JPWO2017199503A1 - 水潤滑剤組成物および水潤滑システム - Google Patents

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Abstract

本発明の水潤滑剤組成物(10)は、潤滑基剤としての水(11)と、水素還元化ナノダイヤモンド粒子たるND粒子(12)とを含む。水潤滑剤組成物(10)における水(11)の含有率は例えば90質量%以上である。水潤滑剤組成物(10)におけるND粒子(12)の含有率は例えば0.1質量%以下である。このような水潤滑剤組成物(10)は、水潤滑において低摩擦を実現するのに適する。本発明の水潤滑システムは、このような水潤滑剤組成物(10)がSiC部材および/またはSiO2部材の潤滑に用いられるものである。

Description

本発明は、潤滑基剤として水を含有する潤滑剤組成物、および、水潤滑剤組成物が用いられた潤滑システムに関する。また、本願は、2016年5月16日付の日本出願 特願2016−097849号に基づく優先権を主張し、当該出願に記載されている全ての内容を援用するものである。
近年、潤滑技術の分野では、環境への負荷が低いことや経済的観点などから、水潤滑が注目されている。水潤滑の技術においては、潤滑基剤としての水に対する添加剤の配合によって水潤滑機能の向上が試みられることが多い。例えば下記の非特許文献1,2のそれぞれには、添加剤として所定のナノダイヤモンド材料が配合された水潤滑剤を用いる水潤滑技術が記載されている。
"親水性ナノダイヤモンドによる水潤滑",刊行物名:機能材料,シーエムシー出版,2009年6月号,Vol.29,No.6,p.30-34 "一桁ナノダイヤモンドによるセラミックスの潤滑",刊行物名:機能材料,シーエムシー出版,2009年6月号,Vol.29,No.6,p.35-42
非特許文献1には、所定のナノダイヤモンドの濃度が1質量%である水潤滑剤をハイドロゲル基板とサファイア部材との間の潤滑に用いる場合に摩擦係数0.02の低摩擦が達成され得る旨の記載がある。非特許文献2には、所定のナノダイヤモンドの濃度が4.9質量%である水潤滑剤をSiC基板とAl23部材との間の潤滑に用いる場合に摩擦係数0.09の低摩擦が達成され得る旨の記載がある。また、非特許文献2には、所定のナノダイヤモンドの濃度が0.6質量%である水潤滑剤をSi34基板とAl23部材との間の潤滑に用いる場合に摩擦係数0.05の低摩擦が達成され得る旨の記載もある。
しかしながら、非特許文献1,2に記載の技術においては、水潤滑剤への添加剤として比較的に多量のナノダイヤモンドを要する。また、非特許文献1,2に記載の技術によって達成可能とされる低摩擦の程度では、水潤滑の用途によっては充分でない場合がある。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、水潤滑において低摩擦を実現するのに適した水潤滑剤組成物を提供すること、および、そのような水潤滑剤組成物が用いられている水潤滑システムを提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、水潤滑剤組成物が提供される。この水潤滑剤組成物は、潤滑基剤としての水と、水素還元化ナノダイヤモンド粒子とを、少なくとも含有する。水素還元化ナノダイヤモンド粒子とは、水潤滑剤組成物中に配合されることとなるナノダイヤモンド粒子について、その配合より前のいずれかの段階で、例えば水素雰囲気下での加熱処理によって、水素還元処理を受けたナノダイヤモンドの粒子をいうものとする。この水素還元化ナノダイヤモンド粒子について、酸素含有率は好ましくは10質量%以下、より好ましくは9.5質量%以下であり、且つ、ゼータ電位は例えばポジティブである。ナノダイヤモンド粒子のゼータ電位とは、ナノダイヤモンド濃度が0.2質量%で25℃のナノダイヤモンド水分散液におけるナノダイヤモンド粒子について測定される値とする。ナノダイヤモンド濃度0.2質量%のナノダイヤモンド分散液の調製のためにナノダイヤモンド水分散液の原液を希釈する必要がある場合には、希釈液として超純水を用いる。
本水潤滑剤組成物は、上述のような水素還元化ナノダイヤモンド粒子を含有するところ、潤滑基剤としての水に加えて当該水素還元化ナノダイヤモンド粒子を含有する水潤滑剤組成物は、所定部材間の潤滑において摩擦係数が例えば0.02を下回る程度に、低摩擦を実現可能であることを、本発明者らは見出した。加えて、当該水素還元化ナノダイヤモンド粒子を含有する水潤滑剤組成物は、そのナノダイヤモンド粒子濃度が比較的に低くとも、所定部材間の潤滑において摩擦係数が例えば0.02程度以下の低摩擦を実現可能であることも、本発明者らは見出した。更に加えて、当該水素還元化ナノダイヤモンド粒子を含有する水潤滑剤組成物は、比較的に低いナノダイヤモンド粒子濃度範囲においてその濃度が低下するほど低摩擦の発現が強くなる傾向があることも、本発明者らは見出した。これらは、例えば後記の実施例の示すところである。そして、これら特異な低摩擦の発現は、本水潤滑剤組成物により潤滑がなされる摺動部材等の部材において、水と比較的に低濃度の水素還元化ナノダイヤモンド粒子とが存在する系でのトライボ化学反応によって、平滑性と濡れ性とを兼ね備えた表面が形成されることに、起因するものと考えられる。
以上のように、本発明の第1の側面に係る水潤滑剤組成物は、水潤滑において低摩擦を実現するのに適するのである。本水潤滑剤組成物は、潤滑基剤としての水と配合される水素還元化ナノダイヤモンド粒子についてその配合量を抑制しつつ効率よく低摩擦を実現するのに適するのである。水素還元化ナノダイヤモンド粒子の配合量の抑制は、本水潤滑剤組成物の製造コスト抑制の観点から好ましい。
本水潤滑剤組成物において、水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは50質量ppm以下、より好ましくは20質量ppm以下、より好ましくは15質量ppm以下、より好ましくは12質量ppm以下、より好ましくは11質量ppm以下である。本水潤滑剤組成物において、水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は、好ましくは0.5質量ppm以上、より好ましくは0.8質量ppm以上、より好ましくは1質量ppm以上、より好ましくは1.5質量ppm以上である。本水潤滑剤組成物において、水の含有率は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。これらの構成は、水潤滑において効率よく低摩擦を実現するのに資する。
好ましくは、水素還元化ナノダイヤモンド粒子は、爆轟法ナノダイヤモンド粒子(爆轟法によって生成したナノダイヤモンド粒子)の水素還元処理物である。爆轟法によると、一次粒子の粒径が10nm以下のナノダイヤモンドを適切に生じさせることが可能である。水素還元化ナノダイヤモンド粒子のメディアン径は、好ましくは9nm以下、より好ましくは8nm以下、より好ましくは7nm以下、より好ましくは6nm以下である。これらの構成は、水素還元化ナノダイヤモンド粒子について、単位質量あたりの表面積を充分に確保して固体潤滑剤としての機能など添加剤機能を効率よく発揮させるうえで、好適である。
本発明の第2の側面によると水潤滑システムが提供される。この水潤滑システムは、本発明の第1の側面に係る水潤滑剤組成物がSiC部材および/またはSiO2部材の潤滑に用いられている。SiC部材とは、潤滑対象の摺動表面の少なくとも一部がSiCよりなる部材をいうものとする。SiO2部材とは、潤滑対象の摺動表面の少なくとも一部がSiO2よりなる部材をいうものとする。このような構成の水潤滑システムは、SiC部材および/またはSiO2部材の水潤滑において低摩擦を実現するのに適する。このような構成の水潤滑システムは、SiC部材および/またはSiO2部材の水潤滑において、水潤滑剤組成物中の水素還元化ナノダイヤモンド粒子についてその配合量を抑制しつつ効率よく低摩擦を実現するのに適する。
本発明の一の実施形態に係る水潤滑剤組成物の拡大模式図である。 図1に示す水潤滑剤組成物の製造方法の一例の工程図である。 本発明の一の実施形態に係る水潤滑システムの概念模式図である。 実施例の水潤滑剤組成物の製造過程における水素還元処理前のナノダイヤモンド粒子について測定されて得られたFT-IRスペクトルである。 実施例の水潤滑剤組成物の製造過程における水素還元処理後のナノダイヤモンド粒子について測定されて得られたFT-IRスペクトルである。 実施例の水潤滑剤組成物について行われた摩擦試験の結果を表すグラフである。
図1は、本発明の一の実施形態に係る水潤滑剤組成物10の拡大模式図である。水潤滑剤組成物10は、潤滑基剤としての水11と、水素還元化ナノダイヤモンド粒子たるND粒子12と、必要に応じて加えられる他の成分とを含有する。
水潤滑剤組成物10における水11は、潤滑基剤として機能する成分であるところ、水潤滑剤組成物10における水11の含有率は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。このような構成は、水潤滑剤組成物の使用に因る環境への負荷の低減や、経済的な観点から、好ましい。
水潤滑剤組成物10におけるND粒子12は、上述のように水素還元化ナノダイヤモンド粒子である。水素還元化ナノダイヤモンド粒子とは、水潤滑剤組成物10中に配合されることとなるナノダイヤモンド粒子について、その配合より前のいずれかの段階で、例えば水素雰囲気下での加熱処理によって、水素還元処理を受けたナノダイヤモンドの粒子をいうものとする。水潤滑剤組成物10におけるND粒子12の含有率ないし濃度は、本実施形態では例えば1質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは50質量ppm以下、より好ましくは20質量ppm以下、より好ましくは15質量ppm以下、より好ましくは12質量ppm以下、より好ましくは11質量ppm以下である。水潤滑剤組成物10におけるND粒子12の含有率ないし濃度は、好ましくは0.5質量ppm以上、より好ましくは0.8質量ppm以上、より好ましくは1質量ppm以上、より好ましくは1.5質量ppm以上である。これらの構成は、水潤滑において効率よく低摩擦を実現するのに資する。
水潤滑剤組成物10に含有されるND粒子12は、それぞれ、水素還元化ナノダイヤモンド一次粒子または水素還元化ナノダイヤモンド二次粒子であり、且つ、水潤滑剤組成物10中にて互いに離隔してコロイド粒子として分散している。ナノダイヤモンドの一次粒子とは、粒径10nm以下のナノダイヤモンドをいうものとする。ナノダイヤモンドの一次粒子の粒径の下限は例えば1nmである。また、水潤滑剤組成物10中のND粒子12の粒径D50(メディアン径)は、例えば9nm以下であり、好ましくは8nm以下、より好ましくは7nm以下、より好ましくは6nm以下である。ND粒子12の粒径に関するこのような構成は、ND粒子12について単位質量あたりの表面積を充分に確保して固体潤滑剤としての機能など添加剤機能を効率よく発揮させるうえで、好適である。ND粒子12の粒径D50は、例えば動的光散乱法によって測定することが可能である。
樹脂組成物10に含有されるND粒子12は、好ましくは、爆轟法ナノダイヤモンド粒子(爆轟法によって生成したナノダイヤモンド粒子)の水素還元処理物である。爆轟法によると、一次粒子の粒径が10nm以下のナノダイヤモンドを適切に生じさせることが可能である。
水潤滑剤組成物10に含有されるND粒子12のいわゆるゼータ電位は、例えばポジティブであり、例えば30〜50mVの正の値をとる。コロイド粒子たるND粒子12のゼータ電位は、水潤滑剤組成物10中でのND粒子12の分散安定性に影響を与えるところ、当該構成は、水潤滑剤組成物10におけるND粒子12について安定分散化や安定分散状態の維持を図るうえで、好適である。本発明において、ナノダイヤモンド粒子のゼータ電位とは、ナノダイヤモンド濃度が0.2質量%で25℃のナノダイヤモンド水分散液におけるナノダイヤモンド粒子について測定される値とする。ナノダイヤモンド濃度0.2質量%のナノダイヤモンド水分散液の調製のためにナノダイヤモンド水分散液の原液を希釈する必要がある場合には、希釈液として超純水を用いる。
水潤滑剤組成物10に含有されるND粒子12の酸素含有率は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9.5質量%以下である。ND粒子12の酸素含有率については元素分析の結果から知得される。
例えば上述の爆轟法によって生成するナノダイヤモンド粒子そのものは、カルボキシ基等の含酸素官能基を表面官能基として比較的に多く有するところ、ナノダイヤモンド粒子についての上述のゼータ電位や酸素含有率は、そのような含酸素表面官能基についての水素還元処理による水素還元の程度の指標として利用することができる。本実施形態では、水素還元化ナノダイヤモンド粒子たるND粒子12について、ゼータ電位がポジティブであり且つ酸素含有率が10質量%以下である状態を、本発明にとって充分な水素還元処理のなされたことの指標として利用することができる。
水潤滑剤組成物10は、上述のような水11およびND粒子12に加えて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、界面活性剤、増粘剤、カップリング剤、潤滑対象部材たる金属部材の錆止めのための防錆剤、潤滑対象部材たる非金属部材の腐食抑制のための腐食防止剤、凝固点降下剤、耐摩耗添加剤、防腐剤、着色料、および、ND粒子12以外の固体潤滑剤が挙げられる。
図2は、上述の水潤滑剤組成物10を製造するための方法の一例を表す工程図である。本方法は、生成工程S1と、精製工程S2と、乾燥工程S3と、水素還元処理工程S4と、解砕前処理工程S5と、解砕工程S6と、分級工程S7とを含む。
生成工程S1では、例えば爆轟法によって、ナノダイヤモンドを生成させる。まず、成形された爆薬に電気雷管が装着されたものを爆轟用の耐圧性容器の内部に設置し、容器内において大気組成の常圧の気体と使用爆薬とが共存する状態で、容器を密閉する。容器は例えば鉄製で、容器の容積は、例えば0.5〜40m3であり、好ましくは2〜30m3である。爆薬としては、トリニトロトルエン(TNT)とシクロトリメチレントリニトロアミンすなわちヘキソーゲン(RDX)との混合物を使用することができる。TNTとRDXの質量比(TNT/RDX)は、例えば40/60〜60/40の範囲とされる。爆薬の使用量は、例えば0.05〜2.0kgである。
生成工程S1では、次に、電気雷管を起爆させ、容器内で爆薬を爆轟させる。爆轟とは、化学反応に伴う爆発のうち反応の生じる火炎面が音速を超えた高速で移動するものをいう。爆轟の際、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素を原料として、爆発で生じた衝撃波の圧力とエネルギーの作用によってナノダイヤモンドが生成する。ナノダイヤモンドは、爆轟法により得られる生成物にて先ずは、隣接する一次粒子ないし結晶子の間がファンデルワールス力の作用に加えて結晶面間クーロン相互作用が寄与して非常に強固に集成し、凝着体をなす。
精製工程S2は、本実施形態では、原料たるナノダイヤモンド粗生成物に例えば水溶媒中で強酸を作用させる酸処理を含む。爆轟法で得られるナノダイヤモンド粗生成物には金属酸化物が含まれやすいところ、この金属酸化物は、爆轟法に使用される容器等に由来するFe,Co,Ni等の酸化物である。例えば水溶媒中で所定の強酸を作用させることにより、ナノダイヤモンド粗生成物から金属酸化物を溶解・除去することができる(酸処理)。この酸処理に用いられる強酸としては、鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、および王水が挙げられる。酸処理では、一種類の強酸を用いてもよいし、二種類以上の強酸を用いてもよい。酸処理で使用される強酸の濃度は例えば1〜50質量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。このような酸処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。
精製工程S2は、本実施形態では、酸化剤を用いてナノダイヤモンド粗生成物(精製終了前のナノダイヤモンド凝着体)からグラファイトを除去するための酸化処理を含む。爆轟法で得られるナノダイヤモンド粗生成物にはグラファイト(黒鉛)が含まれているところ、このグラファイトは、使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちナノダイヤモンド結晶を形成しなかった炭素に由来する。例えば上記の酸処理を経た後に、例えば水溶媒中で所定の酸化剤を作用させることにより、ナノダイヤモンド粗生成物からグラファイトを除去することができる(酸化処理)。この酸化処理に用いられる酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、及びこれらの塩が挙げられる。酸化処理では、一種類の酸化剤を用いてもよいし、二種類以上の酸化剤を用いてもよい。酸化処理で使用される酸化剤の濃度は例えば3〜50質量%である。酸化処理における酸化剤の使用量は、酸化処理に付されるナノダイヤモンド粗生成物100重量部に対して例えば300〜500重量部である。酸化処理温度は例えば100〜200℃である。酸化処理時間は例えば1〜24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。また、酸化処理は、グラファイトの除去効率向上の観点から、鉱酸の共存下で行うのが好ましい。鉱酸としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、および王水が挙げられる。酸化処理に鉱酸を用いる場合、鉱酸の濃度は例えば5〜80質量%である。このような酸化処理の後、例えばデカンテーションにより、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行う。水洗当初の上清液は着色しているところ、上清液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行うのが好ましい。
以上のような酸処理および溶液酸化処理を経た後であっても、爆轟法ナノダイヤモンドは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとる。この凝着体からの一次粒子の分離を促すために、精製工程S2は、ナノダイヤモンドに対して水溶媒中で所定のアルカリおよび過酸化水素を作用させる処理(アルカリ過水処理)を含んでもよい。これにより、例えば、上述の酸処理によっても除去しきれなかった金属酸化物等がナノダイヤモンドに残存する場合に当該金属酸化物等を除去することができ、そして、ナノダイヤモンド凝着体からのナノダイヤモンド一次粒子の分離が促される。この処理に用いられるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウム等が挙げられる。本処理において、アルカリの濃度は例えば0.1〜5質量%であり、過酸化水素の濃度は例えば1〜6質量%であり、処理温度は例えば40〜100℃であり、処理時間は例えば0.5〜5時間である。また、本処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。本処理を経たナノダイヤモンド含有溶液については、例えばデカンテーションによって上清を除く。そして、このデカンテーションによって得られた沈殿液のpHを例えば2〜3に調整した後、この沈殿液中の固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)について遠心沈降法による水洗を行う。具体的には、遠心分離装置を使用して当該沈殿液ないし懸濁液について固液分離を行う操作、その後に沈殿物と上清液とを分ける操作、および、その後に沈殿物に超純水を加えて懸濁する操作を含む一連の過程を、固形分濃度(ナノダイヤモンド濃度)を6質量%に調整したときの懸濁液の電気伝導度が例えば50〜200μS/cmとなるまで、反復して行う。
本製造方法では、次に、乾燥工程S3が行われる。具体的には、上述の水洗後のナノダイヤモンド含有溶液から例えばデカンテーションによって上清が除かれた後、残留画分について乾燥処理に付して乾燥粉体を得る。乾燥処理の手法としては、例えば、噴霧乾燥装置を使用して行う噴霧乾燥や、エバポレーターを使用して行う蒸発乾固が挙げられる。
本製造方法においては、次に、水素還元処理工程S4が行われる。水素還元処理工程S4は、ナノダイヤモンド表面に水素還元を生じさせるための処理、即ち、上述のようにして得られるナノダイヤモンド表面に存在し得るカルボキシ基等の含酸素官能基を還元して水素終端構造を形成するための処理である。本工程では、乾燥工程S3を経て得られるナノダイヤモンドの粉体について、ガス雰囲気炉を使用して、水素雰囲気下にて加熱する。具体的には、ガス雰囲気炉内にナノダイヤモンド粉体が配され、当該炉に対して水素含有ガス(水素の他には不活性ガスを含む)が供給ないし通流され、加熱温度として設定された温度条件まで当該炉内が昇温されて水素還元処理が実施される。この水素還元処理において、水素含有ガスの水素濃度は例えば0.1〜99.9体積%であり、加熱温度は例えば300〜1000℃であり、加熱時間は例えば1〜72時間である。本工程により、水素還元化ナノダイヤモンドが得られる。そして、ナノダイヤモンドにおける水素還元化の有無および程度についは、当該ナノダイヤモンドに関する、ゼータ電位測定、元素分析によって知得される酸素含有率の値、およびFT−IR分析によって、確認することが可能である。
本製造方法においては、次に、解砕前処理工程S5が行われる。具体的には、上述の水素還元処理工程S4を経て得られる水素還元化ナノダイヤモンド粉体を超純水に分散させて水素還元化ナノダイヤモンド含有のスラリーを調製した後、当該スラリーについて、遠心沈降法による水洗および/またはpH調整試薬の添加によって、電気伝導度やpHを調整する。本工程にて、当該スラリーの電気伝導度は、固形分濃度1質量%あたりで例えば30〜100μS/cmとされ、当該スラリーのpHは例えば4〜9とされる。
本製造方法においては、次に、解砕工程S6が行われる。以上のような一連の過程を経て得られる水素還元化ナノダイヤモンドは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとる。この凝着体から多くの一次粒子を分離させるため、解砕工程S6が行われる。具体的には、上述のようにして電気伝導度およびpHの調整された水素還元化ナノダイヤモンド含有スラリーが解砕処理に付される。解砕処理は、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、またはコロイドミルを使用して行うことができる。これらを組み合わせて解砕処理を実施してもよい。効率性の観点からはビーズミルを使用するのが好ましい。このような解砕工程S6を経ることによって、コロイド粒子として分散する水素還元化ナノダイヤモンドの一次粒子を含有する水分散液を得ることができる。
本製造方法においては、次に、分級工程S7が行われる。例えば分級装置を使用して、遠心分離を利用した分級操作によって水素還元化ナノダイヤモンド水分散液から粗大粒子を除去することができる。本工程の後、水素還元化ナノダイヤモンド水分散液について、必要に応じて、濃度の調整や、pHの調製、上述の他の成分の添加を行う。
以上のようにして、潤滑基剤としての水11および水素還元化ナノダイヤモンド粒子たるND粒子12を少なくとも含有する上述の水潤滑剤組成物10を製造することができる。
水潤滑剤組成物10は、上述のような水素還元化ナノダイヤモンド粒子たるND粒子12を含有するところ、潤滑基剤としての水11に加えてND粒子12を含有する水潤滑剤組成物10は、所定部材間の潤滑において摩擦係数が例えば0.02を下回る程度に、低摩擦を実現可能であることを、本発明者らは見出した。加えて、水素還元化ナノダイヤモンド粒子たるND粒子12を含有する水潤滑剤組成物10は、そのナノダイヤモンド粒子濃度が比較的に低くとも、所定部材間の潤滑において摩擦係数が例えば0.02程度以下の低摩擦を実現可能であることも、本発明者らは見出した。更に加えて、水素還元化ナノダイヤモンド粒子たるND粒子12を含有する水潤滑剤組成物10は、比較的に低いナノダイヤモンド粒子濃度範囲においてその濃度が低下するほど低摩擦の発現が強くなる傾向があることも、本発明者らは見出した。これらは、例えば後記の実施例の示すところである。そして、これら特異な低摩擦の発現は、水潤滑剤組成物10により潤滑がなされる摺動部材等の部材において、水11と比較的に低濃度のND粒子12とが存在する系でのトライボ化学反応によって、平滑性と濡れ性とを兼ね備えた表面が形成されることに、起因するものと考えられる。
このような水潤滑剤組成物10は、水潤滑において低摩擦を実現するのに適する。水潤滑剤組成物10は、潤滑基剤としての水11と配合されるND粒子12についてその配合量を抑制しつつ効率よく低摩擦を実現するのに適する。ND粒子12の配合量の抑制は、水潤滑剤組成物10の製造コスト抑制の観点から好ましい。
水潤滑剤組成物10において、水11の含有率は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。水潤滑剤組成物10におけるND粒子12の含有率は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは50質量ppm以下、より好ましくは20質量ppm以下、より好ましくは15質量ppm以下、より好ましくは12質量ppm以下、より好ましくは11質量ppm以下であり、且つ、好ましくは0.5質量ppm以上、より好ましくは0.8質量ppm以上、より好ましくは1質量ppm以上、より好ましくは1.5質量ppm以上である。これらの構成は、水潤滑剤組成物10による水潤滑において効率よく低摩擦を実現するのに資する。
図3は、本発明の一の実施形態に係る水潤滑システム20の概念模式図である。水潤滑システム20は、複数の部材21および水潤滑剤組成物10を含む構成を備える。複数の部材21は、相対運動をして相互作用しあう表面(摺動表面)を有する。複数の部材21は、例えばSiC部材および/またはSiO2部材を含む。SiC部材とは、潤滑対象の摺動表面の少なくとも一部がSiCよりなる部材をいうものとする。SiO2部材とは、潤滑対象の摺動表面の少なくとも一部がSiO2よりなる部材をいうものとする。水潤滑剤組成物10は、上述のように水11およびND粒子12を少なくとも含有し、複数の部材21の摺動表面における潤滑に用いられている。このような構成の水潤滑システム20は、水潤滑剤組成物10を用いて部材21間の低摩擦を実現するのに適する。このような水潤滑システム10は、例えば、医療機器部品の潤滑や半導体製造装置部品の潤滑に有用である。
以下のような精製工程、乾燥工程、水素還元処理工程、解砕前処理工程、解砕工程、および分級工程を経て、水潤滑剤組成物の原液を作製した。
精製工程では、まず、ナノダイヤモンド粗成生物に対して酸処理を行った。具体的には、ナノダイヤモンド粗生成物たる空冷式爆轟法ナノダイヤモンド煤(ナノダイヤモンド一次粒子の粒径は4〜6nm,株式会社ダイセル製)200gと2Lの10質量%塩酸とを混合して得られたスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この酸処理における加熱温度は85〜100℃である。次に、当該スラリーについて、冷却後、デカンテーションによって固形分(ナノダイヤモンド凝着体と煤を含む)の水洗を行った。沈殿液のpHが低pH側から2に至るまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。
次に、精製工程の酸化処理を行った。具体的には、デカンテーション後の沈殿液に、2Lの60質量%硫酸水溶液と2Lの50質量%クロム酸水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で5時間の加熱処理を行った。この酸化処理における加熱温度は120〜140℃である。次に、当該スラリーについて、冷却後、デカンテーションによって固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行った。水洗当初の上清液は着色しているところ、上清液が目視で透明になるまで、デカンテーションによる当該固形分の水洗を反復して行った。この水洗後の沈殿液に含まれているナノダイヤモンド凝着体について、粒径D50(メディアン径)は2μmであった。
次に、精製工程のアルカリ過水処理を行った。具体的には、酸化処理後のデカンテーションによって得られた沈殿液に、1Lの10質量%水酸化ナトリウム水溶液と1Lの30質量%過酸化水素水溶液とを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この処理における加熱温度は50〜105℃である。アルカリ過水処理を経たスラリーについては、冷却後、デカンテーションによって上清を除いて沈殿液を得た。そして、当該沈殿液について塩酸を加えてpHを2.5に調整した後、当該沈殿液中の固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)について遠心沈降法による水洗を行った。具体的には、遠心分離装置を使用して当該沈殿液ないし懸濁液について固液分離を行う操作、その後に沈殿物と上清液とを分ける操作、および、その後に沈殿物に超純水を加えて懸濁する操作を含む一連の過程を、固形分濃度(ナノダイヤモンド濃度)6質量%に調整したときの懸濁液の電気伝導度が56μS/cmとなるまで、反復して行った。このような水洗後の溶液のpHは4.3であった。
次に、乾燥工程を行った。具体的には、上述のアルカリ過水処理を経て得られたナノダイヤモンド含有液1000mLを、噴霧乾燥装置(商品名「スプレードライヤー B-290」,日本ビュッヒ株式会社製)を使用して噴霧乾燥に付した。これにより、50gのナノダイヤモンド粉体を得た。
このような乾燥工程までを経たナノダイヤモンドについて、元素分析装置(商品名「JM10」,株式会社ジェイ・サイエンス製)を使用して元素分析を行ったところ、炭素元素、水素元素、窒素元素、および酸素元素の総量に占める割合について、炭素元素は80.5質量%、水素元素は1.4質量%、窒素元素は2.3質量%、酸素元素は15.8質量%であった。乾燥工程までを経たナノダイヤモンドについて、後記のようにしてゼータ電位を測定したところ、−47mV(pH7)であった。また、乾燥工程までを経たナノダイヤモンドについて、後記のようにしてFT-IR測定を行ったところ、図4に示すFT-IRスペクトルが得られた。図4のFT-IRスペクトルにおいて、横軸は測定に係る波数(cm-1)を表し、縦軸は測定に係る透過率(%)を表す。
次に、ガス雰囲気炉(商品名「ガス雰囲気チューブ炉 KTF045N1」,光洋サーモシステム株式会社製)を使用して水素還元処理工程を行った。具体的には、上述のようにして得られたナノダイヤモンド粉体50gをガス雰囲気炉の管状炉内に静置し、管状炉内を減圧し、10分間放置した後、アルゴンガスを用いて管状炉内をパージした。前記の減圧操作からアルゴンパージまでの過程を繰り返して合計3回行い、アルゴンガスを管状炉内に通流させ続けた。このようにして、炉内をアルゴン雰囲気に置換した。この後、通流ガスをアルゴンから水素(純度99.99体積%以上)へと切り替えて当該水素ガスの流量を4L/分とし、30分間、水素ガスを管状炉内に通流させ続けた。そして、炉内を、2時間かけて600℃まで昇温した後、5時間にわたり600℃に保持した。加熱を停止した後は、自然冷却した。炉内温度が室温に至った後、通流ガスを水素からアルゴンに切り替え、アルゴンガスを管状炉内に10時間通流させた。アルゴンガスの通流を停止し、30分間静置した後、炉内からナノダイヤモンド粉体を回収した。回収されたナノダイヤモンド粉体は44gであった。
このような水素還元処理工程までを経たナノダイヤモンドについて、元素分析装置(商品名「JM10」,株式会社ジェイ・サイエンス製)を使用して元素分析を行ったところ、炭素元素、水素元素、窒素元素、および酸素元素の総量に占める割合について、炭素元素は86.7質量%、水素元素は1.5質量%、窒素元素は2.3質量%、酸素元素は9.5質量%であった。また、水素還元処理工程までを経たナノダイヤモンドについて、後記のようにしてFT-IR測定を行ったところ、図5に示すFT-IRスペクトルが得られた。図5のFT-IRスペクトルにおいて、横軸は測定に係る波数(cm-1)を表し、縦軸は測定に係る透過率(%)を表す。
次に、解砕前処理工程を行った。具体的には、まず、水素還元処理工程を経て得られた水素還元化ナノダイヤモンド粉体5.6gに超純水を加えて280gの懸濁液を得て、当該懸濁液を室温にてスターラーによって1時間撹拌することによってスラリーを得た。次に、当該スラリーについて遠心沈降法による洗浄を行った。具体的には、当該スラリーについて、20000×gで10分間の遠心分離によって固液分離を図った後、上清を除去した。次に、上清除去後の沈殿物に超純水を加えて280gの懸濁液を得て、当該懸濁液を室温にてスターラーによって1時間撹拌することによってスラリーを得た。次に、超音波照射器(商品名「超音波洗浄機 AS−3」,アズワン(AS ONE)社製)を使用して、当該スラリーに対して2時間の超音波洗浄処理を行った。これによって得られたスラリーについて、電気伝導度は35μS/cmであり、pHは9.41であった。
次に、上述の解砕前処理工程にて得られたスラリー280gについて、ビーズミリング装置(商品名「ビーズミルRMB」,アイメックス株式会社製)を使用して、ビーズミリングによる解砕工程を行った。本工程においては、解砕メディアとして直径30μmのジルコニアビーズを用い、ミル容器内のスラリー280gへのジルコニアビーズ投入量は280mlとし、ミル容器内で回転駆動される回転翼の周速は8m/秒であり、ミリング時間は2時間とした。
次に、分級工程を行った。具体的には、上述の解砕工程を経たスラリーから、遠心分離を利用した分級操作(20000×g,10分間)によって粗大粒子を除去した。以上のようにして、潤滑基剤としての水に水素還元化ナノダイヤモンド粒子が分散する水潤滑剤組成物の原液を作製した。この水潤滑剤組成物における水素還元化ナノダイヤモンド粒子について、その濃度(水潤滑剤組成物の固形分濃度)は1.4質量%であり、粒径D50(メディアン径)は6.0nmであり、電気伝導度は70μS/cmであり、pHは7.8であり、ゼータ電位は+48mVであった。
〔実施例1〜6〕
以上のようにして作製した水潤滑剤組成物原液を超純水で希釈して、実施例1の水潤滑剤組成物(固形分濃度1質量%)、実施例2の水潤滑剤組成物(固形分濃度0.1質量%)、実施例3の水潤滑剤組成物(固形分濃度0.01質量%)、実施例4の水潤滑剤組成物(固形分濃度0.005質量%、即ち50質量ppm)、実施例5の水潤滑剤組成物(固形分濃度0.001質量%、即ち10質量ppm)、および実施例6の水潤滑剤組成物(固形分濃度0.0001質量%、即ち1質量ppm)を調製した。
〈摩擦試験〉
実施例1〜6の水潤滑剤組成物ごとに、炭化ケイ素製のディスク基板(直径30mm,厚さ4mm)と炭化ケイ素製のボール(直径8mm)との間の潤滑に用いられた場合の摩擦係数を調べるための摩擦試験を行った。この摩擦試験は、ボールオンディスク型の滑り摩擦試験機を使用して行った。具体的には、試験開始時にディスク基板表面に400μlの水潤滑剤組成物を滴下し、当該ディスク基板表面にボールを当接させつつディスク基板を回転させた。これにより、ボールは、相対的に、ディスク基板表面を滑動することとなる。この摩擦試験において、試験温度は室温とし、ディスク基板表面に対するボールの荷重は10Nとし、ディスク基板表面におけるボールの滑り速度は100mm/秒とし、ディスク基板表面におけるボールの相対的な滑り総距離は100mとし、滑り距離90〜100mにおける摩擦係数の平均値を各水潤滑剤組成物の摩擦係数(μ)として得た。実施例1〜6の各水潤滑剤組成物の示した摩擦係数(μ)は、0.19(実施例1)、0.16(実施例2)、0.094(実施例3)、0.059(実施例4)、0.011(実施例5)、および0.021(実施例6)であった。これらの結果を図6のグラフにまとめる。図6のグラフにおいて、横軸は、自然対数目盛で水潤滑剤組成物の固形分濃度(質量%)を表し、縦軸は、測定に係る摩擦係数(μ)を表す。また、実施例1〜6の代わりに純水を用いたこと以外は同様の手法および条件で摩擦試験を行ったところ、摩擦係数(μ)は0.21を示した。
〈ナノダイヤモンド濃度〉
ナノダイヤモンド分散液中のナノダイヤモンド含有量は、秤量した分散液3〜5gの当該秤量値と、当該秤量分散液から加熱によって水分を蒸発させた後に残留する乾燥物(粉体)について精密天秤によって秤量した値とに基づき、算出した。
〈メディアン径〉
ナノダイヤモンド分散液に含まれるナノダイヤモンドの粒径D50(メディアン径)は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した。測定に付されたナノダイヤモンド分散液は、固形分濃度ないしナノダイヤモンド濃度が0.5〜2.0質量%となるように超純水で希釈した後に、超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。
〈ゼータ電位〉
ナノダイヤモンド分散液に含まれるナノダイヤモンドのゼータ電位は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、レーザードップラー式電気泳動法によって測定した。測定に付されたナノダイヤモンド分散液は、固形分濃度ないしナノダイヤモンド濃度が0.2質量%となるように超純水で希釈した後に、超音波洗浄機による超音波照射を経たものである。ゼータ電位測定温度は25℃である。また、測定に付されたナノダイヤモンド分散液のpHは、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」,アズワン株式会社製)を使用して確認した。
〈FT-IR分析〉
上述の水素還元処理工程前のナノダイヤモンド試料および水素還元処理工程を経た後のナノダイヤモンド試料のそれぞれについて、FT-IR装置(商品名「Spectrum400型FT-IR」,株式会社パーキンエルマージャパン製)を使用して、フーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)を行った。本測定においては、測定対象たる試料を真空雰囲気下で150℃に加熱しつつ赤外吸収スペクトルを測定した。真空雰囲気下の加熱は、エス・ティ・ジャパン社製のModel-HC900型HeatChamberとTC-100WA型Thermo Controllerとを併用して実現した。
[評価]
上述の元素分析の結果によると、ナノダイヤモンド粒子における酸素元素の割合については、水素還元処理工程前には15.8質量%であったものが、水素還元処理工程後には10質量%を下回る9.5質量%となった。また、ナノダイヤモンド粒子のゼータ電位については、水素還元処理工程前には−47mVでネガティブであったものが、水素還元処理工程後には+48mVとポジティブとなった。加えて、図4および図5に示す両FT-IRスペクトルの比較から、C=O伸縮振動に帰属される1780cm-1付近の吸収P1(図4)は、ナノダイヤモンド粒子が水素還元処理を経ることによって消失していることが判る。吸収P1のこのような消失により、図5のFT-IRスペクトルでは、C=C伸縮振動に帰属される1730cm-1付近の吸収P2が明確に確認可能となっている。更に加えて、両FT-IRスペクトルの比較から、メチレン基のCH伸縮振動に帰属される2870cm-1付近の吸収P3(図5)および2940cm-1付近の吸収P4(図5)は、ナノダイヤモンド粒子が水素還元処理を経ることによって特徴的な吸収として現れることとなったことが判る。これらより、上述の水素還元処理工程においては、ナノダイヤモンド表面において充分に水素還元が進行したこと、即ち、ナノダイヤモンド表面に存在し得るカルボキシ基等の含酸素官能基が還元されて水素終端構造の形成が充分に進行したことが判る。そして、このような水素還元化ナノダイヤモンド粒子を含有する実施例1〜6の水潤滑剤組成物は、上述の摩擦試験において、図6のグラフにまとめる摩擦係数(μ)を示した。具体的には、実施例5の水潤滑剤組成物は、水素還元化ナノダイヤモンド濃度が0.001質量%すなわち10質量ppmという超低濃度において、上述のように摩擦係数0.011という超低摩擦を実現した。実施例6の水潤滑剤組成物は、水素還元化ナノダイヤモンド濃度が0.0001質量%すなわち1質量ppmという超低濃度において、上述のように摩擦係数0.021という超低摩擦を実現した。そして、実施例1〜5の水潤滑剤組成物は、ナノダイヤモンド粒子濃度について比較的に低い0.001質量%〜1質量%の範囲においてその濃度が低下するほど低摩擦の発現が強くなる傾向があった。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列記する。
〔付記1〕潤滑基剤としての水と、
水素還元化ナノダイヤモンド粒子とを含む、水潤滑剤組成物。
〔付記2〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は0.1質量%以下である、付記1に記載の水潤滑剤組成物。
〔付記3〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は0.01質量%以下である、付記1に記載の水潤滑剤組成物。
〔付記4〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は50質量ppm以下である、付記1に記載の水潤滑剤組成物。
〔付記5〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は20質量ppm以下である、付記1に記載の水潤滑剤組成物。
〔付記6〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は15質量ppm以下である、付記1に記載の水潤滑剤組成物。
〔付記7〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は12質量ppm以下である、付記1に記載の水潤滑剤組成物。
〔付記8〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は11質量ppm以下である、付記1に記載の水潤滑剤組成物。
〔付記9〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は0.5質量ppm以上である、付記1から8のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記10〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は0.8質量ppm以上である、付記1から8のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記11〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は1質量ppm以上である、付記1から8のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記12〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は1.5質量ppm以上である、付記1から8のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記13〕前記水の含有率は90質量%以上である、付記1から12のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記14〕前記水の含有率は95質量%以上である、付記1から12のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記15〕前記水の含有率は99質量%以上である、付記1から12のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記16〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子は、爆轟法ナノダイヤモンド粒子の水素還元処理物である、付記1から15のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記17〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子のメディアン径は9nm以下である、付記1から16のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記18〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子のメディアン径は8nm以下である、付記1から16のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記19〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子のメディアン径は7nm以下である、付記1から16のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記20〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子のメディアン径は6nm以下である、付記1から16のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記21〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子のゼータ電位はポジティブである、付記1から20のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記22〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の酸素含有率は10質量%以下である、付記1から21のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記23〕前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の酸素含有率は9.5質量%以下である、付記1から21のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
〔付記24〕付記1から23のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物がSiC部材および/またはSiO2部材の潤滑に用いられている、水潤滑システム。
10 水潤滑剤組成物
11 水
12 ND粒子(水素還元化ナノダイヤモンド粒子)
20 水潤滑システム
21 部材
S1 生成工程
S2 精製工程
S3 乾燥工程
S4 水素還元処理工程
S5 解砕前処理工程
S6 解砕工程
S7 分級工程

Claims (12)

  1. 潤滑基剤としての水と、
    水素還元化ナノダイヤモンド粒子とを含む、水潤滑剤組成物。
  2. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は0.1質量%以下である、請求項1に記載の水潤滑剤組成物。
  3. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は0.01質量%以下である、請求項1に記載の水潤滑剤組成物。
  4. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は50質量ppm以下である、請求項1に記載の水潤滑剤組成物。
  5. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は20質量ppm以下である、請求項1に記載の水潤滑剤組成物。
  6. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の含有率は0.5質量ppm以上である、請求項1から5のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
  7. 前記水の含有率は90質量%以上である、請求項1から6のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
  8. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子は、爆轟法ナノダイヤモンド粒子の水素還元処理物である、請求項1から7のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
  9. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子のメディアン径は9nm以下である、請求項1から8のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
  10. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子のゼータ電位はポジティブである、請求項1から9のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
  11. 前記水素還元化ナノダイヤモンド粒子の酸素含有率は10質量%以下である、請求項1から10のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物。
  12. 請求項1から11のいずれか一つに記載の水潤滑剤組成物がSiC部材および/またはSiO2部材の潤滑に用いられている、水潤滑システム。
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