JP2009127174A - ポリエステル複合長繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,6−ヘキサンジオール50モル%以上のジオール成分とからなり、結晶核剤を0.01〜5.0質量%含有し、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が特定式を満足するポリエステルAと、ポリエステルAの融点よりも30℃以上高い融点を有するポリ乳酸系重合体とで構成された複合繊維の長繊維であって、ポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配されているポリエステル複合長繊維。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,6−ヘキサンジオール50モル%以上のジオール成分とからなり、結晶核剤を0.01〜5.0質量%含有し、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足するポリエステルAと、ポリエステルAの融点よりも30℃以上高い融点を有するポリ乳酸系重合体とで構成された複合繊維の長繊維であって、単糸の横断面形状においてポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配されていることを特徴とするポリエステル複合長繊維を要旨とするものである。
b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。
本発明のポリエステル複合長繊維は、ポリエステルAとポリ乳酸系重合体とで構成されるものであり、ポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めている複合繊維である。つまり、本発明の複合長繊維は、マルチフィラメントでもモノフィラメントでもよいが、単糸の横断面形状(繊維軸方向に沿って垂直に切断した断面の形状)においてポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めているものである。
b/a≧0.05 (mW/mg・℃) (1)
(a) 無機系微粒子(タルク)の平均粒径
島津社製粒度分布測定装置(SALD-2000)を用いて、エチレングリコール中の試料の平均粒径の値を測定した。
(b) 無機系微粒子(タルク)の比表面積
BET法により測定した。
(c)極限粘度〔η〕
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
(d)ポリエステルAの融点、DSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線
前記の方法により測定した。
(e)ポリエステルAのポリマー組成
得られたポリエステル複合長繊維を重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの容量比1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA-400型NMR装置にて 1H-NMRを測定し、得られたチャートの各共重合成分のプロトンのピークの積分強度から求めた。
(f)ポリ乳酸系重合体のL−乳酸及びD−乳酸の含有量
超純水と1Nの水酸化ナトリウムのメタノール溶液の等質量混合溶液を溶媒とし、高速液体クロマトグラフィー法により測定した。カラムにはSumichiral OA6100を使用し、UV吸収測定装置により検出した。
(g)紡糸操業性
16錘で24時間の操業を行い、紡糸の状況により下記の3段階で評価した。
○ : 紡糸時の糸切れ回数が3回以下
△ : 紡糸時の糸切れ回数が4回〜9回
× : 紡糸時の糸切れ回数が10回以上
(h)強度、伸度、
JIS L−1013の引張強さ及び伸び率の標準時試験に従い、ORIENTEC社製引っ張り試験機RTC−1210型を用い、つかみ間隔50cm、引張速度50cm/分で測定した。
(i)熱水収縮率
前記の方法により測定した。
(j)接着性
得られたポリエステル複合長繊維1本と、ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル長繊維(84dtex/36fil、強度4.3cN/dtex、伸度35%)2本を合わせて混繊し、混繊工程の途中でスピンドル回転によって撚りを施し、15ヶ/mの撚数の撚糸を得る。この撚糸を10cmに切断して伸ばした状態で両端を固定し、ローラ温度120℃、ローラスピード0.5m/分、プレス圧力0.7kg/cm2の条件で繊維軸方向に加熱圧着し、その後に両端をカットして長さ5cmのサンプルを得た。
このサンプルをガラス製の300mlビーカーに入れ、95℃に加温した熱水中で、巾4cmのラグビーボール型マグネチック攪拌子により200rpmの回転数で30分間攪拌処理した。サンプル10個について、攪拌処理を行い、処理後サンプルを自然乾燥させ、乾燥後の繊維の剥離状態を目視により観察し、下記の3段階で評価した。
○ : 全てのサンプルで剥離なし
△ : 部分的に剥離を起こしているサンプルがある
× : 剥離を起こし、撚糸の形態を維持していないサンプルが5個以上ある
エステル化反応缶に、TPAとEGのスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.2MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間として、エステル化反応率95%の反応物を得た。この反応物を重縮合反応缶に移送し、HDを重縮合反応缶に投入し、温度240℃、常圧下で1時間攪拌した。次に、結晶核剤として平均粒径1.0μm、比表面積35m2/gのタルクを含有するEGスラリーを重縮合反応缶に投入した後、反応器内の圧力を徐々に減じ、撹拌しながら重縮合反応を約3時間行い、常法によりストランド状に払出し、チップ化してポリエステルAを得た。ポリエステルAは、酸性分としてTPA100mol%、グリコール成分としてEG15mol%、HD85mol%からなり、結晶核剤として1.0質量%のタルクを含有し、b/aが0.07、極限粘度0.95、融点128℃のものであった。
ポリ乳酸系重合体として、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが98.8/1.2であり、融点が170℃、相対粘度1.85、数平均分子量81200であるポリ乳酸を用いた。
ポリエステルAチップとポリ乳酸チップを複合紡糸装置に供給し、ポリエステルAが鞘部、ポリ乳酸が芯部となるようにし、両成分の複合比率(質量比)を50/50として溶融紡糸を行った。このとき、紡糸温度220℃、総吐出量32.7g/分、紡糸孔数48の紡糸口金を用い、紡糸速度3000m/分の条件で紡糸した。次いで、紡出糸条を冷却した後、油剤を付与して集束し、109dtex/48filの高配向未延伸糸を得た。
次に、この高配向未延伸糸を表面温度50℃の第一ローラで引取り、第二ローラとの間に115℃に加熱したヒートプレートを設置して(予備加熱温度50℃、熱セット温度115℃として)、延伸倍率1.3倍で熱延伸を行い、84dtex/48filのポリエステル複合長繊維を得た。
ポリエステルA中の結晶核剤(タルク)の添加量を変更し、表1に示すポリエステルA中の含有量とした以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合長繊維を得た。
エステル化反応缶に、TPA、HD、BDを供給し、結晶核剤として平均粒径1.0μm、比表面積35m2/gのタルクを添加し、温度230℃、圧力0.2MPaの条件で3時間撹拌し、エステル化反応を行った後、重縮合反応缶に移送した。そして、反応器内の圧力を徐々に減じ、撹拌しながら重縮合反応を約3時間行い、常法によりストランド状に払出し、チップ化してポリエステルAを得た。ポリエステルAは、酸性分としてTPA100mol%、グリコール成分として1,4−ブタンジオール(BD)20mol%、HD80mol%からなり、結晶核剤として1.0質量%のタルクを含有し、b/aが0.13、極限粘度0.98、融点130℃のものであった。
ポリ乳酸系重合体として、実施例1と同様のポリ乳酸を用い、実施例1と同様にして溶融紡糸、延伸を行って、ポリエステル複合長繊維を得た。
ポリエステルA中の結晶核剤のタルクの添加量を変更し、表1に示すポリエステルA中の含有量とした以外は、実施例4と同様にしてポリエステル複合長繊維を得た。
ポリエステルAとして、酸性分としてTPA100mol%、グリコール成分としてEG60mol%、HD40mol%からなり、結晶核剤として1.0質量%のタルクを含有し、b/aが0.07、極限粘度0.95、融点158℃のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合長繊維を得た。
ポリエステルAとして、酸性分としてTPA100mol%、グリコール成分としてBD60mol%、HD40mol%からなり、結晶核剤として1.0質量%のタルクを含有し、b/aが0.12、極限粘度0.98、融点158℃のものを用いた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル複合長繊維を得た。
高配向未延伸糸を得た後、延伸する際に、第一ローラとヒートプレートの温度を室温とした(延伸時に熱セットを行わなかった)以外は、実施例2と同様にしてポリエステル複合長繊維を得た。
Claims (2)
- テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,6−ヘキサンジオール50モル%以上のジオール成分とからなり、結晶核剤を0.01〜5.0質量%含有し、融点が100〜150℃、かつDSCより求めた降温結晶化を示すDSC曲線が下記式(1)を満足するポリエステルAと、ポリエステルAの融点よりも30℃以上高い融点を有するポリ乳酸系重合体とで構成された複合繊維の長繊維であって、単糸の横断面形状においてポリエステルAが繊維表面の少なくとも一部を占めるように配されていることを特徴とするポリエステル複合長繊維。
b/a≧0.05 (mW/mg・℃) ・・・ (1)
なお、aは、降温結晶化を示すDSC曲線における傾きが最大である接線とベースラインとの交点の温度A1(℃)と、傾きが最小である接線とベースラインとの交点の温度A2(℃)との差(A1−A2)であり、bは、ピークトップ温度におけるベースラインの熱量B1(mW)とピークトップの熱量B2(mW)との差(B1−B2)を試料量(mg)で割った値である。 - 強度が1.0cN/dtex以上、100℃での熱水収縮率が17%以下である請求項1記載のポリエステル複合長繊維。
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