JP2010009818A - 非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極板または負極板の切断面を絶縁体層で被覆する構成とし、正極集電体または負極集電体の切断面に発生するバリによるセパレータの破損やバリの一部が脱落して発生するセパレータの破損もしくは電池内部短絡を抑制することができ、また電極合剤層の一部が脱落し、電極群の内部への混入より発生するセパレータの破損を防止し、正極板および負極板の内部短絡を抑制することが可能であり、発熱による熱暴走を引き起こす事態を回避でき、安全性に優れた非水系二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極板4または負極板14の切断面や塗布端面を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆する構成としたことにより、捲回または積層された電極群の内部へ切断バリや脱落して発生する異物が混入することやセパレータ5の破損を防止し、正極板4および負極板14の内部短絡を抑制する。
【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に使用される非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池に関するものである。
近年、携帯用電子機器の電源として利用が広がっているリチウムイオン二次電池は、負極にリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素質材料等を用い、正極にLiCoO等の遷移金属とリチウムの複合酸化物を活物質として用いており、これによって高電位で高放電容量の二次電池を実現しているが、近年の電子機器および通信機器の多機能化に伴って、さらなる高容量化が望まれている。これらのリチウムイオン二次電池において、高容量化が進む一方で重視すべきは安全対策であり、特に正極板と負極板とが内部短絡することによる急激な温度上昇を抑止することが極めて重要である。
従来、この対策として一般的には、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)のようなオレフィン系ポリマーを用いてセパレータを構成し、これを正極板と負極板との間に介在させることで、二次電池内に過大な電流が流れることで発生する発熱によりセパレータの微多孔を閉鎖する(シャットダウン機能)ことで安全性を確保している。しかしながら、電極合剤の脱落による内部短絡また電池用電極板として裁断した時に生じる集電体の切断バリ等による内部短絡、さらに電極板を渦巻状に捲回した時あるいは積層状に構成した場合に生じるセパレータの破断による内部短絡が発生するという課題がある。
上述の課題に対し、電極合剤の脱落を抑制する手段として種々の提案がなされており、例えば図11に示すように正極板40、負極板41とがセパレータ42を間に介在して渦巻状に捲回された電極群と非水溶媒からなる電解液(図示せず)とがケース44内に密封された非水系二次電池において、正極板40、負極板41より幅の広いセパレータ42の正極板40および負極板41に対向しない周辺部分に、電解液に不溶で、且つ、電気絶縁性の物質のエチレンプロピレンターポリマー(EPDM)43を塗布することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の内部短絡の抑制手段として、例えば図12(b)に示すように、正極板55、負極板56、およびそれらの間に介在するセパレータ58とを積層した電極群およびアルカリ電解液(図示せず)とがケース57内に密閉されたアルカリ二次電池において、図12(a)に示すように、正極板55および負極板56の少なくとも長辺端面51と短辺端面53およびリード50と正極板55または負極板56とのリード接合部54をフッ素樹脂52で被覆することにより電極合剤の脱落を抑制する手段が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、別の抑制手段として、例えば図13(a),(b)に示すように、正極集電体62に正極合剤層63を形成した正極板70、負極集電体69に負極合剤層68を形成した負極板71およびそれらの間に介在するセパレータ64とを渦巻状に捲回した、または積層し、正極板70および負極板71の正極集電体露出部61および負極集電板露出部67に正極集電板60および負極集電板66を接合した電極群およびアルカリ電解液(図示せず)からなるアルカリ二次電池において、少なくとも正極板70の負極集電板66側の極板端面および周辺の両側部がポリエチレン樹脂65で被覆されており、その被覆を正極板70の両側に配されているセパレータ64と溶着させることにより、電極合剤の脱落を抑制する手段が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−109435号公報 特開平10−64533号公報 特開2004−342591号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示される従来技術では、負極板41の周囲のデンドライト発生による内部短絡を想定しており、電極合剤の脱落により生じる電極板の捲回時、あるいは積層時のセパレータ42の破損については有効に対処できないという課題があった。また、特許文献2に示される従来技術では、正極板55または負極板56のリード接合部54の裏側には被覆がなされず、且つ、リード50を正極板55または負極板56に接合するために成形加工が施されており、リード接合部54の裏側は電極合剤が脱落しやすく電極群の内部に混入、内部短絡が発生するという課題があった。さらに、特許文献3に示される従来技術では、正極集電板60側の正極板70および負極板71の電極板端面は被覆されていないため、電極合剤の脱落により生じる電極板の捲回時、あるいは積層時のセパレータ64の破損し、内部短絡が発生するという課題があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたもので、正極合剤塗料および負極合剤塗料を塗布した部分の切断面からの電極合剤層が脱落して、捲回または積層された電極群の内部へ電極合剤が混入することやセパレータの破損を防止し、正極板および負極板の内部短絡を抑制する安全性に優れた非水系二次電池用電極板を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明の非水系二次電池用電極板は、少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および非水溶性高分子の結着材を分散媒にて混練分散した正極合剤塗料を正極集電体上に塗布して構成される正極板または少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および非水溶性高分子の結着材を分散媒にて混練分散した負極合剤塗料を負極集電体上に塗布して構成される負極板からなる非水系二次電池用電極板であって、正極板または負極板の切断面を絶縁体層で被覆した構成とすることを特徴とするものである。
本発明の非水系二次電池用電極板によると、正極板または負極板の切断面を絶縁体層で被覆した構成とすることにより、正極集電体または負極集電体に発生するバリによるセパレータの破損や、バリの一部が脱落して発生するセパレータの破損もしくは電池内部短絡を抑制することができ、また、正極合剤塗料および負極合剤塗料を塗布した部分の切断面からの電極合剤の一部が脱落し、捲回または積層された電極群の内部への混入より発生するセパレータの破損を防止し、正極板および負極板の内部短絡を抑制することが可能であり、発熱による熱暴走を引き起こす事態を回避できる。
本発明の第1の発明においては、少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散した正極合剤塗料を正極集電体上に塗布して構成される正極板、あるいは少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散した負極合剤塗料を負極集電体上に塗布して構成される負極板からなる非水系二次電池用電極板であって、正極板または負極板の切断面を絶縁体層で被覆した構成とすることにより、正極合剤塗料および負極合剤塗料を塗布した部分の切断面からの電極合剤が脱落して発生する電極群の内部への混入、セパレータの破損を防止し、正極板および負極板の内部短絡を抑制することが可能である。
本発明の第2の発明においては、切断面を正極集電体または負極集電体の切断面としたことにより、スリットおよび切断時に発生する集電体の切断面からの切断片の脱落、捲回または積層された電極群の内部への混入することによるセパレータの破損を防止し、正極板および負極板の内部短絡を抑制することが可能である。
本発明の第3の発明においては、切断面を正極集電体と正極合剤層または負極集電体と負極合剤層の切断面としたことより、電極板の切断面からの電極合剤の脱落および集電体の切断部からの切断片の脱落、捲回または積層された電極群の内部への混入することによるセパレータの破損を防止する。
本発明の第4の発明においては、正極板における正極合剤層の塗布端面または負極板における負極合剤層の塗布端面の少なくともいずれか一方も絶縁体層で被覆する構成としたことにより、電極板の塗布端面からの正極合剤層または負極合剤層の脱落や捲回または積層時の電極合剤の脱落片が電極群の内部への混入を防止することにより、正極板および負極板の内部短絡を抑制することが可能である。
本発明の第5の発明においては、絶縁体層を少なくとも無機添加剤と結着材からなる絶縁性塗料を塗布乾燥させて形成したことにより、切断面の絶縁体層を容易に形成することができ、脱落部分はともに無機添加剤と結着材からなる絶縁体層で被覆されているため電極板の切断面からの電極合剤の脱落および集電体の切断面からの切断片の脱落、捲回または積層された電極群の内部への混入、セパレータの破損による正極板および負極板の内部短絡を抑制し、発熱を引き起こす事態を回避することが可能である。
本発明の第6の発明においては、少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散した正極合剤塗料を正極集電体の両面に塗布して正極合剤層を形成した正極板と、少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散した負極合剤塗料を負極集電体の両面に塗布して負極合剤層を形成した負極板とをセパレータを介して捲回あるいは積層した電極群と、非水溶媒からなる電解液により構成される非水系二次電池であって、正極板または負極板の少なくともいずれか一方に第1から第5の発明のいずれかの電極板を用いたことにより、正極集電体または負極集電体の切断面に発生した切断片によるセパレータの破損や、切断片の一部が脱落して発生するセパレータの破損もしくは電池内部短絡を抑制することができ、また、正極合剤塗料および負極合剤塗料を塗布した部分の切断面からの電極合剤の一部が脱落して、電極群の内部への混入によるセパレータの破損を防止し、正極板および負極板の内部短絡を抑制し発熱による熱暴走を引き起こす事態を回避することが可能である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1(a),(b)は本発明の一実施の形態に係る非水系二次電池における捲回あるいは積層前の電極板の要部を示す斜視図である。図1(a)は、電極合剤層および集電体の切断面に絶縁体層を被覆する前の電極板の構成を示している。図1(b)は電極合剤層および集電体の切断面に絶縁体層を被覆した後の電極板の構成を示している。
図1(a)において本発明の非水系二次電池用電極板は、正極集電体1の両面に正極合剤塗料を塗布して乾燥させて正極合剤層2を形成し、図1(b)に示すように正極集電体1および正極合剤層2の切断面に正極絶縁体層3を塗布して被覆した正極板4と、また図1(a)に示すように負極集電体11の両面に負極合剤塗料を塗布して乾燥させて負極合剤層12を形成し、図1(b)に示すように負極集電体11および負極合剤層12の切断面に負極絶縁体層13を塗布して被覆した負極板14である。
上述した切断面とは、正極集電体1および負極集電体11の単体を長尺状に連続して切
断した時の切断面、または所定の電池寸法に短冊状に切断したときの切断面を示し、さらに、正極集電体1および負極集電体11に、連続もしくは間欠塗布された正極合剤層2および負極合剤層12からなる正極板4および負極板14を長尺状に連続して切断した時の切断面、または所定の電池寸法に短冊状に切断したときの切断面を示す。これら正極板4と負極板14を絶縁体であるセパレータ5を介して配置し、捲回あるいは積層して電極群を構成する。
ここで本発明においては、正極板4と負極板14との内部短絡を抑止するために、上記正極板4または負極板14の切断面を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆する構成としている。以下に上述した本発明の非水系二次電池用電極板について説明する。
図2(a),(b)は本発明における非水系二次電池用電極板の他の例で、図2(a)は正極板4または負極板14の4箇所の切断面を、正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆していることを示す斜視図である。正極板4もしくは負極板14は、例えば正極集電体1もしくは負極集電体11に正極合剤層2もしくは負極合剤層12を両面に塗布、乾燥した長手方向および幅方向を所定の電池サイズに切断して製作する。その切断面は、正極合剤層2と正極集電体1、もしくは負極合剤層12と負極集電体11の長手方向の2箇所に成形され、幅方向の2箇所の計4箇所に成形される。正極合剤層2と正極集電体1、もしくは負極合剤層12と負極集電体11の切断面に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布することで、正極合剤層2と正極集電体1、もしくは負極合剤層12と負極集電体11の切断面を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆した正極板4もしくは負極板14を製作できる。
図2(b)は、正極合剤層2と正極集電体1、もしくは、負極合剤層12と負極集電体11の切断面が4箇所を形成した正極板4もしくは負極板14である電極板の上面図を示したものである。電極板の長手方向および幅方向の正極合剤層2と正極集電体1もしくは負極合剤層12と負極集電体11の切断面の4箇所に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布している。
図3(a),(b)は本発明における非水系二次電池用電極板の他の例で、図3(a)は正極集電体1および正極合剤層2、もしくは、負極集電体11および負極合剤層12の4箇所の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆していることを示す斜視図である。
正極板4もしくは負極板14は、例えば正極集電体1もしくは負極集電体11に、正極合剤層2もしくは負極合剤層12を両面に間欠塗布し、乾燥した正極板4もしくは負極板14の長手方向および幅方向を所定の電池サイズに切断して作製する。その際、切断面の短辺の一方に未塗布部が残るように切断し、正極集電体1と正極合剤層2、もしくは、負極集電体11と負極合剤層12の切断面が長手方向に2箇所、幅方向に1箇所の計3箇所に形成され、および正極集電体1もしくは負極集電体11の切断面が正極合剤層2または負極合剤層12の未塗布部に3箇所に形成される。また、正極合剤層2または負極合剤層12には塗布端面15が設けられる。形成した切断面および塗布端面15に、正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布することで、正極板4もしくは負極板14の切断面および塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆した正極板4もしくは負極板14を作製する。
図3(b)は、正極集電体1と正極合剤層2、もしくは負極集電体11と負極合剤層12の切断面が4箇所を形成した正極板4もしくは負極板14である電極板であり、その電極板の一方の短辺に正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部を形成した電極板の上面図を示したものである。長手方向および幅方向の正極集電体1と正極合剤層2、もし
くは負極集電体11と負極合剤層12の切断面および、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部の正極集電体1もしくは負極集電体11の切断面、さらに、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布している。
図4(a),(b)は本発明における非水系二次電池用電極板の他の例で、図4(a)は正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の4箇所の切断面、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆していることを示す斜視図である。
正極板4もしくは負極板14は、例えば正極集電体1もしくは負極集電体11に、正極合剤層2もしくは負極合剤層12を両面に間欠塗布し、乾燥した正極板4もしくは負極板14の長手方向および幅方向を、所定の電池サイズに切断して作製する。その際、短辺の両方が未塗布部である個所を切断し、正極合剤層2もしくは負極合剤層12が塗布された正極集電体1もしくは負極集電体11の切断面が長手方向に2箇所に成形され、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部の正極集電体1もしくは負極集電体11が幅方向に2箇所の計4箇所に切断面が形成される。
正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に、正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布することで、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を、正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆した正極板4もしくは負極板14を作製する。
図4(b)は、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の4箇所に切断面が成形され、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15が2箇所に設けられ、且つ、電極板の両方の短辺に正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部を形成した正極板4もしくは負極板14である電極板の上面図を示したものである。長手方向および幅方向の正極集電体1および正極合剤層2の切断面と、正極合剤層2の塗布端面15に正極絶縁体層3を塗布し、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面および負極合剤層12の塗布端面15に負極絶縁体層13を塗布している。
図5(a),(b)は本発明における非水系二次電池用電極板の他の例で、図5(a)は正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の4箇所の切断面と、正極合剤層2、もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆していることを示す斜視図である。
正極板4もしくは負極板14は、例えば正極集電体1もしくは負極集電体11に正極合剤層2もしくは負極合剤層12を両面に間欠塗布し、乾燥した正極板4もしくは負極板14の長手方向および幅方向を、所定の電池サイズに切断して作製する。その際、長手方向両端の少なくとも正極集電体1の片面に正極合剤層2がある部分、もしくは負極集電体11の片面に負極合剤層12がある部分を切断する。その時切断面は、正極集電体1もしくは負極集電体11の長手方向の2箇所に設けられ、幅方向の2箇所の計4箇所に設けられる。正極集電体1および正極合剤層2もしくは、負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布することで、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆した正極板4もしくは負極板1
4を製作する。
図5(b)は、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面が4箇所を成形し、電極板の長手方向両端の少なくとも正極集電体1の片面に正極合剤層2、もしくは負極集電体11の片面に負極合剤層12を間欠塗布した正極板4もしくは負極板14である電極板の上面図を示したものである。長手方向および幅方向の正極集電体1および正極合剤層2の切断面と正極合剤層2の塗布端面15に正極絶縁体層3を塗布し、あるいは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、負極合剤層12の塗布端面15に負極絶縁体層13を塗布している。
図6(a),(b)は本発明における非水系二次電池用電極板の他の例で、図6(a)は正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の4箇所の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆していることを示す斜視図である。
正極板4もしくは負極板14は、例えば正極集電体1もしくは負極集電体11に正極合剤層2もしくは負極合剤層12を両面に間欠塗布し、乾燥した正極板4もしくは負極板14の長手方向および幅方向を所定の電池サイズに切断して作製する。その際、切断部が長手方向の一辺に正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部となるように切断し、正極集電体1および正極合剤層2もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面が長手方向に2箇所に設けられ、幅方向に2箇所の計4箇所に成形される。
正極集電体1および正極合剤層2、もしくは、負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布することで、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆した正極板4もしくは負極板14を作製する。
図6(b)は、正極集電体1もしくは負極集電体11の切断面を設け、正極集電体1もしくは負極集電体11の長手方向の一辺に正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部を成形した正極板4もしくは負極板14である電極板の上面図を示したものである。長手方向および幅方向の正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布している。
図7(a),(b)は本発明における非水系二次電池用電極板の他の例で、図7(a)は正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の4箇所の切断面を成形し、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆していることを示す斜視図である。
正極板4もしくは負極板14は、例えば正極集電体1もしくは負極集電体11に、正極合剤層2もしくは負極合剤層12を両面に間欠塗布し、乾燥した正極板4もしくは負極板14の長手方向および幅方向を所定の電池サイズに切断して作製する。その際、切断部が長手方向の両辺に正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部となるように切断すし、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面が長手方向の2箇所に成形され、幅方向の2箇所の計4箇所に成形される。
正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負
極絶縁体層13を塗布することで、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは、負極集電体11および負極合剤層12の切断面および、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆した正極板4もしくは負極板14を作製する。
図7(b)は、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面の4箇所に成形し、長手方向の両辺に正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部を成形した正極板4もしくは負極板14である電極板の上面図を示したものである。長手方向および幅方向の正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布している。
図8(a),(b)は本発明における非水系二次電池用電極板の他の例で、図8(a)は正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の4箇所の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆していることを示す斜視図である。
正極板4もしくは負極板14は、例えば正極集電体1もしくは負極集電体11に、正極合剤層2もしくは負極合剤層12を両面に間欠塗布し、乾燥した正極板4もしくは負極板14の長手方向および幅方向を所定の電池サイズに切断して作製する。その際、切断部が長手方向の両辺および幅方向の少なくとも一辺に正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部となるように切断し、正極集電体1および正極合剤層2もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面が長手方向に2箇所に設けられ、幅方向の2箇所の計4箇所に設けられる。
正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布することで、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15を正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆した正極板4もしくは負極板14を作製する。
図8(b)は、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは、負極集電体11および負極合剤層12の切断面が4箇所で、正極集電体1および正極合剤層2、もしくは、負極集電体11および負極合剤層12の長手方向の両辺および幅方向の少なくとも一辺に、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の未塗布部を成形した正極板4もしくは負極板14である電極板の上面図を示したものである。長手方向および幅方向の正極集電体1および正極合剤層2、もしくは負極集電体11および負極合剤層12の切断面と、正極合剤層2もしくは負極合剤層12の塗布端面15に正極絶縁体層3または負極絶縁体層13を塗布している。
以下、上述した正極板4および負極板14を使用した本発明の非水系二次電池について説明する。図9に示されるように、複合リチウム酸化物を活物質とする正極板25と、リチウムを保持しうる材料を活物質とする負極板27とを、セパレータ29を介して渦巻状に捲回した電極群24を作製した後、この電極群24を有底円筒形の電池ケース21の内部に絶縁板20と共に収容し、電極群24の下部より導出した負極リード28を電池ケース21の底部に接続し、次いで電極群24の上部より導出した正極リード26を封口板22に接続し、電池ケース21に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した後、電池ケース21の開口部に封口ガスケット23を周縁に取り付けた封口板22を挿入し、電池ケース21の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口している。
次に、本発明の非水系二次電池用電極板の作製方法について、図1(a),(b)を例に用いて具体的に説明する。まず、正極板4については特に限定されないが、正極集電体1としてはアルミニウムやアルミニウム合金製の箔や不織布等を用いることができ、厚みが5μm〜30μmを有する正極集電体1の片面または両面に、正極活物質、導電材、結着材とを分散媒中にプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散させた正極合剤塗料を塗布、乾燥、圧延して正極合剤層2を形成することにより作製する。
正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウムおよびその変性体(コバルト酸リチウムにアルミニウムやマグネシウムを固溶させたものなど)、ニッケル酸リチウムおよびその変性体(一部ニッケルをコバルト置換させたものなど)、マンガン酸リチウムおよびその変性体などの複合酸化物を挙げることができる。
このときの導電材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、各種グラファイトを単独あるいは組み合わせて用いても良い。また、正極用結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材等を用いることができ、この際に反応性官能基を導入したアクリレートモノマー、またはアクリレートオリゴマーを結着材中に混入させることも可能である。
一方、負極板14についても特に限定されないが、負極集電体11としては圧延銅箔、電解銅箔、銅繊維の不織布等を用いることができ、厚みが5μm〜25μmを有する負極集電体11の片面または両面に、負極活物質、結着材、必要に応じて導電材、増粘剤とを分散媒中にプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散させた負極合剤塗料を塗布、乾燥、圧延して負極合剤層12を形成することにより作製する。
負極用活物質としては、各種天然黒鉛および人造黒鉛、シリサイドなどのシリコン系複合材料および各種合金組成材料を用いることができる。このときの負極用結着材としては、PVdFおよびその変性体をはじめ各種バインダーを用いることができるが、リチウムイオン受入れ性向上の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)およびその変性体等を用いることもできる。また、増粘剤としては、ポリエチレンオキシド(PEO)やポリビニルアルコール(PVA)などの水溶液として粘性を有する材料であれば特に限定されないが、カルボキシメチルセルロース(CMC)をはじめとするセルロース系樹脂およびその変性体が、合剤塗料の分散性,増粘性の観点から好ましい。
さらに、電解液については、電解質塩としてLiPFおよびLiBFなどの各種リチウム化合物を用いることができる。また溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)を単独および組み合わせて用いることができる。また正負極板上に良好な皮膜を形成させる、あるいは過充電時の安定性を保証するために、ビニレンカーボネート(VC)やシクロヘキシルベンゼン(CHB)およびその変性体を用いることも好ましい。
正極板4における正極絶縁体層3として、正極用結着材として用いられる、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材等を用いることができ、この際に反応性官能基を導入したアクリレートモノマー、またはアクリレートオリゴマーを結着材中に混入させることも可能である。
また、負極板14における負極絶縁体層13としては、負極用結着材として用いられるPVdFおよびその変性体をはじめ各種バインダーを用いることができるが、リチウムイオン受入れ性向上の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)およびその変性体等を用いることもできる。さらに、無機添加剤による正極絶縁体層3または負極絶縁体層13として、シリカ材またはアルミナ(Al23)材を用いることができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで正極合剤塗料を作製した。
次いで、図2(a)に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
さらに、正極絶縁体層3として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を適量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した塗料を、正極板4の切断部およびスリット部に塗布し、乾燥させて正極絶縁体層3の被膜を正極板4のスリット加工面および切断面に形成した正極板4を製作した。このとき、正極絶縁体層3が正極合剤層2の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
一方、負極活物質として人造黒鉛を100重量部、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着材の固形分換算で1重量部)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部、および適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤塗料を作製した。
次いで、図2(a)に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
次いで、負極絶縁体層13として、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)を適量の水に分散した塗料を、図2(b)に示したように、負極板14のスリット加工面および切断面に塗布し、乾燥させて負極絶縁体層13の被膜を形成した負極板14を製作した。このとき、負極絶縁体層13が負極合剤層12表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回して構成し、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPFを1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリチウムイオン二次電池を実施例1とした。
まず、実施例1と同様な正極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図3(a)に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
次いで、正極絶縁体層3として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を適量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した塗料を正極板4のスリット加工面および切断面と、正極合剤層2の塗布端面15に塗布し、乾燥させて正極絶縁体層3の被膜を形成した正極板4を製作した。このとき、正極絶縁体層3が正極合剤層2および正極集電体1の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
一方、実施例1と同様な負極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図3(a)に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
次いで、負極絶縁体層13として、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)を適量の水に分散した塗料を、図3(b)に示したように、負極板14のスリット加工面および切断面と、負極合剤層12の塗布端面15に塗布し、乾燥させて負極絶縁体層13の被膜を形成した負極板14を製作した。このとき、負極絶縁体層13が負極合剤層12および負極集電体11の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回して構成し、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPFを1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリチウムイオン二次電池を実施例2とした。
まず、実施例1と同様な正極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図4(a)に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
次いで、正極絶縁体層3として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を適量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した塗料を、正極板4のスリット加工面および切断面と正極合剤層2の塗布端面15に塗布し、乾燥させて正極絶縁体層3の被膜を形成した正極板4を製作した。このとき、正極絶縁体層3が正極合剤層2および正極集電体1の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
一方、実施例1と同様な負極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図4(a
)に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
次いで、負極絶縁体層13として、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)を適量の水に分散した塗料を、図4(b)に示したように、負極板14のスリット加工面および切断面と、負極合剤層12の塗布端面15に塗布し、乾燥させて負極絶縁体層13の被膜を形成した負極板14を製作した。このとき、負極絶縁体層13が負極合剤層12および負極集電体11の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回構成し、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPF6を1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリチウムイオン二次電池を実施例3とした。
まず、実施例1と同様な正極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図5(a)に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
次いで、正極絶縁体層3として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を適量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した塗料を正極板4のスリット加工面および切断面と、正極合剤層2の塗布端面15に塗布し、乾燥させて正極絶縁体層3の被膜を形成した正極板4を製作した。このとき、正極絶縁体層3が正極合剤層2および正極集電体1の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
一方、実施例1と同様な負極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図5(a)に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
次いで、負極絶縁体層13として、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)を適量の水に分散した塗料を図5(b)に示したように、負極板14のスリット加工面および切断面と、負極合剤層12の塗布端面15に塗布し、乾燥させて負極絶縁体層13の被膜を形成した負極板14を製作した。このとき、負極絶縁体層13が負極合剤層12および負極集電体11表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回構成し、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPFを1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリ
チウムイオン二次電池を実施例4とした。
まず、実施例1と同様な正極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図6(a)に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
次いで、正極絶縁体層3として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を適量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した塗料を正極板4のスリット加工面および切断面と、正極合剤層2の塗布端面15に塗布し、乾燥させて正極絶縁体層3の被膜を形成した正極板4を製作した。このとき、正極絶縁体層3が正極合剤層2および正極集電体1の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
一方、実施例1と同様な負極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図6(a)に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
次いで、負極絶縁体層13としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)を適量の水に分散した塗料を図6(b)に示したように、負極板14のスリット加工面および切断面と、負極合剤層12の塗布端面15に塗布し、乾燥させて負極絶縁体層13の被膜を形成した負極板14を製作した。このとき、負極絶縁体層13が負極合剤層12および負極集電体11の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回構成し、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPFを1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリチウムイオン二次電池を実施例5とした。
まず、実施例1と同様な正極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図7(a)に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
次いで、正極絶縁体層3として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を適量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した塗料を正極板4のスリット加工面および切断面と、正極合剤層2の塗布端面15に塗布し、乾燥させて正極絶縁体層3の被膜を形成した正極板4を製作した。このとき、正極絶縁体層3が正極合剤層2および正極集電体1の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
一方、実施例1と同様な負極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図7(a)に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
次いで、負極絶縁体層13として、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)を適量の水に分散した塗料を図7(b)に示したように、負極板14のスリット加工面および切断面、負極合剤層12の塗布端面15に塗布し、乾燥させて負極絶縁体層13の被膜を形成した負極板14を製作した。このとき、負極絶縁体層13が負極合剤層12および負極集電体11の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回構成し、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPF6を1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリチウムイオン二次電池を実施例6とした。
まず、実施例1と同様な正極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図8(a)に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
次いで、正極絶縁体層3として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を適量のN−メチル−2−ピロリドンに溶解した塗料を正極板4のスリット加工面および切断面と、正極合剤層2の塗布端面15に塗布し、乾燥させて正極絶縁体層3の被膜を形成した正極板4を製作した。このとき、正極絶縁体層3が正極合剤層2および正極集電体1の表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
一方、実施例1と同様な負極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図8(a)に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
次いで、負極絶縁体層13として、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)を適量の水に分散した塗料を図8(b)に示したように、負極板14のスリット加工面および切断面と、負極合剤層12の塗布端面15に塗布し、乾燥させて負極絶縁体層13の被膜を形成した負極板14を製作した。このとき、負極絶縁体層13が負極合剤層12および負極集電体11表面上に少量塗布されるが電池特性に問題ない。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回構成し
、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPFを1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリチウムイオン二次電池を実施例7とした。
(比較例1)
まず、実施例1と同様な正極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図10に示したように、この塗料を厚みが15μmであるアルミニウム箔の正極集電体1の両面に塗布し、乾燥後に片面の正極合剤層2の厚みが100μmとなる正極板4を作製した。さらに、この正極板4を総厚が165μmとなるようにプレスすることで、正極合剤層2の片面の厚みが75μmとなるように、アルミニウム箔の正極集電体1上に正極合剤層2を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、正極板4を作製した。
一方、実施例1と同様な負極合剤塗料を用い、実施例1と同様の方法により、図10に示したように、厚みが10μmである銅箔の負極集電体11に塗布し、乾燥後に片面の負極合剤層12の厚みが110μmとなる負極板14を作製した。さらに、この負極板14を総厚が180μmとなるようにプレスすることで、負極合剤層12の片面の厚みが85μmとなるように、負極集電体11上に負極合剤層12を形成した後、図9に示した円筒形のリチウムイオン二次電池で規定する幅にスリット加工し、負極板14を作製した。
これらの正極板4、負極板14および厚みが20μmであるセパレータ5を捲回構成し、電池ケース21内に挿入し、EC・DMC・MEC混合溶媒にLiPFを1MとVCを3重量部溶解させた電解液を、添加して封口し、図9に示すように作製した円筒形のリチウムイオン二次電池を比較例1とした。
上記の条件で作製された電極板について、以下の内容で評価を行った。正極板、負極板およびセパレータを捲回して電極群を構成した後、電極群を解体し正極板および負極板の合剤脱落の発生率について評価を行った。また、電極板を用いて作製したリチウムイオン二次電池の内部短絡の発生率について評価を行った。評価の結果を(表1)に示す。
Figure 2010009818
(表1)の結果より正極集電体1または負極集電体11の少なくともいずれか一方の切断面を、正極絶縁体層3または負極絶縁体層13で被覆せずに製作した電極板で捲回した電極群およびその電極群を用いて製作した比較例1に比べ、正極集電体1または負極集電体11の少なくともいずれか一方の切断面を絶縁体層で被覆する構成とした実施例1〜7の電極群およびそれを用いて製作したリチウムイオン二次電池は、捲回して電極群を構成した時の正極合剤層2または負極合剤層12の脱落を抑止し、電池内部短絡を抑制できる
これは、実施例1〜7の正極板4または負極板14は図2(a)に示したように、正極集電体1または負極集電体11の少なくともいずれか一方の切断面を正極絶縁体層3および負極絶縁体層13で被覆する構成としたことにより、正極集電体1または負極集電体11に発生する切断片によるセパレータ5の破損や、切断片の一部が脱落して発生するセパレータ5の破損もしくは、電池内部短絡を抑制することができ、また、正極合剤塗料および負極合剤塗料を塗布した部分の切断面からの正極合剤層2または負極合材層12の一部が脱落し、捲回または積層された電極群の内部への混入より発生するセパレータ5の破損を防止し、正極板4および負極板14の内部短絡を抑制していると思われる。
以上の結果から、正極集電体1または負極集電体11に発生する切断片によるセパレータ5の破損や、切断片の一部が脱落して発生するセパレータ5の破損もしくは電池内部短絡を抑制することができ、また、正極合剤塗料および負極合剤塗料を塗布した部分の切断面からの電極合剤の一部が脱落し、捲回または積層された電極群の内部への混入より発生するセパレータ5の破損を防止し、正極板4および負極板14の内部短絡を抑制することができる電極板およびそれを用いた非水系二次電池の製作が実現可能である。
本発明に係る非水系二次電池は、正極板または負極板の少なくともいずれか一方の切断面を絶縁体層で被覆する構成としたことにより、正極集電体または負極集電体に発生するバリによるセパレータの破損や、バリの一部が脱落して発生するセパレータの破損もしくは電池内部短絡を抑制することができ、また、正極合剤塗料および負極合剤塗料を塗布した部分の塗布端面または切断面からの電極合剤の一部が脱落し、捲回または積層された電極群の内部への混入より発生するセパレータの破損を防止し正極板および負極板の内部短絡を抑制することが可能であり、発熱による熱暴走を引き起こす事態を回避でき、安全性に優れているため電子機器および通信機器の多機能化に伴って高容量化が望まれている携帯用電源等として有用である。
(a)本発明の一実施の形態における絶縁体層塗布前の電極群の一部を示す斜視図、(b)本発明の一実施の形態における絶縁体層塗布後の電極群の一部を示す斜視図 (a)本発明の一実施の形態における絶縁体層塗布後の状態の電極板を示す斜視図、(b)本発明の一実施の形態における絶縁体層塗布後の状態を示す電極板の上面図 (a)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態の電極板を示す斜視図、(b)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態を示す電極板の上面図 (a)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態の電極板を示す斜視図、(b)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態を示す電極板の上面図 (a)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態の電極板を示す斜視図、(b)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態を示す電極板の上面図 (a)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態の電極板を示す斜視図、(b)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態を示す電極板の上面図 (a)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態の電極板を示す斜視図、(b)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態を示す電極板の上面図 (a)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態の電極板を示す斜視図、(b)本発明における別の実施の形態における絶縁体層塗布後の状態を示す電極板の上面図 本発明の一実施の形態に係る円筒形二次電池の一部切欠斜視図 比較例1における電極板を示す斜視図 従来例における電池を示す摸式図 (a)従来例における電極板を示す斜視図、(b)従来例における電池を示す断面図 (a)従来例における電極群を示す断面図、(b)従来例における電極板端部の拡大断面図
符号の説明
1 正極集電体
2 正極合剤層
3 正極絶縁体層
4 正極板
5 セパレータ
11 負極集電体
12 負極合剤層
13 負極絶縁体層
14 負極板
15 塗布端面
20 絶縁板
21 電池ケース
22 封口板
23 封口ガスケット
24 電極群
25 正極板
26 正極リード
27 負極板
28 負極リード
29 セパレータ

Claims (6)

  1. 少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散した正極合剤塗料を正極集電体の両面に塗布して正極合剤層を形成した正極板、または少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散した負極合剤塗料を負極集電体の上に塗布して負極合剤層を形成した負極板からなる非水系二次電池用電極板であって、前記正極板または負極板の切断面を絶縁体層で被覆した構成とすることを特徴とする非水系二次電池用電極板。
  2. 前記切断面を前記正極集電体または負極集電体の切断面としたことを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用電極板。
  3. 前記切断面を前記正極集電体と前記正極合剤層または負極集電体と負極合剤層の切断面としたことを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用電極板。
  4. 前記正極板における正極合剤層の塗布端面または前記負極板における負極合剤層の塗布端面の少なくともいずれか一方も絶縁体層で被覆する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用電極板。
  5. 前記絶縁体層を少なくとも無機添加剤と結着材からなる絶縁性塗料で構成したことを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用電極板。
  6. 少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散した正極合剤塗料を正極集電体の両面に塗布して正極合剤層を形成した正極板と、少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散した負極合剤塗料を負極集電体の両面に塗布して負極合剤層を形成した負極板とをセパレータを介して捲回あるいは積層した電極群と、非水溶媒からなる電解液により構成される非水系二次電池であって、前記正極板または負極板の少なくともいずれか一方に請求項1〜5のいずれかに記載の電極板を用いたことを特徴とする非水系二次電池。
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