JP5763319B2 - 食器洗浄機 - Google Patents
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すなわち、食器洗浄機は種々の使用形態にて使用されるものであるが、その標準的な使用形態は、洗浄空間内に洗浄対象物が収納された状態において、洗浄空間内に洗浄用の湯水を供給して、その洗浄用の湯水を洗浄空間内に装備した洗浄ノズルから洗浄水として噴出する洗浄処理を行い、次に、洗浄用排水運転により、洗浄空間内の湯水を排出したのち、洗浄空間内にすすぎ用の湯水を供給して、そのすすぎ用の湯水を洗浄空間内に装備した洗浄ノズルから噴出するすすぎ処理を行い、その後、洗浄用排水運転により、洗浄空間内の湯水を排出したのち、乾燥処理を行う形態である。
また、この特許文献1には、乾燥処理についての詳細な説明が記載されていないが、乾燥処理においては、洗浄空間の底部に備えられた加熱手段としてのヒータを作動させて、洗浄空間内の空気を加熱させることになる。
しかしながら、食器洗浄機の設置箇所によっては、その設置箇所の排水管が排水路の排水トラップよりも上方に位置する場合があり、このような場合には、食器洗浄機から延設する外部接続ホースを上方に延びる状態で配設して、設置箇所の排水管に接続することになり、このような場合には、除湿部からの除湿用の湯水及び凝縮水を、落差を用いるだけでは、設置箇所の排水管に流動させることができないものであり、改善が望まれるものであった。
前記洗浄空間からの空気吸引口と前記洗浄空間への空気供給口とに亘る通風経路を通して通風手段にて循環される前記洗浄空間の空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿する除湿部と、
前記洗浄空間の空気を加熱する加熱手段と、
前記洗浄空間への湯水供給の断続と前記除湿部への湯水供給の断続とを行う湯水断続手段と、
前記洗浄空間内の洗浄対象物を洗浄する洗浄処理、前記洗浄対象物をすすぐすすぎ処理、及び、前記洗浄対象物を乾燥する乾燥処理を実行する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行うべく、前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理の後で、前記洗浄空間内に貯留された湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる洗浄用排水運転を実行するように構成され、且つ、
前記乾燥処理において、前記加熱手段にて前記洗浄空間の空気を加熱しながら、前記除湿用の湯水と前記通風経路を通過する空気とを接触させるべく、前記通風手段、前記加熱手段、及び、前記湯水断続手段を制御するように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記除湿部が、除湿処理後の湯水及び凝縮水を前記洗浄槽内に流動させるように構成され、
前記制御手段が、前記乾燥処理運転において、前記洗浄空間の底部に貯留される湯水が湯水増加水位になると、前記排水ポンプを作動させて、その湯水増加水位の湯水を排出する乾燥用排水運転を繰り返すように構成され、
前記空気吸引口及び前記空気供給口が、前記洗浄空間の側壁部における下位側箇所に形成され、
前記通風経路が、前記空気吸引口から上方側に伸びる上昇経路部分とその上昇経路部分の上端部から前記空気供給口に向けて下方側に伸びる下降経路部分とからなる逆U字状に構成され、
前記除湿部が、
前記通風経路における前記上昇経路部分を通過する空気に対して除湿用の湯水を下方に向けて噴出させる噴出手段を備えて、前記上昇経路部分を上方に向けて通風する空気を、前記噴出手段により下方に向けて噴出される除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿するように構成され、且つ、除湿処理後の湯水及び凝縮された湯水が前記空気吸引口を通して前記洗浄空間内に流動させるように構成されている点を特徴とする。
除湿部からの除湿処理後の湯水及び凝縮水が洗浄槽内に流動されると、洗浄槽内の洗浄空間の底部には、湯水が貯留されることになるが、その貯留される湯水が湯水増加水位になると、その湯水を排水ポンプにより排出する乾燥用排水運転が行われることになる。
ちなみに、湯水増加水位とは、洗浄槽内の洗浄対象物や加熱手段を浸漬させない水位に定めることになる。
また、本発明の第1特徴構成によれば、空気吸引口及び空気供給口が、洗浄空間の側壁部における下位側箇所に形成され、且つ、通風経路が、空気吸引口から上方側に伸びる上昇経路部分とその上昇経路部分の上端部から空気供給口に向けて下方側に伸びる下降経路部分とからなる逆U字状に構成されているから、洗浄空間内の残菜類が通風経路内に詰まることを抑制できる。
説明を加えると、洗浄処理の際やすすぎ処理の際に、洗浄対象物に付着していた残菜類が空気吸引口や空気供給口を通して通風経路内に飛散する虞があるが、上昇経路部分は空気吸引口を最も下側に位置する状態で上下方向に伸びるものであり、下降経路部分は空気供給口を最も下側に位置する状態で上下方向に伸びるものであるから、通風経路内に飛散した残菜類が通風経路の上部側には移行することが無く、また、通風経路内に飛散した残菜類は通風経路内を自重落下して洗浄空間内に戻るから、洗浄空間の残菜類が通風経路内に詰まることを抑制できるものとなる。
また、空気吸引口及び空気供給口が、洗浄空間の側壁部における下位側箇所に形成されているので、上昇経路部分と下降経路部分とからなる逆U字状に構成される通風経路を、空気吸引口及び空気供給口が形成される箇所から上方に向けて大きく伸びる状態で形成することができ、残菜類が引っかかり易い通風手段や除湿部を、空気吸引口及び空気供給口から大きく上方に離れた位置に配置させることができ、通風経路内に飛散した残菜類が通風手段や除湿部にまで侵入して付着することを回避し易いものにできる。
そして、除湿部が、通風手段の通風作動によって上昇経路部分を上方に向けて通過する空気に対して噴出手段により除湿用水を下方に向けて噴出させ、上昇経路部分を上方に向けて通過する空気を噴出させる除湿用水との接触により冷却して空気中の水分を凝縮させるものであるから、除湿用水の使用量を少なくしながら洗浄空間内の空気の除湿を行うことが可能となる。
説明を加えると、上方に向けて通過する空気と噴出手段により下方側に噴出させる除湿用水とを接触させて空気中の水分を凝縮させるものであるから、空気と噴出させる除湿用の湯水とが対向する方向にて移動しながら接触させることになり、下方に向けて噴出される除湿用の湯水が上方に向けて通風してくる除湿前の空気と順次接触することになり、下方に向かう除湿用の湯水が空気と接触して空気中の水分を凝縮させる状態が長い領域にわたって続くことになる。
その結果、乾燥処理を実行するときに、除湿用の湯水の使用量を少なくしながら洗浄空間内の空気の除湿を行うことが可能となるのである。
従って、本発明の第1特徴構成によれば、上記作用効果に加えて、洗浄処理やすすぎ処理において飛散する残菜類が通風経路に詰まることを回避して、長期にわたり良好に使用することができ、しかも、除湿のために使用する湯水の使用量の少量化を図りながら洗浄空間内の空気の除湿を行うことが可能となる食器洗浄機を提供できる。
前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が前記湯水増加水位であることを検出する水位検出手段が設けられ、
前記制御手段が、前記乾燥用排水運転において、前記水位検出手段にて前記湯水増加水位が検出されると、前記排水ポンプを乾燥排水用の設定時間が経過するまで作動させるように構成されている点を特徴とする。
つまり、例えば、乾燥処理を行うときの経過時間に基づいて、洗浄空間に貯留される湯水の水位が湯水増加水位であることを推定する形態にて、乾燥用排水運転を行うようにすることが考えられる、この場合には、除湿部からの除湿処理後の湯水の量や凝縮水の量の変動により、乾燥処理中において洗浄空間に多量の湯水が貯留されてしまう不都合を招く虞があるが、このような不都合を回避できるのである。
つまり、例えば、水位検出手段にて、洗浄空間内に貯留されている湯水の量が空に近い状態に対応する空水位であることを検出させて、水位検出手段が空水位を検出すると、排水ポンプを停止する形態にて乾燥用排水運転を行うようにすることが考えられるが、この場合には、空水位を検出するために水位検出手段の構成が複雑になる不都合があるが、このような不都合を回避できるのである。
前記水位検出手段が、前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が前記洗浄用水位及びその洗浄用水位よりも低い湯水排出水位であることを検出するように構成され、
前記制御手段が、前記洗浄用排水運転を実行するときに、前記水位検出手段にて前記洗浄用水位から前記湯水排出水位であることが検出されるまでの移行時間を計測するように構成され、且つ、前記乾燥用排水運転において、前記洗浄用排水運転での排水能力と同じ排水能力にて前記排水ポンプを作動させ、かつ、前記移行時間に基づいて、前記乾燥排水用の設定時間を設定するように構成されている点を特徴とする。
そして、乾燥用排水運転において、排水ポンプが、洗浄用排水運転での排水能力と同じ排水能力にて作動され、且つ、洗浄用排水運転を行うときに計測した上述の移行時間に基づいて、乾燥排水用の設定時間が設定されることになる。
前記制御手段が、前記洗浄用排水運転において、前記水位検出手段にて前記湯水排出水位が検出されると、前記排水ポンプを洗浄排水用の設定時間が経過するまで継続して作動させるように構成され、且つ、前記移行時間に基づいて、前記洗浄排水用の設定時間を変更調整するように構成されている点を特徴とする。
前記制御手段が、計測した前記移行時間を記憶するように構成され、且つ、前記洗浄用排水運転を開始したときに、前記水位検出手段が前記洗浄用水位よりも下方の水位であることを検出した場合には、前記記憶した前記移行時間を、計測した前記移行時間として用いるように構成されている点を特徴とする。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4に示すように、前面部が開口された本体ケース部としての本体部1が設けられ、平面視形状が四角状の洗浄槽Dを備えた引出し部2が、本体部1に対して、水平方向に沿って引出し及び収納自在に設けられて、食器洗浄機の一例としての引出し式の食器洗浄機が構成されている。
尚、例示はしないが、引出し部2を本体部1に対して移動自在に支持するスライド式レール機構が設けられており、引出し部2が、その大部分を本体部1の外方に露出させる状態に引き出すことができるように構成されている。
尚、図2に示すように、本体部1の底部には、漏水受止め用のドレンパン14が配備されており、例示はしないが、このドレンパン14にて受止め回収された水の存否を検出する漏水センサが装備されることになる。
また、扉体Aには、運転のための各種操作を行う操作部SSが設けられている。
洗浄槽用分岐路4Bは、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に洗浄及びすすぎのための湯水を供給する給水口5に接続され、除湿用分岐路4Cは、洗浄槽Dの前側壁部Dfに装備される後述の除湿部Gに接続されている。
尚、第1開閉弁V1には、洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量を、除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量(例えば、200ml/分)よりも十分に大きい通流量ではあるものの、過大な通流量なることを抑制すべく制限する定流量弁V4が、一体的に組み込まれる状態で装備されている。
つまり、兼用ポンプ6は、正転状態においては、洗浄空間Qの底部に貯留した湯水を洗浄用ノズル8に圧送して、洗浄ノズル8から湯水を噴出させることになり、また、逆転状態においては、排水管12を通して、洗浄空間Q内に貯留されている湯水を外部に排出することになる。
したがって、外部接続ホース12Cが、食器洗浄機を設置する箇所に装備されている設置箇所の排水管に接続されることにより、洗浄空間Qの湯水を外部に排水できるようになっている。
尚、設置箇所の排水管が低位置に配備される場合には、外部接続ホース12Cは、水平方向に伸びる状態で配設されることになるが、設置箇所の排水管が高位置に配備される場合には、外部接続ホース12Cは、上方に向けて延びる状態で配設されることになり、その結果、洗浄空間Qの湯水を排出する際の排水揚程が変化することになる。
この水位検出センサJは、後述の如く、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2(図11参照)であること、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が、洗浄空間Qから大部分の湯水を排出した状態に相当して、加熱ヒータ9が露出する程度に低い湯水排出水位Y1a(図10参照)であること、及び、洗浄槽D内に貯留される湯水が洗浄用水位Y2より設定量高い異常水位Y3(図12参照)であることを検出するように構成されている。
また、水位検出センサJは、図10に示すように、湯水の水位が湯水排出水位Y1aから少し高い水位に変化した湯水増加水位Y1bを検出できるように構成されており、その詳細は後述する。
つまり、前側壁部Dfには、図6にも示すように、乾燥ユニットKからの空気を洗浄空間Qに供給する空気供給口21、及び、乾燥ユニットKが洗浄空間Q内の空気を吸引する空気吸引口22が、洗浄空間Qの下位側に相当する箇所でかつ左右両側に離れた位置に形成されている。具体的には、空気供給口21及び空気吸引口22は、洗浄かご10よりも下方側でかつ上述の水貯留用凹部Sよりも上方側に位置するように形成され、そして、本実施形態においては、空気供給口21を右側に、且つ、空気吸引口22を左側に位置させている。
通風経路Fは、空気吸引口22から上方側に伸びる上昇経路部分f1とその上昇経路部分f1の上端部から空気供給口21に向けて下方側に伸びる下降経路部分f2とからなる逆U字状に形成されており、上昇経路部分f1に、除湿部Gが配設され、下降経路部分f2に、循環ファン23が配設されている。
尚、噴出ノズル25から噴出された除湿用の湯水及び凝縮された湯水は、空気吸引口22を通して洗浄槽Dの洗浄空間Q内に流動して水貯留用凹部Sに貯留されることになる。
したがって、洗浄槽内の洗浄対象物の全体に空気を通流させて、洗浄対象物を効率良く乾燥することにより、乾燥時間の短縮化を図ることができるものとなる。
そして、この制御部Hが、図14に示すように、操作部SSにて入力される指令に基づいて、兼用ポンプ6を駆動する直流モータ6a、電気式の加熱ヒータ9、循環ファン23、及び、湯水断続手段Eの作動を制御して、洗浄槽Dの内部にて形成される洗浄空間Qの洗浄対象物を洗浄する洗浄処理としての洗浄運転、洗浄対象物のすすぎを行うすすぎ処理としてのすすぎ運転、洗浄槽Dの洗浄空間Qに貯留された湯水を排水する排水処理としての排水運転、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる乾燥処理としての乾燥運転、及び、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる消臭処理としての消臭運転を行うように構成されている。
又、L1は、操作部SSに設けた警報ランプ、L2は、操作部SSに内蔵した警報ブザー、L3は、操作部SSに設けた表示部であり、これら警報ランプL1、警報ブザーL2、及び、表示部L3にて、異常が発生したときに警報作動する警報手段Lが構成されることになる。ちなみに、表示部L3には、発生した異常の内容に対応するコードが表示されることになる。
尚、図14において、Nは、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されたことを検出する収納スイッチ、9Aは、加熱ヒータ9の駆動回路、23Aは、循環ファン23の駆動電圧を調整する駆動ファン駆動回路である。
尚、操作部SSにより、洗浄運転、すすぎ運転、乾燥運転、消臭運転の順に運転させる連続運転コースや、乾燥運転のみ運転させる乾燥のみコースなど各種の運転コースを選択できるように構成され、さらに、連続運転コースとして、標準運転コース、念入り運転コース、スピーディ運転コース、快速運転コースを選択できるように構成されているが、本実施形態においては、連続コースの標準運転コースについてのみ説明する。
先ず、収納スイッチNにより、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されることが検出され(#1)、操作部SSの電源スイッチがON操作され(#2)、運転コースの選択が行われ(#3)、操作部SSのスタートスイッチがON操作されると(#4)、選択された運転コースが実行されることになる。
操作部SSスタートスイッチがON操作された後は、先ず、洗浄運転(#5)、その洗浄運転後の排水運転(#6)が実行され、次に、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が実行される。そして、すぎ運転が2回終了したか否かが判別されて(#9)、2回終了していない場合には、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が再び実行される。
尚、使用者が操作部SSのスタートスイッチをON操作する前に洗浄用洗剤を洗浄槽D内に投入しておくことにより、洗剤を用いた洗浄を行うことができる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物のすすぎを設定時間が経過するまで行うことになる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物のすすぎを行うことになり、そして、図外の温度センサにより、すすぎ水の温度が仕上げ用設定温度(例えば、67℃)になると、加熱すすぎ動作を終了することになる。
そして、乾燥運転中において、水位検出センサJにて上述した湯水増加水位Y1bであることが検出されると、乾燥用の排水運転を行うことになる。
この乾燥用の排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、乾燥排水用の設定時間が経過するまで行うことになるが、その詳細は後述する。
つまり、本実施形態の場合には、後述の如く、水位検出センサJが検出可能な範囲の最低水位が、湯水排出水位Y1aであるため、水位検出センサJが湯水排出水位Y1aを検出しなくなるということ、換言すれば、湯水増加水位Y1bを検出するということは、洗浄空間Qの底部には、湯水排出水位Y1aよりも少し高い水位の湯水が貯留されたことになる。
そして、消臭運転中において、乾燥運転の場合と同様に、水位検出センサJにて湯水増加水位Y1が検出されると、消臭用の排水運転を行うことになる。
この消臭用の排水運転は、乾燥用の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、乾燥排水用の設定時間と同じ時間に設定される消臭排水用の設定時間が経過するまで行うことになる。
ちなみに、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2よりも低い水位であることが検出されるときとは、水位検出センサJが洗浄用水位Y2を検出している状態から洗浄用水位Y2を検出しない状態に変化したときである。
この乾燥排水用の設定時間、及び、消臭排水用の設定時間は、上記した洗浄排水用の設定時間を設定する場合と同様に行うように構成されている。
つまり、上述の如く、乾燥運転や消臭運転において、水位検出センサJにて湯水増加水位Y1bが検出されるとは、湯水排出水位Y1aよりも少し多めの湯水が貯留されて、水位検出センサJが、湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水増加水位Y1bを検出する状態に変化することを意味するものであるから、湯水増加水位Y1bにおいて洗浄空間Qに残存する湯水の量は、水位検出センサJにて湯水排出水位Y1aが検出されたときに洗浄空間Qに残存する湯水の量(例えば、0.7L(リットル))よりも少し多い量(例えば、0.75L(リットル))となるから、この量に基づいて、乾燥排水用の設定時間、及び、消臭排水用の設定時間を求めるように構成されている。
つまり、制御部Hは、兼用ポンプ6の回転速度を検出する回転速度検出手段としての回転速度センサM(図14参照)の検出情報に基づいて、兼用ポンプ6を目標回転速度(例えば、3400回転/分)にて駆動すべく、直流モータ6aに供給する駆動電圧を比例積分制御により求めて、その駆動電圧を指令電圧として、直流モータ駆動回路6Aに指令する回転速度調整処理(以下、FB制御と略称)を実行するように構成されている。
先ず、兼用ポンプ6を目標回転速度にて逆転駆動することが開始される(#21)。ちなみに、図16のフローチャートは、制御作動を分かり易く記載するために、#21の処理が、最初に1回だけ行われるように記載しているが、実際は、兼用ポンプ6を目標回転速度で駆動するためのFB制御が、兼用ポンプ6を目標回転速度で駆動する間は、繰り返し行われることになる。
#22にて、水位検出センサJにて検出される水位が洗浄用水位Y2であると判別されたときには、次に、水位検出センサJにて検出される水位が洗浄用水位Y2から変化したか、つまり、水位が洗浄用水位Y2よりも低くなったか否かが判別される(#23)。
尚、#27の処理にては、更新記憶されている移行時間に基づいて、洗浄排水用の設定時間が演算されて設定されることになる。
すなわち、乾燥運転を説明しながら、乾燥運転中に行う乾燥用排水運転の制御作動について、図17のフローチャートに基づいて説明する。
次に、兼用ポンプ6が駆動中である排水運転中であるか否かが判別され(#32)、排水運転中でない場合には、水位検出センサJの検出水位が湯水排出水位Y1aであるか否かが判別される(#33)。つまり、本実施形態では、水位検出センサJの検出水位が湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水増加水位Y1bを検出する状態に変化したことが検出されて、除湿処理後の湯水及び凝縮水が湯水増加位Y1bに相当する水位まで貯留された状態であることが判別される。
また、#39にて、乾燥用設定時間が経過していないと判別した場合には、#32の処理に移行する。
ちなみに、図17のフローチャートは、制御作動を分かり易く記載するために、#34の処理が、最初に1回だけ行われるように記載しているが、実際は、兼用ポンプ6を目標回転速度で駆動するためのFB制御が、兼用ポンプ6を目標回転速度で駆動する間は、繰り返し行われることになる。
この乾燥排水用の設定時間を設定する手順は、上述の通りであるので、ここでの説明は省略する。
また、#36にて、水位検出センサJの検出水位が湯水増加水位Y1bから変化したことが判別されない場合には、#39の処理に移行する。
そして、既に湯水増加水位Y1bから変化していると判別したときには、#37の処理に移行し、既に湯水増加水位Y1bから変化していないと判別したときには、#36の処理に移行することになる。
すなわち、例えば、洗浄処理において、電気式の加熱ヒータ9を加熱させたときには洗浄空間Q内の温度はかなりの高温(例えば67℃)になる。その後、洗浄水が排出されて、すすぎ処理のためにすすぎ水が洗浄空間Qに供給され、そのすすぎ水が兼用ポンプ6の作動により洗浄ノズル8より噴出されることになるが、そのすすぎ水の温度は低温(例えば13〜17℃)である。このため、低温のすすぎ水が洗浄ノズル8から噴出されると、洗浄空間Q内の温度が急激に低下するものとなり、その結果、洗浄空間Q内の多量の空気が急激に収縮し、洗浄空間Qの内部圧が大きく減少しようとすることがあるが、このようなときには、圧力調整手段Wの作用によって、洗浄空間Qの内部圧が機外圧となるように自動調整されることになる。
尚、圧力調節手段Wには、結露水が生じることがあるが、その結露水が水位検出センサJを介して、洗浄槽Dに回収されるように構成されている。
図7〜図13に示すように、洗浄槽Dの底部に案内管13にて接続されて、その洗浄槽D内の湯水が導入される水位検出用の湯水貯留槽40と、湯水貯留槽40の内部に装備されて、その湯水貯留槽40に貯留される湯水の水位に応じて昇降する水位検出用のフロート41と、フロート41の本体部41Aから上方に延びる軸部41Bを昇降自在に案内する案内部Uと、湯水貯留槽40の上端よりも上方側箇所に位置されて、フロート41の上下2つの昇降位置を検出する一対の第1水位検出部T1及び第2検出部T2とが設けられている。
尚、洗浄水受け入れ部40Aの機能については後述する。
つまり、異常水位検出用の電極43は、図12に示すように、湯水貯留槽40の水位が第1水位検出部T1及び第2検出部T2のうちの高水位側の第2水位検出部T1にて検出される水位よりも設定量高くなったときに湯水貯留槽40に貯留される湯水にて導通される導通される状態で、蓋体42に装備されている。
また、案内部Uが、湯水貯留槽40の上端よりも下方に位置するフロート40の軸部40Bを案内すべく、湯水貯留槽40の上端よりも下方に位置して案内するように構成されている。
説明を加えると、揺動レバー44が、第2センサ取付け部42bに、横軸心X回りで上下揺動自在に枢支され、その横軸心Xの一端側部分が、上述の被検出部44aに形成され、横軸心Xの他端側部分が、軸部41Bとの連係部44bに形成されている。
連係部44bは、二股状に形成されて、その連係部44bに、軸部41Bの上端が係合されるように構成されている。
そして、揺動レバー44の二股状の連係部44bが、外れ止め用の突起部41bと左右一対の旗状体41aの間に挿入し、且つ、軸部41の上端が、二股状の連係部44bを貫通する状態となるように構成されている。
そして、上述した一対の旗状体41aのうちの1つが、第1検出部T1にて検出される被検出部と機能するように構成されている。
ちなみに、案内部Uは、一対の旗状体41aのうちの第1検出部T1にて検出される被検出部と機能する旗状体41aが係合する補助案内溝U2をも備えるように構成されているが、この補助案内溝U2は、第1検出部T1の近くまでは存在するものの、被検出部と機能する旗状体41aが第1検出部T1にて検出される箇所では存在しないものであるため、フロート41の昇降全範囲に亘ってフロート41を案内するものではない。
また、揺動レバー44に備えさせた被検出部44aが、洗浄空間Qの湯水の水位が湯水排出水位Y1aであるときに、低水位側の第2検出部T2にて検出され、洗浄空間Qの湯水の水位が湯水排出水位Y1aよりも上昇すると、低水位側の第2検出部T2にて検出されない状態に変化するように構成されている。したがって、本実施形態の水位検出センサJは、被検出部44aが低水位側の第2検出部T2にて検出される状態から検出されない状態に変化する水位が、湯水増加水位Y1bに相当することになる。
したがって、排水運転を行うときに、兼用ポンプ6にて排水される湯水の一部が洗浄水受け入れ部40Aに流動したのち、湯水貯留槽40の内部に吐出されることにより、湯水貯留槽40の壁面を洗浄できるように構成されている。
次に別実施形態を説明する。
(イ)上記実施形態においては、湯水断続手段が、給水路を開閉する第1開閉弁と、洗浄槽用分岐路を開閉する第2開閉弁と、除湿用分岐路に装備された定流量弁とから構成される場合を例示したが、これらの弁に加えて、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を備えさせるようにしてもよい。
そして、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を備えさせる場合には、給水路を開閉する第1開閉弁を省略する形態で実施してもよい。
つまり、食器洗浄機を一旦設置した後は、排水揚程が変化しないものであるから、初回の洗浄用排水運転のときに、移行時間を計測して記憶保持しておき、以降は、その記憶した移行時間に基づいて、洗浄排水用の設定時間、乾燥排水用の設定時間、消臭排水用の設定時間を設定する形態で実施してもよい。
9 加熱手段
21 空気供給口
22 空気吸引口
23 通風手段
25 噴出手段
D 洗浄槽
E 湯水断続手段
F 通風経路
f1 上昇経路部分
f2 下降経路部分
G 除湿部
H 制御手段
J 水位検出手段
Q 洗浄空間
Y1a 湯水排出水位
Y1b 湯水増加水位
Y2 洗浄用水位
Claims (5)
- 洗浄槽の洗浄空間の底部から湯水を吸引して外部に排出する排水ポンプと、
前記洗浄空間からの空気吸引口と前記洗浄空間への空気供給口とに亘る通風経路を通して通風手段にて循環される前記洗浄空間の空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿する除湿部と、
前記洗浄空間の空気を加熱する加熱手段と、
前記洗浄空間への湯水供給の断続と前記除湿部への湯水供給の断続とを行う湯水断続手段と、
前記洗浄空間内の洗浄対象物を洗浄する洗浄処理、前記洗浄対象物をすすぐすすぎ処理、及び、前記洗浄対象物を乾燥する乾燥処理を実行する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行うべく、前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理の後で、前記洗浄空間内に貯留された湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる洗浄用排水運転を実行するように構成され、且つ、
前記乾燥処理において、前記加熱手段にて前記洗浄空間の空気を加熱しながら、前記除湿用の湯水と前記通風経路を通過する空気とを接触させるべく、前記通風手段、前記加熱手段、及び、前記湯水断続手段を制御するように構成された食器洗浄機であって、
前記除湿部が、除湿処理後の湯水及び凝縮水を前記洗浄槽内に流動させるように構成され、
前記制御手段が、前記乾燥処理において、前記洗浄空間の底部に貯留される湯水が湯水増加水位になると、前記排水ポンプを作動させて、その湯水増加水位の湯水を排出する乾燥用排水運転を繰り返すように構成され、
前記空気吸引口及び前記空気供給口が、前記洗浄空間の側壁部における下位側箇所に形成され、
前記通風経路が、前記空気吸引口から上方側に伸びる上昇経路部分とその上昇経路部分の上端部から前記空気供給口に向けて下方側に伸びる下降経路部分とからなる逆U字状に構成され、
前記除湿部が、
前記通風経路における前記上昇経路部分を通過する空気に対して除湿用の湯水を下方に向けて噴出させる噴出手段を備えて、前記上昇経路部分を上方に向けて通風する空気を、前記噴出手段により下方に向けて噴出される除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿するように構成され、且つ、除湿処理後の湯水及び凝縮された湯水が前記空気吸引口を通して前記洗浄空間内に流動させるように構成されている食器洗浄機。 - 前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が前記湯水増加水位であることを検出する水位検出手段が設けられ、
前記制御手段が、前記乾燥用排水運転において、前記水位検出手段にて前記湯水増加水位が検出されると、前記排水ポンプを乾燥排水用の設定時間が経過するまで作動させるように構成されている請求項1記載の食器洗浄機。 - 前記水位検出手段が、前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が前記洗浄用水位及びその洗浄用水位よりも低い湯水排出水位であることを検出するように構成され、
前記制御手段が、前記洗浄用排水運転を実行するときに、前記水位検出手段にて前記洗浄用水位から前記湯水排出水位であることが検出されるまでの移行時間を計測するように構成され、且つ、前記乾燥用排水運転において、前記洗浄用排水運転での排水能力と同じ排水能力にて前記排水ポンプを作動させ、かつ、前記移行時間に基づいて、前記乾燥排水用の設定時間を設定するように構成されている請求項2記載の食器洗浄機。 - 前記制御手段が、前記洗浄用排水運転において、前記水位検出手段にて前記湯水排出水位が検出されると、前記排水ポンプを洗浄排水用の設定時間が経過するまで継続して作動させるように構成され、且つ、前記移行時間に基づいて、前記洗浄排水用の設定時間を設定するように構成されている請求項3記載の食器洗浄機。
- 前記制御手段が、計測した前記移行時間を記憶するように構成され、且つ、前記洗浄用排水運転を開始したときに、前記水位検出手段が前記洗浄用水位よりも下方の水位であることを検出した場合には、前記記憶した前記移行時間を、計測した前記移行時間として用いるように構成されている請求項3又は4記載の食器洗浄機。
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