度を下げることによって、小さくすることができる。
正極活物質層112では、粒子状の活物質の表面の一部がバインダで覆われている。即ち、バインダは、活物質の表面の全てを覆っていない。粒子状の活物質がフッ素樹脂で完全に覆われていないため、活物質の表面の少なくとも一部が、電解液(後述)と直接接触することとなる。
正極活物質112では、活物質に対する、バインダとしてのフッ素樹脂の質量比は、通常、0.01以上0.10以下である。
正極活物質層112の導電助剤は、炭素を98質量%以上含む炭素質材料である。炭素質材料は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。導電助剤の平均粒子径D50は、通常、3nm以上500nm以下である。
導電層113の厚みは、通常、0.05μm以上1.5μm以下である。導電層113の目付量は、通常、0.1g/m以上2.0g/m 以下である。
導電層113は、導電助剤とバインダ(結着剤)とを含む。なお、導電層113は、正極活物質を含まない。導電層113は、導電助剤を含むことから、導電性を有する。導電層113は、金属箔111と正極活物質層112との間における電子の経路となり、これらの間の導電性を保つ。導電層113の導電性は、通常、活物質層112の導電性よりも高い。
導電層113は、金属箔111及び正極活物質層112の間に配置される。バインダ(結着剤)を含む導電層113は、金属箔111に対して十分な密着性を有する。導電層113は、正極活物質層112に対しても十分な密着性を有する。
導電層113の一方の面であって正極活物質層112に接している面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下であってもよい。斯かる表面粗さRaは、JIS B0601:2013に準じて測定された算術平均粗さである。斯かる表面粗さRaは、例えば、下記のようにして調整できる。例えば、導電層113の上に正極活物質層112を形成する前に、表面の凹凸がより大きいロールで導電層113をロールプレスすること、導電層113に含まれる導電助剤の平均粒子径をより大きくすること、導電層113の目付量をより大きくすること、などによって斯かる表面粗さRaをより大きくすることができる。一方、表面の凹凸がより小さいロールで導電層113をロールプレスすること、導電層113に含まれる導電助剤の平均粒子径をより小さくすること、導電層113の目付量をより小さくすること、などによって斯かる表面粗さRaをより小さくすることができる。
導電層113の導電助剤は、粒子状である。導電助剤は、炭素を98質量%以上含む炭素質材料である。炭素質材料の電気伝導率は、通常、10−6 S/m以上である。炭素質材料は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の導電層113は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。導電層113の導電助剤の平均粒子径D50は、通常、3nm以上500nm以下である。
導電層113のバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンオキサイド(ポリエチレングリコール)、ポリプロピレンオキサイド(ポリプロピレングリコール)、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリオレフィン、ニトリル−ブタジエンゴムなどの合成高分子化合物が挙げられる。また、導電層113のバインダとしては、例えば、天然高分子化合物の誘導体などが挙げられる。天然高分子化合物の誘導体としては、セルロースとキトサンピロリドンカルボン酸塩との架橋重合体などのセルロース誘導体、キチンの誘導体、又はキトサンの誘導体などが挙げられる。キトサンの誘導体としては、キトサンをグリセリル化した誘導体、キトサンを架橋させた誘導体などが挙げられる。具体的には、キトサンの誘導体としては、例えば、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシブチルキトサンなどのヒドロキシアルキルキトサン、又は、グリセリル化キトサン等が挙げられる。
導電層113は、通常、導電助剤として炭素質材料を10質量%以上80質量%以下含み、バインダを20質量%以上90質量%以下含む。
負極12は、金属箔121(負極基材)と、金属箔121の上に形成された負極活物質層122と、を有する。本実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。本実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)125を有する。なお、負極12の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
負極活物質層122は、粒子状の活物質と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極11と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。負極活物質層122の厚みは、通常、10μm以上50μm以下である。
負極活物質層122では、バインダの比率は、負極の活物質とバインダとの合計質量に対して、1質量%以上10質量%以下であってもよい。
負極12の活物質は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。例えば、負極12の活物質は、グラファイト、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極の活物質は、非晶質炭素である。より具体的には、負極の活物質は、難黒鉛化炭素である。負極12の活物質の平均粒子径D50は、通常、1μm以上20μm以下である。
負極活物質層122の目付量(1層分)は、通常、2.5mg/cm以上5.0mg/cm 以下である。負極活物質層122の密度(1層分)は、通常、0.5g/cm以上2.0g/cm 以下である。
負極活物質層122に用いられるバインダは、正極活物質層112に用いられたバインダと同様のものである。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、多孔質なセパレータ基材を有する。本実施形態のセパレータ4は、セパレータ基材のみを有する。セパレータ4は、正極11及び負極12間の短絡を防ぐために正極11及び負極12の間に配置されている。
セパレータ基材は、例えば、織物、不織布、又は多孔膜によって多孔質に構成される。セパレータ基材の材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)、又は、セルロースが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図6に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図6参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5〜1.5mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。
ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(本実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。面71は、平面である。外部端子7は、蓋板32に沿って拡がる板状である。詳しくは、外部端子7は、Z軸方向視において矩形状の板状である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、ケース3内において、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、電極体2とケース3とを絶縁する袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
次に、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法について説明する。
蓄電素子1の製造方法では、金属箔(電極基材)に活物質を含む合剤を塗布することで、活物質層を形成し、電極(正極11及び負極12)を作製する。なお、正極11の作製では、導電助剤を含む導電層113を金属箔111上に形成してから、活物質層112を形成する。次に、正極11、セパレータ4、及び負極12を重ね合わせて電極体2を形成する。続いて、電極体2をケース3に入れ、ケース3に電解液を入れることによって蓄電素子1を組み立てる。
電極(正極11)の作製では、金属箔の両面に、導電助剤とバインダと溶剤とを含む導電層用の組成物をそれぞれ塗布することによって、導電層113を形成する。導電層113の上に、活物質とバインダと溶媒とを含む合剤をそれぞれ塗布することによって正極活物質層112を形成する。塗布方法としては、一般的な方法が採用される。塗布された導電層113及び正極活物質層112を所定の圧力でロールプレスする。導電層を形成せず負極12も同様にして作製する。
電極体2の形成では、正極11と負極12との間にセパレータ4を挟み込んだ積層体22を巻回することにより、電極体2を形成する。詳しくは、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。続いて、積層体22を巻回して、電極体2を形成する。
蓄電素子1の組み立てでは、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
上記のように構成された本実施形態の蓄電素子1では、正極活物質層112のバインダ(ポリフッ化ビニリデン)の結晶化度が39%以下である。ポリフッ化ビニリデンにおける結晶化度が39%以下であるため、リチウムイオンがバインダ内を移動することができる。即ち、充放電時の活物質表面における反応がバインダによって妨げられにくい。従って、低温での十分な出力性能を発揮できる。
上記の蓄電素子1では、正極11の導電層113の表面であって活物質層112と重ねられた表面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下である。これにより、低温でのより十分な出力性能を発揮できる。
上記の蓄電素子1では、正極活物質層112の活物質がバインダ(ポリフッ化ビニリデン)で完全には覆われていない。従って、活物質表面と電解液とが直接接している部分において放電時のLiイオンの反応が円滑に進む。これにより、低温での十分な出力性能を発揮できる。
上記の蓄電素子1では、正極11が導電層113を有する。これにより、上記の蓄電素子1は、充放電を繰り返した後に出力が低下することを抑制できる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記の実施形態では、導電層を有する正極について詳しく説明したが、本発明では、負極が、バインダと導電助剤とを含む導電層を有してもよい。また、正極が導電層を有さず、正極活物質層が金属箔111に直接接していてもよい。この場合、金属箔111の一方の面であって正極活物質層に接している面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下であってもよい。
上記実施形態では、活物質層が各電極の金属箔の両面側にそれぞれ配置された電極について説明したが、本発明の蓄電素子では、正極11又は負極12は、活物質層を金属箔の片面側にのみ備えてもよい。
上記実施形態では、積層体22が巻回されてなる電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回されない積層体22を備えてもよい。詳しくは、それぞれ矩形状に形成された正極、セパレータ、負極、及びセパレータが、この順序で複数回積み重ねられてなる電極体を蓄電素子が備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図8に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材91と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。
以下に示すようにして、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を製造した。
(試験例1)
(1)正極の作製
溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(ヒドロキシエチルキトサン)とを、混合し、混練することで、導電層用の組成物を調製した。導電助剤、バインダの配合量(固形分)は、それぞれ50質量%、50質量%とした。調製した導電層用の組成物を、アルミニウム箔(15μm厚み)の両面に、乾燥後の塗布量(目付量)が1g/mとなるようにそれぞれ塗布し、乾燥させた。乾燥後、予め表面を所定の粗さに粗面化させたロールを有するロールプレス機によってロールプレスを行った。斯かるロールプレスによって導電層の表面粗さを所定粗さに調整した。
・導電層の表面(活物質層と接する面)の表面粗さRa
市販されているレーザー顕微鏡(キーエンス社製 機器名「VK−8510」)を用いて、JIS B0601:2013に準じて表面粗さRaを求めた。
次に、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)と、平均粒子径D50が5μmの活物質(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)の粒子とを、混合し、混練することで、正極用の合剤を調製した。導電助剤、バインダ、活物質の配合量(固形分)は、それぞれ5質量%、5質量%、90質量%とした。調製した正極用の合剤を、乾燥後の塗布量(目付量)が8.5mg/cmとなるように各導電層にそれぞれ塗布した。乾燥後、ロールプレスを行った。その後、真空乾燥して、水分等を除去した。プレス後の活物質層(1層分)の厚みは、35μmであった。活物質層の密度は、2.4g/cmであった。プレス後の導電層の厚みは、1μmであった。導電層の密度は、1g/cm であった。
・バインダ(ポリフッ化ビニリデン)の結晶化度
市販されているDSC測定機器(セイコーインスツル社製 機器名「DSC−6600」)を用いて、DSC測定によって結晶化度を求めた。DSC測定では、正極活物質層が20〜30mgの所定量となるように、正極活物質層の一部を取り出してDSC測定用パンに密封した。DSC測定は、5℃/分の昇温速度で行われた。結晶化度は、得られたDSC曲線において、175℃付近に現れるポリフッ化ビニリデンの融解吸熱ピークを積分することにより得られる融解熱をもちいて、下記式によって算出することによって求められた。
結晶化度=ポリフッ化ビニリデンの融解熱/
結晶化度100%時の融解熱(理論値93.1J/g)×100
上記のようにして作製された正極の断面をSEMによって観察したところ、正極活物質がポリフッ化ビニリデンに完全には被覆されておらず、正極活物質の一部が露出していることが確認された。
(2)負極の作製
活物質としては、平均粒子径D50が4μmの粒子状の非晶質炭素(難黒鉛化炭素)を用いた。また、バインダとしては、PVdFを用いた。負極用の合剤は、溶剤としてNMPと、バインダと、活物質とを混合、混練することで調製した。バインダは、7質量%となるように配合し、活物質は、93質量%となるように配合した。調製した負極用の合剤を、乾燥後の塗布量(目付量)が4.0mg/cmとなるように、銅箔(10μm厚み)の両面にそれぞれ塗布した。乾燥後、ロールプレスを行い、真空乾燥して、水分等を除去した。活物質層(1層分)の厚みは、35μmであった。活物質層の密度は、1.1g/cmであった。
(3)セパレータ
セパレータとして厚みが22μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた。ポリエチレン製微多孔膜の透気度は、100秒/100ccであった。
(4)電解液の調製
電解液としては、以下の方法で調製したものを用いた。非水溶媒として、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、いずれも1容量部ずつ混合した溶媒を用い、この非水溶媒に、塩濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
(5)ケース内への電極体の配置
上記の正極、上記の負極、上記の電解液、セパレータ、及びケースを用いて、一般的な方法によって電池を製造した。
まず、セパレータが上記の正極および負極の間に配されて積層されてなるシート状物を巻回した。次に、巻回されてなる電極体を、ケースとしてのアルミニウム製の角形電槽缶のケース本体内に配置した。続いて、正極及び負極を2つの外部端子それぞれに電気的に接続させた。さらに、ケース本体に蓋板を取り付けた。上記の電解液を、ケースの蓋板に形成された注液口からケース内に注入した。最後に、ケースの注液口を封止することにより、ケースを密閉した。
(試験例2〜56)
それぞれ表1に示す構成に変更した点以外は、試験例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。
(試験例57)
(1)正極の作製
試験例1と同じ正極活物質の粒子と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、バインダ(PVdF)とをプラネタリミキサーによって混合、混練し、減圧雰囲気において乾燥処理を行った。その後、乾燥物を乳鉢で軽く粉砕することによって、ポリフッ化ビニリデンで完全に被膜された状態の正極の活物質粒子を得た。市販されているTG−DTA測定機器によって、活物質粒子の活物質とバインダとの質量比を求めたところ、活物質:バインダ=97:3であった。続いて、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)と、導電助剤(アセチレンブラック)と、バインダ(PVdF)と、ポリフッ化ビニリデンで被膜された状態の正極活物質粒子とを、混合し、混練することで、正極用の合剤を調製した。導電助剤、バインダ、活物質の配合量(固形分)を、それぞれ4.5質量%、1.7質量%、93.8質量%とした。また、導電助剤、バインダ、活物質の質量比が試験例1での質量比と等しくなるようにした。調製した合剤を、試験例1と同じ条件で塗布し、乾燥処理を行い、続けて、ロールプレス、乾燥をおこなって正極を作製した。作製された正極の断面をSEMによって観察したところ、正極活物質がポリフッ化ビニリデンに被覆されていることが確認された。
(試験例58)
表1に示す構成に変更した点以外は、試験例57と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。
<電池の25℃における出力性能の評価>
製造された電池のSOCを55%に調整し、その後、25℃の恒温槽中で、下限電圧を2.5VとしてIV法により通電1秒目の出力を測定した。
<電池の低温出力性能の評価>
製造された電池のSOCを20%に調整し、その後、−10℃の恒温槽中で、下限電圧を2.5VとしてCV法により通電1秒目の出力を測定した。斯かる測定値の、上記25℃での測定値に対する比を出力比として算出した。
<サイクル試験後の出力保持率の評価>
製造された電池について、55℃恒温槽中で15%から85%までのSOC間の充放電を繰り返して500時間おこない、前述の方法に従って25℃の出力を測定した。斯かる測定値の、サイクル試験前の上記25での測定値に対する比を出力保持率として算出した。
低温での電池の出力性能の評価結果(試験例1〜56の結果)を図9に示す。サイクル試験後の出力保持率の評価結果(試験例1〜56の結果)を図10に示す。表1や図9から把握されるように、結晶化度が39%以下のポリフッ化ビニリデンを正極活物質層に含む試験例では、電池が十分な出力性能を有していた。一方、結晶化度が39%よりも大きいポリフッ化ビニリデンを正極活物質層に含む試験例では、電池の出力性能が十分でなかった。また、結晶化度が39%である場合に、ポリフッ化ビニリデンで活物質が完全に被覆された試験例よりも、ポリフッ化ビニリデンで活物質の一部が被覆された試験例の方が、電池の出力性能がより十分であった。さらに、表1や図10から把握されるように、導電層の表面であって活物質層と重なった表面の表面粗さRaが、0.2μm以上0.7μm以下などの所定粗さであり、且つ、ポリフッ化ビニリデンの結晶化度が39%以下であることにより、充放電を繰り返した後に出力が低下することを抑制できた。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
26:非被覆積層部、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
4:セパレータ、
5:集電体、 50:クリップ部材、
6:絶縁カバー、
7:外部端子、 71:面、
11:正極、
111:正極の金属箔(正極基材)、 112:正極活物質層、
113:導電層、
12:負極、
121:負極の金属箔(負極基材)、 122:負極活物質層、
91:バスバ部材、
100:蓄電装置。

Claims (5)

  1. 活物質層を有する電極を備え、
    前記活物質層は、活物質とバインダとを含み、
    前記バインダは、結晶化度が39%以下のフッ素樹脂を含む、蓄電素子。
  2. 前記フッ素樹脂は、ポリフッ化ビニリデンである、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記電極は、電極基材と、該電極基材に重ねられ導電助剤を含む導電層と、該導電層に重ねられた前記活物質層とを有する、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 前記導電層の表面であって前記活物質層と重なった表面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下である、請求項3に記載の蓄電素子。
  5. 前記電極は、電極基材と、該電極基材に重ねられた前記活物質層とを有し、
    前記電極基材の表面であって前記活物質層と重なった表面の表面粗さRaは、0.2μm以上0.7μm以下である、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
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