以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態(第1実施形態)について、図1〜図6を参照しつつ説明する。蓄電素子には、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子1は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子1は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子1は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子1は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子1は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子1と組み合わされて蓄電装置100に用いられる。前記蓄電装置100では、該蓄電装置100に用いられる蓄電素子1が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子1は、図1〜図6に示すように、正極11と負極12とを含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子7であって電極体2と導通する外部端子7と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子7の他に、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体5等を有する。
電極体2は、正極11と負極12とがセパレータ4によって互いに絶縁された状態で積層された積層体22が巻回されることによって形成される。
正極11は、金属箔111(集電箔の一例)と、金属箔111に重なり且つ導電助剤を含むアンダーコート層113と、アンダーコート層113に重なり且つ活物質を含む活物質層112(活物質領域の一例)と、を有する。第1実施形態では、活物質層112は、金属箔111の両面にそれぞれ重なる。なお、シート状の正極11の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
金属箔111は帯状である。第1実施形態の正極11の金属箔111は、例えば、アルミニウム箔である。正極11は、金属箔111に活物質が保持された活物質保持部と、金属箔111に活物質が保持されない活物質非保持部とを有する。正極11は、帯形状の長手方向の少なくとも一方の端縁部に、活物質非保持部を有する。また、正極11は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層112の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)115を有する。
正極活物質層112は、粒子状の活物質(活物質粒子)と、粒子状の導電助剤と、バインダとを含む。
正極11の活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物である。正極11の活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極の活物質は、例えば、LipMeOt(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LipCosO2、LipNiqO2、LipMnrO4、LipNiqCosMnrO2等)、又は、LipMeu(XOv)w(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LipFeuPO4、LipMnuPO4、LipMnuSiO4、LipCouPO4F等)である。
正極活物質層112に用いられるバインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。第1実施形態のバインダは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層112の導電助剤は、炭素を98質量%以上含む炭素質材料である。炭素質材料は、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等である。第1実施形態の正極活物質層112は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
アンダーコート層113は、金属箔111の両方の面にそれぞれ重なる。アンダーコート層113は、金属箔111と正極活物質層112との間に配置されている。アンダーコート層113は、導電助剤とバインダとを含む。アンダーコート層113は、粒子状の導電助剤の間の空隙によって多孔質に形成されている。なお、アンダーコート層113は、正極活物質を含まない。アンダーコート層113は、導電助剤を含むことから、導電性を有する。アンダーコート層113は、金属箔111と正極活物質層112との間における電子の経路となり、これらの間の導電性を保つ。アンダーコート層113の導電性は、通常、正極活物質層112の導電性よりも高い。アンダーコート層113の導電助剤は、正極活物質層112の導電助剤と同様の材料である。第1実施形態のアンダーコート層113は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極12は、金属箔121(集電箔の一例)と、金属箔121の上に形成された負極活物質層122(活物質領域の一例)と、を有する。第1実施形態では、負極活物質層122は、金属箔121の両面にそれぞれ重ねられる。金属箔121は帯状である。第1実施形態の負極の金属箔121は、例えば、銅箔である。負極12は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、負極活物質層122の非被覆部125(負極活物質層が形成されていない部位)を有する。シート状の負極12の厚みは、通常、40μm以上150μm以下である。
負極活物質層122は、粒子状の活物質(活物質粒子)と、バインダと、を含む。負極活物質層122は、セパレータ4を介して正極11と向き合うように配置される。負極活物質層122の幅は、正極活物質層112の幅よりも大きい。
負極12の活物質は、負極12において充電反応及び放電反応の電極反応に寄与し得るものである。例えば、負極12の活物質は、グラファイト、非晶質炭素(難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素)などの炭素材料、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。第1実施形態の負極の活物質は、非晶質炭素である。より具体的には、負極の活物質は、難黒鉛化炭素である。
負極活物質層に用いられるバインダは、正極活物質層に用いられるバインダと同様のものである。第1実施形態のバインダは、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。
負極活物質層122は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。第1実施形態の負極活物質層122は、導電助剤を有していない。
第1実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極11と負極12とがセパレータ4によって絶縁された状態で巻回される。即ち、第1実施形態の電極体2では、正極11、負極12、及びセパレータ4の積層体22が巻回される。セパレータ4は、絶縁性を有する部材である。セパレータ4は、正極11と負極12との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極11と負極12とが互いに絶縁される。また、セパレータ4は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ4を挟んで交互に積層される正極11と負極12との間を移動する。なお、図5及び図6において、セパレータ4は、図示されていない。
上述したように、電極体2では、正極11及び負極12が積層されている。また、図6に示すように、負極12は、正極活物質層112に対向しない非対向部124を有する。負極12の非対向部124は、巻回された負極12の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方に配置されている。これに対して、非対向部124に対向する正極11の一部は、巻回された正極11の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方において金属箔111が正極活物質層112よりも巻回方向に延出することによって形成されている。なお、負極12において負極活物質層122を有する部分の長さは、正極活物質層112の長さよりも、巻回方向に、最外周で約1周分、長い。
負極12の非対向部124は、セパレータ4を介して、正極活物質層112を有しない正極11の一部に対向する。負極12の非対向部124は、金属箔121のみを有してもよく、金属箔121と該金属箔に重なる負極活物質層122とを有してもよい。例えば図6に示すように、負極12の非対向部124は、負極12の最外周に配置され、正極活物質層112を有しない正極11に対して非対向部124が対向する方向は、例えば外方向である。また、負極12の非対向部124は、負極12の最内周に配置され、正極活物質層112を有しない正極11に対して非対向部124が対向する方向は、例えば内方向である。
負極12の非対向部124に対向する正極11の一部における厚さは、正極11のうち活物質領域(具体的に正極活物質層112)を有する部位の厚さよりも薄くてもよい。負極12の非対向部124に対向する正極11の一部は、上記の活物質非保持部である。活物質非保持部は、金属箔111のみを有してもよく、金属箔111と該金属箔111に重なる上記のアンダーコート層113とを有してもよい。図6に示すように、第1実施形態では、負極12の非対向部124に対向する正極11の一部は、金属箔111と、該金属箔111に重なる上記のアンダーコート層113と、を有する。負極12の非対向部124に対向する正極11の一部は、金属箔111としてのアルミニウム箔と、該アルミニウム箔に重なる上記のアンダーコート層113と、を有することが好ましい。
上記の蓄電素子1では、負極12の非対向部124と、正極活物質層112を有しない正極11の一部とが対向した状態で、後述するガス発生剤を含む電解液の存在下、過充電によって正極11の電位がガス発生剤の分解電位になり得る。これにより、蓄電素子1は、ガス発生剤を正極11で分解し、分解によって生じた水素イオンを負極12の非対向部124で還元し、水素ガスを発生させるように構成されている。なお、上記の蓄電素子1は、正極11及び負極12の活物質同士が対向する部分でも、同様に水素ガスを発生させるように構成されている。
セパレータ4は、帯状である。セパレータ4は、多孔質なセパレータ基材41を有する。セパレータ4は、正極11及び負極12間の短絡を防ぐために正極11及び負極12の間に配置されている。第1実施形態のセパレータ4は、セパレータ基材41のみを有する。セパレータ基材41は、多孔質に構成される。セパレータ基材41は、例えば、織物、不織布、又は多孔膜である。セパレータ基材の材質としては、高分子化合物、ガラス、セラミックなどが挙げられる。
セパレータ4の幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極活物質層122の幅より僅かに大きい。セパレータ4は、正極活物質層112及び負極活物質層122が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極11と負極12との間に配置される。このとき、図4に示すように、正極11の非被覆部115と負極12の非被覆部125とは重なっていない。即ち、正極11の非被覆部115が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極12の非被覆部125が、正極11と負極12との重なる領域から幅方向(正極11の非被覆部115の突出方向と反対の方向)に突出する。積層された状態の正極11、負極12、及びセパレータ4、即ち、積層体22が巻回されることによって、電極体2が形成される。正極11の非被覆部115又は負極12の非被覆部125のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。非被覆積層部26は、巻回された正極11、負極12、及びセパレータ4の巻回中心方向視において、中空部27(図4参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)261に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極11の非被覆部115のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極11の非被覆積層部を構成し、負極12の非被覆部125のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極12の非被覆積層部を構成する。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。ケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース3は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒と、電解質塩とを含有する。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO4、LiBF4、及びLiPF6等である。第1実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを所定の割合で混合した混合溶媒に、0.5〜1.5mol/LのLiPF6を溶解させたものである。
電解液は、分解電位でガスを発生するガス発生剤を含有する。具体的に、ガス発生剤としては、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、trans−ブチルシクロヘキシルベンゼン、シクロペンチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミノベンゼン、ターフェニル、2−フルオロビフェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン、tris−(t−ブチルフェニル)ホスフェート、フェニルフルオライド、4−フルオロフェニルアセテート、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート、ビスターシャリーブチルフェニルカーボネート、ジフェニルエーテル、及び、ジベンゾフランからなる群より選択された少なくとも1種が挙げられる。ガス発生剤は、例えば、4.5V(vs. Li+/Li)以上5.0V(vs. Li+/Li)以下の分解電位でガスを発生する。ガス発生剤としてのシクロヘキシルベンゼン(CHB)は、例えば、約4.65V(vs. Li+/Li)の電位で分解してガスを発生することとなる。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部と、長方形状の蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間を有する。第1実施形態では、ケース本体31の開口周縁部と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
以下では、図1に示すように、蓋板32の長辺方向をX軸方向とし、蓋板32の短辺方向をY軸方向とし、蓋板32の法線方向をZ軸方向とする。ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。
蓋板32は、ケース3内のガスを外部に排出可能なガス排出弁321を有する。ガス排出弁321は、ケース3の内部圧力が所定の圧力まで上昇したときに、該ケース3内から外部にガスを排出する。ガス排出弁321は、X軸方向における蓋板32の中央部に設けられる。
ケース3には、電解液を注入するための注液孔が設けられる。注液孔は、ケース3の内部と外部とを連通する。注液孔は、蓋板32に設けられる。注液孔は、注液栓326によって密閉される(塞がれる)。注液栓326は、溶接によってケース3(第1実施形態の例では蓋板32)に固定される。
外部端子7は、他の蓄電素子1の外部端子7又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。面71は、平面である。外部端子7は、蓋板32に沿って拡がる板状である。詳しくは、外部端子7は、Z軸方向視において矩形状の板状である。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。第1実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、導電性を有する部材によって形成される。図2に示すように、集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。集電体5は、蓄電素子1の正極11と負極12とにそれぞれ配置される。第1実施形態の蓄電素子1では、集電体5は、ケース3内において、電極体2の正極11の非被覆積層部26と、負極12の非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
正極11の集電体5と負極12の集電体5とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極11の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極12の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
第1実施形態の蓄電素子1では、電極体2とケース3とを絶縁する袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体5)がケース3内に収容される。
第1実施形態の蓄電素子1は、過充電状態になったときに、内部の電流経路を遮断する電流遮断部(いわゆるCID)を備える。電流遮断部は、ケース3の内圧が所定圧よりも大きくなったときに、内部の電流経路を遮断するように構成されている。電流遮断部としては、一般的な構成のものが採用される。例えば、電流遮断部は、一方の外部端子7と、電極体2とを電気的に接続する複数の部材を有し、ケース3の内圧が所定圧よりも大きくなったときに、少なくとも1つの部材が変形することによって、一方(例えば正極)の外部端子7と電極体2との間の電流経路を遮断するように構成されている。変形する部材としては、例えば、ダイヤフラムが挙げられる。
次に、第1実施形態の蓄電素子1の製造方法について説明する。
例えば、蓄電素子1の製造方法では、まず、金属箔(電極基材)に活物質を含む合剤を塗布し、活物質層を形成し、正極11及び負極12をそれぞれ作製する。次に、正極11、セパレータ4、及び負極12を重ね合わせて電極体2を形成する。続いて、電極体2をケース3に入れ、ケース3に電解液を入れることによって蓄電素子1を組み立てる。
正極11の作製では、例えば、金属箔111の両面に、バインダと、導電助剤と、溶媒と、を含む組成物をそれぞれ塗布することによってアンダーコート層113を形成する。各アンダーコート層113の表面に、活物質と、バインダと、導電助剤と、溶媒と、を含む合剤を塗布することによって正極活物質層112を形成する。なお、下記のごとく積層体22を巻回したときに、正極11の最内周及び最外周の各部分が正極活物質層112を有しないように、合剤を塗布する(図5参照)。即ち、巻回前の正極11において、長手方向の両端部には、合剤を塗布しない活物質非保持部が設けられる。アンダーコート層113及び正極活物質層112を形成するための塗布方法としては、一般的な方法が採用される。塗布されたアンダーコート層113及び正極活物質層112を所定の圧力でロールプレスする。なお、第1実施形態の正極11では、長手方向の両端部に合材を塗布しない活物質非保持部が設けられているが、本発明はそれに限られず、長手方向の一端部のみに活物質非保持部が設けられていてもよい。その場合、活物質非保持部は、正極11が巻回されたときに、最も外側に設けられてもよく、最も内側に設けられてもよい。
負極12の作製では、例えば、金属箔の両面に、活物質とバインダと溶媒とを含む合剤をそれぞれ塗布することによって負極活物質層122を形成する。負極活物質層122を形成するための塗布方法としては、一般的な方法が採用される。塗布された負極活物質層122を所定の圧力でロールプレスする。負極12は、長手方向の全域において、負極活物質層122を両面に備えている。なお、図5に示すように、積層体22を巻回したときに、負極12は、正極活物質層112の巻回外側の端部を少し余裕をもって覆うだけの長さに設定されている(図5参照)。
電極体2の形成では、正極11と負極12とセパレータ4との積層体22を巻回することにより、電極体2を形成する。詳しくは、正極活物質層112と負極活物質層122とがセパレータ4を介して互いに向き合うように、正極11とセパレータ4と負極12とを重ね合わせ、積層体22を作る。積層体22を巻回して、電極体2を形成する。このとき、正極11の正極活物質層112を有しない部分(活物質非保持部)が電極体2の最内周及び最外周に配置されるように、積層体22を巻回する(図5参照)。
蓄電素子1の組み立てでは、ケース3のケース本体31に電極体2を入れ、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぎ、電解液をケース3内に注入する。ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐときには、ケース本体31の内部に電極体2を入れ、正極11と一方の外部端子7とを導通させ、且つ、負極12と他方の外部端子7とを導通させた状態で、ケース本体31の開口を蓋板32で塞ぐ。電解液をケース3内へ注入するときには、ケース3の蓋板32の注入孔から電解液をケース3内に注入する。
上記のように構成された第1実施形態の蓄電素子1では、電解液は、分解電位でガスを発生するガス発生剤を含有する。また、図5に示すように、負極12は、正極活物質層112に対向しない非対向部124を有し、正極の一部は、非対向部124に対向している。即ち、負極12の非対向部124が正極11の一部に対向している。斯かる構成では、過充電状態のときに分解電位になった正極11の一部においてガス発生剤が酸化分解され、酸化分解によって生じた物質(例えば水素イオン)が負極12の非対向部124において還元されるので、正極11の一部が非対向部に対向している分、ガス(例えば水素ガス)の発生量を増大させることができる。その結果、より確実にガス発生剤を用いる目的を果たすことができる。一方、非対向部124に対向する正極11の一部を設けるかわりに、正極11および負極12の活物質領域の面積が大きくなるように正極11及び負極12を設計することによっても、同様にガスの発生量を多くすることができる。しかしながら、そのように設計すると、顧客が必要としている容量を超えた蓄電素子の容量となってしまうことがあるため、活物質量が増えてコストが高くなったり、あるいは短絡時の短絡電流が大きくなって安全性が低下したりするという問題があった。これに対して、上記の本発明の一実施形態では、上記のごときコストの増加、または安全性の低下を抑制しつつ、過充電状態のときにガスの発生量を増大させることができる。発明者らは、一般的に蓄電素子に設けられる負極の非対向部を有効に活用することで、比較的簡便に上記の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記の蓄電素子1では、電極体2は、積層された正極11及び負極12が巻回された状態である。負極12の非対向部124は、巻回された負極12の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方に配置されている。正極11は、金属箔111を備え、該金属箔111に活物質が保持された活物質保持部と、金属箔111に活物質が保持されない活物質非保持部とを有する。非対向部に対向する正極11の一部は、活物質非保持部であり、該活物質非保持部は、巻回された正極11の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方において活物質保持部から巻回方向に延出した金属箔111を有する。斯かる構成では、ガスを発生させるための部材の構成が比較的単純である。
上記の蓄電素子1では、正極11の活物質非保持部が、活物質保持部よりも、正極活物質層112が無い分だけ、薄くなっている。その結果、正極および負極の活物質層の面積を大きくすることでガス発生量を増やした場合と比較して、限られた蓄電素子の容積において、正極と負極との対向面積をより広く確保することができる。その結果、過充電状態のときに、より多くのガスを発生させることができ、ガス発生剤を用いる目的を、より確実に達成することができる。
上記の蓄電素子1では、負極12の非対向部124は、負極活物質層122を有してもよい。負極12の非対向部124に対向する正極11の一部は、非対向部124の負極活物質層122に対向してもよい。斯かる構成により、非対向部124の負極活物質層122は、ガス発生剤を含有する電解液を含浸できる。これにより、非対向部124は、ガス発生剤を含有する電解液を負極活物質層122に蓄えることができる。従って、非対向部124の負極活物質層122と、非対向部124に対向する正極11の一部と、の間で、ガスを発生させる反応を効率よく進めさせることができる。
次に、本発明に係る蓄電素子の他実施形態(第2実施形態及び第3実施形態)について、図7〜図11を参照しつつ説明する。他実施形態について、上記の第1実施形態と同じ構成については、説明を繰り返さない。
他実施形態の蓄電素子1は、正極11と導通し且つ非対向部124に対向する導電部8をさらに含む。導電部8は、通常、シート状である。第1実施形態と異なり、他実施形態の蓄電素子1の正極11は、通常、正極活物質層112よりも巻回方向に延出するように形成された金属箔111を有しない。
第2実施形態の蓄電素子1は、セパレータ4の少なくとも一方の表面上に形成された導電性被膜82を導電部8として備える(図8参照)。一方、第3実施形態の蓄電素子1は、電極体2を外側から覆う導電性のシート体83を導電部8として備える(図9〜11参照)。
第2実施形態の蓄電素子1について、図7及び図8を参照しつつ詳しく説明する。
第2実施形態の蓄電素子1では、積層された正極11とセパレータ4と負極12とは、巻回された状態である。負極12の非対向部124は、巻回された負極12の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方に配置されている。ここで、正極11では、長手方向の全体において正極活物質層112が両面に設けられているため、負極12のうち、正極11に対向していない部分が非対向部124となる。セパレータ4の一部は、巻回された正極11の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方において正極11よりも巻回方向に延出していることが好ましい。図7の例では、セパレータ4の一部は、巻回された正極11の最外周及び最内周の両方において正極11よりも巻回方向に延出している。導電部8の少なくとも一部は、延出したセパレータ4(セパレータ基材41)の少なくとも一方の表面上に形成され且つ負極12の非対向部124に対向する導電性被膜82を有する。
第2実施形態の蓄電素子1は、図7に示すように、2枚のセパレータ4,4を備える。一方のセパレータ4は、巻回される前の正極11と負極12との間に配置されている。他方のセパレータ4は、正極11及び負極12を含む積層体22が巻回されるときに積層体22の最も外側に位置するように配置されている。第2実施形態では、いずれのセパレータ4も、セパレータ基材41のみを有する。導電性被膜82は、通常、各セパレータ基材41の一方の面の全体に直接接して形成されている。導電性被膜82は、一方の面がセパレータ基材41の片面に接しつつ且つ他方の面の一部が正極活物質層112に接するように配置される。これにより、導電性被膜82は、正極11と導通している。このような構成とすることで、導電性被膜82を容易に正極11に導通させることができる。なお、いずれかの面上に導電性被膜82が形成されたセパレータ基材41は、2枚のうち一方のみであってもよく、両方であってもよい。また、導電性被膜82は、各セパレータ基材41の片方の面上のみに形成されてもよく、各セパレータ基材41の両方の面上にそれぞれ形成されてもよい。
第2実施形態の蓄電素子1では、導電性被膜82と、負極12の非対向部124の負極活物質層122とが互いに対向する。通常、導電性被膜82と、負極12の非対向部124の負極活物質層122とは、セパレータ4(セパレータ基材41)を介して互いに対向する。導電性被膜82の厚さは、正極11のうち活物質領域(正極活物質層112)を有する部位の厚さよりも薄い。セパレータ4と該セパレータ上に形成された導電性被膜82との合計厚さも、正極11のうち活物質領域(正極活物質層112)を有する部位の厚さよりも薄い。
第2実施形態の蓄電素子1は、第1実施形態の蓄電素子1と同様にして製造できる。ただし、第2実施形態の蓄電素子1の製造方法は、セパレータ基材41の表面上に導電性被膜82を形成する点で、第1実施形態の蓄電素子1の製造方法と異なる。加えて、正極11の両面において長手方向の全体に正極活物質層112を設ける点でも、第1実施形態の蓄電素子1の製造方法と異なる。
導電性被膜82の形成では、例えば、導電助剤とバインダと溶媒とを混合して、導電性被膜用の組成物を調製する。調製した組成物を、セパレータ基材41の一方の表面に塗布する。塗布した後、乾燥処理によって組成物に含まれている溶媒を揮発させる。このようにして、セパレータ基材41の一方の面に重なる導電性被膜82を形成する。なお、積層体22を巻回したときに、各セパレータ基材41の最外周にて約1周分、正極11や負極12よりも各セパレータ基材41及び導電性被膜82の方が長くなるように、セパレータ基材41及び導電性被膜82を作製する。また、積層体22を巻回したときに、各セパレータ基材41の最内周にて、正極11や負極12よりも各セパレータ基材41及び導電性被膜82の方が長くなるように、セパレータ基材41及び導電性被膜82を作製する。
上記のように構成された第2実施形態の蓄電素子1では、負極12の非対向部124が、セパレータ4(セパレータ基材41)を介して、正極11と導通する導電部8に対向している。斯かる構成では、過充電状態のときに分解電位になった導電部8においてガス発生剤が酸化分解され、酸化分解によって生じた物質(例えば水素イオン)が負極12の非対向部124において還元されるため、導電部8が非対向部124に対向している分、ガス(例えば水素ガス)の発生量を多くすることができる。その結果、より確実にガス発生剤を用いる目的を果たすことができる。発明者らは、一般的な蓄電素子に設けられる負極12の非対向部124を有効に活用することで、比較的簡便に上記の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
第2実施形態の蓄電素子1では、負極12の非対向部124は、巻回された負極12の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方に配置されている。セパレータ4の一部は、巻回された正極11の最外周及び最内周のうちの少なくとも一方において正極11よりも巻回方向に延出している。また、導電部8の少なくとも一部は、延出したセパレータ4の少なくとも一方の表面上に形成され且つ非対向部124に対向する導電性被膜82を有する。斯かる構成では、導電部8を構成する部材(導電性被膜82)が比較的単純である。
上記の蓄電素子1では、正極11における活物質保持部に相当する部位の厚さよりも、導電部8(導電性被膜82)とセパレータ4(セパレータ基材41)との合計厚さの方が薄い。その結果、正極11および負極12の活物質層の面積を大きくすることでガス発生量を増やした場合と比較して、限られた蓄電素子の容積において、ガス発生反応のための対向面積を、より広く確保することができる。その結果、過充電状態のときに、より多くのガスを発生させることができ、ガス発生剤を用いる目的を、より確実に達成することができる。
第2実施形態の蓄電素子1では、導電部8は、負極活物質層122を有する負極12の非対向部124と対向してもよい。斯かる構成により、負極活物質層122は、ガス発生剤を含有する電解液を含浸できる。これにより、非対向部124は、ガス発生剤を含有する電解液を負極活物質層122に蓄えることができる。従って、非対向部124の負極活物質層122と、該負極活物質層122に対向する導電部8(導電性被膜82)との間で、ガスを発生させる反応を効率よく進めさせることができる。
続いて、第3実施形態の蓄電素子1について、図9〜図11を参照しつつ詳しく説明する。
第3実施形態の蓄電素子1では、導電部8は、電極体2を外側から覆う導電性のシート体83を有する。シート体83の一方の面は、セパレータ4を介して、負極12の最も外側に配置された非対向部124に対向する。第1実施形態と異なり、正極11は、通常、正極活物質層112よりも巻回方向に延出するように形成された金属箔111を有しない。また、第2実施形態と異なり、通常、導電性被膜82がセパレータ基材41上に形成されていない。
シート体83は、図9〜図11に示すごとく、電極体2の外周面を覆うように平面状のシートが折り返された本体83aと、電極体2の巻回軸方向の一方で電極体2を外側から覆う側壁83bとを有する。例えば、正極側の集電体5、クリップ部材50、及び非被覆積層部26のうち少なくとも1つと、シート体83の一部(例えば側壁83b)とが接していることによって、シート体83は、正極11と導通する。なお、シート体83の厚さは、正極11のうち活物質領域(正極活物質層112)を有する部位の厚さよりも薄くてもよい。
第3実施形態の蓄電素子1の電極体2では、正極11は、長手方向の全域において、正極活物質層112を両面に備えている。負極12は、長手方向の全域において、負極活物質層122を両面に備えている。図9に示すように、外周側において負極12は、正極11の巻回外側の端部を少し余裕をもって覆うだけの長さに設定されている。負極12の最外周に配置された非対向部124の負極活物質層122と、導電性のシート体83の内側の面と、が互いに対向する。即ち、導電性のシート体83の内側の面は、最も外側に配置された負極12の負極活物質層122と対向する。
シート体83の材質は、導電性を有するものであれば、特に限定されない。シート体83の材質としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、炭素などが挙げられる。斯かる材質としては、ガス分解電位になったときに溶出しない材質が好ましい。シート体83は、上記材質の粉体を含み多孔質に形成されてもよい。シート体83が多孔質であることにより、シート体83は、ガス発生剤を含有する電解液を含浸できる。これにより、ガス発生剤を含有する電解液をシート体83に蓄えることができる。従って、非対向部124の負極活物質層122と、該負極活物質層122に対向する導電部8(シート体83)との間で、ガスを発生させる反応を効率よく進めさせることができる。
上記のように構成された第3実施形態の蓄電素子1では、導電部8は、電極体2を外側から覆う導電性のシート体83を有する。シート体83の内側の面は、負極12の最も外側に配置された非対向部124に対向する。斯かる構成により、過充電状態のときに電極体2の外側でガスを発生させることができ、電極体2の外周に沿ってガスが移動しやすい。従って、ケース3の内圧を比較的速く上昇させることができる。これにより、過充電状態になったときに、蓄電素子1の内部の電流経路を電流遮断部によって迅速に遮断することができる。
正極11および負極12の活物質層の面積を大きくしてガス発生量を増やした場合と比較して、上記の蓄電素子1では、正極11における活物質保持部に相当する部位の厚さよりも、導電部8が有するシート体83の厚さの方を薄くすることによって、限られた蓄電素子の容積において、ガス発生反応のための対向面積を、より広く確保することができる。その結果、過充電状態のときに、より多くのガスを発生させることができ、ガス発生剤を用いる目的を、より確実に達成することができる。
本発明の非対向部124は、必ずしも負極活物質層122を有さなくてもよい。ただし、上記の第1実施形態から第3実施形態のいずれの蓄電素子1においても、負極12の非対向部124は、負極活物質層122を有している。そして、第1実施形態においては、負極12の非対向部124に対向する正極11の一部は、非対向部124の負極活物質層122に対向している。また、第2実施形態および第3実施形態においては、負極12の非対向部124に対向する導電部8は、非対向部124の負極活物質層122に対向している。斯かる構成により、非対向部124の負極活物質層122は、ガス発生剤を含有する電解液を含浸できる。これにより、非対向部124は、ガス発生剤を含有する電解液を負極活物質層122に蓄えることができる。従って、非対向部124の負極活物質層122と、非対向部124に対向する正極11の一部または導電部8と、の間で、ガスを発生させる反応を効率よく進めさせることができる。その結果、より確実にガス発生剤を用いる目的を果たすことができる。一方、非対向部124に対向する正極11の一部または導電部8を設けるかわりに、正極11および負極12の活物質層の面積が大きくなるように正極及び負極を設計することによっても、同様にガスの発生量を多くすることができる。しかしながら、そのように設計すると、活物質量が増えるためにコストが高くなったり、あるいは蓄電素子1の容量が増えるために短絡時の短絡電流が大きくなって安全性が低下したりするという問題があった。これに対し、上記の本発明の一実施形態では、上記のごときコストの増加、または安全性の低下を抑制しつつ、過充電状態のときにガスの発生量を増大させることができる。発明者らは、従来技術では有効に活用されていなかった、非対向部124の負極活物質層122に含有される電解液中のガス発生剤を有効に活用することで上記の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、この実施形態において、ガス発生剤は、正極11での分解生成物が負極12に達してからガスとなるものである必要は無い。ガス発生剤が正極11で分解してガス化する場合であっても、非対向部124が有する負極活物質層122中の電解液の近くに正極11の一部があるため、発明の効果が得られる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記の第1実施形態では、バインダと導電助剤とを含むアンダーコート層113であって正極活物質層112と金属箔111との間に配置されたアンダーコート層113を有する正極11について詳しく説明したが、本発明では、正極11がアンダーコート層113を有さず正極活物質層112が金属箔111に直接接していてもよい。また、本発明では、正極11において負極12の非対向部124に対向する部分のみがアンダーコート層113を有してもよい。
上記実施形態では、活物質層が各電極の金属箔の両面側にそれぞれ配置された電極について説明したが、本発明の蓄電素子では、正極11又は負極12は、活物質層を金属箔の片面側にのみ備えてもよい。
上記実施形態では、積層体22が巻回されてなる電極体2を備えた蓄電素子1について詳しく説明したが、本発明の蓄電素子は、巻回されない積層体22を備えてもよい。詳しくは、それぞれ矩形状に形成された正極、セパレータ、負極、及びセパレータが、この順序で複数回積み重ねられてなる電極体を蓄電素子が備えてもよい。
上記実施形態では、蓄電素子1が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子1の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態では、蓄電素子1の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子1(例えば電池)は、図12に示すような蓄電装置100(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。蓄電装置100は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材91と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子に適用されていればよい。