JPWO2017126680A1 - 弾性クローラ - Google Patents

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    • B62D55/24Tracks of continuously flexible type, e.g. rubber belts
    • B62D55/253Tracks of continuously flexible type, e.g. rubber belts having elements interconnected by one or more cables or like elements

Abstract

排土性が改善された弾性クローラを提供する。
弾性クローラ1は、弾性体により無端帯状に形成されたクローラ本体部11と、クローラ本体部11の外周面から突出して形成され、クローラ周方向に間隔をあけて設けられ、クローラ幅方向に延在する第1ラグR1と、クローラ周方向に隣り合う第1ラグR1同士の間のクローラ本体部11の外周面から突出して形成され、クローラ周方向及びクローラ幅方向に対して傾斜して延在している、少なくとも1つの第2ラグR2と、を備える。

Description

本発明は、弾性クローラに関するものである。
従来の弾性クローラには、弾性クローラ(ゴムクローラ)全体としてのバネ特性を均一化させて振動の抑制と寿命の向上を図ることを目的に、クローラ本体部(基体)の外周面に形成したラグをクローラ周方向に間隔を置いて配置された芯金間に配置すると共にその転輪転動面に対応する部位を平面視で傾斜させることにより、当該ラグのクローラ周方向の一方の延在方向の端部(ラグの前側先端部)が一方の芯金に重なり、他方の延在方向の端部(ラグの後側先端部)が隣り合う芯金に重なるものがある(例えば、特許文献1参照。)
特開2007−290563号公報
一方、従来の弾性クローラは、ぬかるんだ圃場等を走行すると、ラグ間に泥等が詰まってしまう場合がある。この場合、圃場に伝達される駆動力が低下して機体を十分に牽引できなくなる等の問題を生じる。また、上述した従来の弾性クローラは、ラグ間での変形や歪が小さいため、ラグ間に詰まった、土や泥や雪等の異物を剥離させることができる性能(以下、「排土性」ともいう)の向上に改善の余地があった。
本発明の目的は、排土性が改善された弾性クローラを提供することにある。
本発明に係る弾性クローラは、弾性体により無端帯状に形成されたクローラ本体部と、前記クローラ本体部の外周面から突出して形成され、クローラ周方向に間隔をあけて設けられ、クローラ幅方向に延在する第1ラグと、クローラ周方向に隣り合う前記第1ラグ同士の間の前記クローラ本体部の外周面から突出して形成され、クローラ周方向及びクローラ幅方向に対して傾斜して延在している、少なくとも1つの第2ラグと、を備えることを特徴とする。本発明に係る弾性クローラによれば、排土性が改善された弾性クローラを得ることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグは、当該第2ラグの延在方向の少なくとも一方の端部が前記第1ラグに連結されていることが好ましい。この場合、優れた排土性を得ることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグは、延在方向の両端部が前記第1ラグに連結されることが好ましい。この場合、排土性を高めつつ、当該排土性の向上効果を長期にわたって得ることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグは、該第2ラグの延在方向を変化させる変曲部を備えることが好ましい。この場合、排土性をより高めることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグの前記クローラ本体部の外周面からの突出高さは、前記第1ラグの前記クローラ本体部の外周面からの突出高さよりも低いことが好ましい。この場合、排土性をより高めることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグの延在方向に直交する方向の前記第2ラグの幅は、前記第1ラグの延在方向に直交する方向の前記第1ラグの幅よりも狭いことが好ましい。この場合、排土性をより高めることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグの延在方向とクローラ周方向とがなす角度は、前記第2ラグの延在方向の少なくとも一部で、クローラ周方向に隣り合う第1ラグに近づくにしたがって小さくなることが好ましい。この場合、排土性をより高めることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグの延在方向とクローラ周方向とがなす角度は、前記第2ラグの延在方向の少なくとも一部で、クローラ周方向に隣り合う第1ラグに近づくにしたがって大きくなることが好ましい。この場合、排土性をより高めることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第2ラグの頂部は、前記弾性クローラを駆動する機体に備えられる回転輪に巻回された際に直線状に変形することが好ましい。この場合、排土性をより高めることができる。
本発明に係る弾性クローラでは、前記第1ラグは、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側に傾斜して延在し、前記第2ラグは、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、前記クローラ周方向一方側に傾斜して延在することが好ましい。
この場合、排土性をより高めることができる。
本発明によれば、排土性が改善された弾性クローラを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る弾性クローラの一部を、クローラ外周面側から示す平面図である。 図1のA−A断面図である。 図1の側面図である。 図1の弾性クローラの一部を、クローラ外周面側から示す斜視図である。 図1の拡大平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る弾性クローラの一部を、クローラ外周面側から示す斜視図である。 図6の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る弾性クローラの一部を、クローラ外周面側から示す斜視図である。 図8の側面図である。 クローラ外周側平面視で、第2ラグの頂部を、弾性クローラを駆動する機体に備えられる回転輪に巻回された際に直線状に変形させることができるメカニズムを説明するための説明図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態に係る弾性クローラについて、機体に備えられる回転輪に巻き掛かったときに生じる歪分布をFEM解析するために用いたモデルを示す三次元データであり、また、(b)は、図11(a)のモデルを用いた解析結果を示す三次元データである。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係る弾性クローラについて、機体に備えられる回転輪に巻き掛かったときに生じる歪分布をFEM解析するために用いたモデルを示す三次元データであり、また、(b)は、図12(a)のモデルを用いた解析結果を示す三次元データである。 本発明の第4の実施形態に係る弾性クローラの一部を、クローラ外周面側から示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係る弾性クローラを説明する。以下、各図において、符号Lは、クローラ周方向を示し、符号Wは、クローラ幅方向を示す。また、符号Dは、クローラ厚み方向を示す。
図1〜図5には、本発明の第1の実施形態に係る弾性クローラ1を示す。本実施形態に係る弾性クローラ1は、図1中、下側から上側に向かって回転するものとする。符号11は、弾性体により無端帯状に形成されたクローラ本体部である。本実施形態では、クローラ本体部11は、加硫ゴムの弾性体からなる。
図1及び図2中、符号12は、クローラ本体部11に埋設された芯金である。本実施形態では、図1の破線で示すように、複数の芯金12がクローラ周方向に間隔を置いて埋設されている。芯金12はそれぞれ、中心部12aと、中心部12aを挟んでクローラ幅方向外側に伸びる一対の翼部12bと、を有している。また、芯金12の中心部12aには、図2に示すように、クローラ内周面側に突出する一対の突起部12cが設けられている。2つの突起部12cは、クローラ幅方向に間隔をおいて配置されている。また、本実施形態では、突起部12cは、クローラ本体部11と共に弾性体により被覆されている。
さらに図2中、符号13は、クローラ本体部11に埋設された抗張体である。抗張体13は、例えば、スチールコードで形成されている。抗張体13は、例えば、クローラ周方向にスパイラル状に巻き付けられるか、有端帯状に形成した後に抗張体13の両端部を接合することにより、クローラ幅方向に連続して配置されている。なお、クローラ本体部11には、抗張体13の他に、抗張体13よりもクローラ内周面側及びクローラ外周面側の少なくともいずれか一方に、補強層等を埋設することができる。
また、弾性クローラ1には、クローラ内周面側に、一対の転輪転動面11aが設けられている。2つの転輪転動面11aは、クローラ本体部11の内周面に形成されている。本実施形態では、2つの転輪転動面11aは、クローラ幅方向に、2つの突起部12cを挟んで間隔を置いて配置されている。図3に示すように、転輪転動面11aは、クローラ周方向に延在している。
本実施形態では、クローラ本体部11の外周面は、クローラ幅中心に配置されてクローラ幅方向に沿う平面として形成された外周面11f1と、外周面11f1と繋がりクローラ幅方向外側に向かうに従ってクローラ内周面側に傾斜する平坦な面として形成された外周面11f2とで構成されている。
さらに、弾性クローラ1には、クローラ外周面側に、複数の第1ラグR1と、複数の第2ラグR2と、が設けられている。第1ラグR1は、クローラ本体部11の外周面(11f1,11f2)から突出して形成され、クローラ周方向に間隔をあけて設けられ、クローラ幅方向に延在する。
図1に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1では、第1ラグR1は、クローラ周方向で隣り合う芯金12間に配置されている。また、本実施形態に係る弾性クローラ1では、第1ラグR1は、クローラ幅方向に間隔をあけて2列に設けられている。詳細には、クローラ幅中心線Oを挟んでクローラ幅方向外側(図面左右側)にそれぞれ、複数の第1ラグR1がクローラ周方向に間隔をあけて設けられている。また、本実施形態では、クローラ幅方向に間隔をあけて2列に配置された第1ラグR1はそれぞれ、クローラ幅中心線Oからクローラ幅方向に同一の間隔をあけて、同一のクローラ幅方向線上に配置されている。すなわち、本実施形態に係る弾性クローラ1では、第1ラグR1はそれぞれ、クローラ幅中心線Oに対して線対称に配置されている。
また、本実施形態に係る弾性クローラ1では、第1ラグR1は、長ラグ14又は短ラグ15で構成されている。本実施形態では、長ラグ14及び短ラグ15は、クローラ周方向に交互に配置されている。
長ラグ14は、図1及び図4に示すように、主踏面部14aを有している。主踏面部14aは、クローラ本体部11の外周面11f1から先細りに突出して、その頂部が踏面14f1を形成している。主踏面部14aは、図1に示すように、クローラ外周側平面視で、クローラ周方向に隣り合う芯金12間でクローラ幅方向中心側からクローラ幅方向外側に向かうに従って傾斜している。詳細には、主踏面部14aは、一方の延在方向の端部14e1がクローラ幅中心側でクローラ周方向に隣り合う一方の芯金12に隣接する位置に配置され、他方の延在方向の端部14e2がクローラ幅方向外側でクローラ周方向に隣り合う他方の芯金12に隣接する位置に配置されている。
また、長ラグ14は、図1及び図4に示すように、主踏面部14aに繋がる副踏面部14bを有している。副踏面部14bは、クローラ本体部11の外周面11f2から先細りに突出して、その頂面が踏面14f2を形成している。副踏面部14bは、図1に示すように、クローラ外周側平面視で、主踏面部14aからクローラ幅方向に沿ってその外側に向かって延在している。詳細には、副踏面部14bは、一方の延在方向の端部が主踏面部14aの延在方向の端部14e2に連なり、他方の延在方向の端部14e3がクローラ本体部11のクローラ幅方向外縁11eの位置に配置されている。さらに詳細には、図2〜図4に示すように、主踏面部14aの踏面14f1は、クローラ厚み方向で、均一な高さの水平面であるのに対し、副踏面部14bの踏面14f2は、クローラ厚み方向で、クローラ幅外側に向かうに従って、クローラ本体部11の内周面側に傾斜している。
短ラグ15も、図1に示すように、主踏面部15aを有している。主踏面部15aは、本実施形態では、長ラグ14と同様の形状を有した主踏面部である。すなわち、短ラグ15の主踏面部15aは、長ラグ14の踏面14f1と同様の踏面15f1を有し、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側(図1では、図面の上側)に傾斜して平行に延在し、互いに平行に配置されている。言い換えれば、長ラグ14の主踏面部14aと、短ラグ15の主踏面部15aとはそれぞれ、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側に傾斜して延在し、互いに平行に配置されている。
また、短ラグ15は、図1及び図4に示すように、その主踏面部15aに繋がる副踏面部15bを有している。短ラグ15の副踏面部15bは、クローラ本体部11の外周面11f2から先細りに突出して、その頂部が頂面15f2を形成している。短ラグ15の副踏面部15bは、図1に示すように、クローラ外周側平面視で、主踏面部15aからクローラ幅方向に沿ってその外側に向かって延在している。詳細には、短ラグ15の副踏面部15bは、一方の延在方向の端部が主踏面部15aの延在方向の端部15e2に連なり、他方の延在方向の端部15e3がクローラ本体部11のクローラ幅方向外縁11eよりもクローラ幅方向内側の位置に配置されている。すなわち、短ラグ15の副踏面部15bは、長ラグ14の副踏面部14bよりもクローラ幅方向の長さが短い。さらに詳細には、図2〜図4に示すように、短ラグ15の副踏面部15bは、長ラグ14の副踏面部14bよりも、クローラ厚み方向で、クローラ幅外側に向かうに従って、クローラ本体部11の内周面側により大きく傾斜し、クローラ本体部11の外周面11f2に繋がっている。
一方、第2ラグR2は、クローラ周方向に隣り合う第1ラグR1同士の間のクローラ本体部11の外周面11f1から突出して形成され、クローラ外周側平面視で、クローラ周方向及びクローラ幅方向に対して傾斜して延在し、当該延在方向の少なくとも一方の端部が第1ラグR1に連結される。
図1に示すように、本実施形態では、第2ラグR2は、長ラグ14と短ラグ15との間のクローラ本体部11の外周面11f1から突出して形成され、クローラ外周側平面視で、クローラ周方向に互いに隣り合う長ラグ14と短ラグ15との間で、クローラ幅方向中心側からクローラ幅方向外側に向かうに従って傾斜している。また、本実施形態では、第2ラグR2は、その延在方向の一方の端部が長ラグ14に連結されていると共に他方の端部が短ラグ15に連結されている。詳細には、第2ラグR2は、第2ラグ16として構成されている(以下、第2ラグR2を「第2ラグ16」ともいう。)。第2ラグ16は、図1に示すように、その一方の延在方向の端部16e1がクローラ幅方向中心側で、クローラ周方向に隣り合う一方の長ラグ14に連結され、その他方の延在方向の端部16e2がクローラ幅方向外側で、クローラ周方向に隣り合う他方の短ラグ15に連結されている。
第2ラグ16は、図1及び図4に示すように、クローラ本体部11の外周面11f1から突出して、その頂部が頂面16f1を形成している。本実施形態では、頂面16f1の一方の端部は、長ラグ14の踏面14f1に連結され、頂面16f1の他方の端部は、短ラグ15の主踏面頂面15f1に連結される。本実施形態では、例えば、図2及び3に示すように、第2ラグ16の頂面16f1は、長ラグ14の頂面14f1及び短ラグ15の頂面15f1よりも、クローラ本体部11の外周面11f1から突出する高さが低くなるように、構成されている。
また、本実施形態では、第2ラグ16は、クローラ外周側平面視で、クローラ幅方向外側からクローラ幅方向内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側(図1では、図面の上側)に傾斜して延在している。詳細には、図1に示すように、第2ラグ16は、第2ラグ16の延在方向の一方の端部16e1が長ラグ14における主踏面部14aの延在方向の端部14e1に連結され、他方の延在方向の端部16e2が短ラグ15における主踏面部15aの延在方向の端部15e2に連結されている。これにより、本実施形態では、長ラグ14及び短ラグ15は、その主踏面部14a及び15aにおいて、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側に傾斜して延在し、また、第2ラグ16も、長ラグ14及び短ラグ15と同様、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向他方側(図2では、図面の下側)ではなく、クローラ周方向一方側に傾斜して延在している。なお、第2ラグ16は、長ラグ14及び短ラグ15の間をクローラ周方向に横切ってクローラ厚み方向で芯金12の翼部12bと重複する位置に配置されている。
本実施形態に係る弾性クローラ1では、第2ラグ16の少なくとも一端が長ラグ14及び短ラグ15に連結されていることから、機体の走行中、弾性クローラ1が駆動輪や遊動輪等の回転輪に巻き掛かった(巻回された)とき、第2ラグ16は、クローラ本体部11の屈曲(或いは、クローラ本体部11の屈曲と当該屈曲に併せた長ラグ14と短ラグ15との間の拡張)(以下、単に、「クローラ本体部11の屈曲」ともいう。)に追従して変形する。この第2ラグ16の変形により、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった土や泥或いは雪等の異物は、クローラ本体部11の外周面からずれて剥離される。本実施形態に係る弾性クローラ1によれば、軟弱な地面や雪道等を走行しても、長ラグ14と短ラグ15との間での目詰まりをし難くする優れた排土性を得ることができる。また、第2ラグ16を長ラグ14と短ラグ15とに連結したことにより、第2ラグ16は、第2ラグ16が長ラグ14及び短ラグ15と一体化することにより、長ラグ14、短ラグ15及び第2ラグ16を全体として一つのラグと捉えた場合、1つのラグとしてみたときの当該ラグの体積が増加することで、第2ラグ16の耐久性が向上し、また、第2ラグ16の延在方向の少なくとも一方の端部が長ラグ14と短ラグ15との連結により無くなることでも、第2ラグ16の耐久性が向上する。
特に、本実施形態に係る弾性クローラ1では、第2ラグ16は、延在方向の両端部16e1,16e2が長ラグ14及び短ラグ15のそれぞれに連結されたラグである。この場合、第2ラグ16の延在方向の両端部16e1,16e2がそれぞれ、クローラ周方向に間隔をあけて配置された、対応する長ラグ14及び短ラグ15のそれぞれに連結されているため、第2ラグ16が更に変形しやすくなり、更に排土性が向上される。副次的な効果として、第2ラグ16の耐久性が高まることにより、排土性の向上効果を長期にわたって得ることができる。
更に、第2ラグ16は、少なくともその一部がクローラ周方向及びクローラ幅方向に対して傾斜して延在するものである。本実施形態に係る弾性クローラ1では、第2ラグ16の延在方向を変化させる変曲部を有している。変曲部は、第2ラグ16の延在途中で傾斜角度が変化し、例えば、クローラ外周側平面視で、第2ラグ16の延在方向を凹状又は凸状に変化させた円弧状の部位とすることができる。この場合、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の頂面16f1が直線状に伸長しながらクローラ幅方向に倒れ込むように変形する。この変形により、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物は、クローラ本体部11の外周面からずれることで剥離される。
特に、本実施形態に係る弾性クローラ1では、図5に示すように、第2ラグ16は、該第2ラグ16の延在方向を変化させる変曲部として1つの変曲点16pを備えている。変曲点16pは、図5に示すように、クローラ外周側平面視で、第2ラグ16の曲がる方向が変わる点、第2ラグ16を形作る延在曲線の一次導関数が極値を取る点である。本実施形態に係る弾性クローラ1では、第2ラグ16は、1つの変曲点16pを有することで、クローラ外周側平面視で、S字状の輪郭を有したラグとして形作られている。この場合、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の頂面16f1が直線状に伸長しながらクローラ幅方向に倒れ込むように変形する。このため、第2ラグ16の変形量がより大きくなり、排土性をより高めることができる。なお、変曲点16pは、第2ラグ16の延在途中の少なくとも一箇所に備えることができる。このため、第2ラグ16は、クローラ外周側平面視で、S字状の輪郭を有したラグに限定されるものではなく、変曲点16pが二箇所以上に設けられた波形状の輪郭を有したラグ等とすることができる。
図5に示すように、本実施形態では、第2ラグ16の変曲点16pは、クローラ外周側平面視で、芯金12とクローラ厚み方向で重複する位置に配置されている。芯金12を有する、芯金入りの弾性クローラ1の場合、本実施形態のように、第2ラグ16の変曲点16pは、クローラ外周側平面視で、芯金12とクローラ厚み方向で重複する位置に配置されていることが好ましい。この場合、当該弾性クローラ1のうち、芯金12が埋設されている部分が、弾性クローラ1を巻き掛けた時に最も曲がり難くなる。このため、芯金12が埋設されている部分に変曲点16pを配置すれば、第2ラグ16は、変曲点16pを中心にして、より曲がり易くなる。従って、芯金入りの弾性クローラ1では、芯金12が埋設されている部分に変曲点16pを配置すれば、排土性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る弾性クローラ1では、第2ラグ16のクローラ本体部11の外周面11f1からの突出高さは、上述したように、長ラグ14及び短ラグ15のクローラ本体部11の外周面11f1からの突出高さよりも低くなっている。具体的には、図2及び図3に示すように、第2ラグ16のクローラ本体部11の外周面11f1からの最小突出高さh2を、長ラグ14及び短ラグ15のクローラ本体部11の外周面11f1からの最大突出高さh1の約1/3としている。この場合、第2ラグ16がクローラ本体部11の屈曲に追従して変形できるため、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の変形量が大きくなり、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。
また、本実施形態に係る弾性クローラ1では、図5に示すように、第2ラグ16の延在方向に直交する方向の第2ラグ16の幅w2は、長ラグ14及び短ラグ15の延在方向に直交する方向の長ラグ14の幅w1及び短ラグ15の幅w1よりも狭くなっている。ここでは、長ラグ14の幅w1及び短ラグ15の幅w1とは、図5に示すように、クローラ外周側平面視で、長ラグ14の基部(ここでは、長ラグ14とクローラ本体部11の外周面11f1とを連結する部分)及び短ラグ15の基部(ここでは、短ラグ15とクローラ本体部11の外周面11f1とを連結する部分)が形作る輪郭形状の幅のうち、最も狭い幅である。また、第2ラグ16の幅w2とは、図5に示すように、クローラ外周側平面視で、第2ラグ16の基部(ここでは、第2ラグ16とクローラ本体部11の外周面11f1とを連結する部分)が形作る輪郭形状の幅のうち、最も狭い幅である。この場合、第2ラグ16の剛性が長ラグ14及び短ラグ15の剛性に比べて低いため、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の変形量が大きくなり、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。
また、本発明に従えば、第2ラグ16の延在方向とクローラ周方向とがなす角度θ2は、第2ラグ16の延在方向の少なくとも一部で、クローラ周方向に隣り合う(隣接する)長ラグ14及び短ラグ15に近づくにしたがって小さくすることができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1では、図5に示すように、クローラ外周側平面視で、第2ラグ16の一方の延在方向の端部16e1付近の第2ラグ16の延在方向がクローラ周方向線となす角度をθ21とすると共に、他方の延在方向の端部16e2付近の第2ラグ16の延在方向がクローラ周方向線となす角度をθ22とする。本実施形態では、角度θ21及びθ22はそれぞれ、隣接する長ラグ14及び短ラグ15に近づくにしたがって小さくなる。この場合、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の変形量が大きくなり、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。特に、本実施形態に係る弾性クローラ1では、第2ラグ16が連結される長ラグ14及び短ラグ15近傍で、角度θ21及びθ22がそれぞれ、小さくなるため、クローラ周方向に隣り合う長ラグ14と短ラグ15との間の中央近傍の異物を剥離させ易くなる。なお、本実施形態では、第2ラグ16の延在方向とクローラ周方向とがなす角度θ2のうち、角度θ21及びθ22の少なくともいずれか一方が、対応する長ラグ14又は短ラグ15に近づくにしたがって小さくなればよい。
また反対に、第2ラグ16の延在方向とクローラ周方向とがなす角度は、第2ラグ16の延在方向の少なくとも一部で、クローラ周方向に隣り合う(隣接する)長ラグ14及び短ラグ15に近づくにしたがって大きくすることができる。
例えば、本実施形態に係る弾性クローラ1にて、クローラ外周側平面視で、図5に示す角度θ21及びθ22をそれぞれ、クローラ周方向に隣り合う長ラグ14及び短ラグ15に近づくにしたがって大きくする。この場合も、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の変形量が大きくなり、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。特に、第2ラグ16が連結される第1ラグR1近傍で角度θ21及びθ22がそれぞれ、大きくなれば、異物を除去しにくい長ラグ14の近傍及び短ラグ15の近傍での異物を剥離させ易くなる。なお、本実施形態では、第2ラグ16の延在方向とクローラ周方向とがなす角度θ2のうち、角度θ21及びθ22の少なくともいずれか一方が、対応する長ラグ14又は短ラグ15に近づくにしたがって大きくなればよい。
また第2ラグ16が、クローラ外周側平面視で、クローラ周方向に対して角度θ2で延在する場合、角度θ2は、第1ラグR1がクローラ周方向に対してなす角度θ1よりも小さい角度であることが好ましい。第2ラグR2の角度θ2が第1ラグR1の角度θ1よりも大きい場合、排土性が低くなる傾向にある。従って、第2ラグR2の角度θ2は、第1ラグR1の角度θ1よりも小さくすれば、排土性の低下を防止することができる。更に好適には、第2ラグR2の角度θ2は、第1ラグR1の角度θ1の1/2の角度である。
本実施形態では、図5に示すように、クローラ外周側平面視で、長ラグ14の主踏面部14aがクローラ本体部11の外周面11f1から突出する根元部分のうち、第2ラグ16とクローラ周方向で向かい合う根元部分e1の延在方向がクローラ周方向線となす角度をθ11とすると共に、短ラグ15の主踏面部15aがクローラ本体部11の外周面11f1から突出する根元部分のうち、第2ラグ16とクローラ周方向で向かい合う根元部分e2の延在方向がクローラ周方向線となす角度をθ12とする。本実施形態では、第2ラグ16の一方の延在方向の端部16e1付近の角度θ21は、長ラグ14の角度θ11よりも小さく、また第2ラグ16の他方の延在方向の端部16e2付近の角度θ22は、短ラグ15の角度θ12よりも小さい。従って、本実施形態では、排土性の低下を防止することができる。更に好適には、第2ラグ16の角度θ21は、長ラグ14の角度θ11の1/2の角度とし、また第2ラグ16の角度θ22は、短ラグ15の角度θ12の1/2の角度とする。なお、本実施形態では、第2ラグR2の角度θ2は、角度θ21及びθ22の少なくともいずれか一方が、対応する長ラグ14の角度θ11又は短ラグ15の角度θ22よりも小さくなればよい。
更に、本実施形態に係る弾性クローラ1では、長ラグ14及び短ラグ15は、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側に傾斜して延在し、第2ラグ16は、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側に傾斜して延在する。具体的には、図1に示すように、長ラグ14の延在端部14e1と、第2ラグ16の延在端部16e1とを、同一の芯金12に隣接するように配置し、短ラグ15の延在端部15e2と、第2ラグ16の延在端部16e2とを、同一の芯金12に隣接するように配置する。
すなわち、本実施形態に係る弾性クローラ1では、図1に示すように、クローラ外周側平面視で、長ラグ14及び短ラグ15のそれぞれがクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向と、第2ラグ16がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向とが同じになっている。例えば、クローラ外周側平面視で、長ラグ14の延在端部14e1と、第2ラグ16の延在端部16e1とをそれぞれ、クローラ周方向に間隔をあけて配置された2つの芯金12のうち、異なる芯金12に隣接するように配置すると共に、短ラグ15の延在端部15e1と、第2ラグ16の延在端部16e1とをそれぞれ、クローラ周方向に間隔をあけて配置された2つの芯金12のうち、異なる芯金12に隣接するように配置することで、長ラグ14及び短ラグ15がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向と、第2ラグ16がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向とが同じになる。この場合、長ラグ14及び短ラグ15がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向と、第2ラグ16がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向とを逆になるときよりも第2ラグR2の延在長さが長くなるため、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の変形量が大きくなり、互いに隣り合う長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。
図6及び図7には、本発明の第2の実施形態に係る弾性クローラ2を示す。なお、図中、第1の実施形態に係る弾性クローラ1と実質的に等しい構成要素は、同一の符号をもって、その説明を省略する。
本実施形態に係る弾性クローラ2では、第1の実施形態に係る弾性クローラ1と同様、第2ラグ16のクローラ本体部11の外周面11f1からの突出高さは、第1ラグR1のクローラ本体部11の外周面11f1からの突出高さよりも低くなっている。具体的には、図7に示すように、第2ラグ16のクローラ本体部11の外周面11f1からの最小突出高さh2を、長ラグ14及び短ラグ15のクローラ本体部11の外周面11f1からの最大突出高さh1の約1/2としている。この場合も、第2ラグ16が容易に、クローラ本体部11の屈曲に追従できるため、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の変形量が大きくなり、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。
図8及び図9には、本発明の第3の実施形態に係る弾性クローラ3を示す。なお、図中、他の実施形態に係る弾性クローラと実質的に等しい構成要素は、同一の符号をもって、その説明を省略する。
本実施形態に係る弾性クローラ3では、図8及び図9に示すように、第2ラグ16のクローラ本体部11の外周面11f1からの突出高さは、長ラグ14及び短ラグ15のクローラ本体部11の外周面11f1からの突出高さと等しい。これにより、本実施形態に係る弾性クローラ3では、少なくとも長ラグ14の踏面14f1、短ラグ15の踏面15f1及び第2ラグ16の頂面16f1は、同一の平面を形成している。この場合、第2ラグ16の耐久性を高めつつ、排土性をより高めることができる。
ところで、上述した実施形態に係る弾性クローラはいずれも、クローラ外周側平面視で、第2ラグ16の傾斜角度をその延在途中で変化させることで、機体の走行中、弾性クローラが回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の頂面16f1を直線状に変形させたが、他の実施形態として、クローラ外周側平面視で、第2ラグ16の傾斜角度を第2ラグ16の延在方向に対して変化させることなく、一定にすることで、第2ラグ16をクローラ外周側平面視で、直線状に延在させたままでも、第2ラグ16がクローラ本体部11の屈曲に追従して変形することによって長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させることができる。
図10は、第2ラグ16が巻き掛け前の初期の状態においてクローラ外周側平面視で直線状に延在しているゴムクローラを用いることによっても、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させることができるメカニズムの一例を説明するための説明図である。
以下の説明では、他の実施形態に係る弾性クローラと実質的に等しい構成要素は、同一の符号をもって、その説明を省略する。また、本実施形態に係る弾性クローラにおいて、第1ラグR1及び第2ラグR2のクローラ本体部11の外周面上におけるレイアウト(配置構成)は、他の実施形態と同様である。
図10中、符号B1は、長ラグ14の基部であり、符号P1は、長ラグ14の頂部である。特に、図面では、長ラグ14の基部B1及び頂部P1をそれぞれ、符号B1(14)及び符号P1(14)で示し、短ラグ15の基部B1及び頂部P1も同様にそれぞれ、符号B1(15)及び符号P1(15)で示す。また、図面では、第2ラグ16の基部及び頂部をそれぞれ、符号B2(16)及び符号P2(16)で示す。
本実施形態では、図示のとおり、長ラグ14の延在端部14e1及び14e2はそれぞれ、長ラグ14の頂部P1(14)の延在端部をそれぞれ、基部B1(14)の中心を軸に、基部B1(14)の延在端部に対してクローラ周方向に逆向きにずらしたような形状をしている。これにより、本実施形態では、長ラグ14の延在端部14e1は、基部B1(14)と頂部P1(14)との間に傾斜面が形成されている。
また、短ラグ15の延在端部14e1及び14e2もそれぞれ、その頂部P1(15)の延在端部をそれぞれ、基部B1(15)の中心を軸に、基部B1(15)の延在端部に対してクローラ周方向に逆向きにずらしたような形状をしている。これにより、本実施形態では、短ラグ15の延在端部15e2では、基部B1(15)と頂部P1(15)との間に傾斜面が形成されている。
また、第2ラグ16も同様に、第2ラグ16の延在端部16e1及び16e2もそれぞれ、その頂部P2(16)の延在端部をそれぞれ、基部B2(16)の中心を軸に、基部B2(16)の延在端部に対してクローラ周方向に逆向きにずらしたような形状をしている。
長ラグ14及び短ラグ15と、第2ラグ16とを、上述のように構成し、第2ラグ16の一方の延在端部16e1に、長ラグ14の一方の延在端部14e1を連結すると共に第2ラグ16の他方の延在端部16e2に短ラグ15の他方の延在端部15e2に連結すれば、第2ラグ16の頂部P2(16)をクローラ外周側平面視で直線状に延在させつつ、長ラグ14及び短ラグ15及び第2ラグ16をそれぞれ、各ラグの延在方向軸線周りに捻った形状とすることができる。第2ラグ16の頂部P2(16)の周方向長さLPは、第2ラグ16の基部B2(16)の周方向長さLBよりも長くなる。この場合、第2ラグ16の傾斜角度を変化させることなく、一定にして第2ラグ16を直線状に延在させたままでも、第2ラグ16がクローラ本体部11の屈曲に追従して変形することによって長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させることができる。
例えば、前述した弾性クローラ1〜3に係る、長ラグ14及び短ラグ15は、クローラ本体部11の外周面11f1から先細りに突出しているため、クローラ外周側平面視で、クローラ外周側平面視で第2ラグ16の頂部P2(16)を直線状に延在させつつ、延在方向軸線周りに捻った形状を有する第2ラグ16を長ラグ14、短ラグ15に連結すれば、第2ラグ16を直線状に延在させたままでも、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16の踏面16f1を、クローラ外周側平面視で、変形させることができることで、第2ラグ16の変形量が大きくなり、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。
図10に示す構成の場合も、長ラグ14及び短ラグ15がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向と、第2ラグ16がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向とが同じになる。この場合も、長ラグ14及び短ラグ15がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向と、第2ラグ16がクローラ幅方向外側から内側に向かうに従い傾斜する方向とを逆になるときよりも第2ラグR2の延在長さが長くなるため、機体の走行中、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグR2の変形量が大きくなり、互いに隣り合う長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させ易いことから、排土性をより高めることができる。
さらに、図11(a)には、第2ラグ16の突出高さが長ラグ14及び短ラグ15の突出高さよりも低い、第1の実施形態に係る弾性クローラ1について、機体に備えられる回転輪に巻き掛かったときに生じる歪分布をFEM解析するために用いたモデルを示し、また、図11(b)には、図11(a)のモデルを用いて解析を行った結果を示す。
図11(a)は、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かる前の定常状態を示し、図11(b)は、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かった後の巻回状態を示す。特に、図11(b)の符号εは、第2ラグ16に生じた歪(変形)を示す。図11(a)及び図11(b)を参照すれば、弾性クローラ1が回転輪に巻き掛かったとき、第2ラグ16が変形することにより、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させることができることが明らかである。
さらに、図12(a)には、第2ラグ16の突出高さが長ラグ14及び短ラグ15の突出高さと同一の、第3の実施形態に係る弾性クローラ3について、機体に備えられる回転輪に巻き掛かったときに生じる歪分布をFEM解析するために用いたモデルを示し、また、図12(b)には、その図12(a)のモデルを用いて解析を行った結果を示す。
図12(a)は、弾性クローラ3が回転輪に巻き掛かる前の定常状態を示し、図12(b)は、弾性クローラ3が回転輪に巻き掛かった後の巻回状態を示す。特に、図12(b)の符号εは、第2ラグ16に生じた歪(変形)を示す。図12(a)及び図12(b)を参照すれば、弾性クローラ3が回転輪に巻き掛かったときも、第2ラグ16に生じた歪(変形)は、弾性クローラ1に比べて小さいものの、第2ラグ16が変形することにより、長ラグ14と短ラグ15との間に詰まった異物を剥離させることができることが明らかである。
このように、本発明によれば、排土性に優れた弾性クローラを提供することができる。
上述したところは、本発明の実施形態の例示であって、特許請求の範囲の記載によれば、種々の変更が可能である。例えば、上述した各実施形態では、第2ラグ16の延在方向の端部16e1及び16e2をそれぞれ、クローラ周方向に配置された、対応する第1ラグR1に連結したが、第2ラグ16は、クローラ周方向に隣り合う第1ラグR1同士の間で、クローラ周方向及びクローラ幅方向に対して傾斜して延在しているものであればよい。即ち、本発明では、第2ラグ16には、当該第2ラグ16の延在方向の端部16e1及び16e2のいずれもが、クローラ周方向に配置された、対応する第1ラグR1に連結されていないものも含まれる。また第1ラグR1に連結されていない第2ラグ16には、クローラ周方向に隣り合う第1ラグR1同士の間で、断続的に形成されたものも含まれる。即ち、第1ラグR1に連結されていない第2ラグ16には、クローラ周方向に隣り合う第1ラグR1同士の間で、途中で途切れた状態に形成された複数のラグのうちの、個々のラグが含まれる。上述のような、第1ラグR1に連結されていない第2ラグ16であっても、排土性が改善された弾性クローラを得ることができる。このように、本発明によれば、第2ラグ16は、クローラ周方向に隣り合う第1ラグR1同士の間に配置された、少なくとも1つのラグとすることができる。
但し、本発明では好ましくは、第2ラグ16は、クローラ周方向に配置された2つの第1ラグR1のうちのいずれか一方に、連結させる。最も好ましくは、第2ラグ16は、上述した各実施形態のように、クローラ周方向に配置された2つの第1ラグR1のそれぞれに連結させる。
また、上述した各実施形態では、第1ラグR1を異なる長ラグ14及び短ラグ15で構成したが、第1ラグR1は同一形状の第1ラグとすることができる。また、上述した各実施形態では、クローラ本体部11のクローラ幅方向外側に配置された第1ラグR1は、同一のクローラ幅方向線上に配置されてクローラ幅中心線Oに対して線対称な構成であるが、クローラ周方向にずらして互い違いに配置することもでき、クローラ本体部11に対するレイアウトに限定はない。また、図1では、弾性クローラ1を図面下側で接地させ、当該図面の下側から上側に向かって回転するものとしたが、弾性クローラ1を図面下側で接地させ、当該図面の上側から下側に向かって回転させることもできる。さらに、上述した各実施形態では、弾性クローラを芯金入り弾性クローラで説明したが、本実施形態に係る弾性クローラには、芯金レス弾性クローラも含まれる。
図13には、本発明の第4の実施形態に係る弾性クローラ4の一部をクローラ外周面側から示す。以下の説明では、他の実施形態に係る弾性クローラと実質的に等しい構成要素は、同一の符号をもって、その説明を省略する。また、本実施形態に係る弾性クローラにおいて、第1ラグR1及び第2ラグR2のクローラ本体部11の外周面上におけるレイアウト(配置構成)は、他の実施形態と同様である。
本実施形態に係る弾性クローラ4は、芯金12を有しない、芯金レスの弾性クローラである。本実施形態では、図13の破線で示すように、弾性クローラ4は、クローラ本体部11の内周面に、当該クローラ本体部11の内周面から突出して形成された突起17を有している。本実施形態では、突起17は、例えば、機体に備えられる回転輪と係合し、当該回転輪の回転により、弾性クローラ4を駆動させる。本実施形態では、突起17は、クローラ周方向に間隔を置いて配置されている。図13に示すように、芯金レスの弾性クローラ4の場合、クローラ外周側平面視で、第2ラグR2の変曲点16pは、突起17がクローラ周方向に延在する長さL17の領域内に配置されていることが好ましい。言い換えれば、図13に示すように、芯金レスの弾性クローラ4の場合、第2ラグR2の変曲点16pは、当該弾性クローラ4を図3の方向で視たときのクローラ幅方向視で、突起17がクローラ周方向に延在する長さL17の領域内に配置されていることが好ましい。この場合、弾性クローラ4のうち、クローラ幅方向視で、突起17がクローラ周方向に延在している領域内の部分が、弾性クローラ4を巻き掛けた時に最も曲がり難くなる。このため、突起17がクローラ周方向に延在している領域内の部分に変曲点16pを配置すれば、第2ラグR2は、変曲点16pを中心にして、より曲がり易くなる。従って、本実施形態に係る、芯金レスの弾性クローラ4では、突起17がクローラ周方向に延在している領域内の部分に変曲点16pを配置されているため、排土性を向上させることができる。
本発明は、クローラ本体の外周面にクローラ周方向に間隔をあけて複数のラグが形成された弾性クローラに利用することができる。
1;弾性クローラ(第1の実施形態), 2;弾性クローラ(第2の実施形態), 3;弾性クローラ(第3の実施形態), 11;クローラ本体部, 11f1;クローラ本体部の外周面, 11f2;クローラ本体部の外周面, 12;芯金, 13;抗張体,
14;長ラグ(第1ラグ), 14a;主踏面部, 14b;副踏面部, 14e1;主踏面部の一方の延在方向の端部, 14e2;主踏面部の他方の延在方向の端部, 14e3;副踏面部の他方の延在方向の端部, 14f1;主踏面部の踏面, 14f2;副踏面部の踏面, 15;短ラグ(第1ラグ), 15a;主踏面部, 15b;副踏面部, 15e1;主踏面部の一方の延在方向の端部, 15e2;主踏面部の他方の延在方向の端部, 15f1;主踏面部の踏面, 15f2;副踏面部の踏面, 16;第2ラグ, 16e1;第2ラグの一方の延在方向の端部(第2ラグの一方の延在方向の端部), 16e2;第2ラグの他方の延在方向の端部(第2ラグの他方の延在方向の端部), 16f1;第2ラグの頂面, 17:突起, D;クローラ厚み方向, e1:第2ラグとクローラ周方向で向かい合う、長ラグの主踏面部の根元部分, e2:第2ラグ16とクローラ周方向で向かい合う、短ラグの主踏面部の根元部分, L;クローラ周方向, L1;クローラ周方向, O;クローラ幅中心線, R1;第1ラグ, R2;第2ラグ, W;クローラ幅方向,w1;第1ラグの延在方向に直交する方向の第1ラグの幅,w2;第2ラグの延在方向に直交する方向の第2ラグの幅, θ1;第1ラグの延在方向とクローラ周方向とがなす角度, θ11:第2ラグとクローラ周方向で向かい合う、長ラグの主踏面部の根元部分の延在方向がクローラ周方向線となす角度, θ12:第2ラグとクローラ周方向で向かい合う、短ラグの主踏面部の根元部分の延在方向がクローラ周方向線となす角度, θ2;第2ラグの延在方向とクローラ周方向とがなす角度, θ21:第2ラグの一方の延在方向の端部付近の第2ラグの延在方向がクローラ周方向線となす角度, θ22:第2ラグの他方の延在方向の端部付近の第2ラグの延在方向がクローラ周方向線となす角度

Claims (10)

  1. 弾性体により無端帯状に形成されたクローラ本体部と、
    前記クローラ本体部の外周面から突出して形成され、クローラ周方向に間隔をあけて設けられ、クローラ幅方向に延在する第1ラグと、
    クローラ周方向に隣り合う前記第1ラグ同士の間の前記クローラ本体部の外周面から突出して形成され、クローラ周方向及びクローラ幅方向に対して傾斜して延在している、少なくとも1つの第2ラグと、
    を備える、弾性クローラ。
  2. 前記第2ラグは、当該第2ラグの延在方向の少なくとも一方の端部が前記第1ラグに連結されている、請求項1に記載の弾性クローラ。
  3. 前記第2ラグは、延在方向の両端部が前記第1ラグに連結された、請求項1又は2に記載の弾性クローラ。
  4. 前記第2ラグは、該第2ラグの延在方向を変化させる変曲部を備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
  5. 前記第2ラグの前記クローラ本体部の外周面からの突出高さは、前記第1ラグの前記クローラ本体部の外周面からの突出高さよりも低い、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
  6. 前記第2ラグの延在方向に直交する方向の前記第2ラグの幅は、前記第1ラグの延在方向に直交する方向の前記第1ラグの幅よりも狭い、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
  7. 前記第2ラグの延在方向とクローラ周方向とがなす角度は、前記第2ラグの延在方向の少なくとも一部で、クローラ周方向に隣り合う第1ラグに近づくにしたがって小さくなる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
  8. 前記第2ラグの延在方向とクローラ周方向とがなす角度は、前記第2ラグの延在方向の少なくとも一部で、クローラ周方向に隣り合う第1ラグに近づくにしたがって大きくなる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
  9. 前記第2ラグの頂部は、前記弾性クローラを駆動する機体に備えられる回転輪に巻回された際に直線状に変形する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
  10. 前記第1ラグは、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、クローラ周方向一方側に傾斜して延在し、
    前記第2ラグは、クローラ幅方向外側から内側に向かうに従い、前記クローラ周方向一方側に傾斜して延在する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の弾性クローラ。
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