JP2020016849A - 光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ - Google Patents

光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ Download PDF

Info

Publication number
JP2020016849A
JP2020016849A JP2018141545A JP2018141545A JP2020016849A JP 2020016849 A JP2020016849 A JP 2020016849A JP 2018141545 A JP2018141545 A JP 2018141545A JP 2018141545 A JP2018141545 A JP 2018141545A JP 2020016849 A JP2020016849 A JP 2020016849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
optical
filler
resin
optical function
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018141545A
Other languages
English (en)
Inventor
裕 大矢
Yutaka Oya
裕 大矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2018141545A priority Critical patent/JP2020016849A/ja
Publication of JP2020016849A publication Critical patent/JP2020016849A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】デザイン性が高い光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズを提供すること。【解決手段】本発明の光学樹脂層5は、眼鏡レンズ4の表側の面に貼着して用いられるものである。また、光学樹脂層5は、光透過性を有する樹脂層51と、樹脂層51中に充填され、入射光Lに対して光学的に作用する充填材52とを有する光学機能付樹脂層50a、50bを有している。また、光学機能付樹脂層50bの充填材52の密度は、光学機能付樹脂層50aの充填材52の密度よりも低い。【選択図】図4

Description

本発明は、光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズに関する。
眼鏡やサングラス等のレンズは、樹脂材料またはガラス材料等、光透過性を有する材料で構成されている。また、このレンズは、当該レンズを透過する光に対して光学的に作用する充填材を含んでいる(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載されているサングラスのレンズは、樹脂材料と、樹脂材料中に分散された粒子とを有している。そのため、レンズを通過する光の一部は、粒子によって反射される。これにより、サングラスを外側から見たとき、きらきら光って見え、デザイン性が高くなる。
しかしながら、特許文献1に記載されたレンズでは、主材料である樹脂層の厚さがそのままレンズの厚さとなっている。このため、レンズは、比較的厚く、粒子の密度を高めるためには、分散される粒子の量を多くする必要がある。この場合、レンズを製造するコストが上がる。さらに、レンズを例えば切削により加工する場合、切削された部分における粒子ごと除去される。その結果、レンズにおいて、部分的に粒子が少なくなり、外側から見たときのデザイン性が低くなるおそれがある。
特開2000−066149号公報
本発明の目的は、汎用性に優れ、かつ、デザイン性が高い光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる光学樹脂層であって、
光透過性を有する第1の樹脂材料と、前記第1の樹脂材料中に充填され、入射光に対して光学的に作用する第1の充填材とを有する第1の光学機能付樹脂層と、
前記第1の光学機能付樹脂層の表側に設けられ、光透過性を有する第2の樹脂材料と、前記第2の樹脂材料中に充填され、入射光に対して光学的に作用する第2の充填材とを有する第2の光学機能付樹脂層とを備え、
前記第2の充填材の前記第2の樹脂材料中の密度は、前記第1の充填材の前記第1の樹脂材料中の密度よりも低いことを特徴とする光学樹脂層。
(2) 前記第1の充填材および前記第2の充填材は、前記入射光を反射する機能を有する粒子を含んでいる上記(1)に記載の光学樹脂層。
(3) 前記粒子は、偏平形状をなし、当該光学樹脂層の厚さ方向に対して傾斜している上記(2)に記載の光学樹脂層。
(4) 前記第1の充填材および前記第2の充填材は、主としてホウケイ酸塩と、金属酸化物とにより構成されている上記(2)または(3)に記載の光学樹脂層。
(5) 前記眼鏡レンズの前記表側の面は、湾曲凸面で構成され、
当該光学樹脂層は、可撓性を有し、前記湾曲凸面の湾曲形状に追従して湾曲変形可能である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光学樹脂層。
(6) 当該光学樹脂層が湾曲変形した状態では、前記第1の光学機能付樹脂層の表側の面は、前記第1の充填材の粒子によって隆起した部分を有し、前記第2の光学機能付樹脂層の表側の面は、前記第2の充填材の粒子によって隆起した部分を有し、
前記第2の光学機能付樹脂層の前記表側の面が隆起した箇所は、前記第1の光学機能付樹脂層の前記表側の面が隆起した箇所よりも少ない上記(5)に記載の光学樹脂層。
(7) 前記第2の充填材の密度は、前記第1の充填材の密度の5%以上、95%以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光学樹脂層。
(8) 前記第1の充填材の密度は、0.01mg/cm以上、100mg/cm以下であり、
前記第2の充填材の密度は、0.001mg/cm以上、95mg/cm以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光学樹脂層。
(9) 前記第2の光学機能付樹脂層の表側に設けられ、前記第1の光学機能付樹脂層および前記第2の光学機能付樹脂層を保護する保護層を有し、
前記保護層のマルテンス硬度は、50MPa以上、500MPa以下である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光学樹脂層。
(10) 眼鏡レンズと、前記眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる光学樹脂層とを備える樹脂層付眼鏡レンズであって、
前記光学樹脂層は、光透過性を有する第1の樹脂材料と、前記第1の樹脂材料中に充填され、入射光に対して光学的に作用する第1の充填材とを有する第1の光学機能付樹脂層と、
前記第1の樹脂材料の表側に設けられ、光透過性を有する第2の樹脂材料と、前記第2の樹脂材料中に充填され、入射光に対して光学的に作用する第2の充填材とを有する第2の光学機能付樹脂層とを備え、
前記第2の充填材の前記第2の樹脂材料中の密度は、前記第1の充填材の前記第1の樹脂材料中の密度よりも低いことを特徴とする樹脂層付眼鏡レンズ。
本発明によれば、汎用性に優れ、かつ、デザイン性が高い光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズを得ることができる。
本発明の樹脂層付眼鏡レンズを備えるサングラスを示す斜視図である。 図1に示す樹脂層付眼鏡レンズの拡大断面図である。 (a)は、図1に示す樹脂層付眼鏡レンズの断面図であり、(b)は、従来のレンズの断面図である。 (a)は、眼鏡レンズに貼着する以前の光学樹脂層の第1の光学機能付樹脂層および第2の光学機能付樹脂層を示す断面図であり、(b)は、眼鏡レンズに貼着した状態を示す光学樹脂層の第1の光学機能付樹脂層および第2の光学機能付樹脂層を示す断面図である。
以下、本発明の光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の樹脂層付眼鏡レンズを備えるサングラスを示す斜視図である。図2は、図1に示す樹脂層付眼鏡レンズの拡大断面図である。図3は、(a)が、図1に示す樹脂層付眼鏡レンズの断面図であり、(b)が、従来のレンズの断面図である。図4は、(a)が、眼鏡レンズに貼着する以前の光学樹脂層の第1の光学機能付樹脂層および第2の光学機能付樹脂層を示す断面図であり、(b)が、眼鏡レンズに貼着した状態を示す光学樹脂層の第1の光学機能付樹脂層および第2の光学機能付樹脂層を示す断面図である。
なお、図2および図3では、上側を「上側」または「表側」と言い、下側を「下側」または「裏側」とも言う。また、図1〜図3において、サングラスを使用者の頭部に装着した際に、レンズの、使用者の目側の面を裏側の面と言い、その反対側の面を表側の面とも言う。すなわち、図2および図3では、上側の面が「表側(入射側)の面」であり、下側の面が「裏側(出射側)の面」である。また、図2では、樹脂層付眼鏡レンズを平板状に図示しているが、実際は図3に示すように湾曲した形状をなしている。また、図2および図3では、光学シートの厚さ方向を誇張して図示しているが、実際の寸法とは大きく異なる。また、理解を容易にするため、図4(a)および(b)では、偏光層および接合層を省略している。
図1に示すように、サングラス(眼鏡)1は、使用者の頭部に装着されるフレーム2と、フレーム2に固定された樹脂層付眼鏡レンズ3とを備えている。なお、本明細書中においては、「眼鏡レンズ」とは、集光機能を有するもの、集光機能を有していないものの双方を含む。
図1に示すように、フレーム2は、使用者の頭部に装着されるものであり、リム部21と、ブリッジ部22と、使用者の耳に掛けられるテンプル部23と、ノーズパッド部24とを有している。
各リム部21は、リング状をなしており、内側に樹脂層付眼鏡レンズ3が装着される部分である。
ブリッジ部22は、各リム部21を連結する部分である。
テンプル部23は、つる状をなし、各リム部21の縁部に連結されている。このテンプル部23は、使用者の耳に掛けられる部分である。
ノーズパッド部24は、サングラス1を使用者の頭部に装着した装着状態において、使用者の鼻と当接する部分である。これにより、装着状態を安定的に維持することができる。
このフレーム2の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料や、各種樹脂材料等を用いることができる。
なお、フレーム2の形状は、使用者の頭部に装着することができるものであれば、図示のものに限定されない。
各リム部21には、それぞれ、樹脂層付眼鏡レンズ3が装着されている。各樹脂層付眼鏡レンズ3は、同様の構成であるため、以下、一方の樹脂層付眼鏡レンズ3について代表的に説明する。
図2に示すように、樹脂層付眼鏡レンズ3は、光透過性を有する眼鏡レンズ4と、眼鏡レンズ4の表側の面に貼着された光学樹脂層5とを有している。
眼鏡レンズ4は、外側に向って湾曲した板状をなしている。この眼鏡レンズ4は、外側から入射する入射光Lを集光するレンズ機能を有している。
眼鏡レンズ4の構成材料としては、光透過性を有していれば、特に限定されず、例えば、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の各種硬化性樹脂の各種樹脂材料や、各種ガラス材料、各種結晶等が挙げられる。
上記樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ガラス材料としては、光透過性を有していれば特に限定されず、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
また、上記結晶としては、光透過性を有していれば特に限定されず、例えば、サファイア、水晶等が挙げられる。
また、眼鏡レンズ4の厚さTは、特に限定されず、例えば、0.5mm以上、5.0mm以下であるのが好ましく、1.0mm以上、3.0mm以下であるのがより好ましい。これにより、比較的高い強度と、軽量化とを両立することができる。
次に、光学樹脂層5について説明する。
図2に示すように、光学樹脂層5(光学樹脂膜)は、光学機能付樹脂層(第1の光学機能付樹脂層)50aと、光学機能付樹脂層(第2の光学機能付樹脂層)50bと、偏光層53と、一対の接合層54a、54bと、保護層55とを備えている。また、光学樹脂層5では、接合層54a、偏光層53、接合層54b、光学機能付樹脂層50a、光学機能付樹脂層50bおよび保護層55は、下側(眼鏡レンズ4側)から、この順に積層されている。
光学機能付樹脂層50aは、樹脂層(第1の樹脂層)51と、樹脂層51中に充填された充填材(第1の充填材)52とをそれぞれ有している。光学機能付樹脂層50bも、同様に、樹脂層(第2の樹脂層)51と、樹脂層51中に充填された充填材(第2の充填材)52とを有している。これら光学機能付樹脂層50a、50bは、充填材52の密度が異なること以外は、略同様の構成であるため、以下では、光学機能付樹脂層50aについて代表的に説明する。
光学機能付樹脂層50aの樹脂層51の構成材料(第1の樹脂材料)および光学機能付樹脂層50bの樹脂層51の構成材料(第2の樹脂材料)としては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド(混合物)、共重合体等として)用いることができる。
この樹脂層51の厚さT51は、特に限定されず、例えば、10μm以上、1500μm以下であるのが好ましく、15μm以上、1000μm以下であるのがより好ましい。樹脂層51の厚さT51を前記範囲内に設定することにより、デザイン性を高くすることができる。また、視認性を確保することができる。
また、樹脂層51の色は、無色であっても、赤色、青色、黄色等、如何なる色であってもよい。
これらの色の選択は、樹脂層51に染料を含有させることにより可能になる。この染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクトブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
充填材52は、樹脂層51中に分散された多数の粒子521で構成されている。充填材52は、樹脂層51よりも入射光Lを反射しやすい材料で構成されている。このため、入射光Lを粒子521で優先的に反射させることができる。この充填材52は、例えば、ホウケイ酸塩と、金属酸化物とで構成されている。
充填材52を構成するホウケイ酸塩としてはホウケイ酸カルシウムまたはホウケイ酸アルミニウム等が挙げられる。
充填材52を構成する金属酸化物としてはTiO、SnO、ZnO、Fe、Fe、SiO、Al、ZrO等が挙げられる。
充填材52がホウケイ酸塩および金属酸化物のように、互いに異なる屈折率のもので構成されていることにより、入射光Lが反射して見える色を様々な色度とすることができる。
また、充填材52の粒子521は、鱗片状(偏平形状)をなしている。これにより、例えば、球形等の形状の粒子に比べ、外表面のうちの、入射光Lを反射する反射面522として機能する面積をできるだけ大きくすることができる。よって、外側から樹脂層付眼鏡レンズ3を見たとき、入射光Lが反射して見える部分を多くすることができる。その結果、デザイン性を高くすることができる。
また、粒子521は、光学樹脂層5の厚さ方向に対して傾斜して設けられている。これにより、反射面522が、光学樹脂層5の厚さ方向に対して傾斜することとなる。よって、入射光Lを反射面522で確実に反射することができる。
粒子521の平均粒径は、1μm以上、500μm以下であるのが好ましく、5μm以上、100μm以下であるのがより好ましい。充填材52の粒子521の平均粒径を前記範囲内に設定することにより、デザイン性を高くすることができる。また、光学機能付樹脂層50aの表面の凹凸性を緩和し、外部ヘイズを抑制することができる。
また、充填材52の含有量は、樹脂層51に対して0.001質量%以上、3.0質量%以下であるのが好ましく、0.005質量%以上、2.5質量%以下であるのがより好ましい。
充填材52の含有量を前記範囲内に設定することにより、外側から見たとき、入射光Lが十分に反射して見え、デザイン性を高くすることができる。また、平行透過率を高く保つことができ、視認性を確保することができる。
また、充填材52の色は、無色であっても、赤色、青色、黄色等、如何なる色であってもよいが、樹脂層51とは色度が異なっているのが好ましい。これにより、外側から樹脂層付眼鏡レンズ3を見たとき、粒子521によって入射光Lが反射して見えるのをより際立たせることができる。よって、さらにデザイン性が高くなる。
また、樹脂層51には、粒子521の配向度を向上させる機能を有する配向助剤が含まれていてもよい。配向助剤の含有量を調節することにより、粒子521の配向度を調節することができる。よって、樹脂層付眼鏡レンズ3をどの角度から見てもきらきら光って見えるように構成することができる。
この配向助剤としては、特に限定されず、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、酢酸、酪酸、安息香酸等のカルボン酸類、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル類、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−アルキル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。
偏光層53は、入射光L(偏光していない自然光)から、所定の一方向に偏光面をもつ直線偏光を取出す機能を有している。これにより、樹脂層付眼鏡レンズ3を介して目に入射する入射光Lは、偏光されたものとなる。
偏光層53の偏光度は、特に限定されないが、例えば、50%以上、100%以下であるのが好ましく、80%以上、100%以下であるのがより好ましい。また、偏光層53の可視光線透過率は、特に限定されないが、例えば、7%以上、60%以下であるのが好ましく、8%以上、50%以下であるのがより好ましい。
このような偏光層53の構成材料としては、上記機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、部分ホルマール化ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分ケン価物等で構成された高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着、染色させ、一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
これらの中でも、偏光層53は、ポリビニルアルコール(PVA)を主材料とした高分子フィルムに、ヨウ素または二色性染料を吸着、染色させ、一軸延伸したものが好ましい。ポリビニルアルコール(PVA)は透明性、耐熱性、染色剤であるヨウ素または二色性染料との親和性、延伸時の配向性のいずれもが優れた材料である。従って、PVAを主材料とする偏光層53は、耐熱性に優れたものとなるとともに、偏光能に優れたものとなる。
なお、上記二色性染料としては、例えばクロラチンファストレッド、コンゴーレッド、ブリリアントブルー6B、ベンゾパープリン、クロラゾールブラックBH、ダイレクトブルー2B、ジアミングリーン、クリソフェノン、シリウスイエロー、ダイレクトファーストレッド、アシドブラックなどが挙げられる。
この偏光層53の厚さT53は、特に限定されず、例えば、5μm以上、60μm以下であるのが好ましく、10μm以上、40μm以下であるのがより好ましい。偏光層53が厚すぎると、その構成材料にもよるが、光学樹脂層5全体として厚くなる傾向を示す。一方、偏光層53が薄すぎると、偏光能が不十分になるおそれがある。
このような偏光層53の可視光の透過率(以下では、単に「透過率」と言う)は、樹脂層51の透過率よりも低くなっている。このことについては、後に詳述する。
接合層54aは、光学樹脂層5を眼鏡レンズ4に対して接合する機能を有する。また、接合層54bは、光学機能付樹脂層50aと偏光層53とを接合する機能を有している。接合層54aおよび接合層54bは、それぞれ同様の構成であるため、以下、接合層54aについて代表的に説明する。
接合層54aは、光透過性を有する粘着剤により構成されている。前記粘着剤としては特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等いずれのものでもよいが、そのなかでも特に、アクリル系粘着剤を主とするのが好ましく、さらには、被着体材料に対しより高い粘着力を発揮し得るものが好ましい。
アクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低Tgの主モノマー成分、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー成分、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体よりなるものが好ましい。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
コモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
このような材料が好ましい理由は、粘着力、凝集力に優れるとともに、ポリマー中に不飽和結合がないため光や酸素に対する安定性が高く、また、モノマーの種類や分子量の選択により用途に応じた任意の品質、特性を得ることができるからである。
シリコーン系粘着剤としては、例えば、ジメチルシロキサン系、ジフェニルシロキサン系のものが挙げられる。
また接合層54aの厚さT54は、特に限定されず、例えば、2μm以上、50μm以下であるのが好ましく、5μm以上、35μm以下であるのがより好ましい。
このような接合層54aにより、光学樹脂層5を眼鏡レンズ4に配置することができる。
図2に示すように、保護層55は、樹脂層付眼鏡レンズ3において最外層、すなわち、表側に位置しており、樹脂層付眼鏡レンズ3、特に、光学機能付樹脂層50bを保護することができる。
この保護層55の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、アセテート系樹脂、アリル系樹脂、シリコン系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられるが、これらの中でもポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アリル系樹脂、シリコン系樹脂を主材料とするものが好ましく用いられる。
これらの構成材料で構成された保護層55は、光学機能付樹脂層50bを確実に保護することができる。
特に、耐熱性に優れたものとする場合には、ポリカーボネート系樹脂、アリル系樹脂、シリコン系樹脂等を用いるのが好ましい。
また、耐衝撃性に優れたものとする場合には、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を用いるのが好ましい。
また、耐摩耗性に優れたものとする場合には、アリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を用いるのが好ましい。
また、耐候性に優れたものとする場合には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂等を用いるのが好ましい。
また、耐薬品性に優れたものとする場合には、ポリアミド系樹脂等を用いるのが好ましい。
また、上記の樹脂材料は、熱膨張率が比較的小さい。このため、サングラス1を比較的気温が高い場所で用いたとしても、保護層55が熱により変形して光学機能付樹脂層50bから剥離したりするのを防止することができる。さらに、上記のような樹脂材料は、耐光性が比較的高いため、サングラス1を長期にわたって使用しても、保護層55が劣化したりするのを防止することができる。また、保護層55によれば、光学機能付樹脂層50bの表面の凹凸性を緩和し、外部ヘイズを抑制することができる。
このような保護層55の厚さT55は、特に限定されないが、例えば、3μm以上、800μm以下であるのが好ましく、7μm以上、500μm以下であるのがより好ましい。
保護層55の厚さT55を前記範囲内に設定することにより、光学機能付樹脂層50bの表面の凹凸性を緩和し、外部ヘイズを抑制することができる。
さて、図3は、従来の眼鏡レンズ4’と樹脂層付眼鏡レンズ3とを比較するための断面図であって、(a)は、本発明における樹脂層付眼鏡レンズ3を示す図であり、(b)は、従来の眼鏡レンズ4’を示す図である。図3(a)に示す樹脂層付眼鏡レンズ3の厚さ(総厚)と、図3(b)に示す眼鏡レンズ4’の厚さ(総厚)とは、同じになっており、厚さTである。
図3(b)に示すように、従来の眼鏡レンズ4’では、厚さTの眼鏡レンズ4’に充填材52’が充填されている。これに対し、図3(a)に示すように、樹脂層付眼鏡レンズ3では、厚さTよりも薄い厚さの樹脂層51中に充填材52が充填されている。これにより、樹脂層付眼鏡レンズ3では、従来と充填材52の含有量が同じ場合、充填材52の粒子521の密度を高めることができる。よって、外側から樹脂層付眼鏡レンズ3を見たとき、入射光Lが反射して光って見える部分を多くすることができる。よって、デザイン性を高めることができる。
さらに、眼鏡レンズ4’を、例えば切削等により、図3(b)中二点鎖線で示す部分を除去する加工を行い眼鏡レンズ4’の度を調整する場合には、除去された部分に分散している充填材52’も除去される。このため、眼鏡レンズ4’では、図3(b)に示すように、厚さT4aの部分と、厚さT4aよりも薄い厚さT4bの部分とが形成される。その結果、厚さT4bの部分では、厚さT4aの部分よりも充填材52’の量が少なくなる。その結果、厚さT4aの部分と厚さT4bの部分とでは、外側から見たとき、光り方が異なり、デザイン性が損なわれる。
これに対し、樹脂層付眼鏡レンズ3では、充填材52は、眼鏡レンズ4ではなく樹脂層51に充填されているため、眼鏡レンズ4を除去する加工を行ったとしても、充填材52が除去されるのを確実に防止することができる。よって、眼鏡レンズ4の加工を行っても、見る部分によって光り方が変化するのを防止することができる。その結果、高いデザイン性を確保することができる。
さらに、光学樹脂層5が眼鏡レンズ4とは別体で構成されているため、眼鏡レンズ4だけでなく、様々な光学部品に貼着することができる。従って、光学樹脂層5は、汎用性に優れる。
なお、光学樹脂層5の厚さTは、0.1mm以上、3.0mm以下であるのが好ましく、0.5mm以上、1.5mm以下であるのがより好ましい。また、眼鏡レンズ4の厚さTの3%以上、50%以下であるのが好ましく、5%以上、45%以下であるのがより好ましい。
光学樹脂層5の厚さが厚すぎると、構成材料にもよるが、可撓性が損なわれる可能性がある。一方、光学樹脂層5が薄すぎると、曲げ変形させたとき、たるみやしわが生じるおそれがある。
また、光学樹脂層5は、可撓性を有しているため、眼鏡レンズ4の表側の面41が図3(a)に示すような湾曲凸面であっても、その形状に追従して貼着することができる。すなわち、眼鏡レンズ4の表面の形状を問わず、光学樹脂層5を貼着することができる。従って、光学樹脂層5は、汎用性に優れる。
さらに、図2〜図4に示すように、光学樹脂層5は、充填材52が充填された層が、光学機能付樹脂層50a、50bの2層構造となっている。このため、充填材52が充填された層が1層構造の場合に比べて、外側からみたとき、よりきらきら光って見えることとなる。従って、光学樹脂層5は、さらにデザイン性に優れる。
ここで、前述したように、光学樹脂層5は、眼鏡レンズ4の湾曲凸面である表側の面41に貼着して用いられるものである。このため、図4(a)に示すような平坦な光学樹脂層5を眼鏡レンズ4の表側の面41に貼着した場合、図4(b)に示すように、光学樹脂層5は、湾曲変形した状態となる。
この湾曲した状態では、光学機能付樹脂層50a、50bは、図4(a)に示すような平坦な形状に比べ、厚さが薄くなる。光学機能付樹脂層50a、50bでは、粒子521の付近の樹脂層51は、粒子521が存在している分、その周辺に比べて厚さが薄くなるのが緩和される。その結果、光学機能付樹脂層50aの表側の面500aは、光学機能付樹脂層50a中に分散された粒子521の縁部523によって張り出す、すなわち、隆起する(以下、この隆起した部分を「隆起部501a」と言う。)。また、光学機能付樹脂層50bの表側の面500bも、光学機能付樹脂層50b中に分散された粒子521の縁部523によって隆起する(以下、この隆起した部分を「隆起部501b」と言う。)。
光学樹脂層5では、入射光Lのうち、外側に位置する隆起部501bで反射された反射光L500によって、外側から見たとき、光学樹脂層5の表側の面5aが凹凸に見えるため、サングラス1のデザイン性が低下する傾向を示す。従って、隆起部501bの形成箇所をできるだけ少なくするのが好ましい。
そこで、本発明では、光学機能付樹脂層50bの粒子521の密度ρbを光学機能付樹脂層50aの粒子521の密度ρaよりも小さくした。これにより、隆起部501bが形成される箇所を少なくしつつ、光学機能付樹脂層50bの粒子521によって、反射光L’の量を多くする、すなわち、補うことができる。以下、このことについて説明する。
仮に、光学機能付樹脂層50b内の粒子521を省略した場合、隆起部501bを省略するか、または、隆起の程度を抑制することができるが、光学機能付樹脂層50a内の粒子521だけでは、反射光L’の量が不十分になる可能性がある。
また、光学機能付樹脂層50b自体を省略した場合、すなわち、光学機能付樹脂層50aの単層構造とした場合、隆起部501aにて入射光Lが反射することとなる。この場合、隆起部501aは、隆起部501bよりも形成箇所が多いため、外側から見たとき、凹凸が目立ち、デザイン性が著しく低下するおそれがある。さらに、この場合、光学機能付樹脂層50bの粒子521が省略された分、反射光L’の量が少なくなり、デザイン性が損なわれる。
以上より、光学機能付樹脂層50bの粒子521の密度ρbを光学機能付樹脂層50aの粒子521の密度ρaよりも小さくすることにより、隆起部によりデザイン性が損なわれるのを抑制することと、反射光L’を多くするという互いに相反する特性を両立することができる。従って、高いデザイン性を有する光学樹脂層5を得ることができる。
また、光学機能付樹脂層50bにおける粒子521の密度ρbは、光学機能付樹脂層50aにおける粒子521の密度ρaの5%以上、95%以下であるのが好ましく、10%以上、90%以下であるのがより好ましい。これにより、隆起部501bによってデザイン性が低下するのを効果的に防止または抑制することができる。
密度ρbが密度ρaに対して大きすぎると、隆起部501bが比較的多くなり、デザイン性が低下する傾向を示す。一方、密度ρbが密度ρaに対して小さすぎると、光学機能付樹脂層50bの粒子521が少なくなり、粒子521によって反射された反射光L’がきらきら光って見える部分が少なくなる傾向を示す。
光学機能付樹脂層50aにおける粒子521の密度ρaは、0.01mg/cm以上、100mg/cm以下であるのが好ましく、0.02mg/cm以上、50mg/cm以下であるのがより好ましい。これにより、光学機能付樹脂層50aと光学機能付樹脂層50bとの密着性と、高いデザイン性とを両立することができる。
密度ρaが大きすぎると、隆起部501aが多くなり過ぎて、光学機能付樹脂層50aと光学機能付樹脂層50bとが剥離する可能性がある。一方、密度ρaが小さすぎると、粒子521が少なくなりすぎるため、反射光L’が少なくなり、きらきら光って見える部分が少なくなる傾向を示す。その結果、デザイン性が損なわれるおそれがある。
光学機能付樹脂層50bにおける粒子521の密度ρbは、0.001mg/cm以上、95mg/cm以下であるのが好ましく、0.005mg/cm以上、45mg/cm以下であるのがより好ましい。これにより、光学機能付樹脂層50aと光学機能付樹脂層50bとの密着性と、高いデザイン性とを両立することができる。
密度ρbが大きすぎると、隆起部501bが比較的多くなり、デザイン性が低下する傾向を示す。一方、密度ρbが小さすぎると、粒子521が少なくなりすぎるため、反射光L’が少なくなり、きらきら光って見える部分が少なくなる傾向を示す。その結果、デザイン性が損なわれるおそれがある。
なお、図4(b)に示すように、光学樹脂層5を曲げて使用した際、光学機能付樹脂層50bの粒子521によって、保護層55の表面も隆起する。この保護層55のISO14577に規定された方法に準拠して測定されたマルテンス硬度は、50MPa以上、500MPa以下であるのが好ましく、100MPa以上、400MPa以下であるのがより好ましい。これにより、保護層55が隆起するのを効果的に抑制することができる。
保護層55のマルテンス硬度が小さすぎた場合、隆起部501bへの追従性が高まりすぎ、保護層55の隆起が高くなる傾向を示す。一方、保護層55のマルテンス硬度が大きすぎた場合、隆起部501bへの追従性が低くなり過ぎて、保護層55が剥離するおそれがある。
ここで、本発明におけるマルテンス硬度は、物体表面に圧子を押し込んだときの試験荷重と押し込み表面積から求められる物体表面の硬度の指標である。
なお、マルテンス硬度は、例えば、エリオニクス製超微小硬度計ENT−1100を用いて、圧子:三角錐(バーコビッチ型)、頂点角115°、荷重:1mN、荷重時間:10秒、保持時間:10秒の条件で測定し、求めることができる。
また、本発明では、光学機能付樹脂層50aにおける粒子521と、光学機能付樹脂層50bにおける粒子521とは、同じ種類であってもよく、異なる種類であってもよい。
また、本発明では、光学機能付樹脂層50aにおける粒子521と、光学機能付樹脂層50bにおける粒子521とは、平均粒径が同じであってもよく、異なっていてもよい。平均粒径が異なっている場合、光学機能付樹脂層50bにおける粒子521の平均粒径が、光学機能付樹脂層50aにおける粒子521の平均粒径よりも小さいのが好ましい。これにより、隆起部501bを小さくすることができる。よって、デザイン性が低下するのを防止することができる。
光学機能付樹脂層50aにおける粒子521の平均粒径をAとし、光学機能付樹脂層50bにおける粒子521の平均粒径をBとしたとき、A/Bは、1以上10以下であるのが好ましく、1.5以上5以下であるのがより好ましい。これにより、上記効果をより確実に得ることができる。
なお、接合層54aは、眼鏡レンズ4に貼着される以前は、離型シートに覆われていてもよい。眼鏡レンズ4に貼着するときに離型シートを接合層54aから剥がして使用することにより、光学樹脂層5を眼鏡レンズ4に貼着する以前に接合層54aにごみが付着したり、粘着力が低下したりするのを防止することができる。
この離型シートとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート等の各種樹脂よりなるフィルムや、ポリエチレンラミネート紙、クレーコート紙、グラシン紙、再生紙等の各種紙材を基材とし、この基材の接合層54aとの接合面に、離型処理が施されたものを用いることができる。この場合、離型処理の代表例としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の離型剤よりなる離型剤層の塗布等による形成が挙げられる。
以上、本発明の光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
なお、前記実施形態では、充填材は、入射光を反射する機能を有するものであったが、本発明ではこれに限定されず、例えば、入射光のうちの赤外線または紫外線等の特定の波長の光を反射させて、その他の成分を透過させる機能を有するものであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
<光学樹脂層の製造>
厚さが75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製「ポバールVF−PS」)を、2色性染料を溶解させた水溶液(ブリリアントブルー6Bの濃度が0.4g/L、ベンゾパープリンの濃度が0.2g/L、クロラゾールブラックBHの濃度が0.1g/L)中、40℃で10分間染色した。この染色フィルムを酢酸ニッケル4水塩(0.4g/L)とホウ酸(40g/L)を溶解せしめた水溶液中に40℃で20分間浸漬した後、この溶液中で1軸方向に約4倍延伸し、次いで水洗、乾燥を行って、透過率30%、偏光度99%の偏光層を得た。
第1の樹脂材料としての100質量部のポリカーボネート(三菱瓦斯化学社製「E−2000N」)と、第1の充填材として、酸化鉄が被覆されているホウケイ酸ガラスの粒子(日本板硝子社製、「メタシャインMC1030TY」)0.02質量部とを混合して、第1の光学機能付樹脂層形成材料を用意した。
第2の樹脂材料としての100質量部のポリカーボネート(三菱瓦斯化学社製「E−2000N」)と、第2の充填材として、酸化チタンおよび酸化ケイ素が被覆されているホウケイ酸ガラスの粒子(メルク社製「miraval 5411」)0.02質量部とを混合して、第2の光学機能付樹脂層形成材料を用意した。
次に、第1の光学機能付樹脂層形成材料および第2の光学機能付樹脂層形成材料を、を1軸混錬共押出機の異なる材料供給部にそれぞれ投入し、250℃でそれぞれ混錬後、共押し出しを行い、ロールでシート状に成形後、冷却して、第1の光学機能付樹脂層および第2の光学機能付樹脂層が積層された光学機能付樹脂層積層体を得た。なお、第1の光学機能付樹脂層の透過率は、88%であり、第2の光学機能付樹脂層の透過率は、90%であった。
また、40質量部の紫外線硬化型アクリルモノマー(新中村化学社製「A−DPH」)と、40質量部のウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL 2000」)と、20質量部のアクリルモノマー(新中村化学社製「A−BPE−4」)と、5質量部の光重合材(BASF社製「IRGACURE 184」)を溶剤に溶かし、第1の光学機能付樹脂層の表面(第2の光学機能付樹脂層とは反対側の面)上に塗布し、乾燥後UVを当て、保護層を積層した。
次いで、厚さが3mmの眼鏡レンズ(三菱瓦斯化学社製「H−3000」)の表側の面上にアクリル系粘着剤で構成された第1の接合層を形成した。なお、眼鏡レンズの透過率は、82%であった。
次いで、第1の接合層上に、偏光層を積層し、偏光層の第1の接合層と反対側の面上に、第1の接合層と同様の構成材料である第2の接合層を形成した。
そして、第2の接合層上に、第2の接合層と、光学機能付樹脂層積層体の第1の光学機能付樹脂層とが接触するように、前記光学機能付樹脂層積層体を積層し、その状態で、第1の接合層および第2の接合層を硬化させて、眼鏡レンズに光学樹脂層が積層された樹脂層付眼鏡レンズを製造した。
なお、第1の光学機能付樹脂層中の第1の充填材の密度ρaは、0.01mg/cmであり、第2の光学機能付樹脂層中の第2の充填材の密度ρbは、0.001mg/cmであった。また、保護層のマルテンス硬度は、250Mpaであった。
(実施例2〜実施例11および比較例1〜比較例3)
樹脂層付眼鏡レンズの構成を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜実施例10および比較例1〜3の樹脂層付眼鏡レンズを得た。
なお、表1中のA1は、酸化鉄が被覆されたホウケイ酸ガラスを示し、A2は、酸化チタンおよび酸化ケイ素が被覆されたホウケイ酸ガラスを示す。
<評価>
1.デザイン性
晴天下で樹脂層付眼鏡レンズを表側から視認しつつ、樹脂層付眼鏡レンズから離れていき、表面の凹凸を視認できる最大の距離を測定した。各符号は、以下の通りであり、◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
◎:0.5m未満
○:0.5m以上1.0m未満
△:1.0m以上2.0m未満
×:2.0m以上
2.光反射率
V−670分光測定機の積分球拡散反射測定において、波長が560nmの光反射率を測定した。各符号は、以下の通りであり、◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
◎:1%以上
○:0.7%以上1%未満
△:0.2%以上0.7%未満
×:0.2%未満
これらの結果を、表1にまとめて示す。
Figure 2020016849
各実施例の光学樹脂層は、比較例のレンズに比べ、デザイン性に優れる結果となった。
1 サングラス
2 フレーム
21 リム部
22 ブリッジ部
23 テンプル部
24 ノーズパッド部
3 樹脂層付眼鏡レンズ
4 眼鏡レンズ
4’ 眼鏡レンズ
41 表側の面
5 光学樹脂層
5a 表側の面
50a 光学機能付樹脂層
500a 表側の面
501a 隆起部
50b 光学機能付樹脂層
500b 表側の面
501b 隆起部
51 樹脂層
52 充填材
52’ 充填材
521 粒子
522 反射面
523 縁部
53 偏光層
54a 接合層
54b 接合層
55 保護層
L 入射光
L’ 反射光
L500 反射光
厚さ
厚さ
厚さ
51 厚さ
53 厚さ
54 厚さ
55 厚さ
4a 厚さ
4b 厚さ

Claims (10)

  1. 眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる光学樹脂層であって、
    光透過性を有する第1の樹脂材料と、前記第1の樹脂材料中に充填され、入射光に対して光学的に作用する第1の充填材とを有する第1の光学機能付樹脂層と、
    前記第1の光学機能付樹脂層の表側に設けられ、光透過性を有する第2の樹脂材料と、前記第2の樹脂材料中に充填され、前記表側の面に入射する入射光に対して光学的に作用する第2の充填材とを有する第2の光学機能付樹脂層とを備え、
    前記第2の充填材の前記第2の樹脂材料中の密度は、前記第1の充填材の前記第1の樹脂材料中の密度よりも低いことを特徴とする光学樹脂層。
  2. 前記第1の充填材および前記第2の充填材は、前記入射光を反射する機能を有する粒子を含んでいる請求項1に記載の光学樹脂層。
  3. 前記粒子は、偏平形状をなし、当該光学樹脂層の厚さ方向に対して傾斜している請求項2に記載の光学樹脂層。
  4. 前記第1の充填材および前記第2の充填材は、主としてホウケイ酸塩と、金属酸化物とにより構成されている請求項2または3に記載の光学樹脂層。
  5. 前記眼鏡レンズの前記表側の面は、湾曲凸面で構成され、
    当該光学樹脂層は、可撓性を有し、前記湾曲凸面の湾曲形状に追従して湾曲変形可能である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学樹脂層。
  6. 当該光学樹脂層が湾曲変形した状態では、前記第1の光学機能付樹脂層の表側の面は、前記第1の充填材の粒子によって隆起した部分を有し、前記第2の光学機能付樹脂層の表側の面は、前記第2の充填材の粒子によって隆起した部分を有し、
    前記第2の光学機能付樹脂層の前記表側の面が隆起した箇所は、前記第1の光学機能付樹脂層の前記表側の面が隆起した箇所よりも少ない請求項5に記載の光学樹脂層。
  7. 前記第2の充填材の密度は、前記第1の充填材の密度の5%以上、95%以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学樹脂層。
  8. 前記第1の充填材の密度は、0.01mg/cm以上、100mg/cm以下であり、
    前記第2の充填材の密度は、0.001mg/cm以上、95mg/cm以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学樹脂層。
  9. 前記第2の光学機能付樹脂層の表側に設けられ、前記第1の光学機能付樹脂層および前記第2の光学機能付樹脂層を保護する保護層を有し、
    前記保護層のマルテンス硬度は、50MPa以上、500MPa以下である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の光学樹脂層。
  10. 眼鏡レンズと、前記眼鏡レンズの表側の面に配置して用いられる光学樹脂層とを備える樹脂層付眼鏡レンズであって、
    前記光学樹脂層は、光透過性を有する第1の樹脂材料と、前記第1の樹脂材料中に充填され、入射光に対して光学的に作用する第1の充填材とを有する第1の光学機能付樹脂層と、
    前記第1の樹脂材料の表側に設けられ、光透過性を有する第2の樹脂材料と、前記第2の樹脂材料中に充填され、入射光に対して光学的に作用する第2の充填材とを有する第2の光学機能付樹脂層とを備え、
    前記第2の充填材の前記第2の樹脂材料中の密度は、前記第1の充填材の前記第1の樹脂材料中の密度よりも低いことを特徴とする樹脂層付眼鏡レンズ。
JP2018141545A 2018-07-27 2018-07-27 光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ Pending JP2020016849A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018141545A JP2020016849A (ja) 2018-07-27 2018-07-27 光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018141545A JP2020016849A (ja) 2018-07-27 2018-07-27 光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020016849A true JP2020016849A (ja) 2020-01-30

Family

ID=69580363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018141545A Pending JP2020016849A (ja) 2018-07-27 2018-07-27 光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020016849A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115657334A (zh) * 2022-11-02 2023-01-31 江苏鸿晨集团有限公司 一种具有微结构的眼镜片
WO2023053653A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡光学物品及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004514921A (ja) * 2000-10-13 2004-05-20 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 封入された光反射性粒子を備えたコンタクトレンズ
JP2005234311A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Seiko Epson Corp 光学素子および光学素子の製造方法
KR101296913B1 (ko) * 2011-12-23 2013-08-14 김쌍기 홀로그램 콘택트렌즈 제조방법
JP2013254041A (ja) * 2012-06-05 2013-12-19 Vision Development Co Ltd ダイヤモンド微粒子を含有する膜を有する眼鏡用レンズ、及びその製造方法
JP2017014395A (ja) * 2015-07-01 2017-01-19 三菱レイヨン株式会社 成形体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004514921A (ja) * 2000-10-13 2004-05-20 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 封入された光反射性粒子を備えたコンタクトレンズ
JP2005234311A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Seiko Epson Corp 光学素子および光学素子の製造方法
KR101296913B1 (ko) * 2011-12-23 2013-08-14 김쌍기 홀로그램 콘택트렌즈 제조방법
JP2013254041A (ja) * 2012-06-05 2013-12-19 Vision Development Co Ltd ダイヤモンド微粒子を含有する膜を有する眼鏡用レンズ、及びその製造方法
JP2017014395A (ja) * 2015-07-01 2017-01-19 三菱レイヨン株式会社 成形体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023053653A1 (ja) * 2021-09-28 2023-04-06 ホヤ レンズ タイランド リミテッド 眼鏡光学物品及びその製造方法
CN115657334A (zh) * 2022-11-02 2023-01-31 江苏鸿晨集团有限公司 一种具有微结构的眼镜片
CN115657334B (zh) * 2022-11-02 2023-11-10 江苏鸿晨集团有限公司 一种具有微结构的眼镜片

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5332599B2 (ja) 偏光板、その製造方法及びそれを用いた複合偏光板
KR101899507B1 (ko) 투명한 점착제층 및 패턴화된 투명 도전층을 가지는 편광 필름 적층체 및 액정 패널 및 유기 el 패널
KR101703872B1 (ko) 편광막을 가지는 광학 적층체
KR20170116236A (ko) 기능성 시트 및 그것을 이용한 렌즈
JP2007108592A (ja) 液晶表示装置用積層体、及びそれを備えた液晶表示装置
KR102525401B1 (ko) 편광판, 액정 패널 및 액정 표시 장치
JP6172302B2 (ja) 偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置
JP6076419B2 (ja) 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
JP2020016849A (ja) 光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ
JP6856028B2 (ja) 光学フィルム、偏光フィルム、偏光フィルムの製造方法、および画像表示装置
JP6655239B2 (ja) 透明積層体、及びそれを用いた保護具
KR102389656B1 (ko) 플렉서블 화상 표시 장치 및 이에 이용하는 광학 적층체
KR102289805B1 (ko) 가식 부착 적층체, 광학 적층체 및 플렉서블 화상 표시 장치
WO2021200678A1 (ja) 反射防止フィルム積層体及びそれを備える物品
JP2018066964A (ja) 光学樹脂層および樹脂層付眼鏡レンズ
JP7275787B2 (ja) 光学性積層体の製造方法
JP2023105170A (ja) 光学部品の製造方法
JP2020016848A (ja) 光学樹脂層および光学部品
JP6076420B2 (ja) 透明な粘着剤層を有する導電性フィルム積層体
CN108761615B (zh) 护眼膜、显示屏和显示器
WO2021193387A1 (ja) ハーフミラーシート
JP7275786B2 (ja) 光学性積層体の製造方法
JP2003029009A (ja) 半透過半反射性フィルム並びにそれを用いた偏光素子及び液晶表示装置
CN216958083U (zh) Oled结构、偏振光片、显示屏以及显示装置
JP6903804B1 (ja) フレキシブル画像表示装置およびそれに用いる光学積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220531

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230725