JPWO2017073220A1 - 眼鏡レンズ用積層体、積層体付眼鏡レンズおよびマーキング方法 - Google Patents

眼鏡レンズ用積層体、積層体付眼鏡レンズおよびマーキング方法 Download PDF

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Abstract

光学フィルム5(眼鏡レンズ用積層体)は、眼鏡レンズ4の表側の面41に配置して用いられるものである。また、光学フィルム5は、光透過性を有する保護層52と、保護層52の裏側に設けられ、レーザーの照射により発色する発色材料512を含む発色層51と、発色層51の裏側に設けられ、保護層52および発色層51を介して入射する入射光を偏光する偏光層53と、を備えている。これにより、発色層の印字された部分が消失するのを防止することができる眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズを提供することができる。また、眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズに効率よくマーキングを施すこともできる。

Description

本発明は、眼鏡レンズ用積層体、積層体付眼鏡レンズおよびマーキング方法に関する。
眼鏡やサングラス等のレンズは、樹脂材料またはガラス材料等の光透過性を有する材料で構成されている。この眼鏡レンズの表側の面には、光透過性を有する保護フィルムを貼着して用いられる(例えば、特許文献1参照)。
このような保護フィルムには、例えば、インクジェットプリントや、レーザー照射により、企業名等のロゴを印字(マーキング)する場合がある。この印字は、保護フィルムや眼鏡レンズの色とは異なる色とされる。
しかしながら、このような構成では、印字された部分が保護フィルムの表側に位置しているため、眼鏡を使用するに連れ、印字が摩擦等により消失するおそれがある。
特開平5−34648号公報
本発明の目的は、発色層の印字された部分が消失するのを防止することができる眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズを提供することにある。また、本発明の他の目的は、眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズに効率よくマーキングを施すマーキング方法を提供することにもある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる眼鏡レンズ用積層体であって、
光透過性を有する光透過性層と、
前記光透過性層の裏側に設けられ、エネルギー線の照射により発色する発色材料を含む発色層と、
前記発色層の裏側に設けられ、前記光透過性層および前記発色層を介して入射する入射光を偏光する偏光層と、を備えることを特徴とする眼鏡レンズ用積層体。
(2) 前記発色材料は、ビスマス系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物およびアントラキノン系化合物のうちの少なくとも1つを含む上記(1)に記載の眼鏡レンズ用積層体。
(3) 前記眼鏡レンズの表側の面は、湾曲面で構成され、
当該眼鏡レンズ用積層体は、可撓性を有し、前記湾曲面の湾曲形状に追従して変形可能である上記(1)または(2)に記載の眼鏡レンズ用積層体。
(4) 前記偏光層における可視光の透過率は、前記発色層における可視光の透過率よりも低い上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の眼鏡レンズ用積層体。
(5) 前記発色層は、第1の発色層と、前記該第1の発色層の裏側に設けられ、前記第1の発色層とは発色した際の色相が異なる第2の発色層とを有している上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の眼鏡レンズ用積層体。
(6) 前記第2の発色層における可視光の透過率は、前記第1の発色層における可視光の透過率よりも低い上記(5)に記載の眼鏡レンズ用積層体。
(7) 光透過性を有し、前記発色層の裏側に設けられ、前記眼鏡レンズに対して当該眼鏡レンズ用積層体を接合する接合層をさらに有している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の眼鏡レンズ用積層体。
(8) 眼鏡レンズと、眼鏡レンズの表側の面に配置された眼鏡レンズ用積層体とを備える積層体付眼鏡レンズであって、
前記眼鏡レンズ用積層体は、光透過性を有する光透過性層と、前記光透過性層の裏側に設けられ、エネルギー線の照射により発色する発色材料を含む発色層と、前記発色層の裏側に設けられ、前記光透過性層および前記発色層を介して入射する入射光を偏光する偏光層と、を備えることを特徴とする積層体付眼鏡レンズ。
(9) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の前記眼鏡レンズ用積層体を用意する工程と、
前記眼鏡レンズ用積層体の前記発色層に、前記光透過性層を介して、前記エネルギー線を照射することにより、前記発色材料を発色させて前記発色層にマーキングを施す工程と、を含むことを特徴とするマーキング方法。
(10) 上記(8)に記載の前記積層体付眼鏡レンズを用意する工程と、
前記積層体付眼鏡レンズの前記発色層に、前記光透過性層を介して、前記エネルギー線を照射することにより、前記発色材料を発色させて前記発色層にマーキングを施す工程と、を含むことを特徴とするマーキング方法。
本発明によれば、発色層の印字された部分が消失するのを防止することができる眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズを得ることができる。また、本発明によれば、眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズに効率よくマーキングを施すこともできる。
図1は、第1実施形態の本発明に係る積層体付眼鏡レンズを備えるサングラスの斜視図である。 図2は、図1に示す積層体付眼鏡レンズを示す断面図である。 図3は、図1に示す積層体付眼鏡レンズの製造方法を示す図である。 図4は、図1に示す積層体付眼鏡レンズの製造方法を示す図である。 図5は、図1に示す積層体付眼鏡レンズの製造方法を示す図である。 図6は、図1に示す積層体付眼鏡レンズの製造方法を示す図である。 図7は、第2実施形態の本発明に係る積層体付眼鏡レンズを示す断面図である。
以下、本発明の眼鏡レンズ用積層体、積層体付眼鏡レンズおよびマーキング方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の本発明に係る積層体付眼鏡レンズを備えるサングラスの斜視図である。図2は、図1に示す積層体付眼鏡レンズを示す断面図である。図3〜図6は、本発明に係るマーキング方法を含む図1に示す積層体付眼鏡レンズの製造方法を示す図である。
なお、図1〜図3では、上側を「上方」または「上」と、下側を「下方」または「下」とも言う。また、図1〜図3において、サングラスを使用者の頭部に装着した際に、レンズの使用者の目側の面を裏側の面と言い、その反対側の面を表側の面とも言う。すなわち、図2〜図4(図7についても同様)では、上側の面が「表側の面」であり、下側の面が「裏側の面」である。
また、図2〜図4(図7についても同様)では、積層体付眼鏡レンズを平板状に図示しているが、実際は、積層体付眼鏡レンズは、図5および図6に示すように湾曲した形状をなしている。また、図2〜図4(図7についても同様)では、眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズを、それらの厚さ方向に誇張して図示しているが、各部材(各層)の厚さの関係は、実際の関係と大きく異なっている。
図1に示すように、サングラス(眼鏡)1は、使用者の頭部に装着されるフレーム2と、フレーム2に固定された積層体付眼鏡レンズ3とを備えている。なお、本明細書中において、「眼鏡レンズ」とは、集光機能を有するレンズ、集光機能を有しないレンズの双方を含む。
また、本発明は、サングラスのような日光から眼を保護する機能を有する眼鏡のみならず、例えば、水泳用、スキー用、バイク用等のゴーグルや、溶接時に目を保護するゴーグル等において用いることができる。
図1に示すように、フレーム2は、使用者の頭部に装着される構造体であり、リム部21と、ブリッジ部22と、使用者の耳に掛けられるテンプル部23と、ノーズパッド部24を有している。
各リム部21は、リング状をなしており、内側に積層体付眼鏡レンズ3が装着される部分である。
ブリッジ部22は、リム部21同士を連結する部分である。
各テンプル部23は、つる状をなし、対応するリム部21の縁部に連結されている。これらのテンプル部23は、使用者の耳に掛けられる部分である。
ノーズパッド部24は、サングラス1を使用者の頭部に装着した状態(装着状態)において、使用者の鼻と当接する部分である。これらのノーズパッド部24により、サングラス1(フレーム2)の使用者の頭部への装着状態を安定的に維持することができる。
このフレーム2の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料や、各種樹脂材料等を用いることができる。
なお、フレーム2の形状は、フレーム2を使用者の頭部に容易かつ確実に装着することができれば、図示の形状に限定されない。
各リム部21には、それぞれ、積層体付眼鏡レンズ3が装着されている。2つの積層体付眼鏡レンズ3は、同様の構成であるため、以下、一方の積層体付眼鏡レンズ3について代表的に説明する。
図2に示すように、積層体付眼鏡レンズ3は、光透過性を有する眼鏡レンズ4と、眼鏡レンズ4の上側(表側)の面に貼着(配置)された光学フィルム(眼鏡レンズ用積層体)5とを有している。
眼鏡レンズ4は、図5等に示すように、上側(外側)に向って湾曲した板状をなしている。この眼鏡レンズ4は、上側(外側)から入射する入射光を集光するレンズ機能を有している。
眼鏡レンズ4の構成材料としては、光透過性を有していれば、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂(例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂)等の各種樹脂材料、各種ガラス材料、各種結晶材料が挙げられる。
上記樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主成分とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ガラス材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
上記結晶材料としては、例えば、サファイア、水晶等が挙げられる。
また、眼鏡レンズ4の厚さは、特に限定されず、例えば、0.5mm以上、20.0mm以下であるのが好ましく、1.0mm以上、18.0mm以下であるのがより好ましい。かかる厚さの眼鏡レンズ4は、比較的高い強度を維持しつつ、軽量化を図ることができる。
次に、光学フィルム5について説明する。
図2に示すように、光学フィルム5は、発色層51と、保護層(光透過性層)52と、偏光層53と、接合層54a、54bと、を有している。また、光学フィルム5では、接合層54a、偏光層53、接合層54b、発色層51および保護層52が、この順で下側(裏側)から積層されている。
発色層51は、樹脂材料511と、樹脂材料511に混合(充填)された発色材料512とを含んでいる。
樹脂材料511としては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、2種以上の樹脂を組み合わせて用いる場合、これらは、ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体等とすることができる。
発色材料512は、レーザー(エネルギー線)Lの照射により、発色(変色)する材料である。発色材料512が発色することにより、発色層51に印字(マーキング)を形成することができる。この発色材料512は、上記機能を有していれば特に限定されず、例えば、染料・顔料等の着色剤、粘土類等を使用することができる。
具体的には、発色材料512としては、ビスマス系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、銅系化合物、モリブデン系化合物、金属塩等の金属化合物や、無機鉛化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、金属および/または金属酸化物で被覆された雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、雲母類を被覆する金属および/または金属酸化物としては、例えば、アンチモン、スズ、酸化チタン、二酸化スズ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上の金属および/または金属酸化物を組み合わせて用いる場合、これらの組み合わせとしては、例えば、スズとアンチモンとの組み合わせ、スズとアンチモンと酸化チタンとの組み合わせ等が挙げられる。また、この場合、雲母類を被覆する被膜は、各層が金属または金属酸化物単体で構成された複数層で構成されても、2種以上の金属および/または金属酸化物を含む単層で構成されてもよい。
発色材料512は、これらの中でも、特に、ビスマス系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物およびアントラキノン系化合物のうちの少なくとも1つを含むのが好ましい。このビスマス系化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、酸化ビスマス、硝酸ビスマス、オキシ硝酸ビスマスなどの硝酸ビスマス系、塩化ビスマスなどのハロゲン化ビスマス系、オキシ塩化ビスマス、硫酸ビスマス、酢酸ビスマス、クエン酸ビスマス、水酸化ビスマス、チタン酸ビスマス等が挙げられる。
ビスマス系化合物は、レーザー(エネルギー線)Lの照射による発色性が極めて高いため、鮮明な印字を形成することができることから好ましい。また、ビスマス系化合物は、レーザー(エネルギー線)Lを照射しない部分の眼鏡レンズとしての視認性低下を抑制することができるという点からも好ましい。これらの中でも、入手が容易であり、安価であるという観点から、ビスマス系化合物としては、硝酸ビスマス、水酸化ビスマスを好適に用いることができる。
上記銅系化合物としては、例えば、銅、酸化銅、ハロゲン化銅、ギ酸、クエン酸、サリチル酸、ラウリル酸、シュウ酸、マレイン酸などの有機酸銅、リン酸銅、ヒドロキシリン酸銅などを好適に用いることができる。
上記モリブデン系化合物としては、モリブデン、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、塩化モリブデン、モリブデン酸金属塩を好適に用いることができる。なお、モリブデン酸金属塩を形成する金属としては、例えば、カリウム(K)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、ニッケル(Ni)、ビスマス(Bi)、マグネシウム(Mg)等が挙げられる。
また、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物は、レーザー(エネルギー線)Lの照射による発色性が極めて高いため、鮮明な印字を形成することができることから好ましい。また、レーザー(エネルギー線)Lを照射しない部分の眼鏡レンズとしての視認性低下を抑制することができるという点からも好ましい。
このような発色材料512の発色層51中の含有量は、0.01wt%以上、5wt%以下であるのが好ましく、0.05wt%以上、2wt%以下であるのがより好ましい。発色材料512の含有量が多すぎると、光学フィルム5(積層体付眼鏡レンズ3)の製造コストが高くなる場合がある。また、この場合、眼鏡レンズとしての視認性が低下する場合がある。一方、発色材料512の含有量が少なすぎると、レーザーLを照射した後の発色層51の色(印字の色)の鮮明さが不十分となる可能性がある。
また、発色層51の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、1μm以上、500μm以下であるのが好ましく、5μm以上、400μm以下であるのがより好ましい。発色層51の厚さが厚すぎると、使用する発色材料512の絶対量(充填量)が増大し、光学フィルム5(積層体付眼鏡レンズ3)の製造コストが高くなる場合がある。一方、発色層51の厚さが薄すぎると、発色材料512の含有量等によっては、発色の程度が低く、不十分かつ不鮮明な印字となる可能性がある。
なお、レーザーLを照射する前の発色層51(樹脂材料511)の色は、無色であっても、赤色、青色、黄色等、如何なる色であってもよい。
これらの色の選択は、樹脂材料511に染料や顔料の種類を選択して混合することにより可能になる。この染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクトブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
図2に示すように、保護層52は、光学フィルム5(積層体付眼鏡レンズ3)において最も表側に位置しており、光学フィルム5の最外層を構成している。このため、保護層52は、積層体付眼鏡レンズ3、特に、発色層51を保護することができる。
この保護層52の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、アセテート系樹脂、アリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられる。これらの中でも、保護層52の構成材料としては、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂を主成分として含有する材料が好ましく用いられる。
これらの構成材料で構成された保護層52は、発色層51を確実に保護することができる。
特に、耐熱性に優れた保護層52を得る場合には、ポリカーボネート樹脂、アリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を用いるのが好ましい。
耐衝撃性に優れた保護層52を得る場合には、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂等を用いるのが好ましい。
耐摩耗性に優れた保護層52を得る場合には、アリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を用いるのが好ましい。
耐候性に優れた保護層52を得る場合には、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等を用いるのが好ましい。
耐薬品性に優れた保護層52を得る場合には、ポリアミド樹脂等を用いるのが好ましい。
偏光層53は、保護層52および発色層51を介して入射する入射光(偏光していない自然光および乱反射光)から、所定の一方向にのみ振動する光(偏光面を有する光)すなわち直線偏光を取出す機能を有している。これにより、積層体付眼鏡レンズ3を介して目に入射する入射光は、偏光される。通常、乱反射光は、自然光の10倍程度の量で存在し、かつ様々な方向から眼に入射することで、視界にギラツキを生じさせる。したがって、偏光層53で不要な乱反射光を大幅にカットすることにより、視界に生じるギラツキを低減して、鮮明な視界を確保することができる。
特に、本発明では、偏光層53の上側(表側)に、発色材料512を含有する発色層51が別途設けられている。入射光の大部分は、発色層51を通過するが、入射光の一部は、発色層51中の発色材料512により反射または散乱され、発色層51を通過することができない。そして、発色層51を通過した入射光も偏光層53で偏光される。したがって、偏光層53の上側に別途発色層51を設けた本発明によれば、より鮮明な視界を確保することができる。
偏光層53の偏光度は、特に限定されないが、例えば、50%以上、100%以下であるのが好ましく、80%以上、100%以下であるのがより好ましい。これにより、不要な乱反射光をより確実にカットすることができる。また、偏光層53の可視光線透過率は、特に限定されないが、例えば、7%以上、60%以下であるのが好ましく、8%以上、50%以下であるのがより好ましい。これにより、十分に明るい視界を確保することができる。
このような偏光層53の構成材料としては、上記機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着、染色させ、一軸延伸した高分子フィルム、ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。前記高分子フィルムの構成材料としては、ポリビニルアルコール(PVA)、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン価物等が挙げられる。また、前記ポリエン系配向フィルムの構成材料としては、ポリビニルアルコールの脱水処理物、ポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等が挙げられる。
これらの中でも、偏光層53は、ヨウ素または二色性染料を吸着、染色させ、一軸延伸したポリビニルアルコール(PVA)を主成分として含有する高分子フィルムが好ましい。ポリビニルアルコール(PVA)は、透明性、耐熱性、染色剤であるヨウ素または二色性染料との親和性、延伸時の配向性のいずれもが優れた材料である。したがって、PVAを主成分として含有する偏光層53は、優れた耐熱性と、高い偏光能とを有する。
なお、上記二色性染料としては、例えば、クロラチンファストレッド、コンゴーレッド、ブリリアントブルー6B、ベンゾパープリン、クロラゾールブラックBH、ダイレクトブルー2B、ジアミングリーン、クリソフェノン、シリウスイエロー、ダイレクトファーストレッド、アシドブラックなどが挙げられる。
この偏光層53の厚さT53は、特に限定されず、例えば、5μm以上、60μm以下であるのが好ましく、10μm以上、40μm以下であるのがより好ましい。偏光層53が厚すぎると、その構成材料にもよるが、光学フィルム5全体として厚くなる場合がある。一方、偏光層53が薄すぎると、偏光能が不十分になるおそれがある。
接合層54aは、光学フィルム5を眼鏡レンズ4に対して貼着(接合)する機能を有している。また、接合層54bは、発色層51と偏光層53とを接合する機能を有している。接合層54aおよび接合層54bは、それぞれ同様の構成であるため、以下、接合層54aについて代表的に説明する。
接合層54aは、光透過性を有する接着剤または粘着剤により構成されている。上記接着剤または粘着剤としては、特に限定されず、例えば、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等のうちのいずれを主成分として含有してもよいが、そのなかでも特に、ウレタン系接着剤、アクリル系粘着剤を主成分として含有するのが好ましい。さらには、被着体材料に対しより高い接着力または粘着力を発揮し得る接着剤または粘着剤が好ましい。
アクリル系粘着剤は、主に、粘着性を与える低Tgの主モノマー成分と、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分と、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分とを重合してなる重合体または共重合体である。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
コモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
このような成分を重合してなるアクリル系粘着剤が好ましい理由は、粘着力、凝集力に優れるとともに、ポリマー中に不飽和結合がないため光や酸素に対する安定性が高く、また、モノマーの種類や分子量の選択により用途に応じた任意の品質、特性を得ることができるからである。
シリコーン系粘着剤としては、例えば、ジメチルシロキサン系粘着剤、ジフェニルシロキサン系粘着剤が挙げられる。
また、接合層54aの厚さT54は、特に限定されず、例えば、2μm以上、50μm以下であるのが好ましく、5μm以上、35μm以下であるのがより好ましい。
このような接合層54aにより、光学フィルム5を眼鏡レンズ4に配置(貼着)することができる。
ここで、図4は、光学フィルム5にレーザー(エネルギー線)Lを照射して印字(マーキング)を行っている図である。光学フィルム5では、発色層51のレーザーLが照射された部分が変色する。この変色は、発色層51中の発色材料が、照射されたレーザーLのエネルギーによって化学反応(例えば、炭化、変色、発泡、分散等)を起すため、この化学反応を起した部分と、その周囲の部分とで色が異なって見えることにより生じる。よって、発色層51の所望の部分にレーザーLを照射することにより、所望のパターンを有する印字(マーキング)を発色層51に形成することができる。
なお、本明細書中では、「印字」とは、発色層51に模様を形成することを言う。この模様とは、企業名やデザイナーを示す文字、数字、図形(絵柄)等を含む。
特に、図4に示すように、光学フィルム5では、保護層52を介してレーザーLを発色層51に照射して、発色層51のレーザーLが照射(集光)された部分を変色させることにより、発色層51に印字する。このため、光学フィルム5では、発色層51の印字された部分(以下、単に「印字(マーキング)513」と言う)は、必然的に保護層52に覆われる。すなわち、印字513が外側(外気)に露出した状態となるのを確実に避けることができる。よって、従来のように印字513の一部または全部が、摩耗によって消失するのを確実に防止することができる。その結果、サングラス1は、使用年月を重ねても印字513を鮮明に維持することができるため、そのデザイン性を良好に保つことができる。
なお、従来の眼鏡用フィルムでは、印字513を保護するためには、印字を行った後の発光層51に保護フィルムを貼着する必要がある。これに対し、光学フィルム5では、発色層51と、保護層52と、偏光層53と、接合層54a、54bとの積層体を製造し、その積層体の発色層51に対してレーザーLの照射によって印字513を形成すれば、発色層51の上側に配置された保護層52により印字513を保護することができる。
したがって、光学フィルム5では、印字を行った後の発色層51に保護フィルムを貼着する手間、または、保護層を設ける手間を省略することができる。また、眼鏡レンズ4に光学フィルム5を貼着した後、さらには、フレーム2に合せた形状に切断(加工)した後であっても、レーザーLによって発色層51の所望の位置に、保護層52によって保護された印字513を形成することができる。
このような印字513の色は、発色材料512の種類を適宜選択することにより調節することができる。また、印字513の色は、樹脂材料511の色や、偏光層53の色や、眼鏡レンズ4の色とは異なっているのが好ましい。これにより、サングラス1を表側(外側)から見たときの印字513の鮮明さをより高めることができる。
また、偏光層53における可視光の透過率は、発色層51(樹脂材料511)における可視光の透過率よりも低く設定するのが好ましい。これにより、表側(外側)から光学フィルム5を見たとき、印字513の周辺は、比較的暗く見える。よって、印字513を際立たせることができ、光学フィルム5のデザイン性を高めることができる。さらに、使用者(装着者)側からは、偏光層53および接合層54bを介して印字513を見ることになるため、使用者には印字513を視認しにくくすることができる。
なお、上記レーザーLとしては、例えば、YAG(イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガーネット(G))レーザー光線(波長=1.064μm)、または、YVO4(イットリウム・バナデート)レーザー光線(波長=1.064μm)を用いることが好ましい。これらのレーザー光線は、透明体を透過する性質を有しており、発色層51に印字する際に、煙等が保護層52から発生するのを抑制することができる。さらに、印字513の発色濃度の調整が容易となるとともに、光学フィルム5に与える悪影響(変質、劣化等)を最小限にすることができる。その結果、発色層51に鮮明な印字513を形成することができる。
なお、YVO4レーザー機(キーエンス社製、「MD−V9600」)を用いる場合、レーザーLのパルス条件は、例えば、平均出力が0.8〜5.0W、より好ましくは1.5〜3.0W、Qスイッチ周波数が10〜30KHz、スキャンスピードが300〜4000mm/s、より好ましくは1500〜3000mm/sに設定される。
また、光学フィルム5が眼鏡レンズ4に貼着される前(光学フィルム5の保管時)には、接合層54aは、離型シートで覆われていてもよい。光学フィルム5を眼鏡レンズ4に貼着するときに、離型シートを接合層54aから剥離して使用することにより、光学フィルム5の保管時に接合層54aにごみが付着したり、粘着力が低下したりするのを防止することができる。
この離型シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート等の各種樹脂材料よりなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の各種紙材よりなる基材であって、その接合層54aとの接合面に離型処理が施された基材を用いることができる。この場合、離型処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の離型剤よりなる離型剤層の接合面への形成が挙げられる。
次に、発色層51への印字方法(マーキング方法)を含むサングラス1の製造方法について簡単に説明する。
まず、図3に示すように、光学フィルム5を得る。この方法としては、公知の積層方法を用いることができるため、その説明を省略する。
次いで、図3に示すように、保護層52を介して発色層51に向ってレーザーLを照射(集光)する。これにより、図4に示すように、発色層51のレーザーLが照射された部分が変色して、印字513が形成される。すなわち、発色層51にマーキングを施す。
このとき、レーザーLは、偏光層53まで到達しないため、偏光層53が変質、劣化するのを防止することができる。このため、偏光層53は、その機能(偏光能)を効果的に発揮することができる。この点が、発色層51と偏光層53とを別個に設けること、さらには、レーザーLを保護層52を介して(偏光層53と反対側から)発色層51に照射することの利点の1つである。
そして、図5および図6に示すように、光学フィルム5を眼鏡レンズ4の表側の面41に貼着する。眼鏡レンズ4の表側の面41は、上側(外側)に向って湾曲した湾曲面を構成している。光学フィルム5は、全体として可撓性を有している。このため、光学フィルム5は、表側の面41(湾曲面)の湾曲形状に追従して変形するので、気泡等が発生することなく、表側の面41にきれいに貼着することができる。
このように、本方法によれば、光学フィルム5に向ってレーザーLを照射し、その光学フィルム5を眼鏡レンズ4に貼着するという簡単な方法によって、サングラス1を得ることができる。
なお、上記方法に限定されず、例えば、光学フィルム5を予め眼鏡レンズ4に貼着した状態でレーザーLを照射して、発色層51に印字を行ってもよい。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の本発明に係る積層体付眼鏡レンズを示す断面図である。
以下、この図を参照して、本発明の積層体付眼鏡レンズ(眼鏡レンズ用積層体)の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
図7に示すように、光学フィルム5Aは、発色層(第1の発色層)51aと、発色層(第2の発色層)51bと、保護層52と、偏光層53と、接合層54a、54bとを有している。また、光学フィルム5Aでは、接合層54a、偏光層53、接合層54b、発色層51a、発色層51bおよび保護層52が、この順で下側(裏側)から積層されている。
本実施形態の光学フィルム5Aでは、発色層51aの色が発色層51bの色よりも暗くなるように設定されている。すなわち、発色層51aにおける可視光の透過率は、発色層51bにおける可視光の透過率よりも低くなっている。このため、上側(表側)から光学フィルム5Aを見たとき、発色層51bの印字513bが浮び出したように見えるようになる。
また、発色層51a、51bは、互いに発色後の色(色相)が異なっているのが好ましい。具体的には、発色層51aの印字513aの色が、発色層51bの印字513bの色よりも暗くなるように発色材料を選択するのが好ましい。このような光学フィルム5Aによれば、上側(表側)から印字513bを見たとき、その下側(裏側)に暗い色の印字513aが位置しているため、印字513bが鮮明に見えるようになる。このようなことから、デザイン性に優れた光学フィルム5Aとすることができる。
以上、本発明の眼鏡レンズ用積層体、積層体付眼鏡レンズおよびマーキング方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、眼鏡レンズ用積層体には、表面コート等、任意の構成物が付加されていてもよい。さらに、本発明のマーキング方法は、任意の追加の工程を含んでいてもよい。
なお、本発明の眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせてもよい。
また、前記各実施形態では、眼鏡レンズ用積層体は、眼鏡レンズの表側の面の全面に貼着したが、本発明では、これに限定されず、眼鏡レンズの表側の面の一部に貼着して用いてもよい。
本発明は、眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる眼鏡レンズ用積層体であって、光透過性を有する光透過性層と、前記光透過性層の裏側に設けられ、エネルギー線の照射により発色する発色材料を含む発色層と、前記発色層の裏側に設けられ、前記光透過性層および前記発色層を介して入射する入射光を偏光する偏光層と、を備えることを特徴とする。これにより、発色層の印字された部分が消失するのを防止することができる眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズを提供することができる。また、眼鏡レンズ用積層体および積層体付眼鏡レンズに効率よくマーキングを施すマーキング方法を提供することもできる。したがって、本発明は、産業上の利用可能性を有する。
1 サングラス
2 フレーム
21 リム部
22 ブリッジ部
23 テンプル部
24 ノーズパッド部
3 積層体付眼鏡レンズ
4 眼鏡レンズ
41 表側の面
5 光学フィルム
5A 光学フィルム
51 発色層
51a 発色層
51b 発色層
511 樹脂材料
512 発色材料
513 印字
513a 印字
513b 印字
52 保護層
53 偏光層
54a 接合層
54b 接合層
L レーザー
このような目的は、下記(1)〜()の本発明により達成される。
(1)眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる眼鏡レンズ用積層体であって、
光透過性を有する光透過性層と、
前記光透過性層の裏側に設けられ、エネルギー線の照射により発色する発色材料を含む発色層と、
前記発色層の裏側に設けられ、前記光透過性層および前記発色層を介して入射する入射光を偏光する偏光層と、を備え
前記偏光層における可視光の透過率は、前記発色層における可視光の透過率よりも低く、
発色した前記発色材料は、前記偏光層の色とは異なることを特徴とする眼鏡レンズ用積層体。
) 前記発色層は、第1の発色層と、前記該第1の発色層の裏側に設けられ、前記第1の発色層とは発色した際の色相が異なる第2の発色層とを有している上記(1)ないし()のいずれかに記載の眼鏡レンズ用積層体。
) 前記第2の発色層における可視光の透過率は、前記第1の発色層における可視光の透過率よりも低い上記()に記載の眼鏡レンズ用積層体。
) 光透過性を有し、前記発色層の裏側に設けられ、前記眼鏡レンズに対して当該眼鏡レンズ用積層体を接合する接合層をさらに有している上記(1)ないし()のいずれかに記載の眼鏡レンズ用積層体。
) 眼鏡レンズと、眼鏡レンズの表側の面に配置された眼鏡レンズ用積層体とを備える積層体付眼鏡レンズであって、
前記眼鏡レンズ用積層体は、光透過性を有する光透過性層と、前記光透過性層の裏側に設けられ、エネルギー線の照射により発色する発色材料を含む発色層と、前記発色層の裏側に設けられ、前記光透過性層および前記発色層を介して入射する入射光を偏光する偏光層と、を備え
前記偏光層における可視光の透過率は、前記発色層における可視光の透過率よりも低く、
発色した前記発色材料は、前記偏光層の色とは異なることを特徴とする積層体付眼鏡レンズ。
) 上記(1)ないし()のいずれかに記載の前記眼鏡レンズ用積層体を用意する工程と、
前記眼鏡レンズ用積層体の前記発色層に、前記光透過性層を介して、前記エネルギー線を照射することにより、前記発色材料を発色させて前記発色層にマーキングを施す工程と、を含むことを特徴とするマーキング方法。
) 上記()に記載の前記積層体付眼鏡レンズを用意する工程と、
前記積層体付眼鏡レンズの前記発色層に、前記光透過性層を介して、前記エネルギー線を照射することにより、前記発色材料を発色させて前記発色層にマーキングを施す工程と、を含むことを特徴とするマーキング方法。

Claims (10)

  1. 眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる眼鏡レンズ用積層体であって、
    光透過性を有する光透過性層と、
    前記光透過性層の裏側に設けられ、エネルギー線の照射により発色する発色材料を含む発色層と、
    前記発色層の裏側に設けられ、前記光透過性層および前記発色層を介して入射する入射光を偏光する偏光層と、を備えることを特徴とする眼鏡レンズ用積層体。
  2. 前記発色材料は、ビスマス系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物およびアントラキノン系化合物のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の眼鏡レンズ用積層体。
  3. 前記眼鏡レンズの表側の面は、湾曲面で構成され、
    当該眼鏡レンズ用積層体は、可撓性を有し、前記湾曲面の湾曲形状に追従して変形可能である請求項1または2に記載の眼鏡レンズ用積層体。
  4. 前記偏光層における可視光の透過率は、前記発色層における可視光の透過率よりも低い請求項1ないし3のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ用積層体。
  5. 前記発色層は、第1の発色層と、前記該第1の発色層の裏側に設けられ、前記第1の発色層とは発色した際の色相が異なる第2の発色層とを有している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ用積層体。
  6. 前記第2の発色層における可視光の透過率は、前記第1の発色層における可視光の透過率よりも低い請求項5に記載の眼鏡レンズ用積層体。
  7. 光透過性を有し、前記発色層の裏側に設けられ、前記眼鏡レンズに対して当該眼鏡レンズ用積層体を接合する接合層をさらに有している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の眼鏡レンズ用積層体。
  8. 眼鏡レンズと、眼鏡レンズの表側の面に配置された眼鏡レンズ用積層体とを備える積層体付眼鏡レンズであって、
    前記眼鏡レンズ用積層体は、光透過性を有する光透過性層と、前記光透過性層の裏側に設けられ、エネルギー線の照射により発色する発色材料を含む発色層と、前記発色層の裏側に設けられ、前記光透過性層および前記発色層を介して入射する入射光を偏光する偏光層と、を備えることを特徴とする積層体付眼鏡レンズ。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の前記眼鏡レンズ用積層体を用意する工程と、
    前記眼鏡レンズ用積層体の前記発色層に、前記光透過性層を介して、前記エネルギー線を照射することにより、前記発色材料を発色させて前記発色層にマーキングを施す工程と、を含むことを特徴とするマーキング方法。
  10. 請求項8に記載の前記積層体付眼鏡レンズを用意する工程と、
    前記積層体付眼鏡レンズの前記発色層に、前記光透過性層を介して、前記エネルギー線を照射することにより、前記発色材料を発色させて前記発色層にマーキングを施す工程と、を含むことを特徴とするマーキング方法。
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