JP2016189323A - 蓄電素子 - Google Patents

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憲利 前田
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Abstract

【課題】蓄電素子は、集電体と接続される電極体の酸化を抑制し、集電体と電極体との電気的な接続を良好な状態で維持させる。【解決手段】蓄電素子は、金属箔を有する非被覆領域をそれぞれ有する正極及び負極を含む電極体と、非被覆領域に重ね合わされる片部35を有する集電体と、非被覆領域を片部35とともに挟み込む対向片41と、を備え、非被覆領域、片部35、及び対向片41の少なくとも一つは、非酸化性又は難酸化性を有する導電層であって、非被覆領域における片部35を向いた面、非被覆領域における対向片41を向いた面、片部35における非被覆領域を向いた面、及び対向片41における非被覆領域を向いた面のうちの少なくとも一つの面、を覆う導電層を有する。【選択図】図14

Description

本発明は、正極と負極とが積層された電極体と、電極体に接続された集電体とを備える蓄電素子に関する。
従来から、積層電極と端子とをクリンチ接合によって接合した蓄電装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この蓄電装置は、図20に示すように、絶縁シート600と正極シート601と絶縁シート600と負極シート602の組が積層され、且つ絶縁シート600の辺から突出する電極箔の積層604を有する積層電極603と、電極箔の積層604に接合される端子605とを備えている。
端子605は、2層の板部606、607を有し、電極箔の積層604は、端子605の2層の板部606,607に挟み込まれる。そして、2層の板部606,607を塑性変形させることで、一方の板部606と電極箔の積層604は、他方の板部607に没入される。こうすることで、電極箔の積層604は、端子605に接合される。
上記の蓄電装置では、電極箔の積層604と端子605との接合部分は、クリンチングによる接触接合となるため、時間の経過に伴って電極箔の表面(導電性を有する部分)が酸化し、これにより、電極箔の積層604と端子605との接合部分の抵抗が上昇する。その結果、積層電極603と端子605との接合部分における電気的な接続を良好な状態に維持するのが困難となる。
特許第4374870号公報
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、電極体と集電体との接合部分の酸化を抑制し、該接合部分における電気的な接続を良好な状態で維持させることができる蓄電素子を提供することを課題とする。
本発明に係る蓄電素子は、
積層された正極及び負極であって、金属箔を有する非被覆領域をそれぞれ有する正極及び負極を含む電極体と、
前記非被覆領域に重ね合わされる片部を有する集電体と、
前記非被覆領域を前記片部とともに挟み込む対向片と、を備え、
前記非被覆領域、前記片部、及び前記対向片の少なくとも一つは、非酸化性又は難酸化性を有する導電層であって、前記非被覆領域における前記片部を向いた面、前記非被覆領域における前記対向片を向いた面、前記片部における前記非被覆領域を向いた面、及び前記対向片における前記非被覆領域を向いた面のうちの少なくとも一つの面、を覆う導電層を有する。
かかる構成によれば、片部と対向片とによって非被覆領域が挟み込まれることによって接触接合された正極又は負極と集電体とにおいて、非被覆領域における片部を向いた面、非被覆領域における対向片を向いた面、片部における非被覆領域を向いた面、及び対向片における非被覆領域を向いた面のうちの少なくとも一つの面を導電層が覆うため、該導電層が設けられた部位における酸化が抑えられ、これにより、該部位において酸化に起因する部材間の抵抗の上昇を抑制することができる。その結果、電極体と集電体との接合部分における電気的な接続を良好な状態で維持させることができる。
前記蓄電素子において、
前記片部は、凸部又は凹部の何れか一方で構成された第一嵌合部を有し、
前記対向片は、前記凸部又は前記凹部の何れか他方で構成されると共に、前記非被覆領域を挟んだ状態で前記第一嵌合部と凹凸嵌合する第二嵌合部を有し、
前記導電層は、少なくとも前記第一嵌合部及び前記第二嵌合部と対応する位置に設けられることが好ましい。
かかる構成によれば、第一嵌合部と第二嵌合部とが凹凸嵌合する部位(即ち、凹凸嵌合によって、重なる部材同士が密に接する部位)において導電層が設けられることによって、該導電層と接する面の酸化が防がれ、これにより、該部位(前記凹凸嵌合する部位)において電気的な接続が良好な状態で維持される。
前記蓄電素子において、
前記第一嵌合部及び前記第二嵌合部を構成する前記凸部及び前記凹部は、雄金型と雌金型とによって金型成形された部位であり、
前記凸部は、前記片部及び前記対向片のうちの厚さ寸法の大きい方に設けられ、
前記凹部は、前記片部及び前記対向片のうちの厚さ寸法の小さい方に設けられることが好ましい。
かかる構成によれば、凸部の形成される部位の方が凹部の形成される部位よりも厚さ寸法が大きいため、凸部が金型成形される際に該部位の厚みが減少して強度が低下しても、所定の強度を確保することができる。
前記蓄電素子において、
前記正極又は前記負極の何れか一方の前記非被覆領域は、積層され、
前記導電層は、前記積層された状態の非被覆領域において、前記非被覆領域同士が対向する面のそれぞれに設けられることが好ましい。
かかる構成によれば、積層された状態の非被覆領域における各非被覆領域間の酸化に起因する抵抗の上昇が抑えられ、これにより、電極体における全ての非被覆領域間の電気的な接続が良好な状態で維持される。
前記蓄電素子では、
前記導電層は、炭素質材料を含有していてもよい。
このように、導電層が炭素質材料を含有することで、電極体と集電体との間の良好な導電性を確保できる。
前記蓄電素子において、
前記正極及び前記負極のうちの少なくとも一方は、前記非被覆領域と、前記非被覆領域に連なる被覆領域とを有し、
前記非被覆領域は、前記導電層である第一の導電層を有し、
前記被覆領域は、前記非被覆領域の金属箔である第一の金属箔と連なる第二の金属箔と、前記第二の金属箔に密着した状態で積層され且つ非酸化性又は難酸化性を有する第二の導電層と、前記第二の金属箔との間に前記第二の導電層を挟み込むように該第二の導電層に積層される活物質層とを有し、
前記第一の導電層と前記第二の導電層とは、連なってもよい。
このように、被覆領域(詳しくは、第二の金属箔と活物質層との間)にある導電層が非被覆領域まで連続して(一体に)形成されることで、活物質層から金属箔を通って集電体へ向かう電子の流れに加え、活物質層から導電層を通って直接集電体へ向かう電子の流れも作ることができ、これにより、電極体と集電体との間の導電性をより向上させることができる。
前記蓄電素子において、
前記導電層は、前記非被覆領域における前記片部を向いた面、及び前記非被覆領域における前記対向片を向いた面の少なくとも一方の面の全体を覆ってもよい。
かかる構成によれば、非被覆領域(金属箔)の少なくとも一方の面の全体が導電層に覆われているため、前記面の全体において酸化が防がれ、これにより、電極体と集電体との間の導電性をより向上させることができる。
前記蓄電素子において、
前記正極及び前記負極のそれぞれは、前記金属箔と、前記金属箔の前記非被覆領域を除いた領域において該金属箔に積層される活物質層と、を有し、
前記導電層は、前記金属箔と前記活物質層との間において、前記金属箔の前記活物質層を向いた面の全体を覆ってもよい。
かかる構成によれば、金属箔の活物質層を向いた面の全体の酸化を防ぐことができる。
また、活物質層から金属箔を通って集電体へ向かう電子の流れに加え、活物質層から導電層を通って直接集電体へ向かう電子のより大きな流れも作ることができ、これにより、電極体と集電体との間の導電性をより向上させることができる。
また、
前記電極体では、前記正極と前記負極とが積層された状態で巻回され、
前記非被覆領域は、前記電極体の巻回中心軸方向の端部に配置されていてもよい。
このような正極と負極とが積層された状態で巻回されている、いわゆる巻回型の電極体であっても、巻回中心軸方向の端部において、酸化に起因する部材間の抵抗の上昇を抑制することができ、これにより、電極体と集電体との接合部分における電気的な接続を良好な状態で維持させることができる。
以上のように、本発明の蓄電素子によれば、集電体と接続される電極体の酸化を抑制し、集電体と電極体との電気的な接続を良好な状態で維持させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。 図2は、図1のII―II線位置の断面図である。 図3は、前記蓄電素子の分解斜視図である。 図4は、前記蓄電素子の一部を組み立てた状態の斜視図であって、電極体、集電体、及び外部端子を蓋板に組み付けた状態の斜視図である。 図5は、前記蓄電素子の電極体の構成を説明するための図である。 図6は、前記電極体を構成する正極の拡大断面図である。 図7は、前記正極を説明するための分解図である。 図8は、前記電極体を構成する負極の拡大断面図である。 図9は、前記負極を説明するための分解図である。 図10は、前記蓄電素子における集電体の側面図である。 図11は、前記集電体の斜視図である。 図12は、前記蓄電素子におけるクリップ部材の斜視図である。 図13は、前記クリップ部材の斜視図である。 図14は、前記蓄電素子の電極体と集電体との接合部分の拡大断面図である。 図15は、前記蓄電素子の電極体と集電体とを接合する方法を説明するための図であって、片部と突出部と対向片とを並べた状態の図である。 図16は、前記蓄電素子の電極体と集電体とを接合する方法を説明するための図であって、第一〜第三嵌合部が形成された状態の図である。 図17は、他実施形態に係る蓄電素子の電極体と集電体との接合部を模式的に表す拡大断面図である。 図18は、他実施形態に係る蓄電素子の電極体と集電体との接合部を模式的に表す拡大断面図である。 図19は、前記一実施形態に係る蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。 図20は、従来の蓄電素子の電極体と集電体との接合部分の断面図である。
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1〜図16を参照しつつ説明する。蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
本実施形態の蓄電素子は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子と組み合わされて蓄電装置に用いられる。前記蓄電装置では、該蓄電装置に用いられる蓄電素子が電気エネルギーを供給する。
蓄電素子は、図1〜図9及び図14に示すように、積層された正極23及び負極24であって、金属箔231A、241Aによって構成される非被覆領域23A、24Aをそれぞれ有する正極23又は負極24を含み、且つ正極23又は負極24の何れか一方の非被覆領域23A、24Aが正極23又は負極24の何れか他方の端縁から突出する電極体2と、非被覆領域23A、24Aに重ね合わされる片部35を有する集電体3と、非被覆領域23A、24Aを片部35とともに挟み込む対向片41と、を備える。これら非被覆領域23A、24A、片部35、及び対向片41の少なくとも一つは、非酸化性又は難酸化性を有する第一の導電層232A、242Aであって、非被覆領域23A、24Aにおける片部35を向いた面及び対向片42を向いた面の少なくとも一方の面、片部35における非被覆領域23A、24Aを向いた面、対向片42における非被覆領域23A、24Aを向いた面、を覆う(好ましくは、密着した状態で覆う)第一の導電層232A、242Aを有する。
また、蓄電素子1は、図1〜図4に示すように、電極体2を収容するケース6と、ケース6の外側に配置される外部端子7と、電極体2と外部端子7とを導通させる集電体3と、を備える。即ち、本実施形態の蓄電素子1は、ケース6と、ケース6に収容される電極体2と、ケース6の外側に配置される外部端子7と、電極体2と外部端子7とを導通可能に接続する集電体3と、を備える。
ケース6は、開口を有するケース本体61と、ケース本体61の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板62と、を有する。ケース6は、電極体2及び集電体3等と共に、電解液を内部空間63に収容する。ケース6は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。本実施形態のケース6は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。ケース6は、ステンレス鋼及びニッケル等の金属材料、又は、アルミニウムにナイロン等の樹脂を接着した複合材料等によって形成されてもよい。
ケース本体61は、板状の閉塞部611と、閉塞部611の周縁に接続される筒状の胴部612とを備える。
閉塞部611は、開口が上を向くようにケース本体61が配置されたときに、ケース本体61の下端に位置する(即ち、前記開口が上を向いたときのケース本体61の底壁となる)。閉塞部611は、該閉塞部611の法線方向視において、矩形状である。また、胴部612は、角筒形状を有する。本実施形態の胴部612は、偏平な角筒形状を有する。以上のように、ケース本体61は、開口方向における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。
以下では、図3に示すように、閉塞部611の長辺方向を直交座標軸のX軸方向とし、閉塞部611の短辺方向を前記直交座標軸のY軸方向とし、閉塞部611の法線方向を前記直交座標軸のZ軸方向とする。
電極体2は、図5に示すように、正極23と負極24とが互いに絶縁された状態で積層された積層体が巻回されることによって形成される。即ち、本実施形態の電極体2は、いわゆる巻回型である。本実施形態の電極体2は、扁平な筒状である。
正極23は、金属箔231と、金属箔231に積層される導電層232と、導電層232に積層される正極活物質層233と、を有する。このように、正極23は、金属箔231、導電層232及び正極活物質層233の三層構成である。
正極23は、図6及び図7に示すように、非被覆領域23Aと、非被覆領域23Aに連なる被覆領域23Bと、を有する。非被覆領域23Aとは、正極23のうち活物質層233が金属箔231上に積層されていない領域を意味する。また、被覆領域23Bとは、正極23のうち活物質層233が金属箔231上に積層されている領域を意味する。非被覆領域23Aは、第一の金属箔231Aと、第一の金属箔231Aに積層される第一の導電層232Aと、を有する。また、被覆領域23Bは、第一の金属箔231Aと連なる(連接する)第二の金属箔231Bと、第二の金属箔231Bに密着した状態で積層され且つ非酸化性又は難酸化性を有する第二の導電層232Bと、第二の金属箔231Bとの間に第二の導電層232Bを挟み込むように該第二の導電層232Bに積層される正極活物質層(活物質層)233とを有する。本実施形態の正極23では、第一の金属箔231Aと第二の金属箔231Bとは、一体であり(連続しており)、金属箔231を構成する。また、第一の導電層232Aと第二の導電層232Bとは、一体であり(連続しており)、導電層232を構成する。
尚、本実施形態の正極23では、短手方向において、正極活物質層233が積層された部位が上述の被覆領域23Bであり、正極活物質層233が積層されていない部位が上述の非被覆領域23Aである。そして、金属箔231における非被覆領域23Aに含まれる部位が上述の第一の金属箔231Aであり、被覆領域23Bに含まれる部位が上述の第二の金属箔231Bである。また、導電層232における非被覆領域23Aに含まれる部位が上述の第一の導電層232Aであり、被覆領域23Bに含まれる部位が上述の第二の導電層232Bである。
金属箔231は、帯状である。この金属箔231では、長手方向の各位置における短手方向(長手方向と直交する方向)の幅が一定若しくは略一定である。本実施形態の金属箔231は、例えば、アルミニウムによって構成される。
導電層232は、非酸化性又は難酸化性を有する導電性物質の層であり、金属箔231の片面(図6及び図7における上面)の全域(全体)に形成(積層)される。この導電層232は、少なくとも、非酸化性又は難酸化性を有する導電性物質を含む。非酸化性を有する物質とは、空気雰囲気下又は電解液雰囲気下で、酸化反応を生じないものを意味する。難酸化性を有する物質とは、空気雰囲気下又は電解液雰囲気下で、非被覆領域23Aにおける金属箔231、後述する片部35、及び後述する対向片41よりも酸化反応が生じ難いものを意味する。難酸化性を有する物質では、空気雰囲気下又は電解液雰囲気下において、非被覆領域23Aにおける金属箔231、後述する片部35、及び後述する対向片41よりも酸化物の標準生成エンタルピーが小さいことが好ましい。非酸化性又は難酸化性を有する導電性の物質は、例えば、炭素質材料、導電性樹脂、イオン化傾向の低い金属である。炭素質材料は、例えば、カーボンブラック、グラファイトである。導電性樹脂は、例えば、エポキシ系樹脂又はポリオレフィン系樹脂に、カーボンブラック等を混合したものである。イオン化傾向の低い金属は、例えば、貴金属である。本実施形態の導電層232は、導電性物質としてカーボンブラックを含む(含有する)。本実施形態の導電層232は、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン及びカーボンブラックを溶媒に分散させたものを金属箔231に塗布した後、乾燥させることによって形成される。
正極活物質層233は、帯状の金属箔231の短手方向における一方(図6及び図7における右方)の端部を残した状態で、金属箔231(詳しくは、導電層232)上に形成(積層)される。
正極活物質層233は、少なくとも、正極活物質と、バインダーと、を有する。
前記正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。具体的に、正極活物質は、例えば、LiaMebOc(Meは、1又は2以上の遷移金属を表す)によって表される複合酸化物(LiaCoyO、LiaNixO、LiaMnzO、LiaNixCoyMnzO等)、LiaMeb(XOc)d(Meは、1又は2以上の遷移金属を表し、Xは例えばP、Si、B、Vを表す)によって表されるポリアニオン化合物(LiaFebPO、LiaMnbPO、LiaMnbSiO、LiaCobPOF等)である。本実施形態の正極活物質は、LiNi/3Co/3Mn/3Oである。
正極活物質層233に用いられるバインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレンブタジエンゴム(SBR)である。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
正極活物質層233は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の正極活物質層233は、導電助剤としてアセチレンブラックを有する。
負極24は、金属箔241と、金属箔241の上に形成される導電層242と、導電層242の上に形成される負極活物質層243と、を有する。このように、負極24も、正極23と同様に、三層構造である。
負極24は、図8及び図9に示すように、非被覆領域24Aと、非被覆領域24Aに連なる被覆領域24Bと、を有する。非被覆領域24Aは、第一の金属箔241Aと、第一の金属箔241Aに積層される第一の導電層242Aと、を有する。また、被覆領域24Bは、第一の金属箔241Aと連なる(連接する)第二の金属箔241Bと、第二の金属箔241Bに密着した状態で積層され且つ非酸化性又は難酸化性を有する第二の導電層242Bと、第二の金属箔241Bとの間に第二の導電層242Bを挟み込むように該第二の導電層242Bに積層される負極活物質層(活物質層)243とを有する。本実施形態の第一の金属箔241Aと、第二の金属箔241Bとは、一体であり(連続しており)、金属箔241を構成する。また、第一の導電層242Aと、第二の導電層242Bとは、一体であり(連続しており)、導電層242を構成する。
尚、本実施形態の負極24では、短手方向において、負極活物質層243が積層された部位が上述の被覆領域24Bであり、負極活物質層243が積層されていない部位が上述の非被覆領域24Aである。そして、金属箔241における非被覆領域24Aに含まれる部位が上述の第一の金属箔241Aであり、被覆領域24Bに含まれる部位が上述の第二の金属箔241Bである。また、導電層242における非被覆領域24Aに含まれる部位が上述の第一の導電層242Aであり、被覆領域24Bに含まれる部位が上述の第二の導電層242Bである。尚、負極24の被覆領域24Bの幅(短手方向の寸法)は、正極23の被覆領域23Bの幅よりも大きい。
金属箔241は、帯状である。この金属箔241では、長手方向の各位置における短手方向(長手方向と直交する方向)の幅が一定若しくは略一定である。本実施形態の金属箔241は、例えば、銅によって構成される。
導電層242は、非酸化性又は難酸化性を有する導電性物質の層であり、金属箔241の片面(図8及び図9における上面)の全域(全体)に形成(積層)される。この導電層242は、少なくとも、非酸化性又は難酸化性を有する導電性物質を含む。非酸化性を有する物質とは、空気雰囲気下又は電解液雰囲気下で、酸化反応を生じないものを意味する。難酸化性を有する物質とは、空気雰囲気下又は電解液雰囲気下で、非被覆領域24Aにおける金属箔241、後述する片部35、及び後述する対向片41よりも酸化反応が生じにくいものを意味する。難酸化性を有する物質では、空気雰囲気下又は電解液雰囲気下において、非被覆領域24Aにおける金属箔241、後述する片部35、及び後述する対向片41よりも酸化物の標準生成エンタルピーが小さいことが好ましい。非酸化性又は難酸化性を有する導電性の物質は、例えば、炭素質材料、導電性樹脂、イオン化傾向の低い金属である。炭素質材料は、例えば、カーボンブラック、グラファイトである。導電性樹脂は、例えば、エポキシ系樹脂又はポリオレフィン系樹脂に、カーボンブラック等を混合したものである。本実施形態の導電層242は、正極23の導電層232と同様に、導電性物質としてカーボンブラックを含む(含有する)。本実施形態の導電層242は、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン及びカーボンブラックを溶媒に分散させたものを金属箔241に塗布した後、乾燥させることによって形成される。
負極活物質層243は、帯状の金属箔241の短手方向における他方(図8及び図9における左方)の端部を残した状態で、金属箔241(詳しくは、導電層242)上に形成(積層)される。
負極活物質層243は、少なくとも、負極活物質と、バインダーと、を有する。
前記負極活物質は、例えば、グラファイト、難黒鉛化炭素、及び易黒鉛化炭素などの炭素材料、又は、ケイ素(Si)及び錫(Sn)などのリチウムイオンと合金化反応を生じる材料である。本実施形態の負極活物質は、グラファイトである。
負極活物質層243に用いられるバインダーは、正極活物質層233に用いられたバインダーと同様のものである。本実施形態のバインダーは、ポリフッ化ビニリデンである。
負極活物質層243は、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、黒鉛等の導電助剤をさらに有してもよい。本実施形態の負極活物質層243は、導電助剤を有していない。
以上のように構成される正極23と負極24とにおいて、非被覆領域23A、24Aにおける金属箔231、241の引っ張り伸び率が被覆領域23B、24Bにおける金属箔231、241の引っ張り伸び率と比較して大きいことが、好ましい。かかる構成によれば、例えば、非被覆領域23A、24Aの金属箔231、241をクリンチ接合(クリンチング)する際、引っ張り伸び率が大きいため、金属箔231、241の伸びが不十分であることによる該金属箔231、241の破れが抑制される。
また、正極23と負極24とにおいて、非被覆領域23A、24Aにおける金属箔231、241が焼鈍しされていることが、好ましい。かかる構成によれば、非被覆領域23A、24Aの金属箔231、241をクリンチ接合する際、焼き鈍しされているため、金属箔231、241の伸びが不十分であることによる該金属箔231、241の破れが抑制される。このとき、被覆領域23B、24Bにおける金属箔231、241が焼き鈍しされていても構わない。
図5に示されるように、本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極23と負極24とがセパレータ25によって絶縁された状態で巻回される。セパレータ25は、絶縁性を有する部材である。セパレータ25は、正極23と負極24との間に配置される。これにより、電極体2において、正極23と負極24とが互いに絶縁される。また、セパレータ25は、ケース6内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ25を挟んで交互に積層される正極23と負極24との間を移動可能となる。
セパレータ25は、帯状である。セパレータ25は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。セパレータ25は、SiO粒子、Al粒子、ベーマイト(アルミナ水和物)等の無機粒子を含んだ無機層を、多孔質膜によって形成された基材の上に設けることで形成されてもよい。本実施形態のセパレータ25は、例えば、ポリエチレンによって形成される。
セパレータの幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極24の被覆領域24Bの幅より僅かに大きい。セパレータ25は、被覆領域23B、24B同士が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極23と負極24との間に配置される。このとき、正極23の非被覆領域23Aと負極24の非被覆領域24Aとは重なっていない。即ち、正極23の非被覆領域23Aが、正極23と負極24との重なる領域(負極24の端縁)から幅方向に突出し、且つ、負極24の非被覆領域24Aが、正極23と負極24との重なる領域(正極23の端縁)から幅方向(正極23の非被覆領域23Aの突出方向と反対の方向)に突出する。このように積層された状態の正極23、負極24、及びセパレータ25が扁平筒状に巻回されることによって、電極体2が形成される。これにより、正極23の非被覆領域23Aは、負極24の端縁(詳しくは、被覆領域24Bの端縁)から積層された状態でX軸方向に突出する。また、負極24の非被覆領域24Aは、正極23の端縁(詳しくは、被覆領域23Bの端縁)から積層された状態でX軸方向(正極23の非被覆領域23Aの突出方向とは反対方向)に突出する。以下では、被覆領域23B、24BがY軸方向に積層されている部位からX軸方向に突出し且つ非被覆領域23A、24Aが積層された部位を突出部26と称する。より詳しく、正極23の非被覆領域23Aが積層された部位を正極突出部261と称し、負極24の非被覆領域24Aが積層された部位を負極突出部262と称することもある。
突出部26は、電極体2における集電体3と導通される部位である。本実施形態の突出部26は、巻回された正極23、負極24、及びセパレータ25の巻回中心方向視(X軸方向視)において、中空部27(図3参照)を挟んで二つの部位(二分された突出部)260に区分けされる。突出部26(詳しくは、各二分された突出部260)の中空部27と対向する側の表面には、上記した導電層232、242(詳しくは、第一の導電層232A、242A)が形成されている。
以上のように構成される突出部26は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極23の非被覆領域23Aのみが積層された突出部26は、電極体2における正極突出部261を構成し、負極24の非被覆領域24Aのみが積層された突出部26は、電極体2における負極突出部262を構成する。
集電体3は、図2〜図4に示されるように、ケース6内に配置され、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。本実施形態の集電体3は、クリップ部材4を介して電極体2と通電可能に接続される。即ち、蓄電素子1は、電極体2と集電体3とを通電可能に接続するクリップ部材4を備える。
集電体3は、導電性を有する部材によって形成される。この集電体3は、ケース6の内面に沿って配置される(図2参照)。本実施形態の集電体3は、外部端子7とクリップ部材4とを通電可能に接続する。具体的に、集電体3は、図2〜図4、図10及び図11に示すように、外部端子7と通電可能に接続される第一接続部31と、電極体2と通電可能に接続される第二接続部32と、第一接続部31と第二接続部32とを接続する屈曲部33と、を有する。集電体3では、屈曲部33がケース6内の蓋板62とケース本体61との境界近傍に配置され、第一接続部31が屈曲部33から蓋板62に沿って延びると共に、第二接続部32が屈曲部33からケース本体61に沿って延びる。
第一接続部31は、外部端子7に通電可能に接続される部位である。具体的に、第一接続部31は、ケース6(詳しくは蓋板62)と絶縁された状態でケース6(蓋板62)の内面に沿って屈曲部33から延びる。第一接続部31は、板状の部位である。第一接続部31の先端部に、外部端子7が接続される。
第二接続部32は、電極体2(本実施形態では、クリップ部材4を介して電極体2の突出部26)に導通可能に接続される。具体的に、第二接続部32は、ケース6(詳しくはケース本体61)と絶縁された状態でケース6の内面に沿って屈曲部33から延びる。第二接続部32は、ケース6(ケース本体61)の内面近傍から突出部26に向けて延びると共に第二接続部32と同方向に延びる少なくとも一つの片部35を有する。片部35は、クリップ部材4と接合(本実施形態の例では、クリンチ接合)される。
本実施形態の第二接続部32は、二つの片部35を有する。具体的に、第二接続部32は、Y軸方向の中央に設けられた開口36を画定するように該開口36の両側においてZ軸方向に延びる二つの片部35を有する。即ち、第二接続部32は、各突出部26における二分された突出部260のうちの一方を挟み込んだクリップ部材4に接合される片部35と、前記二分された突出部260のうちの他方を挟み込んだクリップ部材4に接合される片部35と、を有する。開口36及び二つの片部35は、例えば、第二接続部32を形成する前の帯板に、Z軸方向(長手方向)の切れ込みを入れ、前記切れ込みの両側を捻ることによって形成される。
片部35は、凸部又は凹部の何れか一方で構成された第一嵌合部44を有する(図2及び図14参照)。この片部35は、電極体2の突出部(非被覆領域23A、24Aが積層された部位)26に重ね合わされるように配置される。本実施形態の片部35は、凸部によって構成された第一嵌合部44を含み、クリップ部材4を介して突出部26に重ね合わされるように配置される。尚、第一嵌合部44は、片部35と突出部26とを接合するときに形成されるものである。このため、図3、図10及び図11に示す突出部26との接合前の片部35には、第一嵌合部44は形成されていない。
以上のように構成される集電体3は、蓄電素子1の正極側と負極側とにそれぞれ配置される。具体的に、集電体3は、ケース6内において、電極体2の正極突出部261と隣接する位置、及び負極突出部262と隣接する位置にそれぞれ配置される。
正極23の集電体3と負極24の集電体3とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極23の集電体3は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極24の集電体3は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。つまり、正極23の片部35も、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極24の片部35も、銅又は銅合金によって形成される。
クリップ部材4は、電極体2の突出部26(詳しくは、二分された突出部260)において積層された正極23又は負極24(詳しくは、積層された非被覆領域23A、24A)を束ねるように挟む。これにより、クリップ部材4は、突出部26において積層される正極23(詳しくは、積層された非被覆領域23A)同士、又は負極24(詳しくは、積層された非被覆領域24A)同士を導通させる。具体的に、クリップ部材4は、図2〜図4、図12〜図14にも示すように、突出部26の二分された突出部260(積層された正極23の非被覆領域23A又は負極24の非被覆領域24A)を挟んで対向する一対の対向片41、42と、対向片41、42の対応する一方の端部同士を連結する連結部43と、を有する。クリップ部材4は、導電性を有する部材によって形成される。本実施形態のクリップ部材4は、板状の金属材料を断面がU字状となるように曲げ加工することによって形成される。本実施形態では、電極体2の正極突出部261に二つのクリップ部材4が配置されると共に、負極突出部262に二つのクリップ部材4が配置される。
クリップ部材4の一方の対向片41は、凸部又は凹部で構成された第二嵌合部45であって、突出部26を挟んだ状態で第一嵌合部44と凹凸嵌合する第二嵌合部45を有する(図4及び図14参照)。本実施形態の対向片41は、凹部によって構成された第二嵌合部45であって、突出部26を挟み且つ凸部によって構成された第一嵌合部44と嵌合する第二嵌合部45を有する。即ち、対向片41は、第二嵌合部45において突出部26を片部35と共に挟み込む。
クリップ部材4の他方の対向片42は、凸部又は凹部で構成された第三嵌合部46を有する。本実施形態の対向片42は、第一嵌合部44の突出方向と同じ方向に突出する凸部によって構成される第三嵌合部46を有する。この第三嵌合部46は、突出部26と共に、第一嵌合部44と第二嵌合部45との間に位置する(図14参照)。
片部35の第一嵌合部44と、対向片41の第二嵌合部45と、対向片42の第三嵌合部46とは、それぞれY軸方向に並び、互いに嵌合している。即ち、第一嵌合部44が第三嵌合部46に嵌合すると共に、第一嵌合部44と第三嵌合部46が第二嵌合部45に嵌合する。第二嵌合部45に第一嵌合部44と第三嵌合部46が嵌合することで、突出部26は、第二嵌合部45と第三嵌合部46の間に挟まれて保持される。このように、蓄電素子1では、電極体2の突出部26、集電体3の片部35及びクリップ部材4の対向片41,42の3つの部材がそれぞれ嵌合し合うことで、電極体2と集電体3とが接合される。本実施形態の蓄電素子1では、電極体2の突出部26、集電体3の片部35、及びクリップ部材4の対向片41、42がクリンチ接合されている。尚、第二嵌合部45と第三嵌合部46は、片部35と突出部26とを接合するときに形成されるものである。このため、図3、図12及び図13に示す接合前のクリップ部材4(対向片41,42)には、第二嵌合部45と第三嵌合部46は形成されていない。
正極23のクリップ部材4と負極24のクリップ部材4とは、異なる材料によって形成される。具体的に、正極23のクリップ部材4は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極24のクリップ部材4は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。つまり、正極23の対向片41、42も、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極24の対向片41、42も、銅又は銅合金によって形成される。
正極23において、導電層232(第一の導電層232A)は、少なくとも第一嵌合部44及び第二嵌合部45と対応する位置、即ち、少なくともY軸方向において第一嵌合部44及び第二嵌合部45と重なる位置(領域)に設けられる。本実施形態の導電層232は、上述のように正極23を構成する金属箔231の一方の面の全域(全体)に設けられている。そして、導電層232(詳しくは、第一の導電層232A)によって被覆された非被覆領域23Aの一方の面は、空気に触れ難くなるため、酸化し難くなる。
同様に、負極24において、導電層242(第一の導電層242A)は、少なくとも第一嵌合部44及び第二嵌合部45と対応する位置、即ち、少なくともY軸方向において第一嵌合部44及び第二嵌合部45と重なる位置(領域)に設けられる。本実施形態の導電層242は、上述のように、負極24を構成する金属箔241の一方の面の全域(全体)に設けられている。そして、導電層242(詳しくは、第一の導電層242A)によって被覆された非被覆領域24Aの一方の面は、空気に触れ難くなるため、酸化し難くなる。
外部端子7は、他の蓄電素子の外部端子又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子7は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子7は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。外部端子7は、バスバ等が溶接可能な面71を有する。
蓄電素子1は、電極体2とケース6とを絶縁する絶縁部材9等を備える。本実施形態の絶縁部材9は、例えば、絶縁カバーである。図2及び図3に示すように、絶縁カバー9は、ケース6(詳しくはケース本体61)と電極体2との間に配置される。絶縁カバー9は、絶縁性を有する部材によって形成される。本実施形態の絶縁カバー9は、例えば、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂によって形成される。本実施形態の蓄電素子1では、袋状の絶縁カバー9に収容された状態の電極体2(詳しくは、電極体2及び集電体3)がケース6内に収容される。
本実施形態の蓄電素子1は、以上の通りである。次に、突出部26(正極突出部261及び負極突出部262)に、片部35と対向片41を接合する方法(クリンチ接合)について、図14〜図16を参照しつつ説明する。尚、図14〜図16は、接合方法を説明するための模式的な図であり、実際には、突出部26内に、積層された多数の非被覆領域23A、24A(第一の金属箔231A、241A、第一の導電層232A、242A等)が配置されている。
先ず、二分された突出部260の一方をクリップ部材4の一対の対向片41,42によって挟んだ後、集電体3の片部35を対向片42に重ね合わせる。次に、図15に示すように、雄金型(パンチ)80と雌金型(ダイ)81との間に、重ね合わされた状態の片部35と、二分された突出部260を挟んだ状態のクリップ部材4と、を配置する。このとき、厚さ寸法の大きな部材が雄金型80側に位置するように、重ね合わされた状態の片部35及びクリップ部材4とが、雄金型80及び雌金型81との間に配置される。本実施形態の蓄電素子1では、片部35の厚さ寸法が、対向片41、42の各厚さ寸法より大きいため、片部35が雄金型80と対向するように配置され、且つクリップ部材4(詳しくは、対向片41)が雌金型81と対向するように配置される。
続いて、図16に示すように、重ね合わされた片部35、対向片42、突出部26及び対向片41の一部を雄金型(パンチ)80によって雌金型(ダイ)81内に押し込み、これにより、各部材35、42、26、41を局所的に折り曲げ、押し込まれた側の部材35、42、26にインターロック部(拡径された部位)を形成することによって接合する(凹凸嵌合させる)。本実施形態では、クリンチ接合の一種であるTOX(登録商標)接合されている。
このとき、片部35に形成された第一嵌合部(先端が拡径する凸部)44と対向片42に形成された第三嵌合部(先端が拡径する凸部)46とは、対向片41に形成された第二嵌合部(底部が拡径する凹部)45に、突出部26を挟んで嵌り込んだ状態となっている。尚、本実施形態では、一つの片部35及び各対向片41,42において第一〜第三嵌合部44、45、46等が2箇所形成される(図4参照)。しかし、電極体2(突出部26)を集電体3(片部35)に確実に接合できるのであれば、一つの片部35及び各対向片41,42に形成される第一嵌合部44等の数は限定されない。
以上の蓄電素子1によれば、片部35と対向片41とによって非被覆領域23A、24Aが挟み込まれることによって接触接合された正極23又は負極24と集電体3とにおいて、非被覆領域23A、24Aにおける片部35を向いた面及び対向片41を向いた面の少なくとも一方の面において第一の導電層232A、242Aが該面を覆うため、該第一の導電層232A、242Aが設けられた部位における酸化が抑えられる。これにより、該部位において酸化に起因する部材間の抵抗の上昇を抑制することができる。その結果、電極体2と集電体3との接合部分における電気的な接続を良好な状態で維持させることができる。
本実施形態の蓄電素子1では、第一の導電層232A、242Aは、少なくとも第一嵌合部44及び第二嵌合部45と対応する位置(本実施形態の例ではY軸方向に重なる位置)に設けられている。このため、第一嵌合部44と第二嵌合部45とが凹凸嵌合する部位(即ち、凹凸嵌合によって、重なる部材同士が密に接する部位)において第一の導電層232A、242Aが設けられることによって、該第一の導電層232A、242Aに覆われる(と接する)面の酸化が防がれる。その結果、該部位(前記凹凸嵌合する部位)において電気的な接続が良好な状態で維持される。
本実施形態の蓄電素子1では、第一嵌合部(凸部)44が、対向片41よりも厚さ寸法の大きな片部35に設けられ、第二嵌合部(凹部)45が、片部35より厚さ寸法の小さな対向片41に設けられている。このため、第一嵌合部(凸部)44がクリンチ接合の際(金型成形される際)に該部位の厚みが減少して強度が低下していても、第一嵌合部(凸部)44において所定の強度が確保される。
本実施形態の電極体2において、第一の導電層232A、242Aは、炭素質材料(本実施形態の例ではカーボンブラック)を含有していている。このため、電極体2と集電体3との間の良好な導電性が確保される。また、炭素質材料を含有する第一の導電層232A、242Aを設けることで、第一の金属箔231A、241Aの摩擦が小さくなる。このため、蓄電素子1が振動等することによって第一の金属箔231A、241A同士がこすれた場合でも、金属粉の発生を抑制することができる。さらに、片部35と対向片41とをクリンチ接合する際、第一の金属箔231A、241Aの摩擦が小さくなっているため、第一の金属箔231A、241A同士の滑りが良くなり、金属粉の発生を抑制することができる。
本実施形態の蓄電素子1では、非被覆領域23A、24Aの第一の金属箔231A、241Aと、被覆領域23B、24Bの第二の金属箔231B、241Bとが連なり(一体であり)、且つ、第一の金属箔231A、241A上に設けられた第一の導電層232A、242Aと、第二の金属箔231B、241B上に設けられた第二の導電層232B、242Bとが連なる(一体である)。このように、被覆領域23B、24B(詳しくは、第二の金属箔231B、241Bと活物質層233、243との間)にある導電層232、242(第一の導電層232A、242A及び第二の導電層232B、242B)が非被覆領域23A、24Aまで連続して(一体に)形成されることで、活物質層233、234から金属箔231、232を通って集電体3へ向かう電子の流れに加え、活物質層233、243から導電層232、242を通って直接集電体3へ向かう電子の流れも作ることができる。その結果、電極体2と集電体3との間の導電性がより向上する。
本実施形態の蓄電素子1では、導電層232,242は、非被覆領域23A,24Aにおける片部35を向いた面、及び非被覆領域23A,24Aにおける対向片41,42を向いた面の少なくとも一方の面の全体を覆っている。このように、非被覆領域23A,24A(第一の金属箔231A,241A)の少なくとも一方の面の全体が第一の導電層232A,242Aに覆われることで、前記面の全体において酸化が防がれる。即ち、第一の導電層232A,242Aが、第一嵌合部44及び第二嵌合部45と対応する位置にのみ設けられる場合に比べ、非被覆領域23A,24Aにおいて酸化し難い領域が増大する。これにより、電極体2と集電体3との間の導電性がより向上する。
尚、本実施形態において、非被覆領域23A,24Aにおける片部35を向いた面や、非被覆領域23A,24Aにおける対向片41,42を向いた面、金属箔231,241の表面等の「導電層が面の全体を覆っている」とは、所定の部材の面に導電層232,242を形成する工程(例えば、導電層232,242の金属箔231,241への塗工工程)において、前記面の端縁の僅かな部分(例えば、端縁から1〜2mm程度の範囲)を残して導電層232,242が塗工(形成)されたものも含む。また、前記塗工工程において、固まる前の導電層232,242がたれ落ちる等によって前記面の端縁の前記僅かな部分に未塗工部分(導電層232,242のない部分)が生じている状態のものも含まれる。また、導電層232,242が形成されている金属箔231,241を、所定の形状(例えば、帯状)に裁断(スリット)したときに、前記面の端縁の前記僅かな部分において導電層232,242が欠けたり剥離したりしたものも含まれる。
本実施形態の蓄電素子1では、導電層232,242は、金属箔231,241と活物質層233,243との間において、金属箔231,241の活物質層233,243を向いた面の全体を覆っている。このため、金属箔231,241の活物質層233,243を向いた面の全体の酸化を防ぐことができる。また、活物質層233,243から金属箔231,241を通って集電体3へ向かう電子の流れに加え、活物質層233,243から導電層232,242を通って直接集電体3へ向かう電子のより大きな流れも作ることができる。これにより、電極体2と集電体3との間の導電性がより向上する。
また、本実施形態の電極体2では、非被覆領域23A,24Aは、電極体2の巻回中心軸方向(X軸方向)の端部に配置されている。このような正極23と負極24とが積層された状態で巻回されている、いわゆる巻回型の電極体2であっても、第一の導電層232A、242Aを設けることによって、巻回中心軸方向の端部において酸化に起因する部材間の抵抗の上昇を抑制することができる。これにより、電極体2と集電体3との接合部分における電気的な接続を良好な状態で維持させることができる。
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態の蓄電素子1では、帯状の正極23と帯状の負極24とが巻回された、いわゆる巻回型の電極体2が用いられているが、この構成に限定されない。電極体2は、枚葉状の正極23、負極24、及びセパレータ25をY軸方向に積層した、いわゆる積層型であってもよい。
上記実施形態の蓄電素子1では、非酸化性又は難酸化性を有する導電層(第一の導電層232A、242A)は、正極23及び負極24の非被覆領域23A、24Aにおける第一の金属箔231A、241Aの一方の面に設けられているが、この構成に限定されない。例えば、非酸化性又は難酸化性を有する導電層は、対向片41、42の非被覆領域23A、24Aを向いた面、対向片42の片部35を向いた面、片部35の非被覆領域23A、24A(対向片42)を向いた面、及び非被覆領域23A、24Aにおける第一の金属箔231A、241Aの一面又は両面の、少なくとも一つに設けられていればよい。
例えば、図17に示すように、突出部26において積層される複数の非被覆領域23A、24Aの全ての面に非酸化性又は難酸化性を有する導電層50が設けられ(好ましくは、密着するように設けられ)てもよい。かかる構成によれば、各電極(正極23又は負極24)に生じる電流に偏り(詳しくは、第一の金属箔231A、241A表面の酸化(酸化被膜の形成)に起因する偏り)が生じ難くなる。これにより、蓄電素子1の出力の低下を抑制することができる。尚、図17では、説明の便宜上、突出部26において正極23が6層となるように表されているが、実際には、多数の正極23が積層されている。
また、対向片41、42の非被覆領域23A、24Aと対向する面、及び対向片41、42と隣り合う非被覆領域23A、24Aにおける該対向片41、42と対向する面のそれぞれに、導電層50が設けられ(好ましくは、密着するように設けられ)てもよい。かかる構成によれば、非被覆領域23A、24Aと対向片41、42との間において、酸化(酸化被膜の形成)に起因する抵抗の上昇が抑えられ、電極体2とクリップ部材4(対向片41、42)との間の良好な導通状態が維持される。
また、片部35と対向片42との対向面のそれぞれに、導電層50が設けられ(好ましくは、密着するように設けられ)てもよい。かかる構成によれば、片部35と対向片42との間において、酸化(酸化被膜の形成)に起因する抵抗の上昇が抑えられ、集電体3とクリップ部材4との間の良好な導通状態が維持される。
蓄電素子1において、非酸化性又は難酸化性を有する導電層50は、上述のように、少なくとも第一嵌合部44及び第二嵌合部45と対応する位置(上記実施形態の例ではY軸方向に重なる領域)に設けられていればよい。しかし、金属面の酸化(酸化被膜の形成)を防いで前記金属面を介した部材間の抵抗の上昇(前記酸化に起因する抵抗の上昇)を抑える観点からは、正極23の金属面、負極24の金属面、片部35の非被覆領域23A、24A又は対向片42と対向する金属面、及び、対向片41、42の非被覆領域23A、24Aと対向する金属面において、導電層50が形成されていなければ空気と接触する領域全体に、該導電層50が設けられることが好ましい。
導電層232、242は、金属箔231、241の片面のみに形成されても、両面に形成されてもよい。導電層232、242は、金属箔231、241の両面に形成されることが好ましい。かかる構成によれば、金属箔231、241の両面において酸化が防がれるため、突出部26においてY軸方向に隣接する非被覆領域23A、24A同士の導通状態が良好な状態に、より確実に維持できる。
上記実施形態の蓄電素子1では、金属箔231、241と活物質層233、243との間にある導電層232、242が突出部26まで連続して形成されている、即ち、第一の導電層232A、242Aと第二の導電層232B、242Bとが連なっている(一体である)が、この構成に限定されない。第一の導電層232A、242Aと第二の導電層232B、242Bとが別体、即ち、第一の導電層232A、242Aと第二の導電層232B、242Bとの間に間隔が設けられ、若しくは他の部材が配置されていてもよい。
上記実施形態の蓄電素子1では、対向片41は、クリップ部材4の一部として構成される(対向片41は、連結部43を介して対向片42と連結されている)が、この構成に限定されない。例えば、対向片41は、図18に示すように、単独の部材であってよい。この場合、本実施形態の対向片42に相当するような片を介することなく、対向片41と集電体3の片部35とが突出部26を直接挟み込む。また、対向片41を、クリップ部材4や単独の対向片としてではなく、集電体3(片部35)と一体形成してもよい。尚、図18では、説明の便宜上、正極23が6層となるように表されているが、実際には、多数の正極23が積層されている。
上記実施形態の蓄電素子1では、正極23及び負極24の両方において、第一の導電層232A、242Aが金属箔231、241上に設けられているが、この構成に限定されない。正極23及び負極24の一方において、第一の導電層232A、242Aが金属箔231、241上に設けられる構成であってもよい。ここで、アルミニウムは酸化し易い。このため、正極23及び負極24のうち少なくとも正極23において、第一の導電層232Aが金属箔(アルミ箔)231上に設けられることが好ましい。
上記実施形態の蓄電素子1では、非酸化性又は難酸化性を有する導電層(第一の導電層232A、242A)は、正極23及び負極24に設けられているが、この構成に限定されない。例えば、前記導電層は、集電体3の片部35のみに設けられてもよく、クリップ部材4の対向片41又は42のみに設けられてもよい。即ち、非被覆領域23A、24A、片部35、及び対向片41の少なくとも一つが、非酸化性又は難酸化性を有する導電層であって、非被覆領域23A、24Aにおける片部35を向いた面及び対向片41を向いた面の少なくとも一方の面、片部35における非被覆領域23A、24Aを向いた面、又は対向片41、42における非被覆領域23A、24Aを向いた面、を覆う導電層を有し
ていればよい。
上記実施形態の蓄電素子1では、導電層232、242は、ポリフッ化ビニリデン及びカーボンブラックを溶媒に分散させたものを金属箔231、241に塗布した後、乾燥させることによって形成されたが、この構成に限定されない。導電層232、242は、シート状に形成された導電性物質の片面の一部に接着層を設けたものを、金属箔231、241に貼りつけることによって形成されてもよい。また、導電層232、242は、導電性物質を対向する金属箔231、241の間に挟み込むことによって形成されてもよい。さらに、導電層232、242に含まれる導電性物質は、粒子状であることが好ましい。導電性物質が粒子状である場合、金属箔231、241の間に挟み込むことによって導電性物質が移動し、金属箔231、241の間に形成される隙間を埋めることができるため、導電層が設けられる部位の酸化を抑制することができる。
上記実施形態の蓄電素子1において、片部35に形成される第一嵌合部44は、凸部であり、対向片41に形成される第二嵌合部45は、第一嵌合部44が嵌り込む凹部であるが、この構成に限定されない。第二嵌合部45は、凸部であり、第一嵌合部44は、第二嵌合部45が嵌り込む凹部であってもよい。
上記実施形態の第一嵌合部44及び第二嵌合部45は、クリンチ接合によって(雄金型80と雌金型81とによって挟み込まれることで)同時に形成されるが、この構成に限定されない。第一嵌合部44と第二嵌合部45とが別々に形成された後、第一嵌合部44と第二嵌合部45とが嵌合されてもよい。
上記実施形態の蓄電素子1では、第一嵌合部44及び第二嵌合部45が形成されたが、この構成に限定されない。片部35及び対向片41が金属箔231、241を挟み込んだ状態で機械的に圧接されることで、片部35又は対向片41と、金属箔231、241とが電気的に接続されてもよい。この場合においても、導電層が設けられる部位の酸化を抑制することができる。機械的に圧接する方法として、例えば、弾性を有するクリップ部材で金属箔231、241を挟み込む方法、ケース6と電極体2との間の隙間を埋めるスペーサを配置することによって、スペーサを介してケース6が間接的に金属箔231、241を圧接する方法、が挙げられる。
上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
蓄電素子(例えば電池)は、図19に示すような蓄電装置(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)11に用いられてもよい。蓄電装置11は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材12と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。
ここで、本発明に係る蓄電素子の効果を確認するために、導電層を有する第1の蓄電素子と、導電層を有さない第2の蓄電素子とを用い、直流抵抗の変化を調べた。
第1の蓄電素子(具体的には、リチウムイオン二次電池)では、正極突出部261において積層される複数の非被覆領域23Aの全ての面に導電層50が設けられ、且つ、負極突出部262において積層される複数の非被覆領域24Aの全ての面に導電層50が設けられている。導電層50は、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン及びカーボンブラックを溶媒に分散させたものを金属箔231、241に塗布した後、乾燥させることによって形成される。正極突出部261と集電体3、及び負極突出部262と集電体3は、それぞれ、クリンチ接合の一種であるTOX(登録商標)接合される。
第1の蓄電素子について、正極の外部端子7と正極の最外周に位置する非被覆領域23Aとの間の直流抵抗Rp及び負極の外部端子7と負極の最外周に位置する非被覆領域24Aとの間の直流抵抗Rnを測定した。そして、測定されたRpとRnとの和から、第1の電池の初期の直流抵抗Aを算出した。
ついで、第1の蓄電素子を45℃で1ヶ月間、保管した後、当該第1の蓄電素子の直流抵抗Rp及び直流抵抗Rnを測定し、RpとRnとの和から、第1の蓄電素子の保管後の直流抵抗A’を算出した。
第2の蓄電素子は、導電層50を有さない以外、第1の蓄電素子と同様である。この第2の蓄電素子についても第1の蓄電素子と同様に直流抵抗Rp及びRnを測定し、これらRpとRnとの和から、初期の直流抵抗B及び保管後の直流抵抗B’をそれぞれ算出した。
以上のように算出された直流抵抗の結果を表1に示す。表1において、各直流抵抗の値は、第1の電池の初期の直流抵抗Aを100としたときの相対値である。
表1の結果から、導電層を有する第1の蓄電素子は、導電層を有さない第2の蓄電素子と比較して、保管後の直流抵抗の増加が抑制されていることが理解できる。これは、導電層を有することにより、電極体と集電体との接合部分における電気的な接続が良好な状態となったためと推測される。
1…蓄電素子、2…電極体、23…正極、24…負極、23A、24A…非被覆領域、23B、24B…被覆領域、231、241…金属箔、231A、241A…第一の金属箔、231B、241B…第二の金属箔、50、232、242…導電層、232A、242A…第一の導電層、232B、242B…第二の導電層、233…正極活物質層(活物質層)、243…負極活物質層(活物質層)、25…セパレータ、26…突出部、260…二分された突出部、261…正極突出部、262…負極突出部、27…中空部、3…集電体、31…第一接続部、32…第二接続部、33…屈曲部、35…片部、36…開口、4…クリップ部材、41、42…対向片、43…連結部、44…第一嵌合部、45…第二嵌合部、46…第三嵌合部、6…ケース、61…ケース本体、611…閉塞部、612…胴部、62…蓋板、63…内部空間、7…外部端子、71…面、9…絶縁部材(絶縁カバー)、11…蓄電装置、12…バスバ部材、80…雄金型、81…雌金型、600…絶縁シート、601…正極シート、602…負極シート、603…積層電極、604…電極箔の積層、605…端子、606…板部、606、607…板部

Claims (9)

  1. 積層された正極及び負極であって、金属箔を有する非被覆領域をそれぞれ有する正極及び負極を含む電極体と、
    前記非被覆領域に重ね合わされる片部を有する集電体と、
    前記非被覆領域を前記片部とともに挟み込む対向片と、を備え、
    前記非被覆領域、前記片部、及び前記対向片の少なくとも一つは、非酸化性又は難酸化性を有する導電層であって、前記非被覆領域における前記片部を向いた面、前記非被覆領域における前記対向片を向いた面、前記片部における前記非被覆領域を向いた面、及び前記対向片における前記非被覆領域を向いた面のうちの少なくとも一つの面、を覆う導電層を有する、蓄電素子。
  2. 前記片部は、凸部又は凹部の何れか一方で構成された第一嵌合部を有し、
    前記対向片は、前記凸部又は前記凹部の何れか他方で構成されると共に、前記非被覆領域を挟んだ状態で前記第一嵌合部と凹凸嵌合する第二嵌合部を有し、
    前記導電層は、少なくとも前記第一嵌合部及び前記第二嵌合部と対応する位置に設けられる、請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記第一嵌合部及び前記第二嵌合部を構成する前記凸部及び前記凹部は、雄金型と雌金型とによって金型成形された部位であり、
    前記凸部は、前記片部及び前記対向片のうちの厚さ寸法の大きい方に設けられ、
    前記凹部は、前記片部及び前記対向片のうちの厚さ寸法の小さい方に設けられる、請求項2に記載の蓄電素子。
  4. 前記正極又は前記負極の何れか一方の前記非被覆領域は、積層され、
    前記導電層は、前記積層された状態の非被覆領域において、前記非被覆領域同士が対向する面のそれぞれに設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  5. 前記導電層は、炭素質材料を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  6. 前記正極及び前記負極のうちの少なくとも一方は、前記非被覆領域と、前記非被覆領域に連なる被覆領域とを有し、
    前記非被覆領域は、前記導電層である第一の導電層を有し、
    前記被覆領域は、前記非被覆領域の金属箔である第一の金属箔と連接する第二の金属箔と、前記第二の金属箔に密着した状態で積層され且つ非酸化性又は難酸化性を有する第二の導電層と、前記第二の金属箔との間に前記第二の導電層を挟み込むように該第二の導電層に積層される活物質層とを有し、
    前記第一の導電層と前記第二の導電層とは、連なる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  7. 前記導電層は、前記非被覆領域における前記片部を向いた面、及び前記非被覆領域における前記対向片を向いた面の少なくとも一方の面の全体を覆う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  8. 前記正極及び前記負極のそれぞれは、前記金属箔と、前記金属箔の前記非被覆領域を除いた領域において該金属箔に積層される活物質層と、を有し、
    前記導電層は、前記金属箔と前記活物質層との間において、前記金属箔の前記活物質層を向いた面の全体を覆う、請求項1〜5、7のいずれか1項に記載の蓄電素子。
  9. 前記電極体では、前記正極と前記負極とが積層された状態で巻回され、
    前記非被覆領域は、前記電極体の巻回中心軸方向の端部に配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電素子。
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