JPWO2018021350A1 - 易剥離性保護膜形成用組成物 - Google Patents

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Abstract

ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物と、単官能(メタ)アクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリレートと、ラジカル重合開始剤とを含み、前記単官能(メタ)アクリレートの含有量が、前記(メタ)アクリレートの全量に対して50質量%以上であることを特徴とする易剥離性保護膜形成用組成物。

Description

本発明は、易剥離性保護膜形成用組成物、易剥離性保護膜及び被塗布体表面の保護方法に関する。
物品の表面を磨耗や腐食から一時的に保護するために、物品の表面に塗布して膜を形成し、必要期間が過ぎたときに物品を損傷させずに剥ぎ取ることができる塗料は、一般的に、ストリッパブルペイントと呼ばれる。
このようなストリッパブルペイントとしては、主に、合成ゴムや塩化ゴムを有機溶剤に溶解した塗料、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に可塑剤を配合し有機溶剤に溶解した塗料等が知られている。
しかしながら、この種の含溶剤塗料は、塗布後の乾燥に長時間(加熱乾燥で5〜10分間)が必要である。また、この塗料を合成樹脂製の物品に塗布すると、この物品の表面が有機溶剤により膨潤したり溶解したりすることがある。
さらに、アクリル樹脂を水中に分散させたアクリルエマルジョン等もストリッパブルペイントとして使用されているが、この塗料も、やはり塗布後の乾燥に長時間が必要である(例えば特許文献1,2参照)。
特開2014−105314号公報 特開2000−226539号公報 特開平04−041190号公報 特開2005−15594号公報 特開平05−301935号公報
上述の事情の下、物品(以下、被塗布体ともいう)の表面に一時的な保護塗膜を形成するための組成物として、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体と、重合可能な二重結合を有する不飽和化合物、例えばフェニルグリシジルエーテルのアクリル酸付加物と、光重合開始剤とを含む光硬化型樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献3〜5参照)。
このようなラジカル硬化系の樹脂組成物は、塗工後に短時間(1〜5分間程度)の光照射及び/又は加熱により硬化し、強靭な被膜を形成する。このため、ラジカル硬化系の樹脂組成物によれば、作業性の向上が期待できる上、有機溶剤を用いずに組成物の調製が可能であるため、被塗布体表面の侵食の抑制も期待される。
そこで、本発明者らは、ラジカル硬化系の樹脂組成物に着目し、新規ストリッパブルペイントを開発するべく検討を重ねたところ、以下の条件を満たす場合に、ストリッパブルペイントとして好適な組成物や樹脂薄膜となり得るという知見に至った。
(1)塗膜が短時間の光照射及び/又は加熱により硬化する(硬化膜を形成する)。
(2)硬化膜がガラスや樹脂等の様々な物品表面に良好に密着する。
(3)硬化膜の表面タックが低い。
(4)硬化膜に靭性があり、剥離時にちぎれることなく容易に剥離できる。
(5)硬化膜がガラスや樹脂等の様々な物品表面から容易に剥離できる。
近年、ガラス基板の一部分を樹脂で被覆した複合基板と呼ばれる物品の、一時的な保護が求められている。しかしながら、一般的にガラス基板は親水性であり、樹脂膜は疎水性であるため、両者でストリッパブルペイントの密着性が異なる。このため、ガラス表面と樹脂表面の混在する複合基板からも容易に剥離できる実用可能なストリッパブルペイントは未だなく、その開発が望まれている。
本発明の目的は、上記条件を満たすストリッパブルペイントとして好適な、容易に剥離できる樹脂膜を与える組成物、そのような樹脂膜及びこの樹脂膜を用いた被塗布体表面の保護方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物を、所定の割合の単官能(メタ)アクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリレート又は所定の割合の単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレート、並びにラジカル重合開始剤とともに混合することで、均一な組成物を容易に調製することができることを見出した。また、当該組成物を用いた場合に、光照射及び/又は短時間の加熱によって、ガラスや樹脂等への優れた密着性だけでなく、表面タックが抑制された、強靱で柔軟な硬化膜が得られ、この硬化膜が、ガラスや樹脂等の被塗布体から手で容易に剥離できることを見出した。そして、これらの知見により本発明を完成させた。
なお、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を用いたストリッパブルペイントに関する報告はなされているが(例えば特許文献5参照)、ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレートとともに、所定の割合の単官能(メタ)アクリレート及び必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを用いることで、本発明特有の特徴を有する組成物や樹脂膜が得られることを教示する文献は見当たらない。
すなわち、本発明は、
1.ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物と、単官能(メタ)アクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリレートと、ラジカル重合開始剤とを含み、前記単官能(メタ)アクリレートの含有量が、前記(メタ)アクリレートの全量に対して50質量%以上であることを特徴とする、易剥離性保護膜形成用組成物、
2.前記(メタ)アクリレートが、前記単官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレートとを含むことを特徴とする、1の易剥離性保護膜形成用組成物、
3.前記単官能(メタ)アクリレートが、環状構造を有する単官能(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする、1又は2の易剥離性保護膜形成用組成物、
4.前記易剥離性保護膜形成用組成物中の前記ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量が、80質量%未満であることを特徴とする、1〜3の何れかの易剥離性保護膜形成用組成物、
5.前記易剥離性保護膜形成用組成物中の前記ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量が、10質量%以上であることを特徴とする、1〜4の何れかの易剥離性保護膜形成用組成物、
6.1〜5の何れかの易剥離性保護膜形成用組成物の硬化物からなることを特徴とする、易剥離性保護膜、
7.6の易剥離性保護膜を用いた、被塗布体表面の保護方法
を提供する。
本発明の易剥離性保護膜形成用組成物を用いることで、光照射及び/又は短時間の加熱によって、ガラスや樹脂等への優れた密着性だけでなく、表面タックが抑制された、強靱で柔軟な樹脂膜を得ることができる。更に、当該樹脂膜は、手で容易に被塗布体から剥離できる。当該樹脂膜は、このような特徴を備えることから、物品を研磨・切断する場合や、製品を保管する場合など、鉄鋼、ガラス、合成樹脂等からなる物品の表面を腐食、磨耗、汚れ等から一時的に保護するために使用されることが期待される。
<ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物>
本発明の易剥離性保護膜形成用組成物(以下、単に「組成物」ということがある。)は、ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物を含む。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物は、カプロラクトンの開環重合体であるポリカプロラクトン骨格を主骨格として有するものであれば特に限定されるものではなく、市販品を用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。
このようなウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ポリカプロラクトンポリオール((株)ダイセル製プラクセルシリーズ等)と、ポリイソシアネート化合物と、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物との反応物を用いることができる。
また、市販品としては、アートレジンUN−352[根上工業(株)製]等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いられる前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の重量平均分子量は、通常、500〜100,000程度であるが、得られる膜の強靭性等の観点から、好ましくは1,000以上、より一層好ましくは2,000以上である。また、組成物の過度の粘度の増加を抑制し塗工性を確保する観点から、好ましくは50,000以下、より好ましくは10,000以下、より一層好ましくは8,000以下、さらに好ましくは5,000以下である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算測定値である(以下、同様)。
本発明において、組成物全体に対する前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量は、好ましくは80質量%未満10質量%以上、より好ましくは70質量%未満10質量%以上、さらに好ましくは70質量%未満20質量%以上、特に好ましくは60質量%未満30質量%以上である。当該化合物の含有量を上述した80質量%未満とすることで、組成物の粘度の過度な上昇を抑制し組成物の塗工性を維持し易くなるだけでなく、相対的に後述するエチレン性不飽和単量体の量が多くなり、基板密着力等の調整が容易になる。また、当該化合物の含有量を上述した10質量%以上とすることで、樹脂膜の剥離性を確保し易くなる。
<単官能(メタ)アクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリレート>
本発明の組成物は、得られる樹脂膜の密着性の改善、組成物の低粘度化等を目的に、エチレン性不飽和単量体として、少なくとも単官能(メタ)アクリレートを含む(メタ)アクリレートを含む。上記(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを含んでもよい。なお、エチレン性不飽和単量体とは、少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有する化合物である。
[単官能(メタ)アクリレート]
前記単官能(メタ)アクリレートとしては、アルキル(メタ)アクリレートが好適であり、そのアルキル基の炭素数が6以上のアルキル(メタ)アクリレートがより好適である。
アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロブチル基、ビシクロペンチル基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロデシル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基等が挙げられる。
また、単官能(メタ)アクリレートとしては、樹脂膜の靱性向上の観点から、分子内に環構造を有しているものが好ましい。環構造を有する(メタ)アクリレートの重合物は、直鎖状の置換基を有するものよりガラス転移温度(Tg)が高く、硬い膜が得られやすい。一方で環構造の置換基は、直鎖状の置換基より自由体積が小さく、樹脂膜の靭性に必要な(メタ)アクリレート主鎖同士の絡み合いを阻害しにくい。そのため環構造を有している単官能(メタ)アクリレートを配合した樹脂膜は、硬いながらも靭性がある膜になると考えられる。
アルキル基の炭素数が6以上のアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、6−メチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、7−メチルオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、8−メチルノニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、16−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、このようなアルキル基の炭素数が6以上のアルキル(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(n=2)フェノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性(n=2.5)4−ノニルフェノール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。中でも、ヒドロキシ基を含有しないものが好ましく、また、分子量は100〜300程度が好ましい。
単官能(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、8−メチルノニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、16−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレートが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートは、1種単独で又は2種以上組合わせて使用できる。
[多官能(メタ)アクリレート]
前記多官能(メタ)アクリレートとしては、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、フタル酸ジグリシジル(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
前記多官能(メタ)アクリレートとしては、2官能(メタ)アクリレート又は3官能(メタ)アクリレートが好ましく、2官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、1種単独で又は2種以上組合わせて使用できる。
本発明において、組成物全体に対する(メタ)アクリレート、すなわち単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの含有量は、組成物を低粘度化し、作業性を高める観点から、通常、10質量%以上であるが、好ましくは20質量%以上、より一層好ましくは30質量%以上であり、硬化物の靭性および密着力を制御する観点から、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。
本発明においては、多官能(メタ)アクリレートを併用する場合、ストリッパブルペイントして使用できる程度の樹脂膜の靭性を確保する観点から、単官能(メタ)アクリレートの含有量が、多官能(メタ)アクリレートの含有量より多い。多官能(メタ)アクリレートの含有量が単官能(メタ)アクリレートの含有量よりも多くなると、樹脂膜は硬くなる一方、脆くなり、靭性が低下する。
本発明においては、単官能(メタ)アクリレートの含有量(W)と多官能(メタ)アクリレートの含有量(W)との含有割合は、W/(W+W)<50質量%(言い換えると、W/(W+W)≧50質量%)を満たす。樹脂膜の靭性の観点から、これらの含有割合は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下であり、得られる樹脂膜の耐水性を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より一層好ましくは、10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。
本発明の組成物は、樹脂膜の基材への密着性、耐熱性等の向上等を目的として、上述の単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートと共重合できる極性基含有モノマーを含んでいてもよい。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
本発明の組成物が極性基含有モノマーを含む場合、その含有量は、(メタ)アクリレートの含有量、すなわち単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの合計含有量を超えない。極性基含有モノマーの比率が高くなると、得られる樹脂膜の耐水性が低下し、その結果、剥離性等が低下することがある。
<ラジカル重合開始剤>
本発明の組成物は、ラジカル重合開始剤を含む。
ラジカル重合開始剤としては、放射線ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
[放射線ラジカル重合開始剤]
放射線ラジカル重合開始剤の具体例としては、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α−アセトキシ−α,α−ジメトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−(2−メチル−4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル=フェニル=ケトン、α,α−ジメトキシ−α−(4−モルホリノメチルチオフェニル)アセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(p−トリルメチル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;フェナシルクロリド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;[1,2’−ビスイミダゾール]−3,3’,4,4’−テトラフェニル、[1,2’−ビスイミダゾール]−1,2’−ジクロロフェニル−3,3’,4,4’−テトラフェニル等のビスイミダゾール類;ジ−tert−ブチルパ−オキシド等の過酸化物;ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド類;p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のp−ジメチルアミノ安息香酸エステルなどが挙げられる。
放射線ラジカル重合開始剤の市販品としては、IRGACURE(登録商標)651、同184、同2959、同127、同907、同369、同379EG、同819、同TPO、DAROCUR(登録商標)1173、同MBF[以上、BASFジャパン(株)製]、KAYACURE DETX−S、同EPA[以上、日本化薬(株)製]等が挙げられるが、これらに限定されない。
[熱ラジカル重合開始剤]
熱ラジカル重合開始剤としては、過酸化水素類、アゾ化合物、レドックス系開始剤等が挙げられる。
過酸化水素類の具体例としては、tert−ブチル(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ペルオキシ酢酸tert−ブチル、ペルオキシ安息香酸tert−ブチル、ペルオキシオクタン酸tert−ブチル、ペルオキシネオデカン酸tert−ブチル、ペルオキシイソ酪酸tert−ブチル、過酸化ラウロイル、ペルオキシピバル酸tert−アミル、ペルオキシピバル酸tert−ブチル、過酸化ジクミル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブタンニトリル)、4,4’−アゾビス(4−ペンタン酸)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(tert−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジクロリド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジクロリド、2,2’−アゾビス(N,N−ジメチレンイソブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物等が挙げられる。
レドックス系開始剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化アルキル、過酸化エステル、過炭酸塩等と、鉄塩、第1チタン塩、亜鉛ホルムアルデヒドスルホキシレート、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等との混合物が挙げられる。また、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸等のアルカリ金属塩、過塩素酸のアンモニウム塩と、メタ重亜硫酸ナトリウムのような重亜硫酸アルカリ金属塩等との混合物が挙げられる。さらに、過硫酸アルカリ金属塩と、ベンゼンホスホン酸等のアリールホスホン酸のような他の同様の酸等との混合物等を挙げることができる。
熱ラジカル重合開始剤の市販品としては、パーヘキサ(登録商標)HC[日油(株)製]、MAIB[大塚化学(株)製]等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
本発明の組成物全体に対するラジカル重合開始剤の含有量は、酸素によるラジカルの失活の影響を抑制する観点、保存安定性確保の観点等から、ポリカプロラクトンを主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物、及び(メタ)アクリレート(単官能(メタ)アクリレート又は単官能(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレート)の総量100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部、より一層好ましくは2〜30質量部である。
本発明の組成物は、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベンゾオキサゾールのような水素供与性を有する化合物や、放射線増感剤をラジカル重合開始剤とともに含んでいてもよい。
<溶媒>
本発明の組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒は、本発明の組成物の各成分を均一に溶解させることができ、これらと反応しないものであれば特に限定されない。
溶媒の具体例としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の炭酸エステル類;カプロン酸、カプリル酸等の脂肪酸;1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等の多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等の多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;フェニルセロソルブアセテート等の多価アルコールのアリールエーテルアセテート類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジアセトンアルコール等のケトール類などが挙げられる。なお、溶媒は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
本発明の組成物が溶媒を含む場合、その含有量は、組成物全体に対して、5〜30質量%程度である。
<その他の添加剤>
[界面活性剤]
本発明の組成物は、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させる目的で、界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤の具体例としては、BM−1000、BM−1100[以上、BMケミー社製]、メガファック(登録商標)F142D、同F172、同F173、同F183、同F570[以上、DIC(株)製]、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431[以上、スリーエムジャパン(株)製]、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145[以上、AGCセイミケミカル(株)製]、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428[以上、東レ・ダウコーニング(株)製]等の商品名で市販されているフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
本発明の組成物が界面活性剤を含む場合、その含有量は、樹脂膜からの析出を防ぐ観点から、組成物全体の5質量%以下が好ましい。
[熱重合禁止剤]
本発明の組成物は、熱重合禁止剤を含んでいてもよい。
熱重合禁止剤の具体例としては、フェノール、n−ブチルフェノール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、ジ−tert−アミルヒドロキノン、アミルオキシヒドロキノン、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、ピロガロール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール、4,4’,4’’−エチリデントリスフェノール、4,4’,4’’−エチリデントリス(2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、メチレンブルー等を挙げることができる。
本発明の組成物が熱重合禁止剤を含む場合、その含有量は、ラジカル重合性の過度な低下を防ぎ、適切なラジカル重合性を確保する観点から、組成物全体の5質量%以下が好ましい。
[剥離剤]
本発明の組成物は、ピーリング剥離性を向上させる目的で、剥離剤を含んでいてもよい。
剥離剤としては、ワックス系化合物、シリコーン系化合物、フッ素系化合物の何れも使用できるが、中でも、耐熱性、耐湿性、経時安定性の観点から、シリコーン系化合物(シロキサン結合を主骨格とするシリコーンオイル、エマルジョン等)が好ましい。
剥離剤の具体例としては、信越シリコーン(登録商標)KF−96−10CS、同KF−6012、同X−22−2426、同X−22−164E[以上、信越化学工業(株)製]、TEGO(登録商標)RAD 2200N、同2700[以上、エボニックジャパン(株)製]、BYK(登録商標)−333[以上、ビックケミー・ジャパン(株)製]等の商品名で市販されているものが挙げられる。
本発明の組成物が剥離剤を含む場合、その含有量は、樹脂膜からの析出を防ぐ観点から、組成物全体の5質量%以下が好ましい。
その他、本発明の組成物は、レベリング剤、消泡剤等その他の成分を含んでいてもよい。
<組成物の調製>
本発明の組成物は、ポリカプロラクトンを主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物、単官能性(メタ)アクリレート、必要に応じて多官能(メタ)アクリレート等の各成分を混合することで、調製することができる。
例えば、撹拌羽根を有するSUS製調製タンクに各成分を所定量投入し、室温(およそ23℃)又は加温下で、均一になるまで撹拌する。
また、必要に応じて、各成分を混合することで得られる組成物を、メッシュ、メンブレンフィルター等でろ過してもよい。
なお、組成物を構成するある成分が、他の成分の機能を兼ね備える場合には、その点を考慮して、各成分の量を決める必要がある。
<保護膜>
以上説明した本発明の組成物を、ガラス基板、樹脂被覆基板、金属基板等に塗布し、光照射及び/又は加熱により硬化させることで、本発明の保護膜(樹脂膜)を形成することができる。即ち、本発明の保護膜は、本発明の組成物の硬化物からなっている。
前記塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法、ディスペンサー法等が挙げられるが、これらに限定されない。
樹脂膜の厚さは、剥離性等の各特性を再現性よく実現する観点から、好ましくは5〜250μm、より好ましくは5〜150μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
膜厚を変化させる方法としては、例えば、組成物中の固形分濃度を変化させたり、基板上への塗布量を変化させたりする方法がある。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下のとおりである。
(1)ブレードコート
ドクターブレード:ヨシミツ精機(株)製 ベーカーアプリケーターYBA−3型、ウエット膜厚125μm設定
塗布速度:およそ20cm/秒
(2)UV露光
装置:(株)オーク製作所製 QRE4016
ランプ:HSL−300/B−FM
(3)破断強度、引裂き強度、剥離抵抗
装置:(株)島津製作所製 卓上形精密万能試験機オートグラフAGS−500NX
また、略記号は以下の意味を表す。
UN352:ポリカプロラクトン系ウレタンアクリレート[根上工業(株)製 アートレジンUN−352]
UV7000B:ポリテトラメチレングリコール系ウレタンアクリレート[日本合成化学工業(株)製 紫光(登録商標)UV−7000B]
IBA:イソボルニルアクリレート[東京化成工業(株)製]
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート[新中村化学工業(株)製 NKエステルA−TMPT]
DETXS:2,4−ジエチルチオキサントン[日本化薬(株)製 KAYACURE DETX−S]
I907:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン[BASFジャパン(株)製 IRGACURE(登録商標)907]
[実施例1〜2、比較例1]
[組成物の調製]
下記表1に記載の組成で各原料を配合し、およそ50℃でマグネチックスターラーを用いて均一になるまで撹拌することで、各組成物(易剥離性保護膜形成用組成物)を調製した。
なお、UN352は、構造解析により、ポリカプロラクトン骨格を主骨格として有するとともに、その両端にウレタン部位を有し、分子内にシクロヘキシル環を有し、且つ、分子内に2つのアクリレート基を有するものであると認められた。
また、UV7000Bは、構造解析により、ポリテトラメチレングリコール骨格を主骨格として有するとともに、その両端にウレタン部位を有し、分子内にシクロヘキシル環を有し、且つ、分子内に2つのアクリレート基を有するものであると認められた。
[硬化膜の作製と評価]
得られた各組成物を、それぞれ樹脂被覆基板(予めオプトマー(登録商標)NN901[JSR(株)製]を塗布、硬化させた樹脂で被覆されたガラス基板、以下同様)上、及びガラス基板上にブレードコートし塗膜を得た。この塗膜を、空気雰囲気下、露光量500mJ/cm(UV照度50mW/cm×10秒間)のUV光を照射し露光することで、およそ140μmの膜厚を有する硬化膜(易剥離性保護膜)を得た。
得られた硬化膜の、基板との密着性、基板からの剥離性及び剥離抵抗、タックの有無、破断強度、引裂き強度を、以下の方法により評価した。結果を下記表1に併せて示す。
[基板との密着性]
基板上に作製した硬化膜が下向きになるように基板を持ち、硬化膜の様子を目視で確認し、以下の基準に従い評価した。
A:自然に脱落することなく密着している
C:密着せずに自然に脱落する
[基板からの剥離性]
硬化膜を手で基板から剥離する際の様子を、以下の基準に従い評価した。
A:容易に剥離できる
C:容易に剥離できない、又は剥離できない
[基板からの剥離抵抗]
硬化膜を基板から剥離せずに、長さ10cm、幅3cmの短冊状に切り込んだ。基板を試験機に水平に固定し、短冊状に切り込んだ硬化膜の長さ方向の一端を少し剥離しチャックで保持した。このチャックを1cm/秒の速度で上方へ移動させ、硬化膜を剥離角度90°で剥離する際の抵抗力[N]を測定した。抵抗力を剥離させた硬化膜の幅(3cm)で除して剥離抵抗[N/cm]を算出した。
[タックの有無]
硬化膜の表面を指で触り、その感触を以下の基準に従い評価した。
A:タック(粘着性)がない
C:タック(粘着性)がある
[破断強度]
硬化膜を基板から剥離し、長さ10cm、幅2cmの短冊状試験片を切り出した。試験片の長さ方向の両端を試験機のチャックで保持した。片方のチャックを1mm/秒の速度で移動させることで試験片を引っ張り、試験片が破断したときの抵抗力[N]を測定した。抵抗力を試験片の断面積[cm]で除して破断強度[N/cm]を算出した。
この破断強度が高いほど、膜は切れにくく靭性があるといえる。
[引裂き強度]
硬化膜を基板から剥離し、長さ10cm、幅2cmの短冊状試験片を切り出した。試験片の片方の短辺中央から、長さ方向に3cmの切り込みを入れた。切り込みで切断された短辺のそれぞれを試験機のチャックで保持した。片方のチャックを1mm/秒の速度で移動させ、試験片を引裂く際の抵抗力[N]を測定した。抵抗力を試験片の厚み[μm]で除して引裂き強度[mN/μm]を算出した。
この引裂き強度が高いほど、膜は切れにくく靭性があるといえる。
Figure 2018021350
表1に示すように、本発明の組成物から得られた硬化膜(保護膜)は、樹脂被覆基板及びガラス基板の何れからも容易に剥離可能であった。これに対し、比較例の硬化膜は、樹脂被覆基板からは容易に剥離できたものの、ガラス基板からは容易に剥離できず、また剥離抵抗も大きい結果となった。この理由については未だよく分かっていないが、実施例1の組成物と比較例1の組成物の違いがウレタン(メタ)アクリレート化合物の構造のみであるため、この構造由来の物性が剥離性の基板依存性に影響していると考えられる。
なお、実施例1の組成物は比較例1の組成物と比べて破断強度(靭性)が低いが、もう一つの靭性の評価基準である引裂き強度が実用上の目安である0.8mN/μmを上回っており、易剥離性保護膜として実用上耐えられると考えられる強度であるといえる。また、実施例2の組成物に示される通り、多官能(メタ)アクリレートの含有量を増加することで破断強度を向上させることが可能である。

Claims (7)

  1. ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物と、単官能(メタ)アクリレートを少なくとも含む(メタ)アクリレートと、ラジカル重合開始剤とを含み、前記単官能(メタ)アクリレートの含有量が、前記(メタ)アクリレートの全量に対して50質量%以上であることを特徴とする、易剥離性保護膜形成用組成物。
  2. 前記(メタ)アクリレートが、前記単官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレートとを含むことを特徴とする、請求項1記載の易剥離性保護膜形成用組成物。
  3. 前記単官能(メタ)アクリレートが、環状構造を有する単官能(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の易剥離性保護膜形成用組成物。
  4. 前記易剥離性保護膜形成用組成物中の前記ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量が、80質量%未満であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項記載の易剥離性保護膜形成用組成物。
  5. 前記易剥離性保護膜形成用組成物中の前記ポリカプロラクトン骨格を主骨格とするウレタン(メタ)アクリレート化合物の含有量が、10質量%以上であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項記載の易剥離性保護膜形成用組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか一項記載の易剥離性保護膜形成用組成物の硬化物からなることを特徴とする、易剥離性保護膜。
  7. 請求項6記載の易剥離性保護膜を用いた、被塗布体表面の保護方法。
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