JPWO2017217063A1 - 3dプリンター用造形材料及び三次元物体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いる造形材料であって、環状オレフィン系樹脂と、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種と、を含む、造形材料。

Description

本発明の実施形態は、熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いる造形材料及びそれを用いた三次元物体の製造方法に関する。
近年、樹脂などの造形材料を、所望の三次元立体形状に造形することができる3Dプリンターが普及しつつある。3Dプリンターは、ラピッドプロトタイピング(3次元造形機)の1種で、PCなどのコンピュータ上で作成した3Dデータに基づき、所定の造形材料により立体形状を造形する立体プリンターである。
このような3Dプリンターとしては、例えば、熱可塑性樹脂を高温で溶融して積層させることで立体形状を作製する熱溶融積層方式(例えば、特表2014−516829号公報参照)が知られている。
上記熱溶融積層方式において用いられる造形材料としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下、「ABS樹脂」と呼ぶ。)、ポリ乳酸樹脂(以下、「PLA樹脂」と呼ぶ。)などが一般に使用される。
また、特開2016−60147号公報には、環状ポリオレフィン系樹脂を含む、熱溶融積層方式の3Dプリンター用造形材料が提案されている。
特表2014−516829号公報 特開2016−60147号公報
環状オレフィン系樹脂は、造形品の変形が少なく、透明性及び表面処理(研磨、塗装)性に優れるという利点を有している。
しかし、環状オレフィン系樹脂を熱溶融積層方式の3Dプリンター用造形材料に用いた場合、溶融樹脂の粘度が高いためにプリンタヘッドの動きに溶融樹脂が追従しにくく、造形速度を上げにくい場合があることがわかった。
そこで、本発明の実施形態は、熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いられる造形材料であって、造形速度の向上を可能とする造形材料、及び、三次元物体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の実施形態は、熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いる造形材料であって、環状オレフィン系樹脂と、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種と、を含む、造形材料に関する。
本発明の他の実施形態は、前記の造形材料を用いて、熱溶融積層方式の3Dプリンターにより三次元物体を造形することを含む、三次元物体の製造方法に関する。
本発明の実施形態によれば、熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いられる造形材料であって、造形速度の向上を可能とする造形材料、及び、三次元物体の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施形態を説明するが、本発明が下記の実施形態に限定されることはない。
1.造形材料
本発明の実施形態の、熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いる造形材料(以下、「3Dプリンター用造形材料」または「造形材料」ともいう場合がある。)は、環状オレフィン系樹脂と、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種とを含む。
本実施形態の造形材料は、環状オレフィン系樹脂を含有する。
熱溶融積層方式において用いられる造形材料としては、ABS樹脂、PLA樹脂などが一般に使用されているが、ABS樹脂は、造形中の熱変形が大きい、臭気が強い、などの問題点があり、また、ABS樹脂製の造形品はそり変形が生じやすく、それを減らすため造形テーブルを加温するなどの対策を講じる必要がある。また、PLA樹脂製の造形品は耐熱性が低いことや、塗装性にやや難があることなどの問題点がある。さらに、ABS樹脂もPLA樹脂も透明性が低く、透明性が高い造形品を作製しようとする際に制約がある。透明性が高い造形品を得るには、ポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂を用いることが考えられるが、それらは造形に際し保温のための特殊な装置が必要である。
一方、環状オレフィン系樹脂の一般特性として、透明性に優れる、耐熱温度のコントロールが容易である、変形が少ない、残存金属・モノマー・オリゴマー(スチレン等)等が少ない、水蒸気バリア性に優れる、などが挙げられる。また、残存金属・モノマー等が少ないことで、造形時の不快な臭気の発生が抑えられる。他には、熱溶融積層方式に適した固化速度であり、溶媒による表面処理が可能であり、柔軟性も付与することができ、人体に対する安全性があり、光学特性に優れる、電気特性(低誘電特性等)に優れる、等が挙げられる。
また、環状オレフィン系樹脂は、平滑化処理、つまり研磨や溶媒による表面処理が容易であるとの利点がある。溶融積層法の場合、造形材料の積層に伴い層状の筋が多かれ少なかれ発生する。表面を平滑化するために、後処理として研磨する、ないしは軽く溶媒で表面を溶かすようなことが行われている。環状ポリオレフィンの場合、一般に弾性率が高く研磨しやすい。また炭化水素系溶媒に対し室温で部分的に溶解・膨潤するため、溶媒を用いて表面を拭く、あるいは短時間(例えば、1分未満)溶媒に浸漬することによって平滑化することができる。
さらに環状オレフィン系樹脂による造形品は塗装性にも優れる。造形品をそのまま塗装することも可能であり、上記の平滑化処理した後に塗装することも可能である。デザイン性向上のため塗装することも多い。
このように、環状オレフィン系樹脂を含む本実施形態の造形材料は、ABS樹脂やPLA樹脂を用いた造形材料とは異なり、不快なにおいがせず、溶媒での表面処理が容易である。さらに、残存金属・モノマー等が少ないことから、人体に対する安全性が高く、医療用途、食品用途への応用も可能である。また、歯科材料等に用いることができる。
また、環状オレフィン系樹脂は透明性に優れるため、スケルトンを要求される造形品、あるいはレンズなどの光学部材の造形にも用いることができる。
しかし、3Dプリンター用造形材料に環状オレフィン系樹脂を用いた場合、溶融樹脂の粘度が高いためにプリンタヘッドの動きに溶融樹脂が追従しにくく、造形速度を上げにくい場合がある。つまり、溶融樹脂の粘度が高すぎる場合、造形速度を上げると、溶融樹脂を吐出しながら動くプリンタヘッドに樹脂が引っ張られて造形が乱れ、プリンタヘッドの動きに溶融樹脂が追従しにくくなると考えられる。
環状オレフィン系樹脂とともに、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、本実施形態の造形材料によれば、溶融樹脂の追従性を改良して造形速度を向上させることが可能となる。
以下に、本実施形態の造形材料の成分について詳述する。
[環状オレフィン系樹脂]
本実施形態の造形材料は、環状オレフィン系樹脂を含む。本実施形態の造形材料は、環状オレフィン系樹脂を1種のみ含んでいてもよく、または2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。環状オレフィン系樹脂の例としては、例えば、α−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、環状オレフィン開環重合体、環状オレフィン開環重合体の水素添加物が挙げられる。
また、環状オレフィン系樹脂は、透明性を確保するためには非晶性であることが望ましい。ここで、「非晶性」とは、JIS K 7121プラスチックの転移熱測定方法に従って、DSC測定で結晶融解ピークが認められない状態を言う。
また、環状オレフィン系樹脂の例としては、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したものも挙げられる。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ) アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(TOPAS Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)が挙げられる。さらに、環状オレフィン成分を出発原料にしてメタセシス触媒で開環重合し、水素添加して製造される市販されている環状オレフィン系ポリマーとしては、例えば、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)、ゼオノア(登録商標) (日本ゼオン株式会社製) 、アートン(登録商標)(JSR株式会社製)等を挙げることができる。
環状オレフィン系樹脂のα−オレフィンとしては、特に制限はないが炭素数2〜20のα−オレフィンが好ましい。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等を挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。
環状オレフィン系樹脂における環状オレフィン成分として好適なものは、例えば、下記一般式(A)で示される環状オレフィンを挙げることができる。
Figure 2017217063
(式中、R〜R12は、それぞれ独立に、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場合には、R〜Rは、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
一般式(A)におけるR〜R12は、それぞれ独立に、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
〜Rの具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
また、R〜R12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基; ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
とR10、又はR11とR12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
又はR10と、R11又はR12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組合せからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
一般式(A)で示される環状オレフィン成分の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環の環状オレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンを挙げることができる。
これらの環状オレフィン成分は、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。
炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、一般式(A)で表される環状オレフィン成分との重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよいが、ランダム共重合であることが好ましい。
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により得ることができる。本発明に好ましく用いられる環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物は、メタロセン系触媒を用いて製造されることが好ましい。
メタセシス触媒としては、シクロオレフィンの開環重合用触媒として公知のモリブデン又はタングステン系メタセシス触媒(例えば、特開昭58−127728号公報、同58−129013号公報などに記載)が挙げられる。また、メタセシス触媒で得られる重合体は無機担体担持遷移金属触媒等を用い、主鎖の二重結合を90%以上、側鎖の芳香環中の炭素−炭素二重結合の98%以上を水素添加することが好ましい。
ガラス転移温度の多様性、調整のし易さから環状オレフィン系共重合体が好んで用いられる場合もある。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(以下、「Tg」、または「ガラス転移点」と記す場合もある。)は、180℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましく、130℃以下であることがさらに好ましい。下限は特に規定されないが、通常は0℃以上のものが用いられる。Tgが0℃未満では、透明性が低下する場合がある。
一方、異なるガラス転移点を有する複数の環状オレフィン系樹脂をブレンドすることで所望のTgの環状オレフィン系樹脂を得ることができる。この場合、ブレンド前の各環状オレフィン系樹脂の量とTgとの間には加成性があるため、ブレンド後の環状オレフィン系樹脂のTgは予測することができ、そのような予測に基づき所望のTgの環状オレフィン系樹脂を得ることができる。
例えば、Tg33℃の環状オレフィン系樹脂とTg78℃の環状オレフィン系樹脂をブレンドして、Tg50℃とすることができる。
[テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種]
本実施形態の造形材料は、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む。
テルペン樹脂は、例えば、テルペン化合物のみをモノマーとして用いたものであってもよく、テルペン樹脂を芳香族モノマーによって変性した芳香族変性テルペン樹脂など、テルペン化合物由来成分と、他の化合物に由来する成分とを含む樹脂であってもよい。芳香族変性テルペン樹脂として、例えば、テルペン化合物由来成分とフェノール以外の芳香族化合物由来成分とを含む共重合体、テルペン化合物由来成分とフェノール由来成分とを含む共重合体であるテルペンフェノール樹脂があげられる。
テルペン化合物は、一般に、イソプレン(C)の重合体を基本骨格とする化合物で、イソプレン単位の数に応じて、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)等に分類される。
テルペン樹脂の市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル株式会社製YSレジンシリーズ(YSレジンPX1250など)、テルペンフェノール樹脂の市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターTHシリーズ(YSポリスターTH130など)が挙げられる。
石油樹脂は、例えば、C留分を原料とした脂肪族系石油樹脂であってもよく、またはC留分を原料とした芳香族系石油樹脂であってもよい。また、例えば、C留分を主原料とする、ジシクロペンタジエン−芳香族共重合系の樹脂を用いることもできる。
なお、石油系成分及びテルペン化合物由来成分を含む樹脂(例えば、芳香族変性テルペン樹脂)は、テルペン樹脂にも、石油樹脂にも包含されうる。
環状オレフィン系樹脂の透明性を損なわない観点から、テルペン樹脂及び石油樹脂は、それぞれ、水添樹脂(水素化物)であることが好ましい。
水添テルペン樹脂としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。水添テルペン樹脂としては、例えば、テルペン樹脂を水素化した水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を水素化した芳香族変性テルペン樹脂水素化物、テルペンフェノール樹脂を水素化したテルペンフェノール樹脂水素化物が挙げられる。
水添テルペン樹脂の市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル株式会社製クリアロンPシリーズ(クリアロンP115など)、芳香族変性テルペン樹脂水素化物の市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル株式会社製クリアロンMシリーズ(クリアロンM115など)、テルペンフェノール樹脂水素化物の市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターUHシリーズ(YSポリスターUH115など)が挙げられる。
水添石油樹脂としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。水添石油樹脂としては、例えば、C−芳香族系水添石油樹脂、水素化C系石油樹脂、水素化ジシクロペンタジエン系石油樹脂、水素化クマロン・インデン樹脂等があげられる。環状オレフィン系樹脂の透明性を損なわない観点から、より透明性の高い水添石油樹脂であることが好ましい。透明性の特に高い水添石油樹脂としては、例えば、出光興産株式会社製アイマーブ(登録商標)シリーズ(ジシクロペンタジエン−芳香族共重合系水添樹脂)(アイマーブP−125等)、荒川化学工業株式会社製アルコン(登録商標)シリーズ(脂環族飽和炭化水素樹脂)(アルコンP−115、アルコンP−125等)等が挙げられる。
テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の量は特に限定されないが、造形材料に対して5〜45質量%であることが好ましい。テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の量は、溶融樹脂の粘度及び造形速度の観点から、造形材料に対して、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。また、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の量は、造形時にテルペン樹脂および石油樹脂由来の発煙を低減するという観点から、造形材料に対して、45質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
[他の成分]
本実施形態の造形材料には、その用途に応じて、着色剤、充填剤、安定剤、衝撃改良剤、滑材、帯電防止剤、紫外線吸収剤などの他の成分を添加してもよい。
なお、他の成分の添加は任意である。造形材料は、例えば、環状オレフィン系樹脂と、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種と、からなるものであってもよい。
また、造形材料には、環状オレフィン系樹脂、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種に加えて、さらに、その他の各種ポリオレフィンを添加してもよく、そのようなポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。特に、直鎖低密度ポリエチレンは環状オレフィン系樹脂に対する相容性に優れ、任意の割合でブレンドすることが可能である。環状オレフィン系樹脂のみでは靭性が不足する場合、直鎖低密度ポリエチレンをブレンドすることで、靭性を向上できる。
本実施形態の造形材料は、230℃及び荷重2.16kgにおけるメルトインデックスの値は、15g/10min〜80g/10minであることが好ましく、15g/10min〜76g/10minであることがより好ましく、15g/10min〜70g/10minであることがさらに好ましい。230℃及び荷重2.16kgにおけるメルトインデックスは、溶融樹脂の粘度及び造形速度の観点から、15g/10min以上であることが好ましく、20g/10min以上であることがより好ましい。また、230℃及び荷重2.16kgにおけるメルトインデックスは、フィラメント製造の容易さの観点から、80g/10min以下であることが好ましく、76g/10minであることがより好ましく、70g/10min以下であることがさらに好ましく、60g/10min以下であることがさらに好ましく、55g/10min以下であることがさらに好ましい。
メルトインデックスは、JIS K7210に準拠する方法で、230℃、荷重2.16kgの条件下で測定した値である。
熱溶融積層方式においては 一旦形成された層が次に積層される層の熱と圧力で変形しないことが求められるが、その観点から、本実施形態の造形材料は、熱変形温度が0℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。熱変形温度の上限は特に規定されないが、例えば、200℃、さらには180℃以下でよい。
熱溶融積層方式の3Dプリンターにおいては、通常、フィラメント状の造形材料がスプールに巻回された形態で供給される。
本実施形態の造形材料は、フィラメント状であることが一般的である。本実施形態の造形材料がフィラメント状である場合、フィラメント直径は、例えば、0.5mm〜5.0mmであることが好ましい。フィラメント直径は、3Dプリンターの機種によって適宜選択することができ、例えば、フィラメント直径1.75mm設定の機種では、フィラメント直径は1.70mm〜1.80mmが好ましく、例えば、フィラメント直径3.0mm設定機種ではフィラメント直径は2.95mm〜3.05mmであることが好ましい。
フィラメント状にする手法はとくに限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわち、押出機等を用いて、環状オレフィン系樹脂をはじめ上記各成分を含む組成物を溶融混練し、ダイ・ノズルから溶融押し出しし、押し出された組成物を引き取ってストランド状とする。このストランド状の組成物を水や空気等の冷却媒体を用いて冷却して紡糸を行い、その後に、必要に応じて、加熱延伸、熱処理、オイル塗布等の処理を行い、巻き取ることでフィラメント状となる。
フィラメントの断面形状としては、特に制限はなく、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形、星型などが挙げられる。
造形材料の樹脂の吸水性が高い場合、溶融樹脂が発泡してフィラメントが切れる可能性がある。本実施形態の造形材料は、吸水性が低い環状オレフィン系樹脂を含むため、このような問題の発生を低減することができる。
2.三次元物体の製造方法
本発明の実施形態の三次元物体の製造方法は、上述の実施形態の造形材料を用いて、熱溶融積層方式による3Dプリンターにより三次元物体を造形することを含む方法である。
上述の実施形態の造形材料を用い、熱溶融積層方式の3Dプリンターで造形する場合、ノズル温度としては、120〜250℃とすることが好ましい。また、上述の実施形態の造形材料は、熱変形が少ないため造形テーブルの加熱は不要となる場合もある。
積層ピッチは、通常0.05〜0.5mmである。ノズルの径と押出条件の調整で積層ピッチは決定されうる。
本発明の実施形態は下記を含む。しかし、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
<1> 熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いる造形材料であって、環状オレフィン系樹脂と、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種と、を含む、造形材料。
<2> 230℃及び荷重2.16kgにおけるメルトインデックスの値が15〜80g/10minである、<1>に記載の造形材料。
<3> フィラメント状である、<1>又は<2>に記載の造形材料。
<4> 前記テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が、水添テルペン樹脂及び水添石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の造形材料。
<5> 前記テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の含有量が、前記造形材料に対して5〜45質量%である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の造形材料。
<6> <1>〜<5>のいずれか1項に記載の造形材料を用いて、熱溶融積層方式の3Dプリンターにより三次元物体を造形することを含む、三次元物体の製造方法
以下に、実施例により本発明の実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[比較例1]
<造形材料の作製>
環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04(TOPAS Advanced Polymers社製、Tg:78℃)を、押出機として株式会社日本製鋼所製TEX30Cを用い、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数200rpmにて溶融押出しを行った。押出し後、得られたストランドを水槽で冷却した後、メッシュコンベアを用い定速で引き取り、直径1.7mmのフィラメント状の造形材料を作製した。
<熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、及び造形時の発煙の有無の評価>
作製したフィラメント状の造形材料を、3Dプリンター(Genkei社製ATOM)にセットして、下記の条件で、表1に記載の造形速度(10mm/sec又は20mm/sec)で造形を行い、高さ26mm、底面直径14mm、開口部直径21mm、壁面厚み1.3mmのコップ状の造形品を作製した。
作製した造形品について、造形ミスの有無の評価を行った。3Dプリンタヘッドは円運動を繰り返して溶融フィラメントを積み上げてゆくが、溶融フィラメントがプリンタヘッドの動きに追従できずに「弧」ではなく「弦」として造形されるようなミスのみられないものをAとして、そのような造形ミスのみられるものをBとした。造形ミスがみられない造形速度がより大きければ、造形速度が向上していることを示す。
また、造形時の発煙の有無の評価を行った。造形中に溶融したフィラメントからの発煙が認められない場合をAとして、発煙が認められる場合をBとした。
結果を表1に示す。
造形条件:
ノズル温度(造形温度)230℃
吐出径0.4mm
積層ピッチ0.2mm
<230℃及び荷重2.16kgにおけるメルトインデックス>
作製した造形材料について、東洋精機社製メルトインデクサーを用いてJIS K7210に準拠する方法で、230℃、荷重2.16kgの条件でメルトインデックスを測定した。結果を表1に示す。
[実施例1〜4]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04及び芳香族変性テルペン樹脂水素化物クリアロンM115(ヤスハラケミカル株式会社製)を表1に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
なお、表中、「8007F−04」は、「TOPAS(登録商標)8007F−04」を示す。
[実施例5]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04及び水添テルペン樹脂クリアロンP115(ヤスハラケミカル株式会社製)を表1に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例6]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04及びテルペンフェノール樹脂YSポリスターTH130(ヤスハラケミカル株式会社製)を表1に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例7]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04及びテルペンフェノール樹脂水素化物YSポリスターUH115(ヤスハラケミカル株式会社製)を表1に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例8]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04及び脂環族飽和炭化水素樹脂(水添石油樹脂)アルコンP−115(荒川化学工業株式会社製)を表1に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例9]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04及びジシクロペンタジエン−芳香族共重合系水添石油樹脂アイマーブP−125(出光興産株式会社製)を表1に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂アペル8008T(三井化学株式社製、Tg:70℃)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
なお、表中、「8008T」は、「アペル8008T」を示す。
[実施例10]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂アペル8008Tに代えて、環状オレフィン系樹脂アペル8008T及び水添芳香族変性テルペン樹脂クリアロンM115を表1に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例2と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007F−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007S−04(TOPAS Advanced Polymers社製、Tg:78℃)を用いたこと以外は比較例1と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表2に示す。
なお、表中、「8007S−04」は、「TOPAS(登録商標)8007S−04」を示す。
[実施例11〜14]
造形材料の作製において、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007S−04に代えて、環状オレフィン系樹脂TOPAS(登録商標)8007S−04及び脂環族飽和炭化水素樹脂(水添石油樹脂)アルコンP−125(荒川化学工業株式会社製)を表2に記載される含量となるように用いたこと以外は比較例3と同様にして、造形材料の作製、熱溶融積層法による造形、造形速度の評価、造形時の発煙の有無の評価、及びメルトインデックスの測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2017217063
Figure 2017217063
表1及び2より、実施例1〜14においては、いずれも造形速度10mm/secで、造形ミスの発生はみられなかった。これに対して、比較例1〜3においてはいずれも、造形速度10mm/secで、造形ミスの発生がみられ、実施例1〜14は、比較例1〜3に対して造形速度が向上していることがわかる。
2016年6月17日に出願された日本国特許出願2016−120535号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
既に述べられたもの以外に、本発明の新規かつ有利な特徴から外れることなく、上記の実施形態に様々な修正や変更を加えてもよいことに注意すべきである。したがって、そのような全ての修正や変更は、添付の請求の範囲に含まれることが意図されている。

Claims (6)

  1. 熱溶融積層方式の3Dプリンターに用いる造形材料であって、環状オレフィン系樹脂と、テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種と、を含む、造形材料。
  2. 230℃及び荷重2.16kgにおけるメルトインデックスの値が15〜80g/10minである、請求項1に記載の造形材料。
  3. フィラメント状である、請求項1又は2に記載の造形材料。
  4. 前記テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が、水添テルペン樹脂及び水添石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の造形材料。
  5. 前記テルペン樹脂及び石油樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の含有量が、前記造形材料に対して5〜45質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の造形材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の造形材料を用いて、熱溶融積層方式の3Dプリンターにより三次元物体を造形することを含む、三次元物体の製造方法。
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