JPWO2017069186A1 - ブラケット付アウタコラム、ブラケット付ステアリングコラム、及びステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記アウタコラムは、前記アウタコラムの径方向に関する剛性を低下させ、前記アウタコラムを拡縮させる為のスリットを備え、該スリットは、前記アウタコラムのうち、上下方向の片側の半部に於ける幅方向中央部を挟んだ幅方向両側部分にそれぞれ軸方向にのみ伸長する状態で設けられている。
又、前記コラム側ブラケットは、前記アウタコラムの外周面のうち前記各スリットを幅方向両側から挟む位置に結合固定された1対の側壁部と、前記両側壁部のうち幅方向に関して互いに整合する部分に設けられた貫通孔とを備える。
前記車体側ブラケットは、車体に支持されるもので、前記コラム側ブラケットを幅方向両側から挟む位置に設けられた1対の支持板部と、前記両支持板部のうち幅方向に関して互いに整合する部分に設けられた通孔とを備える。
又、前記調節ロッドは、前記両貫通孔と前記両通孔とを挿通している。
又、1対の押圧部は、前記調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の幅方向外側面から突出した部分に設けられている。
又、前記拡縮機構は、前記両押圧部同士の間隔を拡縮可能としている。
即ち、本発明の場合、前記アウタコラムは、上下方向の片側の半部に於ける幅方向中央部を挟んだ幅方向両側部分に、それぞれ軸方向にのみ伸長する状態で設けられた、前記アウタコラムの径方向に関する剛性を低下させる為のスリットを有している。又、前記アウタコラムの外周面のうち前記各スリットを幅方向両側から挟む位置に、コラム側ブラケットを構成する1対の側壁部が結合固定されている。この為、前記ステアリングホイールを調節後の位置に保持すべく、1対の押圧部同士の間隔を縮める事により、車体側ブラケットを構成する1対の支持板部を介して、前記両側壁部を幅方向両側から押圧した場合に、前記アウタコラムの一部を弾性的に効率良く縮径させる事ができる。そして、この様に縮径させた部分で、前記アウタコラムの内周面とインナコラムの外周面とを強く接触させて、これら両周面同士の間に作用する摩擦力を大きくできる。
本発明の第1実施形態に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。
本実施形態のステアリング装置は、ステアリングコラム6aと、コラム側ブラケット16aと、ステアリングシャフト5aと、車体側ブラケット17aと、調節ロッド22aと、1対の押圧部23a、23bと、調節レバー24とを備える。
インナコラム13aの前端部は、車体に対して、幅方向に配設された枢軸11(図14参照)を中心とする揺動変位を可能に支持される。
アウタコラム12aは鋼製である。この様なアウタコラム12aの前半部(インナコラム13aの後部に外嵌される部分)には、上半部に於ける幅方向中央部を挟んだ幅方向両側部分(幅方向両端寄り部分)に、それぞれ軸方向にのみ伸長する状態で、アウタコラム12aの径方向に関する剛性を低下させ、アウタコラム12aを拡縮させる為の1対のスリット25、25が設けられている。両スリット25、25の前端部は、アウタコラム12aの前端縁に開口していない。
尚、本実施形態の場合には、コラム側ブラケット16aを結合固定したアウタコラム12aが、本発明のブラケット付アウタコラムに相当し、又、この様なブラケット付アウタコラムとインナコラム13aとを組み合わせたものが、本発明のブラケット付ステアリングコラムに相当する。
即ち、本実施形態の場合には、アウタコラム12aの前半部のうち、上半部に於ける幅方向中央部を挟んだ幅方向両側部分に、それぞれ軸方向にのみ伸長する状態で、アウタコラム12aの径方向に関する剛性を低下させる為の1対のスリット25、25が設けられている。1対のスリット25、25は、1対の側板部26、26の軸方向長さより長く形成され、1対のスリット25、25の各軸方向端部は、1対の側板部26、26の軸方向両端よりもそれぞれ軸方向外側に位置する。又、アウタコラム12aの外周面のうち、両スリット25、25を幅方向両側から挟む位置に、コラム側ブラケット16aを構成する1対の結合板部28、28が結合固定されている。この為、ステアリングホイールを調節後の位置に保持すべく、両押圧部23a、23b同士の間隔を縮める事により、両支持板部20a、20aを介して、両結合板部28、28に連結された両側板部26、26を幅方向両側から押圧した場合に、アウタコラム12aの前半部を弾性的に効率良く縮径させる事ができる。特に、本実施形態の場合には、アウタコラム12aの前半部のうち、上半部に於ける幅方向両側部分(両結合板部28、28に近い部分)にスリット25、25が設けられている為、例えば上半部に於ける幅方向中央部(両結合板部28、28から遠い部分)にスリットが設けられている場合に比べて、アウタコラム12aの前半部を効率良く縮径させる事ができる。そして、この様に縮径させた部分で、アウタコラム12aの内周面とインナコラム13aの外周面とを強く接触させて、これら両周面間に作用する摩擦力を大きくできる。この結果、ステアリングホイール1を調節後の位置に保持した状態での、ステアリングコラム6aの剛性を向上させる事ができる。
本発明の第2実施形態に就いて、図8を参照しつつ説明する。
本実施形態の場合には、アウタコラム12bの前半部のうち、上半部に於ける幅方向中央部を挟んだ幅方向両側部分に、それぞれ軸方向にのみ伸長するスリット25a、25aを3つずつ、軸方向に離隔して設けている。これに合わせて、本実施形態の場合には、アウタコラム12bの外周面に、コラム側ブラケット16bを構成する1対の結合板部28の下端部が、それぞれアウタコラム12aの軸方向に関して各スリット25a、25aと同じ位置となる3箇所でのみ接触する、そして、当該3箇所がアウタコラム12bの外周面に、上述した第1実施形態の場合と同様の態様で、溶接部29、29により結合固定される。なお、前後方向両側に位置するスリット25a、25aの軸方向外端部は、1対の側板部26、26の軸方向両端よりもそれぞれ軸方向外側に位置している。
本発明の第3実施形態に就いて、図9を参照しつつ説明する。
本実施形態の場合には、アウタコラム12aの内周面とインナコラム13aの外周面との間に、合成樹脂製で円筒状の被挟持部材33を配置する事により、アウタコラム12aの内周面とインナコラム13aの外周面とを、被挟持部材33を介して接触させている。本実施形態の場合には、被挟持部材33を、インナコラム13aの外周面に固定しているが、これに代えて、アウタコラム12aの内周面に固定する事もできる。
尚、前述の図6に示した比較例の構造の様に、アウタコラム12aに設けたスリット25、25の一部に周方向に伸長する部分が存在する構造に対して、被挟持部材33を本実施形態の場合と同じ様に組み付ける構成を採用すれば、二次衝突時の衝撃吸収性能のばらつきを十分に抑える事ができる。
その他の構成及び作用は、上述した第1〜第2実施形態の場合と同様である。
本発明の第4及び第5実施形態に就いて、図10及び図11を参照しつつ説明する。
本発明の第4及び第5実施形態の場合には、インナコラム13b(13c)のうち、少なくともアウタコラム12aと嵌合する軸方向範囲に於ける、円周方向に離隔した複数箇所(図10に示した第4実施形態の場合には6箇所、図11に示した第5実施形態の場合には5箇所)に、径方向外側に膨出する膨出部(凸部)34、34を、それぞれ軸方向に伸長する状態で形成している。そして、インナコラム13b(13c)の外周面とアウタコラム12aの内周面とを、各膨出部34、34に対応する部分でのみ接触させ、それ以外の部分では、インナコラム13b(13c)の外周面とアウタコラム12aの内周面との間に隙間を形成している。又、各膨出部34、34は、図10に示した第4実施形態の場合には、円周方向に関して等間隔に配置されており、図11に示した第5実施形態の場合には、円周方向に関して不等間隔に配置されている(正確には、下端部に於ける配置間隔が、残部に於ける配置間隔よりも大きくなっている)。但し、何れの場合も、各膨出部34、34は、アウタコラム12aの外周面に対してコラム側ブラケット16aを構成する1対の結合板部28、28が結合固定された部分(更には、各スリット25、25が形成された部分)と異なる円周方向位置に配置されている。
その他の構成及び作用は、上述した第1〜2実施形態の場合と同様である。
本発明の第6実施形態に就いて、図12を参照しつつ説明する。
本実施形態の場合には、アウタコラム12cうち、少なくともインナコラム13aと嵌合する軸方向範囲に於ける、円周方向に離隔した複数箇所(図示の例では3箇所)に、径方向内側に膨出する膨出部34a、34aを、それぞれ軸方向に伸長する状態で形成している。そして、アウタコラム12cの内周面とインナコラム13aの外周面とを、各膨出部34a、34aに対応する部分でのみ接触させ、それ以外の部分では、アウタコラム12cの内周面とインナコラム13aの外周面との間に隙間を形成している。又、各膨出部34a、34aは、アウタコラム12cの外周面に対してコラム側ブラケット16aを構成する1対の結合板部28、28が結合固定された部分(更には、各スリット25、25が形成された部分)と異なる円周方向位置に配置されている。尚、本実施形態の場合には、各膨出部34a、34aを、円周方向に関して等間隔に配置しているが、各膨出部34a、34aは、円周方向に関して不等間隔に配置する事もできる。
その他の構成及び作用は、上述した第1〜第2実施形態の場合と同様である。
本発明の第7実施形態に就いて、図13を参照しつつ説明する。
本実施形態の場合には、アウタコラム12aの内周面とインナコラム13aの外周面との間部分に於ける、円周方向に離隔した複数箇所に、それぞれ合成樹脂製で軸方向に伸長する被挟持部材33a、33aを配置している。これにより、アウタコラム12aの内周面とインナコラム13aの外周面とを、本発明の他の部材に相当する、各被挟持部材33a、33aを介して接触させ、円周方向に関して各被挟持部材33a、33aから外れた部分では、アウタコラム12aの内周面とインナコラム13aの外周面との間に隙間を形成している。本実施形態の場合には、各被挟持部材33a、33aを、インナコラム13aの外周面に固定しているが、これに代えて、アウタコラム12aの内周面に固定する事もできる。又、各被挟持部材33a、33aは、アウタコラム12aの外周面に対してコラム側ブラケット16cを構成する1対の結合板部28、28が結合固定された部分(更には、各スリット25、25が形成された部分)と異なる円周方向位置に配置されている。尚、本実施形態の場合には、各被挟持部材33a、33aを、円周方向に関して等間隔に配置しているが、各被挟持部材33a、33aは、円周方向に関して不等間隔に配置する事もできる。
その他の構成及び作用は、上述した第1〜第2実施形態の場合と同様である。
又、本発明のステアリング装置は、チルト機構を省略し、テレスコピック機構のみを備えた構造とする事もできる。この場合には、車体側ブラケットを構成する1対の支持板部に設ける通孔を、例えば単なる円孔とする。
又、本発明のステアリング装置は、アウタコラムを前側に、インナコラムを後側に配置する事もできる。
又、本発明のコラム側ブラケットに設けられる貫通孔は、例えば、単なる円孔でもよい。
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 車体
11 枢軸
12、12a、12b、12c アウタコラム
13、13a、13b、13c インナコラム
14、14a アウタシャフト
15、15a インナシャフト
16、16a、16c コラム側ブラケット
17、17a 車体側ブラケット
18 電動モータ
19、19a テレスコ調節用長孔
20、20a 支持板部
21、21a チルト調節用長孔
22、22a 調節ロッド
23a、23b 押圧部
24 調節レバー
25、25a スリット
26、26a 側板部
27 連結板部
28 結合板部
29 溶接部
30 取付板部
31 駆動側カム
32 周方向伸長部
33、33a 被挟持部材
34、34a 膨出部
Claims (10)
- 筒状のアウタコラムと、該アウタコラムに固定されたコラム側ブラケットと、を備えたブラケット付アウタコラムであって、
前記アウタコラムは、上下方向の片側の半部に於ける幅方向中央部を挟んだ幅方向両側部分にそれぞれ軸方向にのみ伸長する状態で設けられた、前記アウタコラムの径方向に関する剛性を低下させる為のスリットを有し、
前記コラム側ブラケットは、前記アウタコラムの外周面のうち前記各スリットを幅方向両側から挟む位置に結合固定された1対の側壁部と、前記両側壁部のうち幅方向に関して互いに整合する部分に設けられた貫通孔とを有する
ブラケット付アウタコラム。 - 前記アウタコラムには、幅方向中央部を挟んだ幅方向両側部分に、それぞれ複数の前記スリットが軸方向に離隔して設けられており、
前記アウタコラムの外周面に対して前記両側壁部が、それぞれ前記アウタコラムの軸方向に関して前記各スリットと同じ位置となる複数箇所で結合固定されている
請求項1に記載したブラケット付アウタコラム。 - 前記アウタコラムの外周面のうち前記両側壁部に対して前記各スリットと円周方向反対側に隣接する部分と、前記両側壁部との間に掛け渡す状態で、それぞれ前記アウタコラムの外周面に対して前記両側壁部を結合固定する為の溶接部が設けられている
請求項1又は2に記載したブラケット付アウタコラム。 - 車体に支持される車体側ブラケットを構成する、幅方向に離隔した1対の支持板部の幅方向内側面に押圧される、前記両側壁部の幅方向外側面が、上下方向に関して前記アウタコラムから遠い側の端縁から、上下方向に関して前記アウタコラムに近い側の端縁に向かう程幅方向外側に向かう方向に傾斜している
請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したブラケット付アウタコラム。 - 前記貫通孔は、前記アウタコラムの軸方向に伸長するテレスコ調節用長孔である
請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したブラケット付アウタコラム。 - 前記スリットの長さ方向中間部は、一定の円周方向幅で形成され、且つ、前記スリットの長さ方向両端部は、それぞれ長さ方向両端縁に向かうにつれて円周方向幅が狭くなるように形成される
請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したブラケット付アウタコラム。 - 筒状のインナコラムと、
請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したブラケット付アウタコラムとを備え、
前記コラム側ブラケットが存在する軸方向位置に於いて、前記アウタコラムが前記インナコラムに対して軸方向の相対変位を可能に外嵌されている
ブラケット付ステアリングコラム。 - 前記コラム側ブラケットが存在する軸方向位置に於いて、前記アウタコラムの内周面と前記インナコラムの外周面とが、円周方向に離隔した複数の位置でのみ直接又は他の部材を介して接触しており、且つ、前記アウタコラムの内周面と前記インナコラムの外周面とが直接又は他の部材を介して接触している位置と、前記アウタコラムの外周面に対して前記両側壁部が結合固定されている位置とが、円周方向に関して互いにずれている
請求項7に記載したブラケット付ステアリングコラム。 - 前記アウタコラムの内周面と前記インナコラムの外周面とが合成樹脂製の被挟持部材を介して接触している
請求項7又は8に記載したブラケット付ステアリングコラム。 - 請求項7〜9のうちの何れか1項に記載したブラケット付ステアリングコラムと、
前記コラム側ブラケットを幅方向両側から挟む位置に設けられた1対の支持板部と、前記両支持板部のうち幅方向に関して互いに整合する部分に設けられた通孔とを有し、車体に支持される車体側ブラケットと、
前記両貫通孔と前記両通孔とを挿通した調節ロッドと、
前記調節ロッドの両端部で、前記両支持板部の幅方向外側面から突出した部分に設けられた1対の押圧部と、
前記両押圧部同士の間隔を拡縮可能とした拡縮機構とを備えた
ステアリング装置。
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