JP2009134916A - 非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】集電体に塗布形成される電極合剤層の塗布形状および塗布位置を制御することにより、高容量化のために必要な電極活物質の量は維持したままで電極板の切れおよび電極合剤層の脱落を抑止し、信頼性の高い非水系二次電池を提供するものである。
【解決手段】正極集電体1の上に巻回方向の両端部が肉薄の正極合剤層2cを塗布形成した正極板5と負極集電体6の上に巻回方向の両端部が肉薄の負極合剤層7cを塗布形成した負極板10とセパレータ11とを図中の矢印方向に巻回することで外周に巻かれる正極板5および負極板10の曲率を小さくし、真円に近い電極群12を構成することを特徴とするものである。
【選択図】図3
【解決手段】正極集電体1の上に巻回方向の両端部が肉薄の正極合剤層2cを塗布形成した正極板5と負極集電体6の上に巻回方向の両端部が肉薄の負極合剤層7cを塗布形成した負極板10とセパレータ11とを図中の矢印方向に巻回することで外周に巻かれる正極板5および負極板10の曲率を小さくし、真円に近い電極群12を構成することを特徴とするものである。
【選択図】図3
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池に関し、特に非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池に関するものである。
近年、携帯用電子機器の電源として利用が広がっている非水系二次電池としてのリチウムイオン二次電池は、負極板にリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素質材料等を用い、正極板にLiCoO2等の遷移金属とリチウムの複合酸化物を活物質として用いており、これによって、高電位で高放電容量のリチウムイオン二次電池を実現している。しかし、近年の電子機器および通信機器の多機能化に伴って更なるリチウムイオン二次電池の高容量化が望まれている。
ここで、高容量のリチウムイオン二次電池を実現するための発電要素である電極板としては、正極板および負極板ともに各々の構成材料を塗料化した合剤塗料を集電体上に塗布し乾燥後、プレス等により規定の厚みまで圧縮する方法が用いられている。この際、より多くの活物質を充填してプレスすることにより活物質密度が高くなり、一層の高容量化が可能となる。
しかし、電極板の活物質密度を高くすると、電極板の柔軟性が不足し、電極板をシート形状で加工する際および電極板を巻回する際に電極板の切れが発生するという課題があった。
そこで、電極板の巻回時に集電体に切れを生じさせる集中応力を発生させないために、例えば図6に示すように、正極集電体21の一面に設けられた正極合剤塗料22を複数の未塗布部23により一定間隔ごとに複数の活物質層単位22Uに分割するように正極板20を構成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、電極板の巻回時にかかる巻きのストレスを無くし、電極板の割れや切れおよびセパレータの切れを防止するために、例えば図7に示すように、集電体33上に電極合剤32を形成した電極板31の表面に、巻回方向に対して垂直方向に筋溝34,35を表面側および裏面側の両面に形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、電極板の巻回時に巻きずれに起因する集電体の切れを防止するために、例えば図8に示すように、負極集電体40の上に塗布形成された表面の負極合剤層41および裏面の負極合剤層42と正極集電体44の上に塗布形成された表面の正極合剤層45および裏面の正極合剤層46の厚みを一方端から他方端に向い漸次増加させた負極板43と正極板47とを巻回中心49を軸にセパレータ48を介して矢印の方向に巻回する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−343340号公報
特開平10−154506号公報
特開2002−100393号公報
しかしながら、電極板の表面に電極合剤層の未塗布部または電極合剤層への筋溝を設ける従来技術においては、電極板中に含まれる電極活物質の減量は避けられず、高容量化のために必要な電極活物質の量を確保したまま、電極板に充分な柔軟性を付与し、特に電極
群を構成する際に電極板にかかる曲げ応力による電極板の切れを防止することが困難であるという課題を有していた。
群を構成する際に電極板にかかる曲げ応力による電極板の切れを防止することが困難であるという課題を有していた。
さらに詳しくは、上述した特許文献1の従来技術では電極板の柔軟性は得られるものの、電極板上に複数個の未塗布部を設けることで集電体上の活物質量が減少し高容量のリチウム二次電池を実現することは難しい。
また、上述した特許文献2の従来技術ではアルカリ二次電池のような電極板の厚みが厚い場合に筋溝を形成することは電極板の割れやセパレータの切れを防止するために有用である。しかし、電極板の厚みが薄いリチウムイオン二次電池においては、形成する筋溝の形状や深さ、およびその形成方法により逆に電極板の切れを起こし易くなる等の不具合を引き起こす場合がある。
さらに、上述した特許文献3の従来技術では電極板の巻回時に巻きずれに起因した集電体の切れは防止できるが、電極板の一方端から他方端に向い漸次増加させて電極合剤塗料を塗布形成することは非常に困難であり、しかも電極群を構成する際に電極板にかかる曲げ応力の集中に関しては課題が解決されておらず、電極板の切れのないリチウムイオン二次電池を実現することは難しい。
本発明は上記従来の課題を鑑みてなされたもので、集電体に塗布形成される電極合剤層の塗布形状を制御することにより、高容量化のために必要な電極活物質の量は維持したままで電極群を構成する際に電極板に掛かる曲げ応力による電極板の切れを防止することを目的とするものである。
上記従来の課題を解決するために本発明の非水系二次電池用電極板は、少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散させた正極合剤塗料を正極集電体の上に塗布した正極板または少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散させた負極合剤塗料を負極集電体の上に塗布した負極板からなる非水系二次電池用電極板であって、正極集電体または負極集電体に塗布形成される正極合剤層はたは負極合剤層の巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように塗布形成したことを特徴とするものである。
本発明の非水系二次電池用電極板によると、集電体に塗布形成される電極合剤層の巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように塗布形成することにより、電極群を巻回時に電極合剤層の端部によって電極板の曲率が大きくなることで発生する応力集中を低減することが可能であり電極板の切れを抑制することができる。
本発明の第1の発明においては、少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散させた正極合剤塗料を正極集電体の上に塗布した正極板または少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散させた負極合剤塗料を負極集電体の上に塗布した負極板からなる非水系二次電池用電極板であって、正極集電体または負極集電体に塗布形成される正極合剤層または負極合剤層の巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように塗布形成したことにより、電極群を巻回時に電極合剤層の端部の外周に位置する電極板の曲率を小さくすることが可能であり、電極群を真円に近づけることで電極板の曲率が大きくなることで発生する応力集中を緩和し電極板の切れを抑制することができる。
本発明の第2の発明においては、少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散させた正極合剤塗料を正極集電体の上に塗布した正極板と少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散させた負極合剤塗料を負極集電体の上に塗布した負極板およびセパレータを巻回して構成した電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入した非水系二次電池であって、電極群を真円に近づけるために正極板または負極板の少なくともいずれか一方を正極集電体または負極集電体に塗布形成される正極合剤層または負極合剤層の巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように構成したことにより、電極群を真円に近づけたことで電極板切れを抑止することが可能となり、信頼性の高い非水系二次電池を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の非水系二次電池としては、例えば図4に示したように複合リチウム酸化物を正極活物質とする正極板5とリチウムを保持しうる材料を負極活物質とする負極板10とをセパレータ11を介して渦巻状に巻回して電極群12が構成されている。
この電極群12を有底円筒形の電池ケース13の内部に絶縁板16と共に収容し、電極群12の下部より導出した負極リード8を電池ケース13の底部に接続し、次いで電極群12の上部より導出した正極リード3を封口板14に接続し、電池ケース13に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した後、電池ケース13の開口部に封口ガスケット15を周縁に取り付けた封口板14を挿入し電池ケース13の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口して構成することができる。
ここで、本発明の非水系二次電池用電極板としては、例えば図1(a)に示したように正極集電体1に正極合剤塗料を塗布する際の塗布量を制御することで正極集電体1に塗布形成される正極合剤層2aの巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように塗布形成した構成としている。
詳しくは、図1(a)に示したように正極合剤塗料を正極集電体1に塗布する際の塗布量を制御して塗布し、乾燥した後にプレスして円筒形非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工し、次いで正極集電体1が露出した部分に正極リード3を接続し、この正極リード3を被覆するように正極保護テープ4を貼り付けることで正極板5を構成している。
一方、負極合剤塗料を負極集電体6に塗布し、乾燥した後にプレスして負極合剤層7aを形成し、円筒形非水二次電池の規定されている幅にスリッタ加工し、次いで負極集電体6が露出した部分に負極リード8を接続し、この負極リード8を被覆するように負極保護テープ9を貼り付けることで負極板10を構成している。
これにより、本発明の非水系二次電池用電極板を用いて構成される電極群は、その部分断面図を図1(a)に示したように、巻回方向の両端部が肉薄の正極合剤層2aを有する正極板5と負極合剤層7aを有する負極板10とセパレータ11とを図中の矢印方向に巻回することで巻かれる正極板5および負極板10の曲率を小さくし、図1(b)に示す真円に近い電極群12を構成することが可能である。
以下、本発明における電極板の作製方法の一例を示す。本発明に適用される電極板は巻回して電極群を構成する際に、電極合剤層の割れや脱落が発生しない強靭性を備える必要が有る。この強靱性を発揮することができれば電極板の処方は以下の方法に限られるものではない。
まず、正極板5については特に限定されないが正極集電体1として厚みが5μm〜30μmを有するアルミニウムやアルミニウム合金またはニッケルやニッケル合金製の金属箔を用いることができる。この正極集電体1の上に塗布する正極合剤塗料としては正極活物質、導電材、結着材とを分散媒中にプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散させて正極合剤塗料が作製される。
まず、正極活物質、導電材、結着材を適切な分散媒中に入れ、プラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、集電体への塗布に最適な粘度に調整して混練を行うことで正極合剤塗料を作製することができる。
正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウムおよびその変性体(コバルト酸リチウムにアルミニウムやマグネシウムを固溶させたものなど)、ニッケル酸リチウムおよびその変性体(一部ニッケルをコバルト置換させたものなど)、マンガン酸リチウムおよびその変性体などの複合酸化物を挙げることができる。
このときの導電材種としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、各種グラファイトを単独、あるいは組み合わせて用いても良い。
このときの正極用結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリレート単位を有するゴム粒子結着剤等を用いることができ、この際に反応性官能基を導入したアクリレートモノマー、またはアクリレートオリゴマーを結着剤中に混入させることも可能である。
さらに、ダイコーターを用いて上記のように作製した正極合剤塗料をアルミニウム箔からなる正極集電体1上に塗布し、次いで乾燥した後にプレスにて所定厚みまで圧縮することで正極板5が得られる。
一方、負極板10についても特に限定されないが、負極集電体6として厚みが5μm〜25μmを有する銅または銅合金製の金属箔を用いることができる。この負極集電体6の上に塗布する負極合剤塗料としては、負極活物質、結着材、必要に応じて導電材、増粘剤を分散媒中にプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散させて負極合剤塗料が作製される。
まず、負極活物質、結着材を適切な分散媒中に入れ、プラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、集電体への塗布に最適な粘度に調整して混練を行うことで負極合剤塗料を作製することができる。
負極用活物質としては、各種天然黒鉛および人造黒鉛、シリサイドなどのシリコン系複合材料、および各種合金組成材料を用いることができる。
このときの負極用結着材としてはPVdFおよびその変性体をはじめ各種バインダーを用いることができるが、リチウムイオン受入れ性向上の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)およびその変性体に、カルボキシメチルセルロース(CMC)をはじめとするセルロース系樹脂等を併用することや少量添加するのがより好ましいといえる。
さらに、ダイコーターを用いて上記のように作製した負極合剤塗料を銅箔からなる負極集電体6上に塗布し、次いで乾燥した後にプレスにて所定厚みまで圧縮することで負極板
10が得られる。
10が得られる。
電解液については、電解質塩としてLiPF6およびLiBF4などの各種リチウム化合物を用いることができる。また溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)を単独および組み合わせて用いることができる。また正負極上に良好な皮膜を形成させることや過充電時の安定性を保証するために、ビニレンカーボネート(VC)やシクロヘキシルベンゼン(CHB)およびその変性体を用いることも好ましい。
セパレータ11については、リチウムイオン二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが一般的でありまた態様として好ましい。このセパレータ11の厚みは特に限定されないが、10〜25μmとすれば良い。
以下、本発明の具体的な一実施例について図面および表を参照しながらさらに詳しく説明する。
まず、活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。
次いで、図1(a)に示したように上述の正極合剤塗料を厚みが15μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体1に正極合剤塗料の塗布量を制御することで両端部がなだらかな傾斜をもつように塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の正極合剤層2aの厚みが70μmで正極合剤層2aの端部が端部になるほど肉薄となる正極板5を作製した。その後に円筒型非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して正極板5を作製した。
さらに、この正極板5の正極集電体1が露出した部分に正極リード3を接続し、この正極リード3を被覆するように正極保護テープ4を貼り付けることで正極板5を構成した。
一方、負極の活物質として人造黒鉛を100重量部、結着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着剤の固形分換算で1重量部)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部、および適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤塗料を作製した。
次いで、図1(a)に示したように上述の負極合剤塗料を厚みが10μmの銅箔よりなる負極集電体6に塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の負極合剤層7aの厚みが80μmとなる負極板10を作製した。ここで、塗布形成された負極合剤層7aは図1(a)に示したように始端部がやや盛り上がり終端部はややだれた形状となった。その後に円筒形非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して負極板10を作製した。
さらに、この負極板10の負極集電体6が露出した部分に負極リード8を接続し、この負極リード8を被覆するように負極保護テープ9を貼り付けることで負極板10を構成した。
以上のようにして作製した正極板5および負極板10を図1(a)に示したようにセパ
レータ11を介し巻回機を用いて10Nの張力で矢印の方向に巻回して図1(b)に示した電極群12を構成し、電極群12の最外周を粘着デープで固定したものを実施例1のリチウム二次電池用電極群とした。この電極群12は図5(a)に示したように端部が肉薄に塗布形成されていない正極板5および負極板10を用いた電極群12に比べて、より真円に近い状態で電極群12を構成することが可能であった。
レータ11を介し巻回機を用いて10Nの張力で矢印の方向に巻回して図1(b)に示した電極群12を構成し、電極群12の最外周を粘着デープで固定したものを実施例1のリチウム二次電池用電極群とした。この電極群12は図5(a)に示したように端部が肉薄に塗布形成されていない正極板5および負極板10を用いた電極群12に比べて、より真円に近い状態で電極群12を構成することが可能であった。
本発明の一実施例について図面および表を参照しながら説明する。まず、活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。
次いで、図2(a)に示したように上述の正極合剤塗料を厚みが15μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体1に塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の正極合剤層2bの厚みが70μmとなる正極板5を作製した。ここで塗布形成された正極合剤層2bは図2(a)に示したように始端部がやや盛り上がり終端部はややだれた形状となった。その後に円筒型非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して正極板5を作製した。
さらに、この正極板5の正極集電体1が露出した部分に正極リード3を接続し、この正極リード3を被覆するように正極保護テープ4を貼り付けることで正極板5を構成した。
一方、負極の活物質として人造黒鉛を100重量部、結着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着剤の固形分換算で1重量部)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部、および適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤塗料を作製した。
次いで、図2(a)に示したように上述の負極合剤塗料を厚みが10μmの銅箔よりなる負極集電体6に負極合剤塗料の塗布量を制御することで両端部がなだらかな傾斜をもつように塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の負極合剤層7bの厚みが80μmで負極合剤層7bの端部が端部になるほど肉薄となる負極板10を作製した。その後に円筒形非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して負極板10を作製した。
さらに、この負極板10の負極集電体6が露出した部分に負極リード8を接続し、この負極リード8を被覆するように負極保護テープ9を貼り付けることで負極板10を構成した。
以上のようにして作製した正極板5および負極板10を図2(a)に示したようにセパレータ11を介し巻回機を用いて10Nの張力で矢印の方向に巻回して図2(b)に示した電極群12を構成し、電極群12の最外周を粘着テープで固定したものを実施例2のリチウム二次電池用電極群とした。この電極群12は図5(a)に示したように端部が肉薄に塗布形成されていない正極板5および負極板10を用いた電極群12に比べて、より真円に近い状態で電極群12を構成することが可能であった。
本発明の一実施例について図面および表を参照しながら説明する。まず、活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対し
て2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。
て2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。
次いで、図3(a)に示したように上述の正極合剤塗料を厚みが15μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体1に正極合剤塗料の塗布量を制御することで両端部がなだらかな傾斜をもつように塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の正極合剤層2cの厚みが70μmで正極合剤層2cの端部が端部になるほど肉薄となる正極板5を作製した。その後に円筒形非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して正極板5を作製した。
さらに、この正極板5の正極集電体1が露出した部分に正極リード3を接続し、この正極リード3を被覆するように正極保護テープ4を貼り付けることで正極板5を構成した。
一方、負極の活物質として人造黒鉛を100重量部、結着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着剤の固形分換算で1重量部)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部、および適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤塗料を作製した。
次いで、図3(a)に示したように上述の負極合剤塗料を厚みが10μmの銅箔よりなる負極集電体6に負極合剤塗料の塗布量を制御することで両端部がなだらかな傾斜をもつように塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の負極合剤層7cの厚みが80μmで負極合剤層7cの端部が端部になるほど肉薄となる負極板10を作製した。その後に円筒形非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して負極板10を作製した。
さらに、この負極板10の負極集電体6が露出した部分に負極リード8を接続し、この負極リード8を被覆するように負極保護テープ9を貼り付けることで負極板10を構成した。
以上のようにして作製した正極板5および負極板10を図3(a)に示したようにセパレータ11を介し巻回機を用いて10Nの張力で矢印の方向に巻回して図3(b)に示した電極群12を構成し、電極群12の最外周を粘着デープで固定したものを実施例3のリチウム二次電池用電極群とした。この電極群12は図5(a)に示したように端部が肉薄に塗布形成されていない正極板5および負極板10を用いた電極群12に比べて、より真円に近い状態で電極群12を構成することが可能であった。
(比較例1)
次いで、比較例について図面および表を参照しながら説明する。まず、活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。
次いで、比較例について図面および表を参照しながら説明する。まず、活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを適量のN−メチル−2−ピロリドンと共に双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。
次いで、図5(a)に示したように上述の正極合剤塗料を厚みが15μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体1に塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の正極合剤層2の厚みが70μmとなる正極板5を作製した。ここで、塗布形成された正極合剤層2は図5(a)に示したように始端部がやや盛り上がり終端部はややだれた形状となった。その後に円筒形非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して正極板5を作製した。
さらに、この正極板5の正極集電体1が露出した部分に正極リード3を接続し、この正極リード3を被覆するように正極保護テープ4を貼り付けることで正極板5を構成した。
一方、負極の活物質として人造黒鉛を100重量部、結着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着剤の固形分換算で1重量部)、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部、および適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤塗料を作製した。
次いで、図5(a)に示したように上述の負極合剤塗料を厚みが10μmの銅箔よりなる負極集電体6に塗布し、乾燥した後にプレスすることで片面側の負極合剤層7の厚みが80μmとなる負極板10を作製した。ここで、塗布形成された負極合剤層7は図5(a)に示したように始端部がやや盛り上がり終端部はややだれた形状となった。その後に円筒形非水系二次電池の規定されている幅にスリッタ加工して負極板10を作製した。
さらに、この負極板10の負極集電体6が露出した部分に負極リード8を接続し、この負極リード8を被覆するように負極保護テープ9を貼り付けることで負極板10を構成した。
以上のようにして作製した正極板5および負極板10を図5(a)に示したようにセパレータ11を介し巻回機を用いて10Nの張力で矢印の方向に巻回して図5(b)に示した電極群12を構成し、電極群12の最外周を粘着テープで固定したものを比較例1のリチウムイオン二次電池用電極群とした。
上記の条件で作製されたリチウムイオン二次電池用電極群について、正極板5、負極板10およびセパレータ11を巻回して電極群12を構成した後に電極群12を解体し正極板5および負極板10の電極板の切れおよび電極群の巻きずれの有無について評価を行った結果を(表1)に示す。
(表1)より明らかなように正極板を端部になるほど肉薄となる電極合剤層を塗布形成した実施例1と負極板を端部になるほど肉薄となる電極合剤層を塗布形成した実施例2および正極板と負極板を端部になるほど肉薄となる電極合剤層を塗布形成した実施例3においては、正極板と負極板の始端が盛上り終端はだれた形状の電極合剤層を塗布形成した比較例1に比べ電極板の切れの発生率および電極巻きずれの発生率の低減に改善がみられ比較例1に比べて高品質なリチウム二次電池を得ることができた。
一方、比較例1の電極板においては実施例1〜3に比べ正極合剤層2および負極合剤層
7の端部の影響により正極板5および負極板7の曲率が増大し、電極板の切れの発生率が高い巻回状態となることが分かった。さらに正極板5および負極板7の曲率増大部すなわち曲率半径の小さい部分の正極合剤層2および負極合剤層7は内外周にわたりランダムな箇所での剥がれかつ巻きの幅方向に完全に切れないまでも部分的な電極板の切れを引起し電極板巻きずれ発生率の一員となることが分かった。
7の端部の影響により正極板5および負極板7の曲率が増大し、電極板の切れの発生率が高い巻回状態となることが分かった。さらに正極板5および負極板7の曲率増大部すなわち曲率半径の小さい部分の正極合剤層2および負極合剤層7は内外周にわたりランダムな箇所での剥がれかつ巻きの幅方向に完全に切れないまでも部分的な電極板の切れを引起し電極板巻きずれ発生率の一員となることが分かった。
図1(a)に示したように、端部になるほど肉薄となる正極合剤層2aを塗布形成した正極板5と始端部が盛上り終端部はだれた形状の負極合剤層7aを塗布形成した負極板10とをセパレータ11を介し巻回して構成した実施例1の電極群12を、図4に示したように有底円筒形の電池ケース13の内部に絶縁板16と共に収容し、電極群12の下部より導出した負極リード8を電池ケース13の底部に接続する。
次いで電極群12の上部より導出した正極リード3を封口板14に接続し、電池ケース13に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した後に電池ケース13の開口部に封口ガスケット15を周縁に取り付けた封口板14を挿入し電池ケース13の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口することにより非水系二次電池を作製し実施例1の非水系二次電池とした。
また、図2(a)に示したように、始端部が盛上り終端部はだれた形状の正極合剤層2bを塗布形成した正極板5と端部になるほど肉薄となる負極合剤層7bを塗布形成した負極板10とをセパレータ11を介し巻回して構成した実施例2の電極群12を、図4に示したように有底円筒形の電池ケース13の内部に絶縁板16と共に収容し、電極群12の下部より導出した負極リード8を電池ケース13の底部に接続する。
次いで電極群12の上部より導出した正極リード3を封口板14に接続し、電池ケース13に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した後に電池ケース13の開口部に封口ガスケット15を周縁に取り付けた封口板14を挿入し電池ケース13の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口することにより非水系二次電池を作製し実施例2の非水系二次電池とした。
また、図3(a)に示したように、端部になるほど肉薄となる正極合剤層2cを塗布形成した正極板5と端部になるほど肉薄となる負極合剤層7cを塗布形成した負極板10とをセパレータ11を介し巻回して構成した実施例1の電極群12を、図4に示したように有底円筒形の電池ケース13の内部に絶縁板16と共に収容し、電極群12の下部より導出した負極リード8を電池ケース13の底部に接続する。
次いで電極群12の上部より導出した正極リード3を封口板14に接続し、電池ケース13に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した後に電池ケース13の開口部に封口ガスケット15を周縁に取り付けた封口板14を挿入し電池ケース13の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口することにより非水系二次電池を作製し実施例3の非水系二次電池とした。
さらに、図5(a)に示したように、始端部が盛上り終端部はだれた形状の正極合剤層2を塗布形成した正極板5と始端部が盛上り終端部はだれた形状の負極合剤層7を塗布形成した負極板10とをセパレータ11を介し巻回して構成した比較例1の電極群12を図4に示したように、有底円筒形の電池ケース13の内部に絶縁板16と共に収容し、電極群12の下部より導出した負極リード8を電池ケース13の底部に接続する。
次いで電極群12の上部より導出した正極リード3を封口板14に接続し、電池ケース
13に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した後に電池ケース13の開口部に封口ガスケット15を周縁に取り付けた封口板14を挿入し電池ケース13の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口することにより非水系二次電池を作製し比較例1の非水系二次電池とした。
13に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した後に電池ケース13の開口部に封口ガスケット15を周縁に取り付けた封口板14を挿入し電池ケース13の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口することにより非水系二次電池を作製し比較例1の非水系二次電池とした。
上記非水系二次電池において、非水系二次電池を作製後にこれらの電極群12を電池ケース13より取り出した後に解体して観察したところ、実施例1〜3の正極板5、負極板10ともに電極板の切れや電極合剤層の脱落などの不具合は認められなかった。さらに、実施例1〜3の非水系二次電池を500サイクル充放電させたが、サイクル特性の劣化もなく500サイクル後に非水系二次電池および電極群12を解体したところリチウム析出や電極合剤層の脱落などの不具合は認められなかった。
一方で、比較例1の非水系二次電池においては300サイクル近傍でサイクル特性の劣化が認められた。そこで、300サイクル後に非水系二次電池および電極群12を解体したところ部分的に電極板の切れおよび局所的に電極合剤層の脱落が観察された。これは、正極合剤層2および負極合剤層7の端部の影響により正極板5および負極板7の曲率が増大し、充放電を繰り返すことで正極板5および負極板7が膨張と収縮を繰り返し電極板の切れが発生しやすい状態になっていたものと考えられる。
なお、本実施例1〜3は正極板および負極板に正極リードまたは負極リードを接続した形態を用いているが、電極板の電池容器外部への集電形態はこれに限定するもではなく電極分群の両端に集電体の露出部を吐出させ、ここに集電端子板を溶接などで接続する構成としてもよい。
本発明に係る非水系二次電池は、合剤層の成形時に巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように塗布形成したことにより巻回時の曲率のバラツキを低減し、電極集電体の切れを低減することで、電池の製造工程のみならず携帯用として用いられ、多くの衝撃による集電体の切れを抑制することができ、使用時の信頼性が望まれる携帯用電源等として有用である。
1 正極集電体
2,2a,2b,2c 正極合剤層
3 正極リード
4 正極保護テープ
5 正極板
6 負極集電体
7,7a,7b,7c 負極合剤層
8 負極リード
9 負極保護テープ
10 負極板
11 セパレータ
12 電極群
13 電池ケース
14 封口板
15 封口ガスケット
16 絶縁板
2,2a,2b,2c 正極合剤層
3 正極リード
4 正極保護テープ
5 正極板
6 負極集電体
7,7a,7b,7c 負極合剤層
8 負極リード
9 負極保護テープ
10 負極板
11 セパレータ
12 電極群
13 電池ケース
14 封口板
15 封口ガスケット
16 絶縁板
Claims (2)
- 少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散させた正極合剤塗料を正極集電体の上に塗布した正極板または少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散させた負極合剤塗料を負極集電体の上に塗布した負極板からなる非水系二次電池用電極板であって、前記正極集電体または負極集電体に塗布形成される正極合剤層または負極合剤層の巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように塗布形成したことを特徴とした非水系二次電池用電極板。
- 少なくともリチウム含有複合酸化物よりなる活物質、導電材および結着材を分散媒にて混練分散させた正極合剤塗料を正極集電体の上に塗布した正極板と少なくともリチウムを保持しうる材料よりなる活物質および結着材を分散媒にて混練分散させた負極合剤塗料を負極集電体の上に塗布した負極板およびセパレータを巻回して構成した電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入した非水系二次電池であって、前記電極群を真円に近づけるために前記正極板または負極板の少なくともいずれか一方を前記正極集電体または負極集電体に塗布形成される正極合剤層または負極合剤層の巻回方向の端部を端部になるほど肉薄となるように構成したことを特徴とする非水系二次電池。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007308472A JP2009134916A (ja) | 2007-11-29 | 2007-11-29 | 非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=40866619
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9991563B2 (en) | 2015-05-29 | 2018-06-05 | Gs Yuasa International Ltd. | Energy storage device and energy storage apparatus |
US10483594B2 (en) | 2015-01-20 | 2019-11-19 | Panasonic Corporation | Positive electrode plates for nonaqueous electrolyte secondary batteries, and nonaqueous electrolyte secondary batteries |
CN113571777A (zh) * | 2021-07-19 | 2021-10-29 | 恒大新能源汽车投资控股集团有限公司 | 卷绕式电芯及锂离子电池 |
WO2024004630A1 (ja) * | 2022-06-29 | 2024-01-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質二次電池 |
-
2007
- 2007-11-29 JP JP2007308472A patent/JP2009134916A/ja not_active Withdrawn
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