JP2017201588A - 蓄電素子 - Google Patents

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智典 加古
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Abstract

【課題】高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成を抑制できる蓄電素子の提供。【解決手段】正極は、粒子状の活物質を含む正極活物質層を有し、負極は、粒子状の活物質を含む負極活物質層を有し、正極活物質層は、活物質の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、正極活物質層の二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径をFPμmとし、負極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDNμmとしたときに、FP及びDNは、0.070≦FP/DN≦0.875の関係式を満たす蓄電素子。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子に関する。
従来、正極と負極と非水電解液とを有するリチウムイオン電池が知られている。この種の電池としては、負極が、黒鉛及び非晶質カーボンの少なくとも一方を含む負極活物質と、黒鉛を含む導電助材と、結着剤と、を有する電池が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の電池では、負極活物質が、球状または塊状の形状を有し、導電助材が、板状の形状を有し、負極活物質の表面に導電助材のエッジ面の一部が接している。
しかしながら、特許文献1に記載の電池では、高レートで繰り返し充放電が繰り返されたときにリチウム電析が生じる場合がある。
国際公開第2013/008524号公報
本実施形態は、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成を抑制できる蓄電素子を提供することを課題とする。
本実施形態の蓄電素子は、正極と負極とを備え、
正極は、粒子状の活物質を含む正極活物質層を有し、
負極は、粒子状の活物質を含む負極活物質層を有し、
正極活物質層は、活物質の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
正極活物質層の二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径をFPμmとし、負極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDNμmとしたときに、FP及びDNは、
0.070≦FP/DN≦0.875 の関係式(1)を満たす。
斯かる構成の蓄電素子によれば、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成を抑制できる。
上記の蓄電素子では、正極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDPμmとしたときに、DP及びDNは、0.7≦DP/DN≦5.0 の関係式(2)を満たしてもよい。斯かる構成により、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子では、正極活物質層の厚みをTPμmとし、負極活物質層の厚みをTNμmとしたときに、TP及びTNは、0.7≦TP/TN≦1.05 の関係式(3)を満たしてもよい。斯かる構成により、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子では、上記DNは、1.0μm以上5.9μm以下であってもよい。斯かる構成により、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子では、負極の活物質は、非晶質炭素であってもよい。斯かる構成により、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子では、正極の活物質は、LiCoNiMn(1−y−z)(ただし、0.95≦x≦1.2、0.1≦y≦0.34、0<z、1−y−z>0)の組成式で表されるリチウム金属複合酸化物であってもよい。斯かる構成により、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子では、正極活物質層及び負極活物質層は、互いに対向し、
正極活物質層及び負極活物質層が厚み方向に互いに重なる部分の面積で、定格容量を割った値である1CA電流密度は、0.8mA/cm以上であってもよい。
本実施形態によれば、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成を抑制できる。
図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、同実施形態に係る蓄電素子の正面図である。 図3は、図1のIII−III線位置の断面図である。 図4は、図1のIV−IV線位置の断面図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、注液栓、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図7は、重ね合わされた正極、負極、及びセパレータの断面図(図6のVII−VII断面)である。 図8は、同実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図7を参照しつつ説明する。蓄電素子には、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図7に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(正極基材)と、金属箔111の表面に重ねられ且つ活物質を含む活物質層112と、を有する。本実施形態では、活物質層112は、金属箔111の両方の面にそれぞれ重なる。なお、正極11の厚みは、通常、20μm以上150μm以下である。
金属箔111は帯状である。本実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)115を有する。
正極活物質層112は、粒子状の活物質と、粒子状の導電助剤と、バインダとを含む。正極活物質層は、活物質の一次粒子が凝集した二次粒子を含む。二次粒子では、一次粒子同士が互いに固着していてもよい。二次粒子は、中空状であってもよい。
二次粒子を構成する一次粒子の平均値(以下、FPともいう)は、通常、0.1μm以上3.0μm以下である。斯かる一次粒子の平均値は、正極活物質層112を厚み方向に切断した断面図の走査型電子顕微鏡観察像において、少なくとも100個の一次粒子径の直径を測定し、測定値を平均することによって求められる。一次粒子が真球状でない場合、最も長い径を直径として測定する。測定方法の詳細については、実施例に記載されている。
正極活物質層112(1層分)の厚み(以下、TPともいう)は、通常、5μm以上100μm以下である。厚みは、ランダムに選んだ少なくとも5箇所の厚みを測定した平均値である。具体的に、厚みの測定前に、例えば電池を5Aの電流で2.0Vまで放電した後、5時間2.0Vで保持する。保持後、5時間休止させ、電池をドライルームまたはアルゴン雰囲気化のグローブボックス内に置いた状態で、容器内から電極体2を取り出す。電極体2から正極11を取り出し、純度99.9質量以上,水分量20ppm以下のジメチルカーボネート(DMC)で3回以上洗浄した後、真空乾燥によりDMCを除去する。さらに、正極11の金属箔と、金属箔の両面に重なった活物質層とを含む、ランダムに選んだ少なくとも5箇所の厚みを測定する。平均値から金属箔の厚みを差し引き、差し引いた後の厚みを半分にすることで、1層分の厚みTPを算出する。正極活物質層112(1層分)の目付量は、1mg/cm以上100mg/cm 以下 である。正極活物質層112の密度は、0.5g/cm 以上5.0g/cm 以下である。密度は、金属箔111の一方の面を覆うように配置された1層分における密度である。
正極11の活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極11の活物質の平均粒子径D50は、通常、1μm以上50μm以下である。活物質の平均粒子径D50は、粒径の粒度分布において小径側から体積累積分布を描き、体積累積頻度が50%となる平均粒子径(メディアン径とも呼ばれる)である。平均粒子径D50は、レーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いたレーザ回折法によって求める。測定条件については、実施例において詳しく説明する。なお、製造された電池の活物質の平均粒子径D50を測定する場合、例えば、電池を放電した後、該電池を乾燥雰囲気下で解体する。次に、活物質層を取り出してジメチルカーボネートで洗浄して砕いた後、2時間以上真空乾燥する。その後、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で超音波により粒子の分散処理を行う。分散処理後の分散液を粒度分布測定装置を用いて測定し、平均粒子径D50を求めることができる。なお、活物質と導電助剤とは、比重差などによって分離することができる。
正極11の活物質としては、例えば、LiMO(Mは少なくとも一種の遷移金属を表し、0.95≦x≦1.2、nが2以上4以下の整数)の組成式で表されるリチウム金属複合酸化物が挙げられる。斯かるリチウム金属複合酸化物としては、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiNiCo(1−y)、LiNiMnCo(1−y−z)、LiNiMn(2−y)などが挙げられる(0<y<1、0<z<1)。
正極11の活物質としては、例えば、LiMe(AO(Meは少なくとも一種の遷移金属を表し、Aは例えばP、Si、B、Vであり、0.95≦w≦1.2、xが1又は2であり、yが4であり、zが1以上3以下の整数である)で表されるポリアニオン化合物が挙げられる。斯かるポリアニオン化合物としては、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO、Li(PO、LiMnSiO、LiCoPOFなどが挙げられる。
上記の化合物中の元素又はポリアニオンの一部は、他の元素又は他のアニオン種で置換されていてもよい。粒子状の活物質の表面は、ZrO、MgO、Alなどの金属酸化物や炭素で被覆されてもよい。正極の活物質としては、ジスルフィド、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラスチレン、ポリアセチレン、ポリアセン系材料などの導電性高分子化合物、擬黒鉛構造炭素質材料等を用いることもできる。正極の活物質の材料は、これらに限定されるものではない。正極の活物質は、これらの化合物の1種単独物であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
本実施形態では、正極11の活物質は、リチウム金属複合酸化物である。斯かるリチウム金属複合酸化物は、例えば、LiCoNiMn(1−y−z)(ただし、0.95≦x≦1.2、0.1≦y≦0.34、0<z、1−y−z>0)の組成式で表される。
上記のごときLiNiMnCoの化学組成で表されるリチウム金属複合酸化物は、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi1/6Co1/6Mn2/3、LiCoO などである。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層112の導電助剤は、炭素を98質量%以上含む炭素質材料である。炭素質材料は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。本実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極12は、金属箔121(負極基材)と、金属箔121の上に形成された負極活物質層122と、を有する。本実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。本実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)非被覆部125を有する。負極12の厚み(1層分)は、通常、5μm以上100μm以下である。
負極活物質層122は、粒子状の活物質と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極11と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。
負極活物質層122では、バインダの比率は、負極の活物質とバインダとの合計質量に対して、5質量%以上10質量%以下であってもよい。
負極12の活物質は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。例えば、負極12の活物質は、グラファイト、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極の活物質は、非晶質炭素である。より具体的には、負極の活物質は、難黒鉛化炭素である。
負極12の活物質の平均粒子径D50(以下、DNともいう)は、通常、1μm以上10μm以下である。平均粒子径D50は、1.0μm以上5.9μm以下であってもよい。負極12の活物質の平均粒子径D50は、上記のごとく、正極11の活物質の平均粒子径D50と同様にして測定される。
負極活物質層122(1層分)の厚み(以下、TNともいう)は、通常、5μm以上100μm以下である。厚みは、上述した正極活物質層112の厚みと同様にして測定する。負極活物質層122の目付量(1層分)は、通常、1mg/cm以上100mg/cm 以下である。負極活物質層122の密度(1層分)は、通常、0.5g/cm以上5.0g/cm 以下である。
負極活物質層122に用いられるバインダは、正極活物質層112に用いられたバインダと同様のものである。本実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
正極活物質層の二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径をFPμmとし、負極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDNμmとしたときに、FP及びDNは、
0.070≦FP/DN≦0.875 の関係式(1)を満たす。
正極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDPμmとしたときに、DP及びDNは、0.7≦DP/DN≦5.0 の関係式(2)を満たす。0.7<DP/DNであってもよく、0.75≦DP/DNであってもよい。
正極活物質層の厚みをTPμmとし、負極活物質層の厚みをTNμmとしたときに、TP及びTNは、0.7≦TP/TN≦1.05 の関係式(3)を満たす。0.9≦TP/TN≦1.0であってもよい。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。
電極体2では、正極活物質層及び負極活物質層は、互いに対向し、正極活物質層及び負極活物質層が厚み方向に互いに重なる部分の面積で、定格容量(後に詳述)を割った値である1CA電流密度は、0.8mA/cm以上である。斯かる1CA電流密度は、通常、1.4mA/cm 以下である。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、多孔質なセパレータ基材を有する。本実施形態のセパレータ4は、セパレータ基材のみを有する。セパレータ4は、正極11及び負極12間の短絡を防ぐために正極11及び負極12の間に配置されている。
セパレータ基材は、例えば、織物、不織布、又は多孔膜によって多孔質に構成される。セパレータ基材の材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン(PO)、又は、セルロースが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図6に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図6参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5〜1.5mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。
ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(本実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。面71は、平面である。外部端子7は、蓋板32に沿って拡がる板状である。詳しくは、外部端子7は、Z軸方向視において矩形状の板状である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図3に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、ケース3内において、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
本実施形態の蓄電素子1では、電極体2とケース3とを絶縁する袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
本実施形態の蓄電素子1は、通常、4Ah以上10Ah以下の定格容量を有する。定格容量は、例えば、活物質の量を増やすことにより大きくすることができ、活物質の量を減らすことにより、小さくすることができる。
次に、上記実施形態の蓄電素子1の製造方法について説明する。
蓄電素子1の製造方法では、金属箔(電極基材)に活物質を含む合剤を塗布し、活物質層を形成し、電極(正極11及び負極12)を作製する。次に、正極11、セパレータ4、及び負極12を重ね合わせて電極体2を形成する。続いて、電極体2をケース3に入れ、ケース3に電解液を入れることによって蓄電素子1を組み立てる。
電極(正極11)の作製では、金属箔の両面に、活物質とバインダと溶媒とを含む合剤をそれぞれ塗布することによって正極活物質層112を形成する。合剤の塗布量を調整することによって、正極活物質層112の目付量を調整することができる。正極活物質層112を形成するための塗布方法としては、一般的な方法が採用される。塗布された正極活物質層112を所定の圧力でロールプレスする。プレス圧を調整することにより、正極活物質層112の密度を調整できる。負極も同様にして作製する。
電極体2の形成では、正極11と負極12との間にセパレータ4を挟み込んだ積層体22を巻回することにより、電極体2を形成する。詳しくは、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。続いて、積層体22を巻回して、電極体2を形成する。
蓄電素子1の組み立てでは、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
本発明は、以下の形で実施することができる。
[1]正極と負極とを備え、正極は、粒子状の活物質を含む正極活物質層を有し、
負極は、粒子状の活物質を含む負極活物質層を有し、正極活物質層は、活物質の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、正極活物質層の二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径をFPμmとし、負極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDNμmとしたときに、FP及びDNは、 0.070≦FP/DN≦0.875 の関係式(1)を満たす、蓄電素子。
[2]正極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDPμmとしたときに、DP及びDNは、0.7≦DP/DN≦5.0 の関係式(2)を満たす、[1]に記載の蓄電素子。
[3]正極活物質層の厚みをTPμmとし、負極活物質層の厚みをTNμmとしたときに、TP及びTNは、0.7≦TP/TN≦1.05 の関係式(3)を満たす、[1]又は[2]に記載の蓄電素子。
[4]DNは、1.0μm以上5.9μm以下である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の蓄電素子。
[5]負極の活物質は、非晶質炭素である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の蓄電素子。
[6]正極の活物質は、LiCoNiMn(1−y−z)(ただし、0.95≦x≦1.2、0.1≦y≦0.34、0<z、1−y−z>0)の組成式で表されるリチウム金属複合酸化物である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の蓄電素子。
[7]正極活物質層及び負極活物質層は、互いに対向し、正極活物質層及び負極活物質層が厚み方向に互いに重なる部分の面積で、定格容量を割った値である1CA電流密度は、0.8mA/cm以上である、[1]乃至[6]のいずれかに記載の蓄電素子。
上記のように構成された本実施形態の蓄電素子1では、正極活物質層は、活物質の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、正極活物質層の二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径をFPμmとし、負極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDNμmとしたときに、FP及びDNは、
0.070≦FP/DN≦0.875 の関係式(1)を満たす。正極活物質層の二位粒子を構成する一次粒子の平均粒子径(FP)と、負極活物質層の活物質の平均粒子径D50(DN)とが、上記関係であることにより、高レートでの充電時であっても、正極活物質から移動してきたLiイオンが負極活物質内に挿入されやすい。従って、負極活物質の表面でLiイオンが還元されてLi電析が生じることが起こりにくい。これにより、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成を抑制できる。
上記の蓄電素子1では、正極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDP μmとしたときに、DP及びDNは、0.7≦DP/DN≦5.0 の関係式(2)を満たす。0.7≦DP/DNであることにより、充電時において、負極活物質あたりの電流密度が正極活物質あたりの電流密度よりも大きくなり得る。これにより、負極活物質の表面でLiイオンが還元されてLi電析が生じることが起こりにくい。従って、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。一方、DP/DN≦5.0であることにより、高レートで充電を行ったときでも、負極活物質層における充電深度のばらつきが抑えられる。また、高負荷でサイクル充放電が行われたときに充電深度が深くなった部分でLi電析が生じることを抑制できる。
上記の蓄電素子1では、正極活物質層の厚みをTPμmとし、負極活物質層の厚みをTNμmとしたときに、TP及びTNは、0.7≦TP/TN≦1.05 の関係式(3)を満たす。関係式(3)に示されるように、正極活物質層の厚みと、負極活物質層の厚みとの比が近いことにより、充放電時において、活物質層の厚み方向での反応の偏りが抑制される。充電時に、充電深度が高くなるとLi電析が生じ得るが、関係式(3)が満たされていることにより、負極活物質層の金属箔側よりもセパレータ側の方で充電深度が高くなってしまうことを抑制できる。これにより、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成を抑制できる。また、出力が低下することも抑制できる。
上記の蓄電素子1では、上記DN(負極活物質層の活物質の平均粒子径D50)が、1.0μm以上5.9μm以下であることにより、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子1では、負極の活物質が非晶質炭素であることにより、活物質の粒子径に応じてLiイオンの挿入サイトの数がより変動する。即ち、活物質の粒子径が小さくなり単位体積あたりの表面積が大きくなると、Liイオンの挿入サイトがより増える。従って、上記の粒子径の関係が満たされるときに、リチウム電析の生成をより抑制できる。
上記の蓄電素子1では、正極の活物質は、LiCoNiMn(1−y−z)(ただし、0.95≦x≦1.2、0.1≦y≦0.34、0<z、1−y−z>0)の組成式で表されるリチウム金属複合酸化物である。これにより、高レートで繰り返し充放電が繰り返されてもリチウム電析の生成をより十分に抑制できる。
上記の蓄電素子1では、正極の活物質は、中空状の二次粒子であってもよい。二次粒子が中空状である場合、二次粒子の内部に電解液が入ることから、高レートにおける充放電特性がより十分なものとなる。
上記の蓄電素子1では、正極活物質層及び負極活物質層は、互いに対向し、
正極活物質層及び負極活物質層が厚み方向に互いに重なる部分の面積で、定格容量を割った値である1CA電流密度は、0.8mA/cm以上である。斯かる1CA電流密度が0.8mA/cm 未満であれば、Li電析がやや生成しにくい。斯かる1CA電流密度が0.8mA/cm以上であっても、本実施形態の蓄電素子1では、リチウム電析の生成を十分に抑制できる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記の実施形態では、活物質を含む活物質層が金属箔に直接接した正極について詳しく説明したが、本発明では、正極が、バインダと導電助剤とを含み且つ活物質を含まない導電層を有してもよい。
上記実施形態では、活物質層が各電極の金属箔の両面側にそれぞれ配置された電極について説明したが、本発明の蓄電素子では、正極11又は負極12は、活物質層を金属箔の片面側にのみ備えてもよい。
上記実施形態では、積層体22が巻回されてなる電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回されない積層体22を備えてもよい。詳しくは、それぞれ矩形状に形成された正極、セパレータ、負極、及びセパレータが、この順序で複数回積み重ねられてなる電極体を蓄電素子が備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図8に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材91と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。
以下に示すようにして、非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を製造した。
(試験例1)
(1)正極の作製
正極活物質として、平均粒径D50が5.0μmのLiNi1/3Co1/3Mn1/3を用いた。導電助剤として、アセチレンブラックを用いた。バインダとして、PVdFを用いた。正極活物質層を作製するための正極ペーストは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として用い、導電助剤が4.5質量%、バインダが4.5質量%、正極活物質が91質量%となるように、溶媒と導電助剤とバインダとを混合、混練することによって調製した。調製した正極ペーストを、厚み15μmのアルミ箔上に塗布した。塗布後に、活物質層の幅が83mm、未塗布部(活物質層の非形成領域)の幅が11mm、目付量が6.9mg/cmとなるように正極ペーストを塗布した。乾燥後、活物質層の活物質充填密度が2.48g/cmになるようにロールプレスを行い、真空乾燥によって水分を除去し、正極を作製した。
・活物質について
一次粒子が凝集した二次粒子を用いた。二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径は、0.18μmであった。斯かる平均粒子径は、走査型電子顕微鏡観察像において、100個の一次粒子径の直径を測定し、測定値を平均することによって求めた。一次粒子が真球状でない場合、最も長い径を直径として測定した。
(2)負極の作製
負極活物質として、平均粒径D50が2.5μmの難黒鉛化性炭素を用いた。バインダとしてはPVdFを用いた。負極ペーストは、NMPを溶媒として用い、バインダが7質量%、負極活物質が93質量%となるように、溶媒とバインダと活物質とを混合、混練することによって調製した。調製した負極ペーストを、厚み8μmの銅箔上に塗布した。塗布後に、活物質層の幅が87mm、未塗布部(活物質層の非形成領域)の幅が9mm、目付量が3.3mg/cmとなるように負極ペーストを塗布した。乾燥後、活物質層の活物質充填密度が1.01g/ccになるようにロールプレスを行い、真空乾燥によって水分を除去し、負極を作製した。
(3)セパレータ
セパレータとして厚みが21μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた。ポリエチレン製微多孔膜の透気度は、100秒/100ccであった。
(4)電解液の調製
電解液としては、以下の方法で調製したものを用いた。非水溶媒として、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、いずれも1容量部ずつ混合した溶媒を用い、この非水溶媒に、塩濃度が1.2mol/LとなるようにLiPFを溶解させ、電解液を調製した。
(5)ケース内への電極体の配置
上記の正極、上記の負極、上記の電解液、セパレータ、及びケースを用いて、一般的な方法によって電池を製造した。
まず、セパレータが上記の正極および負極の間に配されて積層されてなるシート状物を巻回した。正極活物質層と負極活物質層とが重なった部分の面積は、5775cmであった。次に、巻回されてなる電極体を、ケースとしてのアルミニウム製の角形電槽缶のケース本体内に配置した。続いて、正極及び負極を2つの外部端子それぞれに電気的に接続させた。さらに、ケース本体に蓋板を取り付けた。上記の電解液を、ケースの蓋板に形成された注液口からケース内に注入した。最後に、ケースの注液口を封止することにより、ケースを密閉した。
(6)製造した電池の容量確認
以下の方法によって、まず、初期放電容量を測定した。詳しくは、各電池を、25℃において5A定電流で4.2Vまで充電し、さらに4.2V定電圧で合計3時間充電した後、5A定電流で、終止電圧2.4Vの条件で放電することにより初期放電容量を測定した。この結果から、正極活物質層及び負極活物質層が厚み方向に互いに重なる部分の面積で、定格容量を割った値である1CA電流密度は、0.88mA/cmであった。
・正極及び負極の活物質の平均粒子径D50について
製造した電池から正極及び負極の各極板を取り出した。各極板をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)または水に入れた状態で超音波により粒子を分散させる分散処理を行った。分散処理後にろ過することで、それぞれ、活物質を得た。測定装置としてレーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製「SALD2200」)、測定制御ソフトとして専用アプリケーションソフトフェアDMS ver2を用いた。具体的な測定手法としては、散乱式の測定モードを採用し、測定試料(活物質)が分散する分散液が循環する湿式セルを2分間超音波環境下に置いた後に、レーザ光を照射し、測定試料から散乱光分布を得た。そして、散乱光分布を対数正規分布により近似し、その粒度分布(横軸、σ)において最小を0.021μm、最大を2000μmに設定した範囲の中で累積度50%(D50)にあたる粒径を平均粒子径とした。また、分散液は、界面活性剤と、分散剤としてのSNディスパーサント 7347−C(製品名)またはトリトンX−100(製品名)とを含む。分散液には、分散剤を数滴加えた。
(試験例2〜31)
FP/DNの値、DP/DNの値、TP/TNの値がそれぞれ表1に示す値となるように変更した点以外は、試験例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を製造した。なお、DP、FP、TP、TNの値も適宜変更した。


<出力確認試験>
容量確認試験後の電池について、前述の容量確認試験で得られた放電容量の20%を充電することで電池のSOC(State Of Charge)を20%に調整した。その後、−10℃にて4時間保持し、さらに、2.3Vの定電圧放電を1秒間行い、1秒目の電流値から低温出力Pを算出した。上記の試験例の一部について結果を表1に示す。なお、試験例2〜5については、試験例1の結果を基に、試験例7〜14については、試験例6の結果を基にして、出力の値を相対値(比率)で表した。
<電析の評価>
充放電サイクル試験の試験条件を決めるために、SOC50%に調整した電池を55℃にて4h保持し、SOC80%になるまで40Aの定電流充電を行った。その後、SOC80%からSOC20%まで40Aの定電流放電を行うことで、SOC80%の充電電圧V80とSOC20%の放電電圧V20を決定した。
55℃サイクル試験は、40Aの定電流にて行い、充電時のカットオフ電圧をV80とし、放電時のカットオフ電圧をV20として、休止時間を設定せずに連続して行った。サイクル時間は、合計3000hとした。3000hのサイクル試験終了後、25℃で4h保持し、前述の容量確認試験と低温出力確認試験を行った。その後、電池を5Aの電流で2.0Vまで放電した後、5時間2.0Vで保持した。保持後、5時間休止させ、電池をドライルームまたはアルゴン雰囲気化のグローブボックス内に置いた状態で、容器内から電極体を取り出した。負極極板の表面を目視で観察することによって、Li電析の有無を確認した。
実施形態の所定の構成の電池では、リチウム電析が十分に抑制された。一方、それ以外の電池では、必ずしもリチウム電析を抑制できなかった。なお、FP/DNが0.875よりも大きかったり、DP/DNが5よりも大きかったりすると、初期出力が低くなる傾向があった。
1:蓄電素子(非水電解質二次電池)、
2:電極体、
26:非被覆積層部、
3:ケース、 31:ケース本体、 32:蓋板、
4:セパレータ、
5:集電体、 50:クリップ部材、
6:絶縁カバー、
7:外部端子、 71:面、
11:正極、
111:正極の金属箔(正極基材)、 112:正極活物質層、
12:負極、
121:負極の金属箔(負極基材)、 122:負極活物質層、
91:バスバ部材、
100:蓄電装置。

Claims (7)

  1. 正極と負極とを備え、
    前記正極は、粒子状の活物質を含む正極活物質層を有し、
    前記負極は、粒子状の活物質を含む負極活物質層を有し、
    前記正極活物質層は、活物質の一次粒子が凝集した二次粒子を含み、
    前記正極活物質層の二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径をFPμmとし、前記負極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDNμmとしたときに、前記FP及び前記DNは、
    0.070≦FP/DN≦0.875 の関係式(1)を満たす、蓄電素子。
  2. 前記正極活物質層の活物質の平均粒子径D50をDPμmとしたときに、前記DP及び前記DNは、0.7≦DP/DN≦5.0 の関係式(2)を満たす、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記正極活物質層の厚みをTPμmとし、前記負極活物質層の厚みをTNμmとしたときに、前記TP及び前記TNは、0.7≦TP/TN≦1.05 の関係式(3)を満たす、請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 前記DNは、1.0μm以上5.9μm以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記負極の活物質は、非晶質炭素である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  6. 前記正極の活物質は、LiCoNiMn(1−y−z)(ただし、0.95≦x≦1.2、0.1≦y≦0.34、0<z、1−y−z>0)の組成式で表されるリチウム金属複合酸化物である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  7. 前記正極活物質層及び前記負極活物質層は、互いに対向し、
    前記正極活物質層及び前記負極活物質層が厚み方向に互いに重なる部分の面積で、定格容量を割った値である1CA電流密度は、0.8mA/cm以上である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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