JP2017208177A - 蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 - Google Patents

蓄電素子及び蓄電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電素子の単位体積あたりの容量を向上させることを課題とする。【解決手段】負極の活物質層が正極の活物質層に対向しない非対向部を有する蓄電素子1に対し非対向部242aに供給するイオンを備えたイオン供給材Sをさらに備えさせ、イオン供給材Sとケースとが電気的に接続された状態とする蓄電素子1。【選択図】図5

Description

本発明は、蓄電素子及び蓄電素子の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池などの各種蓄電素子が広く活用されている。この種の蓄電素子は、正極と負極とを有する電極体と、電解液とが容器内に収容されており、正極と負極との間でイオンを授受することによって充放電が行われる。蓄電素子の電気的な容量(以下、単に「容量」ともいう)は、下記特許文献に記載されているように、充放電が繰り返されることで低下することがある。
特開2015−220200号公報
蓄電素子は、単位体積あたりの容量を向上させることが要望されている。しかし、蓄電素子の容量は、上記のように充放電が繰り返されることで低下することがある。容量の低下を抑制する方法や低下した容量を回復する方法は十分確立されていない。そのため蓄電素子は、単位体積あたりの容量を十分向上させることが難しい。本実施形態においては、蓄電素子の単位体積あたりの容量を向上させることを目的とする。
本実施形態の蓄電素子は、
正極及び負極を備えた電極体と、該電極体を収容するケースとを備え、
前記正極及び前記負極が活物質層を備え、
前記電極体は、前記活物質層を対向させて正極と負極とが積層された積層体を有し、
前記負極の活物質層が、正極の活物質層と対向する対向部と正極活物質層と対向しない非対向部とを有し、
該電極体の前記非対向部に供給するイオンを備えたイオン供給材が前記ケースに収容され、
前記ケースが導電性を有し、前記イオン供給材が前記ケースと電気的に接続されている。
蓄電素子は、イオンの受容体となる負極の活物質層の面積を正極の活物質層よりも広くする方が良好な充放電を行う上で有利となる。そのために負極の活物質層には正極の活物質層と対向しない非対向部が形成されることがある。蓄電素子の充放電に際し負極の活物質層では対向部と非対向部との間にイオンの濃度差が生じ、非対向部にイオンが拡散することがある。非対向部に拡散したイオンは、その後、充放電に十分寄与できなくなる場合がある。蓄電素子は、非対向部に供給するイオンを備えたイオン供給材がケースに収容され、ケースが導電性を有し、イオン供給材がケースと電気的に接続されている。そのため蓄電素子は、ケースと負極との間に電圧を加えて非対向部にイオンを蓄えさせることができる。このことから蓄電素子は、前記のようなイオンの拡散を抑制することができる。また、蓄電素子は、正極の活物質層と負極の活物質層とが対向している部位において授受されるイオンが不足した場合、非対向部を通じてイオンを供給することができる。従って、蓄電素子は、単位体積あたりの容量を向上させることができる。
蓄電素子は、前記イオン供給材と前記電極体とが電気的に絶縁されていてもよい。
イオン供給材と電極体とが電気的に絶縁されることでイオン供給材と電極体の正極及び負極とが同電位となることが抑制される。そのため蓄電素子はイオン供給材から非対向部にイオンを供給する際に、イオンの供給に適した電位差をイオン供給材と非対向部との間に発生させることができる。
蓄電素子は、前記電極体が帯状の前記積層体を巻回した巻回型の電極体で、
前記非対向部が負極の巻き終わり部において前記ケースの内壁面に対向し、
前記イオン供給材がシート状で、前記巻き終わり部と前記内壁面との間に該イオン供給材が介装されていてもよい。
負極の巻き終わり部にシート状のイオン供給材が配されることで蓄電素子はこの巻き終わり部にイオンを供給し易くなる。電極体が巻回型である場合、巻き終わり部ではイオンの拡散が生じ易い。そのため巻き終わり部にイオンを供給し易い状態でイオン供給材が配されることで蓄電素子は容量の低下を防ぐ上で有利となる。また、巻き終わり部にイオンを供給し易い状態でイオン供給材が配されることで蓄電素子は対向部にイオンを補給する上でも有利となる。
蓄電素子は、前記電極体が絶縁カバーに覆われて前記ケースに収容され、
前記イオン供給材が前記絶縁カバーと前記電極体との間に配されており、
前記絶縁カバーに貫通路が設けられ、
前記イオン供給材と前記ケースとが前記貫通路を通じて電気的に接続されていてもよい。
電極体が絶縁カバーに覆われていることで蓄電素子は電極体とケースとの絶縁性を確保できる。
蓄電素子の前記シート状のイオン供給材は、前記貫通路を通じて絶縁カバーの外側にはみ出したはみ出し部を有し、
該はみ出し部が前記ケースの内壁面に当接されてケースとイオン供給材とが電気的に接続されていてもよい。
イオン供給材がはみ出し部を有するため、蓄電素子は、特別な部材を用いなくてもケースとイオン供給材とを電気的に接続できる。
蓄電素子の製造方法は、
導電性を有するケースに正極及び負極を備えた電極体を収容することを含み、
前記正極及び前記負極には活物質層が備えられ、
前記ケースに収容する電極体が前記活物質層を対向させて正極と負極とが積層された積層体を有し、且つ、前記負極の活物質層が正極の活物質層と対向する対向部と正極活物質層と対向しない非対向部とを有しており、
前記非対向部に供給するイオンを含んだイオン供給材を前記ケースに収容することと、前記イオン供給材と前記ケースとを電気的に接続することとをさらに含む。
上記のように製造される蓄電素子は、イオン供給材を有し、該イオン供給材がケースと電気的に接続されているため負極の活物質層の非対向部にイオンを供給できる。従って、蓄電素子は、対向部からのイオンの拡散を抑制したり、対向部へのイオンを供給したりすることができる。即ち、蓄電素子は、単位体積当たりの容量を向上させることができる。
本実施形態の蓄電素子は、単位体積あたりの容量を向上させることができる。
図1は、一実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、図1のII−II線位置の断面図である。 図3は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図4は、同実施形態に係る蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図5は、同実施形態に係る蓄電素子の分解図である。 図6は、同実施形態に係る蓄電素子の分解図である。 図7は、蓄電素子の製造方法に係るフローを示した図である。 図8は、他の実施形態に係る蓄電素子の分解図である。
以下、蓄電素子の一実施形態について、図1〜図6を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子と組み合わされて蓄電装置に用いられる。前記蓄電装置では、該蓄電装置に用いられる蓄電素子が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子は、図1〜図6に示すように、正極23及び負極24を含む電極体2と、電極体2を収容するケース3と、ケース3の外側に配置される外部端子4であって電極体2と導通する外部端子4と、を備える。また、蓄電素子1は、電極体2、ケース3、及び外部端子4の他に、電極体2と外部端子4とを導通させる集電体5等を有する。
図3、4に示すように、電極体2は、巻芯21と、正極23と負極24とが互いに絶縁された状態で積層された積層体22であって、巻芯21の周囲に巻回された積層体22と、を備える。電極体2においてリチウムイオンが正極23と負極24との間を移動することにより、蓄電素子1が充放電する。ここでは電極体2が巻芯21を有する場合を例示するが、電極体2は巻芯21を備えていなくてもよい。
巻芯21は、通常、絶縁材料によって形成される。巻芯21は、筒形状である。本実施形態の巻芯21は、偏平な筒形状である。具体的に、巻芯21は、間隔を空けて対向する一対の湾曲部211と、互いに対向する一対の直線部212であって、湾曲部211の対向(一対の湾曲部211の並び方向に対向)する端部同士を接続する一対の直線部212と、を有する(図3、4参照)。各湾曲部211は、外側(互いに離間する方向)に突出するように湾曲する。一対の直線部212同士は、平行又は略平行である。本実施形態の巻芯21は、可撓性又は熱可塑性を有するシートを巻回することによって形成される。
前記シートは、合成樹脂によって形成される。シートは、電解液に対して耐性を有する。シートは、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)によって構成される。シートの厚さは、例えば、50μm〜200μmである。本実施形態のシートは、例えば、ポリプロピレンによって構成され、該シートの厚さは、例えば、150μmである。巻芯21を構成するシートの材料は、合成樹脂に限定されず、アルミニウム、銅等の金属でもよい。
正極23は、金属箔と、金属箔の上に形成された活物質層(以下、「正極活物質層」ともいう)と、を有する。金属箔は帯状である。本実施形態の金属箔は、例えば、アルミニウム箔である。正極活物質層は、金属箔の片面又は両面に形成される。本実施形態の正極23は、金属箔の両面に活物質層を有している。正極23は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)231を有する。正極23において正極活物質層が形成される部位を被覆部232と称する。
前記正極活物質層は、正極活物質と、バインダーと、を有する。
前記正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極活物質は、例えば、LiMe(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiCo、LiNi、LiMn、LiNiCoMn等)、LiMe(XO(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiFePO、LiMnPO、LiMnSiO、LiCoPOF等)である。本実施形態の正極活物質は、LiNi1/3Co1/3Mn1/3である。
正極活物質層に用いられるバインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
前記正極活物質層は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の正極活物質層は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極24は、金属箔と、金属箔の上に形成された活物質層(以下、「負極活物質層」ともいう)と、を有する。金属箔は帯状である。本実施形態の金属箔は、例えば、銅箔である。負極活物質層は、金属箔の片面又は両面に形成される。本実施形態の負極24は、金属箔の両面に活物質層を有している。負極24は、帯形状の短手方向である幅方向の他方(正極23の非被覆部231と反対側)の端縁部に、負極活物質層の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)241を有する。負極24の被覆部(負極活物質層が形成される部位)242の幅は、正極23の被覆部232の幅よりも大きい。
前記負極活物質層は、負極活物質と、バインダーと、を有する。
前記負極活物質は、例えば、グラファイト、難黒鉛化炭素、及び易黒鉛化炭素などの炭素材、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などのリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極活物質は、難黒鉛化炭素である。
負極活物質層に用いられるバインダーは、正極活物質層に用いられたバインダーと同様のものである。
前記負極活物質層は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。
本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極23と負極24とがセパレータ25によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体2では、正極23、負極24、及びセパレータ25の積層体22が巻回される。セパレータ25は、絶縁性を有する部材である。セパレータ25は、正極23と負極24との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極23と負極24とが互いに絶縁される。また、セパレータ25は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ25を挟んで交互に積層される正極23と負極24との間を移動する。
セパレータ25は、帯状である。セパレータ25は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。セパレータ25は、SiO粒子、Al粒子、ベーマイト(アルミナ水和物)等の無機粒子を含んだ無機層を、多孔質膜によって形成された基材の上に設けることで形成されてもよい。本実施形態のセパレータ25は、例えば、ポリエチレンによって形成される。セパレータの幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極24の被覆部242の幅より僅かに大きい。セパレータ25は、被覆部232同士が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極23と負極24との間に配置される。このとき、正極23の非被覆部231と負極24の非被覆部241とは重なっていない。即ち、正極23の非被覆部231が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向に突出し、且つ、負極24の非被覆部241が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向(正極23の非被覆部231の突出方向と反対の方向)に突出する。本実施形態の電極体2の形成には2枚のセパレータが用いられる。2枚のセパレータ25は、積層体22を形成する際にセパレータ25、正極23、セパレータ25、負極24の順に積層される。積層された状態の正極23、負極24、及びセパレータ25、即ち、積層体22が巻芯21の周りに巻回されることによって、電極体2が形成される。正極23の非被覆部231又は負極24の非被覆部241のみが積層された部位によって、電極体2における非被覆積層部26が構成される。
本実施形態の蓄電素子は、このように巻回型の電極体2を備えている。本実施形態における電極体2は、図2〜図6に示すように横長な扁平板状である。より詳しくは、電極体2の巻回軸方向における寸法(長さ)は、巻回軸に直交する方向における寸法(幅)よりも大きい。電極体2は、図2〜図6に示すように正極23や負極24が半円弧状に湾曲されてなる湾曲部2rと、正極23や負極24が平坦に積層されてなる平坦部2fとを備えている。即ち、電極体2は、2つの湾曲部2rを備えている。湾曲部2rは、巻芯21の湾曲部211と、該湾曲部211に対応して半円形に湾曲した積層体22とで構成されている部位である。電極体2の幅方向両端部は、湾曲部2rとなっている。湾曲部2rの間は平坦部2fとなっている。電極体2は、ケース3への収容方向を上下方向とした場合、前記湾曲部2rを上下に対向させてケース3に収容される。即ち、電極体2は、2つの湾曲部2rの内の一方の湾曲部2r1(以下「第1の湾曲部2r1」ともいう)がケース3への挿入方向先端側となり他方の湾曲部2r2(以下「第2の湾曲部2r2」ともいう)が挿入方向末端側となるように形成されている。また、本実施形態体の電極体2においては、挿入方向と直交する方向の両端部が非被覆積層部26となっている。
非被覆積層部26は、電極体2における集電体5と導通される部位である。本実施形態の非被覆積層部26は、巻回された正極23、負極24、及びセパレータ25の巻回中心軸方向視において、中空部27(図3、4参照)を挟んで二つの部位(二分された非被覆積層部)に区分けされる。
以上のように構成される非被覆積層部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極23の非被覆部231のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における正極の非被覆積層部を構成し、負極24の非被覆部241のみが積層された非被覆積層部26が電極体2における負極の非被覆積層部を構成する。
本実施形態の電極体2は、最内周の電極が正極23で、最外周の電極が負極24となるように積層体22が巻回されたものである。正極23の金属箔よりも内側に配された活物質層は、巻回された積層体(以下「巻回体」ともいう)の最内周においてセパレータ25を介して巻芯21に対向し、負極活物質層とは対向していない。即ち、正極活物質層の内、巻回体の最内周の1周分は、負極活物質層と対向しない非対向部となっている。本実施形態の正極活物質層は、非対向部以外の略全域が負極活物質層と対向する対向部となっている。負極24の金属箔よりも外側に配された活物質層は、巻回体の最外周となる部分において正極活物質層と対向していない。即ち、負極活物質層の内、巻回体の最外周の1周分は、正極活物質層と対向しない非対向部242aとなっている。負極活物質層は、非対向部242a以外の略全域が正極活物質層と対向する対向部となっている。巻回体の巻き終わり部における負極24の端縁24eは、正極23の端縁と揃った位置に設けられているか、正極23の端縁よりも僅かに周方向に延びた位置に設けられている。負極24の端縁24eは湾曲部2rの間に位置する。即ち、負極24の巻き終わり部は、電極体2の平坦部2fに位置する。電極体2は、負極24の端縁24eに向けた方向がケース3への挿入方向と逆向きとなるように形成されている。負極24の端縁24eは、セパレータ25の端縁よりも手前に位置する。即ち、セパレータ25は、正極23や負極24の端縁よりも周回方向に延設された延設部を有している。セパレータ25は、最外周の負極活物質層(非対向部242a)を延設部で覆っている。
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間33に収容する。ケース3は、負極活物質層の非対向部242aにリチウムイオンを供給するためのイオン供給材をさらに収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。即ち、ケース3は、導電性を有している。本実施形態のケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。
前記電解液は、非水溶液系電解液である。電解液は、有機溶媒に電解質塩を溶解させることによって得られる。有機溶媒は、例えば、プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類である。電解質塩は、LiClO、LiBF、及びLiPF等である。本実施形態の電解液は、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、及びエチルメチルカーボネートを、プロピレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:2:5の割合で調整した混合溶媒に、1mol/LのLiPFを溶解させたものである。
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部34と、蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3は、ケース本体31と蓋板32とによって画定される内部空間33を有する。本実施形態では、ケース本体31の開口周縁部34と蓋板32の周縁部とは、溶接によって接合される。
ケース本体31は、板状の閉塞部311であってケース3の内側を向く内面とケース3の外側を向く外面とを有する閉塞部311と、閉塞部311の周縁に接続される胴部312であって、閉塞部311の内面側に延び且つ該内面を包囲する筒状の胴部312とを備える。
閉塞部311は、開口が上を向くようにケース本体31が配置されたときに、ケース本体31の下端に位置する(即ち、前記開口が上を向いたときのケース本体31の底壁となる)部位である。閉塞部311は、該閉塞部311の法線方向視において、矩形状である。閉塞部311の四隅は円弧状である。
以下では、図1に示すように、閉塞部311の長辺方向をX軸方向とし、閉塞部311の短辺方向をY軸方向とし、閉塞部311の法線方向をZ軸方向とする。
本実施形態の胴部312は、角筒形状を有する。詳しくは、胴部312は、扁平板状の電極体2に対応した内部空間を有し、偏平な角筒形状を有する。胴部312は、閉塞部311の周縁における長辺から延びる一対の長壁部313と、閉塞部311の周縁における短辺から延びる一対の短壁部314とを有する。即ち、一対の長壁部313は、Y軸方向に間隔(詳しくは、閉塞部311の周縁における短辺に相当する間隔)を空けて対向し、一対の短壁部314は、X軸方向に間隔(詳しくは、閉塞部311の周縁における長辺に相当する間隔)を空けて対向する。短壁部314が一対の長壁部313の対向(詳しくは、Y軸方向に対向)する端部同士をそれぞれ接続することによって、角筒状の胴部312が形成される。
以上のように、ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。
電極体2は、負極24の巻き終わり部を長壁部313に対向させてケース本体31に収容される。本実施形態においては、シート状のイオン供給材(以下、「イオン供給材シート」ともいう)が電極体2とともにケース本体31に収容される。本実施形態のイオン供給材シートSは、少なくとも負極24の巻き終わり部を覆うように配されている。言い換えれば、イオン供給材シートSは、少なくとも巻き終わり部とケース本体31との間に介装される。本実施形態のイオン供給材シートSは、図5示したように負極活物質層の形成幅に対応した幅を有する帯状である。イオン供給材シートSは、図6に示すように絶縁カバー6に装着して用いられる。本実施形態のイオン供給材シートSは、最外周の負極活物質層に対向するように電極体2を覆っている。イオン供給材シートSと負極活物質層との間にはセパレータ25の延設部が介在している。即ち、本実施形態のイオン供給材シートは、電極体2と電気的に絶縁されている。
イオン供給材シートSは、電極体2の表面形状に沿うように電極体2を覆う。本実施形態のイオン供給材シートSは、電極体2の平坦部2fの一面側から第1の湾曲部2r1を通って平坦部2fの他面側に至る領域を覆っている。即ち、イオン供給材シートSは、第1の湾曲部2r1に対応して略半円形となるように湾曲した湾曲部Srと、該湾曲部Srの両端から電極体2の平坦部2fに沿って延びる一対の平坦部Sfとを有する。イオン供給材シートSの湾曲部Srは、ケース本体31の閉塞部311(底壁)と電極体2との間に介装される。イオン供給材シートSの平坦部Sfは、ケース本体31の閉塞部311の周縁から立上る一対の長壁部313と電極体2との間に介装される。
イオン供給材シートSは、金属箔などの導電性を有する材料で形成された基材シートと、基材シートの片面に積層された活物質層とを備えている。イオン供給材シートSの活物質層は、正極活物質層と同様の活物質を備える。即ち、イオン供給材シートSは、負極活物質層の非対向部242aに供給可能なイオンを備える。イオン供給材シートSの活物質層は、正極活物質層と同じくバインダーや導電助剤を含んでもよい。イオン供給材シートSは、活物質層側が電極体2側となり基材シート側がケース本体31側となるように配される。イオン供給材シートSの基材シートは、ケース本体31に収容された際にケース本体31との間に電気的な接続がなされる部分である。ケース本体31と基材シートとの電気的な接続は、溶接や導電性接着剤による接着による方法で行われても、単に物理的な接触によって行われてもよい。
本実施形態のイオン供給材シートSは、負極活物質層の非対向部242aに対向する。イオン供給材シートSは、非対向部242aにイオンを供給可能な領域の全てを非対向部242aに対向させていてもよく、この領域の一部を非対向部242aに対向させていてもよい。非対向部242aにイオンを供給可能な領域が非対向部242aに対向する面積は、非対向部242aの面積の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。前記のように負極活物質層は、非対向部242a以外の略全域が正極活物質層と対向する対向部となっている。イオン供給材シートSは、負極活物質層の対向部と非対向部242aとの境界に対向することが好ましい。イオン供給材シートSが非対向部242aのうちの対向部に最も近い部分に対向することにより、当該部分にイオンを供給することができる。当該部分のイオンの濃度を高くすることができる結果、正極活物質層と対向する対向部から非対向部242aに対してイオンが拡散することをより効果的に抑制できる。
電極体2、イオン供給材シートS、及び、電解液を収容したケース本体31の開口は、蓋板32により閉塞される。蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。具体的に、蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐようにケース本体に当接する。より具体的には、蓋板32が開口を塞ぐように、蓋板32の周縁部がケース本体31の開口周縁部34に重ねられる。開口周縁部34と蓋板32とが重ねられた状態で、蓋板32とケース本体31との境界部が溶接される。これにより、ケース3が構成される。
外部端子4は、他の蓄電素子の外部端子又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子4は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子4は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。
蓄電素子1は、ケース3を貫通する貫通部材7を備える。蓄電素子1は、蓋板32と、外部端子4等とを絶縁する絶縁部材9を備える。本実施形態の絶縁部材9は、複数の絶縁部材(第一絶縁部材、第二絶縁部材、…)を含む。本実施形態の例では、絶縁部材9は、第一絶縁部材である内部絶縁部材91と、第二絶縁部材である外部絶縁部材92とを含む。
貫通部材7は、ケース3の内部に配置される集電体5と、ケース3の外部に配置される外部端子4とを通電させる。貫通部材7は、導電性の金属によって形成される。貫通部材7は、外部端子4から延びる。具体的に、貫通部材7は、外部端子4から蓋板32の貫通孔322を通ってケース3内に延びる。詳しくは、貫通部材7は、外部端子4からケース3内に延び、外部端子4と共同して、外部絶縁部材92、蓋板32、内部絶縁部材91、及び集電体5をZ軸方向に挟み込む。これにより、外部絶縁部材92、内部絶縁部材91、及び集電体5が蓋板32に固定される。前記かしめによって、貫通部材7と集電体5とが十分に接触し、互いに導通する。
集電体5は、ケース3内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体5は、クリップ部材50を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体5とを通電可能に接続するクリップ部材50を備える。
集電体5は、蓄電素子1の正極と負極とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、ケース3内において、電極体2の正極非被覆積層部26と、負極非被覆積層部26とにそれぞれ配置される。
蓄電素子1は、電極体2とケース3とを絶縁する絶縁部材等を備える。本実施形態の絶縁部材は、例えば、絶縁カバー6である。図2、図5、図6に示すように、絶縁カバー6は、ケース3(詳しくはケース本体31)とイオン供給材シートSにより一部が覆われた電極体2との間に配置される。絶縁カバー6は、絶縁性を有する部材によって形成される。絶縁カバー6は、シート状の部材によって構成される。本実施形態の絶縁カバー6は、例えば、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂によって形成される。本実施形態の絶縁カバー6は、所定の形状に裁断された絶縁性を有するシート状の部材を折り曲げることによって袋状に形成される。
絶縁カバー6は、シート状の部材を単に折り曲げて袋状に形成せずに、シート状の部材を例えば融着又は溶着して袋状に形成してもよい。絶縁カバー6は、初めから袋状に形成してもよい。絶縁カバー6の代わりに、ケース3の内面に絶縁層を設けることによって、電極体2とケース3とを絶縁してもよい。
本実施形態の蓄電素子1では、袋状の絶縁カバー6に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2、イオン供給材シートS及び集電体5)がケース3内に収容される。
絶縁カバー6は、厚み方向に貫通する貫通路を備えている。貫通路は、丸孔や角孔などの貫通孔であっても直線状又は曲線状のスリットであってもよい。本実施形態における貫通路はイオン供給材シートSの幅に対応した長さを有する直線状のスリット61である。スリット61は、絶縁カバー6をケース3に収容する際の挿入方向に交差する方向に延在しており、本実施形態においては挿入方向に対して直交する方向に沿って延在している。スリット61は、ケース本体31の一対の長壁部313の内の一方の長壁部313と電極体2との間と、他方の長壁部313と電極体2との間との2箇所に備えられている。スリット61は、電極体2の巻終わり部における負極24の端縁24eよりも上方に位置している。スリット61は絶縁カバー6をケース3内に収容した状態において閉塞部311から長壁部313の上縁までの高さの半分以上の位置に設けられている。
本実施形態のイオン供給材シートSは、一対のスリット61の内の一方のスリット61から絶縁カバー6の表面に沿って他方のスリット61まで移動した場合の移動距離よりも長い。イオン供給材シートSの湾曲部Srからそれぞれ延びる一対の平坦部Sfの端縁部は、スリット61を通じて絶縁カバー6の外部にはみ出したはみ出し部Saとなっている。はみ出し部Saは、少なくとも一部が絶縁カバー6を介して電極体2の平坦部2fに対向する。
本実施形態の蓄電素子は、例えば、絶縁カバー6にセットしたイオン供給材シートSをケース本体31に収容し、必要に応じてイオン供給材シートSとケース本体31とを電気的に接続した後、ケース本体31に収容した絶縁カバー6内に電極体2を収容する方法で作製することができる。即ち、本実施形態の蓄電素子は、図7に示すように非対向部242aに供給するイオンを含んだイオン供給材をケースに収容すること(ステップS1)と、イオン供給材とケースとを電気的に接続すること(ステップS2)と、ケースに電極体を収容すること(ステップS3)とを実施して作製することができる。なお、これらの工程は順番を入れ替えることもでき同時進行することもできる。
はみ出し部Saが位置する部分における電極体と絶縁カバーとイオン供給材シートSとの合計厚み(自然状態における厚み)がケース本体31の長壁部313間の空間の厚みよりも厚いものであればステップS1からステップS3を同時進行することができる。本実施形態の蓄電素子1は、イオン供給材シートSと絶縁カバー6とで被覆した電極体2をケース3に収容することでステップS1からステップS3を同時進行させることができる。このときイオン供給材シートS、及び、絶縁カバー6は、合計厚みがケース3内の空間の厚みよりも厚いため、ケース3に圧入される。イオン供給材シートSのはみ出し部Saにおける基材シートは、この圧入によって生じる押圧力でケース本体31の内壁面に当接し、ケース本体31と電気的に接続される。即ち、本実施形態のケース3とイオン供給材シートSとは、他に特別な部材を用いることなく電気的に接続される。このように本実施形態においては、ケースに電極体を収容すること(ステップS3)とイオン供給材をケースに収容すること(ステップS1)とが同時進行するとともにイオン供給材とケースとを電気的に接続すること(ステップS2)も同時進行する。
イオン供給材シートSのはみ出し部は、基材シートが外側となるように折り返した折り返し部を備えていてもよい。折り返し部は、イオン供給材シートSの数倍の厚みとなる。従って、折り返し部では基材シートがより強くケース本体31に当接される。即ち、折り返し部を設けることでイオン供給材シートSとケース3との電気的な接続がより確実に行われることになる。
イオン供給材シートSと絶縁カバー6とで被覆した電極体2がケース本体31内に収容された後は、ケース本体31と蓋板32とが溶接される。このことにより電極体2、イオン供給材シートS、及び、絶縁カバー6はケース3内に封入される。より詳しくは、本実施形態の蓄電素子は、絶縁カバー6にイオン供給材シートSを装着することと、集電体5を介して電極体2を蓋板32に固定することと、イオン供給材シートSを装着した絶縁カバー6で電極体2を覆うことと、絶縁カバー6で覆われた電極体2をケース本体31に圧入することと、が実施されて作製される。絶縁カバー6にイオン供給材シートSを装着することは、スリット61などの貫通路を備えた絶縁カバー6を用い、イオン供給材シートSの一部を貫通路を通じて絶縁カバー6の外側にはみ出させてイオン供給材シートSにはみ出し部Saを生じさせるとともにイオン供給材シートSの残部を絶縁カバー6の内面に沿わせて配置することを含む。
本実施形態の蓄電素子1は、絶縁カバー6が樹脂フィルムのような柔軟性を有する素材で形成されているため電極体2をケース本体31に圧入した際には絶縁カバー6の内面に沿わせて配置したイオン供給材シートSが電極体2の外表面に対して押圧される。電極体2をケース本体31に圧入する際には、絶縁カバー6とケース本体31との間に摩擦力が生じる。この摩擦力により絶縁カバー6は圧入前後において電極体2に対して相対移動する。即ち、絶縁カバー6は電極体2のケース本体31への挿入方向に対して後退する方向に移動する。この絶縁カバー6の移動により、圧入前のイオン供給材シートSと電極体2との密着が不十分であったとしても、圧入後にはこれらが十分に密着した状態となる。しかも、本実施形態の蓄電素子1のイオン供給材シートSは、はみ出し部を有することからケース本体31内への電極体2の挿入に際してイオン供給材シートS自体がケース本体31との摩擦力によって挿入方向に対して後方側に引っ張られる。従って、イオン供給材シートSと電極体2とがより一層密着することになる。
このような製造方法で作製される蓄電素子1は、電極体2の最外周の負極活物質層(非対向部242a)とイオン供給材シートSの活物質層とが対向する。しかも、イオン供給材シートSは、ケース3に対して電気的に接続されているためケース3と負極との間に電圧を印加することで、負極活物質層の非対向部242aに対してリチウムイオンを供給することができる。従って、本実施形態の蓄電素子1は、正極活物質層と負極活物質層との間で授受されるべきリチウムイオンが負極24の非対向部242aに拡散して蓄電素子1の充放電に十分寄与できなくなることを抑制することができる。また、蓄電素子1は、充放電の繰り返しによって正極負極間で授受されるリチウムイオンが不足し、初期の容量よりも少ない容量となった場合にケース3と負極との間に電圧を印加し、イオン供給材シートSから負極活物質層の非対向部242aを通じてリチウムイオンを供給(補給)することができる。即ち、蓄電素子1は、使用開始前、及び、使用開始後の少なくとも一方において負極24とケース3との間に電圧を加えることを1回以上実施することができる。蓄電素子1には、負極24とケース3との間に電圧を加えることを複数回実施してもよい。負極24とケース3との間に複数回電圧を加える場合、電圧を加える時期は、蓄電素子1の使用開始前と使用開始後との両方であっても使用開始前と使用開始後との何れか一方のみであってもよい。何れの場合でも充放電に利用可能なイオンが不足することが抑制され、蓄電素子1は、優れた容量を発揮することができる。
蓄電素子1の製造方法は、ケース3に電極体2を収容すること(ステップS3)の後、電極体2を充電すること(ステップS4)を備えてもよい。蓄電素子1の製造方法は、電極体2を充電すること(ステップS4)の後にイオン供給材シートSとケース3とを電気的に接続することを備えることが好ましい。先に電極体2を充電することによって、供給されたイオンが正極活物質層と対向する領域に拡散し、電極体2を充電するときにイオンが金属になって析出することを抑制できる。
即ち、蓄電素子1は、正極23及び負極24を備えた電極体2と、該電極体2を収容するケース3とを備え、前記正極23及び前記負極24が活物質層を備え、前記電極体2は、前記活物質層を対向させて正極23と負極24とが積層された積層体を有し、前記負極24の活物質層が、正極23の活物質層と対向する対向部と正極活物質層と対向しない非対向部242aとを有し、該電極体2の前記非対向部242aに供給するイオンを備えたイオン供給材が前記ケースに収容され、前記ケース3が導電性を有し、前記イオン供給材が前記ケース3と電気的に接続されているため単位体積あたりの容量を従来の蓄電素子に比べて向上させることができる。
蓄電素子1は、前記イオン供給材と前記電極体2とが電気的に絶縁されていてもよい。蓄電素子1は、イオン供給材と電極体2とが電気的に絶縁されることで負極活物質層の非対向部242aにイオンを供給し易くなる。
蓄電素子1は、前記電極体2が帯状の前記積層体を巻回した巻回型の電極体2で、前記非対向部242aが負極24の巻き終わり部において前記ケース3の内壁面に対向し、前記イオン供給材がシート状で前記巻き終わり部と前記内壁面との間に介装されていてもよい。前記巻き終わり部にシート状のイオン供給材が配されることで蓄電素子1はこの巻き終わり部にイオンを供給し易くなる。巻き終わり部にイオンを供給し易い状態でイオン供給材が配されることで蓄電素子1は容量の低下を防ぐ上で有利となる。また、蓄電素子1はイオンを供給し易い状態でイオン供給材が配されることで対向部にイオンを補給する上でも有利となる。
蓄電素子1は、前記電極体2が絶縁カバー6に覆われて前記ケース3に収容され、前記イオン供給材が前記絶縁カバー6と前記電極体2との間に配されており、前記絶縁カバー6に貫通路が設けられ、前記イオン供給材と前記ケース3とが前記貫通路を通じて電気的に接続されていてもよい。蓄電素子1は、電極体2が絶縁カバー6に覆われていることで電極体2とケース3との絶縁性を確保できる。
蓄電素子1の前記シート状のイオン供給材は、前記貫通路を通じて絶縁カバー6の外側にはみ出したはみ出し部を有し、該はみ出し部が前記ケース3の内壁面に当接されてケース3とイオン供給材とが電気的に接続されていてもよい。イオン供給材がはみ出し部を有するため、蓄電素子1は、ケース3とイオン供給材との電気的な接続に特別な部材を用いなくても済む。
このような蓄電素子1を作製するための蓄電素子1の製造方法は、導電性を有するケース3に正極23及び負極24を備えた電極体2を収容することを含み、前記正極23及び前記負極24には活物質層が備えられ、前記ケース3に収容する電極体2が前記活物質層を対向させて正極と負極とが積層された積層体を有し、且つ、前記負極の活物質層が正極の活物質層と対向する対向部と正極活物質層と対向しない非対向部242aとを有しており、前記非対向部242aに供給するイオンを含んだイオン供給材を前記ケース3に収容することと、前記イオン供給材と前記ケース3とを電気的に接続することとをさらに含む。このように製造される蓄電素子1はイオン供給材を備え、該イオン供給材とケース3とが電気的に接続されていることで単位体積当たりの容量を向上させることができる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
本発明の蓄電素子は、例えば、図8に示したような態様とすることができる。図8に示した蓄電素子1’(以下「第2の蓄電素子1’」ともいう)は、電極体2と、絶縁カバー6’と、イオン供給材シートSとを有している点においては、図6などに例示する蓄電素子(以下「第1の蓄電素子」ともいう)と共通している。
第1の蓄電素子1が電極体2の略全体を覆う絶縁カバー6を有しているのに対して第2の蓄電素子1’の絶縁カバー6’は電極体2の一部のみを覆っている。即ち、絶縁カバー6’は、ケース本体31の内壁面と対向する電極体2の表面を覆う被覆部と、ケース本体31の内壁面に向けて電極体2の表面を露出させる露出部とを有する。言い換えれば第2の蓄電素子1’の電極体2は、絶縁カバー6’で覆われた被覆部と絶縁カバー6’で覆われていない露出部とを備えている。第2の蓄電素子1’の絶縁カバー6’は第1の蓄電素子1の絶縁カバー6に対して切欠を設けたものであり矩形状の切欠を設けたものである。切欠の形状は矩形以外の多角形や円形や不定形などとしてもよい。電極体2の露出部を形成させるための切欠の数は、1又は2以上とすることができる。
電極体2の露出部では、負極24の非対向部242aに該当する領域の少なくとも一部がケース本体31の内壁面に対向している。蓄電素子1’の電極体2は、第1の蓄電素子1と同じく巻回型であり、巻回軸方向(X方向)における両端部にそれぞれ非被覆積層部26を備えている。絶縁カバー6’で覆われた被覆部は、少なくともこの非被覆積層部26を含んでいる。
本実施形態の絶縁カバー6’は、電極体の巻回軸方向両端部備えられた2つの非被覆積層部26を覆う2つの端部被覆部62’と端部被覆部62’どうしを接続する接続部63’とを有する。接続部63’は、ケース本体31の閉塞部311(底壁)に沿って延在している。2つの端部被覆部62’は、この接続部63’の両端からそれぞれ上方に向けて延在している。即ち、絶縁カバー6’は、ケース本体31の閉塞部311の短辺方向(Y軸方向)に見た場合の全体形状がU字状となっている。接続部63’は、延在する方向(X方向)に直交する平面での断面形状がU字状となって電極体2の第1の湾曲部2r1を覆っている。2つの端部被覆部62’は、延在する方向(Z方向)に直交する平面での断面形状がU字状となって非被覆積層部26を覆っている。即ち、絶縁カバー6’で覆われた状態の電極体2は、平坦部2fが露出している。
第1の蓄電素子1では、イオン供給材シートSが電極体2と絶縁カバー6との間に介装されているが第2の蓄電素子1’では、電極体2が露出部を有するためイオン供給材シートSの位置を絶縁カバー6の外側とすることができる。即ち、第2の蓄電素子1’では、電極体2の露出部に対向するようにイオン供給材シートSを配置すれば、絶縁カバー6の外側にイオン供給材シートSを配置しても非対向部242aにイオンの供給が可能となる。従って、第2の蓄電素子1’のイオン供給材シートSはケース本体31の内壁面に沿わせて配置することができる。第2の蓄電素子1’は、イオン供給材シートSに代えてケース本体31の内壁面に形成した塗膜をイオン供給材として用いることができる。即ち、ケース本体31の内壁面の内、例えば、正極活物質層を形成させるためのペーストなどで電極体2の露出部に対向する領域に塗膜を形成させれば、この塗膜を非対向部242aにイオンを供給するためのイオン供給材として利用することができる。
第2の蓄電素子1’も第1の蓄電素子1と同じく電極体2はケース本体31に圧入されることが好ましい。このことによりイオン供給材シートSと電極体2とが接する方向に圧力が生じ、非対向部242aとイオン供給材シートSとが十分接近した状態になり、非対向部242aにイオンが供給され易い状態となる。
上記のように第2の蓄電素子1’は、電極体2が絶縁カバー6’に覆われた被覆部と、絶縁カバー6’で覆われていない露出部とを有し、シート状のイオン供給材は、負極24の非対向部242aの少なくとも一部と前記露出部で対向するように配置されていてもよい。また、蓄電素子1’は、シート状のイオン供給材が絶縁カバー6’の外側から電極体2を覆うものであってもよい。そして蓄電素子1’の負極の非対向部と対向するようケース内に収容されたシート状のイオン供給材は、ケースによって非対向部に向けて押圧されるものであってもよい。本発明の蓄電素子の具体的な態様は、この第2の蓄電素子1’や第1の蓄電素子1以外にも種々の態様となり得る。
また、上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
上記のように第1の蓄電素子1及び第2の蓄電素子1’の電極体2はケース本体31に圧入されることが好ましい。このことによりイオン供給材シートSと電極体2とが接する方向に圧力が生じ、非対向部242aとイオン供給材シートSとが十分接近した状態になり、非対向部242aにイオンが供給され易い状態となる。このような効果は、ケース本体31のうち少なくともイオン供給材シートSと対向する部分が外部から押圧されることによっても発揮される。このため蓄電素子は、ケース本体を外部から押圧する押圧部材をさらに備えていてもよい。即ち、本実施形態の蓄電素子は、押圧部材をさらに備え、ケース本体31のイオン供給材シートSと対向する部分が押圧部材で押圧されるものであってもよい。
蓄電素子が押圧部材を有していなくても蓄電素子と押圧部材とが併用されることによってイオン供給材シートSと負極24の非対向部242aとを接近させることができる。蓄電素子(例えば電池)は、蓄電装置(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)に用いられてもよい。その場合、蓄電装置は押圧部材とを備えていてもよい。即ち、蓄電装置は、蓄電素子と、蓄電素子のケース本体を外部から押圧する押圧部材とを備え、ケース本体のイオン供給材シートと対向する部分を押圧部材で押圧するものであってもよい。蓄電装置は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材と、を有するものであってもよい。二つ以上の蓄電素子を備えた蓄電装置は、複数の蓄電素子のケース本体を1つの押圧部材で押圧するものであってもよい。二つ以上の蓄電素子を備えた蓄電装置は、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。
1:蓄電素子、3:ケース、6:絶縁カバー、23:正極、24:負極、61:スリット(貫通路)、242a:非対向部、イオン供給材シート(イオン供給材)S

Claims (6)

  1. 正極及び負極を備えた電極体と、該電極体を収容するケースとを備え、
    前記正極及び前記負極が活物質層を備え、
    前記電極体は、前記活物質層を対向させて正極と負極とが積層された積層体を有し、
    前記負極の活物質層が、正極の活物質層と対向する対向部と正極活物質層と対向しない非対向部とを有し、
    該電極体の前記非対向部に供給するイオンを備えたイオン供給材が前記ケースに収容され、
    前記ケースが導電性を有し、前記イオン供給材が前記ケースと電気的に接続されている蓄電素子。
  2. 前記イオン供給材と前記電極体とが電気的に絶縁されている請求項1記載の蓄電素子。
  3. 前記電極体が帯状の前記積層体を巻回した巻回型の電極体で、
    前記非対向部が負極の巻き終わり部において前記ケースの内壁面に対向し、
    前記イオン供給材がシート状で、前記巻き終わり部と前記内壁面との間に該イオン供給材が介装されている請求項1又は2記載の蓄電素子。
  4. 前記電極体が絶縁カバーに覆われて前記ケースに収容され、
    前記イオン供給材が前記絶縁カバーと前記電極体との間に配されており、
    前記絶縁カバーに貫通路が設けられ、
    前記イオン供給材と前記ケースとが前記貫通路を通じて電気的に接続されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記シート状のイオン供給材は、前記貫通路を通じて絶縁カバーの外側にはみ出したはみ出し部を有し、
    該はみ出し部が前記ケースの内壁面に当接されてケースとイオン供給材とが電気的に接続されている請求項3又は4記載の蓄電素子。
  6. 導電性を有するケースに正極及び負極を備えた電極体を収容することを含み、
    前記正極及び前記負極には活物質層が備えられ、
    前記ケースに収容する電極体が前記活物質層を対向させて正極と負極とが積層された積層体を有し、且つ、前記負極の活物質層が正極の活物質層と対向する対向部と正極活物質層と対向しない非対向部とを有しており、
    前記非対向部に供給するイオンを含んだイオン供給材を前記ケースに収容することと、前記イオン供給材と前記ケースとを電気的に接続することとをさらに含む蓄電素子の製造方法。
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