JP5735358B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄槽の洗浄空間内に洗浄及びすすぎのための湯水を供給する給水口と、前記洗浄空間からの空気吸引口と前記洗浄空間への空気供給口とに亘る通風経路を通して通風手段にて循環される前記洗浄空間の空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿し、かつ、除湿処理後の湯水及び凝縮水を前記洗浄槽内に流動させるように構成された除湿部と、前記洗浄空間の空気を加熱する加熱手段と、前記給水口への湯水供給の断続と前記除湿部への湯水供給の断続とを行う湯水断続手段と、前記洗浄空間の底部から湯水を吸引して外部に排出する排水ポンプと、前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が洗浄用水位であること及び前記洗浄用水位よりも低い乾燥用排出水位であることを検出する水位検出手段と、前記洗浄空間内の洗浄対象物を洗浄する洗浄処理、前記洗浄対象物をすすぐすすぎ処理、及び、前記洗浄対象物を乾燥する乾燥処理を実行する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行うべく、前記水位検出手段の検出情報に基づいて前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理の後で、前記洗浄空間内に貯留された湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる洗浄用排水運転を実行し、且つ、前記乾燥処理において、前記加熱手段にて前記洗浄空間の空気を加熱しながら、前記除湿用の湯水と前記通風経路を通過する空気とを接触させるべく、前記通風手段、前記加熱手段、及び、前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記水位検出手段にて前記乾燥用排出水位が検出されると、その乾燥用排出水位の湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる乾燥用排水運転を繰り返すように構成された食器洗浄機に関する。
かかる食器洗浄機は、皿や茶碗等の食器類を洗浄するのに使用されるものである。
すなわち、食器洗浄機は種々の使用形態にて運転されるものであるが、その標準的な使用形態は、洗浄空間内に洗浄対象物が収納された状態において、洗浄空間内に洗浄用の湯水を供給して、その洗浄用の湯水を洗浄空間内に装備した洗浄ノズルから洗浄水として噴出する洗浄処理を行い、次に、洗浄用排水運転により、洗浄空間内の湯水を排出したのち、洗浄空間内にすすぎ用の湯水を供給して、そのすすぎ用の湯水を洗浄空間内に装備した洗浄ノズルから噴出するすすぎ処理を行い、その後、洗浄用排水運転により、洗浄空間内の湯水を排出したのち、乾燥処理を行う形態である。
また、上記した食器洗浄機は、乾燥処理として、加熱手段にて洗浄空間の空気を加熱しながら、通風経路を通過する空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿することを行うものであるから、乾燥処理を行う際に、湿った空気が機外に排出されることがないため、湿った空気が、使用者や食器洗浄機が設置されている箇所に存在する他の機器類に吹き付けられることを抑制できるものとなり、使用勝手がよいものとなっている。
このような食器洗浄機の従来例として、湯水断続手段が、給水源に接続された給水路から分岐されて給水口に接続される洗浄用分岐路を開閉する洗浄用の開閉弁と、給水路から分岐されて除湿部に接続される除湿用分岐路を開閉する除湿用の開閉弁と、除湿用分岐路に装備されて、その除湿用分岐路を通流する湯水の流量を安定させるガバナ(定流量弁に相当)とから構成され、制御手段が、洗浄処理及びすすぎ処理において湯水を供給するときには、洗浄用の開閉弁及び除湿用の開閉弁を閉き、且つ、乾燥処理において湯水を供給するときには、洗浄用の開閉弁を閉じ、かつ、除湿用の開閉弁を開くように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1においては、制御手段が、洗浄処理及びすすぎ処理において湯水を供給するときには、洗浄用の開閉弁に加えて、除湿用の開閉弁を開くものであるから、洗浄空間内に洗浄用水位の湯水を貯留することを迅速に行えるため、作業効率の向上を図ることができ、しかも、除湿部に湯水を流動させる頻度が多くなるため、除湿部を清潔な状態に保ち易いものとなる。
ちなみに、この特許文献1には記載されていないが、一般に、食器洗浄機においては、洗浄空間に湯水が異常な高水位に貯留された状態であることを検出する異常水位検出手段が装備されて、その異常状態であることが異常水位検出手段にて検出されると、制御手段が、排水ポンプを作動させて、洗浄空間の湯水を排出する排出処理を実行するように構成されている。
特開2010−233653号公報
食器洗浄機においては、湯水が異常な高水位にて洗浄空間に貯留される状態になると、そのような異常状態であることが異常水位検出手段にて検出されて、洗浄空間の湯水を排出する排出処理が行われることになるが、このような排出処理が短時間の周期で繰り返し行われると、多量の湯水が無駄に消費されることになるから、短時間で、洗浄空間に湯水が異常な高水位に貯留される状態になることを抑制する必要がある。
しかしながら、従来では、洗浄用の開閉弁が、異物を噛みこむ等によって、閉じ状態に操作できなくなると、洗浄槽用分岐路を通して洗浄空間に湯水が流れ込むことにより、短時間にて洗浄空間に湯水が異常な高水位に貯留される状態となるため、多量の水が無駄に消費される虞があった。
つまり、食器洗浄機においては、洗浄処理及びすすぎ処理において、洗浄用水位の湯水を短時間にて貯留できるようにして、作業効率の向上を図ることが望まれるため、洗浄槽用分岐路を通して湯水を供給できる流量が多くなるように、洗浄槽用分岐路や洗浄用の開閉弁が構成されているため、異物の噛みこみ等によって、洗浄用開閉弁が閉じ状態に操作できない状態になると、多量の水が無駄に消費される虞があった。
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、湯水断続手段の構成の複雑化を抑制した状態で多量の水が無駄に消費されるのを抑制し、かつ、湯水断続手段の故障状態の検出を適切に行える食器洗浄機を提供する点にある。
本発明の食器洗浄機は、洗浄槽の洗浄空間内に洗浄及びすすぎのための湯水を供給する給水口と、
前記洗浄空間からの空気吸引口と前記洗浄空間への空気供給口とに亘る通風経路を通して通風手段にて循環される前記洗浄空間の空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿し、かつ、除湿処理後の湯水及び凝縮水を前記洗浄槽内に流動させるように構成された除湿部と、
前記洗浄空間の空気を加熱する加熱手段と、
前記給水口への湯水供給の断続と前記除湿部への湯水供給の断続とを行う湯水断続手段と、
前記洗浄空間の底部から湯水を吸引して外部に排出する排水ポンプと、
前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が洗浄用水位であること及び前記洗浄用水位よりも低い乾燥用排出水位であることを検出する水位検出手段と、
前記洗浄空間内の洗浄対象物を洗浄する洗浄処理、前記洗浄対象物をすすぐすすぎ処理、及び、前記洗浄対象物を乾燥する乾燥処理を実行する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行うべく、前記水位検出手段の検出情報に基づいて前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理の後で、前記洗浄空間内に貯留された湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる洗浄用排水運転を実行し、且つ、
前記乾燥処理において、前記加熱手段にて前記洗浄空間の空気を加熱しながら、前記除湿用の湯水と前記通風経路を通過する空気とを接触させるべく、前記通風手段、前記加熱手段、及び、前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記水位検出手段にて前記乾燥用排出水位が検出されると、その乾燥用排出水位の湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる乾燥用排水運転を繰り返すように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記湯水断続手段が、給水源に接続された給水路を開閉する第1開閉弁と、前記給水路から分岐されて前記給水口に接続される洗浄槽用分岐路及び前記給水路から分岐されて前記除湿部に接続される除湿用分岐路のうちの、前記洗浄槽用分岐路を開閉する第2開閉弁と、前記除湿用分岐路に装備されて、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁の開き状態において、その除湿用分岐路を通流する湯水の通流量が前記洗浄槽用分岐路を通流する湯水の通流量よりも少なくなるように制限する定流量弁とから構成され、
前記制御手段が、
前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において湯水を供給するときには、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開き、且つ、前記乾燥処理において湯水を供給するときには、前記第1開閉弁を開き、かつ、前記第2開閉弁を閉じるように構成され、且つ、
前記乾燥処理において、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水の供給を開始してから、前記乾燥用排出水位が検出されるまでの乾燥用経過時間が、設定判定時間以下のときには、前記第2開閉弁の開故障であると判断する開故障判別処理を実行するように構成され、
前記設定判定時間が、前記第1開閉弁を開き及び前記第2開閉弁を開いて、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水の供給を開始してから、前記乾燥用排出水位が検出されるまでに要する時間よりも長い時間に設定されている点を特徴とする。
すなわち、洗浄処理及びすすぎ処理において湯水を洗浄空間に供給するときには、第1開閉弁及び第2開閉弁が開かれて、給水路からの湯水が洗浄槽用分岐路を通して給水口から洗浄空間に供給されることと、給水路からの湯水が除湿用分岐路を通して除湿部から洗浄空間に供給されることとによって行われる。
乾燥処理においては、第1開閉弁が開かれ、かつ、第2開閉弁が閉じられて、洗浄槽用分岐路の湯水の通流が停止された状態で、給水路からの湯水が除湿用分岐路を通して除湿部に供給されることになる。
除湿用分岐路には、第1開閉弁及び第2開閉弁の開き状態において、その除湿用分岐路を通流する湯水の通流量が洗浄槽用分岐路を通流する湯水の通流量よりも少なくなるように制限する定流量弁が装備されているため、除湿用分岐路を通して供給される湯水の通流量が、除湿部における除湿作用に必要とする少量に制限されることになる。
そして、洗浄槽用分岐路を通した洗浄空間への湯水供給の停止については、給水路に装備した第1開閉弁と、洗浄槽用分岐路に装備した第2開閉弁とにより、2重に遮断することによって行われるため、第1開閉弁及び第2開閉弁のいずれかが、異物を噛みこむ等によって、閉じ状態に操作することができない状態となったとしても、洗浄槽用分岐路を通した洗浄空間への湯水供給を停止して、短時間にて、湯水が異常な高水位にて洗浄空間に貯留される状態になることを抑制して、多量の水が無駄に消費されることが回避される。
説明を加えると、第1開閉弁及び第2開閉弁の開き状態における、洗浄槽用分岐路を通した湯水の流量は、洗浄用水位の湯水を洗浄空間内に貯留することを迅速に行えるようにするために、定流量弁を備える除湿用分岐路を通した湯水の通流量よりも多くなるように構成されるため、洗浄槽用分岐路を通した洗浄空間への湯水供給を停止する状態において、その湯水供給を適切に停止することができないときには、短時間で、湯水が異常な高水位にて洗浄空間に貯留される状態になり、異常な高水位に貯留された湯水を排出する排出処理が短時間の周期で繰り返し行われて、多量の湯水が無駄に消費される虞がある。
本第1特徴構成によれば、洗浄槽用分岐路を通した洗浄空間への湯水供給の停止については、給水路に装備した第1開閉弁と洗浄槽用分岐路に装備した第2開閉弁とにより、2重に遮断した状態で行うため、洗浄槽用分岐路を通した洗浄空間への湯水供給により、洗浄空間に湯水が異常な高水位に貯留される状態になることが抑制されるものとなり、多量の湯水が無駄に消費されることが回避される。
また、給水路に装備した第1開閉弁が、異物を噛みこむ等によって、適切に遮断することができない状態となったときには、除湿用分岐路を通して湯水が通流して、除湿部を経由して洗浄空間に流動することになるが、除湿用分岐路を通した湯水の通流量は、定流量弁にて少量に制限されているから、万が一、給水路に装備した第1開閉弁が適切に遮断することができない状態になったとしても、洗浄空間に湯水が異常な高水位に貯留される状態になるには、長時間が掛かるものとなり、上述の排出処理が短時間の周期で繰り返し行われることがなく、多量の湯水が無駄に消費されることがない。
つまり、上述の第1開閉弁及び第2開閉弁に加えて、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を装備して、除湿用分岐路の湯水供給の停止についても、第1開閉弁と除湿用分岐路を開閉する開閉弁とにより、2重に遮断する構成を採用することができるが、除湿用分岐路を通した湯水の通流量は、定流量弁にて少量に制限されている点に着目して、除湿用分岐路を開閉する開閉弁を装備しない構成とするため、湯水断続手段の構成の複雑化を抑制した状態で、多量の湯水が無駄に消費されることを抑制できるのである。
また、本第1特徴構成によれば、制御手段が、乾燥処理において、湯水が排出されている洗浄空間に湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位が検出されるまでの乾燥用経過時間が、設定判定時間以下のときには、第2開閉弁の開故障であると判断する開故障判別処理を実行するように構成され、そして、設定判定時間が、第1開閉弁及び第2開閉弁を開いて、湯水が排出されている洗浄空間に湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位が検出されるまでに要する時間よりも長い時間に設定されているから、第2開閉弁が開故障していると、乾燥用経過時間が設定判定時間よりも小さくなるため、第2開閉弁が開故障であることを適切に検出できる。
すなわち、給水路を開閉する第1開閉弁と洗浄槽用分岐路を開閉する第2開閉弁とを備えさせた場合において、第1開閉弁の開故障については、第1開閉弁が開故障すると、除湿用分岐路を通して湯水が洗浄空間に流動するため、洗浄処理、すすぎ処理、及び、乾燥処理等を実行しない運転停止中において、洗浄空間に湯水が貯留されることを検出することによって判定できることになる。
しかしながら、第2開閉弁が開故障しても、第1開閉弁が開故障しない限りは、運転停止中において、湯水が洗浄空間に貯留されることはなく、また、洗浄処理やすすぎ処理において、湯水の供給に伴って洗浄用水位が検出されることや、乾燥処理において、湯水の供給に伴って乾燥用排出水位が検出されることが適正通り行われるため、第2開閉弁の開故障を判定できないことになる。
そして、第2開閉弁の開故障が検出されないと、開故障した状態で第2開閉弁を放置することになり、洗浄槽用分岐路を通した洗浄空間への湯水供給の停止について、給水路に装備した第1開閉弁と洗浄槽用分岐路に装備した第2開閉弁とにより、2重に遮断することを適切に行うことができない不都合を生じることになるが、上述の開故障判別処理を実行することにより、第2開閉弁が開故障であることを適切に検出できるのである。
ちなみに、設定判定時間は、上述の如く、第1開閉弁及び第2開閉弁を開いて、湯水が排出されている洗浄空間に湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位が検出されるまでに要する時間よりも長い時間に設定されることになるが、それに加えて、第2開閉弁が開故障をしてない状態において、第1開閉弁を開きかつ第2開閉弁を閉じるようにして、湯水が排出されている洗浄空間に湯水の供給を開始した場合において、その開始時点から、乾燥用排出水位が検出されるまでに要する時間よりも短い時間に設定されることはもちろんである。
また、湯水が排出されている洗浄空間とは、洗浄用排水運転や乾燥用排水運転にて湯水が排出された直後の洗浄空間であることはもちろんである。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、湯水断続手段の構成の複雑化を抑制した状態で多量の水が無駄に消費されるのを抑制し、かつ、湯水断続手段の故障状態の検出を適切に行える食器洗浄機を提供できる。
本発明の第2特徴構成は、上記した第1特徴構成に加えて、
前記設定判定時間が、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開いて、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水を供給したときに前記乾燥用排出水位が検出されるまでの第1時間と、前記第2開閉弁が開故障でない状態において前記第1開閉弁を開きかつ前記第2開閉弁を閉じて、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水を供給したときに前記乾燥用排出水位が検出されるまでの第2時間との間の中央の時間に相当する時間に定められている点を特徴とする。
すなわち、除湿用分岐路を通した湯水の通流量が、例えば、0.15L/分等、定流量弁にて少量に制限されることになるため、第2開閉弁が開故障でない状態において第1開閉弁を開きかつ第2開閉弁を閉じて、湯水が排出されている洗浄空間に湯水を供給したときに乾燥用排出水位が検出されるまでの第2時間は、例えば360秒等、かなり長い時間である。
これに対して、洗浄槽用分岐路を通した湯水の通流量が、洗浄処理やすすぎ処理における作業効率を向上させることを目的として、例えば、5L/分等、多量となるように定められるため、湯水が排出されている洗浄空間に湯水を供給したときに乾燥用排出水位が検出されるまでの第1時間は、例えば11秒など、かなり短い時間になる。
そして、設定判定時間が、第1時間と第2時間との間の中央の時間に相当する時間に定められているから、給水路に湯水を供給する給水源の給水圧の変動等により、湯水が排出されている洗浄空間に湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位が検出されるまでの乾燥用経過時間が変動しても、第2開閉弁が開故障状態であることを、的確に判定することができる。
つまり、設定判定時間は、第1時間よりも長く、かつ、第2時間よりも短く設定することになるが、設定判定時間を、第1時間よりも少しだけ長い時間に定めると、給水路に湯水を供給する給水源の給水圧が低下した場合において、第2開閉弁が開故障していても、乾燥用経過時間が設定判定時間以下にならない虞があり、第2開閉弁が開故障状態であることを、的確に判定できないことになる。
また、設定判定時間を、第2時間よりも少しだけ短い時間に定めると、給水路に湯水を供給する給水源の給水圧が増加した場合において、第2開閉弁が開故障していなくても、乾燥用経過時間が設定判定時間以下になる虞があり、第2開閉弁が開故障状態であることを、的確に判定できないことになる。
本第2特徴構成によれば、設定判定時間を、第1時間と第2時間との間の中央の時間に相当する時間に定めるものであるから、給水路に湯水を供給する給水源の給水圧が低下した場合及び給水路に湯水を供給する給水源の給水圧が増加した場合においても、第2開閉弁が開故障状態であることを、的確に判定できるのである。
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、第2開閉弁の開故障状態を的確に判定できる食器洗浄機を提供できる。
本発明の第3特徴構成は、上記した第1又は第2特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記開故障判別処理にて前記第2開閉弁の開故障であると判断したときには、前記第2開閉弁が開故障であることを報知する開故障報知処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
すなわち、開故障判別処理によって第2開閉弁の開故障であると判断されると、第2開閉弁が開故障であることを報知する開故障報知処理が実行されることになる。
このように、第2開閉弁の開故障であると判定されると、第2開閉弁が開故障であることを報知する開故障報知処理が実行されることになるから、使用者は、第2開閉弁が開故障であることを認識して、メンテナンス業者等にメンテナンスコールを行って、第2開閉弁が開故障である異常を解消することになる。
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記した第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、第2開閉弁が開故障である異常を適切に解消できる食器洗浄機を提供できる。
本発明の第4特徴構成は、上記した第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記第2開閉弁が、弁筐を流路中に組み込んだ状態で、弁体部分を着脱できるように構成されている点を特徴とする。
すなわち、開故障状態である第2開閉弁を適正状態に補修する際に、第2開閉弁の弁筐を流路中に組み込んだ状態で、弁体部分を着脱しながら行うことができるため、第2開閉弁の補修作業を良好に行うことができる。
つまり、弁体部分を弁筐から離脱して、弁筐の弁座や、弁体部分の弁筐の弁座に接当する部分等に付着する異物を除去する作業を行うことや、弁体部分が故障しているときに、弁体部分を交換する作業等を、第2開閉弁の弁筐を流路中に組み込んだ状態のままで行うことができるため、第2開閉弁の補修作業を良好に行うことができる。
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記した第1〜第3特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、第2開閉弁の補修作業を良好に行うことができる食器洗浄機を提供できる。
食器洗浄機の斜視図 洗浄槽を収納した状態の切欠側面図 食器洗浄機の概略構成図 乾燥用空気の流動状態を示す概略斜視図 水位検出センサの切欠斜視図 湯水排出水位の検出状態の縦断側面図 洗浄用水位の検出状態の縦断側面図 異常水位の検出状態の縦断側面図 第2開閉弁の閉状態の縦断側面図 同弁の開状態の縦断側面図 制御構成を示すブロック図 制御作動を示すフローチャート 制御作動を示すフローチャート 制御作動を示すフローチャート 制御作動を示すフローチャート
〔実施形態〕
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、前面部が開口された本体ケース部としての本体部1が設けられ、平面視形状が四角状の洗浄槽Dを備えた引出し部2が、本体部1に対して、水平方向に沿って引出し及び収納自在に設けられて、食器洗浄機の一例としての引出し式の食器洗浄機が構成されている。
尚、例示はしないが、引出し部2を本体部1に対して移動自在に支持するスライド式レール機構が設けられており、引出し部2が、その大部分を本体部1の外方に露出させる状態に引き出すことができるように構成されている。
そして、引出し部2を本体部1に収納した状態において洗浄槽Dの上面部を閉塞する内蓋部3が、引出し部2を本体部1から引き出した状態では洗浄槽Dの上面部を開口するように、引出し部2の引き出し及び収納に伴って自動的に開閉される形態で設けられており、洗浄槽Dの内部空間にて、開閉自在な洗浄空間Qが構成されている。
引出し部2の前面部には、本体部1の前面部の開口を開閉する扉体Aが設けられ、その扉体Aには、引出し部2を本体部1から引き出すときや収納するときに把持するための把持部Bが設けられている。尚、詳述はしないが、把持部Bの内方側箇所には、引出し部2を本体部1に収納するに伴って本体部1の係止部Paに係合する係合手段Pが設けられており、この係合手段Pが係止部Paに係合することにより、引出し部2を本体部1に収納した状態に保持するようになっている。そして、係合手段Pは、引出し部2を本体部1から引き出すときに把持部Bを支持する手指にて、係合を解除する解除状態に操作できるようになっている。
また、扉体Aには、運転のための各種操作を行う操作部SSが設けられている。
図3に示すように、上水道等の給水源に接続された給水路4A、その給水路4Aから分岐される洗浄槽用分岐路4B、及び、給水路4Aから分岐される除湿用分岐路4Cが設けられている。
洗浄槽用分岐路4Bは、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に洗浄及びすすぎのための湯水を供給する給水口5(図2参照)に接続され、除湿用分岐路4Cは、洗浄槽Dの前側壁部Dfに装備される後述の除湿部Gに接続されている。
そして、給水路4Aを開閉する第1開閉弁V1と、洗浄槽用分岐路4Bを開閉する第2開閉弁V2と、除湿用分岐路4Cに装備されて、第1開閉弁V1及び前記第2開閉弁の開き状態において、その除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量が洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量よりも少なくなるように制限する定流量弁V3とが設けられ、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、及び、定流量弁V3から、給水口5への湯水供給の断続と前記除湿部Gへの湯水供給の断続とを行う湯水断続手段Eが構成されている。
つまり、洗浄空間Qに湯水を供給するときには、第1開閉弁V1、及び、第2開閉弁V2が開かれることになり、除湿部Gだけに湯水を供給するときには、第1開閉弁V1が開かれ、第2開閉弁V2が閉じられることになる。
尚、第2開閉弁V2には、洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量を、除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量(例えば、0.15L/分)よりも十分に大きいものの、過大になることを抑制した通流量(例えば、5L/分)に制御する定流量弁V4が、一体的に組み込まれる状態で装備されている(図9、図10参照)。
また、第1開閉弁V1、第2開閉弁V2、及び、定流量弁V3が、本体部1の背部側箇所に配設され、洗浄槽用分岐路4Bにおける第2開閉弁V2と給水口5とを接続する部分が、可撓性ホースR1にて構成され、除湿用分岐路4Cにおける定流量弁V3と除湿部Gとを接続する部分が、可撓性ホースR2にて構成されている。
ちなみに、給水路4Aにおける第1開閉弁V1の上手側箇所には、異物を濾過除去するフィルタVfが装備されている。
図2及び図3に示すように、引出し部2における洗浄槽Dの底部下方には、正転で洗浄用ポンプとして機能し、逆転で排水用ポンプとして機能する兼用ポンプ6が設けられ、洗浄槽Dの洗浄空間Qの内部には、洗浄用ノズル8や加熱手段としての電気式の加熱ヒータ9などが配置され、さらに、食器などの洗浄対象物を収納載置する洗浄かご10が、洗浄槽Dの内部に着脱自在に装着されている。
兼用ポンプ6は、洗浄槽Dの底部に形成した水貯留用凹部Sに、吸引管11にて接続され、かつ、この兼用ポンプ6には、排水管12が接続されている。
つまり、兼用ポンプ6は、正転状態においては、洗浄空間Qの底部に貯留した湯水を洗浄用ノズル8に圧送して、洗浄用ノズル8から湯水を噴出させることになり、また、逆転状態においては、排水管12を通して、洗浄空間Q内に貯留されている湯水を外部に排出することになる。
排水管12が、引き出し部2の背部に延びる状態で装備され、その排水管12の先端部と、本体部1の背部側箇所に配設された排水トラップ12Bとが、排水ホース12Aにて接続され、そして、排水トラップ12Bには、外部接続ホース12Cが接続されている。
したがって、外部接続ホース12Cが、食器洗浄機を設置する箇所に装備されている設置箇所の排水管に接続されることにより、洗浄空間Qの湯水を外部に排水できるようになっている。
また、図3に示すように、水貯留用凹部Sには、連通路としての案内管13を介して水位検出センサJが接続されている。
この水位検出センサJは、後述の如く、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2(図7参照)であること、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が、洗浄空間Qから大部分の湯水を排出した状態に相当して、加熱ヒータ9が露出する程度に低い湯水排出水位Y1a(図6参照)であること、洗浄槽D内に貯留される湯水が洗浄用水位Y2より設定量高い異常水位Y3(図8参照)であること、及び、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が、上記湯水排出水位Y1aよりも少し高くて、加熱ヒータ9が露出する程度に低い乾燥用排出水位Y1b(図6参照)を検出するように構成されている。
つまり、水位検出センサJは、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2であること、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2よりも低い湯水排出水位Y1aであること、及び、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が洗浄用水位Y2よりも低くかつ湯水排出水位Y1aよりも少し高い乾燥用排出水位Y1bであることを検出する水位検出手段、及び、洗浄槽Dの洗浄空間Q内に貯留される湯水の水位が異常水位Y3であることを検出する異常水位検出手段の夫々を構成することになる。
尚、本実施形態においては、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されるときには、洗浄空間Qには2.4L(リットル)の湯水が貯留され、乾燥用排出水位Y1bが水位検出センサJにて検出されたときには、洗浄空間Qには0.9L(リットル)に相当する湯水が貯留される状態となる。
また、図2に示すように、本体部1の底部には、漏水受止め用のドレンパン14が配備されており、例示はしないが、このドレンパン14にて受止め回収された水の存否を検出する漏水センサが装備されることになる。
図2及び図3に示すように、洗浄槽Dにおける洗浄空間Qを形成する4つの側壁部のうちの、機体前面側、つまり引出し部前面側に相当する前側壁部Dfには、乾燥ユニットKが取り付けられている。
つまり、前側壁部Dfには、図4にも示すように、乾燥ユニットKからの空気を洗浄空間Qに供給する空気供給口21、及び、乾燥ユニットKが洗浄空間Q内の空気を吸引する空気吸引口22が、洗浄空間Qの下位側に相当する箇所でかつ左右両側に離れた位置に形成されている。具体的には、空気供給口21及び空気吸引口22は、洗浄かご10よりも下方側でかつ上述の水貯留用凹部Sよりも上方側に位置するように形成され、そして、本実施形態においては、空気供給口21を右側に、且つ、空気吸引口22を左側に位置させている。
乾燥ユニットKは、図3に示すように、洗浄槽Dの前側壁部Dfに止着されるケーシング20の内部に、空気吸引口22と空気供給口21とに亘る通風経路Fを通して洗浄空間Qの空気を循環させる通風手段としての循環ファン23、及び、通風経路Fを通して循環される空気を除湿する上述の除湿部Gを備えて構成されている。
通風経路Fは、空気吸引口22から上方側に伸びる上昇経路部分f1とその上昇経路部分f1の上端部から空気供給口21に向けて下方側に伸びる下降経路部分f2とからなる逆U字状に形成されており、上昇経路部分f1に、除湿部Gが配設され、下降経路部分f2に、循環ファン23が配設されている。
除湿部Gは、複数枚の伝熱板24を板厚方向に沿って間隔を隔てて並置して、それら伝熱板24に向けて除湿用の湯水を噴出ノズル25から噴出することによって、複数枚の伝熱板24の間を通して上方に向けて流動する空気を、伝熱板24の表面を流下する除湿用水との接触及び伝熱板24の間を流下する除湿用水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿するように構成されている。
尚、噴出ノズル25から噴出された除湿用の湯水及び凝縮された湯水は、空気吸引口22を通して洗浄槽Dの洗浄空間Q内に流動して水貯留用凹部Sに貯留されることになる。
そして、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23を通風作動させ且つ噴出ノズル25から除湿用の湯水を噴出させることにより、洗浄空間Qから吸引した空気を除湿部Gにて除湿したのち、乾燥用の空気として洗浄空間Qに供給し、その供給された空気を電気式の加熱ヒータ9にて加熱することにより、洗浄空間Q内の洗浄対象物を乾燥する乾燥運転を行えるように構成されている。
また、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせることにより、洗浄空間Qから吸引した空気中の臭気成分を除湿部Gにて除湿用水に吸収させたのち、洗浄空間Qに供給することにより、洗浄空間Qを消臭する消臭運転を行えるように構成されている。
乾燥運転における空気の流れについて説明を加えると、図4に示すように、洗浄槽Dの前側壁部Dfに形成した空気供給口21から洗浄空間Qに供給される空気は、主たる流れとして、上昇しながら背部側に向けて流動し、その後、前側壁部Dfにおける下方側で且つ空気供給口21とは左右方向で離れた位置に形成した空気吸引口22に向けて下方側に移動しながら流動して、空気吸引口22から排出される形態で流れることになり、洗浄槽内における空気吸引口22が位置する側の下方側の部分にも、空気が流動し易いものとなるのである。
したがって、洗浄槽内の洗浄対象物の全体に空気を通流させて、洗浄対象物を効率良く乾燥することにより、乾燥時間の短縮化を図ることができるものとなる。
図3に示すように、引出し部2には、運転を制御する制御手段としての制御部Hが装備されている。
そして、この制御部Hが、図11に示すように、操作部SSにて入力される指令に基づいて、兼用ポンプ6を駆動する直流モータ6a、電気式の加熱ヒータ9、循環ファン23、及び、湯水断続手段Eの作動を制御して、洗浄槽Dの内部にて形成される洗浄空間Qの洗浄対象物を洗浄する洗浄処理としての洗浄運転、洗浄対象物のすすぎを行うすすぎ処理としてのすすぎ運転、洗浄槽Dの洗浄空間Qに貯留された湯水を排水する排水処理としての排水運転、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる乾燥処理としての乾燥運転、及び、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25からの除湿用の湯水の噴出作動を行わせる消臭処理としての消臭運転を行うように構成されている。
図11において、6Aは、兼用ポンプ6を駆動する直流モータ6aに印加する駆動電圧を調整する直流モータ駆動回路であり、直流モータ6aに印加する駆動電圧の正負の向きを、制御部Hから指令される回転方向指令に応じて設定し、かつ、直流モータ6aに印加する駆動電圧の大きさを、制御部Hから指令される指令電圧に調整するように構成されている。
つまり、直流モータ駆動回路6Aは、直流モータ6aに印加する駆動電圧の正負を切換えることにより、直流モータ6aを正転又は逆転状態で駆動し、かつ、正転駆動状態及び逆転駆動状態の夫々において、直流モータ6aに印加する駆動電圧の大きさを調整することにより、兼用ポンプ6の回転速度を変更できるように構成されている。
そして、本実施形態においては、制御部Hが、兼用ポンプ6の回転速度を検出する回転速度検出手段としての回転速度センサMの検出情報に基づいて、兼用ポンプ6を目標回転速度にて、正転及び逆転駆動すべく、直流モータ6aに供給する駆動電圧を比例積分制御により求めて、その駆動電圧を指令電圧として、直流モータ駆動回路6Aに指令する回転速度調整処理(以下、FB制御と略称)を実行するように構成されている。
ちなみに、制御部Hは、兼用ポンプ6を逆転駆動するときには、洗浄槽用分岐路4B及び除湿用分岐路4Cを通して洗浄槽Dの洗浄空間Qに供給される単位時間当たりの湯水供給量よりも単位時間当たりの排水量を多くする状態で兼用ポンプ6を作動させるように構成されている。
又、図11において、L1は、操作部SSに設けた警報ランプ、L2は、操作部SSに内蔵した警報ブザー、L3は、操作部SSに設けた表示部であり、これら警報ランプL1、警報ブザーL2、及び、表示部L3が、異常が発生したときに警報作動する警報手段Lとして機能することになる。ちなみに、表示部L3には、発生した異常の内容に対応するコードが表示されることになる。
尚、図11において、Nは、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されたことを検出する収納スイッチ、9Aは、加熱ヒータ9の駆動回路、23Aは、循環ファン23の駆動電圧を調整する循環ファン駆動回路である。
次に、制御部Hが実行する運転について説明を加える。
尚、操作部SSにより、洗浄運転、すすぎ運転、乾燥運転、消臭運転の順に運転させる連続運転コースや、乾燥運転のみ運転させる乾燥のみコースなど各種の運転コースを選択できるように構成され、さらに、連続運転コースとして、標準運転コース、念入り運転コース、スピーディ運転コース、快速運転コースを選択できるように構成されているが、本実施形態においては、連続コースの標準運転コースについてのみ説明する。
図12のフローチャートに基づいて、制御部Hの制御作動について説明する。
先ず、収納スイッチNにより、引出し部2が本体部1の収納位置に収納されることが検出され(#1)、操作部SSの電源スイッチがON操作され(#2)、運転コースの選択が行われ(#3)、操作部SSのスタートスイッチがON操作されると(#4)、選択された運転コースが実行されることになる。
以下、連続コースの標準運転コースが選択されて、操作部SSのスタートスイッチがON操作された場合であるとして、説明を続ける。
操作部SSスタートスイッチがON操作された後は、先ず、洗浄運転(#5)、その洗浄運転後の排水運転(#6)が実行され、次に、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が実行される。そして、すすぎ運転が2回終了したか否かが判別されて(#9)、2回終了していない場合には、すすぎ運転(#7)、そのすすぎ運転後の排水運転(#8)が再び実行される。
#9にて、すすぎ運転が2回終了したと判別した場合には、加熱すすぎ運転(#10)、その加熱すすぎ運転後の排水運転(#11)が実行され、引き続き、乾燥運転(#12)、消臭運転(#13)が順次実行される。
洗浄運転は、先ず、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開弁して、給水路4A及び洗浄槽用分岐路4Bを通して給水口5から洗浄空間Q内に湯水を供給することに加えて、除湿用分岐路4Cを通して除湿部Gに湯水を供給して、その除湿部Gから空気吸引口22を通して洗浄空間Q内に湯水を供給する。そして、洗浄空間Qの水位が洗浄用水位Y2に達したことが水位検出センサJにて検出されると、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じて、洗浄空間Qへの湯水の供給を停止する。
その後、兼用ポンプ6を正転作動させ且つ加熱ヒータ9を作動させて、洗浄水を洗浄用ノズル8から洗浄対象物に向けて噴出する洗浄動作を、設定された洗浄用運転時間が経過するまで行うことになる。
尚、使用者が操作部SSのスタートスイッチをON操作する前に洗浄用洗剤を洗浄槽D内に投入しておくことにより、洗剤を用いた洗浄を行うことができる。
洗浄運転後の排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動させ、洗浄槽D内の湯水を排水する排水動作を開始し、その後、洗浄排水用の設定時間(例えば、30秒)が経過するまで、排水動作を継続して行うことになる。
すすぎ運転は、上述の洗浄運転と同様に、洗浄空間Qに湯水を供給して、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されると、湯水の供給を停止することになる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物をすすぐことになるすすぎ動作を、設定されたすすぎ運転時間間が経過するまで行うことになる。
すすぎ運転後の排水運転は、洗浄運転後の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄槽D内の湯水を排水する排水動作を、洗浄排水用の設定時間(例えば、30秒)が経過するまで、継続して行うことになる。
加熱すすぎ動作は、上述の洗浄運転と同様に、洗浄空間Qに湯水を供給して、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2が検出されると、湯水の供給を停止することになる。
その後、兼用ポンプ6および加熱ヒータ9を作動させて、加熱ヒータ9にて加熱されたすすぎ水により洗浄対象物をすすぐようにするすすぎ動作を行うことになり、そして、図外の温度センサにより、すすぎ水の温度が仕上げ用設定温度(例えば、67℃)になると、加熱すすぎ動作を終了することになる。
加熱すすぎ運転後の排水運転は、洗浄運転後の排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて、洗浄排水用の設定時間(例えば、30秒)が経過するまで、継続して行うことになる。
ちなみに、以下の説明においては、洗浄運転後の排水運転、すすぎ運転後の排水運転、及び、加熱すすぎ運転後の排水運転を、洗浄用排水運転と呼称する。
乾燥運転は、電気式の加熱ヒータ9を加熱作用させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25から除湿用湯水を噴出する噴出作動を行わせることになり、その状態を設定乾燥処理時間(例えば、25分)が経過するまで継続させる。
そして、乾燥運転中において、水位検出センサJにて上述した乾燥用排出水位Y1bであることが検出されると、乾燥用排水運転を行うことになる。
この乾燥用排水運転は、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、乾燥排水用の設定時間(例えば、15秒)が経過するまで行うことになる。
消臭運転は、電気式の加熱ヒータ9を停止させた状態で、循環ファン23の通風作動及び噴出ノズル25から除湿用湯水を噴出する噴出作動を行わせることになり、その状態を消臭用設定時間(例えば、15分)が経過するまで行う。
そして、消臭運転中において、乾燥運転の場合と同様に、水位検出センサJにて乾燥用排出水位Y1bが検出されると、消臭用排水運転を行うことになる。
この消臭用排水運転は、乾燥用排水運転と同様に、兼用ポンプ6を逆転作動させて排水する排水動作を、水位検出センサJにて乾燥用排出水位Y1bが検出されてから消臭排水用の設定時間(例えば、15秒)が経過するまで継続して行うことになる。
ちなみに、制御部Hは、洗浄運転、すすぎ運転、乾燥運転、消臭運転等を実行しない運転停止状態において、水位検出センサJにて洗浄空間Q内の湯水の水位が乾燥用排出水位Y1bであることが検出されたときには、洗浄空間Qに貯留された湯水を排水すべく、兼用ポンプ6を設定時間(例えば、15秒)の間作動させる異常判別用排水処理を実行するように構成されている。
つまり、第1開閉弁V1が開故障状態となったときには、除湿用分岐路4Cを通して、湯水が洗浄空間Qに供給されることになり、また、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2が開故障状態となったときには、洗浄槽用分岐路4B及び除湿用分岐路4Cを通して、湯水が洗浄空間Qに不必要に供給されることになるが、異常判別用排水処理が実行されて、洗浄空間Qに供給された湯水が排出されることになる。
尚、このような異常が発生したときには、警報手段Lが作動されて、メンテナンスが促されることになる。ちなみに、表示部L3には、運転停止状態において、水位検出センサJにて洗浄空間Q内の湯水の水位が乾燥用排出水位Y1bであることが検出されたことを示すエラーコードが表示されることになる。
また、制御部Hは、洗浄運転やすすぎ運転において、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じ状態にしているときに、水位検出センサJにて異常水位Y3が検出されたときには、兼用ポンプ6を排水のために作動させる異常水位回避用の排水処理を実行するように構成されている。この異常水位回避用の排水処理は、水位検出センサJにて洗浄用水位Y2より低下した水位になったことが検出されるまで、兼用ポンプ6を作動させる形態で実行されることになる。
つまり、第1開閉弁V1が開故障状態となったときには、除湿用分岐路4Cを通して、湯水が洗浄空間Qに供給されることになり、また、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2が開故障状態となったときには、洗浄槽用分岐路4B及び除湿用分岐路4Cを通して、湯水が洗浄空間Qに不必要に供給されることになるが、異常水位回避用の排水処理が実行されて、洗浄空間Qに供給された湯水が排出されることになる。
尚、このような異常が発生したときには、警報手段Lが作動されて、メンテナンスが促されることになる。ちなみに、表示部L3には、洗浄運転やすすぎ運転において、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じ状態にしているときに、水位検出センサJにて異常水位Y3が検出されたことを示すエラーコードが表示されることになる。
本実施形態の食器洗浄機においては、図2及び図3に示すように、閉じた状態の洗浄空間Qの内部圧が機外圧となるように自動調整する圧力調整手段Wが設けられている。
すなわち、例えば、洗浄処理において、電気式の加熱ヒータ9を加熱させたときには洗浄空間Q内の温度はかなりの高温(例えば67℃)になる。その後、洗浄水が排出されて、すすぎ処理のためにすすぎ水が洗浄空間Qに供給され、そのすすぎ水が兼用ポンプ6の作動により洗浄用ノズル8より噴出されることになるが、そのすすぎ水の温度は低温(例えば13〜17℃)である。このため、低温のすすぎ水が洗浄用ノズル8から噴出されると、洗浄空間Q内の温度が急激に低下するものとなり、その結果、洗浄空間Q内の多量の空気が急激に収縮し、洗浄空間Qの内部圧が大きく減少しようとすることがあるが、このようなときには、圧力調整手段Wの作用によって、洗浄空間Qの内部圧が機外圧となるように自動調整されることになる。
圧力調整手段Wは、洗浄槽Dの後側壁部DRに形成した連通孔32を通して、洗浄槽D内の洗浄空間Qと連通して、洗浄空間Q内の圧力を調整するように構成されるものであるが、本実施形態においては、その詳細な構成についての説明は省略する。
尚、圧力調整手段Wには、結露水が生じることがあるが、その結露水が水位検出センサJを介して、洗浄槽Dに回収されるように構成されている。
次に、水位検出センサJについて、図5〜図8に基づいて説明する。
上述の案内管13にて洗浄槽D内の湯水が導入される水位検出用の湯水貯留槽40と、湯水貯留槽40の内部に装備されて、その湯水貯留槽40に貯留される湯水の水位に応じて昇降する水位検出用のフロート41と、フロート41の本体部41Aから上方に延びる軸部41Bを昇降自在に案内する案内部Uと、湯水貯留槽40の上端よりも上方側箇所に位置されて、フロート41の上下2つの昇降位置を検出する一対の第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2とが設けられている。
湯水貯留槽40は、横断面形状が4角形状の有底筒状に形成されるものであって、その底部には、上述した案内管13が接続される連結用筒部40Cが形成され、そして、上部に外嵌される蓋体42にて、その上方開口が覆われるようになっている(図5参照)。
ちなみに、湯水貯留槽40の上端側部分は、洗浄水受け入れ部40A、及び、圧力調整手段Wからの結露水を受け止める結露水受け部40Bが、外方に突出状態で設けられ、蓋体42が、洗浄水受け入れ用の貯留部40A及び結露水受け部40Bを覆う状態に形成され、そして、蓋体42における結露水受け部40Bを覆う部分には、圧力調整手段Wとの連結用の開口部Vkが形成されている。
尚、洗浄水受け入れ部40Aの機能については後述する。
フロート41の上下2つの昇降位置は、上述の洗浄用水位Y2を検出するための昇降位置(図7参照)と、上述の湯水排出水位Y1aを検出するための昇降位置(図6参照)とであり、第1水位検出部T1が、高位側の洗浄用水位Y2を検出する昇降位置にフロート41が位置することを検出し、第2水位検出部T2が、低位側の湯水排出水位Y1aを検出する昇降位置にフロート41が位置することを検出するように構成されている。
第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2が、フォトインタラプタ式の光センサを用いて構成され、第1水位検出部T1が、蓋体42の上部に突設した第1センサ取付け部42aに装着され、第2水位検出部T2が、蓋体42の上部に突設した第2センサ取付け部42bに装着されている。
尚、図5〜8においては、水位検出センサJの内部構造を示すために、湯水貯留槽40及び蓋体42の一部の記載が省略されている。そして、第1センサ取付け部42aは、蓋体42における記載が省略されている部分に装着されるものであるため、図示できないものであるが、図6において、2点鎖線(仮想線)にて示している。
また、蓋体42には、上述した異常水位を検出する異常水位検出用の電極43が、上端側を蓋体42の上方に位置させ、且つ、下端側を湯水貯留槽40内に突出させる状態で設けられている。
つまり、異常水位検出用の電極43は、湯水貯留槽40の水位が第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2のうちの高水位側の第1水位検出部T1にて検出される洗浄用水位Y2よりも設定量高くなったときに湯水貯留槽40に貯留される湯水にて導通される導通される状態で、蓋体42に装備されている(図8参照)。
フロート41の軸部41Bが、フロート41が複数の昇降位置のうちの低水位側の昇降位置に位置する状態において、つまり、湯水排出水位Y1aを検出するための昇降位置に位置する状態において、その上端部を湯水貯留槽40の上端よりも下方に位置させる長さに形成されている(図5、図6参照)。
そして、第1水位検出部T1及び第2水位検出部T2のうちの低水位側の第2水位検出部T2にて検出される被検出部44aを備えた揺動レバー44が、フロート41の軸部41Bの上端部に連係されて上下に揺動する状態で設けられている。
説明を加えると、揺動レバー44が、第2センサ取付け部42bに、横軸心X回りで上下揺動自在に枢支され、その横軸心Xの一端側部分が、上述の被検出部44aに形成され、横軸心Xの他端側部分が、軸部41Bとの連係部44bに形成されている。
この連係部44bは、二股状に形成されて、その連係部44bに、軸部41Bの上端が係合されるように構成されている。
つまり、軸部41Bの上端部であって、上端よりも下方側箇所には、左右一対の板状体41aが突設され、軸部41Bの上端には、外れ止め用の突起部41bが左右一対の板状体41aと同方向に突出する状態に形成されている。
そして、揺動レバー44の二股状の連係部44bが、外れ止め用の突起部41bと左右一対の板状体41aの間に挿入し、且つ、軸部41Bの上端が、二股状の連係部44bを貫通する状態となるように構成されている。
フロート41が上下の昇降位置のうちの高水位側の昇降位置に位置する状態において、つまり、フロート41が洗浄用水位Y2を検出する状態において、フロート41の軸部41Bが、その上端部を湯水貯留槽40の上端よりも上方に位置させる長さに形成されている(図7参照)。
そして、上述した一対の板状体41aのうちの、第1水位検出部T1の存在側に突出する1つが、第1水位検出部T1にて検出される被検出部として機能するように構成されている。
案内部Uが、軸部41Bの上端部に設けた一対の板状体41aのうちの、第1水位検出部T1にて検出される被検出部として機能するものとは異なる1つを、フロート41の昇降全範囲に亘って係合案内する案内溝として構成されている(図5参照)。
説明を加えると、湯水貯留槽40の上方開口を覆う蓋体42が、フロート41の軸部41Bの挿通箇所ほど低位となる状態で水貯留槽の上端よりも下方に突出する下向き凹入部分42A、及び、案内部形成用の上方突出部分42Bを備える状態に形成され、案内部Uが、蓋体42における凹入部分42A及び蓋体の上方突出部分42Bに亘る状態で形成されている。
尚、例示はしないが、一対の板状体41aのうちの、第1水位検出部T1にて検出される被検出部として機能する板状体41aを、フロート41の昇降方向に沿って係合案内する補助案内溝が備えられているが、この補助案内溝は、第1水位検出部T1の近くまでは存在するものの、被検出部として機能する板状体41aが第1水位検出部T1にて検出される箇所では存在しないものであるため、フロート41の昇降全範囲に亘ってフロート41を案内するものではない。
揺動レバー44は、湯水排出水位Y1aに相当する下方側位置に揺動したときに、蓋体42の上面にて受け止められるようになっているため、本実施形態の水位検出センサJは、その検出範囲の最低水位が、湯水排出水位Y1aに相当することになる。
このため、本実施形態の水位検出センサJは、洗浄空間Qの底部に湯水排出水位Y1aよりも少ない湯水が貯留された状態から、湯水排出水位Y1aよりも少し多い湯水が貯留されて、湯水排出水位Y1aを検出する状態から検出しない状態に変化することが、乾燥用排出水位Y1bを検出する状態に相当するように構成されている(図6参照)。
つまり、本実施形態の場合には、水位検出センサJが湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水排出水位Y1aを検出しない状態に変化することをもって、制御部Hが、乾燥用排出水位Y1bの湯水が貯留されたことを判別するように構成されている。
ちなみに、水位検出センサJの検出可能な範囲の最低水位を、湯水排出水位Y1aよりも低い水位となるように構成する場合には、水位検出センサJが、湯水排出水位Y1aを検出しない状態から湯水排出水位Y1aを検出する状態に変化することをもって、洗浄空間Qの底部に、乾燥用排出水位Y1bに相当する水位の湯水が貯留されたことを検出できることになる。この場合、湯水排出水位Y1aと乾燥用排出水位Y1bとは、同じ水位となる。
上述の洗浄水受け入れ部40Aについて説明を加えると、図3に示すように、排水運転を行うときに、排水管12を通流する湯水の一部が、分岐管12aを通して、水位検出センサJ側に分岐流動するように構成され、そして、分岐管12aが、洗浄水受け入れ部40Aに設けた管接続部40aに接続されている。
したがって、排水運転を行うときに、兼用ポンプ6にて排水される湯水の一部が洗浄水受け入れ部40Aに流動したのち、湯水貯留槽40の内部に吐出されることにより、湯水貯留槽40の壁面を洗浄できるように構成されている。
本実施形態の食器洗浄機は、上述の如く、洗浄運転、すすぎ運転、加熱すすぎ運転、洗浄用排水運転、乾燥運転、及び、消臭運転を行うことによって、洗浄対象物を洗浄及び乾燥するものであるが、上記した構成に加えて、下記の構成を備えるものである。
すなわち、制御部Hが、乾燥処理において、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでの乾燥用経過時間が、設定判定時間以下のときには、第2開閉弁V2の開故障であると判断する開故障判別処理を実行するように構成され、そして、設定判定時間が、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開いて、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでに要する時間(例えば、11秒)よりも長い時間(例えば、30秒)に設定されている。
ちなみに、湯水が排出されている洗浄空間Qとは、洗浄用排水運転や乾燥用排水運転により、洗浄空間Qの湯水が排出された状態を意味するものであり、以下の説明においても、同様である。
尚、設定判定時間は、第2開閉弁V2が開故障状態でないときに、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでに要する時間(例えば、360秒)よりも短い時間に設定することはもちろんである。
そして、制御部Hが、開故障判別処理にて第2開閉弁V2の開故障であると判定したときには、第2開閉弁V2が開故障であることを報知する開故障報知処理を実行するように構成されている。
この開故障報知処理は、上述した警報手段Lの警報ランプL1を点灯作動させ、且つ、警報ブザーL2を設定短時間の間作動させ、加えて、表示部L3にて、第2開閉弁V2が開故障であることを示すエラーコードを表示させることになる。
さらに、本実施形態においては、制御部Hが、洗浄処理及びすすぎ処理において、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでの湯水貯留経過時間が、第1設定時間以上でかつ第2設定時間以下のときには、第2開閉弁V2が閉故障であると判定する閉故障判別処理を実行するように構成され、また、閉故障判別処理において、湯水貯留経過時間が第2設定時間を経過しても、乾燥用排出水位Y1bが検出されないときには、第1開閉弁V1が閉じ故障であると判定するように構成されている。
上記第1設定時間は、第2開閉弁V2が閉故障でない状態において、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開いて、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでに要する第1予測時間(例えば、11秒)よりも大きく、かつ、第1開閉弁V1を開きかつ第2開閉弁V2を閉じて、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでに要する第2予測時間(例えば、6分)よりも小さな時間(例えば、50秒)に定められ、第2設定時間は、第2予測時間よりも大きな時間(例えば、8分)に定められている。
また、制御部Hが、食器洗浄機の設置時やメンテナンスの終了時等において電源が投入された基準時点から設定期間(例えば、10日)が経過する計測タイミングごとに、洗浄処理又はすすぎ処理を実行するときに、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開いて、湯水が排出されている洗浄空間に湯水の供給を開始してから、洗浄用水位Y2が検出されるまでの時間を計測して、第1計測値として更新記憶し、並びに、洗浄処理及びすすぎ処理を実行するごとに、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開いて、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、洗浄用水位Y2が検出されるまでの時間を計測して、第2計測値として更新記憶するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、第1計測値の更新記憶は、洗浄処理を実行するときにのみ行われる場合を例示するが、第1計測値の更新記憶を、洗浄処理及びすすぎ処理の夫々にて行うようにしてもよく、また、すすぎ処理を行うときにのみ行うようにしてもよい。
そして、制御部Hは、上述した閉故障判別処理にて第2開閉弁V2が閉故障であると判定したときに、第2開閉弁V2が閉故障であると判定したときの洗浄処理において計測した第2計測値を、第1計測値にて正規化し、その正規化した値が、第2開閉弁V2が閉故障であることを示す判定基準条件を満たすときには、第2開閉弁V2が閉故障であると確定し、かつ、判定基準条件を満たさないときには、第2開閉弁V2が閉故障ではなく、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであると判定するフィルタ詰まり判定処理を実行するように構成されている。
本実施形態においては、第1計測値を、第2開閉弁V2が閉故障であると判定したときの洗浄処理において計測した第2計測値にて除算した除算値を、上記の正規化した値として求め、その除算値が、判定基準条件としての判定基準値よりも小さいときには、判定基準条件を満たすとして、第2開閉弁V2が閉故障であると確定し、かつ、判定基準値以上のときには、第2開閉弁V2が閉故障ではなく、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであると判定するように構成されている。
つまり、第2開閉弁V2が閉故障でなく、給水路4AのフィルタVfに詰まりがない状態において洗浄空間Qに供給される湯水の量は、給水源の給水圧にて変動するものの、例えば、5L/分であるため、第1計測値は、例えば、30秒程度となる。
そして、第2開閉弁V2が閉故障である状態において洗浄空間Qに供給される湯水の量は、例えば、0.15/分であるため、第2開閉弁V2が閉故障である状態の第2計測値は、例えば、960秒程度となり、また、給水路4AのフィルタVfに詰まりがある状態において洗浄空間Qに供給される湯水の量は、詰まり具合により変化するものであるものの、仮に、2.4L/分であるとすると、第2計測値は、60秒となる等、第2開閉弁V2が閉故障である状態に較べて、かなり小さな値になるものである。
したがって、このような状況に基づいて、判定基準値として、例えば、30/500となる値として設定する等、第2開閉弁V2の閉故障と、給水路4AのフィルタVfの詰まりとを判別できる値に設定することにより、第2開閉弁V2が閉故障であるか、第2開閉弁V2が閉故障ではなく、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであるかを判定できるのである。
ちなみに、第2計測値を、第1計測値にて正規化するにあたり、第2計測値を第1計測値にて除算してもよく、そのように正規化した値が、第2開閉弁V2が閉故障であることを示す判定基準条件としては、第1計測値を第2計測値にて除算して正規化した場合と同様に、判定基準値を設定することになる。
そして、制御部Hが、閉故障判別処理の判定結果、及び、フィルタ詰まり判定処理の判定結果を報知する報知処理を実行するように構成されている。
この報知処理は、第2開閉弁V2が閉故障であるか、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであるか、第1開閉弁V1の閉故障であるかを報知するものであって、上述した警報手段Lの警報ランプL1を点灯作動させ、且つ、警報ブザーL2を設定短時間の間作動させ、加えて、表示部L3にて、第2開閉弁V2が閉故障であることを示すエラーコード、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであることを示すエラーコード、及び、第1開閉弁V1が閉故障であることを示すエラーコードを表示させることになる。
以下、制御部Hの洗浄運転の制御作動について、図13及び図14のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、洗浄空間Qに湯水を供給する湯水供給開始の処理が行われる(#20)。この湯水供給開始の処理は、上述の如く、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開弁して、給水路4A及び洗浄槽用分岐路4Bを通して給水口5から洗浄空間Q内に湯水を供給することに加えて、除湿用分岐路4Cを通して除湿部Gに湯水を供給して、その除湿部Gから空気吸引口22を通して洗浄空間Q内に湯水を供給することになる。
次に、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでの湯水貯留経過時間を計測するための第1タイマ、及び、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、洗浄用水位Y2が検出されるまでの時間を計測するための第2タイマの計測を開始させる処理が行われる(#21)。
その後、水位検出センサJが乾燥用排出水位Y1bを検出したか否かが判定され(#22)、乾燥用排出水位Y1bが検出されると、湯水貯留経過時間を計測するための第1タイマの計測作動が停止される(#23)。
引き続き、第1タイマにて計測された湯水貯留経過時間が、第1設定時間(例えば、50秒)以上でかつ第2設定時間(例えば、8分)以下である閉故障判別条件を満たすか否かが判定され(#24)、閉故障判別条件を満たすと判定された場合には、第2開閉弁V2が閉故障であることを示す第2開閉弁異常フラグをONにする処理が実行される(#25)。
そして、#25の処理を実行した後や、#24の処理にて、閉故障判別条件を満たさないと判定したときには、水位検出センサJが洗浄用水位Y2を検出したか否かを判別する処理に移行される(#29)。
#22にて、乾燥用排出水位Y1bが検出されていないと判定したときには、第1タイマにて計測された湯水貯留経過時間が第2設定時間(例えば、8分)を超えているか否かが繰り返し判定される(#26)。
そして、湯水貯留経過時間が第2設定時間を超えると、第1開閉弁V1が閉故障であるため、運転を非常停止する運転停止処理(#27)、及び、第1開閉弁V1が閉故障であることを報知する報知処理(#28)が順次実行される。
#27の運転停止処理は、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じ操作して、それ以後の運転を停止する処理であり、また、#28の報知処理は、警報手段Lを作動させて、第1開閉弁V1の閉故障であるかを報知するものであって、その詳細は、上述の通りであるので、ここでの説明は省略する。
#27の運転停止処理、及び、#28の報知処理は、例えば、操作部SSに装備した複数のスイッチのうちで、予め定めた2つを長押しする等により、リセット指令が指令されるまで継続されることになる。
つまり、使用者は、湯水漏れ報知処理にて漏水が発生した異常状態であることを認識すると、メンテナンス業者等にメンテナンスコールを行うことになり、その後、リセット指令を指令することになる。
ちなみに、第1開閉弁V1が閉故障する異常が発生した場合には、メンテナンス業者等によって、点検保守作業が行われたのち、そのメンテナンス業者等によって、制御部Hに対して復旧指令が指令されるまでは、制御部Hは、操作部SSの指令によって、洗浄乾燥運転を実行しないように構成されている。
#29にて、水位検出センサJが洗浄用水位Y2を検出したことが判別されると、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を閉じて、洗浄空間Qへの湯水の供給を停止する処理が実行され(#30)、引き続き、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、洗浄用水位Y2が検出されるまでの時間を計測するための第2タイマの計測作動を停止して、その計測値を、第2計測値として更新記憶する処理が実行される(#31)。
次に、第2開閉弁異常フラグがONであるか否かが判別され(#32)、ONでないと判別された場合には、基準時点から設定期間(例えば、10日)が経過した計測タイミングであるか否かが判別され(#33)、計測タイミングである場合には、第2タイマの計測値が、第1計測値として更新記憶されることになる(#34)。
#32にて、第2開閉弁異常フラグがONであると判別した場合には、フィルタ詰り判定処理(#35)、及び、報知処理(#36)が順次実行されることになる。
#35のフィルタ詰まり処理は、第2開閉弁V2が閉故障ではなく、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであるか否かを判定するものであって、その詳細は上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
#36の報知処理は、警報手段Lを作動させて、第2開閉弁V2が閉故障であるか、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであるかを報知するものであって、その詳細は上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
また、この#36報知処理は、例えば、操作部SSに装備した複数のスイッチのうちで、予め定めた2つを長押しする等により、リセット指令が指令されるまで継続されることになる。
つまり、使用者は、湯水漏れ報知処理にて漏水が発生した異常状態であることを認識すると、メンテナンス業者等にメンテナンスコールを行うことになり、その後、リセット指令を指令することになる。
#33にて、計測タイミングでないと判別されたときや、#34の第1計測値を更新記憶する処理又は#36の報知処理が実行された後は、兼用ポンプ6を目標回転速度にて正転駆動し、かつ、加熱ヒータ9を駆動することが開始される(#37)。つまり、加熱ヒータ9にて洗浄用の湯水を加熱しながら、洗浄用ノズル8から洗浄用の湯水を噴出することが行われる。
次に、洗浄運転を開始してからの経過時間が、設定した洗浄用運転時間に達したか否か、つまり、洗浄用運転時間が経過したか否かが判別され(#38)、洗浄用運転時間が経過している場合には、兼用ポンプ6及び加熱ヒータ9が停止され(#39)、その後、次の処理に移行する。
以上の通り、洗浄運転においては、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2が閉故障しているか否かが判定され、第2開閉弁V2が閉故障していると判定した場合には、第2開閉弁V2が閉故障ではなく、給水路4Aに装備したフィルタVfの詰まりであるか否かが判定されることになり、そして、第1開閉弁V1や第2開閉弁V2が閉故障しているときや、給水路4Aに装備したフィルタVfに詰まりを生じているときには、警報手段Lの作動により、メンテナンスを促すための報知処理が行われる。
そして、すすぎ処理としての、すすぎ運転及び加熱すすぎ運転においても、洗浄運転と同様に、故障判別や報知処理が行われるが、その内容は、洗浄運転における故障判別や報知処理と同様であるので、本書では、その記載を省略する。
次に、制御部Hの乾燥運転の制御作動について、図15のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、加熱ヒータ9及び循環ファン23の作動を開始し、且つ、除湿用湯水の供給を開始する処理が実行される(#41)。
引き続き、兼用ポンプ6が駆動中である乾燥用排水運転中であるか否かが判別され(#42)、乾燥用排水運転中でない場合には、乾燥運転の開始直後か、又は、乾燥用排水運転の終了直後であるか否かが判別される(#43)。
#43にて、乾燥運転の開始直後である、又は、乾燥用排水運転の終了直後であると判別した場合には、乾燥用経過時間を計測するための乾燥用経過時間用のタイマの計測が開始される(#44)。
#43にて、乾燥運転の開始直後や乾燥用排水運転の終了直後でないと判別した場合や、#44の処理を実行した後は、水位検出センサJが乾燥用排出水位Y1bを検出したか否かが判別される(#45)。
つまり、本実施形態では、水位検出センサJが、湯水排出水位Y1aを検出する状態から湯水排出水位Y1aを検出しない状態に変化したか否かが判別される。
#45にて、乾燥用排出水位Y1bでないことが判別された場合には、乾燥運転を開始してからの経過時間が設定乾燥処理時間を経過したか否かが判別され(#55)、設定乾燥処理時間が経過している場合には、加熱ヒータ9、循環ファン23、兼用ポンプ6の作動が停止され、且つ、除湿用湯水の供給が停止されて(#56)、次の運転に移行することになる。
また、#55にて、設定乾燥処理時間が経過していないと判別した場合には、#42の処理に移行する。
#45にて、乾燥用排出水位Y1bであることを判別した場合には、乾燥用経過時間用のタイマが計測作動中であるか否かが判別される(#46)。
#46にて、乾燥用経過時間用のタイマが作動中であると判別された場合には、そのタイマの計測作動を停止して、その計測値を、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、水位検出センサJにて乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでの乾燥用経過時間として、更新記憶する処理が実行される(#47)
ちなみに、乾燥用経過時間用のタイマは、#43にて、乾燥用排水運転の終了直後のみならず、乾燥開始直後であると判別した場合にも、その計測が開始されるものであるから、加熱すすぎ運転における洗浄用排水運転に引き続いて、乾燥運転が開始された直後においても、その計測が開始されることになる。
#47の処理の後は、乾燥用経過時間が、設定判定時間(例えば、30秒)以下であるか否かが判別され(#48)、乾燥用経過時間が設定判定時間以下である場合には、開故障報知処理が実行され(#49)、次に、#50に移行して、兼用ポンプ6を目標回転速度にて逆転駆動することが開始されることになる。
#49の報知処理は、警報手段Lを作動させて、第2開閉弁V2が開故障であることを報知するものであって、その詳細は上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
また、この#49の報知処理は、例えば、操作部SSに装備した複数のスイッチのうちで、予め定めた2つを長押しする等により、リセット指令が指令されるまで継続されることになる。
つまり、使用者は、報知処理にて第2開閉弁V2が開故障していることを認識すると、メンテナンス業者等にメンテナンスコールを行うことになり、その後、リセット指令を指令することになる。
#46にて、乾燥用経過時間用のタイマが作動中でないと判別された場合には、#50に移行して、兼用ポンプ6を目標回転速度にて逆転駆動することが開始されて、乾燥用排水運転が開始されることになるが、連続コースの標準運転コースが選択された場合等においては、通常、#45にて乾燥用排出水位であると判別されたときには、乾燥用経過時間用のタイマが作動中となるものであるから、#46の処理は省略してもよい。
#50にて、兼用ポンプ6が逆転駆動された後は、乾燥用排出水位Y1bから変化したか否かが判別される(#51)。つまり、本実施形態の場合には、水位検出センサJが、湯水排出水位Y1aを検出しない状態から湯水排出水位Y1aを検出する状態に変化したか否かが判別される。
#51にて、乾燥用排出水位Y1bから変化したと判別された場合には、その時点からの経過時間が乾燥排水用の設定時間(例えば、15秒)を経過しているか否かが判別されて(#53)、乾燥排水用の設定時間が経過していると、兼用ポンプ6が停止され(#54)、その後、#55の処理に移行する。
また、#51にて、乾燥用排出水位Y1bから変化したことが判別されない場合には、#55の処理に移行する。
#42にて、乾燥用排水運転中であると判別した場合には、乾燥用排出水位Y1bから変化したことが、既に判別されているか否かが判別される(#52)。
そして、既に乾燥用排出水位Y1bから変化していると判別したときには、#53の処理に移行し、未だ乾燥用排出水位Y1bから変化していないと判別したときには、#51の処理に移行することになる。
以上の通り、乾燥運転においては、第2開閉弁V2の開故障が判定されることになり、そして、第2開閉弁V2が開故障である場合には、警報手段Lの作動により、メンテナンスを促すための開故障報知処理が行われる。
上述の通り、本実施形態においては、第2開閉弁V2の開故障や閉故障が判定されて、故障が発生しているときには、警報手段Lの作動により、メンテナンスを促すための報知処理が実行されることになるが、本実施形態においては、第2開閉弁V2の点検保守作業を良好に行えるように構成されている。
すなわち、図9及び図10に示すように、第2開閉弁V2が、弁筐50を流路中に組み込んだ状態で、弁体部分50Aを着脱できるように構成されている。
説明を加えると、第2開閉弁V2は、洗浄槽用分岐路4Bに組み込まれる弁筐50と、その弁筐50に対して着脱される弁体部分50Aとから構成されている。
弁筐50の内部には、弁筐50の内部に設けられる弁座52よりも上流側となる上流側流路側部分51Aと、弁座52よりも下流側となる下流側流路部分51Cとを備える流路51が形成されている。
弁体部分50Aは、弁筐50の弁座52に接当する閉状態と弁座52から離間する開状態とに切換えられる弁体53と、その弁体53の背部側に形成されて、上流側流路部分51Aの流体が流入する背部側圧力室51Bと、弁操作体54とを備えている。
弁体53には、背部側圧力室51Bと下流側流路部分51Cとを連通する貫通孔53bが形成され、弁操作体54が、貫通孔53bを開閉操作するように構成されている。
弁体53は、上流側部分51Aに臨むように配設されて、上流側部分51Aの流体圧にて弁座52から離れる側に押圧されるよう構成され、且つ、弁体53の上流側流路部分51Aに臨む箇所には、上流側流路部分51Aの流体を背部側圧力室51Bに導くブリード孔53aが形成されている。
そして、弁操作体54が貫通孔53bを閉状態にしたときには、上流側流路部分51Aの流体が背部側圧力室51Bに流入して、弁体53が閉状態に操作され(図9参照)、逆に、弁操作体54が貫通孔53bを開状態にしたときには、上流側流路部分51Aの流体にて弁体53が開状態に操作されることなる(図10参照)。
つまり、弁操作体54が貫通孔53bを閉状態とするように操作されたときには、図9中において矢印にて示すように、ブリード孔53aを介して上流側流路部分51Aから背部側圧力室51Bに流体(湯水)が流入し、背部側圧力室51B内の流体圧が高くなって弁体53が弁座52に対して接当する閉状態となる。したがって、弁筐50内部における上流側流路部分51Aと下流側流路部分51Cとの間が閉止されて、湯水の供給が停止されることになる。
また、弁操作体54が貫通孔53bを開状態とするように操作されたときには、貫通孔53bを介して背部側圧力室51Bが下流側流路部分51Cと連通して、背部側圧力室51B内の流体圧が上流側流路部分51Aよりも低くなるため、弁体53が開状態に操作され、弁体53が弁座52に対して離間する開状態となる。したがって、図10中において矢印に示すように、弁筐50内部における上流側流路部分51Aと下流側流路部分51Cとが接続されて、湯水が供給されることになる。
つまり、第2開閉弁V2は、所謂パイロット弁方式に構成されている。
各部について説明を加えると、弁体53における弁座52と対向する部分には、弁座52と密着状に接当することになる弁座接当部53cが設けられ、弁操作体54の弁体53側の端部には、貫通孔53bに接当する接当部54bが設けられている。
弁操作体54を操作するソレノイド55が、貫通孔53bを閉じる状態側に向けて弁操作体54を復帰付勢するスプリング56の復帰付勢力に抗して、貫通孔53bを開く状態側に向けて弁操作体54を操作するように設けられている。
したがって、ソレノイド55に通電して弁操作体54を操作することにより、第2開閉弁V2を開状態に切換え、ソレノイド55の通電を停止することにより、第2開閉弁V2を閉じ状態に切換えるように構成されている。
ちなみに、弁筐50の上流側箇所には、除湿用分岐路4Cを通流する湯水の通流量よりも十分に大きな流量ではあるものの、洗浄槽用分岐路4Bを通流する湯水の通流量を設定量に制限する定流量弁V4が設けられ、また、定流量弁V4には、第2開閉弁V2に異物が流入することを阻止するフィルタ57が設けられている。
そして、例示する第2開閉弁V2の弁体部分50Aが、弁筐50に対して着脱自在にボルト連結される弁体ケーシング58に、弁体53、弁操作体54、ソレノイド55、スプリング56等を組付けた状態に構成されており、弁体ケーシング58を弁筐50に対して着脱しながら、第2開閉弁V2のメンテナンス作業を行えるように構成されている。
〔別実施形態〕
上記実施形態では、第2開閉弁V2の開故障を判別する設定判定時間が、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開いて、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水の供給を開始してから、乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでに要する時間(例えば、11秒)よりも長い時間として、例えば、30秒に設定する場合を例示したが、設定判定時間を、次に述べるように設定してもよい。
すなわち、設定判定時間を、第1開閉弁V1及び第2開閉弁V2を開いて、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水を供給したときに乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでの第1時間(例えば、11秒)と、第2開閉弁V2が開故障でない状態において第1開閉弁V1を開きかつ第2開閉弁V2を閉じて、湯水が排出されている洗浄空間Qに湯水を供給したときに乾燥用排出水位Y1bが検出されるまでの第2時間(例えば、360秒)との間の中央の時間(例えば、185.5秒)に相当する時間に定めるようにしてもよい。
ちなみに、上記第1時間及び第2時間は、予め実験により求めた時間を記憶させるようにしてもよいが、例えば、食器洗浄機を設置した際に試運転を行うようにして、計測させるようにしてもよい。
〔その他の別実施形態〕
次に、その他の別実施形態を列記する。
(イ)上記実施形態では、洗浄槽が本体ケース部に対して水平方向に沿って引き出し及び収納自在に設けられる引き出し式の食器洗浄機を例示したが、本体ケース部に洗浄槽が収納されて、本体ケース部の前面扉が開閉されることにより、洗浄槽の洗浄空間が開閉される形態の食器洗浄機についても、本発明は適用できるものである。
(ロ)上記実施形態では、排水ポンプを直流モータにて駆動する場合を例示したが、排水ポンプを交流モータにて駆動するようにしてもよく、この場合、例えば、洗浄ポンプを設定目標回転速度にて駆動すべく、交流モータに供給する駆動電力を位相制御により調整するようにするとよい。
(ハ)上記実施形態では、正転で洗浄ポンプとして機能し、逆転で排水ポンプとして機能する兼用ポンプを例示したが、洗浄ポンプと排水ポンプとを各別に備える形態で実施しても良い。
(ニ)水位検出手段としては、上記実施形態に記載の水位検出センサに代えて、種々の形態のものを適用できるものである。
4A 給水路
4B 洗浄槽用分岐路
4C 除湿用分岐路
5 給水口
6 排水ポンプ
9 加熱手段
21 空気供給口
22 空気吸引口
23 通風手段
D 洗浄槽
E 湯水断続手段
F 通風経路
G 除湿部
H 制御手段
J 水位検出手段
Q 洗浄空間
V1 第1開閉弁
V2 第2開閉弁
V3 定流量弁
Y2 洗浄用水位
Y1b 乾燥用排出水位

Claims (4)

  1. 洗浄槽の洗浄空間内に洗浄及びすすぎのための湯水を供給する給水口と、
    前記洗浄空間からの空気吸引口と前記洗浄空間への空気供給口とに亘る通風経路を通して通風手段にて循環される前記洗浄空間の空気を、除湿用の湯水との接触により冷却することにより、空気中の水分を凝縮させて除湿し、かつ、除湿処理後の湯水及び凝縮水を前記洗浄槽内に流動させるように構成された除湿部と、
    前記洗浄空間の空気を加熱する加熱手段と、
    前記給水口への湯水供給の断続と前記除湿部への湯水供給の断続とを行う湯水断続手段と、
    前記洗浄空間の底部から湯水を吸引して外部に排出する排水ポンプと、
    前記洗浄空間に貯留される湯水の水位が洗浄用水位であること及び前記洗浄用水位よりも低い乾燥用排出水位であることを検出する水位検出手段と、
    前記洗浄空間内の洗浄対象物を洗浄する洗浄処理、前記洗浄対象物をすすぐすすぎ処理、及び、前記洗浄対象物を乾燥する乾燥処理を実行する制御手段とが設けられ、
    前記制御手段が、
    前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において、前記洗浄用水位の湯水を前記洗浄空間内に貯留して洗浄及びすすぎを行うべく、前記水位検出手段の検出情報に基づいて前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記洗浄処理及び前記すすぎ処理の後で、前記洗浄空間内に貯留された湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる洗浄用排水運転を実行し、且つ、
    前記乾燥処理において、前記加熱手段にて前記洗浄空間の空気を加熱しながら、前記除湿用の湯水と前記通風経路を通過する空気とを接触させるべく、前記通風手段、前記加熱手段、及び、前記湯水断続手段を制御し、かつ、前記水位検出手段にて前記乾燥用排出水位が検出されると、その乾燥用排出水位の湯水を排出すべく、前記排水ポンプを作動させる乾燥用排水運転を繰り返すように構成された食器洗浄機であって、
    前記湯水断続手段が、給水源に接続された給水路を開閉する第1開閉弁と、前記給水路から分岐されて前記給水口に接続される洗浄槽用分岐路及び前記給水路から分岐されて前記除湿部に接続される除湿用分岐路のうちの、前記洗浄槽用分岐路を開閉する第2開閉弁と、前記除湿用分岐路に装備されて、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁の開き状態において、その除湿用分岐路を通流する湯水の通流量が前記洗浄槽用分岐路を通流する湯水の通流量よりも少なくなるように制限する定流量弁とから構成され、
    前記制御手段が、
    前記洗浄処理及び前記すすぎ処理において湯水を供給するときには、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開き、且つ、前記乾燥処理において湯水を供給するときには、前記第1開閉弁を開き、かつ、前記第2開閉弁を閉じるように構成され、且つ、
    前記乾燥処理において、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水の供給を開始してから、前記乾燥用排出水位が検出されるまでの乾燥用経過時間が、設定判定時間以下のときには、前記第2開閉弁の開故障であると判断する開故障判別処理を実行するように構成され、
    前記設定判定時間が、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開いて、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水の供給を開始してから、前記乾燥用排出水位が検出されるまでに要する時間よりも長い時間に設定されている食器洗浄機。
  2. 前記設定判定時間が、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開いて、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水を供給したときに前記乾燥用排出水位が検出されるまでの第1時間と、前記第2開閉弁が開故障でない状態において前記第1開閉弁を開きかつ前記第2開閉弁を閉じて、湯水が排出されている前記洗浄空間に湯水を供給したときに前記乾燥用排出水位が検出されるまでの第2時間との間の中央の時間に相当する時間に定められている請求項1記載の食器洗浄機。
  3. 前記制御手段が、前記開故障判別処理にて前記第2開閉弁の開故障であると判断したときには、前記第2開閉弁が開故障であることを報知する開故障報知処理を実行するように構成されている請求項1又は2記載の食器洗浄機。
  4. 前記第2開閉弁が、弁筐を流路中に組み込んだ状態で、弁体部分を着脱できるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
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