JPWO2017131084A1 - アニオン変性セルロースナノファイバー分散液およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このナノファイバーに関する様々な開発や研究が行われており、例えば、特許文献1には、ミクロフィブリル化したアニオン変性されたセルロース(アニオン変性ミクロフィブリル化植物繊維)が開示されている。
(1)アニオン変性セルロースを含む分散液を準備する工程、および当該分散液中の前記セルロースを解繊する工程を含む、アニオン変性セルロースナノファイバー分散液の製造方法であって、
前記アニオン変性セルロースの少なくとも一部のピラノース環の水酸基が、酸化または置換反応により変性されており、
前記解繊に供するアニオン変性セルロース水分散液の1.0重量%濃度における電気伝導度が500μS/cm以下である、製造方法。
(2)前記アニオン変性セルロースのピラノース環の少なくとも一部が置換反応により変性されており、その1.0重量%水分散液における電気伝導度が200μS/cm以下である、(1)に記載の製造方法。
(3)前記アニオン変性セルロースにおける結晶II型の存在比が結晶I型に対し1.5倍以上である、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記アニオン変性セルロースのピラノース環の少なくとも一部が酸化により変性されており、前記セルロースナノファイバーのカルボキシル基の量が、該セルロースナノファイバーの絶乾重量に対して、0.6〜3.0mmol/gである、(1)または(3)に記載の製造方法。
(5)前記アニオン変性セルロースのピラノース環の少なくとも一部が置換反応により変性されており、前記セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.02以上0.4未満である、(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(6)アニオン変性セルロースナノファイバーを含む水分散液であって、
当該水分散液が、1.0重量%濃度で測定した場合に500μS/cm以下の電気伝導度を有する、前記水分散液。
(7)前記アニオン変性セルロースナノファイバーにおける結晶II型の存在比が結晶I型に対し1.5倍以上であり、かつ、
当該水分散液が、1.0重量%濃度で測定した場合に200μS/cm以下の電気伝導度を有する、(6)に記載の水分散液。
本発明のアニオン変性セルロースナノファイバー分散液(以下「本発明の分散液」ともいう)は、アニオン変性セルロースを含む水分散液(以下「原料分散液」ともいう)を準備する工程、および当該分散液中の前記セルロースを解繊する工程を経て製造される。
原料分散液において分散媒(水)にアニオン変性セルロースが均一に分散していることが好ましいが、本発明における原料分散液はアニオン変性セルロースの一部が沈殿している態様や全部が沈殿している態様(混合物)も含む。
セルロース原料としては、植物(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等を起源とするものが知られており、本発明ではそのいずれも使用できる。植物または微生物由来のセルロース繊維が好ましく、植物由来のセルロース繊維がより好ましい。
アニオン変性とはセルロースにアニオン基を導入することであり、具体的に酸化または置換反応によってピラノース環にアニオン性基を導入することである。本発明において前記酸化反応とはピラノース環の水酸基を直接カルボキシル基に酸化する反応をいう。また、本発明において置換反応とは、当該酸化以外の置換反応によってピラノース環にアニオン性基を導入する反応である。
好ましいアニオン基としては、カルボキシメチル基等のカルボキシアルキル基が挙げられる。本発明におけるカルボキシアルキル基とは、−RCOOH(酸型)または−RCOOM(塩型)をいう。ここでRはメチレン基、エチレン基等のアルキレン基、Mは金属イオンである。カルボキシアルキル化セルロースは公知の方法で得てもよく、また市販品を用いてもよい。セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシアルキル置換度は0.40未満であることが好ましい。さらにアニオン基がカルボキシメチル基である場合、カルボキシメチル置換度は0.40未満であることが好ましい。当該置換度が0.40以上であるとセルロースナノファイバーとしたときの分散性が低下する。またカルボキシアルキル置換度の下限値は0.01以上が好ましい。操業性を考慮すると当該置換度は0.02〜0.35であることが特に好ましく、0.10〜0.30であることが更に好ましい。このようなカルボキシアルキル化セルロースを製造する方法の一例として、以下の工程を含む方法が挙げられる。当該変性は置換反応による変性である。カルボキシメチル化セルロースを例にして説明する。
i)発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0〜70℃、好ましくは10〜60℃、かつ反応時間15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、マーセル化処理する工程、
ii)次いで、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加し、反応温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃、かつ反応時間30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化反応を行う工程。
アニオン変性セルロースとしてカルボキシル化(酸化)したセルロースを用いることができる。本発明におけるカルボキシ基とは、−COOH(酸型)または−COOM(塩型)をいう。前述のとおりMは金属イオンである。カルボキシル化セルロース(「酸化セルロース」とも呼ぶ)は、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシル化(酸化)することにより得ることができる。特に限定されないが、カルボキシル基の量はアニオン変性セルロースナノファイバーの絶乾重量に対して、0.6〜3.0mmol/gが好ましく、1.0〜2.0mmol/gがさらに好ましい。カルボキシル化(酸化)方法の一例として、セルロース原料を、N−オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物、およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物との存在下で酸化剤を用いて水中で酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にアルデヒド基と、カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート基(−COO−)とを有するセルロース繊維を得ることができる。反応時のセルロースの濃度は特に限定されないが、5重量%以下が好ましい。
アニオン変性セルロースとしてエステル化したセルロースを用いることもできる。セルロース系原料にリン酸系化合物Aの粉末や水溶液を混合する方法、セルロース系原料のスラリーにリン酸系化合物Aの水溶液を添加する方法等が挙げられる。リン酸系化合物Aはリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸あるいはこれらのエステルが挙げられる。これらは塩の形態であってもよい。上記の中でも、低コストであり、扱いやすく、またパルプ繊維のセルロースにリン酸基を導入して、解繊効率の向上が図れるなどの理由からリン酸基を有する化合物が好ましい。リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウム等が挙げられる。これらは1種、あるいは2種以上を併用してリン酸基を導入することができる。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、下記解繊工程で解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましい。特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。また、反応を均一に進行できかつリン酸基導入の効率が高くなることから前記リン酸系化合物Aは水溶液として用いることが望ましい。リン酸系化合物Aの水溶液のpHは、リン酸基導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましいが、パルプ繊維の加水分解を抑える観点からpH3〜7が好ましい。
次工程の解繊工程に供する分散液として、前記アニオン変性セルロースの水分散媒(原料分散液)を準備する。アニオン変性セルロース濃度は0.01〜10重量%であることが好ましい。解繊工程に供する原料分散液の電気伝導度は、1.0重量%濃度で測定した場合に500μS/cm以下である。当該電気伝導度が上限値を超えると、次の解繊工程において、ナノ解繊が十分に進行しない。この理由は限定されないが次のように推察される。解繊に供するセルロースにおける前記電気伝導度が一定値以下であることは、当該セルロースを用いて調製した解繊用の水分散液中に溶存する無機塩の濃度が一定値以下であることを意味する。当該無機塩等の濃度が低いと繊維同士の静電反発が起こりやすくなり解繊性が向上する。特に、置換反応により変性された前記アニオン変性セルロースを用いる場合は、前記電気伝導度は200μS/cm以下であることが好ましい。
本工程では原料分散液中のアニオン変性セルロースを解繊する。解繊に用いる装置は限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの分散液に強力なせん断力を印加できる装置が好ましい。効率よく解繊するには、前記水分散体に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊および分散処理の前に、必要に応じて高速せん断ミキサーなどの公知の混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて予備処理を施すこともできる。
このようにして得られた本発明のアニオン変性セルロースナノファイバー水分散液は、繊維幅が2〜50nm程度、アスペクト比が100以上の微細繊維が水に分散している。本発明の水分散液は極めて高い透明性を有する。前述のとおりこの高い透明性は繊維が均一にナノ解繊されていることに因るが、このことを文言で正確に表現することは現実的でない。
<グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度>
カルボキシメチル化セルロース繊維(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。メタノール900mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチル化セルロース塩(CM化セルロース)を水素型CM化セルロースに変換した。水素型CM化セルロース(絶乾)を1.5〜2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。80重量%メタノール15mLで水素型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出した:
A=[(100×F’−(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾重量(g))
DS=0.162×A/(1−0.058×A)
A:水素型CM化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのH2SO4のファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター
カルボキシル化セルロースの0.5重量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した:カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕。
セルロースナノファイバー水分散液(固形分濃度1.0重量%)の透明度(660nm 光の透過率)をUV分光光度計U−3000(日立ハイテク社製)を用いて測定した。
セルロースナノファイバーを多様な用途に用いるという観点から、固形分濃度1.0重量%におけるセルロースナノファイバー水分散液の透明度は70%以上であることが好ましい。
固形分濃度1.0重量%に調整した解繊前のアニオン変性セルロース水分散液200gをミキサー(TESCOM社製TM8100型)にて、5分間撹拌し、繊維を分散させた。これをpH約7.0に調整した後、電気伝導度計(HORIBA社製ES−71型)にて測定した。
アニオン変性セルロース繊維を、液体窒素を用いて凍結乾燥し、これを圧縮し、錠剤型のペレットを作成した。その後、このサンプルをX線回折装置(PANalytical社製、XPert PRO MPD)で測定した。得られたグラフを、グラフ解析ソフトPeakFIt(Hulinks社製)によりピーク分離し、下記の回折角度を基準として結晶I型とIIを判別した。これらの比率を下記ピークの面積比から算出した。
結晶I型 :2θ=14.8°、16.8°、22.6°
結晶II型:2θ=12.1°、19.8°、22.0°
パルプを撹拌することができる反応器に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥重量で250g入れ、撹拌しながら50重量%水酸化ナトリウム水溶液112gと、水67gを添加した。30℃で30分撹拌し、マーセル化した後、撹拌しながら35重量%モノクロロ酢酸ナトリウム水溶液を364g添加した。その後、30℃で60分撹拌し、30分かけて70℃まで昇温し、70℃で1時間反応を行った。その後、反応物を取り出し、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシメチル化されたパルプを得た。
マーセル化時の撹拌時間を45分とした以外は実施例A1と同様にしてカルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。得られたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.27であった。
マーセル化時の撹拌時間を30分とし、洗浄作業の繰り返し回数を4回とした以外は実施例A1と同様にしてカルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。得られたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.26であった。
マーセル化時の撹拌時間を15分とした以外は実施例A1と同様にしてカルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。得られたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.27であった。
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(NBKP、日本製紙(株)製)5g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mgと臭化ナトリウム514gを溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を5.5mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(以下、カルボキシル化セルロース、カルボキシル化パルプ、TEMPO酸化パルプということがある)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。その後、TEMPO酸化パルプを水に分散させて1.0重量%の分散液とし、遠心脱水機(株式会社コクサン製)を用いて2000rpm、15分の条件で脱水するという洗浄作業を5回繰返して実施した。
洗浄したTEMPO酸化パルプを水に分散させて1.0重量%の分散液とし、高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で5回処理して、カルボキシル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。
洗浄作業の繰り返し回数を3回とした以外は実施例A5と同様にしてカルボキシル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。
洗浄作業の繰り返し回数を2回とした以外は実施例A5と同様にしてカルボキシル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。
アニオン変性を行わない以外は実施例A1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を得た。
パルプを撹拌することができる反応器に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥重量で250g入れ、撹拌しながら50重量%水酸化ナトリウム水溶液112gと、水67gを添加した。30℃で30分攪拌し、マーセル化した後、撹拌しながら35重量%モノクロロ酢酸ナトリウム水溶液を364g添加した。その後、30℃で60分攪拌し、30分かけて70℃まで昇温し、70℃で1時間反応を行った。その後、反応物を取り出し、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度0.25のカルボキシメチル化されたパルプを得た。
マーセル化時の撹拌時間を45分とした以外は実施例B1と同様にしてカルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。得られたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.27であった。
マーセル化時の撹拌時間を30分とし、洗浄作業の繰り返し回数を4回とした以外は実施例B1と同様にしてカルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。得られたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.26であった。
マーセル化時の撹拌時間を15分とした以外は実施例B1と同様にしてカルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。得られたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.27であった。
マーセル化時の撹拌時間を30分とし、35重量%モノクロロ酢酸ナトリウム水溶液を364gから546gに変更し、洗浄作業の繰り返し回数を2回とした以外は実施例B1と同様にしてカルボキシメチル化パルプ由来のセルロースナノファイバー水分散液を得た。得られたセルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.40であった。
アニオン変性を行わない以外は実施例B1と同様にしてセルロースナノファイバー分散液を得た。
Claims (7)
- アニオン変性セルロースを含む分散液を準備する工程、および当該分散液中の前記セルロースを解繊する工程を含む、アニオン変性セルロースナノファイバー分散液の製造方法であって、
前記アニオン変性セルロースの少なくとも一部のピラノース環の水酸基が、酸化または置換反応により変性されており、
前記解繊に供するアニオン変性セルロース水分散液の1.0重量%濃度における電気伝導度が500μS/cm以下である、製造方法。 - 前記アニオン変性セルロースのピラノース環の少なくとも一部が置換反応により変性されており、その1.0重量%水分散液における電気伝導度が200μS/cm以下である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記アニオン変性セルロースにおける結晶II型の存在比が結晶I型に対し1.5倍以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記アニオン変性セルロースのピラノース環の少なくとも一部が酸化により変性されており、前記セルロースナノファイバーのカルボキシル基の量が、該セルロースナノファイバーの絶乾重量に対して、0.6〜3.0mmol/gである、請求項1または3に記載の製造方法。
- 前記アニオン変性セルロースのピラノース環の少なくとも一部が置換反応により変性されており、前記セルロースナノファイバーのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.02以上0.4未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- アニオン変性セルロースナノファイバーを含む水分散液であって、
当該水分散液が、1.0重量%濃度で測定した場合に500μS/cm以下の電気伝導度を有する、前記水分散液。 - 前記アニオン変性セルロースナノファイバーにおける結晶II型の存在比が結晶I型に対し1.5倍以上であり、かつ、
当該水分散液が、1.0重量%濃度で測定した場合に200μS/cm以下の電気伝導度を有する、請求項6に記載の水分散液。
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