JPWO2017170556A1 - ガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクの中央部および外周部は、半径方向の中間部よりも厚く、ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差をDとし、外周部の最大板厚となる位置と前記ガラスブランクの中心位置とを結ぶ主表面上の線分の長さをRとするとき、線分上の中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と外周部の最大板厚との板厚差は、0.2Dよりも大きい。

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するためのガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、DVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。ハードディスク装置では、基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッドで磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つガラス基板が好適に用いられる。
磁気ディスク用ガラス基板は、ガラスブランクに対して研削、研磨等の機械加工をすることにより作製される。ガラスブランクを作製する方式として、フロート法、ダウンドロー法などによって形成されたシート状ガラスを円盤状に切断加工する方法、および、溶融ガラスの塊を一対のプレス成形型によりプレス成形する方法が知られている。
プレス成形の方法として、例えば、下型に載せた溶融ガラスを上型と下型との間でプレスすることで、円板状のガラスブランクを製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
このように製造されたガラスブランクに対する研削処理では、両面研削装置を用いて、ガラスブランクの主表面に対して研削加工を行う。具体的には、両面研削装置の上下一対の定盤(上定盤および下定盤)の間に研削用パッドを介してガラスブランクを狭持した状態で、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させ、ガラスブランクと各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラスブランクの両主表面を研削する。
特開2003−63831号公報
プレス成形により作製されたガラスブランクは、溶融ガラスが金型により冷却されることで収縮し、部分的に窪み(ヒケ)が生じたり、反りやうねりが生じたりすることによって、主表面の平坦度(flatness)が大きくなることがある。このようなガラスブランクの研削処理には時間がかかり研削量も多くならざるを得なく、さらには研削処理を行ったとしても十分に平坦度を低減することができないという問題があった。
そこで、本発明は、研削処理において平坦度を確実に低減することができるガラスブランクを提供すること、及び、このガラスブランクの製造方法、及びこのガラスブランクを用いた磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクであって、
前記ガラスブランクの中央部および外周部は、半径方向の中間部よりも厚く、
前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差をDとし、
前記外周部の最大板厚となる位置と前記ガラスブランクの中心位置とを結ぶ仮想直線上のガラスブランクの中心位置からガラスブランクの外縁までの主表面上の線分の長さをRとするとき、
前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.2Dよりも大きい。
ここで、ガラスブランクの「中心」とは、ガラスブランクの外周形状が正円ではない場合には、ガラスブランクの外周に対する最小の外接円の中心をいう。
前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.25Dよりも大きいことが好ましい。
前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.3Dよりも大きいことがより好ましい。
前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.4Dよりも大きいことがさらに好ましい。
本発明の第二の態様は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクであって、
ガラスブランクの全面における板厚において、
前記ガラスブランクの中央部および外周部は、半径方向の中間部よりも厚く、
前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差は30μm以下であり、
前記外周部の最大板厚となる位置と前記ガラスブランクの中心位置とを結ぶ仮想直線上のガラスブランクの中心位置からガラスブランクの外縁までの主表面上の線分の長さをRとするとき、
前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離の位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、7μm以上である。
前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差は20μm以下であることが好ましい。
前記線分上の前記中心位置から0.8Rの距離となる位置における板厚と前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚との板厚差は、前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差の1/3以下である、ことが好ましい。
前記ガラスブランクの両主表面間の最小板厚をD、前記外周部における両主表面間の最大板厚をD(>D)とするとき、前記線分上の前記中心位置から0.4R〜0.8Rの位置における両主表面間の最大板厚が(D+D)/2以下である、ことが好ましい。
前記両主表面間の板厚が最小となる位置と前記中心位置との距離は0.3R〜0.7Rである、ことが好ましい。
前記外周部の最大板厚となる位置がガラスブランクの外縁上にあることが好ましい。
本発明の第三の態様は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円孔の形成されたディスク状のガラスブランクであって、
前記ガラスブランクの中心を含む中央部には板厚方向に前記ガラスブランクを貫通した円孔が設けられ、
前記ガラスブランクの前記中央部を囲む外周部及び前記円孔に接する前記ガラスブランクの内縁上の板厚は、前記内縁と前記外周部の間に位置する半径方向の中間部の板厚よりも厚く、
前記外周部における最大板厚となる位置が前記ガラスブランクの外縁上にあり、前記外周部における最大板厚は、前記内縁上における板厚よりも厚い。
前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方は、
粗さ曲線要素の平均長さRSmが500μm以下であり、前記中央部を囲む外側領域と、前記外側領域に囲まれ、粗さ曲線要素の平均長さRSmが200μm以上であり、前記中央部に設けられた内側領域と、を有し、
前記外側領域の粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS1、前記内側領域の粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS2とするときRS1<RS2である、ことが好ましい。
前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方は、
前記中央部において、前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に先細り状の凹陥部又は小突起を有する、ことが好ましい。
本発明の第四の態様は、磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクの製造方法であって、
溶融ガラスを少なくとも上下一対の型で挟み込んで加圧することで、溶融ガラスを円板状に押し伸ばすことにより、ガラスブランクを形成するプレス成形工程を含む。
前記ガラスブランクの中央部および前記中央部を囲む外周部が、前記中央部と前記外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚く、
前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差をDとし、
前記外周部の最大板厚となる位置と前記ガラスブランクの中心位置とを結ぶ仮想直線上の前記ガラスブランクの中心位置から前記ガラスブランクの主表面上の外縁までの線分の長さをRとするとき、
前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.2Dよりも大きい。
前記プレス成形工程後、前記ガラスブランクをセッターに挟み込んだ状態で加熱する熱処理工程、を含む、ことが好ましい。
前記熱処理工程後、前記ガラスブランクの中心位置を含む前記中央部に円孔を形成する円孔形成工程と、を含むことが好ましい。
本発明の第五の態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
請求項16に記載にガラスブランクの製造方法で前記円孔を有するガラスブランクを製造する工程と、前記円孔が形成され前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方を研削または研磨する工程と、を含む。
本発明によれば、ガラスブランクを上記形状とすることで、研削処理において確実に平坦度を低減することができる。
一実施形態にかかるガラスブランクの断面図である。 レーザー変位計を用いて計測したガラスブランクの板厚プロファイルを示す図である。 ガラスブランクのプレス成形処理装置を示す斜視図である。 一実施形態のガラスブランクの例の鉛直断面図である。 一実施形態のガラスブランクを作製する下部金型の例の中心を通る鉛直断面図である。 他の一実施形態のガラスブランクの例の鉛直断面図である。 他の一実施形態のガラスブランクの例の鉛直断面図である。 他の一実施形態のガラスブランクを作製する下部金型の例の中心を通る鉛直断面図である。 他の一実施形態のガラスブランクを作製する下部金型の例の中心を通る鉛直断面図である。
以下、本実施形態に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
本発明者が研削処理におけるガラスブランクの動態を調べたところ、以下の内容が判明した。すなわち、ガラスブランクを両面研削装置の上定盤と下定盤との間に狭持するとガラスブランクとの当接によって撓み変形が生じる。この撓み変形により、ガラスブランクの平坦度は一時的に小さくなるように変形する。しかし、この状態で研削処理を行っても、研削処理後にガラスブランクを上定盤と下定盤との間から取り出したときに撓み変形が解放され平坦度が元に戻ってしまい、研削処理による平坦度の向上が図れない。(所謂スプリングバック現象)。そのため、研削処理前までにガラスブランクは反りや微小うねりを効率よく抑え、平坦度を高いものとすることが必要となる。
そこで、本発明者が検討したところ、プレス成形の条件を調整することにより、ガラスブランクを特定の形状とすることで、プレス成形によって生じた撓み変形を熱処理(アニール)によって除去して高い精度で平坦度を向上することができ、両面研削装置の上定盤と下定盤との間に狭持したときにガラスブランクの平坦度が小さくなるようなスプリングバックによる変形を抑制し、少ない研削量であっても確実に平坦度を向上したガラス基板を得ることができることがわかった。これより、以下に示す態様のガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を想到した。
なお、下記に説明する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、公称2.5〜3.5インチサイズ(直径65〜95mm)、板厚0.1〜1.5mmの磁気ディスク用ガラス基板の製造に好適である。特に、以下説明するガラスブランクの製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、板厚0.3〜0.9mmの範囲の磁気ディスク用ガラス基板の製造に好適である。磁気ディスク用ガラス基板は、ガラスブランクに円孔形成処理や形状加工処理等を行って製造されるため、ガラスブランクは、最終製品の磁気ディスク用ガラス基板の直径より大きめのサイズのガラスブランク、例えば、10%程度大きめのガラスブランクが作製される。例えば、公称2.5〜3.5インチサイズ(直径65〜95mm)の磁気ディスク用ガラス基板を製造する場合、作製されるガラスブランクのサイズは、例えば、直径に換算して70〜109mmである。また、磁気ディスク用ガラス基板に形成される円孔の大きさは直径10〜25mmであることが好ましく、具体的には直径65mmのサイズのガラス基板であれば円孔は直径20mm、直径90mmのサイズのガラス基板であれば円孔は直径25mmとすることが好ましい。
(磁気ディスク用ガラス基板)
まず、磁気ディスク用ガラス基板について説明する。磁気ディスク用ガラス基板は、円板形状である。なお、磁気ディスク用ガラス基板は、外周と同心の円形の中心孔がくり抜かれたリング状であってもよい。磁気ディスク用ガラス基板の両面の円環状領域に磁性層(記録領域)が形成されることで、磁気ディスクが形成される。
(磁気ディスク用ガラスブランク)
磁気ディスク用ガラスブランク(以降、単にガラスブランクという)は、プレス成形により作製される円形状のガラス板である。ガラスブランクの材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
(磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
次に、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を説明する。先ず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクをプレス成形により作製する(プレス成形処理)。次に、作製されたガラスブランクの中心部分に円孔を形成しリング形状(円環状)とする(円孔形成処理)。次に、ガラスブランクの外周端部および円孔の内周端部に対して研削により面取り加工を行う(形状加工処理)。これにより、ガラス基板中間体が作製される。次に、形状加工されたガラス基板中間体の両主表面に対して固定砥粒による研削を行う(研削処理)。主表面の研削が行われたガラス基板中間体に対して端面研磨を行う(端面研磨処理)。次に、ガラス基板の主表面に第1研磨を行う(第1研磨処理)。次に、必要に応じてガラス基板に対して化学強化を行う(化学強化処理)。次に、化学強化されたガラス基板に対して第2研磨を行う(第2研磨処理)。以上の処理を経て、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。なお、プレス成形処理後、必要に応じて、ガラスブランクをセッターに挟み込んだ状態で加熱する熱処理工程、を含むことが好ましい。さらに、この熱処理工程後、円孔形成工程を行うことが好ましい。以下、各処理について、詳細に説明する。
本明細書でいうガラスブランクは、中心に円孔が形成された、主表面が研削処理または研磨処理される前のガラス基板中間体を対象とするのみならず、プレス成形処理により成形された、円孔形成処理あるいは形状加工処理前のガラス板もガラスブランクという。
(a)プレス成形処理
所定の温度に調整された溶融ガラス流の先端部を切断器により切断し、切断された溶融ガラス塊を所定の温度に調整された一対の金型のプレス成形面の間に挟みこみ、プレスしてガラスブランクを成形する。一対の金型は上下方向に対向して配置され、溶融ガラス塊を下型に配置し、型締めを行うことにより所定時間プレスを行った後、金型を開いてガラスブランクが取り出される。一対の金型は、上型に対して下型の温度を高く設定することが好ましい。さらに、プレス成形により得られたガラスブランクは必要に応じて熱処理を行うことで、成形時の残留歪を除去し反りや微小うねりを抑制することができる。
(b)円孔形成処理
ガラスブランクに対してコアリング、スクライビング等により円孔を形成することによりガラスブランクの中央部に円形状の孔があいたディスク状のガラス基板中間体であるガラスブランクを得ることもできる。
コアリングは、一方の端が開口した筒状のコアドリルによってガラスブランクを一方の主表面から切削することで、円孔の円周部を削り取り中心部(コア)のガラスをくり抜き、貫通孔を形成する方法である。なお、円孔の円周部(内側円)を削り取るとともに、ガラスブランクの外側輪郭線となる円形の切断線(外側円)をコアドリルによって削り取ってもよい。その後、ガラスブランクの外側円よりも外側の部分および内側円よりも内側の部分が除去されることで、ディスク状のガラス基板中間体が得られる。
スクライビングは、超鋼合金製あるいはダイヤモンド粒子からなるカッター(スクライバ)によりガラスブランクの一方の主表面に円形の切断線を設け、その後ガラスブランクを加熱することにより円形の切断線をガラスブランクの厚さ方向に伸展させ、円形の切断線の内部を押圧して分離する方法である。なお、円孔の輪郭線となる円形の切断線と同時に、ガラスブランクの外側輪郭線となる円形の切断線を同時に形成してもよい。この場合、ガラスブランクの外側輪郭線となる円形の切断線と、円孔の輪郭線となる円形の切断線とを同心円となるように形成する。その後、ガラスブランクを部分的に加熱することにより、ガラスブランクの熱膨張の差異によって、切断線が板厚方向に伸展し、ガラスブランクの外側円よりも外側の部分および内側円よりも内側の部分が除去され、ディスク状のガラス基板中間体が得られる。
(c)形状加工処理
形状加工処理では、ガラス基板中間体の外周端部に対する面取り加工を行う。円孔形成処理後のガラス基板中間体については、円孔の内周端部に対する面取り加工も行う。
(d)研削処理
研削処理では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、ガラス基板中間体の主表面に対して研削加工を行う。具体的には、ガラス基板中間体の外周側端面を、両面研削装置の保持部材に設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板中間体の両主表面の研削を行う。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。上定盤の下面および下定盤の上面には、ダイヤモンド固定砥粒を有する研削シート(ダイヤモンドシート)が固定されており、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させ、ガラス基板中間体と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板中間体の両主表面を研削することができる。
(e)端面研磨処理
端面研磨処理では、ガラス基板中間体の外周側端面に対して、ブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。円孔形成処理後のガラス基板中間体については、円孔の内周側端面に対しても、鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含む砥粒スラリが用いられる。
(f)第1研磨処理
第1研磨は、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする。具体的には、研削処理されたガラス基板中間体の外周側端面を、両面研磨装置の研磨用キャリアに設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板中間体の両側の主表面の研磨が行われる。
第1研磨処理では、固定砥粒による研削処理に用いる両面研削装置と同様の構成を備えた両面研磨装置を用いて、研磨スラリを与えながらガラス基板中間体が研磨される。第1研磨処理では、固定砥粒による研削と異なり、固定砥粒の代わりに遊離砥粒を含む研磨スラリが用いられる。
両面研磨装置は、両面研削装置と同様に、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板中間体が狭持される。下定盤の上面及び上定盤の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッド(例えば、樹脂ポリッシャ)が取り付けられている。上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板中間体と各定盤とを相対的に移動させることにより、ガラス基板中間体の両主表面が研磨される。
(g)化学強化処理
化学強化処理では、ガラス基板中間体を化学強化液中に浸漬することで、ガラス基板中間体を化学強化する。化学強化液として、例えば硝酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合熔融液等を用いることができる。
(h)第2研磨(最終研磨)処理
第2研磨処理は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、第1研磨に用いる両面研磨装置と同様の構成を有する両面研磨装置が用いられる。具体的には、ガラス基板中間体の外周側端面を、両面研磨装置の研磨用キャリアに設けられた保持孔内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第2研磨処理が第1研磨処理と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。具体的には、粒径5〜100nm程度のコロイダルシリカを遊離砥粒として含む研磨液が両面研磨装置の研磨パッドとガラス基板中間体の主表面との間に供給され、ガラス基板中間体の主表面が研磨される。研磨されたガラス基板を中性洗剤、純水、イソプロピルアルコール等を用いて洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
以下、このような磁気ディスク用ガラス基板の素板となるガラスブランクについて、第1〜3の形態について説明する。
[第1の形態のガラスブランク]
(プレス成形処理後のガラスブランクの形状)
ここで、プレス成形処理後の第1の形態のガラスブランクの形状について説明する。
図1は第1の形態にかかるガラスブランク1の中心を通り主表面と垂直な面による模式的な断面図である。図1では、ガラスブランク1の形状の理解が容易にできるように、形状を強調して図示している。図1に示すように、ガラスブランク1の両主表面は、中央部に半径方向の中間部よりも突出した中央突出部11を有するとともに、外周部に中間部よりも突出した外側突出部12を有する。また、半径方向の中間部には、中央突出部11および外側突出部12に対して相対的に窪んだ凹形状の凹部13を有する。すなわち、ガラスブランク1の両主表面は、ガラスブランク1の中心を通り主表面と垂直な断面において、ガラスブランク1の半径に等しい波長を有する、うねり形状を有している。うねり形状について、振幅は非対称であり、その形状はガラスブランク1における中央部CP、中間部IP、外周部OPによって特徴づけられる。
ここで、ガラスブランク1の「中央部」とは、ガラスブランク1の中心からガラスブランク1の半径の0%以上30%未満の距離の領域をいい、「中間部」とは、ガラスブランク1の中心からガラスブランク1の半径の30%以上90%未満の距離の領域をいい、「外周部」とは、ガラスブランク1の中心からガラスブランク1の半径の90%以上100%以下の距離の領域をいう。尚、ガラスブランク1の半径とはガラスブランク1の中心と外縁を結ぶ線分であり、外縁とはガラスブランク1の主表面と外側の端面の境界である。
ガラスブランク1の主表面の中央部と外周部の板厚が共に中間部の板厚に比べて大きく、その板厚が略同一の厚さとなっている。このようなガラスブランク1の形状は、以下のような磁気ディスク用ガラス基板を作製する上で優れた利点を有する。
すなわち、プレス成形後にガラスブランクを平坦なセッターに挟み込み、ガラスブランク1の両主表面を加圧した状態で熱処理することにより、ガラスブランク1を平坦に矯正することができる。具体的には、ガラスブランク1が上記のような形状であることから、ガラスブランク1をセッターを用いた熱処理を行うとき、ガラスブランク1の中央部と外周部がそれぞれセッターと当接するので、熱処理により、ガラスブランク1が全体として平坦に矯正されることとなる。
このため、ガラスブランク1の主表面の研削処理において、平坦に矯正されたガラスブランクを両面研削装置の上定盤と下定盤との間に狭持して圧力をかけたときに、平坦度または平行度が変化するような撓み変形が生じにくい。すなわち、平坦に矯正されたガラスブランク1は上定盤と下定盤により挟持されて圧力を受けても撓み変形が生じない。この撓み変形が生じない状態でガラスブランク1の研削は開始されるので、所謂スプリングバック現象が生じない。したがって、研削処理においてガラスブランク1の主表面の平坦度の公差を確実に小さくすることができる。換言すれば、プレス成形によって生じるうねりを調整し、板厚が大きくなる部分を円孔形成処理及び形状加工処理によって除去する領域に一致させることで、ガラスブランク1から円孔形成処理及び形状加工処理を経て板厚の厚い部分が除去されたガラス基板中間体が得られるので、その後の研削処理及び研磨処理の際に少ない取り代または少ない除去量で平坦度の高い磁気ディクス用ガラス基板を得ることができることとなる。さらに、ガラスブランク1は、中央突出部11および外側突出部12の高さが略同一となるように形成されているとともに、中央突出部11は円孔形成によって除去される中央部CPの領域に対応したなだらかな突出部である一方、外側突出部12は円孔形成処理及び形状加工処理によって除去されるガラスブランク1の外周部の領域に対応した相対的に急勾配な突出部として形成される。これにより、円孔形成処理及び形状加工処理により中央突出部11および外側突出部12が除去されることによりガラスブランクの板厚の大きい部分の占める割合が減少し、研削および研磨における取り代を低減させることができ、これにより研削および研磨における加工時間を短時間で効率良く高い精度の平坦度を有する磁気ディスク用ガラス基板を得ることができる。
なお、一方の主表面における「うねり」の位相は、他方の主表面における「うねり」の位相から半波長ずれていることが好ましい。すなわち、ガラスブランク1の一方の主表面の中央突出部11における最も突出した部分の位置は、他方の主表面の中央突出部11における最も突出した部分の位置と対向する位置であることが好ましい。同様に、ガラスブランク1の一方の主表面の外側突出部12における最も突出した部分の位置は、他方の主表面の外側突出部12における最も突出した部分の位置と対向する位置であることが好ましい。このような構成とすることで、ガラスブランク1が上定盤と下定盤との間に狭持されたときにガラスブランク1の主表面に所謂スプリングバック現象が生じることを防ぐことができる。
中央突出部11における最大の板厚と、外側突出部12における最大の板厚とが、略同一であることが好ましい。ここで、ガラスブランクの最大板厚及び最小板厚、ガラスブランク1の中央突出部11における最大の板厚および外側突出部12における最大の板厚は、レーザー変位計を用いてガラスブランク1の全面の板厚を計測することにより、求めることができる。
なお、中央部CP、中間部IP、外周部OPの各領域における板厚及び中心位置から0.9R、0.8Rの距離となる位置における板厚については、ガラスブランク1の主表面の中心を通る径方向の直交する2本の直線と、主表面の中心からの距離が所定の位置又は各領域における代表値となる円との交点である合計4箇所の値の平均値をそれぞれにおける板厚とする。尚、中央部CP、中間部IP、外周部OPの各領域における板厚については、それぞれの領域における板厚の中央値で厚さを比較することが好ましい。中央部CPはガラスブランクの中心からの距離が1.5Rとなる位置で測定した板厚、中間部IPはガラスブランクの中心からの距離が6Rとなる位置で測定した板厚、外周部OPはガラスブランクの中心からの距離が9.5Rとなる位置で測定した板厚を、それぞれの代表値とすることができる。
ガラスブランク1の厚さは、凹部13となる中間部IPの位置で最も小さい。ガラスブランク1の最小の厚さとガラスブランク1から得られる磁気ディスク用ガラス基板の厚さとの差が、ガラスブランク1の主表面に対して研削、研磨等の機械加工における最小限必要な取り代となる。
図2はレーザー変位計を用いて計測したガラスブランク1の板厚と中心からの距離との関係を示す図である。ガラスブランク1の両主表面間の最大板厚と最小板厚との差をDとし、外側突出部12の最大板厚となる位置とガラスブランク1の主表面の中心位置とを結ぶ仮想直線上におけるガラスブランクの中心位置からガラスブランクの外縁までの主表面上の線分の長さをRとするとき、線分上の中心位置から0.9Rの距離となる位置におけるガラスブランク1の板厚と外側突出部12の最大板厚との板厚差をΔd1とするとき、Δd1は0.2Dよりも大きい。すなわち、中心位置から0.9Rの距離の位置から最大板厚となる位置に向かって、ガラスブランク1の板厚が急激に増加する形状となっている。Δd1は、0.23Dよりも大きいことが好ましく、0.25Dよりも大きいことがより好ましく、0.3Dよりも大きいことがさらにより好ましく、0.4Dよりも大きいことが特に好ましい。また、外周部の最大板厚となる位置がガラスブランクの外縁上にあることが好ましい。外縁が外周部の最大板厚とならない場合には、外縁は仮想直線上にないため、主表面におけるガラスブランクの外縁から板厚方向に引いた直線と仮想直線の交点をとり、ガラスブランクの中心位置から交点までの主表面上の線分の長さをRとする。ここで、外周部の最大板厚となる外側突出部の最大板厚となる位置は、レーザ変位計を用いて測定した外周部の板厚のうち最も板厚が大きくなる点であって、円周方向の一点として決定される。
なお、Dは30μm以下である。Dは20μm以下であることが好ましい。また、Δd1は、7μm以上であることが好ましい。
また、外側突出部12の最大板厚となる位置とガラスブランク1の主表面の中心位置とを結ぶ線分上の中心位置から0.8Rとなる距離における位置の板厚と、前記線分上の中心位置から0.9Rとなる距離における位置の板厚との板厚差をΔd2とするとき、Δd2は、Δd1の1/3以下である、ことが好ましい。
ガラスブランク1の両主表面間の最小板厚をD、外側突出部12における両主表面間の最大板厚をD(>D)とするとき、前記線分上の中心位置から0.4R〜0.8Rの位置における両主表面間の最大板厚が(D+D)/2以下である、ことが好ましい。
また、両主表面間の板厚が最小となる位置と中心位置との距離をR1とするとき、R1は0.3〜0.7Rである、ことが好ましい。
このように、ガラスブランク1の外側突出部12の最大板厚となる位置とガラスブランク1の主表面の中心位置とを結ぶ仮想直線上において、中心位置から0.9Rの距離の位置から最大板厚となる位置に向かって、ガラスブランク1の板厚が急激に増加する形状となっていることで、円孔形成処理及び形状加工処理によってガラス基板中間体とした状態で、中央部の板厚および外周部の板厚が中間部と同じ板厚以下となるように研削することで、研削処理における取り代を極力小さくすることができる。このため、研削処理にかける時間を短縮することができる。一実施形態によれば、上記仮想直線上に沿った形状、すなわち、図1に示すガラスブランク1の断面図における少なくとも一方の主表面の形状のうち、ガラスブランク1の主表面の中心位置から0.9Rの距離の位置における形状の曲率半径は、1〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。このような曲率半径を持つ形状とすることにより、上述したようにガラスブランク1の熱処理(アニール)によって高い精度で平坦度を調整することができ、その後に行う円孔形成処理及び形状加工処理により板厚が大きくなった部分が除去されることで、主表面の研削処理及び研磨処理における取り代量を低減して短時間に研削及び研磨を行うことができる。
さらに、一実施形態のガラスブランク1は、以下の形態を備えることも好ましい。すなわち、図1に示すガラスブランク1の中心を含む中央部には板厚方向にガラスブランク1を貫通した円孔が設けられる。ガラスブランク1の中央部を囲む外周部の板厚と円孔に接する内縁上の板厚は、円孔と外周部の間に位置する半径方向の中間部の板厚よりも厚い。しかも、ガラスブランク1の外周部における最大板厚となる位置がガラスブランク1の外縁上にあり、外周部における最大板厚は、円孔に接する内縁上における板厚が最大となる中央最大板厚よりも厚い。この場合、円孔が設けられる前のガラスブランク1の中央部および外周部は、中央部と外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚いものである。つまり、ガラスブランク1の主表面の研削処理及び研磨処理の前に、中央部に円孔形成処理を行って中央部の一部が除去される他、形状加工処理等による端面の取り代を残して外側部分の一部が除去されるので、中央部と最大板厚を含む板厚の厚い外周部の多くの部分は除去される。このため、ガラスブランク1の研削処理及び研磨処理における主表面の取り代を低減することができ、研削処理及び研磨処理の時間を短くすることができ、平坦度の高いガラス基板を効率よく製造することができる。
(金型)
次に、プレス成形処理に用いる1対の金型の一例について説明する。プレス成形に用いる1対の金型は、下部金型30と、上部金型40とからなる。
ここで、プレス成形処理に用いるプレス成形処理装置について説明する。図3はガラスブランクのプレス成形処理に用いるプレス成形処理装置の斜視図である。
図3に示すように、プレス成形処理装置は、ターンテーブル21と、複数のプレス機下部22と、複数の下部金型30と、上部金型40と、プレス機上部23と、回転軸24と、流出ノズル25と、を備える。
ターンテーブル21は円板状であり、ターンテーブル21の上部には、複数のプレス機下部22が周方向に等間隔に配列された状態で固定されている。複数のプレス機下部22の上部には、それぞれ下部金型30が固定されている。
ターンテーブル21の中心には回転軸24が設けられている。ターンテーブル21は複数のプレス機下部22、複数の下部金型30、下部金型30の上面に滴下された溶融ガラス26および成形されたガラスブランク1とともに、回転軸24を中心に回転する。
プレス機下部22の上部には、下部金型30が設けられている。また、プレス機下部22の内部には、下部金型30の温度を制御する図示しないヒータが埋め込まれている。
下部金型30の上面は平坦であり、この上面(プレス面31)の中央部に溶融ガラス26が滴下される。下部金型30は例えば金属窒化物(例えば窒化アルミニウム)からなる。下部金型30は、例えば冷間等方圧プレスにより金属窒化物を成形することで、製造することができる。
複数の下部金型30のいずれか1つの上方には、流出ノズル25が設けられている。流出ノズル25は、流出ノズル25の下方に配置された下部金型30の上面(プレス面31)に、溶融ガラス26を流出させる。溶融ガラス26は図示しないブレードによって切断され、溶融ガラス塊10として下部金型30の上面(プレス面31)に載置される。
また、複数の下部金型30のうち、上方に流出ノズル25が配置されたものよりもターンテーブル21の回転方向の下流側に配置された下部金型30の上方には、プレス機上部23が設けられている。プレス機上部23の下部には、上部金型40が設けられている。また、プレス機上部23の内部には、上部金型40の温度を制御する図示しないヒータが埋め込まれている。
溶融ガラス塊10が滴下された下部金型30を支持するプレス機下部22がターンテーブル21によってプレス機上部23の下方に移送される毎に、プレス機上部23は上部金型40が溶融ガラス塊10に接触して溶融ガラス塊10を下方に加圧するまで下降し、上昇することを繰り返す。
上部金型40は下部金型30の上面に滴下された溶融ガラス塊10を下方に加圧するものである。上部金型40は下部金型30よりも熱伝導性が高い材料(例えばタングステン合金)からなる。このため、下部金型30の上面に滴下された溶融ガラス塊10は上部金型40と接触するまでは高温の状態が維持され、溶融ガラス塊10の上方から上部金型40が溶融ガラス塊10を押圧することで、上部金型40に接触した溶融ガラス塊10が急速に冷却され、ガラスブランク1に成形される。
なお、下部金型30および上部金型40のプレス面は、ガラス塊10から成形されるガラスブランク1の主表面よりも広いことが好ましい。このような下部金型30および上部金型40を用いてガラス塊10のプレス成形をすることで、成形されるガラスブランク1の端面が、下部金型30および上部金型40に接触することなく形成される。この場合、ガラスブランク1の端面は金型に接触して急速に冷却されることがなく、気相雰囲気に放熱することで冷却される。このため、ガラスブランク1の端面の表面に圧縮応力層が形成されないか、形成されたとしてもその圧縮の程度を極めて小さくすることができる。なお、表面の圧縮応力は、周知のバビネ補正法により測定することができる。
成形されたガラスブランク1は、下部金型30の上面に載置された状態で冷却されながら、ターンテーブル21によって搬送される。冷却されたガラスブランク1は、図示しない吸着手段によって下部金型30の上面から取り外され、以後の形状加工等の処理を行う装置へ搬送される。
溶融ガラス26の熱履歴を考慮して、溶融ガラス26が滴下される上面(プレス面31)が平坦な下部金型30および溶融ガラス26を押圧する下面が平坦な上部金型40を用いて図1に示すのと同様の断面形状を有するガラスブランク1を得ることができる。
ガラスブランク1の中央部CPは、溶融ガラス26を下部金型30の上面に滴下したときに最初に下部金型30に接触する部分である。溶融ガラス塊10の最初に下部金型30に接触する部分は下部金型30に熱を奪われることで最初に冷却される部分である。また、下部金型30の上面に滴下された溶融ガラス塊10は表面から冷却されるため、表面の粘性が上昇する。一方、溶融ガラス塊10の内部は冷却されずに高温のままであるため、内部の粘性は低い状態で維持される。
次に、下部金型30の上面に滴下された溶融ガラス26を上部から上部金型40で押圧すると、溶融ガラス塊10の最初に上部金型40に接触する部分が冷却される。その後、さらに上部金型40を押し下げると、溶融ガラス塊10の内部の粘性が低い部分が表面の粘性が高い部分を突き破って急激に押し出される。押し出された溶融ガラス26は下部金型30および上部金型40に挟持されることで急激に冷却され、ガラスブランクの外周部OPを形成する。
一方、ガラスブランク1の中央部CPと外周部OPの間の中間部IPは、中央部CPおよび外周部OPよりも冷却速度が遅くなる。その後、中間部IPが冷却されると、中間部IPが収縮することで厚さが小さくなり、中央部CPと外周部OPとの間の中間部IPに凹部13が形成され、中間部IPよりも突出した中央突出部11が中央部CPに、中間部IPよりも突出した外側突出部12が外周部OPに形成される。
このように、下部金型30および上部金型40によるプレス圧やプレス時間を調節することで、溶融ガラス26の熱履歴を利用して図1に示すのと同様の断面形状を有するガラスブランク1を得ることができる。
このような金型を用いたプレス成形では、滴下された溶融ガラス26を下部金型30と上部金型40との間でプレス成形するので、滴下した溶融ガラス26はプレス成形されるまでに下部金型30に接触する側が冷却され、その後プレスされ下部金型30に載置された状態となる。このため、ガラスブランク1の両主表面のうち、成形前に冷却が進行する下側の主表面と、成形時のみ上部金型40と接触していた上側の主表面とで熱履歴が異なる。
さらに、ガラスブランク1の上側の主表面および下側の主表面の外観には差異がないため、成形されたガラスブランク1をその後の加工処理のために搬送する際にガラスブランク1の主表面の向きが反転すると、成形工程における上側の主表面と下側の主表面とを判別することが困難となる。主表面の向きが反転したガラスブランク1が混在した状態で加工処理が行われると、得られる磁気ディスク用ガラス基板の品質にバラツキが生じるという問題がある。
また、プレス成形後のガラスブランク1が下部金型30に張り付いて離形するのが困難であったり、下部金型30に張り付いた溶融ガラス26の成分がプレス成形を繰り返すことにより突起物として成長し、成形されたガラスブランク1に凹陥部形状の欠陥として転写される問題があった。一方、下金30の表面の粗さを大きくし、ガラスブランク1との接触面積を小さくすることで張り付きや突起物の形成を抑制することが可能であるが、プレス成形されたガラスブランク1の表面粗さが大きくなり、その後の研磨処理に時間を要するだけでなく、下部金型30を載せたターンテーブル21を回転させながら、下部金型30の上部で成形されたガラスブランク1を冷却するとき、遠心力によってガラスブランク1が下部金型30に対して回転径方向外側に移動して飛び出すおそれがある。
このため、上記問題を解決するために、ガラスブランク1は、以下の第1の形態の構成に加えて、第2の形態及び第3の形態の構成を有することが好ましい。
[第2の形態のガラスブランク]
図4は、一実施形態のガラスブランク1の例の鉛直断面図である。
円板状のガラスブランク1は、第1の形態のガラスブランク1と同様に、ガラスブランク1の中央部および外周部は、中央部と外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚い。ガラスブランク1の両主表面の少なくとも一方は、粗さ曲線要素の平均長さRSmが500μm以下である外側領域18bと、外側領域18bに囲まれた、粗さ曲線要素の平均長さRSmが200μm以上の内側領域18aと、を有する。外側領域18bは、第1の形態における中央部を囲み、内側領域18aは、第1の形態における中央部に設けられている。外側領域18bの粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS1、内側領域18aの粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS2とするときRS1<RS2である。ここで、ガラスブランクの「中心」とは、ガラスブランクの外周形状が正円ではない場合には、ガラスブランクの外周に対する最小の外接円の中心をいう。また、ガラスブランクの「半径」とは、ガラスブランクの外周形状が正円ではない場合には、ガラスブランクの外周に対する最小の外接円の半径をいう。「外周部」及び「中央部」は、第1の形態で説明した定義と同じである。
なお、ガラスブランクに円孔が形成される場合には、内側領域は、ガラスブランク1の中心から、ガラスブランク1の半径の20〜25%の距離、ガラスブランク1の中心から離れた位置までの領域に形成され、円孔は内側領域の外側で切断することが好ましいが、内側領域内に円孔が形成されるように、円孔が形成される領域よりも広い範囲を「内側領域」としてもよい。粗さ曲線要素の平均長さRSmは、JIS B0601:2001に準拠して、接触式粗さ測定器により測定することができる。 RS1/RS2は0.5〜0.9であることが好ましい。
また、RS1は200〜400μmであり、RS2は300〜600μmであることが好ましい。内側領域18aの面積をS1、ガラスブランク1の主表面の全面積をS0とするとき、S1/S0は0.01〜0.2であることが好ましい。
このようなガラスブランク1は、第1の形態で説明した下部金型30の上面に溶融ガラス26を滴下し、溶融ガラス26を上部金型40と下部金型30との間に挟み込んで加圧することで溶融ガラス26を円板状に押し伸ばしてガラスブランクを成形するプレス成形処理で作製される。図5は、一実施形態のガラスブランク1を作製する下部金型30の例の中心を通る鉛直断面図である。
このとき、下部金型30の上面は、粗さ曲線要素の平均長さRSmが200μm以上の内側領域形成部31aと、内側領域形成部31aの外側に粗さ曲線要素の平均長さRSmが500μm以下の外側領域形成部31bとを有する。
外側領域形成部31bの粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS1、内側領域形成部31aの粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS2とするときRS1<RS2である。
このような金型を用いて、ガラスブランク1の中央部および外周部は、中央部と外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚く、外側領域18bの粗さ曲線要素の平均長さRSmは500μm以下で、内側領域18aの粗さ曲線要素の平均長さRSmは200μm以上であり、RS1<RS2を満たすガラスブランクを作製することができる。
第2の形態のガラスブランク1によれば、ガラスブランク1の下側主表面に、粗さ曲線要素の平均長さRSmが外側領域18bよりも大きい内側領域18aを設けることで、回転テーブル上の下型の上で冷却されるガラスブランク1が下型に対して移動することを防ぐとともに、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易にすることができる。
[第3の形態のガラスブランク]
図6,7は、一実施形態のガラスブランク1の例の鉛直断面図である。
円板状のガラスブランク1は、ガラスブランク1の中央部および外周部は、第1の形態のガラスブランク1と同様に、中央部と外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚い。ガラスブランク1の両主表面の少なくとも一方には、ガラスブランク1の中心から半径10mmの範囲内に先細り状の凹陥部19a又は小突起19bを有する。
ここで、先細り状とは、例えば、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、その他ガラスブランクの凹陥部19aが形成される主表面から反対側の主表面に向かって(凹陥部19aの底部に向かって)開口面積が小さくなる凹陥部の形状、あるいは、ガラスブランク1の小突起19bが形成される主表面から先端に向かって主表面と平行な断面積が小さくなる突起形状である。凹陥部19aあるいは小突起19bの主表面との接続部から底部あるいは先端に至る面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。
凹陥部19aの開口の最大径は、0.5〜15mmである、ことが好ましい。ここで、「開口の最大径」の「径」とは、凹陥部の開口の主表面における輪郭線が円である場合にはその半径をいい、凹陥部の開口の輪郭線が円ではない場合には、凹陥部の輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。凹陥部19aの一方の主表面からの最大深さはガラスブランク1の最大板厚の90%未満であることが好ましく、最大板厚の30%未満であることがより好ましい。
小突起19bの最大径は、0.2〜1.0mmである、ことが好ましい。ここで、「最大径」の「径」とは、小突起19bの主表面における輪郭線が円である場合にはその半径をいい、小突起19bの輪郭線が円ではない場合には、小突起19bの輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。小突起19bの最大高さは0.1〜2.0mmである、ことが好ましい。
このようなガラスブランク1は、第1の形態で説明した下部金型30の上面に溶融ガラス26を滴下し、溶融ガラス26を上部金型40と下部金型30との間に挟み込んで加圧することで溶融ガラス26を円板状に押し伸ばしてガラスブランク1を成形するプレス成形処理で作製される。図8,9は、一実施形態のガラスブランク1を作製する下部金型30の中心を通る鉛直断面図である。図8に示す下部金型30は、図6に示すガラスブランク1に対応する下部金型30であり、図9に示す下部金型30は、図7に示すガラスブランク1に対応する下部金型30である。このとき、図8あるいは図9に示すように、下部金型30の上面は、滴下された溶融ガラス26が接触する位置に突起33a又は凹部33bを有する。プレス成形処理では、成形されるガラスブランク1の下側の主表面のガラスブランク1の中心から半径10mmの範囲内に突起33aに対応する形状の凹陥部19a又は凹部33bに対応する形状の小突起19bを形成する。
より具体的に第3の形態のプレス成形処理を説明する。
図8に示す下部金型30は、図6に示す形状のガラスブランク1を作製するための下部金型30であり、第1の形態の下部金型30の構成に加えて、下部金型30の上面(プレス面31)の、滴下される溶融ガラス16が始めに接触する位置に突起33aが設けられている。突起33aは、先細り形状をしている。ここで、先細り形状とは、例えば、半球形状、円錐や多角錐等の錐体形状、円錐台や角錐台等の截頭錐体形状等、プレス面31の平坦部分から上端に向かって水平断面積が小さくなる形状である。突起33aのプレス面31との接続部から上端に至る側面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。プレス面31への溶融ガラス26の滴下は、成形後のガラスブランク1(図6参照)の中心Cから半径10mmの範囲内に突起33aが位置するように行うことが好ましい。
下部金型30は、金属窒化物を成形することで、始めからプレス面31に突起33aを有するように製造してもよいし、平坦なプレス面31を有する下部金型30を成形した後、プレス面31の中央部に突起33aを形成してもよい。例えば、平坦なプレス面31の突起33aを形成すべき領域に高温の溶融ガラスを密着させ、この状態で溶融ガラスの温度を低下させることで、溶融ガラスの成分がプレス面31に付着し、突起が形成される。さらに形成された突起に高温の溶融ガラスを密着させ、溶融ガラスの温度を低下させると、突起にさらに溶融ガラスの成分が付着することで、突起が大きくなる。これを繰り返すことで、所望の大きさの突起33aをプレス面31に形成することができる。
下部金型30のプレス面31の突起33a以外の部分は平面でありかつ平坦であり、算術平均粗さRa(JIS B0601)が5μm以下であることが好ましく、Raが2μm以下であることがより好ましい。
図6に示すガラスブランク1の下側主表面には、ガラスブランク1の中心Cから半径10mmの範囲内に、突起33aと対応する先細り状の凹陥部19aが形成されている。なお、図6においては、凹陥部19aは中心Cと一致する位置に形成されている。
下部金型30のプレス面31に突起33aが設けられるとともに、ガラスブランク1の下側主表面に凹陥部19aが設けられることで、ガラスブランク1が下部金型30の上部に載置された状態では、ガラスブランク1の凹陥部19aと下部金型30の突起33aとが嵌合している。このため、ターンテーブル21が回転しても、下部金型30の上部に載置されたガラスブランク1が遠心力によって下部金型30に対して回転径方向外側に移動することを防ぐことができる。また、ガラスブランク1の下部金型30と接触する主表面に凹陥部19aが形成される一方、ガラスブランク1の上部金型40と接触する主表面を平坦に形成することで、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易にすることができる。
ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易にするために、凹陥部19aの開口の最大径は、0.5mm以上とすることが好ましい。
一方、ガラスブランク1からガラス基板を作製した場合に凹陥部19aが影響しないように、ガラスブランク1の凹陥部19aを含む範囲に円孔を形成することが好ましい。円孔の形成を容易にするため、凹陥部19aの開口の最大径は円孔の内径よりも小さいことが好ましい。このため、凹陥部19aの開口の最大径は15mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
したがって、凹陥部19aの開口の最大径は、0.5〜15mmであることが好ましく、0.5〜10mmであることがより好ましい。
凹陥部19aの主表面からの最大深さが大きいと、ガラスブランク1に円孔を形成するときにガラスブランク1が割れるおそれがある。このため、凹陥部19aの主表面からの最大深さはガラスブランク1の最大板厚の90%未満であることが好ましく、ガラスブランク1の最大板厚の30%未満であることがより好ましい。凹陥部19aの主表面からの最大深さは800μm以下であることが好ましく、300μm以下であることが好ましい。
一方、ガラスブランク1を目視することにより、または検査装置により、ガラスブランク1の両主表面を識別できるように、凹陥部19aの主表面からの最大深さは50μm以上であることが好ましい。なお、凹陥部19aの主表面からの最大深さは50μm以上であれば、ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を充分に防ぐことができる。このため、凹陥部19aの主表面からの最大深さは50〜800μmであることが好ましく、50〜300μmであることがより好ましい。
凹陥部19aの主表面からの最大深さを上記範囲とすることで、ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易とすることができる。
ガラスブランク1の凹陥部19aを上記の形状とするため、下部金型30の突起33aの最大径を0.5〜15mmとすることが好ましい。ここで、「最大径」の「径」とは、突起33aの輪郭線が円である場合にはその半径をいい、突起33aの輪郭線が円ではない場合には、突起33aの輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。また、突起21aのプレス面21からの最大高さは、プレス成形されるガラスブランク1の最大板厚の5%よりも大きく、90%未満であることが好ましい。
下部金型30の突起33aを上記形状とすることで、ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易とすることができる。
図9に示す下部金型30は、図7に示す形状のガラスブランク1を作製するための下部金型30であり、第1の形態の下部金型30の構成に加えて、下部金型30の上面(プレス面31)の、滴下される溶融ガラス16が始めに接触する位置に凹部33bが設けられている。凹部33bは、先細り形状をしている。
凹部33bのプレス面31の平坦部分から底部に至る側面は平面であってもよいし、曲面(屈曲面や凹凸面)であってもよい。プレス面31への溶融ガラス16の滴下は、成形後のガラスブランク1(図7参照)の中心Cから半径10mmの範囲内に凹部33bが位置するように行うことが好ましい。
下部金型30のプレス面31の凹部33b以外の部分は平坦であり、算術平均粗さRaが5μm以下であることが好ましく、Raが2μm以下であることがより好ましい。
ガラスブランク1の下側主表面には、ガラスブランク1の中心Cから半径10mmの範囲内に、凹部33bと対応する形状の小突起19bがガラスブランク1に形成される。なお、図7においては、小突起19bは中心Cと一致する位置に形成されている。
下部金型30のプレス面31に凹部33bが設けられるとともに、ガラスブランク1の下側主表面に小突起19bが設けられることで、ガラスブランク1が下部金型30の上部に載置された状態では、ガラスブランク1の小突起19bと下部金型30の凹部33bとが嵌合している。このため、ターンテーブル21が回転しても、下部金型30の上部に載置されたガラスブランク1が遠心力によって下部金型30に対して回転径方向外側に移動することを防ぐことができる。また、ガラスブランク1の下部金型30と接触する主表面に小突起19bが形成される一方、ガラスブランク1の上部金型40と接触する主表面を平坦に形成することで、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易にすることができる。
ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易にするために、小突起19bの最大径は、0.2mm以上とすることが好ましい。一方、ガラスブランク1からガラス基板を作成した場合に小突起19bが影響しないように、ガラスブランク1の小突起19bを含む範囲に円孔を形成することが好ましい。ガラスブランク1の小突起19bを含む範囲に円孔を形成することを容易にするため、小突起19bの開口の最大径は1.0mm以下であることが好ましい。
また、ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を防ぐために、小突起19bの主表面からの最大高さは0.1mm以上であることが好ましい。
一方、小突起19bがガラスブランク1の搬送やガラスブランク1に対する円孔形成処理等の妨げとならないように、小突起19bの主表面からの最大高さは2.0mm以下であることが好ましい。
小突起19bの主表面からの最大高さを上記範囲とすることで、ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を防ぐことができ、小突起19bがガラスブランク1の搬送の妨げとならない。
ガラスブランク1の小突起19bを上記の形状とするため、下部金型30の凹部33bの最大径を0.5〜15mmとすることが好ましい。ここで、「最大径」とは、凹部33bの開口の輪郭線が円である場合にはその半径をいい、凹部33bの開口の輪郭線が円ではない場合には、凹部33bの開口の輪郭線に外接する最小の外接円の半径をいう。
また、凹部33bのプレス面31からの最大深さは、0.1mm〜2.0mmであることが好ましい。
下部金型30の凹部33bを上記形状とすることで、ガラスブランク1の下部金型30に対する移動を防ぐとともに、成形後のガラスブランク1の両主表面の判別を容易とすることができる。
以上、本発明のガラスブランク、ガラスブランクの製造方法、及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び各例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
第1の形態のガラスブランク1における中央部および外周部が半径方向の中間部より突出した円板状のガラスブランクを作製し、レーザ変位計を用いて全面の板厚を計測した。ガラスブランクの最大板厚Dと最小板厚Dとの差Dは表1に示すとおりである。また、ガラスブランクの外周部の板厚のうちの最大板厚となる位置とガラスブランクの中心位置とを結ぶ主表面上の線分の長さをRとし、前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と外周部の最大板厚との板厚差Δd1は表1に示すとおりである。
〔研削処理前の平坦度〕
プレス成形後、アニール処理を行った研削処理前のガラスブランクの主表面の全面を多機能ディスク用干渉計(オプティフラットPhase Shift Technology. Inc.製)により計測することで、反り量を測定した。
研削処理前の平坦度については、反り量が10μm未満であればA、10μm以上14μm未満であればB、14μm以上18μm未満であればC、18μm以上であればDと評価した。
結果を表1に示す。
〔研削処理後の平坦度〕
作製したガラスブランクに対してスクライビングにより円孔を形成するとともに所定の大きさとなるようにガラスブランクの外側部分を除去し、ガラス基板中間体とした。このガラス基板中間体の主表面に対して所定時間で取り代を30μmとして研削処理を行った。研削処理後の主表面の全面を多機能ディスク用干渉計(オプティフラットPhase Shift Technology. Inc.製)により計測することで、反り量を測定した。
研削処理後の平坦度については、反り量が1μm未満であればA、1μm以上3μm未満であればB、3μm以上4μm未満であればC、4μm以上であればDと評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2017170556
Δd1が0.2Dよりも大きい実施例1のほうが、Δd1が0.20Dである比較例1よりも、研削処理前後の反りが小さく、平坦度が小さくなることがわかる。さらに、実施例1よりもΔd1が0.25Dである実施例2のほうが、実施例2よりもΔd1が0.30Dである実施例3のほうが、実施例3よりもΔd1が0.40Dである実施例4のほうが、研削処理前後の反りが小さく、平坦度が小さくなることがわかる。
同様に、Δd1が0.20Dよりも大きい実施例5のほうが、Δd1が0.20Dである比較例2よりも、研削処理前後の反りが小さく、平坦度が小さくなることがわかる。さらに、実施例5よりもΔd1が0.25Dである実施例6のほうが、実施例6よりもΔd1が0.30Dである実施例7のほうが、実施例7よりもΔd1が0.40Dである実施例8のほうが、研削処理前後の反りが小さく、平坦度が小さくなることがわかる。
さらに、Dが30μmである比較例1および実施例1〜4よりも、Dが20μmである比較例2および実施例5〜8のほうが、Δd1/Dが同じ値でも、研削処理前後の反りが小さく、平坦度が小さくなることがわかる。
また、研削処理前の平坦度が小さいほど、一定時間内での研削処理後の平坦度が小さくなることがわかる。
1 ガラスブランク
11 中央突出部
12 外側突出部
13 凹部
21 ターンテーブル
22 プレス機下部
23 プレス機上部
24 回転軸
25 流出ノズル
26 溶融ガラス
10 溶融ガラス塊
18a 内側領域
18b 外側領域
19a 凹陥部
19b 小突起
30 下部金型
31 プレス面
31a 内側領域形成部
31b 外側領域形成部
33a 突起
33b 凹部
40 上部金型

Claims (17)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクであって、
    前記ガラスブランクの中央部および前記中央部を囲む外周部は、前記中央部と前記外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚く、
    前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差をDとし、
    前記外周部の最大板厚となる位置と前記ガラスブランクの中心位置とを結ぶ仮想直線上のガラスブランクの中心位置からガラスブランクの主表面上の外縁までの線分の長さをRとするとき、
    前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.2Dよりも大きい、ガラスブランク。
  2. 前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.25Dよりも大きい、請求項1に記載のガラスブランク。
  3. 前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.3Dよりも大きい、請求項1に記載のガラスブランク。
  4. 前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.4Dよりも大きい、請求項1に記載のガラスブランク。
  5. 磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクであって、
    前記ガラスブランクの全面における板厚において、
    前記ガラスブランクの中央部および前記中央部を囲む外周部は、前記中央部と前記外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚く、
    前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差は30μm以下であり、
    前記外周部の最大板厚となる位置と前記ガラスブランクの中心位置とを結ぶ仮想直線上のガラスブランクの中心位置からガラスブランクの主表面上の外縁までの線分の長さをRとするとき、
    前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離の位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、7μm以上である、ガラスブランク。
  6. 前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差は20μm以下である、請求項5に記載のガラスブランク。
  7. 前記線分上の前記中心位置から0.8Rの距離となる位置における板厚と前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚との板厚差は、前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差の1/3以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラスブランク。
  8. 前記ガラスブランクの両主表面間の最小板厚をD、前記外周部における両主表面間の最大板厚をD(>D)とするとき、前記線分上の前記中心位置から0.4R〜0.8Rの位置における両主表面間の最大板厚が(D+D)/2以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラスブランク。
  9. 前記両主表面間の板厚が最小となる位置と前記中心位置との距離は0.3R〜0.7Rである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のガラスブランク。
  10. 前記外周部における最大板厚となる位置がガラスブランクの外縁上にある、請求項1〜9記載のいずれか一項に記載のガラスブランク。
  11. 磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円孔の形成されたディスク状のガラスブランクであって、
    前記ガラスブランクの中心を含む中央部には板厚方向に前記ガラスブランクを貫通した円孔が設けられ、
    前記ガラスブランクの前記中央部を囲む外周部及び前記円孔に接する前記ガラスブランクの内縁上の板厚は、前記内縁と前記外周部の間に位置する半径方向の中間部の板厚よりも厚く、
    前記外周部における最大板厚となる位置が前記ガラスブランクの外縁上にあり、前記外周部における最大板厚は、前記内縁上における板厚よりも厚い、ガラスブランク。
  12. 前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方は、
    粗さ曲線要素の平均長さRSmが500μm以下であり、前記中央部を囲む外側領域と、
    前記外側領域に囲まれ、粗さ曲線要素の平均長さRSmが200μm以上であり、前記中央部に設けられた内側領域と、を有し、
    前記外側領域の粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS1、前記内側領域の粗さ曲線要素の平均長さRSmをRS2とするときRS1<RS2である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のガラスブランク。
  13. 前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方は、
    前記中央部において前記ガラスブランクの中心から半径10mmの範囲内に先細り状の凹陥部又は小突起を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のガラスブランク。
  14. 磁気ディスク用ガラス基板を製造するための円板状のガラスブランクの製造方法であって、
    溶融ガラスを少なくとも上下一対の型で挟み込んで加圧することで、溶融ガラスを円板状に押し伸ばすことにより、ガラスブランクを形成するプレス成形工程を含み、
    前記ガラスブランクの中央部および前記中央部を囲む外周部が、前記中央部と前記外周部の間に位置する半径方向の中間部よりも厚く、
    前記ガラスブランクの両主表面間の最大板厚と最小板厚との差をDとし、
    前記外周部の最大板厚となる位置と前記ガラスブランクの中心位置とを結ぶ仮想直線上の前記ガラスブランクの中心位置から前記ガラスブランクの主表面上の外縁までの線分の長さをRとするとき、
    前記線分上の前記中心位置から0.9Rの距離となる位置における板厚と前記外周部の最大板厚との板厚差は、0.2Dよりも大きい、ガラスブランクの製造方法。
  15. 前記プレス成形工程後、前記ガラスブランクをセッターに挟み込んだ状態で加熱する熱処理工程、を含む、請求項14記載のガラスブランクの製造方法。
  16. 前記熱処理工程後、前記ガラスブランクの中心位置を含む前記中央部に円孔を形成する円孔形成工程と、を含む請求項15記載のガラスブランクの製造方法。
  17. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    請求項16に記載にガラスブランクの製造方法で前記円孔を有するガラスブランクを製造する工程と、
    前記円孔が形成された前記ガラスブランクの両主表面の少なくとも一方を研削または研磨する工程と、を含む、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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