JP7323515B2 - カルボキシメチル化セルロースを含有する紙 - Google Patents
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Description
(1)平均繊維径500nm以上、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチル化セルロースを含有する紙。
(2)カルボキシメチル化セルロースにおけるカルボキシメチル置換度が0.20以上である、(1)に記載の紙。
(3)カルボキシメチル化セルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである、(1)または(2)に記載の紙。
(4)前記水を主とする溶媒が、水を50重量%より多く含む溶媒である、(3)に記載の紙。
(5)前記混合溶媒における有機溶媒の割合が、水と有機溶媒との総和に対して、50~99重量%である、(3)または(4)に記載の紙。
(6)原紙層が前記カルボキシメチル化セルロースを含有する(1)~(5)のいずれかに記載の紙。
(7)原紙層、クリア塗工層または顔料塗工層を有する紙であって、前記塗工層のうち少なくとも1層以上が前記カルボキシメチル化セルロースを含有する(1)~(6)のいずれかに記載の紙。
(8)カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチル化セルロースを製造する工程、
前記紙を構成する層であって前記カルボキシメチル化セルロースを含む層を設ける工程を備える、紙の製造方法。
(9)水を主とする溶媒下で原料セルロースをマーセル化する工程、
水と有機溶媒との混合溶媒下で前記マーセル化されたセルロースをカルボキシメチル化する工程、をさらに備える(8)記載の紙の製造方法。
本発明は、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチル化セルロースを含む紙に関する。本発明においてカルボキシメチル化セルロースとは、グルコース残基中の水酸基の一部にカルボキシメチル基をエーテル結合させたセルロースであり、叩解や粉砕処理を経ていないカルボキシメチル化パルプ(CM化パルプ)、CM化パルプを原料とし乾式粉砕処理のみを施して得られたカルボキシメチル化セルロース(CMC)、CM化パルプを原料とし湿式粉砕処理を経て得られたカルボキシメチル化ミクロフィブリレイテッドセルロース(CM化MFC)を含む。
本発明の添加剤に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.50以下であり、好ましくは0.40以下である。当該置換度が0.50を超えると水への溶解が起こりやすくなり、水中で繊維形態を維持できなくなる。そのためパルプスラリーに添加した際に、パルプスラリーがべたついてしまう可能性がある。一方で、保水性の効果を得るためには、一定程度のカルボキシメチル置換度を有することが必要であり、例えば、カルボキシメチル置換度が0.02より小さいと、カルボキシメチル基を導入したことによる利点が得られない場合がある。したがって、カルボキシメチル置換度の好ましい下限は、0.02以上、0.05以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上である。
試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振盪して、カルボキシメチル化セルロースの塩(CMC)をH-CMC(水素型カルボキシメチル化セルロース)に変換する。その絶乾H-CMCを1.5~2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLでH-CMCを湿潤し、0.1N-NaOHを100mL加え、室温で3時間振盪する。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N-H2SO4で過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってカルボキシメチル置換度(DS値)を算出する。
A=[(100×F’-0.1N-H2SO4(mL)×F)×0.1]/(H-CMCの絶乾重量(g))
カルボキシメチル置換度=0.162×A/(1-0.058×A)
F’:0.1N-H2SO4のファクター
F:0.1N-NaOHのファクター。
カルボキシメチル化セルロースをX線回折で測定すると、セルロースI型結晶のピークを観測することができる。本発明で用いられるカルボキシメチル化セルロースにおけるセルロースの結晶化度は、セルロースI型結晶が50%以上であり、60%以上であることがより好ましい。結晶性を上記範囲に調整することにより、カルボキシメチル化セルロースの寸法安定性、強度、熱安定性が向上する。カルボキシメチル化セルロースによる保形性付与等の効果が高くなる。また、高結晶化度のカルボキシメチル化セルロースを紙に添加すると、高強度な紙を得ることができる。セルロースの結晶性は、マーセル化剤の濃度と処理時の温度、ならびにカルボキシメチル化の度合によって制御できる。マーセル化およびカルボキシメチル化においては高濃度のアルカリが使用されるために、セルロースのI型結晶がII型に変換されやすいが、アルカリ(マーセル化剤)の使用量を調整するなどして変性の度合いを調整することによって、所望の結晶性を維持させることができる。セルロースI型の結晶化度の上限は特に限定されない。現実的には90%程度が上限となると考えられる。
試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD-6000、島津製作所製)を用いて測定する。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10°~30°の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6°の002面の回折強度と2θ=18.5°のアモルファス部分の回折強度から次式により算出する。
Xc=(I002c-Ia)/I002c×100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6°、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5°、アモルファス部分の回折強度。
カルボキシメチル化セルロースは、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、得られたマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)と反応させることにより製造することができる。
本発明に用いるカルボキシメチル化セルロースのカナディアンスタンダードフリーネス(カナダ標準濾水度)は、その形状によって異なる。例えば、CM化パルプの場合、その値は好ましくは100ml以下である。CM化MFCの場合、その値は好ましくは900ml以下、より好ましくは400ml以下、さらに好ましくは350ml以下である。CMCの場合、その値は好ましくは100ml以下である。これらのカナディアンスタンダードフリーネスの下限は好ましくは0ml以上である。このようなカナディアンスタンダードフリーネスを有するカルボキシメチル化セルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。カナディアンスタンダードフリーネスは、繊維の懸濁液の水切れの程度の指標であり、値が小さいほど水切れ(排水量)が少ないことを示し、すなわち、繊維の保水性が高いことを示す。カナディアンスタンダードフリーネスの測定方法は、以下の通りである:
カルボキシメチル化セルロースを水に分散し、固形分10g/Lの水分散体を調製し、マグネチックスターラーを用い一昼夜1000rpmにて撹拌する。得られたスラリーを1g/Lに希釈し、試料とする。ミューテック社製DFR-04に60メッシュスクリーン(ワイヤー太さ0.17mm)をセットした装置を用いて前記試料を評価し、1000mlの検液から、上記メッシュを通過する液量を60秒間計測し、JIS P 8121-2:2012に準じた方法で、カナディアンスタンダードフリーネスを算出する。
本発明のカルボキシメチル化セルロースは、水を分散媒として水分散体としたときに、低い粘度を与えることが好ましい。本発明における粘度の測定方法は以下の通りである:
本発明に用いられるカルボキシメチル化セルロースは、アニオン化度(アニオン電荷密度ともいう。)が0.00~1.00meq/gであることが好ましい。アニオン化度の測定方法は、以下の通りである:
q=(V×c)/m
q:アニオン化度(meq/g)
V:流動電流がゼロになるまでのDADMACの添加量(L)
c:DADMACの濃度(meq/L)
m:測定試料中のカルボキシメチル化パルプの重量(g)。
CM化パルプは、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、得られたマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)と反応させることにより製造することができる。
原料として前述のパルプを用い、マーセル化剤(アルカリ)で処理することによりマーセル化パルプを得る。マーセル化反応における溶媒に水を主として用い、次のカルボキシメチル化の際に有機溶媒と水との混合溶媒を使用することにより、上述の添加剤として好適なCM化パルプを経済的に得ることができる。
マーセル化パルプとカルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)を反応させることにより、CM化パルプを得る。マーセル化の際は水を主とする溶媒として用い、カルボキシメチル化の際には水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、紙の添加剤として好適なCM化パルプを経済的に得ることができる。カルボキシメチル化剤としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸イソプロピルなどが挙げられる。これらのうち、原料の入手しやすさという点でモノクロロ酢酸、またはモノクロロ酢酸ナトリウムが好ましい。
AM=(DS × セルロースのモル数)/ カルボキシメチル化剤のモル数
DS:カルボキシメチル置換度(測定方法は後述する)
セルロースのモル数:パルプ重量(100℃で60分間乾燥した際の乾燥重量)/162(162はセルロースのグルコース単位当たりの分子量)。
本発明の紙は、本発明のカルボキシメチル化セルロースを含有する。当該カルボキシメチル化セルロースは紙に内添してもよく、外添してもよい。外添する場合は、接着剤成分と前記カルボキシメチル化セルロースを混合したクリア塗工液を原紙に塗布してもよく、クリア塗工液にさらに顔料成分を加えた顔料塗工液を原紙に塗布してもよい。クリア塗工層に前記カルボキシメチル化セルロースを含有する場合、クリア塗工層の上に前記カルボキシメチル化セルロースを含有しない顔料塗工層を設けてもよい。本発明の紙は、前記カルボキシメチル化セルロースをどの層に含有させてもよく、含有量は紙の重量に対して、好ましくは1ppm重量~5×105ppm重量(50重量%)であり、より好ましくは3ppm重量~1×105ppm重量(10重量%)であり、さらに好ましくは5×103ppm重量(0.5重量%)~5×104ppm重量(5重量%)であるが、最も好ましくは、1×104ppm重量(1重量%)以上である。本発明のカルボキシメチル化セルロースは、紙のいずれの層に含有させた場合でも、効果的に紙の強度を向上させることができる。
原紙層とは紙のベースとなる層でありパルプを主成分として含み、単層でも多層でもよい。本発明においては、原紙層が前記カルボキシメチル化セルロースを含んでもよい。原紙層が前記カルボキシメチル化セルロースを含有する場合、含有量はパルプに対して1×105ppm重量以下が好ましく、5×104ppm重量以下がより好ましい。本発明の効果が得られれば前記カルボキシメチル化セルロースの量の下限は限定されないが、パルプに対して1ppm重量以上程度が好ましく、3ppm重量以上がより好ましく、10ppm重量以上がさらに好ましく、20ppm重量以上が特に好ましいが、紙力向上効果が特に優れるのは1×104ppm重量(1重量%)以上である。原紙が多層の場合、いずれか一層に前記カルボキシメチル化セルロースを含有させてもよく、複数層にカルボキシメチル化セルロースを含有させてもよいが、前記カルボキシメチル化セルロースはそれぞれの層のパルプに対して、上記含有率で含有させればよい。
顔料塗工層とは白色顔料を主成分として含む層である。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、焼成カオリン、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、プラスチックピグメント等の通常使用されている顔料が挙げられるが、白色度や不透明度を効果的に向上させることができるため、炭酸カルシウムが好ましい。
本発明の紙は、原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有していてもよい。原紙上にクリア塗工を施すことにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工性を向上させることができる。クリア塗工の量は、片面あたり固形分で0.1~5.0g/m2が好ましく、0.2~3.0g/m2がより好ましく、0.5~1.0g/m2がさらに好ましい。本発明においてクリア塗工とは、例えば、サイズプレス、ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレス、カーテンコータ、スプレーコータなどのコータ(塗工機)を使用して、澱粉、酸化澱粉などの各種澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を主成分とする塗布液(表面処理液)を原紙上に塗布(サイズプレス)することをいう。クリア塗工層が前記カルボキシメチル化セルロースを含有する場合、その量は水溶性高分子100重量部に対して、0.01~100重量部が好ましい。
本発明の紙は結晶化度が高いカルボキシメチル化セルロースを含むので優れた強度を備える。さらにカルボキシメチル化セルロースは安全性が高いため、本発明の紙は食品用途にも使用することができる。
本発明の紙は、紙を構成する層であって前記カルボキシメチル化セルロースを含む層を設ける工程を備える方法で製造されることが好ましい。紙を構成する層としては、原紙層、クリア塗工層、顔料塗工層が挙げられる。具体的に、これらの層は前記カルボキシメチル化セルロースを含む紙料、クリア塗工液または顔料塗工液を調成する工程を経て製造されることが好ましい。前記カルボキシメチル化セルロースは前述のとおり調製できる。紙料、クリア塗工液および顔料塗工液は公知の方法に準じて調成できる。例えばパルプを離解して得たスラリーに、前記カルボキシメチル化セルロース、填料、必要に応じて添加剤を添加して調成してもよく、パルプの離解工程において前記カルボキシメチル化セルロースを添加することもできる。また、クリア塗工液に前記カルボキシメチル化セルロースを添加する場合は、澱粉などの接着剤成分を蒸煮する際に添加してもよく、サイズ剤などの助剤を添加する工程で添加してもよい。さらに、顔料塗工液に前記カルボキシメチル化セルロースを添加する場合は、あらかじめ顔料と混合した上で、その他の接着剤や助剤を添加してもよく、顔料、接着剤および助剤を混合したのちに、前記カルボキシメチル化セルロースを添加してもよい。
[製造例1]
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーに水130部と、水酸化ナトリウム20部を水100部に溶解したものを加え、広葉樹クラフトパルプ(日本製紙株式会社製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間撹拌、混合してマーセル化セルロースを調製した。さらに撹拌しながら、IPA100部とモノクロロ酢酸60部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応媒中のIPA濃度は30%であった。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(DS)0.24、セルロースI型の結晶化度が73%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た。
製造例1のカルボキシメチル化パルプを乾式粉砕して、CMCのナトリウム塩を得た。
製造例1のカルボキシメチル化パルプを水に分散し、固形分濃度が4重量%の分散体を得た。当該水分散体をリファイナーで強く叩解してCM化MFCのナトリウム塩を得た。
リファイナーで弱く処理した以外は、製造例3と同様にしてCM化MFCのナトリウム塩を得た。
製造例2で得られたCMCのナトリウム塩を水に分散し、得られた水分散体をリファイナーで強く叩解してCM化MFCのナトリウム塩を得た。
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーにIPA760部と水酸化ナトリウム13部を水250部に溶解したものを加え、広葉樹クラフトパルプ(日本製紙株式会社製)を絶乾で100部仕込んだ。30℃で90分間撹拌、混合してマーセル化セルロースを調製した。さらに撹拌しながら、IPA16部とモノクロロ酢酸14部を添加し、70℃に昇温して90分間エーテル化反応させた。反応媒中のIPA濃度は90%であった。反応終了後、中和、脱液、乾燥、粉砕して無水グルコース単位当りのカルボキシメチル置換度(DS)0.14、セルロースI型の結晶化度が73%のカルボキシメチルセルロースナトリウムを得た。
粘度:前述のとおりにB型粘度を測定した。
結晶化度:前述のとおりに測定した。
SR°濾水度:JIS P 82121-1:2012に準じて測定した
CSF濾水度:前述のとおりJIS P 8121-2:2012に準じた方法で測定した。
坪量、バルク厚さ、バルク密度、比引張強さ、ショートスパン比圧縮強さ:JIS P 8223:2006を参考とした。
比引張エネルギー吸収量(比TEA):JIS P 8113:2006を参考とし、試験長さ100mm、伸張速度10mm/分にて測定した。
以下を混合してパルプスラリーを調製した。
1)パルプ
段ボール用古紙原料(日本製紙株式会社製)96重量%
製造例2で得たカルボキシメチル化セルロース4重量%
2)添加剤(前記パルプ100重量%に対して)
1.0重量%の硫酸バンド1.0重量%
紙力剤0.15重量%
アニオンポリマー70ppm重量
コロイダルシリカ100ppm重量
当該パルプスラリーを用いて坪量約100g/m2の手抄きシートを製造して評価した。手抄きシートはJIS P8222を参考にして製造した。
製造例2のカルボキシメチル化セルロースの代わりに製造例3のカルボキシメチル化セルロースを0.1重量%用いた以外は実施例1と同じ方法で手抄きシートを製造した。
製造例2のカルボキシメチル化セルロースの代わりに、製造例3のカルボキシメチル化セルロースを使用した以外は実施例1と同じ方法で手抄きシートを製造した。
製造例3のカルボキシメチル化セルロースの量を10重量%とした以外は実施例3と同じ方法で手抄きシートを製造した。
製造例2のカルボキシメチル化セルロースの代わりに、製造例4のカルボキシメチル化セルロースを使用した以外は実施例1と同じ方法で手抄きシートを製造した。
製造例2のカルボキシメチル化セルロースの代わりに、製造例5のカルボキシメチル化セルロースを使用した以外は実施例1と同様にして手抄きシートを製造した。
パルプ組成を段ボール用古紙原料パルプ100重量%とした以外は実施例1と同じ方法で手抄きシートを製造して評価した。
製造ロットの異なる段ボール古紙パルプを使用した以外は比較例1と同じ方法で手抄きシートを製造し、評価した。
製造例2のカルボキシメチル化セルロースの代わりに製造例2および製造例6のカルボキシメチル化セルロースをそれぞれ用い、かつ製造ロットの異なる段ボール古紙パルプを使用した以外は実施例1と同じ方法で手抄きシートを製造し、評価した。これらの結果を表3に示す。
Claims (5)
- 原紙層に、平均繊維径500nm以上、カルボキシメチル置換度が0.50以下であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチル化セルロースを含有し、かつその含有量がパルプに対して4重量%以上であり、
前記カルボキシメチル化セルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである、紙。 - 前記カルボキシメチル化セルロースにおけるカルボキシメチル置換度が0.20以上である、請求項1に記載の紙。
- 前記水を主とする溶媒が、水を50重量%より多く含む溶媒である、請求項1または2に記載の紙。
- 前記混合溶媒における有機溶媒の割合が、水と有機溶媒との総和に対して、50~99重量%である、請求項1~3のいずれかに記載の紙。
- 水を主とする溶媒下で原料セルロースをマーセル化する工程、
水と有機溶媒との混合溶媒下で前記マーセル化されたセルロースをカルボキシメチル化する工程、を経てカルボキシメチル置換度が0.50以下であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチル化セルロースを製造する工程、
紙を構成する層であって前記カルボキシメチル化セルロースを、パルプに対して4重量%以上含む層を設ける工程を備える、紙の製造方法。
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