JPWO2017217279A1 - イソプロピルアルコールの製造方法及び不純物が低減されたイソプロピルアルコール - Google Patents

イソプロピルアルコールの製造方法及び不純物が低減されたイソプロピルアルコール Download PDF

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Abstract

プロピレンに水を直接水和させてイソプロピルアルコールを製造するイソプロピルアルコールの製造方法であって、反応器内においてプロピレンと水とを反応させる際に、反応器内におけるプロピレン及び水の割合を、プロピレン100質量部に対して水を1300〜2100質量部とし、反応器内における水の滞在時間を、20分を超え50分以下とする、イソプロピルアルコールの製造方法を提供する。

Description

本発明は、イソプロピルアルコールの新規な製造方法、及び不純物が低減されたイソプロピルアルコールに関する。
イソプロピルアルコール(2−プロパノールとも称される)は、水と有機溶媒との両方を溶解する性質を有しており、塗料やインキ用の溶剤として広く普及している。特に、不純物が低減されたイソプロピルアルコールは、電子デバイスの洗浄及び乾燥にも使用されており、今後も使用量の増加が見込まれている。
イソプロピルアルコールの製造方法としては、アセトンを還元するアセトン還元法;濃硫酸を使用してプロピレンをエステル化した後、加水分解する間接水和法;触媒存在下でプロピレンを直接水和する直接水和法;等が知られている。特に直接水和法は、間接水和法と比較して硫酸等の鉱酸を使用しないという利点を有するため、近年では直接水和法によるイソプロピルアルコールの製造が主流となっている。
例えば、非特許文献1には、直接水和法の工業化されたプロセスとして、固定床触媒法と溶液触媒法とが記載されている。より具体的には、固定床触媒法の気相法としてVeba Chemie法、固定床触媒法の気液混相法としてDeutsche Texaco法、溶液触媒法の液相法として徳山曹達法の3種類の製造方法が記載されている。
Veba Chemie法の製造プロセスは、反応器、スクラバー(未反応のプロピレン回収)、低沸塔、共沸塔、及び脱水塔の工程順で、イソプロピルアルコールを合成し、分離及び精製するものである。Veba Chemie法では、水とプロピレンとの原料供給比を等量として反応させるため、未反応となる水の量が少なく、反応混合物中に含まれる水が少なくなる。このため、Veba Chemie法では、未反応の水が回収されることなく、廃水として処理される。
また、Deutsche Texaco法の製造プロセスは、反応器、分離器(未反応のプロピレン回収)、低沸塔、共沸塔、及び脱水塔の工程順で、イソプロピルアルコールを合成し、分離及び精製するものである。Deutsche Texaco法では、反応器において、スチレン系の強酸性陽イオン交換樹脂を触媒として使用するため、陽イオン交換樹脂に由来する硫酸が反応混合物中に含まれることになる。その後、共沸塔において、硫酸を含む水とイソプロピルアルコールとを分離し、硫酸を含む水を回収するが、硫酸を含む水をそのまま原料として再利用すると、製造プロセスにおいて硫酸が濃縮されてしまうため好ましくない。このため、Deutsche Texaco法では、硫酸を含む水を回収した後、回収した水に含まれる硫酸を中和及び脱塩により除去する。
また、徳山曹達法の製造プロセスは、反応器、分離器(未反応のプロピレン回収)、共沸塔、低沸塔、脱水塔、回収塔、及び高沸塔の工程順で、イソプロピルアルコールを合成し、分離及び精製するものである。徳山曹達法では、共沸塔の塔底から水を回収し、回収した水を原料として再利用する。
しかし、イソプロピルアルコールは、水存在下では水と共沸混合物を形成するため、非特許文献1に記載の製造プロセスのみでは、イソプロピルアルコールに含まれる水の除去が困難であり、水及び水に溶解した不純物の除去が十分ではない。このため、これまでに蒸留工程の改良が試みられてきた(例えば、特許文献1参照)。
また、蒸留工程のみでは、イソプロピルアルコールに含まれる金属カチオン等の除去が困難であるため、蒸留工程の後工程として濾過工程を追加し、イソプロピルアルコールに含まれている不純物をフィルターによって除去する方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、蒸留工程の改良以外の方法でイソプロピルアルコールを精製する方法として、ゼオライト系粒子やシリカ系粒子の分子篩効果を利用し、イソプロピルアルコール中に含まれる水分を除去する方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、アセトン還元法においても、水素化触媒の反応条件を改良し、選択率や転化率を改善することにより、反応目的物以外の副生物を抑制し、イソプロピルアルコールに含まれる不純物を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特に、特許文献4には、不純物としての4−メチル−2−ペンタノール及び2−メチルペンタン−2,4−ジオールが低減される旨が記載されており、実施例1では、イソプロピルアルコール中の不純物濃度(質量基準)は、4−メチル−2−ペンタノールが1ppm、2−メチルペンタン−2,4−ジオールが21ppmとされている。
しかし、特許文献1〜4に記載されているイソプロピルアルコールの製造方法では、不純物がより一層低減されたイソプロピルアルコールを製造することはできず、さらなる不純物の低減が望まれていた。例えば、電子デバイスの製造プロセスでは、数ppm程度の不純物が含まれたイソプロピルアルコールを洗浄工程に使用すると、洗浄及び乾燥後にイソプロピルアルコールに由来する残渣が電子デバイスの表面に残ってしまため、不純物が極めて少ないイソプロピルアルコールが必要とされる。
特表2003−535836号公報 特公平07−116079号公報 特表2015−524818号公報 国際公開第2009/104597号
有機合成化学協会誌,Vol.35(9),761−766(1977)
上記のとおり、従来の方法で精製されたイソプロピルアルコールの不純物濃度では、近年の電子デバイスの製造プロセスで使用するためには不十分であり、不純物濃度をさらに低減可能なイソプロピルアルコールの製造方法及び不純物濃度が低減されたイソプロピルアルコールが所望されていた。
また、イソプロピルアルコールの製造方法として従来から知られている直接水和法、間接水和法、又はアセトン還元法でイソプロピルアルコールを合成し、合成反応後、イソプロピルアルコールを蒸留工程や濾過工程で精製するだけでは、合成反応時の副生物に由来した数ppm程度の不純物が精製後のイソプロピルアルコールに含まれてしまう。したがって、このような数ppm程度の不純物を除去するために多大な設備コストやエネルギーコストをかけることなく、簡便な方法で不純物を低減でき、且つ、イソプロピルアルコールの収率を向上させることが大きな課題であった。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、電子デバイスの製造プロセスで使用するイソプロピルアルコール中に含まれる不純物の中で、特に留意しなければならない不純物は、イソプロピルアルコールよりも沸点の高い高沸点化合物であり、これら高沸点化合物の中でも、原料となるプロピレンの反応により生じるプロピレンオリゴマーを経由する高沸点化合物の占める割合が高いことが分かった。また、これら高沸点化合物の中でも、1,2−プロパンジオール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール等の高沸点化合物の占める割合が高く、特に、炭素数が5〜12である高沸点化合物の占める割合が高いことが分かった。
そこで、イソプロピルアルコールの直接水和法のプロピレンと水とを反応させる反応工程において、高沸点化合物の原料となるプロピレンオリゴマーの生成を抑制するために、水をプロピレンに対して過剰に供給し、且つ、プロピレンと水との反応時間を適度に制御することにより、反応工程においてプロピレンオリゴマーが関与する高沸点化合物の発生を抑制できることを見出した。
さらに、このような反応工程で得られた反応混合物からプロピレンを回収する回収工程、回収工程にてプロピレンが回収された反応混合物からイソプロピルアルコールよりも沸点の低い低沸点化合物を除去する第一蒸留工程、及び第一蒸留工程で低沸点化合物が除去された反応混合物から水を除去する第二蒸留工程を経ることで、数ppm程度の不純物を除去するために多大な設備コストやエネルギーコストをかけることなく、簡便な方法で不純物を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、反応器内におけるプロピレン及び水の割合を、プロピレン100質量部に対して水を1300〜2100質量部とし、反応器内における水の滞在時間を、20分を超え50分以下とし、イソプロピルアルコールの収率を低下させることなく、プロピレンオリゴマーの生成を抑制することによって、イソプロピルアルコールよりも沸点の高い高沸点化合物を低減できることを見出した。
すなわち、本発明は、プロピレンに水を直接水和させてイソプロピルアルコールを製造するイソプロピルアルコールの製造方法であって、プロピレン及びpHが2.5〜4.5である水を反応器に供給する原料供給工程と、前記反応器内において、プロピレンと水とを反応させる反応工程と、前記反応工程で得られた反応混合物からプロピレンを回収する回収工程と、前記回収工程にてプロピレンが回収された反応混合物から、イソプロピルアルコールよりも沸点の低い低沸点化合物を除去する第一蒸留工程と、前記第一蒸留工程にて低沸点化合物が除去された反応混合物から、水を除去してイソプロピルアルコールを得る第二蒸留工程と、を含んでなり、前記反応器内におけるプロピレン及び水の割合が、プロピレン100質量部に対して水が1300〜2100質量部であり、前記反応器内における水の滞在時間が、20分を超え50分以下である、イソプロピルアルコールの製造方法を提供する。
また、本発明は、不純物としての4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノン、及び4−メチル−2−ペンタノンの濃度がいずれも質量基準で20ppb以下である、イソプロピルアルコールを提供する。
本発明の製造方法によれば、イソプロピルアルコールの収率を低下させることなく、プロピレンオリゴマーの生成を抑制することが可能となり、プロピレンからイソプロピルアルコールへの選択率を高めることができる。
さらに、本発明の製造方法によれば、不純物としての4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノン、及び4−メチル−2−ペンタノンの濃度がいずれも質量基準で20ppb以下であるイソプロピルアルコールを製造することができる。
本発明によれば、プロピレンに水を直接水和させる反応において副生物の生成が抑制されているため、合成反応後の精製工程にかかる負荷が小さくなり、不純物を除去するための蒸留工程や濾過工程を簡素化することができる。
このように、本発明によれば、不純物が低減されたイソプロピルアルコールを工業的に製造することが可能となる。
本開示のイソプロピルアルコールの製造工程の一例を示す模式図である。
<イソプロピルアルコールの製造方法>
本開示のイソプロピルアルコールの製造方法(以下、「本開示の製造方法」ともいう。)は、図1に示すように、原料供給工程、反応工程、プロピレンを回収する回収工程、低沸点化合物を除去する第一蒸留工程、及び水を回収する第二蒸留工程を含んでなる。以下、各工程について詳細に説明する。
[原料供給工程]
本開示の製造方法で用いられる原料は、プロピレン及び水である。図1に示すように、原料となるプロピレンを回収タンクに受け入れ、回収工程で回収したプロピレンと回収タンクで混合し、反応器に供給する。同様に、原料となる水を回収タンクに受け入れ、第二蒸留工程で回収した水を回収タンクで混合し、反応器に供給する。
本開示の製造方法において、原料となるプロピレンとしては、一般的に工業製品として入手可能な純度が95質量%以上のプロピレンを使用することができ、純度が98質量%以上のプロピレンを使用することが好ましい。プロピレン中にエチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等の不飽和炭化水素化合物が含まれると、それらが反応工程において水和反応を受けて不純物となるため、原料となるプロピレンの純度は高い方が好ましい。但し、本開示の製造方法によれば、プロピレンの転化率及びイソプロピルアルコールへの選択率を高くすることができるため、必ずしも99質量%を超える高純度のプロピレンを使用する必要はない。原料となるプロピレンの純度は、95〜99質量%であってもよく、98〜99質量%であってもよい。
また、反応工程で必要となる触媒は、予め原料となる水に添加しておくことができる。触媒としては、モリブデン系無機イオン交換体、タングステン系無機イオン交換体等の各種のポリアニオンの触媒が挙げられる。触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの触媒の中でも、反応活性の点から、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、及びケイモリブデン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
触媒は、原料となる水のpHをpH計にて測定し、25℃におけるpHが2.5〜4.5となるように添加することが好ましい。原料となる水のpHが2.5〜4.5の範囲内となるように触媒を添加することで、プロピレンの転化率を高く維持しつつ、イソプロピルアルコールへの高い選択率を得るのに最適な反応条件とすることが可能となり、さらには、副生物の生成を抑制することが可能となる。
なお、測定したpHが2.5未満の場合には、水酸化ナトリウム等のアルカリを添加することによってpHを調整することができる。一方、pHが4.5を超える場合には、触媒を添加することによって容易にpHを調整することができる。このようなpHの範囲であれば、酸による配管や反応器の腐食を抑制することができるため、イソプロピルアルコールに含まれる金属イオンの濃度も抑制することができる。
[反応工程]
反応工程におけるプロピレンの直接水和反応は、次式で表される。下記の反応を反応器内で行い、反応混合物を得る。
+HO→CHCH(OH)CH
非特許文献1では、固定床触媒法の気相法としてVeba Chemie法、固定床触媒法の気液混相法としてDeutsche Texaco法、溶液触媒法の液相法として徳山曹達法が例示されているが、本開示の製造方法は、溶液触媒法の改良方法である。したがって、反応条件としては、反応圧力を150〜250atm、好ましくは180〜250atmとし、反応温度を200〜300℃、好ましくは250〜280℃とすることが好ましい。反応条件がこの範囲を満足することにより、副生物の生成を抑制しつつ、工業的な生産が可能な収率及び触媒の耐久性を両立することができる傾向にある。
反応工程におけるプロピレンの直接水和反応では、上述した化学反応式に示されるとおり、プロピレン1molと水1molとからイソプロピルアルコール1molが生成する。このため、通常、プロピレンと水とは等量でよいが、本開示の製造方法では、プロピレンに対して水を過剰とする。具体的には、プロピレン100質量部に対し、水を1300〜2100質量部とする。反応器内におけるプロピレン及び水の割合を上記の範囲内とすることで、プロピレンオリゴマーの生成を抑制し、イソプロピルアルコールの収率を高くすることができる。加えて、イソプロピルアルコールの生産効率を高めることができる。プロピレン100質量部に対する水の量は、1500〜2000質量部とすることが好ましい。
ここで、プロピレン100質量部に対する水の割合が1300質量部未満の場合には、プロピレンオリゴマーの生成を抑制することが難しく、イソプロピルアルコールの不純物濃度が増加する傾向にある。一方、プロピレン100質量部に対する水の割合が2100質量部を超える場合には、反応工程後の回収工程において、実質的に選択率の向上に寄与しない水が大量に存在することになるため、プロピレンの回収工程や蒸留工程の各単位操作において、必要とされる熱エネルギーが大きくなり、コストの観点から不利となる。プロピレンを回収した後の反応混合物中のイソプロピルアルコールの濃度は、5.5質量%以上であることが好ましく、6.0質量%以上であることがより好ましい。この範囲とすることで、イソプロピルアルコールの純度及び収率がいずれも向上する傾向にある。
また、本開示の製造方法では、反応工程により得られる反応混合物中のイソプロピルアルコールの濃度及び純度をいずれも向上させるため、反応器内における水の滞在時間を、20分を超え50分以下とする。水の滞在時間は、25〜40分とすることが好ましく、30〜40分とすることがより好ましい。
ここで、反応器内における水の滞在時間が20分未満の場合は、イソプロピルアルコールの収率が低くなり傾向にあり、経済性に劣る。一方、反応器内における水の滞在時間が50分を超える場合には、副生物が増加することにより、イソプロピルアルコールの選択率が低下し、イソプロピルアルコールの純度が低下する傾向にある。すなわち、反応器内における水の滞在時間が長くなると、未反応のプロピレンがオリゴマー化し、さらに水酸基やケトン基が付加されたり、未反応のプロピレンが不純物としての不飽和炭化水素化合物と反応したりする。さらに、合成されたイソプロピルアルコールが反応して二量体となったり、原料のプロピレン又はプロピレンオリゴマーがイソプロピルアルコールに付加したりする。このような逐次的な副反応が進行することにより、副生物が増加すると推測される。
なお、本開示における水の滞在時間は、次式で定義される時間であり、原料となる水の供給量、並びに反応器の容積を変更することによって適宜変更することが可能である。
水の滞在時間(min)=反応器の容積(m)÷水の供給量(m/min)
本開示における反応器内の反応は高温高圧下で行われるため、水の密度が不明である。このため、反応器内に供給される水(後述の実施例では110℃)の流量を基準として、水の供給量を算出する。
[回収工程]
上記の反応工程で生成したイソプロピルアルコールは、水相に溶けた状態で反応器から抜き出す。そして、回収工程において圧力及び温度を下げて、水相に溶解しているプロピレンを気体として抜き出し、プロピレンを回収する。この回収工程には、未反応のプロピレンの分離器として確立された技術を適用できる。回収したプロピレンは、原料供給工程におけるプロピレンの回収タンクに再投入され、原料として再利用される。
なお、本開示の製造方法では、反応工程、蒸留工程等で大きな熱エネルギーが必要になるため、回収したプロピレンを熱エネルギー源として利用してもよい。
[第一蒸留工程]
第一蒸留工程では、回収工程にてプロピレンが回収された反応混合物から、イソプロピルアルコールよりも沸点の低い低沸点化合物を除去することを目的として、蒸留操作を行う。本開示の製造方法では、水が過剰となる条件でイソプロピルアルコールを合成しているため、水相には、イソプロピルアルコールよりも沸点の低い低沸点化合物(例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、アセトン、ジイソプロピルエーテルなど)が、従来の製造方法と比較して多く含まれている。
一般的には、水とイソプロピルアルコールとを分離した後に低沸点化合物を除去した方が、蒸留塔に必要なエネルギーの観点からは有利であるが、本開示の製造方法においては、水とイソプロピルアルコールとを分離する前に低沸点化合物を除去する。
[第二蒸留工程]
第二蒸留工程では、第一蒸留工程にて低沸点化合物が除去された反応混合物から、水を除去してイソプロピルアルコールを得ることを目的として、蒸留操作を行う。水とイソプロピルアルコールとの共沸温度は80℃であり、第二蒸留工程では、塔頂から約13質量%の水分を含有するイソプロピルアルコールを抜き出し、必要に応じて、さらに脱水を行う。一方、塔底からは過剰に投入した水を抜き出し、回収する。
第二蒸留工程で回収された水は、前工程の第一蒸留工程においてイソプロピルアルコールよりも沸点の低い低沸点化合物が除去されており、イソプロピルアルコールの原料として好適に使用することができる。この回収された水を、原料供給工程における水の回収タンクに再投入し、水が過剰となる合成条件でプロピレンと反応させることで、副生物が低減された高純度のイソプロピルアルコールを製造することができる。
[その他の工程]
第二蒸留工程で得られた不純物が低減されたイソプロピルアルコールは、さらに、脱水工程及び精製工程を経ることで、より不純物が低減されたイソプロピルアルコールとすることができる。また、脱水及び精製の他に、フィルター工程で金属や無機粒子を除去してもよいし、イオン交換樹脂塔で金属イオンを除去してもよい。蒸留後に有機化合物以外の不純物を除去することで、電子デバイス等の洗浄に好適に使用可能なイソプロピルアルコールを製造することができる。
以上の製造方法により、反応工程での副生物の発生が抑制される結果、反応工程後の精製工程、すなわち蒸留工程や濾過工程への過大な負荷を与えることなく、従来の製造方法よりも不純物の濃度を低減することが可能になる。
<不純物が低減されたイソプロピルアルコール>
本開示のイソプロピルアルコールは、不純物としての、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノン、及び4−メチル−2−ペンタノンの濃度が、いずれも質量基準で20ppb以下である。
本開示のイソプロピルアルコールは、不純物としての、1,2−プロパンジオール、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、及び2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールの濃度が、いずれも質量基準で20ppb以下であることが好ましい。
また、本開示のイソプロピルアルコールは、イソプロピルアルコールよりも沸点が高く、且つ、炭素数が5〜12である不純物としての高沸点化合物の濃度が、いずれも質量基準で20ppb以下であることが好ましい。
さらに、本開示のイソプロピルアルコールは、イソプロピルアルコールよりも沸点が高く、且つ、炭素数が5〜30である不純物としての高沸点化合物の濃度が、いずれも質量基準で500ppb以下であることが好ましい。
本開示のイソプロピルアルコールは、イソプロピルアルコールよりも沸点の高い不純物が高度に低減されているため、様々な洗浄用途に使用することができ、特に、電子デバイス用の洗浄液として好適に使用することができる。イソプロピルアルコールよりも沸点の高い不純物は、洗浄工程後の乾燥工程で除去することが難しく、電子デバイス表面に残りやすいが、本開示のイソプロピルアルコールを使用することで、洗浄及び乾燥後に、電子デバイス表面に残る残渣を低減することができる。
本開示のイソプロピルアルコールは、例えば、上述した本開示の製造方法によって製造することができる。
ここで、不純物としての高沸点化合物は、直接水和反応の副反応に起因する副生物に由来すると推定される。すなわち、イソプロピルアルコールは、炭素数が3であるプロピレンを原料として合成されるため、プロピレンの二量体を生成する副反応、イソプロピルアルコールの二量体が生成する副反応等の副反応が考えられる。このため、イソプロピルアルコールには、特に炭素数が6、9、12の炭化水素化合物が不純物として含まれることが多い。さらに、上記の副反応の反応場には水が存在しているため、副生物に水酸基やケトン基が導入されることもある。このため、炭素数が6、9、12の炭化水素化合物に水酸基が導入されたアルコールや、ケトン基が導入されたケトンが不純物として含まれることがある。
従来の製造方法では、イソプロピルアルコールの収率のみを追求し、反応工程においてイソプロピルアルコールの濃度が最大となるように反応条件を調整していたため、得られるイソプロピルアルコール中に不純物が比較的多く含まれていた。反応工程後の蒸留工程によって、不純物の濃度を質量基準で1ppm程度まで低減することは可能であったが、蒸留工程だけで不純物の濃度をさらに低減することは困難であった。
これに対して、本開示の製造方法によれば、反応器内におけるプロピレン及び水の割合を、プロピレン100質量部に対して水を1300〜2100質量部とし、反応器内における水の滞在時間を、20分を超え50分以下とすることにより、イソプロピルアルコールの収率を維持しながら、イソプロピルアルコールへの選択率を高めることができる。その結果、イソプロピルアルコールの精製プロセスへの負荷を過重にすることなく、容易にイソプロピルアルコールの高純度化を達成することができる。
また、本開示の製造方法の条件を調整すれば、イソプロピルアルコールに含まれる不純物の総量をより少なくすることもできる。例えば、イソプロピルアルコールよりも沸点が高く、且つ、炭素数が5〜12である不純物としての高沸点化合物の濃度の合計を、好ましくは1ppm以下、より好ましくは100ppb以下、さらに好ましくは20ppb以下、特に好ましくは10ppb以下とすることもできる。
また、本開示の製造方法によれば、不純物としての、炭素数が10以下の有機酸骨格を持つ塩及びその誘導体の濃度を低減することもできる。
さらに、本開示の製造方法によれば、反応工程後の第一蒸留工程及び第二蒸留工程において、低沸点化合物が系外に排出されるため、高沸点化合物だけでなく低沸点化合物の濃度も低減することができる。低沸点化合物の一例としては、原料のプロピレンに不純物として含まれている炭素数が4又は5の直鎖状の炭化水素化合物、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの直鎖状アルカンが挙げられる。また、低沸点化合物の他の例としては、原料のプロピレンに由来するプロピレンオリゴマー及びジイソプロピルエーテルが挙げられる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、以下の説明において、濃度を表す「%」、「ppm」、及び「ppb」は、いずれも質量基準である。
<濃縮方法>
本開示のイソプロプロピルアルコールは不純物が低減されているため、必要に応じて測定対象となるイソプロピルアルコールを濃縮し、分析精度を高める必要がある。以下に濃縮方法を示すが、必要に応じて、下記の操作を繰り返し、濃縮の倍率を変更してもよい。高沸点化合物の濃縮条件として、例えば、精密蒸留装置で、蒸留塔の塔頂温度を約82℃とし、24時間、蒸留を行う。精密蒸留装置での理論段数は2〜30段であり、この範囲の段数であれば、蒸留及び濃縮を行うことができる。
なお、約82℃で24時間蒸留を行うことで、76倍に濃縮することが可能である。また、分析目的物の酸化を防ぐため、精密蒸留装置内は、予め窒素を流通させ、不活性の雰囲気とすることが好ましい。さらに、蒸留中は、蒸留後の留出液を貯蔵する液だまり部にも窒素を流通させて、不活性雰囲気下で蒸留することが好ましい。
また、精密蒸留装置の還流比を大幅に上げて、塔頂からの留出液を得ることで蒸留及び濃縮を行うこともできる。必要に応じて、バイアルにイソプロピルアルコールを入れて、液面上部に窒素を流通させることで、さらに高沸点化合物を10倍に濃縮することもできる。例えば、精密蒸留装置とバイアルでの濃縮を組合せた場合、76×10=760となり、760倍の濃縮に相当する。
<不純物の測定方法>
[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]
本開示において、イソプロピルアルコールに含まれる高沸点化合物は、ガスクロマトグラフ−質量分析計(以下、「GC−MS」という。)を使用し、以下に示した測定条件で測定した。
−測定条件−
装置:アジレントテクノロジー社製、7890A/5975C
分析カラム:SUPELCO WAX−10(60m×0.25mm、0.25μm)
カラム温度:35℃(2分間保持)→5℃/分で昇温→100℃→10℃/分で昇温→240℃(6分間保持)
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:2mL/分
注入口温度:240℃
試料注入法:パルスドスプリットレス法
注入時パルス圧:90psi(2分)
スプリットベント流量:50mL/分(2分)
ガスセーバー使用:20mL/分(5分)
トランスファーライン温度:240℃
イオン源、四重極温度:230℃、150℃
スキャンイオン:m/Z=25〜250
イソプロピルアルコールを濃縮していない場合、上記の条件に従って得られたチャートにおいてイソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなければ、炭素数が5〜30である高沸点有機物の濃度が検出下限である500ppb以下であると評価することができる。
[高沸点化合物の測定方法(定量分析)]
上記の定性分析の方法に従って得られたチャートにピークが確認された場合は、そのピークのマススペクトルよりライブラリ検索を行い、構造を特定した。次に、その特定された高沸点有機物の標準物質を準備し、予め定量された標準物質のピーク面積と比較することで、定性分析で検出された高沸点有機物の濃度を選択イオン検出法(SIM)により定量した。
−SIMモニターイオン−
グループ1 開始時間:12.7分、m/Z:31,43,75(ドゥエル60)
グループ2 開始時間:13.5分、m/Z:45,56,75,59(ドゥエル45)
グループ3 開始時間:16.0分、m/Z:42,43,56(ドゥエル60)
グループ4 開始時間:22.0分、m/Z:45,56,59,72(ドゥエル45)
[低沸点化合物の測定方法(定性分析)]
本開示において、イソプロピルアルコールに含まれる低沸点化合物は、GC−MSを使用し、以下に示した測定条件で測定した。
−測定条件−
装置:アジレントテクノロジー社製、7890A/5975C
分析カラム:SUPELCO WAX−10(60m×0.25mm、0.25μm)
カラム温度:35℃(2分間保持)→5℃/分で昇温→100℃→10℃/分で昇温→240℃(6分間保持)
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:2mL/分
注入口温度:240℃
試料注入法:スプリット法
スプリット比:1対10
トランスファーライン温度:240℃
イオン源、四重極温度:230℃、150℃
スキャンイオン:m/Z=25〜250
イソプロピルアルコールを濃縮していない場合、上記の条件に従って得られたチャートにおいてイソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなければ、低沸点有機物の濃度が検出下限である5000ppb以下であると評価することができる。
[低沸点化合物の測定方法(定量分析)]
高沸点化合物の定量分析と同様に、上記の定性分析の方法に従って得られたチャートにピークが確認された場合は、そのピークのマススペクトルよりライブラリ検索を行い、構造を特定した。次に、その特定された低沸点有機物の標準物質を準備し、予め定量された標準物質のピーク面積と比較することで、定性分析で検出された低沸点有機物の濃度を選択イオン検出法(SIM)により定量した。
−SIMモニターイオン−
m/Z:29(アセトアルデヒド分析)
m/Z:58(アセトン、プロピオンアルデヒド分析)
<実施例1>
[イソプロピルアルコールの製造]
原料のプロピレンとしては、表1に示すとおり、不純物として39972ppmのプロパン、20ppmのエタン、8ppmのブテン、0.1ppm以下のペンテン、及び0.1ppm以下のヘキセンが含まれているものを準備した。また、原料の水としては、触媒であるリンタングステン酸を添加してpHを3.0に調整したものを準備した。
図1に示した製造工程に従って、10Lの内容積を持つ反応器に、110℃に加温した水を18.4kg/h(密度920kg/mであるから、20L/h)の供給量で投入するとともに、プロピレンを1.2kg/hの供給量で投入した(原料供給工程)。
このときの反応器内における水の滞在時間は30分であり、プロピレン100質量部に対して、水を1500質量部供給していることになる。反応器内での反応温度を280℃、反応圧力を250atmとして、プロピレンと水とを反応させてイソプロピルアルコールを得た(反応工程)。
次いで、反応工程で生成したイソプロピルアルコールを含む反応混合物を140℃まで冷却し、圧力を18atmへ減圧することにより、反応混合物に含まれる水に溶解しているプロピレンを気体として回収した(回収工程)。回収したプロピレンは、原料として再利用するために、プロピレンの回収タンクに投入した。
プロピレンを回収した反応混合物において、プロピレンの転化率は84.0%であり、プロピレンのイソプロピルアルコールへの選択率は99.2%であり、イソプロピルアルコールの濃度は7.8%であった。
次いで、蒸留塔を用いて、プロピレン回収後の反応混合物から、イソプロピルアルコールよりも沸点の低い低沸点化合物を除去した(第一蒸留工程)。
次いで、蒸留塔の塔底から反応混合物を抜き出し、蒸留塔を用いて、水とイソプロピルアルコールとに分離した(第二蒸留工程)。
塔底から抜き出して回収した水は、温度を110℃、圧力を1.5atmの条件とし、原料として再利用するために、水の回収タンクに投入した。また、回収した水のpHが3.0を維持するように、リンタングステン酸を添加し、調整を行った。
一方、塔頂から抜き出したイソプロピルアルコールには水が約13%含まれているため、脱水を行う蒸留工程、さらにイソプロピルアルコールを精製するため蒸留工程を行い、イソプロピルアルコールを得た。
[イソプロピルアルコール中の不純物の分析]
得られたイソプロピルアルコールをGC−MSを用いて分析し、イソプロピルアルコールに含まれている不純物を定量した。その結果、得られたイソプロピルアルコールには、0.3ppmの1−プロパノール及び4ppmのターシャリーブタノールが含まれていた。
また、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなかった。このため、炭素数が5〜30の高沸点化合物の濃度は、いずれも500ppb以下であると評価した。
次に、前述した濃縮方法に従って濃縮したイソプロピルアルコール中の高沸点化合物について、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。さらに、定性分析で検出されたピークに対してより詳細な定量を行うために、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、不純物としての、4−メチル―2−ペンタノール、2−メチル―3−ペンタノン、及び4−メチル―2−ペンタノンの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。同様に、不純物としての、1,2−プロパンジオール、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、及び2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。
一方、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなかった。このため、低沸点化合物の濃度は、いずれも5000ppb以下であると評価した。
次に、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、アセトアルデヒドの濃度は0.5ppm、アセトンの濃度は0.2ppm、プロピオンアルデヒドの濃度は1.0ppmであった。
なお、高沸化合物として含まれるターシャリーブタノールは、原料のプロピレンに含まれるブテンに由来するものであるが、沸点がイソプロピルアルコールと同じ82.4℃であるため、分離することができなかった。
<実施例2>
[イソプロピルアルコールの製造]
水の供給量を13.8kg/h(密度920kg/mであるから、15L/h)とし、プロピレンの供給量を0.9kg/hとし、反応器内における水の滞在時間を40分とした以外は、実施例1と同様にして、イソプロピルアルコールを製造した。
なお、プロピレンを回収した反応混合物において、プロピレンの転化率は86.4%であり、プロピレンのイソプロピルアルコールへの選択率は98.9%であり、イソプロピルアルコールの濃度は8.0%であった。
[イソプロピルアルコール中の不純物の分析]
得られたイソプロピルアルコールをGC−MSを用いて分析し、イソプロピルアルコールに含まれている不純物を定量した。その結果、得られたイソプロピルアルコールには、0.4ppmの1−プロパノール及び4ppmのターシャリーブタノールが含まれていた。
また、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなかった。このため、炭素数が5〜30の高沸点化合物の濃度は、いずれも500ppb以下であると評価した。
次に、前述した濃縮方法に従って濃縮したイソプロピルアルコール中の高沸点化合物について、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。さらに、定性分析で検出されたピークに対してより詳細な定量を行うために、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、不純物としての、4−メチル―2−ペンタノール、2−メチル―3−ペンタノン、及び4−メチル―2−ペンタノンの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。同様に、不純物としての、1,2−プロパンジオール、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、及び2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。
一方、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなかった。このため、低沸点化合物の濃度は、いずれも5000ppb以下であると評価した。
次に、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、アセトアルデヒドの濃度は0.5ppm、アセトンの濃度は0.2ppm、プロピオンアルデヒドの濃度は1.0ppmであった。
<実施例3>
[イソプロピルアルコールの製造]
原料のプロピレンとして、不純物として19956ppmのプロパン、40ppmのエタン、4ppmのブテン、0.1ppm以下のペンテン、及び0.1ppm以下のヘキセンが含まれているものを用いた以外は、実施例1と同様にして、イソプロピルアルコールを製造した。
なお、プロピレンを回収した反応混合物において、プロピレンの転化率は84.3%であり、プロピレンのイソプロピルアルコールへの選択率は99.1%であり、イソプロピルアルコールの濃度は8.0%であった。
[イソプロピルアルコール中の不純物の分析]
得られたイソプロピルアルコールをGC−MSを用いて分析し、イソプロピルアルコールに含まれている不純物を定量した。その結果、得られたイソプロピルアルコールには、0.3ppmの1−プロパノール及び2ppmのターシャリーブタノールが含まれていた。
また、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなかった。このため、炭素数が5〜30の高沸点化合物の濃度は、いずれも500ppb以下であると評価した。
次に、前述した濃縮方法に従って濃縮したイソプロピルアルコール中の高沸点化合物について、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。さらに、定性分析で検出されたピークに対してより詳細な定量を行うために、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、不純物としての、4−メチル―2−ペンタノール、2−メチル―3−ペンタノン、及び4−メチル―2−ペンタノンの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。同様に、不純物としての、1,2−プロパンジオール、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、及び2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。
一方、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなかった。このため、低沸点化合物の濃度は、いずれも5000ppb以下であると評価した。
次に、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、アセトアルデヒドの濃度は0.5ppm、アセトンの濃度は0.2ppm、プロピオンアルデヒドの濃度は1.0ppmであった。
<実施例4>
[イソプロピルアルコールの製造]
水の供給量を18.4kg/h(密度920kg/mであるから、20L/h)とし、プロピレンの供給量を0.9kg/hとし、プロピレン100質量部に対する水の供給量を2000質量部とした以外は、実施例1と同様にして、イソプロピルアルコールを製造した。
なお、プロピレンを回収した反応混合物において、プロピレンの転化率は86.2%であり、プロピレンのイソプロピルアルコールへの選択率は99.2%であり、イソプロピルアルコールの濃度は6.0%であった。
[イソプロピルアルコール中の不純物の分析]
得られたイソプロピルアルコールをGC−MSを用いて分析し、イソプロピルアルコールに含まれている不純物を定量した。その結果、得られたイソプロピルアルコールには、0.2ppmの1−プロパノール及び4ppmのターシャリーブタノールが含まれていた。
また、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなかった。このため、炭素数が5〜30の高沸点化合物の濃度は、いずれも500ppb以下であると評価した。
次に、前述した濃縮方法に従って濃縮したイソプロピルアルコール中の高沸点化合物について、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。さらに、定性分析で検出されたピークに対してより詳細な定量を行うために、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、不純物としての、4−メチル―2−ペンタノール、2−メチル―3−ペンタノン、及び4−メチル―2−ペンタノンの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。同様に、不純物としての、1,2−プロパンジオール、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、及び2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールの濃度は、いずれも検出下限である20ppb以下であった。
一方、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなかった。このため、低沸点化合物の濃度は、いずれも5000ppb以下であると評価した。
次に、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、アセトアルデヒドの濃度は0.5ppm、アセトンの濃度は0.2ppm、プロピオンアルデヒドの濃度は1.0ppmであった。
<比較例1>
[イソプロピルアルコールの製造]
水の供給量を18.4kg/h(密度920kg/mであるから、20L/h)とし、プロピレンの供給量を1.5kg/hとし、プロピレン100質量部に対する水の供給量を1200質量部とした以外は、実施例1と同様にして、イソプロピルアルコールを製造した。
なお、プロピレンを回収した反応混合物において、プロピレンの転化率は77.1%であり、プロピレンのイソプロピルアルコールへの選択率は99.0%であり、イソプロピルアルコールの濃度は9.0%であった。
[イソプロピルアルコール中の不純物の分析]
得られたイソプロピルアルコールをGC−MSを用いて分析し、イソプロピルアルコールに含まれている不純物を定量した。その結果、得られたイソプロピルアルコールには、0.3ppmの1−プロパノール及び4ppmのターシャリーブタノールが含まれていた。
また、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなかった。このため、炭素数が5〜30の高沸点化合物の濃度は、いずれも500ppb以下であると評価した。
次に、前述した濃縮方法に従って濃縮したイソプロピルアルコール中の高沸点化合物について、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。さらに、定性分析で検出されたピークに対してより詳細な定量を行うために、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、不純物としての、4−メチル―2−ペンタノールの濃度は37ppbであり、2−メチル―3−ペンタノンの濃度は35ppbであり、4−メチル―2−ペンタノンの濃度は36ppbであった。
一方、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなかった。このため、低沸点化合物の濃度は、いずれも5000ppb以下であると評価した。
次に、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、アセトアルデヒドの濃度は0.5ppm、アセトンの濃度は0.2ppm、プロピオンアルデヒドの濃度は1.0ppmであった。
この比較例1では、実施例1〜4と比較して、反応混合物中のイソプロピルアルコール濃度が1.1〜1.5倍となっており、収率が上がっているが、得られるイソプロピルアルコール中の高沸点化合物の濃度は20ppbを上回っており、実施例1〜4よりも純度が低かった。
<比較例2>
[イソプロピルアルコールの製造]
水の供給量を9.2kg/h(密度920kg/mであるから、10L/h)とし、プロピレンの供給量を0.6kg/hとし、反応器内における水の滞在時間を60分とした以外は、実施例1と同様にして、イソプロピルアルコールを製造した。
なお、プロピレンを回収した反応混合物において、プロピレンの転化率は88.8%であり、プロピレンのイソプロピルアルコールへの選択率は98.3%であり、イソプロピルアルコールの濃度は8.2%であった。
[イソプロピルアルコール中の不純物の分析]
得られたイソプロピルアルコールをGC−MSを用いて分析し、イソプロピルアルコールに含まれている不純物を定量した。その結果、得られたイソプロピルアルコールには、0.5ppmの1−プロパノール及び4ppmのターシャリーブタノールが含まれていた。
また、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなかった。このため、炭素数が5〜30の高沸点化合物の濃度は、いずれも500ppb以下であると評価した。
次に、前述した濃縮方法に従って濃縮したイソプロピルアルコール中の高沸点化合物について、前述した[高沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。さらに、定性分析で検出されたピークに対してより詳細な定量を行うために、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[高沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、不純物としての、4−メチル―2−ペンタノールの濃度は45ppbであり、2−メチル―3−ペンタノンの濃度は41ppbであり、4−メチル―2−ペンタノンの濃度は50ppbであった。
一方、得られたイソプロピルアルコールについて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定性分析)]の方法でGC−MSを用いて分析したところ、イソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなかった。このため、低沸点化合物の濃度は、いずれも5000ppb以下であると評価した。
次に、濃縮していないイソプロピルアルコールを用いて、前述した[低沸点化合物の測定方法(定量分析)]の方法でGC−MSを用いて分析した。その結果、アセトアルデヒドの濃度は0.5ppm、アセトンの濃度は0.2ppm、プロピオンアルデヒドの濃度は1.0ppmであった。
この比較例2では、実施例1〜4と比較して、反応混合物中のイソプロピルアルコール濃度が同等程度となっており、収率が維持されているが、得られるイソプロピルアルコール中の高沸点化合物の濃度は20ppbを上回っており、実施例1〜4よりも純度が低かった。
Figure 2017217279
Figure 2017217279
2016年6月14日に出願された日本出願2016−120761の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。

Claims (5)

  1. プロピレンに水を直接水和させてイソプロピルアルコールを製造するイソプロピルアルコールの製造方法であって、
    プロピレン及びpHが2.5〜4.5である水を反応器に供給する原料供給工程と、
    前記反応器内において、プロピレンと水とを反応させる反応工程と、
    前記反応工程で得られた反応混合物からプロピレンを回収する回収工程と、
    前記回収工程にてプロピレンが回収された反応混合物から、イソプロピルアルコールよりも沸点の低い低沸点化合物を除去する第一蒸留工程と、
    前記第一蒸留工程にて低沸点化合物が除去された反応混合物から、水を除去してイソプロピルアルコールを得る第二蒸留工程と、を含んでなり、
    前記反応器内におけるプロピレン及び水の割合が、プロピレン100質量部に対して水が1300〜2100質量部であり、前記反応器内における水の滞在時間が、20分を超え50分以下であるイソプロピルアルコールの製造方法。
  2. 前記原料供給工程において、純度が98質量%以上であるプロピレンを原料とする請求項1に記載のイソプロピルアルコールの製造方法。
  3. 不純物としての、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノン、及び4−メチル−2−ペンタノンの濃度が、いずれも質量基準で20ppb以下であるイソプロピルアルコール。
  4. 不純物としての、1,2−プロパンジオール、3−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、及び2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオールの濃度が、いずれも質量基準で20ppb以下である請求項3に記載のイソプロピルアルコール。
  5. イソプロピルアルコールよりも沸点が高く、且つ、炭素数が5〜30である不純物としての高沸点化合物の濃度が、いずれも質量基準で500ppb以下である請求項3又は4に記載のイソプロピルアルコール。
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