JP5641057B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
本発明は、軸方向に相対的に摺動可能に嵌合したアウターコラムとインナーコラムを有するステアリング装置に関する。
アウターコラムとインナーコラムが軸方向に摺動可能に嵌合することによって、ステアリングホイールのテレスコピック位置の調整、または、二次衝突時の衝撃荷重を吸収するようにしたステアリング装置がある。このようなステアリング装置においては、スリットを有するアウターコラムを縮径して、インナーコラムの外周をアウターコラムの内周で締め付け、アウターコラムに対して軸方向に相対的に移動不能にインナーコラムをクランプしている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に示すステアリング装置は、スリットの一端がアウターコラムの端面に開放している。従って、ステアリングホイールのテレスコピック位置によって、スリットの他端の閉鎖端部とアウターコラムの締付け位置との間の距離が変化する。そのため、操作レバーを一定の力で操作しても、ステアリングホイールのテレスコピック位置によって、アウターコラムがインナーコラムを締付ける締付け力が変動する。
特許文献2に示すステアリング装置は、ディスタンスブラケットでインナーコラムを直接クランプすることによって、ステアリングホイールのテレスコピック位置によって、アウターコラムがインナーコラムを締付ける締付け力が変動しないようにしている。
しかし、特許文献2に示すステアリング装置は、二つのディスタンスブラケットが設けられており、一方のディスタンスブラケットでアウターコラムの外周を締付け、他方のディスタンスブラケットでインナーコラムの外周を締め付けている。従って、インナーコラムの外周の片側だけが締め付けられるため、締付け力の左右のバランスが悪い。また、二つのディスタンスブラケットをピンで揺動可能に支持しているため、ディスタンスブラケットの構造が複雑で、製造コストが上昇する。
特許文献3に示すステアリング装置は、ディスタンスブラケットに摺動可能に支持された押圧片でインナーコラムを直接クランプしている。特許文献3に示すステアリング装置は、1個の押圧片でインナーコラムの外周の片側だけを締め付けるため、締付け力の左右のバランスが悪い。また、ディスタンスブラケットとは別部品の押圧片が、ディスタンスブラケットに摺動可能に支持されているため、構造が複雑で、製造コストが上昇する。
図8は、関連技術に係るステアリング装置であって、ディスタンスブラケットでインナーコラムを直接クランプするようにしたステアリング装置101の一部の側面図である。以下の記載において、「前」、「後」、「上」及び「下」は、ステアリング装置が取り付けられる車体の前後方向と上下方向を基準とする。図8に示すように、中空円筒状のアウターコラム1内には、上部ステアリングシャフト41が回動可能に軸支され、上部ステアリングシャフト41の後端部(図8の右側)に、ステアリングホイール103が取付けられている。アウターコラム1の前端部(図8の左側)には、インナーコラム2が軸方向に摺動可能に嵌合している。アウターコラム1は、アッパー側車体取付けブラケット3(車体取付けブラケット)によって車体5に取付けられている。
インナーコラム2の前端部は、ロアー側車体取付けブラケット51によって車体5に取付けられている。チルト中心軸21は、インナーコラム2の前端部に固定され、ロアー側車体取付けブラケット51にチルト可能に軸支されている。
インナーコラム2には、下部ステアリングシャフト42が回転可能に支持されている。下部ステアリングシャフト42は、上部ステアリングシャフト41とスプライン嵌合し、上部ステアリングシャフト41の回転が下部ステアリングシャフト42に伝達される。
下部ステアリングシャフト42の前端は、ユニバーサルジョイントを介して中間シャフトに連結され、中間シャフトの回転がステアリングギヤに伝達されて、車輪の操舵角を変えることができる。
アッパー側車体取付けブラケット3の上下方向に延在する左右の側板32A、32Bの内側面には、ディスタンスブラケット6がテレスコピック移動及びチルト移動可能に挟持されている。ディスタンスブラケット6は、アウターコラム1の中心軸線を通る垂直平面に対して対称な形状を有し、鉄製の矩形板材を逆U字形に折り曲げて一体的に形成されている。ディスタンスブラケット6の円弧状上部が、アウターコラム1の外周に巻き付けられ、外周に溶接によって固定されている。
ディスタンスブラケット6には、軸方向(図8の左右方向)に長いテレスコ用長溝63A、63Bが形成されている。側板32A、32Bに形成したチルト用長溝33A、33Bと、テレスコ用長溝63A、63Bに、丸棒状の締付けロッド34が、図8の紙面に直交する方向から挿通されている。チルト用長溝33A、33Bは、チルト中心軸21を中心とする円弧状に形成されている。
ディスタンスブラケット6の軸方向の両端部は、車幅方向の内側に向かって直角に折り曲げられ、車幅方向の内側面に左右の締付け部66A、66Bが形成されている。アウターコラム1には、締付け部66A、66Bが挿通される左右の貫通孔13A、13B、14A、14Bが形成されている。前側の締付け部66A、66Bが前側の貫通孔14A、14Bに挿通され、後側の締付け部66A、66Bが後側の貫通孔13A、13Bに挿通され、前側と後側の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周を直接締付けている。
前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとの間の軸方向の長さL2は、テレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の長さL3よりも長い。
締付けロッド34の端部には、操作レバー349が固定されている。操作レバー349によって操作されるカムロック機構によって、側板32A、32Bを介してディスタンスブラケット6が締付けられ、締付け部66A、66Bがインナーコラム2の外周を左右両側から締め付ける。二次衝突時にステアリングホイール103に運転者が衝突して大きな衝撃力が作用すると、アッパー側車体取付けブラケット3とアウターコラム1は、車体5から離脱し、インナーコラム2に案内されて車体前方側にコラプス移動し、衝撃エネルギーを吸収する。
チルト位置とテレスコピック位置の調整時には、操作レバー349を逆方向に回動し、側板32A、32Bを離間させ、締付け部66A、66Bによる締め付けを解除する。これによって、アウターコラム1及びディスタンスブラケット6を、所望のチルト位置とテレスコピック位置で、アッパー側車体取付けブラケット3にクランプまたはアンクランプすることができる。
ディスタンスブラケット6及びインナーコラム2をアッパー側車体取付けブラケット3に対してアンクランプした後、ステアリングホイール103を握ってアウターコラム1をインナーコラム2に対して軸方向に摺動し、所望のテレスコピック位置に調整する。また、ステアリングホイール103を握って、ディスタンスブラケット6とアウターコラム1を、チルト中心軸21を中心として所望のチルト位置に調整する。
このようなステアリング装置101で、下記の制約条件が付いて、ステアリング装置101の全長L1、即ち、下部ステアリングシャフト42に固定されるユニバーサルジョイント中心とステアリングホイール103中心との間の長さを短縮することを要求されることがある。制約条件は、(1)ステアリングホイール結合部P1の形状は変更しない、(2)キーロック取付部P2の寸法は変更しない、(3)テレスコストロークSを確保する、(4)二次衝突時のコラプス移動ストロークを確保する、である。
このような制約条件が付くと、テレスコピック位置によってディスタンスブラケット6がインナーコラム2を十分にクランプできない、二次衝突時のコラプス移動ストロークを確保できない、等の不都合が生じ、ステアリング装置の全長を短縮することが難しくなる。
本発明は、ステアリング装置の全長を短縮しても、二次衝突時のコラプス移動ストロークを確保でき、ステアリングホイールのテレスコピック位置によって、締付け力が変動しないようにしたステアリング装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様によれば、ステアリング装置は、インナーコラムと、前記インナーコラムとの相対的なテレスコピック位置を軸方向に調整可能に前記インナーコラムに外嵌された中空のアウターコラムと、左右の側板を有し、車体に取付け可能に構成された車体取付けブラケットと、前記アウターコラムの外周に固定され、前記車体取付けブラケットの左右の側板に摺動可能に挟持されたディスタンスブラケットと、前記車体取付けブラケットの左右の側板を前記ディスタンスブラケットに締め付けるように構成された締付けロッドと、を備える。前記ディスタンスブラケットには、前記締付けロッドが挿通され、軸方向に延びるテレスコ用長溝が形成されている。前記ディスタンスブラケットは、前記インナーコラムの外周を締め付ける前側の左右一対の締付け部と後側の左右一対の締付け部と、を備え、前記前側の左右一対の締付け部は、軸方向において、前記後側の左右一対の締付け部の前方に設けられている。前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部との間の軸方向の長さは、前記テレスコ用長溝の軸方向の長さよりも短い。前記アウターコラムには、前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の一方が挿通される左右一対の貫通孔が形成されている。前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部は、前記車体取付けブラケットの左右の側板が前記締付けロッドによって締付けられたときに、前記インナーコラムの外周を、前後左右の4箇所の位置で直接締付けて、前記インナーコラムが前記アウターコラムに対して軸方向に相対的に移動不能に前記インナーコラムをクランプする。
前記アウターコラムの軸方向の端面は、軸方向において、前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の間に配置され、前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の他方は、前記貫通孔を経由せずに前記インナーコラムの外周を直接締付けてもよい。
前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の間の軸方向の中心位置と前記テレスコ用長溝の軸方向の中心位置は、軸方向にずれていてもよい。
前記ディスタンスブラケットは、一体的にU字形または逆U字形に形成されて、前記アウターコラムの外周に巻き付けられていてもよい。
前記ディスタンスブラケットは、左の締付け部を有する左ディスタンスブラケットと、右の締付け部を有する右ディスタンスブラケットと、を備え、前記左ディスタンスブラケットと右ディスタンスブラケットとが別部品で形成され、前記左ディスタンスブラケットと右ディスタンスブラケットの各々の一端が前記アウターコラムの外周に固定されていてもよい。
前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部は、前記インナーコラムの外周の下側または上側を締付けてもよい。
前記インナーコラムとアウターコラムの一方の前端部が車体に固定されていてもよい。
本発明の一態様によれば、前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部との間の軸方向の長さは、前記テレスコ用長溝の軸方向の長さよりも短い。また、前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部は、前記車体取付けブラケットの左右の側板が前記締付けロッドによって締付けられたときに、前記インナーコラムの外周を直接締付けて、前記インナーコラムが前記アウターコラムに対して軸方向に相対的に移動不能に前記インナーコラムをクランプする。
従って、アウターコラムの軸方向長さを短くすることができ、衝突時のアウターコラムのコラプスストロークを長くできる。また、ディスタンスブラケットの左右の締付け部が、インナーコラムの外周を左右両側から直接締め付けるため、締付け力の左右のバランスが良く、ステアリングホイールのテレスコピック位置によって、アウターコラムがインナーコラムを締付ける締付け力が変動しない。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
図1に示すように、ステアリング装置101は、ステアリングシャフト102を回動自在に支持している。ステアリングシャフト102は、ステアリングホイール103が装着される上端部(後端部)と、ユニバーサルジョイント104を介して中間シャフト105が連結される下端部(前端部)とを有する。
中間シャフト105の下端には、ユニバーサルジョイント106が連結され、ユニバーサルジョイント106には、ラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ107が連結されている。
運転者がステアリングホイール103を回転操作すると、ステアリングシャフト102、ユニバーサルジョイント104、中間シャフト105、及びユニバーサルジョイント106を介して、その回転力がステアリングギヤ107に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介して、タイロッド108を移動し、車輪の操舵角を変えることができる。
以下、図2乃至図7Cを参照して本発明の実施例1に係るステアリング装置を説明する
図2乃至図7Cに示すように、中空円筒状のアウターコラム1内には、上部ステアリングシャフト41が回動可能に軸支され、上部ステアリングシャフト41の後端部(図2の右側)に、ステアリングホイール103が取付けられている。アウターコラム1の前端部(図2、図4の左側)には、インナーコラム2が軸方向に摺動可能に嵌合している。アウターコラム1は、アッパー側車体取付けブラケット3(車体取付けブラケット)によって車体5に取付けられている。
インナーコラム2の前端部は、ロアー側車体取付けブラケット51によって車体5に取付けられる。チルト中心軸21は、インナーコラム2の車体前方側に固定され、ロアー側車体取付けブラケット51にチルト可能に軸支されている。
インナーコラム2には、下部ステアリングシャフト42が回転可能に軸支され、下部ステアリングシャフト42は上部ステアリングシャフト41とスプライン嵌合し、上部ステアリングシャフト41の回転が下部ステアリングシャフト42に伝達される。
下部ステアリングシャフト42の前端は、ユニバーサルジョイント104を介して中間シャフト105に連結され、中間シャフト105の回転がステアリングギヤ107に伝達されて、車輪の操舵角を変えることができる(図1参照)。
図3に示すように、アッパー側車体取付けブラケット3は、上下方向に延在する左右の側板32A、32Bと、側板32A、32Bの上部に形成され、アッパー側車体取付けブラケット3を車体5に取付けるための左右のフランジ部31A、31Bと、を有する。側板32A、32Bの内側面321A、321Bには、ディスタンスブラケット6がテレスコピック移動及びチルト移動可能に挟持されている。左右の側板32A、32Bは、フランジ部31A、31Bと一体に、或いは別体に形成される。
ディスタンスブラケット6は、左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bを有する。左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bは、アウターコラム1の中心軸線を通る垂直平面に対して対称な形状を有し、鉄製の矩形板材を折り曲げて形成されている。左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bは、各々の円弧状上部61A、61Bが、アウターコラム1の外周11に巻き付けられ、外周11に溶接によって固定されている。
左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bには、各々の下方に、側板32A、32Bに対して平行な平面部62A、62Bが形成されている。左右の側板32A、32Bの内側面321A、321Bに、平面部62A、62Bがテレスコピック移動及びチルト移動可能に挟持されている。平面部62A、62Bには、軸方向(図3の紙面に直交する方向)に長いテレスコ用長溝63A、63Bが形成されている。
側板32A、32Bに形成したチルト用長溝33A、33Bと、テレスコ用長溝63A、63Bに、丸棒状の締付けロッド34が、図3の右側から挿通されている。チルト用長溝33A、33Bは、チルト中心軸21を中心とする円弧状に形成されている。
左ディスタンスブラケット6Aの平面部62A、右ディスタンスブラケット6Bの平面部62Bには、平面部62A、62Bの前後方向の両側に、折り曲げ部64A、64Bが形成されている。折り曲げ部64A、64Bは、平面部62A、62Bから車幅方向の内側に向かって直角に折り曲げられている。また、平面部62A、62Bの下端には、平面部62A、62Bの前後方向の全長に渡って、折り曲げ部65A、65Bが形成されている。
折り曲げ部64A、64Bの車幅方向の内側面には、直線形状の左右の締付け部66A、66Bが形成されている。アウターコラム1には、後側の締付け部66A、66Bが挿通される左右の貫通孔15A、15Bだけが形成されている。前側の締付け部66A、66Bは、アウターコラム1の前端面17よりも前方に位置している。貫通孔15A、15Bは、アウターコラム1の軸方向に短く形成され、後側の締付け部66A、66Bの前後方向の厚さよりも若干大きく形成されている。
後側の締付け部66A、66Bがこの貫通孔15A、15Bに挿通され、後側の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。また、前側の締付け部66A、66Bは、貫通孔を経由せずに、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。締付け部66A、66Bの形状は、直線形状に限定されず、円弧状でもよい。
図4に示すように、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとの間の軸方向の長さL4は、テレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の長さL5よりも短い。
図3に示すように、締付けロッド34の右側には、頭部341が形成され、頭部341が側板32Bの外側面に当接している。頭部341の左側外径部には、チルト用長溝33Bの溝幅よりも若干幅の狭い矩形断面の回り止め部(図示せず)が形成されている。回り止め部はチルト用長溝33Bに嵌入して、締付けロッド34をアッパー側車体取付けブラケット3に対して回り止めすると共に、チルト位置調整時に、チルト用長溝33Bに沿って、締付けロッド34を摺動させる。
締付けロッド34の左端外周には、固定カム343、可動カム344、スラスト軸受345、調整ナット346がこの順で外嵌され、調整ナット346の内径部に形成された雌ねじ348が、締付けロッド34の左端に形成された雄ねじ347にねじ込まれている。可動カム344の左端面には操作レバー349が固定され、この操作レバー349によって一体的に操作される可動カム344と固定カム343によって、カムロック機構が構成されている。固定カム343はチルト用長溝33Aに係合して、アッパー側車体取付けブラケット3に対して非回転であり、チルト位置調整時に、チルト用長溝33Aに沿って固定カム343を摺動させる。
チルト・テレスコピック締付け時に、操作レバー349が回動されると、固定カム343の山に可動カム344の山が乗り上げて、固定カム343を図3の右側に押すと同時に、締付けロッド34を左側に引くことによって、側板32A、32Bを締付ける。側板32A、32Bの内側面321A、321Bが、ディスタンスブラケット6の平面部62A、62Bを締付ける。平面部62A、62Bは、車幅方向内側に弾性変形し、折り曲げ部64A、64Bの締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を左右両側から締め付ける。
チルト・テレスコピック解除時には、操作レバー349を逆方向に回動し、固定カム343の山に可動カム344の谷が入り込み、固定カム343を右側に押す力を解除する。同時に、締付けロッド34を左側に引く力を解除することによって、側板32A、32Bを離間させ、平面部62A、62Bの弾性変形を解除して、締付け部66A、66Bの締め付けを解除する。これによって、アウターコラム1及びディスタンスブラケット6を、所望のチルト位置及びテレスコピック位置で、アッパー側車体取付けブラケット3にクランプまたはアンクランプすることができる。
ディスタンスブラケット6及びインナーコラム2をアッパー側車体取付けブラケット3に対してアンクランプした後、ステアリングホイール103を握ってアウターコラム1をインナーコラム2に対して軸方向に摺動し、所望のテレスコピック位置に調整する。この時、ディスタンスブラケット6は、締付けロッド34に案内されて、アウターコラム1とともに軸方向に摺動する。
また、ステアリングホイール103を握って、ディスタンスブラケット6、アウターコラム1を、チルト中心軸21を中心として所望のチルト位置に調整する。その後、ディスタンスブラケット6及びインナーコラム2をアッパー側車体取付けブラケット3に対してクランプする。
実施例1によれば、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとの間の軸方向の長さL4は、テレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の長さL5よりも短い。また、貫通孔15A、15Bが軸方向において1箇所だけに形成されている。従って、アウターコラムの軸方向長さを短くすることができ、衝突時のアウターコラム1のコラプスストロークを長くすることができる。また、貫通孔15A、15Bがアウターコラム1の軸方向に短く形成されているため、貫通孔の開口面積が小さく抑えられて、アウターコラム1の剛性が大きく、ステアリング装置の操舵感を向上させることができる。
また、ディスタンスブラケット6の左右の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を左右両側から直接締め付ける。従って、締付け力の左右のバランスが良く、ステアリングホイール103のテレスコピック位置によって、アウターコラム1がインナーコラム2を締付ける締付け力が変動しない。
次に、図9を参照して本発明の実施例2を説明する。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分について説明し、重複する説明は省略する。
実施例1では、ディスタンスブラケット6の左右の締付け部を別部品で形成しているが、実施例2は、ディスタンスブラケット6を一体的に形成した例である。すなわち、図9に示すように、実施例2のディスタンスブラケット6は、アウターコラム1の中心軸線を通る垂直平面に対して対称な形状を有し、鉄製の矩形板材を逆U字形に折り曲げて一体的に形成されている。ディスタンスブラケット6の円弧状上部61は、アウターコラム1の外周11に巻き付けられ、外周11に溶接によって固定されている。ディスタンスブラケット6の円弧状部61を、アウターコラム1の外周11にカシメ、ボルト、ピン、又はリベット等によって固定してもよい。
ディスタンスブラケット6には、その下方両端に、側板32A、32Bに対して平行な平面部62A、62Bが形成され、左右の側板32A、32Bの内側面321A、321Bに、平面部62A、62Bがテレスコ移動及びチルト移動可能に挟持されている。平面部62A、62Bには、軸方向に長いテレスコ用長溝63A、63Bが形成されている。
ディスタンスブラケット6の平面部62A、62Bには、平面部62A、62Bの前後方向の両側に、折り曲げ部64A、64Bが形成されている。また、平面部62A、62Bの下側には、平面部62A、62Bの前後方向の全長に渡って、折り曲げ部65A、65Bが形成されている。折り曲げ部64A、64Bの車幅方向の内側面には、直線形状の締付け部66A、66Bが形成されている。
アウターコラム1には、後側の締付け部66A、66Bが挿通される貫通孔15A、15Bだけが形成されている。前側の締付け部66A、66Bは、アウターコラム1の前端面17よりも前方に位置している。貫通孔15A、15Bは、アウターコラム1の軸方向に短く形成され、後側の締付け部66A、66Bの前後方向の厚さよりも若干大きくに形成されている。
後側の締付け部66A、66Bがこの貫通孔15A、15Bに挿通され、後側の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。また、前側の締付け部66A、66Bは、貫通孔を経由せずに、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。
実施例2では実施例1と同様に、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとの間の軸方向の長さL4は、テレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の長さL5よりも短い。
実施例2によれば、ディスタンスブラケット6が一体で成形され、ディスタンスブラケット6の一端がアウターコラム1の外周に固定され、他端にインナーコラム2の外周を締め付ける締付け部66A、66Bが形成されているため、ディスタンスブラケット6の構造が簡単で、製造コストを削減することができる。
次に、図10と図11を参照して本発明の実施例3を説明する。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分について説明し、重複する説明は省略する。
実施例3は、締付け部66A、66Bの軸方向の位置とテレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の位置をずらして形成した例である。すなわち、図10と図11に示すように、実施例3のディスタンスブラケット6は、実施例1と同様に、左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bを有する。左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bの各々の円弧状上部61A、61Bは、アウターコラム1の外周11に巻き付けられ、外周11に溶接によって固定されている。左ディスタンスブラケット6Aの平面部62Aと右ディスタンスブラケット6Bの平面部62Bには、直線形状の締付け部66A、66Bが形成されている。
平面部62A、62Bには、軸方向に長いテレスコ用長溝63A、63Bが形成されている。アウターコラム1には、後側の締付け部66A、66Bが挿通される貫通孔15A、15Bだけが形成されている。前側の締付け部66A、66Bは、アウターコラム1の前端面17よりも前方に位置している。
後側の締付け部66A、66Bがこの貫通孔15A、15Bに挿通され、後方側の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。また、前側の締付け部66A、66Bは、貫通孔を経由せずに、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。
図11に示すように、実施例3では実施例1と同様に、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとの間の軸方向の長さL4は、テレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の長さL5よりも短い。さらに、軸方向の長さL4の中心位置C1よりも軸方向の長さL5の中心位置C2が、軸方向前方にずれて形成されている。
実施例3によれば、テレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の位置が締付け部66A、66Bの軸方向の位置よりも前方にずれて形成されているため、軸方向のずれ量だけ、アウターコラム1に対するインナーコラム2の嵌合長さが長くなり、ステアリング装置の剛性が大きくなる。
次に、図12を参照して本発明の実施例4を説明する。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分について説明し、重複する説明は省略する。
実施例4は、アウターコラム1の前端部を車体に取り付けて、インナーコラム2をアウターコラム1の後方に配置した例である。すなわち、図12に示すように、アウターコラム1の前端部(図12の左側)は、ロアー側車体取付けブラケット51によって車体5に取付けられている。チルト中心軸111は、アウターコラム1の前端部に固定され、ロアー側車体取付けブラケット51にチルト可能に軸支されている。また、アウターコラム1の項端部(図12の右側)は、アッパー側車体取付けブラケット(車体取付けブラケット)によって車体に取付けられている。
中空円筒状のアウターコラム1内には、下部ステアリングシャフトが回動可能に軸支され、下部ステアリングシャフトの左端は、図1のユニバーサルジョイント104を介して中間シャフト105に連結され、中間シャフト105の下端がステアリングギヤ107に伝達されて、車輪の操舵角を変えることができる。
アウターコラム1の車体後方側(図12の右側)には、インナーコラム2が軸方向に摺動可能に嵌合している。インナーコラム2には、上部ステアリングシャフトが回転可能に軸支され、上部ステアリングシャフトは下部ステアリングシャフトとスプライン嵌合し、上部ステアリングシャフトの回転が下部ステアリングシャフトに伝達される。上部ステアリングシャフトの後端部に、ステアリングホイール103が取付けられている。
アッパー側車体取付けブラケットの左右の側板の内側面には、ディスタンスブラケット6がチルト移動のみ可能に挟持されている。実施例4のディスタンスブラケット6は、実施例1と同様に、左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bを有する。左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bの各々の円弧状上部61A、61Bは、アウターコラム1の外周11に巻き付けられ、外周11に溶接によって固定されている。左ディスタンスブラケット6Aの平面部62Aと右ディスタンスブラケット6Bの平面部62Bには、直線形状の締付け部66A、66Bが形成されている。
アウターコラム1には、前側の締付け部66A、66Bが挿通される貫通孔16A、16Bだけが形成されている。後側の締付け部66A、66Bは、アウターコラム1の後端面18よりも後方に位置している。前側の締付け部66A、66Bは、貫通孔16A、16Bに挿通され、前側の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。また、後側の締付け部66A、66Bは、貫通孔を経由せずに、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。
平面部62A、62Bには、図12の紙面に直交する方向に丸孔67A、67Bが形成され、アッパー側車体取付けブラケットの左右の側板に形成したチルト用長溝と丸孔67A、67Bに、丸棒状の締付けロッドが、図12の紙面に直交する方向から挿通されている。実施例4では、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとの間の軸方向の長さL4は、平面部62A、62Bの軸方向の長さ(丸孔67A、67Bが形成されている上下方向位置における平面部62A、62Bの軸方向の長さ)L5よりも短い。
チルト・テレスコピック締付け時に、操作レバーが回動されると、左右の側板を締付け、ディスタンスブラケット6を締付け、ディスタンスブラケット6の左右の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を締付ける。
チルト・テレスコピック解除時には、操作レバーを逆方向に回動し、ディスタンスブラケット6の締付けを解除する。これによって、ディスタンスブラケット6、インナーコラム2を、所望のチルト位置及びテレスコピック位置で、アッパー側車体取付けブラケット3にクランプまたはアンクランプすることができる。
ディスタンスブラケット6をアッパー側車体取付けブラケットに対してアンクランプした後、ステアリングホイール103を握ってインナーコラム2をアウターコラム1に対して軸方向に摺動し、所望のテレスコピック位置に調整する。この時、ディスタンスブラケット6は、アウターコラム1とともに固定した位置に保持される。
また、ステアリングホイール103を握って、インナーコラム2、アウターコラム1、ディスタンスブラケット6を、チルト中心軸111を中心として所望のチルト位置に調整する。その後、ディスタンスブラケット6を、アッパー側車体取付けブラケットにクランプする。
実施例4によれば、テレスコ用長溝63A、63Bがディスタンスブラケット6に形成されていないため、ディスタンスブラケット6の構造が簡単で剛性が大きくなり、製造コストを削減することができる。
次に、図13を参照して本発明の実施例5を説明する。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分について説明し、重複する説明は省略する。
実施例5は、アウターコラム1の上側に、締付けロッド34及びディスタンスブラケット6の締付け部を配置した例である。すなわち、図13に示すように、実施例5のディスタンスブラケット6は、実施例1と同様に、左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bを有する。左ディスタンスブラケット6Aと右ディスタンスブラケット6Bの各々の円弧状下部61A、61Bは、アウターコラム1の外周11に巻き付けられ、外周11に溶接によって固定されている。
ディスタンスブラケット6の上方両端には、側板32A、32Bに対して平行な平面部62A、62Bが形成されている。左右の側板32A、32Bの内側面321A、321Bに、平面部62A、62Bがテレスコピック移動及びチルト移動可能に挟持されている。平面部62A、62Bには、軸方向(図13の紙面に直交する方向)に長いテレスコ用長溝63A、63Bが形成されている。側板32A、32Bに形成したチルト用長溝33A、33Bと、テレスコ用長溝63A、63Bに、丸棒状の締付けロッド34が、図13の右側から挿通され、アウターコラム1の上側に締付けロッド34が配置される。
平面部62A、62Bには、平面部62A、62Bの前後方向の両側に、折り曲げ部64A、64Bが形成されている。折り曲げ部64A、64Bは、平面部62A、62Bから車幅方向の内側に向かって直角に折り曲げられている。折り曲げ部64A、64Bには、車幅方向の内側面には、直線形状の締付け部66A、66Bが形成されている。
アウターコラム1には、実施例1と同様に、後側の締付け部66A、66Bが挿通される貫通孔15A、15Bだけが形成されている。前側の締付け部66A、66Bは、アウターコラム1の前端面よりも前方に位置している。
後側の締付け部66A、66Bは、貫通孔15A、15Bに挿通され、後側の締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。また、前側の締付け部66A、66Bは、貫通孔を経由せずに、インナーコラム2の外周22を直接締付けている。
締付けロッド34の右側には、頭部341が形成され、頭部341が側板32Bの外側面に当接している。締付けロッド34の左端外周には、固定カム343、可動カム344、スラスト軸受345、調整ナット346がこの順で外嵌され、調整ナット346の内径部に形成された雌ねじ348が、締付けロッド34の左端に形成された雄ねじ347にねじ込まれている。
可動カム344の左端面には操作レバー349が固定され、この操作レバー349によって一体的に操作される可動カム344と固定カム343によって、カムロック機構が構成されている。固定カム343はチルト用長溝33Aに係合して、アッパー側車体取付けブラケット3に対して非回転であり、チルト位置調整時に、チルト用長溝33Aに沿って固定カム343を摺動させる。
チルト・テレスコピック締付け時に、操作レバー349が回動されると、固定カム343の山に可動カム344の山が乗り上げて、固定カム343を図13の右側に押すと同時に、締付けロッド34を左側に引くことによって、側板32A、32Bを締付ける。側板32A、32Bの内側面321A、321Bが、ディスタンスブラケット6の平面部62A、62Bを締付ける。平面部62A、62Bは、車幅方向内側に弾性変形し、折り曲げ部64A、64Bの締付け部66A、66Bが、インナーコラム2の外周22の上側を左右両側から締め付ける。
これによって、アウターコラム1及びディスタンスブラケット6を、所望のチルト位置及びテレスコピック位置で、アッパー側車体取付けブラケット3にクランプまたはアンクランプすることができる。図示はしないが、実施例5では実施例1と同様に、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとの間の軸方向の長さは、テレスコ用長溝63A、63Bの軸方向の長さよりも短い。
上記実施例では、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66B、即ち二対の締付け部66A、66Bでインターコラム2を締め付けているが、三対以上の締付け部66A、66Bがディスタンスブラケット6に形成されていてもよい。例えば、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bの間に中間の締付け部66A、66Bを設け、中間の締付け部66A、66Bに対応するアウターコラム1の部分に貫通孔15A、15Bを追加的に形成してもよい。この場合、中間の締付け部66A、66Bは、対応する貫通孔15A、15Bに挿通され、前側の締付け部66A、66Bと後側の締付け部66A、66Bとともに、インナーコラム2の外周22を直接締付ける。この構成によれば、締付け力が更に向上する。また、上記実施例では、ディスタンスブラケットとアウターコラムを溶接によって固定しているが、ボルト止めやピン止め、またはカシメによって固定してもよい。また、上記実施例では、アウターコラム及びインナーコラムは円筒形に形成されているが、非円筒形でもよく、インナーコラムの外周形状に応じて、締付け部の形状を変更すればよい。
上記実施例では、チルト位置調整とテレスコピック位置調整の両方が可能なチルト・テレスコピック式のステアリング装置に本発明を適用した場合について説明したが、テレスコピック位置調整だけが可能なステアリング装置に本発明を適用してもよい。
本発明は、2011年12月20日出願の日本特許出願2011−277916号に基づき、その内容は参照としてここに取り込まれる。
本発明は、軸方向に相対的に摺動可能に嵌合したアウターコラムとインナーコラムを有するステアリング装置に適用可能である。
101 ステアリング装置
1 アウターコラム
11 外周
15A、15B 貫通孔
16A、16B 貫通孔
17 前端面
18 後端面
2 インナーコラム
22 外周
3 アッパー側車体取付けブラケット(車体取付けブラケット)
32A、32B 側板
33A、33B チルト用長溝
34 締付けロッド
5 車体
6 ディスタンスブラケット
6A 左ディスタンスブラケット
6B 右ディスタンスブラケット
61 円弧状部
61A、61B 円弧状部
63A、63B テレスコ用長溝
66A、66B 締付け部
1 アウターコラム
11 外周
15A、15B 貫通孔
16A、16B 貫通孔
17 前端面
18 後端面
2 インナーコラム
22 外周
3 アッパー側車体取付けブラケット(車体取付けブラケット)
32A、32B 側板
33A、33B チルト用長溝
34 締付けロッド
5 車体
6 ディスタンスブラケット
6A 左ディスタンスブラケット
6B 右ディスタンスブラケット
61 円弧状部
61A、61B 円弧状部
63A、63B テレスコ用長溝
66A、66B 締付け部
Claims (7)
- インナーコラムと、
前記インナーコラムとの相対的なテレスコピック位置を軸方向に調整可能に前記インナーコラムに外嵌された中空のアウターコラムと、
左右の側板を有し、車体に取付け可能に構成された車体取付けブラケットと、
前記アウターコラムの外周に固定され、前記車体取付けブラケットの左右の側板に摺動可能に挟持されたディスタンスブラケットと、
前記車体取付けブラケットの左右の側板を前記ディスタンスブラケットに締め付けるように構成された締付けロッドと、を備え、
前記ディスタンスブラケットには、前記締付けロッドが挿通され、軸方向に延びるテレスコ用長溝が形成され、
前記ディスタンスブラケットは、前記インナーコラムの外周を締め付ける前側の左右一対の締付け部と後側の左右一対の締付け部と、を備え、前記前側の左右一対の締付け部は、軸方向において、前記後側の左右一対の締付け部の前方に設けられており、
前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部との間の軸方向の長さは、前記テレスコ用長溝の軸方向の長さよりも短く、
前記アウターコラムには、前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の一方が挿通される左右一対の貫通孔が形成され、
前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部は、前記車体取付けブラケットの左右の側板が前記締付けロッドによって締付けられたときに、前記インナーコラムの外周を、前後左右の4箇所の位置で直接締付けて、前記インナーコラムが前記アウターコラムに対して軸方向に相対的に移動不能に前記インナーコラムをクランプする、ステアリング装置。 - 前記アウターコラムの軸方向の端面は、軸方向において、前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の間に配置され、
前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の他方は、前記貫通孔を経由せずに前記インナーコラムの外周を直接締付ける、請求項1に記載のステアリング装置。 - 前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部の間の軸方向の中心位置と前記テレスコ用長溝の軸方向の中心位置は、軸方向にずれている、請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記ディスタンスブラケットは、一体的にU字形または逆U字形に形成されて、前記アウターコラムの外周に巻き付けられている、請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記ディスタンスブラケットは、左の締付け部を有する左ディスタンスブラケットと、右の締付け部を有する右ディスタンスブラケットと、を備え、前記左ディスタンスブラケットと右ディスタンスブラケットとが別部品で形成され、前記左ディスタンスブラケットと右ディスタンスブラケットの各々の一端が前記アウターコラムの外周に固定されている、請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記前側の左右一対の締付け部と前記後側の左右一対の締付け部は、前記インナーコラムの外周の下側または上側を締付ける、請求項2に記載のステアリング装置。
- 前記インナーコラムとアウターコラムの一方の前端部が車体に固定されている、請求項2に記載のステアリング装置。
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