JP7312094B2 - カルボキシメチル化セルロースを含有する紙 - Google Patents

カルボキシメチル化セルロースを含有する紙 Download PDF

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Description

本発明は、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を含有する紙に関する。
紙は、印刷用紙や記録用紙などの情報記録媒体用途や包装用途などの種々の分野に使用されており、いずれの用途においても使用時や加工時に十分な強度を有することが求められている。特に段ボールなどの用途に用いられている板紙においては、輸送時の振動や衝撃に耐えられるよう、破裂強さや引張強さ、圧縮強さの向上が求められている。
紙の強度やこわさを改善することを目的として、例えば特許文献1には、非木材源に由来するミクロフィブリル化柔組織セルロース材料と高分子が含まれた紙力剤を添加した紙が開示されている。また、ミクロフィブリルセルロース繊維を含有する紙については、例えば特許文献2には、官能基を脱離させた微細繊維が含まれるシートが開示されている。特許文献3においては、古紙パルプを20質量%以上含有し、かつ少なくとも一つの紙層が、当該紙層のパルプに対して50質量%以下のセルロースナノファイバーを含有する紙または板紙が開示されている。さらに特許文献4には、製紙用添加剤として利用可能な平均繊維径が3~500nm、アスペクト比が100以上、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.01~0.30、セルロースの結晶I型が60%以上のカルボキシメチルセルロース繊維が開示されている。
特表2019-504215号公報 特開2019-007101号公報 国際公開第2019/131994号 国際公開第2014/088072号
発明者らは、カルボキシメチル化された微細セルロース繊維を用いることで、破裂強さや引張強さ、圧縮強さといった強度面の紙物性の向上が図れることを着想した。
特許文献1に記載の紙は非木材由来の材料およびそれを処理するための工程が別途必要であり、また特許文献2においては、官能基を離脱させる工程が必要となり、さらに特許文献3においては、セルロースナノファイバーを製造するために超高圧で解繊する工程が必要となり、いずれも工程の煩雑さと生産コストの増大を招く恐れがある。また、特許文献4に記載のカルボキシメチル化セルロース繊維を強度向上の目的で紙製造時に配合することは開示されているが、高結晶化度を有するセルロース繊維を製造するためには、要求される結晶化度よりも低い結晶化度を有するカルボキシメチル化セルロース繊維が中間品として生成されるといった課題があった。
かかる事情を鑑み、本発明は、従来技術よりも簡便な方法によって、優れた強度を有する紙を提供することを課題とする。
上記課題について本発明者らが鋭意検討した結果、高結晶化度を有するカルボキシメチル化微細セルロース繊維に比べ、結晶化度の低いカルボキシメチル化微細セルロース繊維を配合すると、より強度に優れた紙が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
これに限定されるものではないが、本発明は以下の発明を包含する。
[1] 平均繊維径が60μm以下のカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含む紙であって、カルボキシメチル化微細セルロースのセルロースI型結晶化度が50%未満である、上記紙。
[2] カルボキシメチル化微細セルロース繊維のアニオン化度が0.10~2.00meq/gである、[1]に記載の紙。
[3] カルボキシメチル化微細セルロース繊維のカルボキシメチル置換度が0.50以下である、[1]または[2]のいずれかに記載の紙。
[4] 20質量%以下のカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の紙。
[5] [1]~[4]のいずれかに記載の紙を製造する方法であって、パルプスラリーにカルボキシメチル化微細セルロース繊維を添加する工程を含む、上記方法。
[6] パルプ固形分に対して20質量%以下のカルボキシメチル化微細セルロース繊維を添加する、[5]に記載の方法。
[7] カルボキシメチル化微細セルロース繊維が、機械的処理によってフィブリル化されている、[5]または[6]に記載の方法。
[8] マーセル化したパルプをカルボキシメチル化した後に機械的処理を行ってカルボキシメチル化微細セルロース繊維を得る、[5]~[7]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、従来技術よりも簡便な製造方法によって、優れた強度を有する紙を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は下記の態様に限定されるものではない。また、特記しない限り濃度は質量%とする。一つの態様において、本発明は、カルボキシメチル化微細セルロースを含有する紙に関する。
カルボキシメチル化微細セルロース
本発明に係るカルボキシメチル化微細セルロースは、微細なセルロースであり、平均繊維径が60μm以下である。平均繊維径の上限は、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。好ましい態様において、本発明に係るカルボキシメチル化微細セルロースの平均繊維径は0.5μm以上であり、1μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。平均繊維径がこの範囲になるように適度な解繊を行うことで、繊維自体の過度な微細化(内部フィブリル化)を抑制しながら効率的に繊維表面を毛羽立たせた(外部フィブリル化した)形状の微細セルロースを得ることができ、繊維同士が絡みやすくなり紙力向上の効果が得られる。
本発明において、カルボキシメチル化微細セルロースの平均繊維長は150μm以上であることが好ましく、200μm以上がより好ましく、250μm以上がさらに好ましく、300μm以上が最も好ましい。平均繊維長の上限は、特に限定されないが、3mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1.1mm以下がさらに好ましく、0.9mm以下がよりさらに好ましい。
本発明において、平均繊維径は長さ加重平均繊維径であり、平均繊維長は長さ加重平均繊維長である。平均繊維径および平均繊維長は、ランダムに選択した1000本以上のセルロース繊維をサンプルとして画像解析型繊維分析装置、走査型電子顕微鏡(SEM)やレーザー光学式電子顕微鏡などによって測定することができる。画像解析型繊維分析装置としては、例えば、L&W Fiber Tester Plus(ABB製)、フラクショネーター(バルメット製)などを利用できる。
本発明の紙に用いられる微細セルロースは、カルボキシメチル化(CM化)がなされた化学変性微細セルロースである。化学変性微細セルロースとは、パルプなどのセルロース系原料を化学変性後に解繊して微細化して得られる繊維である。
ここで、化学変性とは、セルロース系原料に官能基を導入することをいい、本発明においてはアニオン性基、具体的にはカルボキシメチル基を導入する。他のアニオン性基としてはカルボキシル基、カルボキシル基含有基、リン酸基、リン酸基含有基などの酸基が挙げられる。カルボキシル基含有基としては、-COOH基、-R-COOH(Rは炭素数が1以上3以下のアルキレン基)、-O-R-COOH(Rは炭素数が1以上3以下のアルキレン基)が挙げられる。リン酸基含有基としては、ポリリン酸基、亜リン酸基、ホスホン酸基、ポリホスホン酸基などが挙げられる。これらの酸基は反応条件によっては塩の形態で導入されることがあり、例えば、カルボキシレート基(-COOM、Mは金属原子)で導入されることもある。
カルボキシメチル化セルロース繊維とは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基の一部がカルボキシメチル基とエーテル結合した構造を有する。カルボキシメチル化セルロース繊維は、水に分散した際にも繊維状の形状の少なくとも一部が維持されるものである。すなわち、カルボキシメチル化セルロース繊維の水分散体を電子顕微鏡等で観察すると、繊維状の物質を観察することができ、また、X線回折で測定すると、セルロースI型結晶のピークを観測することができるものである。さらに、本発明で用いられるカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、カルボキシメチル化されていないセルロース繊維と比べて、カルボキシメチル基を有することにより、保水性が高い、チキソトロピー性を有する、などの特徴を有する。
本発明においては、カルボキシメチル化セルロースが塩の形態をとっていてもよく、本明細書でカルボキシメチル化セルロース繊維という場合には、塩型のカルボキシメチル化セルロース繊維も含まれるものとする。塩型のカルボキシメチル化セルロース繊維としては、繊維を構成するカルボキシメチル化セルロースが、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩などの金属塩を形成しているものが挙げられる。
本発明の好ましい態様において、カルボキシメチル化微細セルロース繊維のカルボキシメチル置換度は0.50以下である。ここで、カルボキシメチル置換度は、カルボキシメチル化セルロースを構成するグルコースの水酸基のうち、エーテル結合によってカルボキシメチル基に置換されているものの割合(1つのグルコース残基あたりのカルボキシメチルエーテル基の数)を意味し、本明細書において、エーテル化度やDSと記載することもある。
本発明の好ましい態様において、カルボキシメチル置換度は0.45以下であることが好ましく、0.40以下であることがより好ましい。また、カルボキシメチル化微細セルロース繊維のカルボキシメチル置換度は、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.10以上がさらに好ましい。カルボキシメチル置換度は0.01~0.50であることが好ましく、0.05~0.45がより好ましく、0.10~0.40がさらに好ましい。カルボキシメチル置換度は、反応させるカルボキシメチル化剤の添加量、マーセル化剤の量、水と有機溶媒の組成比率をコントロールすることなどによって調整することができる。カルボキシメチル化セルロース繊維のカルボキシメチル置換度は、公知の方法によって測定することができる。
本発明の紙に用いられるカルボキシメチル化微細セルロース繊維の結晶化度は、結晶I型が50%未満であり、45%以下が好ましく、40%以下であることがより好ましい。セルロースI型の結晶化度の下限は特に限定されないが、例えば、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がさらに好ましく、20%以上としてもよい。理由は限定されないが、繊維中のセルロース結晶を部分的に有することにより、適度な保水性を持つだけでなく繊維間結合が促されやすくなることで、紙強度の向上に寄与するためであると考えられる。
セルロースの結晶性は、例えば、マーセル化剤の濃度と処理時の温度、並びにカルボキシメチル化の度合によって制御できる。マーセル化及びカルボキシメチル化においては高濃度のアルカリが使用されるために、セルロースのI型結晶がII型に変換されやすいが、アルカリ(マーセル化剤)の使用量を調整するなどして変性の度合いを調整することによって、所望の結晶性を維持させることができる。カルボキシメチル化セルロース繊維のセルロースI型の結晶化度は、公知の方法によって測定することができ、例えば、X線回折などによって測定することができる。
本発明の紙に用いられるカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、アニオン化度(アニオン電荷密度ともいう)が好ましくは0.10~2.00meq/gである。本発明において、アニオン化度は、単位質量のカルボキシメチル化微細セルロース繊維において、アニオン性基を中和するのに要したDADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)の当量として評価することができ、単位質量のカルボキシメチル化微細セルロース繊維あたりのアニオンの当量に相当する。
本発明の紙に用いられるカルボキシメチル化微細セルロース繊維のアニオン化度は、好ましくは0.20~1.60meq/gであり、より好ましくは0.30~1.40meq/gであり、さらに好ましくは0.40~1.20meq/gであり、さらに好ましくは0.50~1.10meq/gであり、最も好ましくは0.65~1.05meq/gである。このような範囲のアニオン化度を有するカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、アニオン化度がより高いカルボキシメチル化微細セルロース繊維に比べて、カルボキシメチル基が、局所的ではなく、セルロース全体にわたり均一に導入されていると考えられ、カルボキシメチル化微細セルロース繊維に特有の効果、例えば、保水性付与等をより安定に得ることができると考えられる。
カルボキシメチル化微細セルロース繊維の製造
カルボキシメチル化セルロースは、一般に、セルロースをアルカリで処理してマーセル化し、得られたマーセル化セルロースを、カルボキシメチル化剤を用いてエーテル化することにより製造することができる。カルボキシメチル化セルロースの製造に際しては、一般に、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を水を溶媒として行う方法(水媒法)、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を有機溶媒を主とする溶媒下で行う方法(溶媒法)が知られている。本発明に係るカルボキシメチル化セルロース繊維は、これに限定されないが、例えば、水を主とする溶媒下でマーセル化を行い、その後、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化を行うことにより、製造することができる。このようにして得たカルボキシメチル化セルロース繊維は、従来の水媒法や溶媒法で得たカルボキシメチル化セルロース繊維に比べて、アニオン化度の絶対値が小さい(より0に近い)という特徴を有する。また、上記の方法は、カルボキシメチル化剤の有効利用率が高いという利点がある。
カルボキシメチル化セルロース繊維の原料となるセルロースとしては、特に限定されないが、例えば、植物、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば、アセトバクターなどの酢酸菌)、微生物産生物に由来するものが挙げられる。植物由来のものとしては、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプが挙げられる。パルプとしては、例えば、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹漂白サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、針葉樹溶解パルプ、広葉樹溶解パルプ、再生パルプ、古紙などが挙げられる。また、上述のセルロース原料を粉砕処理したセルロースパウダーを使用してもよい。本発明に用いられるセルロース原料は、これらのいずれかまたは組合せであってもよいが、好ましくは植物または微生物由来のセルロース繊維であり、より好ましくは植物由来のセルロース繊維であり、さらに好ましくは木質系パルプであり、最も好ましくは広葉樹由来のパルプである。
本発明に係る微細セルロース繊維を製造する場合、例えば、セルロース原料にマーセル化剤としてアルカリを添加することにより、マーセル化されたセルロース原料を得る。本発明に好ましい態様において、このマーセル化反応における溶媒に水を主として用い、次のカルボキシメチル化の際に有機溶媒と水との混合溶媒を使用することにより、アニオン化度の絶対値が小さいカルボキシメチル化セルロース繊維を経済的に得ることができる。
溶媒に水を主として用いる(水を主とする溶媒)とは、水を50質量%より高い割合で含む溶媒をいう。水を主とする溶媒中の水は、好ましくは55質量%以上あり、より好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。特に好ましくは水を主とする溶媒は、水が100質量%(すなわち、水)である。マーセル化時の水の割合が多いほど、カルボキシメチル基がセルロースにより均一に導入されるという利点が得られる。水を主とする溶媒中の水以外の(水と混合して用いられる)溶媒としては、後段のカルボキシメチル化の際の溶媒として用いられる有機溶媒が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に50質量%未満の量で添加してマーセル化の際の溶媒として用いることができる。水を主とする溶媒中の有機溶媒は、好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは0質量%である。
マーセル化剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられ、これらのうちいずれか1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。マーセル化剤は、これに限定されないが、これらのアルカリ金属水酸化物を、例えば、1~60質量%、好ましくは2~45質量%、より好ましくは3~25質量%の水溶液として反応器に添加することができる。
マーセル化剤の使用量は、カルボキシメチル化セルロース繊維におけるカルボキシメチル置換度0.50以下及びセルロースI型の結晶化度50%未満を両立できる量であればよく特に限定されないが、一実施形態において、セルロース100g(絶乾)に対して0.1モル以上2.5モル以下であることが好ましく、0.3モル以上2.0モル以下であることがより好ましく、0.4モル以上1.5モル以下であることがさらに好ましい。
マーセル化の際の水を主とする溶媒の量は、原料の撹拌混合が可能な量であればよく特に限定されないが、セルロース原料に対し、1.5~20質量倍が好ましく、2~10質量倍であることがより好ましい。
マーセル化処理は、セルロースと水を主とする溶媒とを混合し、反応器の温度を0~70℃、好ましくは10~60℃、より好ましくは10~40℃に調整して、マーセル化剤の水溶液を添加し、15分~8時間、好ましくは30分~7時間、より好ましくは30分~3時間撹拌することにより行う。これによりマーセル化されたセルロース原料を得る。
マーセル化の際のpHは、9以上が好ましく、これによりマーセル化反応を進めることができる。該pHは、より好ましくは11以上であり、更に好ましくは12以上であり、13以上でもよい。pHの上限は特に限定されない。
マーセル化は、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することができる反応機を用いて行うことができ、従来からマーセル化反応に用いられている各種の反応機を用いることができる。例えば、2本の軸が撹拌し、上記各成分を混合するようなバッチ型攪拌装置は、均一混合性と生産性の両観点から好ましい。
マーセル化されたセルロース原料に対し、エーテル化剤を添加してカルボキシメチル化することにより、カルボキシメチル化されたセルロースを得る。
上述したように、本発明に係る微細セルロースは、カルボキシメチル化以外の化学変性がなされていてもよいが、例えば、メチル(エーテル)化、エチル(エーテル)化、シアノエチル(エーテル)化、ヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピル(エーテル)化、エチルヒドロキシエチル(エーテル)化、ヒドロキシプロピルメチル(エーテル)化などが挙げられる。
本明細書に記載の方法にしたがって、マーセル化の際は水を主とする溶媒として用い、カルボキシメチル化の際には水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、水分散体とした際にアニオン化度の絶対値が小さいカルボキシメチル化セルロース繊維を経済的に得ることができる。
カルボキシメチル化剤としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸イソプロピルなどが挙げられる。これらのうち、原料の入手しやすさという点でモノクロロ酢酸、またはモノクロロ酢酸ナトリウムが好ましい。
カルボキシメチル化剤の使用量は、特に限定されないが、一実施形態において、セルロースの無水グルコース単位当たり、0.5~1.5モルの範囲で添加することが好ましい。上記範囲の下限はより好ましくは0.6モル以上、さらに好ましくは0.7モル以上であり、上限はより好ましくは1.3モル以下、さらに好ましくは1.1モル以下である。カルボキシメチル化剤は、これに限定されないが、例えば、5~80質量%、より好ましくは30~60質量%の水溶液として反応器に添加することができるし、溶解せず、粉末状態で添加することもできる。
マーセル化剤とカルボキシメチル化剤のモル比(マーセル化剤/カルボキシメチル化剤)は、カルボキシメチル化剤としてモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムを使用する場合では、0.90~2.45が一般的に採用される。その理由は、0.90未満であるとカルボキシメチル化反応が不十分となる可能性があり、未反応のモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムが残って無駄が生じる可能性があること、及び2.45を超えると過剰のマーセル化剤とモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムによる副反応が進行してグリコール酸アルカリ金属塩が生成する恐れがあるため、不経済となる可能性があることにある。
カルボキシメチル化において、カルボキシメチル化剤の有効利用率は、15%以上であることが好ましい。より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、特に好ましくは30%以上である。カルボキシメチル化剤の有効利用率とは、カルボキシメチル化剤におけるカルボキシメチル基のうち、セルロースに導入されたカルボキシメチル基の割合を指し、本明細書においてAMと略すことがある。マーセル化の際に水を主とする溶媒を用い、カルボキシメチル化の際に水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、カルボキシメチル化剤の使用量を大きく増やすことなく、経済的に、カルボキシメチル化されたセルロースを得ることができる。カルボキシメチル化剤の有効利用率の上限は特に限定されないが、現実的には80%程度が上限となる。
カルボキシメチル化反応におけるセルロース原料の濃度は、特に限定されないが、カルボキシメチル化剤の有効利用率を高める観点から、1~40質量体積%であることが好ましい。
カルボキシメチル化剤を添加するのと同時に、あるいはカルボキシメチル化剤の添加の前または直後に、反応器に有機溶媒または有機溶媒の水溶液を適宜添加し、又は減圧などによりマーセル化処理時の水以外の有機溶媒等を適宜削減して、水と有機溶媒との混合溶媒を形成し、この水と有機溶媒との混合溶媒下で、カルボキシメチル化反応を進行させる。有機溶媒の添加または削減のタイミングは、マーセル化反応の終了後からカルボキシメチル化剤を添加した直後までの間であればよく、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチル化剤を添加する前後30分以内が好ましい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に添加してカルボキシメチル化の際の溶媒として用いることができる。これらのうち、水との相溶性が優れることから、炭素数1~4の一価アルコールが好ましく、炭素数1~3の一価アルコールがさらに好ましい。
カルボキシメチル化の際の混合溶媒中の有機溶媒の割合は、水と有機溶媒との総和に対して有機溶媒が20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。有機溶媒の割合が高いほど、均一なカルボキシメチル基の置換が起こりやすいことにより、得られるカルボキシメチル化されたセルロース原料の品質が安定する。有機溶媒の割合の上限は限定されず、例えば、99質量%以下であってよい。添加する有機溶媒のコストを考慮すると、好ましくは90質量%以下であり、更に好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以下である。
カルボキシメチル化の際の反応媒(セルロースを含まない、水と有機溶媒等との混合溶媒)は、マーセル化の際の反応媒よりも、水の割合が少ない(言い換えれば、有機溶媒の割合が多い)ことが好ましい。本範囲を満たすことで、得られるカルボキシメチル化されたセルロース原料の結晶化度を維持しやすくなり、本発明のカルボキシメチル化セルロース繊維を、より効率的に得ることができるようになる。また、カルボキシメチル化の際の反応媒が、マーセル化の際の反応媒よりも水の割合が少ない(有機溶媒の割合が多い)場合、マーセル化反応からカルボキシメチル化反応に移行する際に、マーセル化反応終了後の反応系に所望の量の有機溶媒を添加するという簡便な手段でカルボキシメチル化反応用の混合溶媒を形成させることができるという利点も得られる。
水と有機溶媒との混合溶媒を形成し、マーセル化されたセルロース原料にカルボキシメチル化剤を投入した後、温度を好ましくは10~40℃の範囲で一定に保ったまま15分~4時間、好ましくは15分~1時間程度撹拌する。マーセル化されたセルロース原料を含む液とカルボキシメチル化剤との混合は、反応混合物が高温になることを防止するために、複数回に分けて、または、滴下により行うことが好ましい。カルボキシメチル化剤を投入して一定時間撹拌した後、必要であれば昇温して、反応温度を30~90℃、好ましくは40~90℃、さらに好ましくは60~80℃として、30分~10時間、好ましくは1時間~4時間、エーテル化(カルボキシメチル化)反応を行い、カルボキシメチル化されたセルロース原料を得る。
カルボキシメチル化の際には、マーセル化の際に用いた反応器をそのまま用いてもよく、あるいは、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することが可能な別の反応器を用いてもよい。
反応終了後、残存するアルカリ金属塩を鉱酸または有機酸で中和してもよい。また、必要に応じて、副生する無機塩、有機酸塩等を含水メタノールで洗浄して除去してもよい。
本発明の好ましい態様において、リファイナーなどを用いてカルボキシメチル化されたセルロースを機械的に処理することにより、フィブリル化されたカルボキシメチル化微細セルロース繊維を得る。フィブリル化されたカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、叩解または解繊されていないカルボキシメチル化セルロース繊維に比べて、繊維表面にセルロースのミクロフィブリルの毛羽立ちが見られる。また、カルボキシメチル化セルロース由来のセルロースナノファイバーに比べて、繊維径が大きく、繊維自体の微細化(内部フィブリル化)を抑制しながら効率的に繊維表面を毛羽立たせた(外部フィブリル化)した形状を有する。
フィブリル化における解繊または叩解は、例えば、ディスク型、コニカル型、シリンダー型などのリファイナー、高速解繊機、せん断型撹拌機、コロイドミル、高圧噴射分散機、ビーター、PFIミル、ニーダー、ディスパーザーなどを用いて行うことができる。フィブリル化は、湿式、すなわち、水などを分散媒とする分散体の形態で行うことが好ましく、例えば、湿式にて機械的な解繊力を付与する装置を用いて行うことができる。
解繊または叩解処理は1回行ってもよいし、これらを単独でまたは組合せて複数回行ってもよい。複数回の場合それぞれの解繊または叩解の時期はいつでもよく、使用する装置は同一でも異なってもよい。
フィブリル化に供するカルボキシメチル化されたセルロース原料の分散体における原料の固形分濃度は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、1.0質量%以上がさらに好ましく、2.0質量%以上がさらに好ましい。本発明に用いる特定のカルボキシメチル置換度と結晶化度とアニオン化度を有するカルボキシメチル化セルロース原料は、べたつきが少なく、比較的高濃度で用いても装置の目詰まり等の問題が起きにくいという特徴がある。濃度の上限としては、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
なお、フィブリル化に供するための分散体を調製する前に、上述の方法で得られたカルボキシメチル化されたセルロース原料を予め乾燥させ、粉砕してもよい。次いで、乾式粉砕したカルボキシメチル化セルロース原料を分散媒に分散し、フィブリル化(湿式)に供してもよい。原料の乾式粉砕に用いる装置は特に限定されず、ハンマーミル、ピンミル等の衝撃式ミル、ボールミル、タワーミル等の媒体ミル、ジェットミル等を例示することができる。
フィブリル化は、上述した通り、平均繊維径として上限は60μm以下であり、40μm以下が好ましく、30μm以下がよりに好ましく、20μm以下がさらに好ましい。またその下限は0.5μm以上が好ましく、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは10μm以上を維持するような範囲で行う。平均繊維径がこの範囲になる程度の適度なフィブリル化を行うことにより、未解繊のセルロース繊維に比べて高い保水性を呈し、また、微細に解繊されたセルロースナノファイバーに比べて紙等の繊維に対する歩留まりが高いことから、少量でも高い強度付与効果が得られる。
また、カルボキシメチル化されたセルロース原料をフィブリル化することにより得られるカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、カルボキシメチル化されていないセルロース原料を叩解した後にカルボキシメチル化したものと比べて、フィブリル化時にセルロース繊維がカルボキシメチル基を有するため、繊維間に存在する強固な水素結合がカルボキシメチル基の導入により弱められ、フィブリル化の際に繊維同士がほぐれやすく、繊維の損傷が少ないという特徴を有する。
なお、フィブリル化の有無については、バルメット社製フラクショネーターを用いて、検出された繊維を対象に測定したフィブリル化率(Fibrillation %)を用いて評価することができる。本発明で用いるカルボキシメチル化微細セルロース繊維のフィブリル化率は、1.0%以上であることが好ましく、1.2%以上であることがより好ましく、1.4%以上であることがさらに好ましい。上限は特に限定はされないが、20%以下としてよく、16%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましく、8%以下であることがさらに好ましく、6%以下であることがよりさらに好ましく、4%以下であることが最も好ましい。使用したセルロース原料の種類によってフィブリル化率は異なるが、上記範囲であればフィブリル化が行なわれていると考えられる。また、本発明では、フィブリル化する前のカルボキシメチル化セルロース原料のフィブリル化率(f)と比べて向上するようにフィブリル化を行うことが好ましい。フィブリル化された化学変性セルロース繊維のフィブリル化率をfとすると、フィブリル化率の差Δf=f-fは、0を超えていればよく、好ましくは0.1ポイント以上であり、より好ましくは0.2ポイント以上であり、さらに好ましくは0.3ポイント以上である。 フィブリル化されたカルボキシメチル化セルロース繊維におけるカルボキシメチル置換度は、フィブリル化する前のカルボキシメチル化セルロース繊維におけるカルボキシメチル置換度と、通常同じである。
カルボキシメチル化微細セルロース繊維を含む紙
本発明の紙は、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を含有する。本発明で用いられるカルボキシメチル化微細セルロース繊維は紙に内添してもよく、外添してもよい。本発明の紙は、結晶化度が低いカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含むことによって、優れた強度を備える。カルボキシメチル化微細セルロース繊維は安全性の高いカルボキシメチル化セルロースを原料としているため、本発明の紙は食品用途にも使用することができる。
本発明の紙は、カルボキシメチル化微細セルロース繊維をどの層に含有させてもよい。本発明で用いられるカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、紙のいずれの層に含有させた場合でも、微量で効果的に紙の強度を向上させることができる。
外添する場合は、接着剤成分とカルボキシメチル化微細セルロース繊維を混合したクリア塗工液を塗工してもよく、更に顔料成分を加えた顔料塗工液を塗工してもよい。クリア塗工層にカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含有させる場合、クリア塗工層の上にカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含有しない顔料塗工層を設けてもよい。
本発明においては、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を紙層に配合(内添)することができる。本発明のカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、紙層(原紙層)に添加すると強度向上効果が大きく好ましい。ここで、原紙層とは紙のベースとなる層でありパルプを主成分として含み、単層でも多層でもよい。本発明においては、原紙層がカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含んでもよい。原紙層がカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含有する場合、含有量はパルプに対して20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。本発明の効果が得られればカルボキシメチル化微細セルロース繊維の含有量の下限は限定されず、カルボキシメチル化微細セルロース繊維が含有されていればよいが、パルプに対して0.001質量%以上程度が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上が特に好ましい。原紙が多層の場合、いずれか一層にカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含有させてもよく、複数層にカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含有させてもよいが、カルボキシメチル化微細セルロース繊維はそれぞれの層のパルプに対して、上記含有率で含有させればよい。
本発明で用いる原紙の原料パルプは特に限定されず、例えば、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等の機械パルプ、脱墨古紙パルプ(DIP)、未脱墨古紙パルプ等の古紙パルプ、針葉樹クラフトパルプ(NKP)、針葉樹クラフトパルプ(LKP)等の化学パルプ等を使用できる。古紙パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌、段ボール、印刷古紙などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙由来のものを使用できる。
原紙には公知の填料を添加できる。填料としては、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱酸による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素-ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし併用してもよい。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料であり、高い不透明度や白色度が得られる炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが好ましい。原紙中の填料の含有率は、原紙重量に対して、0~20質量%が好ましく、白色度や不透明性が求められない板紙用途においては、填料を添加しなくてもよい。
内添薬品として、歩留剤、嵩高剤、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、濾水性向上剤、保水剤、染料、サイズ剤、各種塩等を必要に応じて使用してもよい。
本発明の紙は、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を原紙のパルプ繊維に定着させ、カルボキシメチル化微細セルロース繊維の歩留まりを向上させるために各種金属塩を使用することができる。2種以上の金属塩を併用してもよい。塩を形成する金属としては、例えばナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムが挙げられ、金属塩としては例えば、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等が挙げられる。本発明においては、硫酸アルミニウムまたは塩化カルシウムを単独で用いるか併用することが好ましい。
原紙は、公知の抄紙方法で製造される。例えば、長網抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、ハイブリッドフォーマー型抄紙機、オントップフォーマー型抄紙機、丸網抄紙機等を用いて行うことができるが、これらに限定されず、原紙層は単層でも多層でもよい、
カルボキシメチル化微細セルロース繊維を原紙に添加する場合、パルプスラリーを調製する工程における任意の工程で添加してよいが、カルボキシメチル化微細セルロース繊維の混合効率を向上させるために、パルプリファイナー工程またはミキシング工程で添加することが好ましい。ミキシング工程でカルボキシメチル化微細セルロース繊維を添加する場合、填料や歩留剤等その他助剤とカルボキシメチル化微細セルロース繊維を予め混合したものをパルプスラリーに添加してもよい。また、原紙が多層の場合、紙層のいずれの層に添加してもよく、各層のパルプに対して前記含有量とすることができる。
本発明においては、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を塗工層に配合(外添)することができる。本発明においてカルボキシメチル化微細セルロース繊維は、クリア塗工層に配合されてもよく、顔料塗工層に配合されてもよい。
本発明において、クリア塗工層とは、例えば、サイズプレス、ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレス、カーテンコータ、スプレーコータなどのコータ(塗工機)を使用して、澱粉、酸化澱粉などの各種澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を主成分とする塗工液(表面処理液)を原紙上に塗工して設けられる塗工層をいう。カルボキシメチル化微細セルロース繊維をクリア塗工層中に含有する場合、塗工液中に含まれる水溶性高分子などの固形分重量部に対して0.001~20重量部が好ましく、より好ましくは0.01~15重量部であり、さらに好ましくは0.1~10重量部であり、最も好ましくは1~5重量部である。前記範囲の場合、塗工液の粘度を大幅に増大することなく、適度な保水性を有するクリア塗工液を得ることができる。
原紙上にクリア塗工層を設けることにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工性を向上させることができる。クリア塗工層の量は、片面あたり固形分で0.1~1.0g/mが好ましく、0.2~0.8g/mがより好ましい。
本発明において、顔料塗工層とは、白色顔料を主成分として含む層である。白色顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、焼成カオリン、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、プラスチックピグメント等の通常使用されている顔料が挙げられる。
顔料塗工層は接着剤を含んでいてよい。当該接着剤としては、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の各種澱粉類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン-ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート-ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上併用して用いることができる。
顔料塗工層は、一般の紙製造分野で使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤を含んでいてもよく、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を顔料塗工層中に含有してもよい。カルボキシメチル化微細セルロース繊維を顔料塗工層中に含有する場合、含有量は顔料に対して0.001~20質量%が好ましく、より好ましくは0.01~15質量%であり、さらに好ましくは0.1~10質量%であり、最も好ましくは1~5質量%である。前記範囲の場合、塗工液の粘度を大幅に増大することなく、適度な保水性を有する顔料塗工液を得ることができる。
顔料塗工層は、塗工液を公知の方法で原紙の片面あるいは両面に塗工して設けることができる。塗工液中の固形分濃度は、塗工適性の観点から、30~70質量%程度が好ましい。顔料塗工層は1層でもよく、2層でもよく、3層以上でもよい。複数の顔料塗工層が存在する場合、カルボキシメチル化微細セルロース繊維はいずれの顔料塗工層に存在してもよい。顔料塗工層の塗工量は、用途によって適宜調整してよいが、印刷用塗工紙とする場合は片面あたり固形分で3g/m以上であり、10g/m以上であることが好ましい。上限は、30g/m以下であることが好ましく、25g/m以下であることが好ましい。複数の顔料塗工層が存在する場合、すべての顔料塗工層の塗工量を合計した塗工量が上記範囲であることが好ましい。
本発明で得られた紙は、強度を求められる各種用途に使用することができる。用途はこれらに限定されないが、例えば、オフセット、グラビア、インクジェット、電子写真方式などの各種印刷用紙や、感熱紙、感圧紙、包装紙、紙器用紙、板紙、段ボール等があげられる。
具体例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の具体例に限定されるものではない。また、本明細書において特に記載しない限り、濃度や部などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1.カルボキシメチル化微細セルロース繊維の製造
サンプル1-1
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにおいて、水酸化ナトリウム40部を水230部に溶解させた後、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製)を乾燥質量で100部投入した。投入したLBKPと薬品を、二軸ニーダーを用いて、30℃で90分間撹拌し、LBKPを膨潤させてマーセル化パルプを得た。
次いで、イソプロパノール(IPA)220部とモノクロロ酢酸ナトリウム60部を撹拌しながら添加し、30分間撹拌した後、30℃から70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、49質量%である。反応終了後、酢酸を添加してpH7程度になるように反応液を中和した後、脱液および乾燥を行ってカルボキシメチル化パルプを得た(カルボキシメチル置換度:0.29、セルロースI型の結晶化度:38%、カルボキシメチル化剤の有効利用率:35%)。
得られたカルボキシメチル化パルプ(平均繊維径15.9μm、平均繊維長723μm)を水で希釈してスラリーの濃度を4%としてから、ディスクリファイナー(相川鉄工製)にて流量280L/分で10分間循環させて機械的に処理し、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を得た(平均繊維径:13.5μm、平均繊維長:380μm)。
サンプル1-2
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにおいて、水酸化ナトリウム40部を水230部に溶解させた後、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製)を乾燥質量で100部投入した。投入したLBKPと薬品を、二軸ニーダーを用いて、30℃で90分間撹拌し、LBKPを膨潤させてマーセル化パルプを得た。
次いで、イソプロパノール(IPA)250部とモノクロロ酢酸ナトリウム60部を撹拌しながら添加し、30分間撹拌した後、30℃から70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、52質量%である。反応終了後、酢酸を添加してpH7程度になるように反応液を中和した後、脱液および乾燥を行ってカルボキシメチル化パルプを得た(カルボキシメチル置換度:0.29、セルロースI型の結晶化度:31%、カルボキシメチル化剤の有効利用率:36%)。
得られたカルボキシメチル化パルプ(平均繊維径:15.3μm、平均繊維長:710μm)を水で希釈してスラリーの濃度を2%としてから、トップファイナー(相川鉄工製)にて流量280L/分で12分間循環させて機械的に処理し、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を得た(平均繊維径:12.9μm、平均繊維長:450μm)。
サンプル1-3
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにおいて、水酸化ナトリウム25部を水230部に溶解させた後、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製)を乾燥質量で100部投入した。投入したLBKPと薬品を、二軸ニーダーを用いて、30℃で90分間撹拌し、LBKPを膨潤させてマーセル化パルプを得た。
次いで、イソプロパノール(IPA)180部とモノクロロ酢酸ナトリウム60部を撹拌しながら添加し、30分間撹拌した後、30℃から70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、44質量%である。反応終了後、酢酸を添加してpH7程度になるように反応液を中和した後、脱液および乾燥を行ってカルボキシメチル化パルプを得た(カルボキシメチル置換度:0.26、セルロースI型の結晶化度:59%、カルボキシメチル化剤の有効利用率:31%)。
得られたカルボキシメチル化パルプ(平均繊維径:15.4μm、平均繊維長:777μm)を水で希釈してスラリーの濃度を4%としてから、ディスクリファイナー(相川鉄工製)にて流量280L/分で10分間循環させて機械的に処理し、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を得た(平均繊維径:13.2μm、平均繊維長:280μm)。
サンプル1-4
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにおいて、水酸化ナトリウム25部を水230部に溶解させた後、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP、日本製紙製)を乾燥質量で100部投入した。投入したLBKPと薬品を、二軸ニーダーを用いて、30℃で90分間撹拌し、LBKPを膨潤させてマーセル化パルプを得た。
次いで、イソプロパノール(IPA)220部とモノクロロ酢酸ナトリウム60部を撹拌しながら添加し、30分間撹拌した後、30℃から70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、49質量%である。反応終了後、酢酸を添加してpH7程度になるように反応液を中和した後、脱液および乾燥を行ってカルボキシメチル化パルプを得た(カルボキシメチル置換度:0.27、セルロースI型の結晶化度:51%、カルボキシメチル化剤の有効利用率:32%)。
得られたカルボキシメチル化パルプ(平均繊維径:15.1μm、平均繊維長:707μm)を水で希釈してスラリーの濃度を2%としてから、トップファイナー(相川鉄工製)にて流量280L/分で12分間循環させて機械的に処理し、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を得た(平均繊維径:13.3μm、平均繊維長:507μm)。
測定方法
得られたカルボキシメチル化セルロース繊維について、カルボキシメチル置換度、セルロースI型結晶化度、カルボキシメチル化剤の有効利用率、フィブリル化率、平均繊維径および平均繊維長を、下記の方法によって測定した。
(1)カルボキシメチル置換度(DS)
(a)カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。
(b)硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(カルボキシメチル化セルロース)を水素型カルボキシメチル化セルロースにする。
(c)水素型カルボキシメチル化セルロース(絶乾)を1.5g以上2.0g以下程度精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。
(d)80%メタノール15mLで水素型カルボキシメチル化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。
(e)指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定する。
(f)水素型カルボキシメチル化セルロース1gの中和に要する1NのNaOHの量(mL)を、次式によって算出する。
A=[(100×F’-(0.1NのHSO)(mL)×F)×0.1]/(水素型カルボキシメチル化セルロースの絶乾質量(g))
・F:0.1NのHSOのファクター
・F’:0.1NのNaOHのファクター
(g)カルボキシメチル置換度(DS)を、下式によって算出する。
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
(2)カルボキシメチル化剤の有効利用率(AM)
カルボキシメチル置換度(DS)から下式によって算出する。
AM = (DS ×セルロースのモル数)/ カルボキシメチル化剤のモル数
・セルロースのモル数:パルプ質量(100℃で60分間乾燥した際の乾燥質量)/162
(162はセルロースのグルコース単位当たりの分子量)。
(3)セルロースI型結晶化度(Xc)
試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD-6000、島津製作所製)を用いて測定する。セルロースのI型の結晶化度は、X線回折図の2θ=10°~30°の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6°の002面の回折強度(I002c)と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度(I)から次式により算出する(Segalらの方法)。
Xc=(I002c―I)/I002c×100
・I002c:2θが22.6°であるときの002面の回折強度
・I:2θが18.5°であるときのアモルファス部分の回折強度。
(4)フィブリル化率、平均繊維径および平均繊維長
バルメット社製フラクショネーターを用いてサンプル中で検出された繊維数(Fiber Count)が3000本を超えていることを確認したうえで、検出した繊維を対象に画像解析により測定する作業を3回実施し、その平均値とした。
(5)アニオン化度(q)
カルボキシメチル化微細セルロース繊維を水に分散し、固形分10g/Lの水分散体を調製し、マグネチックスターラーを用い10分以上1000rpmにて撹拌する。得られたスラリーを0.1g/Lに希釈後、10ml採取し、流動電流検出器(Mutek Particle Charge Detector 03)を用い、1/1000規定度のジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)で滴定して、流動電流がゼロになるまでのDADMACを添加し、下式によりアニオン化度(meq/g)を算出する。
q=(V×c)/m
・V:流動電流がゼロになるまでのDADMACの添加量(L)
・c:DADMACの濃度(meq/L)
・m:測定試料中のカルボキシメチル化微細セルロース繊維の質量(g)
Figure 0007312094000001
実験2.手すき紙の製造と評価
実験1で得られたカルボキシメチル化微細セルロース繊維を配合した紙料から、JIS P8222に基づいて手すき紙を製造した(絶乾坪量:約100g/m)。
手すきサンプル2-1
古紙およびクラフトパルプを水に離解して、濃度0.8%のパルプスラリーを得た(脱墨していない段ボール古紙:73%、脱墨していない雑誌古紙:20%、未晒針葉樹クラフトパルプ:7%)。次いで、パルプ固形分に対して、サンプル1-1で得られたカルボキシメチル化微細セルロースを4%、硫酸バンドを1%(固形分換算)、乾燥紙力剤を0.15%、アニオン系歩留向上剤を0.007%(70ppm)、コロイダルシリカ系濾水剤0.01%(100ppm)を順に添加し、十分に攪拌して紙料を調成した。
得られた紙料からJIS P 8222に準拠してシート形成およびプレスを行って湿紙を得た後、50℃に熱したプレートにて2時間乾燥し、手すき紙を製造した。
手すきサンプル2-2
パルプスラリーの原料を古紙のみとし(脱墨していない段ボール古紙:88%、脱墨していない雑誌古紙:12%)、サンプル1-2で得られたカルボキシメチル化微細セルロースを用いた以外は手すきサンプル2-1と同様にして紙料を調成後、手すき紙を製造した。
手すきサンプル2-3
サンプル1-3で得られたカルボキシメチル化微細セルロースを用いた以外は手すきサンプル2-1と同様にして紙料を調成後、手すき紙を製造した。
手すきサンプル2-4
サンプル1-4で得られたカルボキシメチル化微細セルロースを用いた以外は手すきサンプル2-2と同様にして紙料を調成後、手すき紙を製造した。
手すきサンプル2-5(比較例)
カルボキシメチル化微細セルロースを配合しない以外は手すきサンプル2-1と同様にして紙料を調成後、手すき紙を製造した。
手すきサンプル2-6(比較例)
カルボキシメチル化微細セルロースを配合しない以外は手すきサンプル2-2と同様にして紙料を調成後、手すき紙を製造した。
手すき紙の評価
得られた手すき紙に対し、以下の評価を行った。
・坪量:JIS P 8223:2006に従って測定した。
・バルク厚さ:JIS P 8223:2006を参考に測定した。
・比破裂強さ:JIS P 8131:2009に従って測定した。
・比圧縮強さ:JIS P 8156:2012に基づいて、ショートスパン比圧縮強さを算出した。
Figure 0007312094000002
上記の表に示した通り、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を配合したサンプル2-1~サンプル2-4において、カルボキシメチル化微細セルロース繊維を配合していないサンプル2-5、サンプル2-6と比べて比破裂強さ、比圧縮強さの向上が図られた。特に、結晶化度の低いカルボキシメチル化微細セルロース繊維を配合したサンプル2-1において、結晶化度が50%を超えたサンプル2-3と比較して強度の向上が図られている。パルプスラリーを古紙のみに変更した場合においても同様に、結晶化度の低いカルボキシメチル化微細セルロース繊維を配合したサンプル2-2の方が、結晶化度が50%を超えたサンプル2-4と比較して強度の向上が図られている。本発明はこの推論に限定はされないが、セルロース結晶が適度に残存することによりパルプの繊維間結合が促進されやすくなったため本発明によって紙の強度が向上したものと考えられる。

Claims (8)

  1. 平均繊維径が60μm以下のカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含む紙であって、
    カルボキシメチル化微細セルロースのセルロースI型結晶化度が50%未満である、上記紙。
  2. カルボキシメチル化微細セルロース繊維のアニオン化度が0.10~2.00meq/gである、請求項1に記載の紙。
  3. カルボキシメチル化微細セルロース繊維のカルボキシメチル置換度が0.50以下である、請求項1または2のいずれかに記載の紙。
  4. 20質量%以下のカルボキシメチル化微細セルロース繊維を含む、請求項1~3のいずれかに記載の紙。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の紙を製造する方法であって、
    パルプスラリーにカルボキシメチル化微細セルロース繊維を添加する工程を含む、上記方法。
  6. パルプ固形分に対して20質量%以下のカルボキシメチル化微細セルロース繊維を添加する、請求項5に記載の方法。
  7. カルボキシメチル化微細セルロース繊維が、機械的処理によってフィブリル化されている、請求項5または6に記載の方法。
  8. マーセル化したパルプをカルボキシメチル化した後に機械的処理を行ってカルボキシメチル化微細セルロース繊維を得る、請求項5~7のいずれかに記載の方法。
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