JP2013182712A - 非水電解質二次電池とその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型電池や捲回型電極体を備える電池であっても、負極表面に形成される抵抗皮膜において添加剤成分が均一に分布しているために長寿命化を実現できる非水電解質二次電池と、その製造方法の提供。
【解決手段】正極活物質層を備える正極と、負極活物質層54を備える負極50と、セパレータとが積層されて捲回されてなる電極体、および、負極活物質層上に抵抗皮膜を形成し得る添加剤を含む非水電解質、を備える非水電解質二次電池において、電解質が電極体の外部から内部に浸透してゆく浸透方向が少なくとも一つ設定され、正極活物質層、負極活物質層およびセパレータのうちの少なくとも一つの部材には、浸透方向の中央部分に表面の濡れ性が改質された表面改質部56が備えられており、少なくとも一つの部材の前記浸透方向の長さを2×Lとし、表面改質部の浸透方向の長さを2×Lpとしたとき、次式;0.2≦Lp/L≦0.7、を具備する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電極体と負極表面に抵抗皮膜を形成し得る添加剤を含む非水電解質とを備える非水電解質二次電池、および、その製造方法に関する。
ニッケル水素電池、リチウム二次電池等の充放電可能な非水電解質二次電池は、車両搭載用電源あるいはパソコンおよび携帯端末の電源等として近年重要性が高まってきている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられる。
かかる非水電解質二次電池の一つの典型的な構成では、電荷担体を可逆的に吸蔵および放出し得る電極活物質を含む電極活物質層を導電性部材(集電体)に保持した正極および負極を備えている。これらの電極は、セパレータを介して対向配置されるとともに、セパレータに当接されてなる電極体を、電解質(典型的には、非水系の電解液)とともにケース内に密閉することで電池を構築している。
この非水電解質二次電池を電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)等に用いる場合には、例えば10年以上といった長期の寿命を有することが求められる。かかる電池の寿命は、容量維持率に基づき評価することができ、電荷担体であるリチウム源の減少を如何に抑えるかに因るところが大きい。このリチウム源は、負極表面に析出することでSEI(Solid‐electrolyte
Interface)膜と呼ばれる抵抗皮膜を形成する。しかしながら、充放電サイクルの繰り返しや長期保存によりSEI膜が過度に成長すると、リチウム源が大量に消費されてしまい、容量劣化が引き起こされると考えられる。そのため、SEI膜の過度な成長を防ぎ、容量維持率を高める手法について種々の検討がなされてきた。例えば、特許文献1および2には、電解質にビニレンカーボネート(VC)やリチウムビスオキサラートボレート(LiBOB)等の添加剤を加え、これを還元分解させることで負極表面に安定したSEI膜を形成し、この安定したSEI膜の存在により更なる電解液や電極の分解および劣化を抑制する技術が開示されている。
特開2011−034893号公報 特開2011−138646号公報 特開平07−105938号公報
ところで、かかる電池を構築する際には、電極活物質層およびセパレータの内部に形成されている空隙に電解液を浸透させる。しかしながら、電極活物質層とセパレータは互いに平面部を当接させているため、この電解質の浸透はこれらの部材の平面部からではなく側面部(端部)からに限定される。そのため、電解質が電極活物質層やセパレータの中央部分にまで浸透するのに長い時間を要することがあった。一方、電極体に電解質が浸透することにより負極活物質層は低電位となる。そのため、電解質の浸透に長い時間を要する場合には、電解質に添加された上記の添加剤が負極活物質層の端部において偏析してしまうことがあった。このことは、負極活物質層の中央部分に安定したSEI膜を形成させるのが困難となったり、電解液の浸透方向(典型的には端部と中央部分)で添加剤成分の濃度に差が生じたりと、SEI膜のばらつきの原因となっていた。そしてさらに、電極反応のばらつきにも繋がり、安定なSEI膜の形成による長寿命化の効果を得ることができないという問題があった。このような事態は、電極体自体の大きさ(面積)が大きい大型電池において生じやすい問題であった。
これに対し、例えば、負極の表面にプラズマ処理を行うことで電解液と負極活物質との濡れ性を改善し、負極活物質を電解液と十分に接触させて電極面積を確保する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この特許文献3に開示されるプラズマ処理は、真空の反応容器内で行われるバッチ処理であるため、例えば大型電池の部材の表面に処理を施すことや、電極の特定の部位にのみ処理を施すことは困難であり、また、連続製造が広く採用されている実際の製造工程において適用するのは現実的ではなかった。
本発明は、かかる課題を鑑みて創出されたものであり、その目的とするところは、電極体を備える大型であっても、負極活物質層の表面に安定した抵抗皮膜がより均一に形成され、長寿命化が図られている非水電解質二次電池を提供することである。
すなわち、本発明が提供する非水電解質二次電池は、正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、セパレータとが積層されてなる電極体、および、上記負極活物質層上に抵抗被膜を形成し得る添加剤を含む非水電解質、を備えている。ここで、かかる非水電解質二次電池においては、上記電解質が上記電極体の外部から内部に浸透してゆく浸透方向が少なくとも一つ設定され、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材には、上記浸透方向の中央部分に表面の濡れ性が改質された表面改質部が備えられており、上記少なくとも一つの部材の上記浸透方向の長さを2×Lとし、上記表面改質部の上記浸透方向の長さを2×Lpとしたとき、次式(1)
0.2≦Lp/L≦0.7 ・・・(1)
を具備することを特徴とする。
かかる構成によると、正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の表面の濡れ性が改善されているため、当該部材の浸透方向の端部から中央部分への電解質の浸透はよりスムーズに進行し得る。したがって、当該部材に当接する部材の電解質の浸透性もが向上されるため、電極体全体としても、電解液の浸透に要する時間が短縮される。その結果、負極活物質層の浸透方向での浸透時間が短縮され、端部での添加剤成分の偏析が抑制されて、安定なSEI膜の形成が可能とされる。また、これにより、充放電に伴って電極表面で行われる酸化還元反応がより均一に進行し得るため、非水電解質二次電池の寿命化の効果を得ることができる。なお、Lp/Lが0.2よりも小さいと表面改質部分が少なすぎて浸透性の向上の効果が十分に得られない。また、Lp/Lが0.7よりも大きいと、上記部材の端部での電解質の保持性が高まり、浸透性の向上の妨げになるために好ましくない。Lp/Lは上記の範囲とすることが効果的である。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記少なくとも一つの部材が負極活物質層を含み、上記負極活物質層の表面に上記表面改質部が備えられていることを特徴とする。電解質に添加されている添加剤成分が偏析し得る負極活物質層に対して表面改質部が備えられることで、負極活物質層の電解質の浸透性が直接的に向上されて、電解質に添加されている添加剤成分が中央部分にまで十分に浸透し得る。その結果、負極活物質層の浸透方向で添加剤成分がより均一となり、より安定したSEI膜が形成され得る。これによって、効果的に、非水電解質二次電池の寿命化を図ることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記電極体は、長尺な正極と、長尺な負極と、長尺なセパレータとが積層されて捲回されてなる捲回型電極体であり、上記浸透方向は捲回軸方向と略一致する一の方向に設定されており、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の上記浸透方向中央部分に表面改質部が帯状に備えられていることを特徴とする。捲回型の電極体を備える電池においては、電極体と外部端子との接続のために、電極活物質層やセパレータから両端にはみ出るように集電体が突出させられるのが一般的である。また、突出された集電体は、捲回断面における一つの径方向で寄せ集められることが多い。このため、電極活物質層およびセパレータの端部は電極集電体の突出部で挟まれ、閉じられた状態となり、これらの部材の端部近傍では電解質の移動が制限される。したがって、捲回型電極体においては、これらの部材の端部への電解質の供給と浸透方向端部から中央部分への電解質浸透性との両方が低下した状態となり得る。しかしながら、ここに開示される非水電解質二次電池は、これらのうちの少なくとも一つの部材において、浸透方向の端部から中央部分への電解質の浸透性が十分に確保され、捲回型電極体の全体として浸透性が高められている。したがって、捲回型電極体を備える電池であっても、上記の長寿命化等の効果を十分かつより明瞭に得ることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記部材の表面改質されていない未改質部分における電解液の接触角に対する、表面改質後の上記表面改質部における電解液の接触角の比が、0.7以下であることを特徴としている。かかる構成によると、当該部材の浸透方向端部の濡れ性よりも中央部分の濡れ性が十分に高くなるため、電解質の浸透性がより好適に改善され得る。これにより、負極活物質層の表面に安定でより均一な抵抗皮膜を形成することができ、より確実に電池の長寿命化を図ることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記2×Lが100mm以上であることを特徴としている。例えば、電解質の浸透性は、浸透部分の寸法2×Lが100mm以上、例えば110mm以上程度の大型電池において良否が顕在化する傾向がある。しかしながら、ここに開示される非水電解質二次電池は、大型電池であってもこれらの部材の電解質の浸透性が十分に確保されるため、電解質の添加剤成分の偏析が抑制されて、長寿命化等の効果を十分に得ることができる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記添加剤は、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)およびジフルオロリン酸リチウム(P1)からなる群から選択される少なくとも1種である。これらの添加剤成分は、還元分解されることで比較的安定性が高い抵抗皮膜を形成することができる。したがって、過剰なSEI膜の成長を効果的に抑制することができ、更なる電解質の分解およびリチウム源の消費を抑えることができる。このため、より長寿命な非水電解質二次電池が提供され得る。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記表面改質部は、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材において、上記浸透方向の真ん中を中心として対称に形成されていることを特徴とする。かかる構成によると、電解質は浸透方向の真ん中にまでより短時間で浸透し得る。したがって、負極活物質層の表面での添加剤成分の偏析がさらに抑制されて、均質な抵抗皮膜が形成され、より長寿命化が可能な非水電解質二次電池が提供される。
以上のとおりの非水電解質二次電池は、例えば大型の捲回型電極体等を備える二次電池に適用することでその長寿命化の効果をより明確に発揮し得る。したがって、かかる構成は、例えば高エネルギー密度特性を具備するために捲回型電極体を備えた大型電池を、長期に渡って使用することが要求される自動車の動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)等として好適に用いることができ、本発明は、このような動力源を備える車両(例えば自動車)をも提供し得る。
他の一側面として、本発明が提供する非水電解質二次電池の製造方法では、正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、セパレータとを用意すること、上記正極と上記負極と上記セパレータとを積層して電極体を構築すること、および、負極活物質層上に抵抗皮膜を形成し得る添加剤を含む非水電解質と、上記電極体とをケースに収容して非水電解質二次電池を構築すること、を包含している。かかる製造方法において、上記電極体を構築するに先立って、上記電解質が上記電極体の外部から内部に浸透してゆく浸透方向を少なくとも一つ設定し、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材に、上記浸透方向の中央部分に表面の濡れ性が改質された表面改質部を形成することを含む。そして、該少なくとも一つの部材の前記浸透方向の長さを2×Lとし、前記表面改質部の前記浸透方向の長さを2×Lpとしたとき、以下の式(1)、
0.2≦Lp/L≦0.7 ・・・(1)
を具備することを特徴としている。
かかる製造方法においては、電極体を構成する正極活物質層、負極活物質層およびセパレータのうちの少なくとも一つの部材の濡れ性を改質することで、当該部材への電解液の浸透性を高め、電極体全体の電解質の浸透性を向上させるようにしている。また、当該部材の浸透方向の長さ2×Lに対して、0.2≦Lp/L≦0.7を満たす長さ2×Lpで浸透方向の中央部分を表面改質することで、端部の保液性が向上するのを防ぎつつ、中央部分への添加剤成分の浸透がよりスムーズに進行するようにしている。これにより、負極活物質層の端部に電解液の添加材成分が偏析するのを防ぎ、活物質層の浸透方向でより均一で安定したSEI膜を形成することができる。かかる安定したSEI膜によると、充放電に伴い電極表面で行われる酸化還元反応がより均一に進行され得るため、より長寿命な非水電解質二次電池を製造することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記少なくとも一つの部材が負極活物質層を含み、上記負極活物質層の表面に上記表面改質部を形成することを特徴としている。電解質に添加されている添加剤成分は、より電位の低い負極活物質層に偏析し得る。したがって、負極活物質層の表面の濡れ性を改質して表面改質部を形成することで、負極活物質層の電解質の浸透性を直接的に向上させ、電解質に添加されている添加剤成分を中央部分にまでより均一に浸透させることができる。その結果、負極活物質層の表面に、均質でより安定なSEI膜を形成することができる。これによって、より効果的に、非水電解質二次電池の寿命化を図ることができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記電極体として、長尺な上記正極と、長尺な上記負極と、長尺な上記セパレータとを積層し捲回することで捲回型電極体を構築し、上記浸透方向を捲回軸方向と略一致する一の方向に設定することで、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の上記浸透方向中央部分に幅狭の表面改質部を帯状に形成することを特徴とする。捲回型電極体を備える電池においては、電極体と外部端子との接続のために、電極活物質層やセパレータから両端にはみ出るように集電体が突出させられるのが一般的である。また、突出された集電体は、捲回断面における一つの径方向で寄せ集められることが多い。このため、電極活物質層およびセパレータの端部は突出した集電体に覆われる状態となり、これらの部材の端部近傍では電解質の移動が制限されてしまう。このため、捲回型電極体においては、上記の部材の端部への電解質の供給や浸透方向端部から中央部分への電解質の浸透性が低下した状態となり得る。しかしながら、かかる製造方法によると、上記のとおり捲回型電極体を構成する少なくとも一つの部材に中央部分に表面改質部を設けるため、電解質の浸透性を改善して、捲回型電極体の全体の浸透性を高めることができる。したがって、捲回型電極体を備える電池であっても、安定なSEI膜を形成することができ、より長寿命な電池を製造することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記電極体として、略方形の複数の正極と、略方形の複数の負極と、略方形の複数のセパレータとを積層することで略方形の積層型電極体を構築し、上記浸透方向を上記方形の2組の対向する2辺の中点を結ぶ線に略一致する2つの方向に設定することで、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の中央部分に上記略方形を縮小した形態の表面改質部を島状に備えることを特徴としている。例えば積層型の電極体を備える角型電池においては、浸透方向を上記の2つの方向に設定し、略方形に表面改質部を設けることで、電解質の浸透性を好適に改善することができる。これによって、略方形の積層型電極体を備える長寿命な非水電解質二次電池を製造することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記電極体として、略円形の複数の正極と、略円形の複数の負極と、略円形の複数のセパレータとを積層して略円形の積層型電極体を構築し、上記浸透方向を上記略円形の径方向に略一致する2以上の方向に設定することで、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の中央部分に上記略円形を縮小した形態の表面改質部を島状に備えることを特徴とする。かかる構成によると、略円形の電極体を備える非水電解質二次電池についても、長寿命なものとして製造することができる。このような円形の電極体は、正極および負極の組み合わせが一組のものであっても、二組以上のものであっても、同様に係る製造方法を適用し得る。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記部材の表面改質されていない未改質部分における電解液の接触角に対する、表面改質後の上記表面改質部における電解液の接触角の比が、0.7以下となるように改質することを特徴とする。かかる構成によると、当該部材の浸透方向端部の濡れ性よりも中央部分の濡れ性を十分に高くすることができ、電解質の浸透性をより好適に改善することができる。これにより、負極活物質層の表面に安定でより均一な抵抗皮膜を形成することができ、より確実に電池の長寿命化を図ることができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、大気圧下でのプラズマ処理、コロナ処理、プラズマフレーム処理またはエキシマランプ処理により上記表面改質部を形成することを特徴とする。かかる処理方法は、大気圧下で、所望の箇所に化学的修飾を行うことで上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の濡れ性を改善し得るものである。したがって、部材に物理的なダメージを与えることなく、改質を行うことができる。また、大気圧下での実施が可能なため、例えば、長尺の部材や大面積の部材を、連続的に、即ちオンラインで改質することが可能であり、より効率的に表面改質を行うことができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記長さ2×Lが100mm以上であることを特徴としている。電極体を構成する部材の浸透方向の長さが100mm以上となる大型の電池においては、端部から中央部分への電解質の浸透性が顕著に低下する。そのため、例えば、負極活物質層の端部に電解質の添加剤が析出する頻度および量共に増大する傾向にある。これに対し、かかる製造方法によると、負極活物質層の長さが100mm以上の場合であっても電解質は負極活物質層の中央部分まで迅速に浸透し得るため、添加剤の析出を抑制することができ、負極活物質層上により均質なSEI膜を形成することができる。これにより、大型の電池においてもより長寿命な非水電解質二次電池の製造が可能とされる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記添加剤は、リチウムビスオキサレートボレート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートおよびジフルオロリン酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。これらの添加剤は、負極活物質層上に比較的安定性が高いSEI膜を形成し、更なるSEI膜の成長を効果的に抑制することができる。したがって、これらの添加剤を用い、負極活物質層上により均質な抵抗皮膜を形成することで、更なるリチウム源の消費を抑制し得る、より長寿命な非水電解質二次電池を製造することが可能とされる。
ここに開示される非水電解質二次電池の好ましい一態様では、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記セパレータのうちの少なくとも一つの部材において、上記浸透方向の真ん中を中心として対称に上記表面改質部を形成するようにしている。かかる構成によると、電解質を浸透方向の真ん中にまでより短時間で浸透させることができる。したがって、負極活物質層の表面での添加剤成分の偏析をさらに抑制でき、均質なSEI膜を形成することができて、更に長寿命化を図った非水電解質二次電池を製造することが可能となる。
一実施形態に係る非水電解質二次電池(例えば、リチウムイオン電池)を示す斜視図である。 図1中のII−II線に沿う縦断面図である。 一実施形態に係る捲回型電極体の構成を説明する図である。 一実施形態に係る負極の表面改質部を模式的に示す平面図である。 一実施形態に係る二次電池を備えた車両を例示した側面図である。 一実施形態に係る表面改質の形態とサイクル特性との関係を例示する図である。 実施例における試料の採取位置を模式的に説明する図である。 一実施形態に係る負極の幅方向における皮膜位置とB濃度との関係を示す図である。
本明細書において「二次電池」とは、リチウム二次電池、ニッケル水素電池等の繰り返し充電可能な電池一般をいう。また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、リチウムイオンを電荷担体として繰り返し充電可能な電池一般をいい、典型的にはリチウムイオン電池、リチウムポリマー電池等を包含する。さらに、本明細書において「活物質」は、二次電池において電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および離脱)可能な物質をいう。
以下、ここに開示される非水電解質二次電池の構成について、好適な実施形態である捲回型電極体を備えるリチウムイオン電池を例にして説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン電池10を模式的に示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿う縦断面図である。図3は、捲回型電極体20の構成を説明するための図である。
本実施形態に係るリチウムイオン電池10は、図1〜図3に示すように、代表的には、正極集電体32上に正極活物質層34を備える正極30と、負極集電体52上に負極活物質層54を備える負極50と、負極活物質層54上に抵抗被膜を形成し得る添加剤を含む非水電解質(図示せず)とを備えている。これら正極30および負極50は長尺のシート状であって、これを2枚の長尺なセパレータ70を介して重ね合わせ、捲回することで、捲回型電極体20を構成している。
この捲回型電極体20は、非水系の電解質(典型的には電解液)とともに電池ケース80(典型的には扁平な直方体形状)に収容されることで、リチウムイオン電池10を構築している。かかるリチウムイオン電池10において、正極活物質層34および負極活物質層54は、例えば、電極活物質と導電材の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間を有している。また、セパレータ70は、電解質の移動が可能な微多孔質材料から構成され、その体内に空洞とも称すべき微小な隙間を有している。かかる微小な隙間に、注入された電解質が浸透することで、正極30および負極50に含まれる電極活物質と電解質との間で電荷担体の受け渡しが行われ得る。
そして、ここに開示される電極体20については、正極活物質層34、負極活物質層54およびセパレータ70のうちの少なくとも一つの部材に、表面の濡れ性が改質された表面改質部56が設けられている。この表面改質部56は、以下の条件を満たすものとされる。まず、電極体20に対して、電解質が電極体20の外部から内部に浸透してゆく浸透方向を少なくとも一つ設定することができる。そして、表面改質部56が備えられる部材の浸透方向の長さを2×Lとしたとき、この浸透方向の各々に対して、上記式(1)を具備するようなLpが各々規定される。捲回型電極体20については、例えば、図3および図4に示すように、捲回軸方向(WL)と略一致する一の方向に浸透方向を設定することができる。そして上記のうちの少なくとも一つの部材の浸透方向の長さ、即ち捲回電極体の場合は幅2×Lに基づいて、Lpを規定することができる。そして表面改質部56は、当該部材の浸透方向の中央部分に、浸透方向の長さが2×Lpとなるように帯状に設けられる。この実施形態では、図4に示すように、負極活物質層54の表面に、表面の濡れ性が改質された表面改質部56が設けられた例を示している。この表面改質部56は、捲回前の電極体20でいうと、長手方向の中央部分に幅2×Lpの帯状に形成されている。以下、「浸透方向の長さ」に関して「幅」という場合もある。
表面改質部56は、必ずしも負極活物質層54の幅方向のちょうど真ん中に形成されている必要はない。換言すると、負極活物質層54と表面改質部56の幅方向の中心が一致している必要はない。例えば、負極活物質層54から負極集電体52が突出している端部と突出していない端部とでは、電解液の浸透具合が異なることも考えられるため、このような影響を考慮して、負極活物質層54と表面改質部56の各々の幅方向の位置を相対的に決定することができる。しかしながら、電解質の浸透性をより効果的に高め、均質なSEI膜を得るには、実質的には、表面改質部56はちょうど真ん中に形成されていればよい。つまり、表面改質部56は、負極活物質層54の幅方向の中心から両端に向けてLpずつの広がりを有する帯状に形成されているのが好ましい。かかる表面改質部56においては、電解質に対する濡れ性が向上されており、電解質がスムーズに浸透し得る。したがって負極活物質層54の両端部から中央部分にまで電解質が容易に浸透され得る。これにより、負極活物質層54の両端部に電解質の添加剤が偏析するのを抑制し、負極活物質層54の幅方向において安定したSEI膜を形成させることができる。また、安定したSEI膜が均質に形成されることで電解液や電極30、50の更なる分解が抑制され、リチウム源の消費が低減されて、長寿命な電池10が実現される。さらに、安定したSEI膜が均質に形成されることで、充放電に伴い電極表面で行われる酸化還元反応もより均一に進行し得るため、電池特性をより安定したものとすることができる。
ここで、Lp/Lが0.2より小さくなるように表面改質部56を設けると、表面改質部56の幅が狭すぎ、また未改質の部分の幅が広すぎて、添加剤の偏析を充分に抑制できなくなるために好ましくない。また、Lp/Lが0.7より大きくなるように表面改質部56を設けると、表面改質部56の幅が広すぎ、負極活物質層54の端部近傍での電解質の保持性もが高まってしまい、負極活物質層54の端部における添加剤の偏析を招いてしまうために好ましくない。Lp/Lが0.2〜0.7となる範囲で表面改質部56を設けることで、負極活物質層54の端部から浸透してきた電解質を中央部分にまで効果的に導くことができ、よりスムーズな電解質の浸透を実現し得る。
以上の捲回型電極体20においては、長尺なシート状の電極体20を捲回する際にテンションを加えることが多く、正極活物質層34、負極活物質層54およびセパレータ70がより密に重ね合わされた構成となることが多い。また、図3に示したように、捲回電極体20は外部接続端子40、60との接続のために、集電体32,52が電極活物質層34,54やセパレータ70から両端にはみ出るように突出させられるのが一般的である。さらに、突出された集電体32,52は、捲回断面における一つの径方向(すなわち、捲回軸に垂直な一の方向)で寄せ集められることが多い。また捲回電極体20の全体が、断面が長円形状となるよう扁平に拉げられることもある。この様なとき、電極活物質層34,54およびセパレータ70の端部は電極集電体32,52の突出部に挟まれた状態となり、これらの部材34,54,70の端部近傍では電解質の移動が制限されてしまう。したがって、捲回型電極体20においては、これらの部材34,54,70の端部への電解質の供給と浸透方向端部から中央部分への電解質浸透性との両方が低下した状態となり得る。したがって、ここに開示される構成は、捲回型電極体20を備える非水電解質二次電池10に適用することで、その効果をいかんなく発揮することができるために好適である。
なお、かかる構成は、もちろん、電極体20が捲回型電極体20である場合に制限されず、各種の形態の電極体20にも同様に適用することができる。例えば、電極体20は、略方形の複数の正極30と、略方形の複数の負極50と、略方形の複数のセパレータ70とが積層されてなる略方形の積層型電極体20であってもよい。この場合、略方形の積層型電極体20の側面部は四方で解放されており、電解液の浸透方向は、より多くの電解液が浸透してゆく方向に設定することができる。例えば、上記の方形の対向する2辺の中点を結ぶ線に略一致する、2つの方向に設定するのが好適である。すると、表面改質部56は、例えば負極活物質層54の中央部分に、上記式(1)を満足する2×Lpに基づいて備えればよい。この場合の表面改質部56は、負極活物質層54の中央部分に、該負極活物質層54をLp/Lの割合で小さくした島状に形成されることになる。
また、電極体20は、略円形の正極30と、略円形の負極50と、略円形のセパレータ70とが積層されてなる略円形の電極体20であってよい。この場合、略円形の電極体20の端部は周方向で露出されており、電解液の浸透方向を任意の径方向に略一致する2以上の方向に設定することができる。表面改質部56は、例えば負極活物質層54の中央部分に、上記式(1)を満足する2×Lpに基づいて備えればよい。ここで、浸透方向を2よりも十分多い数だけ径方向に設定すると、表面改質部56は、例えば負極活物質層54の中央部分に、この負極活物質層54をLp/Lの割合で小さくした略円形の島状に形成されることになる。
以上のように、電極体20の形態に依らず適切に表面改質部56を設けることで、電解質がスムーズに浸透され得る電極体20とすることができる。なお、電解液の浸透方向を2以上設定した場合は、必ずしも各々の浸透方向においてLp/Lの値が一致している必要はなく、例えば電極体20への電解質の浸透性をより高めるために、上記式(1)を満たす範囲でそれぞれに適切な値に設定することができる。例えば、表面改質部56を設ける部材の材質や形状、周囲の電解質の状態等を考慮して適宜調整することができる。
なお、上記の例では、負極活物質層54の表面に表面改質部56を設ける例を示したが、表面改質部を設ける部材は負極活物質層54のみに限定されない。例えば、正極活物質層34の表面に設けてもよいし、セパレータ70の表面に設けるようにしてもよい。さらに、表面改質部56もその両面に設けても良い。またはセパレータ70についても両面に設けても良い。ないしは、正極30、負極50あるいはセパレータ70のいずれか一方の面に設けるようにしても良い。さらに、これらの部材のいずれか一つのみに表面改質部56を設けてもよいし、いずれか二つ、あるいは全部に表面改質部56を設けてもよい。
なお、負極活物質層54等の部材の表面改質については、電解液に対する濡れ性が向上されるのであれば、その手法、改質の度合い等に特に制限はない。例えば、対象とする部材が所望の濡れ性を備え得るよう、物理的、化学的、光学的な表面改質の手法を採用することができ、かかる表面改質の条件等も適宜調整して実施することができる。なかでも、化学的、光学的手法による表面改質の手法によると、電極特性を損ねることなく表面改質部56を設けられるために好ましい。改質の度合いについては、例えば、各種の濡れ性の評価手法を利用して確認することができる。例えば、具体的には、未改質の負極活物質層54の表面に電解液を滴下した際の液滴の接触角に対する、上記表面改質部56における電解液の液滴の接触角の比が、0.7以下となるように改質することが例示される。より好ましくは、かかる比は0.5以下である。ここで接触角は、例えば、JIS K2396の接触角の試験方法等に基づき、汎用の接触角測定装置等を用いることで簡便に測定することができる。これにより、表面改質部56における濡れ性が未改質部に比較して十分に改善され、負極活物質層54の両端部に浸透した電解質がより好適に中央部分に浸透し得る電極体20を構築することができる。
以上のここに開示される構成は、限定されることなく全ての非水電解質二次電池10に適用することが可能であるものの、特に大型電池等の電極30,50の電解質の浸透方向(幅方向)の寸法の大きい電池10に対して好ましく適用することができる。例えば、負極活物質層54の浸透方向の長さ2×Lが100mm以上の寸法(例えば、110mm以上、特に120mm以上)を有することで、該浸透方向で電解質の浸透性が顕著に劣ることが考えられ、負極活物質層54の幅方向の端部で電解質の添加剤の偏析が生じる可能性が高まるからである。ここに開示される構成をかかる寸法の電極30,50を備える電池に対して適用することで、電解質の添加剤の偏析の抑制、延いては電池の長寿命化という効果を十分に発揮し得る。
以下、本発明の非水電解質二次電池のより詳細な構成について、引き続き好適な実施形態としてのリチウムイオン電池10を例にし、製造方法と共に説明する。
本発明において、正極30は、所定の長尺なシート状の正極集電体32に、正極活物質および結着剤(バインダ)を含む正極活物質層34を備えている。正極集電体32の幅方向片側には、図3に示したように、縁部に沿って未塗工部33が設定されている。この実施形態においては、正極活物質層34は、正極集電体32に設定された未塗工部33を除いて、正極集電体32の両面に形成されている。この正極活物質層34は、典型的には、正極活物質、導電材、結着剤を含む正極活物質層ペースト(インク状、スラリー状であり得る。)を正極集電体32上に供給し、乾燥させることで形成される。ことで形成される。
正極集電体32は、従来のリチウムイオン電池等の正極30に用いられる電極集電体と同様、導電性の良好な金属からなる導電性部材を用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、鉄等を主成分とする金属またはその合金等を用いることができる。より好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金である。正極集電体の形状については特に制限はなく、所望の二次電池の形状等に応じて様々なものを考慮することができる。例えば、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態のものであり得る。典型的には、シート状のアルミニウム製の正極集電体32が用いられる。
正極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な材料が用いられ、従来からリチウムイオン電池10等に用いられている各種の物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。このような正極活物質としては、リチウム遷移金属酸化物(典型的には粒子状)が好適に用いられ、典型的には、層状構造の酸化物あるいはスピネル構造の酸化物を適宜選択して使用することができる。例えば、リチウムニッケル系酸化物(代表的には、LiNiO)、リチウムコバルト系酸化物(代表的には、LiCoO)およびリチウムマンガン系酸化物(代表的には、LiMn)から選択される一種または二種以上のリチウム遷移金属酸化物の使用が好ましい。
また、その他、一般式:
Li(LiMnCoNi)O
(前式中のa、x、y、zはa+x+y+z≒1、xyz≠0を満たす。)
で表わされるような、遷移金属元素を3種含むいわゆる三元系リチウム過剰遷移金属酸化物や、一般式:
xLi[Li1/3Mn2/3]O・(1−x)LiMeO
(前式中、Meは1種または2種以上の遷移金属であり、xは0<x≦1を満たす。)
で表わされるような、いわゆる固溶型のリチウム過剰遷移金属酸化物等であってもよい。なお、これらのリチウム遷移金属酸化物は、その構成を明確にするため上記一般式で示したが、かかる式中の遷移金属元素の一部(50原子%未満)が上記に例示したCo,Al,Mn,Cr,Fe…等からなる金属元素群から選択される一種または二種以上の元素で置換されていても良いことは言うまでもない。
さらに、上記正極活物質として一般式がLiMAO(ここでMは、Fe,Co,NiおよびMnから成る群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、Aは、P,Si,SおよびVから成る群から選択される元素である。)で表記されるポリアニオン型化合物も挙げられる。
このような正極活物質を構成する化合物は、例えば、公知の方法で調製して用意することができる。例えば、目的の正極活物質の組成に応じて適宜選択されるいくつかの原料化合物を所定の割合で混合し、その混合物を適切な手段によって焼成する。これにより、正極活物質を構成する化合物としての酸化物を調製することができる。
また、正極活物質の形状等について厳密な制限はないものの、上記のとおり調製された正極活物質は、適切な手段で粉砕、造粒および分級することができる。例えば、平均粒径がおよそ1μm〜25μm(典型的にはおよそ2μm〜15μm)の範囲にある二次粒子によって実質的に構成されたリチウム遷移金属酸化物粉末を、ここに開示される技術における正極活物質として好ましく採用することができる。これにより、所望する平均粒径および/または粒度分布を有する二次粒子によって実質的に構成される粒状の正極活物質粉末を得ることができる。
導電材としては、従来この種のリチウムイオン電池10等で用いられているものであればよく、特定の導電材に限定されない。典型的には、例えば、カーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料を用いることができる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等)、グラファイト粉末等のカーボン粉末を用いることができる。これらのうち一種又は二種以上を併用してもよい。
結着剤としては特に制限はなく、従来この種のリチウムイオン電池10等で用いられている各種の結着剤(ポリマー材料)を用いることができる。例えば、有機溶剤を含む溶媒を使用する溶剤系の結着剤であっても良いし、溶媒として水を使用する水系の結着剤、あるいはエマルジョン系(水分散性)の結着剤であっても良い。
例えば、この溶媒として水系溶媒を用いる場合には、水に溶解する(水溶性の)ポリマー材料として、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);等を用いることが例示される。または、水に分散する(水分散性の)ポリマー材料として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のビニル系重合体;ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類等を用いることが例示される。
そして、溶媒として非水溶媒を用いる場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)などの溶剤系のポリマーを好ましく採用することができる。
また、かかるポリマーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。水性溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒(水系溶媒)を用いた組成物が例示される。混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。非水溶媒の好適な例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。なお、上記に結着剤として例示したポリマー材料は、結着剤としての機能の他に、正極活物質層を形成するために調製する正極活物質層形成用ペーストの増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
また、特に限定するものではないが、正極活物質100質量部に対する導電材の使用量は、例えば1〜20質量部(好ましくは5〜15質量部)とすることができる。また、正極活物質100質量部に対するバインダの使用量は、例えば0.5〜10質量部とすることができる。
負極50は、長尺なシート状の負極集電体52上に、負極活物質および結着剤を含む負極活物質層54を備えている。負極集電体52の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部53が設定されている。また、捲回型電極体20においては、負極活物質層54は、負極集電体52に設定された未塗工部53を除いて、負極集電体52の両面に形成されている。そして、この負極活物質層54の中央部分には、表面改質部56が設けられている。負極活物質層54は、典型的には、負極活物質および結着剤とともに、必要に応じて導電材を含む負極活物質層形成用ペーストを、負極集電体52上に供給し、乾燥させることで形成される。そしてその後、必要に応じて圧延等を施した後、負極活物質層54の表面改質を行う。
負極集電体52には、従来のリチウムイオン電池10等の負極に用いられる電極集電体と同様、負極に適する導電性の良好な金属からなる導電性部材を用いることができる。例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を主体とする棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。
負極活物質としては、従来からリチウムイオン電池10等に用いられる材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。より具体的には、負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、これらの材料の表面の少なくとも一部を非晶質炭素材料でコートしたもの、または、これらを組み合わせた炭素材料等を用いることができる。また、例えば、Si、Ge、Sn、Pb、Al、Ga、In、As、Sb、Bi等を構成金属元素とする金属化合物(好ましくは金属酸化物)などであっても良い。また、負極活物質粒子として、LTO(チタン酸リチウム)を用いることも可能である。なお、導電性に乏しい負極活物質については、例えば、炭素被膜を設けて金属化合物の表面の少なくとも一部を被覆したり、負極活物質層に導電材料を含ませるなどして、導電性を備えるようにしてもよい。この場合、負極活物質層に導電材を含有させなくてもよいし、従来よりも導電材の含有率を低減させてもよい。このような負極活物質の付加的な態様や、粒径等の形態は、所望の特性に応じて適宜に選択することができる。
導電材は、必要に応じて、従来からリチウムイオン電池10等に用いられる導電材の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、上記の正極30における導電材と同様の、カーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料、ニッケル粉末等の導電性金属粉末が例示される。カーボン粉末としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックを好ましく採用することができる。このような導電材は、一種を単独で、または二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
バインダおよび溶媒についても、上記の正極30におけるものと同様のものを用いることができる。なお、特に限定するものではないが、負極活物質層54に導電材を含む配合では、負極活物質を100質量部としたときの導電材の使用量は、例えば、およそ1〜30質量部(好ましくは、およそ2〜20質量部、例えば5〜10質量部程度)とすることができる。また、負極活物質100質量部としたときのバインダの使用量は、例えば0.5〜10質量部とすることができる。
セパレータ70としては、従来よりリチウムイオン電池10等に用いられるのと同様のセパレータを使用することができる。例えば、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。かかる多孔性シートの構成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。特に、PEシート、PPシート、PE層とPP層とが積層された二層構造シート、二層のPP層の間に一層のPE層が挟まれた態様の三層構造シート等、の多孔質ポリオレフィンシートを好適に使用し得る。なお、電解質として固体電解質もしくはゲル状電解質を使用する場合には、セパレータが不要な場合(すなわちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。
かかる非水電解質二次電池の製造方法においては、上記のとおり正極30と、負極50と、セパレータ70とを用意したのち、電極体20を構築するに先立って、正極活物質層34、負極活物質層54およびセパレータ70のうちの少なくとも一つの部材の表面の濡れ性を改質して、上記で説明したとおりの表面改質部56を設けるようにする。
表面改質は、濡れ性を向上させることができる各種の手法を採用することができる。例えば、濡れ性の向上を目的とした、ブラストやピーニング等の表面組織の物理的形態の制御による改質、化学的または光学的処理による異種表面の形成による改質、真空雰囲気内でのプラズマ処理等の手法を採用することができる。なかでも、例えば、大気圧下でのプラズマ処理、コロナ処理、エキシマランプ処理またはプラズマフレーム処理等の、被処理部材にダメージを与えることなく、表面の所望の範囲の濡れ性を均質に改質し得る手法を採用するのが好ましい。プラズマ処理、コロナ処理、エキシマランプ処理はいずれも誘電体バリア放電を利用した表面改質の手法であって、表面改質部56に水酸基、カルボキシル基などの極性を有する官能基を導入することができ、これにより電解質に対する濡れ性を向上させることができる。また、プラズマフレーム処理は、一般的な燃焼フレーム処理(処理温度:約1500℃)に比べて処理温度の低いプラズマフレーム(処理温度:約300℃)を用いた表面改質の手法であって、表面改質部56に水酸基、カルボキシル基などの極性を有する官能基を導入して表面改質することができる。これらは、いずれも大気圧下で、対象とする部材の所望の部位の表面のみを改質することができる処理手法であり、かかる処理により電極性能等への悪影響が殆どないために好ましく採用され得る。また、連続的なライン製造などに適用できる点においても好ましい。
なお、上記の誘電体バリア放電を利用して表面改質を行う場合は、例えば、単位時間、単位面積当たりの投入電力である放電量を調整することで、改質の度合いを所望に制御することができる。投入電力は、改質の対象とする部材およびその構成材料等によって異なるために一概には言えないが、放電量と濡れ性の改善具合との関係から適切な放電量を設定することができる。例えば大気圧下でのコロナ処理により不況活物質層の表面改質を行う場合について例を示すと、一つの目安として、下式(1)で表される放電量が1〜10×10Wmin/mとなるように、放電電力、電極移送速度等の各種の条件を調整して表面改質することが例示される。
放電量=P/(T×v) …(1)
ここで、上記式(1)中、Pは放電電力(W)を、Tは表面改質する改質幅(m)を、vは移送速度(m/min)を示すものとする。なお、上記に例示した放電量は、使用する表面改質のための装置、負極活物質の種類、負極活物質層の密度等にもよるため絶対的な数値とはならない。そのため、ここに開示される発明がこの例示に限定されるものでないことはもちろんである。
また、プラズマフレームの処理条件についても、改質の対象とする部材の濡れ性の改善具合との関係から適切なフレーム照射条件を設定することができる。
次いで、表面改質された部材を含む正極30と負極50とセパレータ70とを積層して電極体20を構築する。捲回型電極体20を構築する場合は、これらを下からセパレータ70、負極50、セパレータ70、正極30の順に積層して捲回する。他の積層型電極体は、セパレータ70、負極50、セパレータ70、正極30の組み合わせを必要なだけ重ね、さらにセパレータ70で絶縁することで、電極体20を構築する。
ここで、負極活物質層54の幅は正極活物質層34の幅よりも広く、負極活物質層54が正極活物質層34を幅方向に覆う状態に配置されることが好ましい。また、セパレータ70は、負極活物質層54を幅方向に覆うことで、正極30と負極50の絶縁を確保する。すなわち、これらの幅方向の寸法関係は、正極活物質層34の幅a1よりも負極活物質層54の幅b1が少し広く、さらに負極活物質層54の幅b1よりもセパレータ70の幅c1、c2が少し広いものとなっている(c1、c2>b1>a1)。
かかる構成によると、負極活物質層54が正極活物質層34よりも幅広のため、正極から放出される電荷担体の負極での受け入れ性が高まり、負極の容量を確保することができる。そのため、例えば、充放電の繰り返しに伴う負極でのリチウムの析出を抑制する効果を得ることができる。
ここで用いられる電解質には、従来のリチウムイオン電池10等に用いられる非水電解質に、負極活物質層54上に抵抗皮膜(SEI膜)を形成し得る添加剤を含ませたものを特に限定なく用いることができる。かかる非水電解質は、典型的には、適当な非水溶媒に電解質(即ち、リチウム塩)を含有させた組成を有する。電解質濃度は特に制限されないが、電解質をおよそ0.1mol/L〜5mol/L(好ましくは、およそ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度の濃度で含有する非水電解液を好ましく用いることができる。また、かかる液状電解液にポリマーが添加された固体状(ゲル状)の電解液であってもよい。
該非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が例示される。また、該電解質としては、例えばLiPF、LiBF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF、LiClO等が例示される。
SEI膜を形成させるための添加剤としては、還元分解されることで負極活物質54上に安定したSEI膜を形成し得る各種の材料を特に制限なく用いることができる。なかでも、安定性が高く、過剰なSEI膜を形成することのない添加剤としては、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)およびジフルオロリン酸リチウム(P1)等が例示される。これらは1種のみを用いても良いし、2種以上を複合的に用いるようにしてもよい。また、その他、過充電時のガスを発生させる目的でガス発生剤などの添加剤を加えることができる。
電極体20は、通常、所定の電池ケース80の形状に合わせて成形され得る。捲回型電極体20の場合は、例えば、円筒形の電池ケース80には捲回断面形状が円形の捲回型電極体20が用意され、角形の電池ケース80には捲回断面形状が小判型の捲回型電極体20が用意される。
電池ケース80は、上記扁平な直方体形状における幅狭面の一つが開口部(図1および図2では角型形状の上面)となっている箱型のケース本体84と、その開口部に取り付けられて(例えば溶接されて)該開口部を塞ぐ蓋体82とを備えている。電池ケース80を構成する材質としては、一般的なリチウムイオン電池等で使用されるものと同様のものを適宜使用することができ、特に制限はない。例えば、金属(例えばアルミニウム、スチール等)製の容器、合成樹脂(例えばポリオレフィン系樹脂等、ポリアミド系樹脂等の高融点樹脂等)製の容器等を好ましく用いることができる。本実施形態に掛かる電池ケース80は例えばアルミニウム製である。蓋体82は、ケース本体84の開口部の形状に適合する長方形状に形成されている。さらに、蓋体82には、外部接続用の正極端子40と負極端子60とがそれぞれ設けられており、これらの端子40、60の一部は蓋体82から電池ケース80の外方に向けて突出するように形成されている。
以上のようにして得られた電極体20は、正極集電体32の未塗工部33に正極端子40が接合され、捲回型電極体20の正極30と電池ケース80の蓋体82とが電気的に接続される。同様に、負極集電体52の未塗工部53に負極端子60が接合され、負極50と電池ケース80の蓋体82とが電気的に接続されている。なお、正・負極端子40、60と正・負極集電体32、52の未塗工部33,53とは、例えば、超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合され得る。
そして捲回型電極体20は、その捲回軸WL(図3参照)が横倒しとなるようにして、ケース本体84内に収容される。その後、ケース本体84の開口部に蓋体82を装着し封止し、蓋体82に設けられた注液孔86から電池ケース80内に上記の電解液が注入される。ケース本体84の開口部の封止は、例えば、ケース本体84に蓋体82を溶接するとよい。この場合、溶接は、例えばレーザ溶接で行なうとよい。これにより、本実施形態のリチウムイオン電池10を構築することができる。また、従来のリチウム二次電池のケースと同様に、蓋体82には、電池異常の際に電池ケース80内部で発生したガスを電池ケース80の外部に排出するための安全弁88が設けられている。安全弁88は、電池ケース80内部の圧力が所定レベルを超えて上昇したときに、開弁して電池ケース80の外部にガスを排出する機構を備えていれば特に制限無く使用することができる。
以上のとおりの非水電解質二次電池は、負極活物質層の幅が広い大型の捲回型電極体においても、リチウム源の消費が抑えられて、長寿命なものであり得る。したがって、かかる構成は、図5に示すように、例えば高エネルギー密度特性を具備するために捲回型電極体を備える大型電池10(組電池100の形態であり得る)を、長期に渡って使用することが要求される自動車の動力源(典型的には、ハイブリッド車両または電気車両の動力源)等として好適であり、本発明は、このような車両(例えば自動車)1の動力源として利用し得る。
以下に実施例を示し、本発明についてさらに説明する。ただし、本発明がこれらの例に限定されることがないことは言うまでもない。
以下の手順で、捲回型電極体を備える非水電解質二次電池を作製した。
<サンプル1>
[正極シートの作製]
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのPVdFとを用意し、これらの材料の質量比が正極活物質:導電材:結着剤として100:5:5となるように混合し、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)に混合してスラリー状の正極活物質層形成用のペーストを調製した。この正極活物質層形成用ペーストを、長尺シート状の正極集電体(厚さ15μmのAl箔)の両面に、長手方向に沿う一方の端部(幅方向における一方の端部)に未塗工部を形成しつつ所定の目付量(16.2g/cm)で帯状に塗布して乾燥させた後、ロールプレス機にてプレスすることにより、シート状の正極を得た。この正極シートの総厚みは110μm、長さは4500mm、正極シートにおける正極活物質層の幅は94mmであった。
[負極シートの作製]
負極活物質として黒鉛粉末を用い、これを結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)との質量比が、負極活物質:結着剤として100:7となるように、溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)と混合して、負極活物質層形成用のペーストを調製した。この負極活物質層形成用ペーストを、長尺シート状の負極集電体(厚さ20μmのCu箔)の両面に、長手方向に沿う一方の端部(幅方向における一方の端部)に未塗工部を形成しつつ、所定の目付量(8.8g/cm)で帯状に塗布して乾燥させた後、ロールプレス機にてプレスすることにより、シート状の負極を得た。この負極シートの総厚みは120μm、長さは4700mm、負極シートにおける負極活物質層の幅は100mmとした。
[セパレータ]
セパレータとしては、PP/PE/PPの三層構造を有する厚さ20μmの微多孔質シートを用いた。
[電解質]
非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチルメチルカーボネート(EMC)が3:4:3の体積比で混合された混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1mol/リットルの濃度で含有させて有機電解液を調整した。そしてこの有機電解液に、添加剤としてリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を2.0質量%の割合で添加したものを用いた。
[評価用セルの構築]
上記正極と上記負極とを未塗工部が互いに反対方向となるように、かつ、2枚のセパレータが両シート間にそれぞれ介在するように重ね、これらを捲回して、断面小判型のタブレス構造の捲回型電極体を作製した。この捲回型電極体を電解質(125.0g)とともに角型の電池ケースに挿入して封口し、評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル1)を構築した。このリチウムイオン電池の定格容量は、24.0Ahであった。
<サンプル2>
上記で得られた負極に対して、捲回直前に、負極活物質層の幅(2×L)に対して該幅方向中央部分に、Lp/L=0.1となるような幅(2×Lp)で表面改質を施し、表面改質部を設けた。表面改質には、コロナ表面処理装置(春日電機製:AGI-023)を用い、放電電力を1.5kW、負極移送速度を6m/min、改質幅をLp/L×0.1mとした条件により処理を行った。
負極に対して表面改質したこと以外は、サンプル1と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル2)を構築した。
<サンプル3>
表面改質部を、Lp/L=0.2となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル3)を構築した。
<サンプル4>
表面改質部を、Lp/L=0.4となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル4)を構築した。
<サンプル5>
表面改質部を、Lp/L=0.7となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル5)を構築した。
<サンプル6>
表面改質部を、Lp/L=0.9となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル6)を構築した。
[表面改質の評価]
上記サンプル2と同様に表面改質した負極を用意し、負極活物質層の表面改質部および未改質の部分の動的接触角を測定することで、表面改質による濡れ性の改善を評価した。具体的には、負極活物質上に携帯式接触角計(株式会社マツボー製、PG−X)を設置し、液供給タンクに上記電解質を供給して電極表面に1μLの電解液を滴下し、滴下後の液滴の接触角を10秒ごとに測定した。その測定結果を表1に示した。
Figure 2013182712
表1の結果からわかるように、コロナ処理による表面改質で、電解質滴下直後から負極活物質層の表面の濡れ性が大幅に改善されることが確認された。特に、コロナ処理されていない負極活物質層では、例えば電解質1mLの液滴が接触角34°の状態で表面を濡らすのに要する時間が100秒であるのに対し、処理された負極活物質層では30秒程度と大きく異なる。このことから、電解質が負極活物質層の空隙に行き渡るのに要する時間にも大きな差が生じ、表面改質により短時間でスムーズに電解液の浸透が行われ得ることがわかった。
[コンディショニング処理]
電解液を注入してから4時間経過後の各評価用セルに対して、1/10C(1Cは、1時間で満充放電可能な電流値)のレートで3時間の定電流(CC)充電を行い、次いで、1/3Cのレートで4.1Vまで充電する操作と、1/3Cのレートで3Vまで放電させる操作とを3回繰り返すことで、コンディショニング処理を行った。
[初期放電容量測定]
コンディショニング後の各評価用セルに対し、正負両端子間電圧4.1Vに初期充電させ、温度25℃にて、1Cのレートで両端子間電圧が3VとなるまでCC放電させ、次いで同電圧で2時間定電圧(CV)放電させた。10分休止後、1Cのレートで両端子間電
圧が4.1VとなるまでCC充電し、次いで同電圧で2.5時間CV充電した。10分休止後、0.5Cのレートで両端子間の電圧が3VとなるまでCC放電させ、次いで同電圧で2時間CV放電させ、このCCCV放電時に測定された総放電容量を初期容量とした。
[高温サイクル特性]
初期放電容量測定後の各評価用セルに対し、高温(60℃)で2000サイクルの充放電試験を行い、500サイクル毎の容量維持率を算出することで、サイクル特性を評価した。
充放電試験は、環境温度60℃にて、48A(2C相当)のレートで電圧が4.1VとなるまでCC充電させる操作と、次いで48A(2C相当)のレートで電圧が3.0VとなるまでCC放電する操作を1サイクルとし、これを2000サイクル行った。
容量維持率の確認は、まず、上記充放電試験の500サイクル毎に、環境温度60℃にて、8A(1/3C相当)のレートで電圧が4.1VとなるまでCC充電し、次いで8A(1/3C相当)のレートで電圧が3.0VとなるまでCC放電させ、この時の放電容量を測定した。そして、初期容量に対するサイクル終了後の放電容量の百分率を算出して、当該サイクル数後の容量維持率とした。
高温サイクル特性の結果を図6に示した。
[負極幅方向の抵抗皮膜の確認]
上記の高温サイクル特性を行う前の評価用セルを解体し、負極に存在するLiBOBに由来する抵抗皮膜の形成状態(分布)を調べた。すなわち、解体後の電極を乾燥させ、負極の一部から負極活物質層を剥離して試料とし、そこに含まれるホウ素(B)の濃度を定量した。試料は、図7に示したように、負極の未塗工部側から幅方向に均等に負極活物質層a〜eを採取することで用意した。ホウ素(B)の定量は、JIS K 0116に準じ、誘導結合プラズマ質量分析により実施した。分析には、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS、(株)島津製作所製、ICPS−8100)を用いた。その結果を、図8に示した。
図6から、表面改質をしなかったサンプル1、負極の中央部分のごく一部を表面改質したサンプル2および負極のほぼ全面を表面改質したサンプル6は、サイクル特性の評価において容量維持率の低下が激しいことが確認できた。これに対し、Lp/L=0.2〜0.7となる範囲で負極の表面改質を行ったサンプル3〜5は、容量維持率が高く維持できていることが明確に確認できた。
また、図8から、サンプル1〜6の負極に形成されたLiBOB由来の抵抗皮膜の形成(分布)状態が確認できた。すなわち、表面改質をしなかったサンプル1、負極の中央部分のごく一部を表面改質したサンプル2および負極のほぼ全面を表面改質したサンプル6は、負極活物質層の端部(a,e)におけるB濃度が高く、かつ、中央部分(c)におけるB濃度が極めて低く、電解液に添加した添加剤が負極活物質層の中央部分にまで浸透できなかったことがわかった。これに対し、Lp/L=0.2〜0.7となる範囲で負極の表面改質を行ったサンプル3〜5は、負極活物質層の端部(a,e)と中央部分(c)とでB濃度にさほど大きな違いは見られず、負極活物質層の幅方向においてより均一に抵抗皮膜が形成されていることがわかった。
これらのことから、負極表面に形成される抵抗皮膜が負極活物質層の幅方向においてより均一であることにより、電池のサイクル特性が向上されることが確認できた。なお、例えばサンプル6のように、負極活物質層の表面のほぼ全面を表面改質すると、負極活物質層の端部までもが濡れ性および保液性が向上するため、端部において添加剤成分が偏析することが確認された。そのため、中央部分に添加剤成分が十分に浸透しない部分が発生してしまい、表面改質がサイクル特性の向上に有効に機能し得ないことがわかった。
<サンプル7>
有機電解液に添加する添加剤として、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)およびジフルオロリン酸リチウム(P1)の3種類を用い、これらをそれぞれ2.0質量%、1.0質量%、11.0質量%の割合で添加した以外は、サンプル1(Lp/L=0)と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル7)を構築した。
<サンプル8>
表面改質部を、Lp/L=0.1となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル7と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル8)を構築した。
<サンプル9>
表面改質部を、Lp/L=0.2となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル9)を構築した。
<サンプル10>
表面改質部を、Lp/L=0.4となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル10)を構築した。
<サンプル11>
表面改質部を、Lp/L=0.7となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル11)を構築した。
<サンプル12>
表面改質部を、Lp/L=0.9となるような幅(2×Lp)で形成した以外は、サンプル2と同様にして評価用セルとしてのリチウムイオン電池(サンプル12)を構築した。
上記で構築したサンプル7〜12の評価用セルに対して、上記と同じコンディショニング処理、初期放電容量測定および高温サイクル特性の評価を行った。高温サイクル特性については、2000サイクル後に放電容量を測定して、2000サイクル後の容量維持率を算出した。その結果を表2に示した。
Figure 2013182712
表2から明らかなとおり、Lp/L=0.2〜0.7の範囲で表面改質された負極を用いたセルのサイクル特性は良好で、80%以上の高い容量維持率を実現できることが確認された。
Lp/Lが0.2よりも小さい場合は、電解質が負極の中央部分に浸透するには表面の濡れ性の改善領域が足りず、負極表面に均一に抵抗皮膜が形成されないために、2000サイクル後の容量維持率が低下してしまった。
また、Lp/Lが0.7よりも大きい場合は、本来電解質が十分に浸透し得る端部の領域まで濡れ性が改善されるため、この端部に電解質が留まって負極の中央部分にまで浸透せず、結果として負極表面に均一に抵抗皮膜が形成されない結果となった。
すなわち、濡れ性の改善を目的とした負極の表面改質は、Lp/L=0.2〜0.7の範囲で行うことで、その効果が好適に得られることが確認できた。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
本発明の構成によれば、大型電池や捲回型電極体を備える電池であっても、負極活物質層の表面に抵抗皮膜(SEI膜)がより均一に形成されて長寿命な非水電解質二次電池と、かかる電池の製造方法が提供される。
1 車両
10 非水電解質二次電池(リチウムイオン電池)
20 捲回型電極体
30 正極
32 正極集電体
33 未塗工部
34 正極活物質層
40 正極端子
50 負極
52 負極集電体
53 未塗工部
54 負極活物質層
56 表面改質部
60 負極端子
70 セパレータ
80 電池ケース
82 蓋体
84 容器本体
86 注液口
88 安全弁
100 組電池
WL 捲回軸

Claims (16)

  1. 正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、セパレータとが積層されてなる電極体、および、
    前記負極活物質層上に抵抗被膜を形成し得る添加剤を含む電解質、
    を備える非水電解質二次電池であって、
    前記電解質が前記電極体の外部から内部に浸透してゆく浸透方向が少なくとも一つ設定され、
    前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記セパレータのうちの少なくとも一つの部材には、前記浸透方向の中央部分に表面の濡れ性が改質された表面改質部が備えられており、
    前記少なくとも一つの部材の前記浸透方向の長さを2×Lとし、前記表面改質部の前記浸透方向の長さを2×Lpとしたとき、次式(1)
    0.2≦Lp/L≦0.7 ・・・(1)
    を具備する、非水電解質二次電池。
  2. 前記少なくとも一つの部材が負極活物質層を含み、前記負極活物質層の表面に前記表面改質部が備えられている、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記電極体は、長尺な正極と、長尺な負極と、長尺なセパレータとが積層されて捲回されてなる捲回型電極体であり、
    前記浸透方向は捲回軸方向と略一致する一の方向に設定されており、
    前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の前記浸透方向中央部分に表面改質部が帯状に備えられている、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記部材の表面改質されていない未改質部分における電解液の接触角に対する、表面改質後の前記表面改質部における電解液の接触角の比が、0.7以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記2×Lが100mm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記添加剤は、リチウムビスオキサレートボレート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートおよびジフルオロリン酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記表面改質部は、前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記セパレータのうちの少なくとも一つの部材において、前記浸透方向の真ん中を中心として対称に形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池を駆動用電源として備える、車両。
  9. 正極活物質層を備える正極と、負極活物質層を備える負極と、セパレータとを用意する
    こと、
    前記正極と前記負極と前記セパレータとを積層して電極体を構築すること、および、
    負極活物質層上に抵抗皮膜を形成し得る添加剤を含む非水電解質と、前記電極体とをケースに収容して非水電解質二次電池を構築すること、を包含し、
    前記電極体を構築するに先立って、
    前記電解質が前記電極体の外部から内部に浸透してゆく浸透方向を少なくとも一つ設定し、
    前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記セパレータのうちの少なくとも一つの部材に、前記浸透方向の中央部分に表面の濡れ性が改質された表面改質部を形成することを含み、
    該少なくとも一つの部材の前記浸透方向の長さを2×Lとし、前記表面改質部の前記浸透方向の長さを2×Lpとしたとき、以下の式(1)、
    0.2≦Lp/L≦0.7 ・・・(1)
    を具備する、非水電解質二次電池の製造方法。
  10. 前記少なくとも一つの部材が負極活物質層を含み、前記負極活物質層の表面に前記表面改質部を形成する、請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記電極体として、長尺な前記正極と、長尺な前記負極と、長尺な前記セパレータとを積層し捲回することで捲回型電極体を構築し、
    前記浸透方向を捲回軸方向と略一致する一の方向に設定して、
    前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記セパレータのうちの少なくとも一つの部材の前記浸透方向中央部分に表面改質部を帯状に形成する、請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 前記部材の表面改質されていない未改質部分における電解液の接触角に対する、表面改質後の前記表面改質部における電解液の接触角の比が、0.7以下となるように改質する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 大気圧下でのプラズマ処理、コロナ処理、プラズマフレーム処理またはエキシマランプ処理により前記表面改質部を形成する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記2×Lが100mm以上である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記添加剤が、リチウムビスオキサレートボレート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネートおよびジフルオロリン酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記セパレータのうちの少なくとも一つの部材において、前記浸透方向の真ん中を中心として対称に前記表面改質部を形成する、請求項9〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
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