JP2008243704A - 円筒型非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】渦巻状に巻回された電極群の巻回中心部においても電解液の浸透性が向上した円筒型非水電解質電池を提供する。
【解決手段】本発明の円筒型非水電解質電池A,B,Cは、リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させてなる正極30と、リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させてなる負極20とを備えるとともに、正極30と負極20との間にセパレータ40が配置されてこれらが負極集電体を兼ねる巻芯10により渦巻状に巻回された渦巻状電極群を電解液とともに円筒状外装缶50内に備えている。そして、負極20の巻回中心側となる負極芯体の端部側に負極活物質が保持されない芯体露出部が形成されていて、この芯体露出部に負極集電体を兼ねる巻芯10が溶接されているとともに、芯体露出部に開孔が形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の円筒型非水電解質電池A,B,Cは、リチウムを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させてなる正極30と、リチウムを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させてなる負極20とを備えるとともに、正極30と負極20との間にセパレータ40が配置されてこれらが負極集電体を兼ねる巻芯10により渦巻状に巻回された渦巻状電極群を電解液とともに円筒状外装缶50内に備えている。そして、負極20の巻回中心側となる負極芯体の端部側に負極活物質が保持されない芯体露出部が形成されていて、この芯体露出部に負極集電体を兼ねる巻芯10が溶接されているとともに、芯体露出部に開孔が形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、携帯用電子機器などの駆動電源に用いられる円筒型非水電解質電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末に代表される携帯用電子機器の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、このような携帯用電子機器の駆動電源として広く利用されている。特に、有底円筒形の外装缶に渦巻状の電極群を挿入して形成された円筒型非水電解質電池は、正極と負極との対向面積が大きくて大電流を取り出しやすいことから、上記の如き携帯用電子機器の用途に広く用いられている。
特に、近年、比較的小型の円筒型非水電解質電池として、放電容量が大きく、かつ内部短絡が発生しにくい円筒型非水電解質電池が特許文献1(特開2005−85507公報)、特許文献2(特開2005−85553号公報)、特許文献3(特開2005−85556号公報)などで提案されるようになった。これらの各特許文献1〜3で提案された円筒型非水電解質電池においては、リチウムイオンを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させてた正極と、リチウムイオンを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させた負極との間にセパレータを配置して積層し、これらが導電性巻芯体(集電ピン)により巻回されて形成された渦巻状電極群を電解液とともに外装缶内に備えるようにしている。この場合、負極芯体の巻回中心側の端部と導電性巻芯体(集電ピン)とが、導電性巻芯体の長手方向に沿った2以上の箇所で点溶接されており、導電性巻芯体が負極外部端子を兼ねるようになされている。
このような各特許文献1〜3にて提案されたリチウムイオン電池においては、負極外部端子となる巻回軸を兼ねる集電ピンが負極に溶接されているため、後の工程で集電タブを外部端子となる封口体に溶接する必要がなくなる。このため、複雑な溶接工程が不要となって、比較的小径の電池を作製するのに適しているとともに、集電ピンを通して集電しているため、高出力が得やすいという利点もあった。
特開2005−85507号公報
特開2005−85553号公報
特開2005−85556号公報
しかしながら、上述した各特許文献1〜3にて提案された円筒型非水電解質電池においては、渦巻状に巻回された電極群の巻回中心に集電ピンを備えるようにしている。このため、渦巻状に巻回された際の押圧力により、渦巻状に巻回された電極群の巻回中心部においては電解液が浸透しにくくなる。これにより、充放電サイクルを繰り返すに伴って、巻回中心部の負極活物質において失活が生じるようになって、十分に負極活物質が利用できなくなるという問題が生じた。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、渦巻状に巻回された電極群の巻回中心部においても電解液の浸透性が向上した円筒型非水電解質電池を提供することを目的とするものである。
本発明の円筒型非水電解質電池は、リチウムイオンを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させた正極と、リチウムイオンを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させた負極とを備えるとともに、正極と負極との間にセパレータが配置されてこれらが負極集電体を兼ねる巻芯により渦巻状に巻回された渦巻状電極群を電解液とともに外装缶内に備えている。そして、上記課題を解決するために、負極の巻回中心側となる負極芯体の端部側に負極活物質が保持されていない芯体露出部が形成されていて、この芯体露出部に負極集電体を兼ねる巻芯が溶接されているとともに、芯体露出部に開孔が形成されていることを特徴とする。
このように芯体露出部に開孔が形成されていると、この開孔部を通して負極内に電解液が浸透しやすくなる。これにより、負極の巻き始め部分の負極活物質層への電解液の供給が図られるようになり、当該部分での負極活物質の失活が防止できるようになる。この結果、充放電サイクルでの容量劣化を抑制することができ、サイクル特性が向上した円筒型非水電解質電池を提供できるようになる。また、渦巻状電極群の巻始め部への電解液の浸透が速まることから、電解液の注液工程での注液能率を向上させることも可能となり、効率よくこの種の円筒型非水電解質電池を製造できるようになる。この場合、開孔は1つ以上の円形開孔あるいは切り込み部であるのが望ましい。
本発明の円筒型非水電解質電池においては、充放電サイクルにおける負極での負極活物質の失活を抑制することが可能となるので、充放電サイクルでの容量劣化を抑制でき、サイクル特性が向上した円筒型非水電解質電池を得ることが可能となる。
ついで、本発明の円筒型非水電解質電池の一実施形態を図1、図2に基づいて説明するが、本発明は以下の実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。なお、図1は本発明の円筒型非水電解質電池を模式的に示す断面図である。図2は本発明の実施例の負極板を模式的に示す正面図であり、図2(a)は実施例1の負極板を模式的に示す正面図であり、図2(b)は実施例2の負極板を模式的に示す正面図である。
1.円筒型非水電解質電池
(1)全体構成
本発明に係る円筒型非水電解質電池は、図1に示すように、負極板20の芯体露出部21a(22a)に溶接された負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)10を巻き軸として、負極板20と正極板30とがセパレータ40を挟んだ状態で巻回されて形成された渦巻状電極群が、有底筒状のアルミニウム製外装缶50内に収容されている。そして、外装缶50の開口部は、外装缶50と共に縮径加工(溝入れ加工)されている絶縁ガスケット14によって密閉されている。また、負極ピン10と外装缶50の底部との間には短絡防止のために樹脂からなる薄い平板状の絶縁体52が配置されている。
(1)全体構成
本発明に係る円筒型非水電解質電池は、図1に示すように、負極板20の芯体露出部21a(22a)に溶接された負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)10を巻き軸として、負極板20と正極板30とがセパレータ40を挟んだ状態で巻回されて形成された渦巻状電極群が、有底筒状のアルミニウム製外装缶50内に収容されている。そして、外装缶50の開口部は、外装缶50と共に縮径加工(溝入れ加工)されている絶縁ガスケット14によって密閉されている。また、負極ピン10と外装缶50の底部との間には短絡防止のために樹脂からなる薄い平板状の絶縁体52が配置されている。
この場合、正極板30の最外周部の芯体露出部に、正極板30より上方に延出して正極集電タブ31が形成されていて、この正極集電タブ31が外装缶50と絶縁ガスケット14との間に配設されて、正極集電タブ31と外装缶50とが電気的に接触するようになされている。また、渦巻状電極群の巻回軸方向の長さは、負極板20の方が正極板30よりも長く、セパレータ40は負極板20および正極板30よりも長くなるように形成されている。そして、負極板20、正極板30およびセパレータ40は帯状(巻回軸方向が短手方向)になるように形成されている。
(2)負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)
負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)10は、ステンレススチール(SUS)製であって、円筒形の巻軸本体部11と断面円形の鍔部12と、胴元部13とを備えている。そして、本体部11の底部にテーパ状部11aが形成されていて、胴元部13に高分子(例えば、ポリプロピレン)製の絶縁ガスケット14がインサート成型されている。また、絶縁ガスケット14は外装缶50の上部の縮径加工部51が縮径加工された際に、同時に縮径加工されて、外装缶50の開口部を気密、液密に封口している。
負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)10は、ステンレススチール(SUS)製であって、円筒形の巻軸本体部11と断面円形の鍔部12と、胴元部13とを備えている。そして、本体部11の底部にテーパ状部11aが形成されていて、胴元部13に高分子(例えば、ポリプロピレン)製の絶縁ガスケット14がインサート成型されている。また、絶縁ガスケット14は外装缶50の上部の縮径加工部51が縮径加工された際に、同時に縮径加工されて、外装缶50の開口部を気密、液密に封口している。
(3)負極板
本発明に係る負極板20を、以下、特に図2(a)に示す実施例1の負極板に基づいて説明する。
負極板20は、銅箔からなる負極芯体21の両面に負極活物質スラリーが塗布されて形成されており、負極活物質スラリーが乾燥されることにより負極活物質層21bが形成されている。この場合、負極板20の巻回時の巻始め端部となる部分は負極活物質スラリーの未塗布となっていて、負極芯体21が露出した芯体露出部21aが形成されている。そして、この芯体露出部21aに負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)10の巻軸本体部11が溶接されている。
本発明に係る負極板20を、以下、特に図2(a)に示す実施例1の負極板に基づいて説明する。
負極板20は、銅箔からなる負極芯体21の両面に負極活物質スラリーが塗布されて形成されており、負極活物質スラリーが乾燥されることにより負極活物質層21bが形成されている。この場合、負極板20の巻回時の巻始め端部となる部分は負極活物質スラリーの未塗布となっていて、負極芯体21が露出した芯体露出部21aが形成されている。そして、この芯体露出部21aに負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)10の巻軸本体部11が溶接されている。
なお、負極活物質スラリーは、負極活物質となる人造黒鉛(例えば、平均粒径が20μmのもの)と、結着剤となるスチレンブタジエンゴム(STB)と、増粘剤となるカルボキシメチルセルロース(CMC)とを固形分での質量比が98:1:1となるように混合されたものに、適量の水が添加されて混合、混練されたものである。ここで、負極板20の全長をL1(例えば、60〜120mm)とし、芯体露出部21aの長さをL2(例えば、10〜20mm)とした場合、1/10L1≦L2≦1/4L1となるように形成されている。また、負極板20の幅(高さ)Wは、例えば、18〜42mmとなるように形成されている。
そして、図2(a)に示すように、芯体露出部21aには円形の開孔21cが設けられている。この開孔21cの大きさは、負極板20内に電解液が浸透し易くするためには大きい方が望ましい。ところが、あまり大きくすると巻き始め部分となる芯体露出部21aの強度が低下する。このため、芯体露出部21aの長さL2、幅Wの各寸法の10〜65%とすることが望ましい。また、開孔21cが負極ピン10との接続部に亘るように形成されると、負極ピン10と芯体露出部21aとの接続強度が低下する。このため、開孔21cはできるだけ負極活物質層21b寄りに設けることが望ましい。なお、図2(a)の実施例1の負極板では開孔21cは1つだけ設けられているが、図2(b)に示される実施例2の負極板のように適宜複数設けることも可能である。
(4)正極板
一方、正極板30は、アルミニウム箔からなる正極芯体31の両面に正極活物質スラリーが塗布され形成されており、正極活物質スラリーが乾燥されることにより正極活物質層(図示せず)形成されている。この場合、正極板30の巻回時の巻終わり端部となる部分は正極活物質スラリーの未塗布となっていて、正極芯体31が露出した芯体露出部(図示せず)が形成されている。そして、この芯体露出部に正極板30より上方に延出して正極集電タブ31が形成されていて、この正極集電タブ31が外装缶50と絶縁ガスケット14との間に配設されて、正極集電タブ31と外装缶50とが電気的に接触するようになされている。
一方、正極板30は、アルミニウム箔からなる正極芯体31の両面に正極活物質スラリーが塗布され形成されており、正極活物質スラリーが乾燥されることにより正極活物質層(図示せず)形成されている。この場合、正極板30の巻回時の巻終わり端部となる部分は正極活物質スラリーの未塗布となっていて、正極芯体31が露出した芯体露出部(図示せず)が形成されている。そして、この芯体露出部に正極板30より上方に延出して正極集電タブ31が形成されていて、この正極集電タブ31が外装缶50と絶縁ガスケット14との間に配設されて、正極集電タブ31と外装缶50とが電気的に接触するようになされている。
なお、正極活物質スラリーは、正極活物質となるコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、アセチレンブラックまたはグラファイトなどの炭素系導電剤と、結着剤となるポリビニリデンフルオライド(PVdF)とを、固形分の質量比で90:5:5となるように混合されたものに、有機溶剤となるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などに溶解させた後、混合・混練して調製されている。
2.円筒型非水電解質電池の製造方法
ついで、上述のような構成となる本発明の円筒型非水電解質電池の製造方法について、特に、図2(a)に示す実施例1の負極板20を用いて作製する製造方法を以下に説明する。まず、上端部の鍔部12と胴元部13との近傍に高分子(例えば、ポリプロピレン)製の絶縁ガスケット14がインサート成型されたステンレス鋼(SUS)からなる負極ピン10を用意する。この後、負極芯体21の一端部に負極活物質層21bの未塗布部となる芯体露出部21aが形成され、この芯体露出部21aに円形の開孔21cが設けられた負極板20を用意した後、この芯体露出部21aに負極ピン10の巻軸本体部11を溶接する。
ついで、上述のような構成となる本発明の円筒型非水電解質電池の製造方法について、特に、図2(a)に示す実施例1の負極板20を用いて作製する製造方法を以下に説明する。まず、上端部の鍔部12と胴元部13との近傍に高分子(例えば、ポリプロピレン)製の絶縁ガスケット14がインサート成型されたステンレス鋼(SUS)からなる負極ピン10を用意する。この後、負極芯体21の一端部に負極活物質層21bの未塗布部となる芯体露出部21aが形成され、この芯体露出部21aに円形の開孔21cが設けられた負極板20を用意した後、この芯体露出部21aに負極ピン10の巻軸本体部11を溶接する。
ついで、これらをセパレータ40の上に載置した後、負極板20と負極ピン10とセパレータ40を絶縁テープにより仮止めする。また、セパレータ40と負極板20とが仮止めされた面の裏側に正極板30を絶縁テープにより仮止めして積層電極群とする。その際に、各極板20,30の短手(幅)方向の中心線が一致するようにする。このようにして一体化した積層極板群を負極ピン10を巻回軸として巻き取り機によって渦巻状に巻回し、その最外周を絶縁テープで固定することにより渦巻状電極群を作製する。
そして、有底筒状でアルミニウム製の外装缶50内に非水電解液を注入する。ここで、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)10質量部と、プロピレンカーボネート(PC)10質量部とジエチルカーボネート(DEC)80質量部とからなる混合溶媒に、電解質塩としての6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させ、その溶液の濃度が1.0mol/lとなるようにしたものを用いた。ついで、非水電解液が注入された外装缶50内の開口部に、上述のようにして作製された渦巻状電極群を挿入した。
この場合、渦巻状電極群の正極板30より上方に延出した正極集電タブ31が、絶縁ガスケット14と外装缶50の開口部との間に配置されるように挿入した。この後、外装缶50の上部の縮径加工部51に縮径加工(溝入れ加工)を施して、外装缶50の開口部を気密、液密に封口した。なお、絶縁ガスケット14は外装缶50が縮径加工された際に、同時に縮径加工されることとなる。このようにして本発明に係る非水電解質電池が作製される。
以下に、実施例等の非水電解質電池について具体的に説明する。
(実施例1)
上述のようにして作製される負極板において、長さ87.0mm、幅19.5mm、芯体露出部長さを18.0mmとし、図2(a)に示されるように芯体露出部21aの幅方向中央部に直径6mmの円形の開孔21cを設けたものを実施例1の負極板20(a)とした。
また、上述のように作製される正極板において、長さ87.0mm、幅17.5mm、芯体露出部長さ18.0mmとしたものを正極板30とした。
これらの負極板20(a)と正極板30と、さらに、負極集電ピン10として巻軸本体部11が直径1.5mmのものを用いて、上述のようにして本発明に係る公称容量50mAhの実施例1の電池を作製した。これを電池Aとする。なお、電解液の注液量は0.2gとした。
(実施例1)
上述のようにして作製される負極板において、長さ87.0mm、幅19.5mm、芯体露出部長さを18.0mmとし、図2(a)に示されるように芯体露出部21aの幅方向中央部に直径6mmの円形の開孔21cを設けたものを実施例1の負極板20(a)とした。
また、上述のように作製される正極板において、長さ87.0mm、幅17.5mm、芯体露出部長さ18.0mmとしたものを正極板30とした。
これらの負極板20(a)と正極板30と、さらに、負極集電ピン10として巻軸本体部11が直径1.5mmのものを用いて、上述のようにして本発明に係る公称容量50mAhの実施例1の電池を作製した。これを電池Aとする。なお、電解液の注液量は0.2gとした。
(実施例2)
実施例1の負極板に代えて、図2(b)に示されるように、芯体露出部22bに直径6mmの円形の開孔22cを2つ設けた負極板20(b)を用いた以外は、実施例1と同様にして作製した電池を実施例2の電池とした。これを電池Bとする。
実施例1の負極板に代えて、図2(b)に示されるように、芯体露出部22bに直径6mmの円形の開孔22cを2つ設けた負極板20(b)を用いた以外は、実施例1と同様にして作製した電池を実施例2の電池とした。これを電池Bとする。
(比較例)
実施例1の負極板に代えて、図4(a)に示されるように、芯体露出部25aに開孔を設けていない負極板20(x)を用いた以外は、実施例1と同様にして作製した電池を比較例の電池とした。これを電池Xとする。
実施例1の負極板に代えて、図4(a)に示されるように、芯体露出部25aに開孔を設けていない負極板20(x)を用いた以外は、実施例1と同様にして作製した電池を比較例の電池とした。これを電池Xとする。
3.充放電サイクル試験
ついで、上述のように作製した各電池A,B,Xをそれぞれ1It(50mA)の定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電させ、その後、1It(50mA)の定電流で電池電圧が4.20Vになるまで充電するという充放電サイクルを繰り返して行い、各サイクル毎の各電池A,B,Xの放電容量を求めた。そして、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の比率を容量維持率として求めると下記の表1に示すような結果となった。
ついで、上述のように作製した各電池A,B,Xをそれぞれ1It(50mA)の定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電させ、その後、1It(50mA)の定電流で電池電圧が4.20Vになるまで充電するという充放電サイクルを繰り返して行い、各サイクル毎の各電池A,B,Xの放電容量を求めた。そして、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の比率を容量維持率として求めると下記の表1に示すような結果となった。
上記表1の結果から明らかなように、電池A,Bにおいては、容量維持率が大きくて、500サイクル後であっても初期容量の80%以上を維持しているのに対して、電池Xにおいては、500サイクル後の容量は初期容量の70%程度で、初期容量を維持できていないことが分かる。そこで、これらの500サイクル後の各電池A,B,Xを解体して、負極板20を取り出して負極板20の状態を確認した。その結果、電池A,Bにおいては、500サイクル終了後も失活部分が見られなかったのに対して、電池Xにおいては、図4(b)に示すように、芯体露出部25aの近傍の負極活物質層25bに失活した部分(図においてはハッチングの部分)25xが認められた。
これは、電池A,Bにおいては、各負極板20の芯体露出部21a,22aには、円孔21cや円孔22cが形成されているので、渦巻状に巻回された巻回中心部においても電解液が浸透するようになって、負極活物質の失活が防止でき、十分に負極活物質が利用でるようになって、容量維持率が向上したと考えられる。一方、電池Xにおいては、負極板20(x)の芯体露出部25aには円孔が形成されていないため、渦巻状に巻回された際の押圧力により、巻回中心部においては電解液が浸透しにくくなって、充放電サイクルを繰り返すに伴って、巻回中心部の負極活物質において失活が生じるようになり、十分に負極活物質が利用できなくなって、容量維持率が低下したと考えられる。
なお、上述した実施の形態において、負極板20の芯体露出部21a(22a)に円形の開孔21c(22c)を設けるようにした。ところが、上述の実施例1、2のような円形の開孔に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、図3(a)に示す変形例の負極板20(c)のように、芯体23の芯体露出部23aに切り込み状の開孔23cを設けるようにしてもよい。あるいは、図3(b)に示す他の変形例の負極板20(d)のように、芯体24の芯体露出部24aの芯体露出部の一部を切り取って切欠部24cを設けるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いる例について説明したが、コバルト酸リチウム(LiCoO2)に限らず、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、鉄酸リチウム、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換した酸化物等のリチウム含有遷移金属複合酸化物から選択される1種の化合物、あるいは2種以上の化合物を混合して用いることができる。また、上述した実施の形態においては、電解質塩としてLiPF6を用いる例について説明したが、これらに限らず、LiN(C2F5SO2)2 LiN(CF3SO2)2、LiCF3SO3、LiBF4、LiAsF6、LiClO4等のリチウム塩から選択される化合物の1種単独、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
10…負極ピン(負極集電体を兼ねる巻芯)、11…巻軸本体部、11a…テーパ状部、12…鍔部、13…胴元部、14…絶縁ガスケット、20…負極板、21,22…負極芯体、21a,22a…芯体露出部、21c…円孔、22c…円孔、30…正極板、31…正極集電タブ、40…セパレータ、50…外装缶、51…縮径加工部、52…絶縁体
Claims (2)
- リチウムイオンを吸蔵脱離できる正極活物質を正極芯体に保持させた正極と、リチウムイオンを吸蔵脱離できる負極活物質を負極芯体に保持させた負極とを備えるとともに、前記正極と前記負極との間にセパレータが配置されてこれらが負極集電体を兼ねる巻芯により渦巻状に巻回された渦巻状電極群を電解液とともに外装缶内に備えた円筒型非水電解質電池であって、
前記負極の巻回中心側となる前記負極芯体の端部側に負極活物質が保持されない芯体露出部が形成されていて、当該芯体露出部に前記負極集電体を兼ねる巻芯が溶接されているとともに、
前記芯体露出部に開孔が形成されていることを特徴とする円筒型非水電解質電池。 - 前記開孔は1つ以上の円形開孔あるいは切り込み部であることを特徴とする請求項1記載の円筒型非水電解質電池。
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