以下に、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態
図1は、本実施の形態にかかる手乾燥装置1の斜視図である。図2は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置1の側断面図である。図1に示すように、手乾燥装置1は、上面を開放した凹状空間として構成された手乾燥部3が形成された筐体2内に送風部6が組み込まれている。そして、送風部6が生成した高圧空気は、手乾燥用ノズル3a,3bに供給され、手乾燥用ノズル3a,3bから噴出する作動気流としての高速気流により、手乾燥部3内に挿入された手の水分が吹き飛ばされる構造となっている。なお、図2中の矢印は空気の流れを示している。
図2に示すように、手乾燥装置1は、手乾燥装置1の外郭をなす筐体2の上部に開口部2cが設けられている。そして、筐体2の上部であり開口部2cの下方には、開口部2cから挿入されたユーザの手を覆う空間である手乾燥部3が設けられている。手乾燥部3は、ユーザが手乾燥装置1により手の乾燥処理を行う際に手を配置可能な乾燥処理空間である。手乾燥部3は、側面視において断面U字状をなしており、手乾燥部3における上部から下部に向かうに従って、正面側から背面側に向けて若干傾斜している。
手乾燥部3は、正面側、すなわちユーザに近い側の張り出し部である前方突出部2aと、背面側、すなわちユーザから遠い側の張り出し部である後方突出部2bとの間の空間である。前方突出部2aと後方突出部2bとは、手乾燥部3の最下部に設けられた水受け部4に繋がっている。このように、手乾燥部3は、側面視において、上部が開口した有底の断面U字状をなしている。そして、図1に示すように、手乾燥部3の幅方向における両側面は、開放されている。これにより、手乾燥部3は、上方向または左右方向からユーザの手を自由に挿抜可能である。
水受け部4の一部には、水受け部4の水を排水する不図示の排水口が設けられている。排水口には、筐体2内において上下方向に延びる不図示の排水路の上端部が取り付けられている。排水路の下端部には、本体底部に配置されたドレンタンク5が接続されている。ドレンタンク5は、排水路を通って排水された水を溜めるものであり、筐体2の底部に着脱自在に取り付けられている。排水口は、水が流下するように勾配が付けられており、水受け部4に付着した水は排水路を流れて、ドレンタンク5へ貯められる。
また、前方突出部2aの内壁、後方突出部2bの内壁および水受け部4の表面は、抗菌剤が含浸された樹脂で形成されている。さらに、前方突出部2aの内壁、後方突出部2bの内壁および水受け部4の表面には、シリコン系もしくはフッ素系などの撥水性コーティング、または酸化チタンなどの親水性コーティングが施されている。このため、前方突出部2aの内壁、後方突出部2bの内壁および水受け部4の表面に汚れが付着することを抑制するとともに、雑菌の繁殖を低減できる。
筐体2の内部において、手乾燥部3の下方には、図2に示すように、高圧空気を生成する送風部6が設置されている。送風部6は、吸気側を背面、排気側を前面として配設されている。
送風部6の吸気側は、筐体2の内部において背面側に画成されて上下方向に連なる内部空気通路であるダクト7の上方に連絡している。ダクト7の下端は、吸気口8として下方に開口している。また、吸気口8には、エアフィルタ9が配置されている。これにより、エアフィルタ9を通してダクト7に外気を取り入れることができる。
送風部6の排気側は、筐体2の内部において上下方向に連なり前面側と背面側に分岐されて画成された前面排気ダクト10aおよび背面排気ダクト10bの下方に連絡している。送風部6で高圧化された高圧空気は、送風部6と接続して設けられた前面排気ダクト10aおよび背面排気ダクト10bに排出される。前面排気ダクト10aおよび背面排気ダクト10bには、前面側と背面側に分岐する手前の位置にヒータを組み込み、通過する高圧空気を昇温させる構成としてもよい。
前面排気ダクト10a、背面排気ダクト10bの上部には吹き出し口として手乾燥用ノズル3aおよび手乾燥用ノズル3bが設けられている。すなわち、手乾燥部3において、前方突出部2aの内壁における開口部2cの近傍には、空気を噴出する手乾燥用ノズル3aが設けられ、後方突出部2bの内壁における開口部2cの近傍には、空気を噴出する手乾燥用ノズル3bが設けられている。手乾燥用ノズル3aと手乾燥用ノズル3bとは、互いに対向している。手乾燥用ノズル3aおよび手乾燥用ノズル3bは、斜め下向きにやや波状に開口した複数の小孔である。各小孔は、水平方向、すなわち正面視において手乾燥装置1の幅方向に一列に配設されている。
手乾燥用ノズル3aおよび手乾燥用ノズル3bは、送風部6により生成された高圧空気を高速気流に変換し、該高速気流を吹き出し口から手乾燥部3に向かって作動気流として噴射する。作動気流は、手乾燥用ノズル3a,3bから手乾燥部3の対面方向に水平方向よりやや下向きに傾斜した角度で噴射され、ユーザが手乾燥部3に挿入した手首、手のひら、または手の甲に付着した水を手乾燥部3の下方に吹き飛ばす。
後方突出部2bにおける手乾燥用ノズル3bよりも下部には、手検知センサ11が内蔵されている。ユーザが開口部2cから手乾燥部3の中へ濡れた手を奥側に向かって進入させていくと、手検知センサ11は、挿入された手を検知して、手乾燥部3にユーザの手が挿入されたことを検知する。手検知センサ11は、手乾燥部3にユーザの手が挿入されたことを検知すると、ユーザの手を検知した旨の手検知信号を後述する手検知判定部22に出力する。
手検知センサ11は、たとえば赤外線方式測距センサが使用される。手検知センサ11は、発光素子が発光した光を受光素子で受光した際の光の角度で、手乾燥部3内における手の有無を検知している。なお、手検知センサ11は、手乾燥部3内における手の有無を検知できるセンサであればよく、赤外線方式測距センサに限定されるものではない。
また、筐体2の下方には、手検知センサ11の手の検知に応じて送風部6の運転を制御する制御部12が組み込まれている。制御部12は、手検知センサ11から出力された信号に基づいて、送風部6の運転を制御して、手乾燥用ノズル3a,3bから、手乾燥部3内に噴出させる。制御部12は、図3に示すように、センサ制御部21と、手検知判定部22と、運転制御部23と、基本動作制御部24と、を備える。図3は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置1の主要部分の機能構成図である。
センサ制御部21は、手検知センサ11の間欠駆動を制御する。手検知判定部22は、手検知センサ11の検知結果に基づいて、手乾燥部3における手の有無の手検知判定を行う。運転制御部23は、手検知判定部22から出力される、送風部6の停止を指示する停止指示情報、または送風部6の運転を指示する運転指示信号に従って送風部6の駆動を制御する。基本動作制御部24は、制御部12内の各制御部および手乾燥装置1の各部の動作の全体を制御する。なお、制御部12内の各制御部は、互いに情報通信可能とされている。
センサ制御部21は、例えば、図4に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図4は、処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。センサ制御部21を構成する各構成要素は、例えば、図4に示すプロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、センサ制御部21の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ101およびメモリ102を用いて実現するようにしてもよい。また、運転制御部23および基本動作制御部24のうちの1つ以上を、同様にプロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを実行することにより、実現されるように構成してもよい。また、運転制御部23および基本動作制御部24のうちの1つ以上を実現するためのプロセッサおよびメモリは、センサ制御部21を実現するプロセッサおよびメモリと同一であってもよいし、別のプロセッサおよびメモリであってもよい。
つぎに、制御部12による手検知センサ11の間欠駆動の制御について説明する。手検知センサ11は、センサ制御部21から出力される、手検知センサ11の駆動を指示するセンサ駆動指示信号または手検知センサ11の停止を指示するセンサ停止指示信号により、駆動または停止が制御される。手検知センサ11は、手乾燥部3においてユーザの手が挿入されたことを検知したか否かの検知結果である手検知信号を手検知判定部22に出力する。手検知センサ11は、手検知信号として、ハイレベル信号またはローレベル信号を出力する。手検知センサ11は、手を検知している時はハイレベル信号を、手を検知していない時はローレベル信号を出力する。
手検知判定部22は、手検知センサ11から出力された手検知信号を処理して手検知判定を行うことにより、手乾燥部3内における手の有無を判定する。手検知判定部22は、手検知信号がハイレベル信号である場合には、「手乾燥部3内に手が有る」と判定する。制御部12は、手検知信号がローレベル信号である場合には、「手乾燥部3内に手が無い」と判定する。以下、「手乾燥部3内に手が有る」ことを「手有」と記す場合がある。また、「手乾燥部3内に手が無い」ことを「手無」と記す場合がある。
図5は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置1における、「駆動サイクルA」による手検知センサ11の間欠駆動と手検知判定とのタイミングを示すタイミングチャートである。図6は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置1における、「駆動サイクルA」による手検知センサ11の間欠駆動の手順を示すフローチャートである。図7は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置1における、「駆動サイクルB」による手検知センサ11の間欠駆動と手検知判定とのタイミングを示すタイミングチャートである。図8は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置1における、「駆動サイクルB」による手検知センサ11の間欠駆動の手順を示すフローチャートである。
図5および図7においては、横軸が時間を示している。また、図5および図7のタイミングチャートにおいて、「ON」は、手検知センサ11の発光素子が発光している状態、「OFF」は、手検知センサ11の発光素子が非発光の状態を示している。手検知センサ11の駆動時間は、手検知センサ11の発光素子が発光駆動している時間である。手検知判定タイミングは、手検知センサ11の既定の1駆動サイクルにおいて、手検知センサ11から出力された手検知信号に基づいて、手検知判定部22が「手有」または「手無」を判定するタイミングである。なお、手検知センサ11の駆動サイクルの周期は、100msとする。また、手検知センサ11の既定の駆動時間は、20msとする。また、図5および図7における「手検知判定タイミング」の欄における実線の縦線は、手検知判定が行われるタイミングを示している。
まず、図5に示す「駆動サイクルA」による手検知センサ11の間欠駆動の制御例について、図6のフローチャートを参照して説明する。センサ制御部21は、手検知センサ11の駆動サイクルの初めに、ステップS1において、手検知センサ11の駆動を指示する旨のセンサ駆動指示信号を手検知センサ11に出力する。
手検知センサ11は、ステップS2において、センサ駆動指示信号に従って駆動を開始する。そして、手検知センサ11は、手検知信号として、ハイレベル信号またはローレベル信号を手検知判定部22に出力する。
手検知判定部22は、手検知センサ11の既定の駆動時間である20msの経過時、すなわち手検知センサ11の駆動開始後20ms経過時に、ステップS3において、第1の駆動サイクルである区間(1)の「1回目の手検知判定」を行う。すなわち、手検知判定部22は、手検知センサ11から出力されたハイレベル信号またはローレベル信号に基づいて、「手有」または「手無」を判定する。
そして、手検知判定部22は、ステップS4において、区間(1)の「1回目の手検知判定」の判定結果と、区間(1)の1つ前の駆動サイクルにおける手検知判定結果とを比較して「手挿抜判定」を実施し、「手が挿抜された」か否かを判定する。区間(1)の「1回目の手検知判定」の判定結果が区間(1)の1つ前の駆動サイクルにおける手検知判定結果と同じ判定結果である場合は、手検知判定部22は、ステップS5において、「手が挿抜された」と判定しない旨の判定一致信号をセンサ制御部21に出力する。「駆動サイクルA」は、「手が挿抜された」と判定しない場合の制御例であるので、手検知判定部22は、「手が挿抜された」と判定しない旨の判定一致信号をセンサ制御部21に出力する。
区間(1)の「1回目の手検知判定」において、手検知判定部22による判定結果が、区間(1)の1つ前の駆動サイクルにおける手検知判定結果と同じ判定結果である場合は、「送風部6の停止中に手が挿入された」、または、「送風部6の運転中に手が抜去された」、と判定しない場合である。
「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定しない場合は、1つ前のサイクルでは、送風部6が停止中であり、手検知判定部22による判定結果が「手無」であり、区間(1)では、送風部6が停止中であり、手検知判定部22による判定結果が「手無」である。また、「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定しない場合は、1つ前のサイクルでは、送風部6が運転中であり、手検知判定部22による判定結果が「手有」であり、区間(1)では、送風部6が運転中であり、手検知判定部22による判定結果が「手有」である。
なお、手検知判定部22は、前のサイクルにおける手検知判定結果と送風部6の運転状態とを、手検知判定部22の内部の記憶部または制御部12内の他の記憶部に記憶している。
ここで、区間(1)における手検知判定結果は、以下のように設定される。手検知判定部22は、1つの駆動サイクル内における「1回目の手検知判定」を処理し、1つの駆動サイクル内の最終的な「手検知判定結果」を下記のように定める。「1回目の手検知判定」が「手有」の場合の最終的な「手検知判定結果」は、「手有」である。「1回目の手検知判定」が「手無」の場合の最終的な「手検知判定結果」は、「手無」である。このような判定基準は、手検知判定部22の内部の記憶部または制御部12内の他の記憶部にあらかじめ記憶している。
センサ制御部21は、ステップS6において、判定一致信号に基づいてセンサ停止指示信号を手検知センサ11に出力し、既定の1周期である100msの内、残りの80msの時間は手検知センサ11の駆動を停止させる制御を行う。手検知センサ11は、ステップS7において、センサ停止指示信号に従って停止する。これにより、手検知センサ11は、既定の1周期である100msの内、最初の20msの時間だけ駆動する。
上記のような、連続して前後する2つの駆動サイクルにおいて、前回の駆動サイクルの手検知判定結果と、今回の駆動サイクルの最初の手検知判定結果と、が同じ判定結果である場合の、手検知センサ11の駆動方法を「駆動サイクルA」と称する。センサ制御部21は、基本的に「駆動サイクルA」により手検知センサ11を間欠駆動する。
そして、区間(2)以降も、連続して前後する2つの駆動サイクルにおいて、前回の駆動サイクルの手検知判定結果と、今回の駆動サイクルの最初の手検知判定結果と、が同じ判定結果である場合は、手検知判定部22およびセンサ制御部21は、「駆動サイクルA」で手検知センサ11を間欠駆動する。
上記のように「駆動サイクルA」で手検知センサ11を間欠駆動した場合は、手検知センサ11を連続して駆動させる場合に比べて、手検知センサ11の消費電力を20/100に低減することができる。これにより、手乾燥装置1では、手検知センサ11の消費電力および手乾燥装置1全体の消費電力を低減することができる。
ここで、本実施の形態における赤外線方式測距センサは、手検知センサ11が駆動して発光素子の発光が開始してから発光素子の発光量が安定するまでに15msを要し、手検知判定部22が手検知センサ11の手検知信号に基づいた手検知判定を行うために5msの時間を要するものとする。このため、上記の説明においては、手検知センサ11が駆動してから手検知判定部22が手検知判定を行うまでの時間を最短の20msとした。
つぎに、図7に示す「駆動サイクルB」による手検知センサ11の間欠駆動の制御例について、図8のフローチャートを参照して説明する。ここでは、区間(1)の「1回目の手検知判定」では、1つ前の駆動サイクルにおける最終的な「手検知判定結果」と同じ結果が判定された場合、すなわち、「送風部6の停止中に手が挿入された」、または、「送風部6の運転中に手が抜去された」、と判定していないものとする。
また、区間(2)の「1回目の手検知判定」では、1つ前の区間(1)の駆動サイクルにおける最終的な「手検知判定結果」と異なる結果が判定された場合、すなわち、「送風部6の停止中に手が挿入された」、または、「送風部6の運転中に手が抜去された」、と判定するものとする。
ここで、「駆動サイクルB」の場合は、区間(2)の「1回目の手検知判定」および「2回目の手検知判定」の結果により判定される、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」は、以下のように設定される。
「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定する場合は、区間(1)では、送風部6が停止中であり、手検知判定部22による判定結果が「手無」であり、区間(2)では、送風部6が停止中であり、手検知判定部22による判定結果が「手有」である。また、「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定する場合は、区間(1)では、送風部6が運転中であり、手検知判定部22による判定結果が「手有」であり、区間(2)では、送風部6が運転中であり、手検知判定部22による判定結果が「手無」である。
手検知センサ11は、区間(1)では上述した「駆動サイクルA」の制御により間欠駆動する。区間(2)では、センサ制御部21は、「駆動サイクルA」と同様に、ステップS11において、初めにセンサ駆動指示信号を手検知センサ11に出力する。手検知センサ11は、ステップS12において、センサ駆動指示信号に従って駆動を開始する。そして、手検知センサ11は、手検知信号として、ハイレベル信号またはローレベル信号を手検知判定部22に出力する。
手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動開始後20ms経過時に、ステップS13において、区間(2)の「1回目の手検知判定」を行う。すなわち、手検知判定部22は、手検知センサ11から出力されたハイレベル信号またはローレベル信号に基づいて、「手有」または「手無」を判定する。
そして、手検知判定部22は、ステップS14において、1つ前のサイクルである区間(1)の最終的な「手検知判定結果」と区間(2)の「1回目の手検知判定」の結果とを比較して「手挿抜判定」を実施し、「手が挿抜された」か否かを判定する。区間(2)の「1回目の手検知判定」の判定結果が、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」と異なる場合は、手検知判定部22は、「手が挿抜された」と判定し、ステップS15において、手検知センサ11の駆動時間の延長を指示する旨の延長指示信号をセンサ制御部21に出力する。ここでは、区間(2)の「1回目の手検知判定」では、1つ前の区間(1)の駆動サイクルにおける最終的な「手検知判定結果」と異なる結果が判定された制御例について説明するので、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動時間の延長を指示する旨の延長指示信号をセンサ制御部21に出力する。
区間(2)の「1回目の手検知判定」が、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」と異なる判定結果である場合は、「送風部6の停止中に手が挿入された」、または、「送風部6の運転中に手が抜去された」、と判定された場合である。
なお、手検知判定部22は、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」と送風部6の運転状態とを、手検知判定部22の内部の記憶部または制御部12内の他の記憶部に記憶している。
センサ制御部21は、延長指示信号に基づいて、手検知センサ11は既定の駆動延長時間である5msだけ手検知センサ11の駆動時間を延長する処理を行う。すなわち、センサ制御部21は、1駆動サイクルの周期である100msの内、手検知センサ11を駆動させるデューティー比を拡大させる。駆動延長時間は、手検知センサ11の駆動を延長する時間である。すなわち、センサ制御部21は、この時点ではセンサ停止指示信号を手検知センサ11に出力せず、手検知センサ11の駆動を停止させる制御を行わない。
そして、手検知判定部22は、駆動延長時間の経過時、すなわち手検知センサ11の駆動開始後25ms経過時に、ステップS16において、区間(2)の「2回目の手検知判定」を行う。また、センサ制御部21は、ステップS17において、センサ停止指示信号を手検知センサ11に出力し、1駆動サイクルの周期の100msの内、残りの75msの時間は手検知センサ11の駆動を停止させる制御を行う。手検知センサ11は、ステップS18において、センサ停止指示信号に従って停止する。これにより、手検知センサ11は、1駆動サイクルの1周期である100msの内、最初の25msの時間だけ駆動する。
上記のような、連続して前後する2つの駆動サイクルにおいて、前回の駆動サイクルの手検知判定結果と、今回の駆動サイクルの最初の手検知判定結果と、が異なる判定結果である場合の、区間(2)の手検知センサ11の駆動方法を「駆動サイクルB」と称する。
そして、「駆動サイクルB」の場合は、手検知判定部22は、ステップS19において、「1回目の手検知判定」および「2回目の手検知判定」を比較して最終的な手検知判定を行い、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」を判定する。このように、「駆動サイクルB」における「1回目の手検知判定」および「2回目の手検知判定」を比較して最終的な「手検知判定結果」を決定することにより、ノイズによる手検知結果の誤検知を抑制でき、ノイズに起因した送風部6の誤動作を抑制できる。これにより、手乾燥装置1では、手の検知制度および送風部6の運転の正確性を向上することができる。
手検知判定部22は、以下に示すような1つの駆動サイクル内の最終的な手検知判定の判定基準に基づいて区間(2)の最終的な「手検知判定結果」を判定する。最終的な手検知判定の判定基準は、手検知判定部22の内部の記憶部または制御部12内の他の記憶部にあらかじめ記憶している。
「1回目の手検知判定」が「手有」であり、「2回目の手検知判定」が「手有」の場合の最終的な「手検知判定結果」は、「手有」である。
「1回目の手検知判定」が「手無」であり、「2回目の手検知判定」が「手無」の場合の、最終的な「手検知判定結果」は、「手無」である。
「1回目の手検知判定」が「手有」であり、「2回目の手検知判定」が「手無」の場合の、最終的な「手検知判定結果」は、「手無」である。
「1回目の手検知判定」が「手無」であり、「2回目の手検知判定」が「手有」の場合の、最終的な「手検知判定結果」は、「手有」である。
センサ制御部21は、区間(2)の後は再度、基本サイクルである「駆動サイクルA」で手検知センサ11の駆動を制御するため、区間(2)の後は、基本的に手検知センサ11の駆動時間を延長する前の時間に戻す。すなわち、センサ制御部21は、基本的には「駆動サイクルA」で手検知センサ11の駆動を制御し、ある駆動サイクルの「1回目の手検知判定」の手検知判定結果が、1つ前のサイクルの最終的な「手検知判定結果」と異なる判定結果である場合に、該駆動サイクルにおいては「駆動サイクルB」で手検知センサ11の駆動を制御する。そして、その次の駆動サイクルでは、手検知センサ11の駆動時間を既定の駆動時間に戻す。これにより、その後の一定時間、手の検出が無い場合でも、手検知センサ11の駆動時間を長く設定することにより次回の手検知判定に必要な時間が長くなることが防止できる。
したがって、区間(2)の次の駆動サイクルの「1回目の手検知判定」において、送風部6の停止中に手が挿入された、または、送風部6の運転中に手が抜去された、と判定されない場合は、センサ制御部21は「駆動サイクルB」での手検知センサ11の駆動制御を継続する。
「駆動サイクルB」においては、手検知センサ11の駆動を開始してから「1回目の手検知判定」を行い、続けて同一の駆動サイクル内において「2回目の手検知判定」を行う。このため、「駆動サイクルB」における「2回目の手検知判定」の際には、手検知センサ11が駆動して発光素子が発光を開始してから発光量が安定するまでの15msの時間は必要なく、「1回目の手検知判定」の後に「2回目の手検知判定」を行う5msの時間のみが必要となる。
すなわち、「駆動サイクルB」で手検知センサ11を間欠駆動した場合の消費電力は、手検知センサ11を連続して駆動させる場合に比べて、「駆動サイクルA」で間欠駆動した場合の消費電力の2倍の40/100とはならず、25/100に抑制できる。
なお、手検知センサ11の既定の駆動時間、手検知判定部22が手検知判定を行うタイミング、駆動延長時間、手検知センサ11の駆動を延長する回数である駆動延長回数、手検知判定部22が手検知判定を行う手検知判定回数は、上記の例に限定されるものではなく、任意の値に設定可能である。
さらに、本実施の形態における手検知センサ11の駆動を延長する駆動延長タイミングは「1回目の手検知判定」の後としたが、駆動延長タイミングを「2回目の手検知判定」の後として、常時「1回目の手検知判定」と「2回目の手検知判定」とを行うようにしてもよい。
つぎに、手乾燥装置1の動作の一例について説明する。図9は、本発明の実施の形態にかかる制御部12による手乾燥装置1の運転制御の手順を示すフローチャートである。以下では、制御部12による制御の特徴である「駆動サイクルB」の説明を主体とし、ステップS40の駆動開始は、図7のタイミングチャートにおける区間(2)の「駆動サイクルB」の駆動開始時とする。
手乾燥装置1への電源投入後、手乾燥装置1は待機状態となる。すなわち、送風部6は停止し、手検知センサ11は待機状態となり、手検知センサ11の「手検知判定」は初期値の「手無」である。
つぎに、ステップS30において、制御部12により、上述した「駆動サイクルA」による手検知センサ11の駆動制御が繰り返し行われる。この駆動サイクルは、図7のタイミングチャートにおける区間(1)に対応し、以下でも区間(1)と呼ぶ。ここで、「駆動サイクルA」による手検知センサ11の制御において、手検知判定部22から出力された最終的な「手検知判定結果」が「手有」である場合は、運転制御部23は、該「手有」の「手検知判定結果」に基づいて、送風部6の運転を指示する運転指示信号を送風部6に出力する。送風部6は、運転指示信号に従って運転を開始する。
また、「駆動サイクルA」による手検知センサ11の制御において、手検知判定部22から出力された最終的な「手検知判定結果」が「手無」である場合は、運転制御部23は、該「手無」の「手検知判定結果」に基づいて、送風部6の停止を指示する停止指示信号を送風部6に出力する。送風部6は、運転指示信号に従って運転を停止する。ここでは、ステップS30の実施後の送風部6の運転状態は、運転状態または停止状態の何れの状態も有りうるものとする。
つぎに、ステップS40において新たな駆動サイクルが開始され、運転制御部23が、送風部6の運転状態を判定する。なお、ステップS30における「駆動サイクルA」による手検知センサ11の駆動制御においても、新たな駆動サイクルの初めに、運転制御部23が、送風部6の運転状態を判定する。この新たな駆動サイクルは、上述した「駆動サイクルB」であり、図7のタイミングチャートにおける区間(2)に対応し、以下でも区間(2)と呼ぶ。送風部6は、送風部6が運転している旨の送風部運転信号または送風部6が停止している旨の送風部停止信号を運転制御部23に常時出力している。運転制御部23は、送風部6から出力される、送風部運転信号または送風部停止信号により、送風部6の運転状態を判定し、手検知判定部22に出力する。
運転制御部23は、送風部6が出力している信号が送風部運転信号である場合には、送風部6が運転状態であると判定し、送風部6が運転している旨の送風部運転状態信号をセンサ制御部21および手検知判定部22に出力する。運転制御部23は、送風部6が出力している信号が送風部停止信号である場合には、送風部6が停止状態であると判定し、送風部6が停止している旨の送風部停止状態信号をセンサ制御部21および手検知判定部22に出力する。送風部6が停止状態の場合は、ステップS100へ進む。送風部6が運転状態の場合は、ステップS200へ進む。なお、ステップS100へ進む場合には、送風部6が停止状態のため、ステップS30の実施後の「手検知判定結果」は「手無」である。また、ステップS200へ進む場合には、送風部6が運転状態のため、ステップS30の実施後の「手検知判定結果」は「手有」である。
ステップS100において、センサ制御部21は、センサ駆動指示信号を手検知センサ11に出力する。手検知センサ11は、センサ駆動指示信号に従って駆動を開始する。
つぎに、ステップS110において、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動開始後、手検知センサ11の既定の駆動時間である20msが経過したか否かを、手検知判定部22の時計機能により判断する。手検知センサ11の駆動開始後から20msが経過していない場合、すなわちステップS110でNoの場合は、ステップS110に戻る。一方、手検知センサ11の駆動開始後から20msが経過した場合、すなわちステップS110でYesの場合は、ステップS120に進む。
つぎに、ステップS120において、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動開始後20ms経過時に、区間(2)の「1回目の手検知判定」を行い、「手有」または「手無」を判定する。
つぎに、ステップS130において、手検知判定部22は、「手挿抜判定」を実施して、「送風部6の停止中に手が挿入された」か否かを判定する。すなわち、手検知判定部22は、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」と区間(2)の「1回目の手検知判定結果」とが、異なる判定結果であるか否かを判定する。
「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定された場合、すなわちステップS130でYesであり、区間(2)の「1回目の手検知判定結果」が「手有」である場合には、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動時間の5msの延長を指示する旨の延長指示信号をセンサ制御部21に出力して、ステップS140に進む。センサ制御部21は、延長指示信号に基づいて、手検知センサ11は既定の駆動延長時間である5msだけ駆動時間を延長する処理を行う。ここで、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」が「手無」であり、区間(2)の「1回目の手検知判定結果」が「手有」である場合に、手検知判定部22は、「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定する。
一方、「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定されない場合、すなわちステップS130でNoである場合には、手検知判定部22は、センサ停止指示信号を手検知センサ11に出力して、ステップS50に進む。ここで、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」が「手無」であり、区間(2)の「1回目の手検知判定結果」が「手無」である場合には、手検知判定部22には、「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定しない。
なお、本実施の形態では「駆動サイクルB」における手検知判定の回数を最高で2回までとしたが、手検知判定の回数は2回に限定されるものではなく、3回、4回・・・と増やすことも可能である。この際、手検知判定の回数が3回以上の複数回の場合は、手検知判定結果の多数決判定で1つの駆動サイクルの最終的な「手検知判定結果」を決定してもよい。図10は、本発明の実施の形態にかかる手乾燥装置1において、1つの駆動サイクルの最終的な「手検知判定結果」を手検知判定結果の多数決判定で決定する場合の、「駆動サイクルB」による手検知センサ11の間欠駆動と手検知判定とのタイミングを示すタイミングチャートである。ここでは、3回の手検知判定結果の多数決判定で1つの駆動サイクルの最終的な「手検知判定結果」を決定する場合を示している。また、区間(2)の「1回目の手検知判定」と区間(2)の「2回目の手検知判定」と区間(2)の「3回目の手検知判定」とは、それぞれ、3回の連続して手検知信号を確認して判定している。
なお、手検知判定部22は、手検知判定の結果の多数決判定により1つの駆動サイクルの最終的な「手検知判定結果」を決める際に、あらかじめ設定された回数より少ない回数で多数決判定が成立した場合には、多数決判定が成立した時点で以降の手検知判定を行わないとともに、これ以降は手検知センサ11の駆動時間を延長しないようにしてもよい。たとえば、手検知判定を行う毎に多数決判定を実施し、多数決判定が成立しない場合に、手検知判定を行うために手検知センサ11の駆動時間を延長する。手検知判定の回数が5回に設定されている場合、手検知センサ11の駆動時間を延長は、手検知センサ11の判定毎に行われる。そして、手検知判定の回数が5回に達する前に多数決判定が成立した以降は、手検知センサ11の駆動時間を延長は行われず、且つ手検知センサ11の判定も行われない。このように、「駆動サイクルB」における手検知判定の回数を3回、4回・・・と増やすことにより、ノイズに起因した送風部6の誤動作を、より抑制できる。
ステップS140において、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動開始から、既定の駆動時間である20msに既定の駆動延長時間である5msを加えた25msが経過したか否かを判断する。25msが経過していなかった場合、すなわちステップS140でNoの場合は、ステップS140に戻る。一方、25msが経過した場合、すなわちステップS140でYesの場合は、ステップS150に進む。
ステップS150において、手検知判定部22は、駆動延長時間の経過時、すなわち手検知センサ11の駆動開始後25ms経過時に、区間(2)の「2回目の手検知判定」を行い、「手有」または「手無」を判定する。また、手検知判定部22は、ステップS150において、センサ停止指示信号を手検知センサ11に出力する。
つぎに、ステップS160において、手検知判定部22は、区間(2)の「1回目の手検知判定」および「2回目の手検知判定」を比較して最終的な手検知判定を行い、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」を判定する。そして、手検知判定部22は、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」が「手有」であるか否かを判定する。
区間(2)の最終的な「手検知判定結果」が「手有」である場合、すなわちステップS160でYesである場合は、手検知判定部22は、「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定し、ステップS170に進む。ステップS170では、手検知判定部22は、運転指示信号を送風部6に出力する。そして、送風部6は、運転指示信号に従って運転を開始する。
一方、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」が「手有」でない場合、すなわちステップS160でNoである場合は、手検知判定部22は、「送風部6の停止中に手が挿入された」と判定せず、ステップS50に進む。そして、ステップS50において、手検知センサ11がセンサ停止指示信号に従って停止する。
つぎに、ステップS60において、運転制御部23は、手検知センサ11の駆動開始から1駆動サイクルの1周期である100msが経過したかを判定する。手検知センサ11の駆動開始から100msが経過していない場合、すなわち、ステップS60でNoの場合は、ステップS60に戻る。また、手検知センサ11の駆動開始から100msが経過した場合、すなわち、ステップS60でYesの場合は、ステップS40に戻る。
また、ステップS200において、センサ制御部21は、センサ駆動指示信号を手検知センサ11に出力する。手検知センサ11は、センサ駆動指示信号に従って駆動を開始する。
つぎに、ステップS210において、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動開始後、手検知センサ11の既定の駆動時間である20msが経過したか否かを、手検知判定部22の時計機能により判断する。手検知センサ11の駆動開始後から20msが経過していない場合、すなわちステップS210でNoの場合は、ステップS210に戻る。一方、手検知センサ11の駆動開始後から20msが経過した場合、すなわちステップS210でYesの場合は、ステップS220に進む。
つぎに、ステップS220において、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動開始後20ms経過時に、区間(2)の「1回目の手検知判定」を行い、「手有」または「手無」を判定する。
つぎに、ステップS230において、手検知判定部22は、「手挿抜判定」を実施して、「送風部6の運転中に手が抜去された」か否かを判定する。すなわち、手検知判定部22は、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」と区間(2)の「1回目の手検知判定結果」とが、異なる判定結果であるか否かを判定する。
「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定された場合、すなわちステップS230でYesであり、区間(2)の「1回目の手検知判定結果」が「手無」である場合には、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動時間の5msの延長を指示する旨の延長指示信号をセンサ制御部21に出力して、ステップS240に進む。センサ制御部21は、延長指示信号に基づいて、手検知センサ11は既定の駆動延長時間である5msだけ駆動時間を延長する処理を行う。ここで、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」が「手有」であり、区間(2)の「1回目の手検知判定結果」が「手無」である場合に、手検知判定部22は、「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定する。
一方、「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定されない場合、すなわちステップS230でNoである場合には、手検知判定部22は、センサ停止指示信号を手検知センサ11に出力して、ステップS50に進む。ここで、区間(1)の最終的な「手検知判定結果」が「手有」であり、区間(2)の「1回目の手検知判定結果」が「手有」である場合には、手検知判定部22には、「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定しない。
ステップS240において、手検知判定部22は、手検知センサ11の駆動開始から、既定の駆動時間である20msに既定の駆動延長時間である5msを加えた25msが経過したか否かを判断する。25msが経過していなかった場合、すなわちステップS240でNoの場合は、ステップS240に戻る。一方、25msが経過した場合、すなわちステップS240でYesの場合は、ステップS250に進む。
ステップS250において、手検知判定部22は、駆動延長時間の経過時、すなわち手検知センサ11の駆動開始後25ms経過時に、区間(2)の「2回目の手検知判定」を行い、「手有」または「手無」を判定する。また、手検知判定部22は、ステップS250において、センサ停止指示信号を手検知センサ11に出力する。
つぎに、ステップS260において、手検知判定部22は、区間(2)の「1回目の手検知判定」および「2回目の手検知判定」を比較して最終的な手検知判定を行い、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」を判定する。そして、手検知判定部22は、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」が「手無」であるか否かを判定する。
区間(2)の最終的な「手検知判定結果」が「手無」である場合、すなわちステップS260でYesである場合は、手検知判定部22は、「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定し、ステップS270に進む。ステップS270では、手検知判定部22は、運転停止信号を送風部6に出力する。そして、送風部6は、運転停止信号に従って運転を停止する。
一方、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」が「手無」でない場合、すなわちステップS260でNoである場合は、手検知判定部22は、「送風部6の運転中に手が抜去された」と判定せず、ステップS50に進む。そして、ステップS50において、手検知センサ11がセンサ停止指示信号に従って停止する。その後、上記と同様にステップS60が行われ、ステップS40に戻る。
なお、上記においては、説明の都合上、ステップS170およびステップS270の後にステップS50において手検知センサ11がセンサ停止指示信号に従って停止する事となっている。しかし、実際には、手検知センサ11は、手検知判定部22がセンサ停止指示信号を手検知センサ11に出力した直後に停止する。
上述したように、本実施の形態にかかる手乾燥装置1は、送風部6が停止している場合および送風部6が運転している各場合において、ステップS120とステップS150、ステップS220とステップS250と、に示すように、それぞれ2回の「手検知判定」に基づいて送風部6を制御している。このように複数の「手検知判定」に基づいて最終的な「手検知判定」を行うことにより、ノイズ等に起因した手の誤検知を防止し、手検知精度を向上することができる。
また、本実施の形態にかかる手乾燥装置1は、ステップS140およびステップS240に示すように、手検知センサ11の駆動時間を延長し、複数回の「手検知判定」を1回の駆動サイクル内で行っている。そして、最終的な「手検知判定」を1回の駆動サイクル内で間欠させる制御を行う。これにより、本実施の形態にかかる手乾燥装置1は、手検知判定に必要な時間を短縮することができる。
また、本実施の形態にかかる手乾燥装置1は、「駆動サイクルB」において、手検知センサ11を「2回目の手検知判定」まで継続して駆動する。これにより、手乾燥装置1では、「2回目の手検知判定」においては手検知センサ11の発光素子の発光量が安定するまでの時間が必要なくなる。このため、「2回目の手検知判定」の実施時の消費電力は、「1回目の手検知判定」の実施時の消費電力の2倍である連続駆動比で40/100とはならず、連続駆動比で25/100に抑制できる。
なお、本実施の形態では手検知センサ11の駆動時間を延長する制御を、手挿入時と手抜去時の両方に適用したが、この制御を手挿入時にのみ適用してもよい。このような制御は、手抜去時にすぐに送風部6を停止したくない時、たとえば、手乾燥装置1を複数の使用者が連続して使用する場合に、送風部6ではモータの惰性回転を利用して送風部6を速く起動できる等、の利点がある。
上述したように、本実施の形態にかかる手乾燥装置1によれば、手検知センサを間欠駆動させて「手検知判定」を行う手乾燥装置において、ノイズによる誤動作抑制と手検知時間短縮の両立を図ることができる。これにより、本実施の形態にかかる手乾燥装置1によれば、手検知精度が向上し、起動時間が短い、使い勝手の良い手乾燥装置を提供することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
尚、本実施の形態1では、手の乾燥処理を行う空間である乾燥処理空間として、手を挿入可能な凹状空間である手挿入部3を筐体2で形成し、該手挿入部3に向かって手乾燥用ノズル3a、3bから空気を噴出させる手乾燥装置を示したが、手乾燥装置の構成はこれに限定されるものではない。たとえば、箱状の筐体2の下面に筐体2の外部空間に向かって下向きに空気を吹き出すノズル3aを配置し、筐体2の下面の空間を乾燥処理空間とし、乾燥処理空間に配置された手にノズル3aからの空気流を当てて乾燥させる手乾燥装置を構成してもよい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の手乾燥装置は、手を配置可能な乾燥処理空間に向かって空気流を吹き出すノズルと、ノズルから吹き出す空気流を生成する送風部と、発光素子を有して乾燥処理空間における手の有無を検知する手検知部と、手検知部における検知結果に基づいて乾燥処理空間における手の有無を判定する手検知判定を行い、手検知判定の判定結果に基づいて送風部の駆動を制御する制御部と、を備える。制御部は、手検知部の発光素子の間欠駆動を制御し、連続して前後する手検知部の第1および第2の駆動サイクルにおいて、第1の駆動サイクルの判定結果と、第2の駆動サイクルの最初の判定結果とが異なる場合に、第2の駆動サイクルにおける手検知部の駆動時間を延長する。
センサ制御部21は、手検知センサ11の間欠駆動を制御する。手検知判定部22は、手検知センサ11の検知結果に基づいて、手乾燥部3における手の有無の手検知判定を行う。運転制御部23は、手検知判定部22から出力される、送風部6の停止を指示する停止指示信号、または送風部6の運転を指示する運転指示信号に従って送風部6の駆動を制御する。基本動作制御部24は、制御部12内の各制御部および手乾燥装置1の各部の動作の全体を制御する。なお、制御部12内の各制御部は、互いに情報通信可能とされている。
手検知判定部22は、手検知センサ11から出力された手検知信号を処理して手検知判定を行うことにより、手乾燥部3内における手の有無を判定する。手検知判定部22は、手検知信号がハイレベル信号である場合には、「手乾燥部3内に手が有る」と判定する。手検知判定部22は、手検知信号がローレベル信号である場合には、「手乾燥部3内に手が無い」と判定する。以下、「手乾燥部3内に手が有る」ことを「手有」と記す場合がある。また、「手乾燥部3内に手が無い」ことを「手無」と記す場合がある。
そして、「駆動サイクルB」の場合は、手検知判定部22は、ステップS19において、「1回目の手検知判定」および「2回目の手検知判定」を比較して最終的な手検知判定を行い、区間(2)の最終的な「手検知判定結果」を判定する。このように、「駆動サイクルB」における「1回目の手検知判定」および「2回目の手検知判定」を比較して最終的な「手検知判定結果」を決定することにより、ノイズによる手検知結果の誤検知を抑制でき、ノイズに起因した送風部6の誤動作を抑制できる。これにより、手乾燥装置1では、手の検知精度および送風部6の運転の正確性を向上することができる。
したがって、区間(2)の次の駆動サイクルの「1回目の手検知判定」において、送風部6の停止中に手が挿入された、または、送風部6の運転中に手が抜去された、と判定されない場合は、センサ制御部21は「駆動サイクルA」での手検知センサ11の駆動制御を継続する。
また、「駆動サイクルA」による手検知センサ11の制御において、手検知判定部22から出力された最終的な「手検知判定結果」が「手無」である場合は、運転制御部23は、該「手無」の「手検知判定結果」に基づいて、送風部6の停止を指示する停止指示信号を送風部6に出力する。送風部6は、停止指示信号に従って運転を停止する。ここでは、ステップS30の実施後の送風部6の運転状態は、運転状態または停止状態の何れの状態も有りうるものとする。
運転制御部23は、送風部6が出力している信号が送風部運転信号である場合には、送風部6が運転状態であると判定し、送風部6が運転している旨の送風部運転状態信号をセンサ制御部21および手検知判定部22に出力する。運転制御部23は、送風部6が出力している信号が送風部停止信号である場合には、送風部6が停止状態であると判定し、送風部6が停止している旨の送風部停止状態信号をセンサ制御部21および手検知判定部22に出力する。送風部6が停止状態の場合は、すなわちステップS40でNoの場合は、ステップS100へ進む。送風部6が運転状態の場合は、すなわちステップS40でYesの場合は、ステップS200へ進む。なお、ステップS100へ進む場合には、送風部6が停止状態のため、ステップS30の実施後の「手検知判定結果」は「手無」である。また、ステップS200へ進む場合には、送風部6が運転状態のため、ステップS30の実施後の「手検知判定結果」は「手有」である。