JPWO2018016468A1 - 共重合ポリエステルおよびそれを含む複合繊維 - Google Patents

共重合ポリエステルおよびそれを含む複合繊維 Download PDF

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Abstract

本発明は高いアルカリ易溶性または熱水溶解性を有する共重合ポリエステルおよびその共重合ポリエステルを含む複合繊維を提供する。金属スルホネート基含有イソフタル酸成分および繰返し単位数nが45以上の片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物共重合した共重合ポリエステルおよび該共重合ポリエステルを含む複合繊維である。

Description

本発明は、特定の化合物で末端を変性したアルカリ易溶性な共重合ポリエステル、およびその共重合ポリエステルを含む複合繊維に関する。
ポリエステルはその機能性の有用さから多くの目的に用いられている。例えば、衣料用、資材用、医療用に用いられている。その中でも、汎用性、実用性の点でポリエチレンテレフタレートが優れ、多く使用されている。ポリエチレンテレフタレートとともにアルカリ易溶性の共重合ポリエステルとを含む複合繊維からアルカリや熱水で共重合ポリエステルを溶出して、極細繊維や異形断面繊維を得る。この用途に好ましい共重合ポリエステルとしては、金属スルホネート基含有イソフタル酸やポリアルキレンオキサイド化合物を共重合したものが提案されている(特許文献1)。また、チタン化合物、リン化合物、またリチウム化合物を用いたアルカリ易溶性共重合ポリエステルも提案されている(特許文献2)。
特開2000−95850号公報 特開2010−70739号公報
特許文献1の共重合ポリエステルはアルカリへの溶解性が低く、更なる改善が求められている。また、特許文献2の共重合ポリエステルでも所望のアルカリ溶解性が得られていなかった。
本発明では、アルカリ溶解性に優れ、さらに必要であれば熱水に溶解しやすい共重合ポリエステルを得ること、さらに複合繊維から溶出させても、複合繊維と溶出後の繊維とで強度や伸度等の特性変化の少ない共重合ポリエステル得ることを課題とする。
課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ならびにジオールまたはそのエステル形成性誘導体から得られる共重合ポリエステルであって、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分、および下記式(1)で表される片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物が共重合され、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸およびそのエステル形成性誘導体成分の量の合計が、共重合ポリエステルのジカルボン酸由来の構造に対して0.1〜40モル%である共重合ポリエステル。
Figure 2018016468
式(1)において、Xは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基から選ばれる少なくとも1種であり、Rは炭素数1〜12のアルキレン基から選択される少なくとも1種であり、nは45〜113の整数である。
そして好ましい態様としては以下の構成である。
(2)テレフタル酸由来の構造をジカルボン酸構造由来の構造に対して、50モル%以上、エチレングリコール由来の構造をジオール由来の構造に対して50%モル以上含む前記共重合ポリエステル。
(3)共重合ポリエステルを構成する前記式(1)で表される片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の共重合量が0.1質量%以上30質量%未満である前記いずれかの共重合ポリエステル。
(4)金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分の量が、共重合ポリエステルのジカルボン酸由来の構造に対して5〜20モル%以下である前記いずれかの共重合ポリエステル。
(5)テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体成分が、全ジカルボン酸成分に対して5〜49.9モル%である前記いずれかの共重合ポリエステル。
(6)エチレングリコールおよびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジオールおよびそのエステル形成性誘導体成分が、全ジカルボン酸成分に対して5〜49.9モル%以下である前記いずれかの共重合ポリエステル。
(7)示差走査熱量測定により求められる結晶融解熱量が20J/g以下である前記いずれかの共重合ポリエステル。
(8)明細書に記載された方法によって測定される、共重合ポリエステルの濃度5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液への質量減少が10質量%以上である前記いずれかの共重合ポリエステル。
(9)固有粘度が0.50dL/g以上である前記いずれかの共重合ポリエステル。
(10)テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体成分が、アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸、ならびにそのエステル形成性誘導体から選ばれるものである前記いずれかの共重合ポリエステル。
(11)エチレングリコールおよびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジオールおよびそのエステル形成性誘導体成分が、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、およびシクロヘキサンジメタノール、ならびに、ビスフェノールA、ビスフェノールSおよびこれらビスフェノール化合物のエチレンオキサイド付加物、ならびにこれらのエステル形成性誘導体成分から選ばれる前記いずれかの共重合ポリエステル。
そして本発明では以下の複合繊維を開示する。
(12)前記いずれかの共重合ポリエステルを含む複合繊維。
本発明によれば、アルカリ溶解性および熱水への溶解性に優れ、繊維の強度が上がり、結晶化速度が高いポリマーが得られる。
(1)共重合ポリエステル
本発明の共重合ポリエステルは、「ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体」および「ジオールまたはそのエステル形成性誘導体」からえられうる繰り返し構造に、「イオン性共重合成分である金属スルホネート基を有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分」、ならびに上記式(1)で表される片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物を共重合した共重合ポリエステルである、そして「金属スルホネート基を有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分」の構造の共重合量が、共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸由来の構造に対して0.1〜40モル%である。
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体およびジオールまたはそのエステル形成性誘導体から得られるポリエステルとしては以下の構造を含むものが例示される。ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート。
中でも、最も汎用的に用いられているポリエチレンテレフタレートまたは主としてエチレンテレフタレート単位を含むポリエステル共重合体が好ましい。なお、ジカルボン酸とそのエステル形成性誘導体の両化合物を用いる必要はないし、どちらかのみを使用する必要もない。またジオールとそのエステル形成性誘導体の両方を原料として同時に用いる必要はないし、どちらかのみを使用する必要もない。
本発明の共重合ポリエステルは、耐熱性が向上するという点から、「テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体由来の構造の合計」を「ジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体の構造の合計」に対して50モル%以上含むことが好ましい。また「エチレングリコールおよびエステル形成性誘導体」を「ジオールまたはそのエステル形成性誘導体」に対して50モル%以上含むことが好ましい。なお、ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体の両方を原料として用いる必要はないし、どちらかのみを使用する必要はない。またジオールおよびそのエステル形成性誘導体の両方を原料として用いる必要はないし、どちらかのみを使用する必要はない。
金属スルホネート基を含有するイソフタル酸はイオン性共重合成分であり、共重合体に非晶性を付与する。金属スルホネート基を含有するイソフタル酸としては以下のものがあげられる。
4−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、4−スルホイソフタル酸カリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸カリウム塩、5−スルホイソフタル酸バリウム塩などが挙げられる。中でも、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸カリウム塩が好ましく、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩が特に好ましい。なお、これら金属スルホネート基を含有するイソフタル酸は、1種類の化学構造のものを使用しても良く、2種類以上を組み合わせたものでも良い。
また、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸のエステル形成性誘導体としては、それらのメチルエステル、エチルエステルなどのアルキルエステル、それらの酸塩化物や酸臭化物などの酸ハロゲン化物、さらにはイソフタル酸無水物などが例示できる。例えば、紡糸時のパック交換頻度を低減できるという生産性の観点から、メチルエステルやエチルエステルなどのアルキルエステルが好ましく、メチルエステルが特に好ましい。なお、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸およびそのエステル形成性誘導体の両方を原料として同時に用いる必要はないし、どちらかのみを用いる必要もない。
金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分の共重合量の合計は、共重合ポリエステルのジカルボン酸由来の構造に対して0.1モル%以上である。さらに3.0モル%以上が好ましく、5.0モル%以上がより好ましく、10.0モル%以上がさらに好ましく、15.0モル%以上が特に好ましい。共重合量がこの範囲にあることにより、得られる共重合ポリエステルは十分なアルカリ易溶性および熱水易溶性が得られる。また、共重合量の上限は40.0モル%以下である。30.0モル%以下が好ましく、25.0モル%以下がより好ましく、20.0モル%以下が特に好ましい。共重合量がこの範囲にあることにより、アルカリ易溶性および熱水易溶性に優れ、強度に優れる共重合ポリエステル繊維が得られる。
本発明の共重合ポリエステルには、その他の酸成分を共重合させることができる。非イオン性共重合成分としては以下のものがあげられる。
アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸:それらのエステル形成性誘導体。
また、その他のジオール成分として以下のものを共重合させることができる。
ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオキシ化合物;上述のジオールのエステル形成性誘導体等。
ビスフェノールA、ビスフェノールSおよびそのエチレンオキサイド付加物。
そして本発明の共重合ポリエステルは、「テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体」以外の「非イオン性共重合成分のジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体成分」の共重合量の合計、全ジカルボン酸成分に対して5〜49.9モル%以下であることが好ましい。
非イオン性共重合成分である、ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体成分の共重合量の合計は、共重合ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分に対して5.0モル%以上が好ましく、10.0モル%以上がより好ましく、12.5モル%以上が更に好ましく、15.0モル%以上が特に好ましい。共重合量がこれら範囲にあることにより、得られる共重合ポリエステルは十分なアルカリ易溶性及び熱水易溶性が得られる。また、共重合量の上限は49.9モル%以下が好ましく、40.0モル%以下がより好ましく、35.0モル%以下がさらに好ましく、30.0モル%以下が特に好ましい。なおここで非イオン性共重合成分である、ジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体成分の両方を原料として同時に用いる必要はないし、どちらかのみを用いる必要もない。
エチレングリコールおよび以外のものであって非イオン性共重合成分である、ジオール成分としては、反応時間を短縮でき、効率良く本発明の共重合ポリエステルが得られるという観点から以下のものがあげられる。
ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAおよびビスフェノールSおよびそれらのエチレングリコール(EO)付加物が好ましい。シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAやビスフェノールSのEO付加物がさらに好ましい。熱水易溶性が発現しやすいという観点からも、上述のジオール化合物が好ましく使用される。
エチレングリコール以外のものであって非イオン性共重合成分である、ジオールまたはそのエステル形成誘導体成分の共重合量は、共重合ポリエステルを構成する全ジオール成分に対して5.0モル%以上が好ましく、10.0モル%以上がより好ましく、12.5モル%以上が更に好ましく、15.0モル%以上が特に好ましい。共重合量がこれら範囲にあることにより、得られる共重合ポリエステルは十分なアルカリ易溶性及び熱水易溶性が得られる。また、共重合量の上限は49.9モル%以下が好ましく、40.0モル%以下がより好ましく、35.0モル%以下がさらに好ましく、30.0モル%以下が特に好ましい。
そして本発明の共重合ポリエステルでは、下記式(1)で表される片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物が共重合されている。この共重合により溶融粘度が低減する。金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分を含む共重合体は溶融粘度があがりやすい。下記式(1)で表される化合物を共重合することにより溶融粘度の上昇を抑止でき、その結果重合度をあげることができ、そして得られる繊維が高強度となる。
Figure 2018016468
上記式(1)において、Xは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基から選ばれる少なくとも1種である。
Xとして炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。メチル基、エチル基、ブチル基、デシル基がより好ましく、メチル基、デシル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。上記式(1)におけるXがアルキル基であることにより、重合度上昇による高強度となりやすい。
また、上記式(1)において、Rは炭素数1〜12のアルキレン基から選択される少なくとも1種であり、1〜4のアルキレン基から選択される少なくとも1種であることが好ましい。具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が例示でき、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基がより好ましく、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基がさらに好ましく、エチレン基が特に好ましい。
上記式(1)における繰返し構造単位−(O−R)−は、1種類のみを使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用してもいい。2種類以上を組み合わせる場合は、繰り返し構造単位のランダム共重合、ブロック共重合、交互共重合いずれでも良い。
さらに、上記式(1)において、繰返し単位数nは45〜113の整数である。なかでも、繰返し単位数nは45〜91の整数であることが好ましい。繰返し単位数nがこのような範囲にあることにより、アルカリ易溶性に優れ、共重合ポリエステルの高重合度による繊維の高強度化、および結晶化速度が向上し乾燥時の融着回避が可能となる。
繰返し単位数nは以下の手順にて算出することができる。片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物を共重合してある共重合ポリエステル、約0.05gを採取し、28%アンモニア水1mLを加え、加圧下で120℃で5時間加熱し試料を溶解する。室温に戻ったのち、精製水1mL、6M塩酸1.5mLを加え、精製水で5mL定容する。遠心分離後、0.45μmフィルターにて濾過し、濾液に含まれる片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の数平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィ(GPC)にて測定する。さらに、例えば日本電子社製FT−NMR JNM−AL400を用いて、H−NMR測定により、片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物を共重合してある共重合ポリエステル中の片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の繰り返し構造単位を同定する。そして繰り返し構造単位の分子量を算出する。GPCにより算出した片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の数平均分子量を、H−NMR測定により算出した片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の構造単位の分子量で除することにより、片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の繰り返し単位数nを算出する。
本発明における片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の共重合量は、得られる共重合ポリエステルに対して30質量%未満であり、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下が特に好ましい。ここでいう共重合量は共重合成分の水酸基の水素も含んでの質量である。
この範囲にあることにより、得られる共重合ポリエステルは高重合度となり、高強度繊維が得られる。また、共重合量の下限値は、0.1質量%以上であり、1.0質量%以上が好ましく、5.0質量%以上がより好ましく、10.0質量%以上がさらに好ましい。この範囲にあることにより、共重合ポリエステルの高重合度により繊維の強度が優れ、アルカリ易溶性に優れる。
共重合ポリエステル中における片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の共重合量は、核磁気共鳴装置(NMR)により算出した共重合ポリエステルの主鎖構造部分の構成単位数の割合、片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物構造部分の繰返し単位数nから算出した割合と、各構造単位の繰返し単位の分子量から、以下の式(2)により算出する。
Figure 2018016468
ここで
:ジカルボン酸およびジオール由来の繰り返し単位の数の割合
:ジカルボン酸およびジオール由来の繰り返し単位の分子量
:片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物由来のアルキレンオキサイド単位の数の割合
:片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物由来のアルキレンオキサイド単位の分子量。
上でいう「単位の数の割合」とは、前記ジカルボン酸およびジオール由来の繰り返し単位の数ならびに前記アルキレンオキサイド単位の数の和に対する割合を意味する。
本発明の片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の数平均分子量は、2000以上であることが好ましく、4000以上であることがより好ましい。ここでいう数平均分子量は共重合成分の水酸基の水素も含んでの分子量である。また、数平均分子量の上限値は、5000以下であることが好ましい。数平均分子量がこの範囲にあることにより、得られる共重合ポリエステルはアルカリ易溶性に優れ、重合度を高くすることにより繊維の強度に優れる点、また結晶化速度の向上によって乾燥時の融着が回避可能となる。数平均分子量は、得られた共重合ポリエステルを約0.05g採取し、28%アンモニア水1mLを加え、加圧下で120℃で5時間加熱し溶解する。室温に戻ったのち、精製水1mL、6M塩酸1.5mLを加え、精製水で5mL定容する。遠心分離後、0.45μmフィルターにて濾過し、濾液に含まれる片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、標準ポリエチレングリコール換算の値として求めたものを指す。
本発明の共重合ポリエステルは、o−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定行ったときの固有粘度が0.50dL/g以上が好ましく、0.52dL/g以上がより好ましく、0.54dL/g以上がさらに好ましく、0.55dL/g以上が特に好ましい。また、上限値は0.70dL/g以下が好ましく、0.65dL/g以下がより好ましく、0.62dL/g以下がさらに好ましい。この範囲にあることにより、共重合ポリエステルにおいて、高重合度による高強度繊維が得られる。
本発明の共重合ポリエステルは、示差走査熱量測定(DSC)による結晶融解熱量が50J/g以下であることが好ましく、45J/g以下がより好ましく、40J/g以下がさらに好ましく、35J/g以下が特に好ましく、20J/g以下が特に好ましい。また、下限値は、0J/g以上が好ましく、1J/g以上がより好ましい。この範囲にあるとき、得られる共重合ポリエステルはアルカリ易溶性および熱水易溶性が優れる。なお、共重合ポリエステルの結晶融解熱量は、150℃で24時間、0.1KPa以下の真空乾燥を行ったサンプルを20℃から280℃まで昇温速度16℃/分にて測定行ったときの結晶融解熱量である。
本発明の共重合ポリエステルは、共重合ポリエステル(1質量部。形態は直径3mm、高さ4mmの円柱)の濃度5g/L水酸化ナトリウム水溶液(100質量部)の分散液としたときの90℃到達時での質量減少が10質量%以上であることが好ましい。ここで温度上昇は20℃から90℃へ4℃/分で昇温したものである。この質量減少は、15質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましく、50質量%以上が特に好ましく、60質量%以上が最も好ましい。
本発明の共重合ポリエステルは、共重合ポリエステル(1質量部。形態は直径3mm、高さ4mmの円柱)の水(100質量部)の分散液としたときの90℃到達時での質量減少が30質量%以上であることが好ましい。ここで温度上昇は20℃から90℃へ4℃/分で昇温したものである。この質量減少は50質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上が最も好ましい。
(2)共重合ポリエステルの製造方法
本発明の共重合ポリエステルは、任意の方法によって合成できる。ポリエチレンテレフタレートでは以下の工程で合成できる。通常テレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応、または、テレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応によって、テレフタル酸のグリコールエステルまたはその低重合体を生成させる第一段階の反応。そして第一段階の反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱し、所望の重合度となるまでに重縮合反応行う第二段階の反応。
上記工程のいずれかに、または工程と工程との間に共重合成分を添加する。共重合成分の添加時期は、例えば、エステル化反応前または、エステル交換反応時、エステル交換反応の終了した時点から重縮合反応が開始される、ならびに重縮合反応が実質的に終了した後などいつでもよい。
エステル化は無触媒においても反応が進む。エステル交換反応においては、通常、リチウム、マンガン、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の化合物を触媒に用いて進行させ、またエステル交換反応が実質的に完結した後に、該反応に用いた触媒を不活性化する目的で、リン化合物添加が行われる。重縮合反応触媒としては、アンチモン系化合物、チタン系化合物、ゲルマニウム系化合物などの化合物等を用いることができる。
本発明の共重合ポリエステルには、成形加工工程での各種ガイド、ローラー等の接触物との摩擦を低減し、工程通過性を向上させる目的や、製品の色調を調整する目的で粒子が含まれていても構わない。この含まれる粒子の種類は任意である。具体例を示すと二酸化ケイ素、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の無機粒子や、架橋ポリスチレン等の有機高分子粒子を用いることができる。これらの粒子の中でも、二酸化チタン粒子は、ポリマー中での分散性が良好で、比較的低コストであることから好ましい。二酸化チタン粒子は、湿式、乾式の種々の方法で製造され、必要に応じて、粉砕、分級等の前処理を施された上で、共重合ポリエステルへの合成工程のいずれかにおいて添加される。共重合ポリエステル反応系への粒子の添加は、合成時の反応物の固有粘度が0.30dL/g以下のときがよい。実質的にエステル化反応またはエステル交換反応を完結させた後に添加するとポリマー中の分散性が良好となるため好ましい。本発明における粒子のポリマーに対する添加量や粒子径は、適用する用途によって変化し、特に限定されないが、共重合ポリエステルに対し0.01〜10質量%、平均粒子径として0.05〜5μm、粒子径が4μm以上の粗大粒子が1000個/0.4mg以下の範囲であると、工程通過性や色調が特に良好となり好ましい。
また、本発明の共重合ポリエステルは、青系調整剤、赤系調整剤、紫系調整剤などの色調調整剤を添加してもよい。色調調整剤としては樹脂等に用いられる染料が使用される。COLOR INDEX GENERIC NAMEで具体的にあげると以下のものが例示される。
SOLVENT BLUE 104、SOLVENT BLUE 122、SOLVENT BLUE 45等の青系の色調調整剤;
SOLVENT RED 111、SOLVENT RED 179、SOLVENT RED 195、SOLVENT RED 135、PIGMENT RED 263、VAT RED 41等の赤系の色調調整剤;
DESPERSE VIOLET 26、SOLVENT VIOLET 13、SOLVENT VIOLET 37、SOLVENT VIOLET 49等の紫系の色調調整剤。
なかでも装置腐食の原因となりやすいハロゲンを含有せず、高温での耐熱性が比較的良好で発色性に優れた、SOLVENT BLUE 104、SOLVENT BLUE 45、SOLVENT RED 179、SOLVENT RED 195、SOLVENT RED 135、SOLVENT VIOLET 49が好ましく用いられる。
また、これらの色調調整剤を目的に応じて、1種類または複数種類用いることができる。特に青系調整剤と赤系調整剤をそれぞれ1種類以上用いると色調を細かく制御できるため好ましい。さらにこの場合には、添加する色調調整剤の総量に対して青系調整剤の比率が50質量%以上であると得られる共重合ポリエステルの色調が特に良好となり好ましい。最終的に共重合ポリエステルに対する色調調整剤の含有量は総量で30ppm以下であることが好ましい。30ppmを超えると共重合ポリエステルの透明性低下や、くすんだ発色となることがある。含有量は核磁気共鳴装置(NMR)により色調調整剤の構造特定および色調調整剤の構成部分の割合から算出できる。
本発明の共重合ポリエステルは、本発明の効果を損なわない限り、他の添加剤を加えて種々の改質を行っても良い。他の添加剤の具体例としては、カーボンブラック等の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸等の界面活性剤、従来公知の酸化防止剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤、相溶化剤、可塑剤、蛍光増白剤、離型剤、抗菌剤、核形成剤、調整剤、艶消し剤、消泡剤、防腐剤、ゲル化剤、ラテックス、フィラー、インク、着色料、香料などが挙げられる。これらの他の添加物は単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。
(3)共重合ポリエステルの複合紡糸方法、および複合繊維
本発明の共重合ポリエステルを複合繊維の構成成分として用いることができる。ここでいう複合繊維とは1本の繊維の中に2種以上のポリマーが分離して存在しているものをいう。本発明の共重合ポリエステルを使用することにより、今までに無い製糸安定性、アルカリ易溶性および熱水易溶性が得られる。また溶出処理の後でも、強度や伸度等の特性変化の少ない複合繊維を得ることができる。海島型での複合繊維化を行う場合、本発明の共重合ポリエステルが海成分に配され、繊維表面に露出した構造であると製糸安定性およびアルカリ易溶性が良好になるため好ましい。
繊維の形態として、芯鞘型複合繊維、芯鞘型複合中空繊維、海島型複合繊維等があげられ、本発明の共重合ポリエステルを任意の割合で構成成分として用いることができる。例えば、芯鞘型複合繊維および芯鞘型複合中空繊維の場合、芯部の共重合ポリエステルの複合比率(質量%)は芯/鞘=5/95〜90/10とすることが好ましい。さらに好ましくは7/93〜70/30、特に好ましくは10/90〜50/50である。複合比率はアルカリ減量加工後、得られる複合繊維の所望の中空率から任意に選択できる。芯部の複合比率の下限は十分な中空率を付与する目的から設定され、複合繊維比率の上限は紡糸性の低下や繊維物性の低下を防止する観点から設定される。
また、海島型複合繊維において用いる共重合ポリエステルの含有比率は5〜90質量%が好ましい。さらに好ましくは7〜60質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。共重合ポリエステルは海成分として配置されていることが好ましい。共重合ポリエステルの含有率は、アルカリ減量後の繊維の繊度で任意に選ぶことができる。含有率の下限はアルカリ減量性、製糸安定性を付与する目的から設定され、含有比率の上限は紡糸性の低下や繊維物性の低下を防止する観点から設定される。
共重合ポリエステルとポリエステルとを用いる複合繊維の製法としては任意の方法で製造することができる。以下海島型複合繊維の代表的製造方法を示す。海島型複合繊維の場合、島部となるポリエステルおよび本発明の海部となる共重合ポリエステルをそれぞれ別々に溶融し、紡糸パックに導き口金装置内で海島複合流を形成し、吐出孔から紡出する。紡出したフィラメント糸を所定の速度で引取った後、一旦パッケージに巻上げ、得られた未延伸糸を通常の延伸機にて延伸を行う。また、紡出糸を引取った後、巻取ることなく連続して延伸を行い、それを巻上げても良い。また高速で引取り、実質的に延伸することなく一挙に所望の特性をもつ繊維を得る方法をとってもよい。この速度は4000m/分以上であることが好ましい。直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸を1000〜5000m/分で引取り、引続いて3000〜6000m/分で延伸・熱固定する方法が挙げられる。該繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープルのどちらでも良く、用途によって適宜選定される。布帛形態としては、織物、編物、不織布など目的に応じて適宜選択できる。
本発明のポリエステル複合繊維中の共重合ポリエステル成分を減量する方法としては、アルカリ減量法または熱水減量法が挙げられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の化合物を水溶液として用いることができる。その濃度は0.5〜10質量%の範囲が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これら例は例示的なものであって限定的なものではない。
<ポリエステルの固有粘度(IV)>
ポリエステルの固有粘度の抽出手順を示す。
得られたポリエステルを、o−クロロフェノール溶媒に溶解し、0.5g/dL、0.2g/dL、0.1g/dLの濃度の溶液を調整した。その後、得られた濃度Cの溶液の25℃における相対粘度(ηr)を、ウベローデ粘度計により測定し、(ηr−1)/CをCに対してプロットした。得られた結果を濃度0に外挿することにより、固有粘度を求めた。
<共重合ポリエステルの組成分析>
共重合ポリエステルにおける、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成誘導体成分、およびポリアルキレンオキサイド化合物の共重合量の分析は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて実施した。
装置:日本電子株式会社製 AL−400
重溶媒:重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール
積算回数:128回
サンプル濃度:測定サンプル50mg/重溶媒1mL。
<共重合ポリエステル中のポリアルキレンオキサイド化合物の抽出>
共重合ポリエステル中のポリアルキレンオキサイド化合物の抽出を以下の手順を行い、ポリアルキレンオキサイド化合物の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する。
共重合ポリエステル中のポリアルキレンオキサイド化合物の抽出手順を示す。
得られた共重合ポリエステルを0.05g採取し、1mLの28%アンモニア水中にて120℃で5時間加熱溶解し、放冷後、精製水1mL、6M塩酸1.5mLを加え、精製水で5mL定容、遠心分離後、0.45μmフィルターにて濾過し、濾液をGPC測定に用いた。
<片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の分子量>
共重合ポリエステル中のポリアルキレンオキサイドの分子量の分析は、上記の抽出した濾液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で行った。
装置:Waters社製 Waters−2690
検出器:Waters社製 示差屈折率検出器RI(Waters−2410,感度128x)
カラム:東ソー株式会社製 TSKgelG3000PWXL(1本)
カラム温度:40℃
溶媒:0.1M塩化ナトリウム水溶液
流速:0.8mL/min
注入量:0.05mL
標準サンプル:標準ポリエチレングリコール。
<共重合ポリエステルのアルカリ質量減少>
共重合ポリエステルのアルカリ質量減少は以下のように評価した。共重合ポリエステルを100℃で3時間熱風乾燥機にて熱処理し、予備結晶化させた。真空乾燥機を用い150℃にて0.1KPa以下で24時間熱処理した。その、濃度5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用い、共重合ポリエステルの質量に対する水酸化ナトリウム水溶液質量で表される浴比を1:100とし、室温から90℃へ4℃/分で昇温し、90℃到達時の質量減少を測定した。値が大きいほどアルカリ易溶性に優れる。
装置:株式会社テクサム技研 UR・MINI−COLOR
アルカリ溶液:0.5%水酸化ナトリウム水溶液
浴比:1:100
サンプル:100℃で3時間加熱後、150℃で0.1KPa以下での24時間真空乾燥
昇温速度:4℃/分、室温→90℃、90℃到達時点で取出し
アルカリ質量減少:アルカリ質量減少(%)=(A−B)/A×100
Aはアルカリ処理前の共重合ポリエステルの質量(g)
Bはアルカリ処理後の共重合ポリエステルの質量(g)。
<共重合ポリエステルの熱水質量減少>
共重合ポリエステルの熱水質量減少は以下のように評価した。共重合ポリエステルを100℃で3時間熱風乾燥機にて熱処理し、予備結晶化させた。真空乾燥機を用い150℃にて0.1KPa以下で24時間熱処理した。共重合ポリエステルの質量に対する水質量で表される浴比を1:100とし、室温から90℃へ4℃/分で昇温し、90℃到達時の質量減少を測定した。値が大きいほど熱水易溶性に優れる。
装置:株式会社テクサム技研 UR・MINI−COLOR
浴比:1:100
サンプル:100℃で3時間加熱後、150℃で0.1KPa以下での24時間真空乾燥
昇温速度:4℃/分、室温→90℃、90℃到達時点で取出し
熱水質量減少:熱水質量減少(%)=(C−D)/C×100
Cは熱水処理前の共重合ポリエステルの質量(g)
Dは熱水処理後の共重合ポリエステルの質量(g)。
<共重合ポリエステルの熱特性>
共重合ポリエステルの熱特性分析は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解熱量を測定した。
装置:TA Instruments社製 Q−2000
サンプル:100℃で3時間加熱後、150℃で0.1KPa以下での24時間真空乾燥
昇温速度:16℃/分、20℃→280℃。
<繊度>
温度20℃、湿度65%RHの環境下において、INTEC製電動検尺機を用いて、実施例によって得られた繊維100mをかせ取りした。得られたかせの質量を測定し、下記式を用いて繊度(dtex)を算出した。なお、測定は1試料につき5回行い、その平均値を繊度とした。
繊度(dtex)=繊維100mの質量(g)×100。
<強度・伸度>
強度および伸度は、実施例によって得られた繊維を試料とし、JIS L1013:2010(化学繊維フィラメント糸試験方法)8.5.1に準じて算出した。温度20℃、湿度65%RHの環境下において、オリエンテック社製テンシロンUTM−III−100型を用いて、初期試料長20cm、引張速度20cm/分の条件で引張試験を行った。最大荷重を示す点の応力(cN)を繊度(dtex)で除して強度(cN/dtex)を算出し、最大荷重を示す点の伸び(L1)と初期試料長(L0)を用いて下記式によって伸度(%)を算出した。なお、測定は1試料につき10回行い、その平均値を強度および伸度とした。
伸度(%)={(L1−L0)/L0}×100。
<共重合ポリエステルの融着性評価>
共重合ポリエステルの融着性評価を以下のように実施した。
温度:80℃
時間:30分
試料:100mLビーカーに試料30g
荷重:50mLビーカーで160g
評価:上記条件で熱処理後、ビーカーを揺すって融着の有無を評価した。
A 融着なし。
B 融着があるが、手でほぐせる。
C 融着があり、手でほぐせない。
[参考例1]
予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート100kgが仕込まれ、温度250℃に保持されたエステル化反応槽に高純度テレフタル酸(三井化学社製)82.5kgとエチレングリコール(日本触媒社製)35.4kgのスラリーを4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、得られたエステル化反応生成物101.5kgを重縮合槽に移送した。
このエステル化反応生成物に、リン酸トリメチル25.3gを添加し、10分後に酢酸コバルト4水和物20.3g、三酸化アンチモン25.3g添加した。さらに5分後に酸化チタン粒子のエチレングリコールスラリーを、ポリマーに対して酸化チタン粒子換算で0.3質量%添加した。さらに5分後に、反応系を減圧して反応を開始した。反応器内を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度および最終圧力の到達までの時間は60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、口金からストランド状に押出して水槽冷却、カッティングしてポリエチレンテレフタレート(PET)のペレットを得た。得られたPETの固有粘度は0.65であった。
[参考例2]
ε−カプロラクタム10kg、イオン交換水2.5kgを反応容器に仕込み密閉し、窒素置換した。反応容器外周にあるヒーターの設定温度を275℃とし、加熱を開始した。缶内圧力が1.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力1.0MPaに保持し、缶内温度が240℃になるまで昇温した。缶内温度が240℃に到達した後、ヒーターの設定温度を255℃に変更し、1時間かけて常圧となるよう缶内圧力を調節した。続けて、缶内に窒素を流しながら40分間保持した。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、口金からストランド状に押出して水槽冷却、カッティングしてポリアミド6(Ny6)のペレットを得た。得られたNy6の相対粘度ηr(濃度0.01g/mLの98%硫酸溶液、25℃、オストワルド式粘度計で測定)は2.40であった。
[実施例1]
ジメチルテレフタル酸(DMT)5.5kg、ジメチル5−スルホイソフタル酸ナトリウム(SSIA)3.6kg(全酸成分に対して30モル%)、エチレングリコール(EG)4.7kg、酢酸マンガン4水和物(MN)22.5g、酢酸リチウム2水和物(LAH)103.5g、三酸化アンチモン(AO)1.4gを加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換(EI)反応を行い、250分後、リン酸(PA)0.9gを添加した。さらに、数平均分子量4000の片末端メトキシ基封鎖PEG(日油製“ユニオックスM−4000”)1.0kg(得られる共重合ポリエステルに対して10.0質量%)、[ペンタエリスリトール−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート)](BASF製“Irganox(登録商標。以下同じ。)1010”)25.0g、シリコーンオイル(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ製“TSF433”)10.0gを加え、減圧および昇温開始し、重縮合反応を開始した。徐々に0.1kPa以下まで減圧し、同時に290℃まで昇温し、重合開始75分後、反応系を窒素パージして常圧に戻して重縮合反応を停止させ、口金からストランド状に押出して水槽冷却、カッティング実施した。得られた共重合ポリエステルのポリマー特性を、表1〜3に記す。
得られた共重合ポリエステルを海成分とし、参考例1で得られたポリエステルを島成分とし、それぞれを水分率300ppm以下になるまで乾燥した後、島成分を80質量%、海成分を20質量%の配合比でエクストルーダー型複合紡糸機へ供給して、別々に溶融させ、紡糸温度285℃において、海島複合口金(島数18)を組み込んだ紡糸パックに流入させ、230dtex−9fの未延伸糸を得た。その後、延伸仮撚機(ツイスター部:フリクションディスク式、ヒーター部:接触式)を用いて、得られた未延伸糸をヒーター温度140℃、倍率3.1倍の条件で延伸し、71dtex−9fの海島型複合繊維を得た。得られた延伸糸をNaOH1質量%、90℃、浴比1:100の条件で30分間処理を行い海成分を除去し島成分のみを得た。この浸漬処理によって9フィラメントのものが162フィラメントの極細繊維に分割されていた。得られた糸特性を、表4に記す。
[実施例2]
実施例1で用いたDMT添加量を6.0kg、SSIA添加量を3.1kg(25モル%)、EG添加量を4.8kg、MN添加量を18.0g、LAH添加量を90.0gとし、EI反応時間を240分、重縮合反応時間を80分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例3]
実施例1で用いたDMT添加量を6.6kg、SSIA添加量を2.5kg(20モル%)、EG添加量を4.9kg、MN添加量を13.5g、LAH添加量を76.5gとし、EI反応時間を225分、重縮合反応時間を85分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例4]
実施例1で用いたDMT添加量を7.2kg、SSIA添加量を1.9kg(15モル%)、EG添加量を5.0kg、MN添加量を9.0g、LAH添加量を63.0gとし、EI反応時間を210分、重縮合反応時間を90分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例5]
実施例1で用いたDMT添加量を7.8kg、SSIA添加量を1.3kg(10モル%)、EG添加量を5.2kg、MN添加量を4.5g、LAH添加量を49.5gとし、EI反応時間を200分、重縮合反応時間を95分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例6]
実施例1で用いたDMT添加量を8.4kg、SSIA添加量を0.7kg(5モル%)、EG添加量を5.3kg、MN添加量を2.7g、LAH添加量を36.0gとし、EI反応時間を190分、重縮合反応時間を100分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例7]
実施例1で用いたDMT添加量を8.7kg、SSIA添加量を0.4kg(3モル%)、EG添加量を5.4kg、MN添加量を2.7g、LAH添加量を30.6gとし、EI反応時間を180分、重縮合反応時間を110分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例8]
実施例1で用いたDMT添加量を6.0kg、SSIA添加量を1.6kg(15モル%)、EG添加量を4.2kg、MN添加量を7.5g、LAH添加量を52.5g、AO添加量を1.1g、PA添加量を0.75gとし、EI反応時間を210分、ユニオックスM−4000添加量を2.5kg(25質量%)、重縮合反応時間を250分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例9]
実施例1で用いたDMT添加量を6.4kg、SSIA添加量を1.7kg(15モル%)、EG添加量を4.5kg、MN添加量を8.0g、LAH添加量を56.0g、AO添加量を1.2g、PA添加量を0.80gとし、EI反応時間を210分、ユニオックスM−4000添加量を2.0kg(20質量%)、重縮合反応時間を200分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例10]
実施例1で用いたDMT添加量を6.8kg、SSIA添加量を1.8kg(15モル%)、EG添加量を4.8kg、MN添加量を8.5g、LAH添加量を59.5g、AO添加量を1.3g、PA添加量を0.85gとし、EI反応時間を210分、ユニオックスM−4000添加量を1.5kg(15質量%)、重縮合反応時間を150分に変更したこと以外は実施例1同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例11]
実施例1で用いたDMT添加量を7.6kg、SSIA添加量を2.0kg(15モル%)、EG添加量を5.3kg、MN添加量を9.5g、LAH添加量を66.5g、PA添加量を0.95gとし、EI反応時間を210分、ユニオックスM−4000添加量を0.5kg(5質量%)、重縮合反応時間を80分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例12]
実施例1で用いたDMT添加量を7.9kg、SSIA添加量を2.1kg(15モル%)、EG添加量を5.5kg、MN添加量を9.9g、LAH添加量を69.3g、AO添加量を1.5g、PA添加量を0.99gとし、EI反応時間を210分、ユニオックスM−4000添加量を0.1kg(1質量%)、重縮合反応時間を75分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例13]
実施例4で用いたポリアルキレンオキサイド化合物を数平均分子量5000の片末端メトキシ基封鎖PEG(Aldrich製)、重縮合反応時間を85分に変更したこと以外は実施例4と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例14]
実施例4で用いたポリアルキレンオキサイド化合物を数平均分子量2000の片末端メトキシ基封鎖PEG(日油製“ユニオックスM−1000”)、重縮合反応時間を110分に変更したこと以外は実施例4と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例15]
実施例4で用いたポリアルキレンオキサイド化合物を数平均分子量4500の片末端デカノキシ基封鎖PEG(第一工業製薬製“ノイゲンXL−1000”)、重縮合反応時間を90分に変更したこと以外は実施例4と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[比較例1]
実施例2で用いたDMT添加量を6.7kg、SSIA添加量を3.4kg(25モル%)、EG添加量を5.3kg、MN添加量を20.0g、LAH添加量を100.0g、AO添加量を1.5g、PA添加量を1.0gとし、ポリアルキレンオキサイド化合物を添加せずに、重縮合反応時間を70分に変更したこと以外は実施例2と同様に実施した。ただし、得られたストランドは脆く、カッティング不可であった。カッティング不可であったためアルカリ減量評価以外のポリマー特性評価行った。
[比較例2]
実施例1で用いたDMT添加量を3.6kg、SSIA添加量を5.5kg(50モル%)、EG添加量を5.3kg、MN添加量を40.5g、LAH添加量を157.5gとし、EI反応時間を300分、重縮合反応時間を70分に変更したこと以外は実施例3と同様に実施した。ただし、得られたストランドは脆く、カッティング不可であった。カッティング不可であったためアルカリ減量評価以外のポリマー特性評価行った。
[比較例3]
実施例4で用いたポリアルキレンオキサイド化合物を数平均分子量1000の片末端メトキシ基封鎖PEG(日油製“ユニオックスM−2000”)、重縮合反応時間を130分に変更したこと以外は実施例4と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[比較例4]
実施例4で用いたポリアルキレンオキサイド化合物を数平均分子量1000のポリエチレングリコールとし、重縮合反応時間を80分に変更したこと以外は実施例4と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
Figure 2018016468
Figure 2018016468
Figure 2018016468
Figure 2018016468
[実施例16]
実施例4で得られた共重合ポリエステルの融着性評価結果を表5に示す。
[実施例17]
実施例13で得られた共重合ポリエステルの融着性評価結果を表5に示す。
[実施例18]
実施例14で得られた共重合ポリエステルの融着性評価結果を表5に示す。
[比較例5]
比較例3で得られた共重合ポリエステルの融着性評価結果を表5に示す。
Figure 2018016468
[実施例19]
実施例1で用いたDMT添加量を8.0kg、SSIA添加量を1.1kg(8モル%)、EG添加量を5.2kg、MN添加量を2.7g、LAH添加量を44.1gとし、EI反応時間を195分、重縮合反応時間を95分に変更したこと以外は実施例1と同様に実施し、共重合ポリエステルを得た。得られた共重合ポリエステルのポリマー特性を、表6、表7、表8に記す。
得られた共重合ポリエステルを芯成分とし、参考例2で得られたポリアミド6を鞘成分とし、それぞれを水分率300ppm以下になるまで乾燥実施した後、芯成分を50質量%、鞘成分を50質量%の配合比でエクストルーダー型複合紡糸機へ供給して別々に溶融させ、紡糸温度285℃において、C型複合口金を組み込んだ紡糸パックに流入させ、260dtex−36fの未延伸糸を得た。その後、延伸仮撚機(加撚部:フリクションディスク式、ヒーター部:接触式)を用いて、得られた未延伸糸をヒーター温度140℃、倍率3.1倍の条件で延伸し、84dtex−36fのC型複合繊維を得た。得られた延伸糸をNaOH1質量%、90℃、浴比1:100の条件で30分間処理を行い、芯成分を除去し鞘成分のみを得た。得られた糸特性を表9に記す。
[実施例20]
実施例19で用いたDMT添加量を5.9kg、SSIA添加量を1.9kg(15モル%)、ジメチルイソフタル酸(DMI)1.9kg、EG添加量を5.0kg、MN添加量を9.0g、LAH添加量を63.0gとし、EI反応時間を210分、重縮合反応時間を90分に変更したこと以外は実施例19と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例21]
実施例20で重縮合反応時間を100分に変更したこと以外は実施例20と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例22]
実施例20で用いたDMT添加量を5.5kg、SSIA添加量を1.9kg(15モル%)、DMI添加量を2.6kg、EG添加量を5.0kgとし、重縮合反応時間を110分に変更したこと以外は実施例20と同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例23]
実施例20で用いたDMT添加量を5.9kg、SSIA添加量を1.9kg、シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル(CHDC)1.9kg、EG添加量を5.0kgとし、重縮合反応時間を115分に変更したこと以外は実施例20同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例24]
実施例20で用いたDMT添加量を5.7kg、SSIA添加量を1.9kg、ナフタレンジカルボン酸ジメチル(NDCM)1.5kg、EG添加量を4.9kgとし、重縮合反応時間を125分に変更したこと以外は実施例20同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例25]
実施例20で用いたDMT添加量を5.7kg、SSIA添加量を1.5kg、EO4モル付加型ビスフェノールA(BPAEO)2.1kg、EG添加量を4.0kgとし、重縮合反応時間を150分に変更したこと以外は実施例20同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例26]
実施例20で用いたDMT添加量を6.0kg、SSIA添加量を1.6kg、EO2モル付加型ビスフェノールS(BPSEO)1.8kg、EG添加量を4.2kgとし、重縮合反応時間を180分に変更したこと以外は実施例20同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例27]
実施例20で用いたDMT添加量を6.3kg、SSIA添加量を1.1kg、DMI添加量を2.7kg、EG添加量を5.2kg、MN添加量を2.7g、LAH添加量を44.1gとし、EI反応時間を195分、重縮合反応時間を120分に変更したこと以外は実施例20同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例28]
実施例27で用いたDMT添加量を5.8kg、DMI添加量を3.3kgとし、重縮合反応時間を125分に変更したこと以外は実施例27同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例29]
実施例27で用いたDMT添加量を5.4kg、DMI添加量を4.0kgとし、重縮合反応時間を130分に変更したこと以外は実施例27同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例30]
実施例27で用いたDMT添加量を5.0kg、DMI添加量を4.7kgとし、重縮合反応時間を135分に変更したこと以外は実施例27同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例31]
実施例20で用いたDMT添加量を6.2kg、SSIA添加量を2.5kg、DMI添加量を0.6kg、EG添加量を4.9kg、MN添加量を13.5g、LAH添加量を76.5gとし、EI反応時間を225分、重縮合反応時間を80分に変更したこと以外は実施例20同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例32]
実施例31で用いたDMT添加量を5.8kg、DMI添加量を1.3kgとし、重縮合反応時間を90分に変更したこと以外は実施例31同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
[実施例33]
実施例31で用いたDMT添加量を5.3kg、DMI添加量を1.9kgとし、重縮合反応時間を100分に変更したこと以外は実施例31同様に実施し、共重合ポリエステルおよび複合繊維を得た。
これらの実施例、比較例から本発明の特徴を有する共重合ポリエステルは、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分の共重合量の合計が一定量以上のときにアルカリ易溶性に優れていることがわかる。非イオン性共重合成分の共重合量の合計が一定量以上のときに熱水易溶性に優れていることがわかる。片末端をメチル基で封鎖した、特定の重合度範囲のポリエチレングリコールの共重合量が一定量以上のときにアルカリ易溶性および熱水易溶性に優れていることがわかる。
Figure 2018016468
Figure 2018016468
Figure 2018016468
Figure 2018016468

Claims (12)

  1. ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ならびにジオールまたはそのエステル形成性誘導体から得られる共重合ポリエステルであって、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分、および下記式(1)で表される片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物が共重合され、金属スルホネート基を含有するイソフタル酸およびそのエステル形成性誘導体成分の量の合計が、共重合ポリエステルのジカルボン酸由来の構造に対して0.1〜40モル%である共重合ポリエステル。
    Figure 2018016468
    式(1)において、Xは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素原子数7〜20のアラルキル基から選ばれる少なくとも1種であり、Rは炭素数1〜12のアルキレン基から選択される少なくとも1種であり、nは45〜113の整数である。
  2. テレフタル酸由来の構造をジカルボン酸構造由来の構造に対して、50モル%以上、エチレングリコール由来の構造をジオール由来の構造に対して50%モル以上含む請求項1記載の共重合ポリエステル。
  3. 共重合ポリエステルを構成する前記式(1)で表される片末端封鎖ポリアルキレンオキサイド化合物の共重合量が0.1質量%以上30質量%未満である請求項1または2に記載の共重合ポリエステル。
  4. 金属スルホネート基を含有するイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体成分の量が、共重合ポリエステルのジカルボン酸由来の構造に対して5〜20モル%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  5. テレフタル酸由来の構造をジカルボン酸構造由来の構造に対して、50モル%以上、エチレングリコール由来の構造をジオール由来の構造に対して50%モル以上含み、テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体成分が、全ジカルボン酸成分に対して5〜49.9モル%である請求項1〜4のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  6. テレフタル酸由来の構造をジカルボン酸構造由来の構造に対して、50モル%以上、エチレングリコール由来の構造をジオール由来の構造に対して50%モル以上含み、エチレングリコールおよびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジオールおよびそのエステル形成性誘導体成分が、全ジカルボン酸成分に対して5〜49.9モル%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  7. 示差走査熱量測定により求められる結晶融解熱量が20J/g以下である請求項1〜6のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  8. 明細書に記載された方法によって測定される、共重合ポリエステルの濃度5g/Lの水酸化ナトリウム水溶液への質量減少が10質量%以上である請求項1〜7のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  9. 固有粘度が0.50dL/g以上である請求項1〜8のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  10. テレフタル酸およびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジカルボン酸およびそのエステル形成誘導体成分が、アジピン酸、イソフタル酸、セバシン酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸およびシクロヘキサンジカルボン酸、ならびにそのエステル形成性誘導体から選ばれるものである請求項1〜9のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  11. エチレングリコールおよびそのエステル形成性誘導体以外の非イオン性のジオールおよびそのエステル形成性誘導体成分が、ジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、およびシクロヘキサンジメタノール、ならびに、ビスフェノールA、ビスフェノールSおよびこれらビスフェノール化合物のエチレンオキサイド付加物、ならびにこれらのエステル形成性誘導体成分から選ばれる請求項1〜10のいずれかに記載の共重合ポリエステル。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の共重合ポリエステルを含む複合繊維。
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