以下、図面を参照して一実施形態に係る食器洗浄機(洗浄機)1について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、説明の便宜のため、図1において、前後方向、左右方向、及び上下方向をそれぞれ設定した。
図1に示されるように、一実施形態に係る食器洗浄機1は、洗浄室2Aの前面にドア4が設けられたアンダーカウンタ式の洗浄機である。図1及び図2に示されるように、食器洗浄機1は、本体部2と、上側洗浄ノズル5と、上側濯ぎノズル6と、下側洗浄ノズル7と、下側濯ぎノズル8と、洗浄タンク9と、貯湯タンク18と、洗剤供給ポンプ32と、リンス剤供給ポンプ37と、を備えている。
本体部2は、ステンレス製のパネルにより形成されている。本体部2は、食器(被洗浄物)Dをセットしたラックを出し入れする開口部が前方に向かって開口している洗浄室2Aと、洗浄タンク9、貯湯タンク18、コントローラ(制御部)51等が設けられている機械室2Bと、に区画されている。本体部2の底面の四隅には、脚部3が取り付けられている。
本体部2には、洗浄室2A内に食器Dを出し入れするためのドア4が取り付けられている。洗浄室2A内には、ラックレール2Cが設けられ、このラックレール上に、食器Dが並べられた食器ラック(図示せず)が載置される。本体部2の前面におけるドア4の上部には、使用者が運転モード又は各種設定を入力するための操作パネル(報知部)2Dが設けられている。
上側洗浄ノズル5及び上側濯ぎノズル6は、洗浄室2Aの上部に設けられている。上側洗浄ノズル5は、放射状に延びる3本のアームを含んでおり回転自在に配置されている。上側濯ぎノズル6は、2本のアームを含んでおり回転自在に配置されている。下側洗浄ノズル7及び下側濯ぎノズル8は、洗浄室2Aの下部に設けられている。下側洗浄ノズル7は、放射状に延びる3本のアームを含んでおり回転自在に配置されている。下側濯ぎノズル8は、2本のアームを含んでおり回転自在に配置されている。
食器ラックに並べられた食器Dには、洗浄工程において上側洗浄ノズル5及び下側洗浄ノズル7によって上下から洗浄水が噴射され、濯ぎ工程において上側濯ぎノズル6及び下側濯ぎノズル8によって上下から濯ぎ水が噴射される。
洗浄タンク9は、洗浄室2Aの下方に配置されており、洗浄水を貯留する。洗浄タンク9には、洗浄水の水位を検知するための水位検知スイッチ10が設けられている。水位検知スイッチ10は、洗浄タンク9内の水位が定水位Hを超えている場合にONとなり、定水位H以下の場合にOFFとなるスイッチである。この水位検知スイッチ10は、洗浄タンク9の満水位よりも下方、かつ、洗浄水吸込管13よりも上方に取り付けられている。洗浄ポンプ14は、駆動中に空気を吸い込むと、いわゆるエア噛みを起こして洗浄ノズル5,7から洗浄水を噴射できなくなる。一実施形態では、水位検知スイッチ10が運転中にOFFになったときに食器洗浄機1の運転を停止することで、洗浄ポンプ14による空気の吸い込みを防止する。
洗浄タンク9内には、洗浄水を所定温度に維持するための洗浄水ヒータ9Aと、洗浄水の温度を検知するための洗浄水温度センサ9Bとが設置されている。洗浄水ヒータ9Aは、殺菌能力及び洗浄能力を向上させるために洗浄水を加熱する。洗浄水温度センサ9Bは、検知する洗浄水の温度をコントローラ51に出力する。洗浄水ヒータ9Aは、コントローラ51によって作動の制御がなされる(図3参照)。コントローラ51は、洗浄水温度センサ9Bが検知する水温に基づいて、洗浄水を所定温度に維持するように洗浄水ヒータ9Aの作動を制御する。
洗浄タンク9の側面には、洗浄水吸込管13を介して洗浄ポンプ14が接続されている。洗浄タンク9の洗浄水吸込管13が取り付けられた部分には、ポンプフィルタ12が設けられている。洗浄ポンプ14の吐出口には洗浄水吐出管15が接続されている。洗浄水吐出管15は、第一洗浄水吐出管16と第二洗浄水吐出管17とに分岐している。第一洗浄水吐出管16は、上側洗浄ノズル5に接続されている。第二洗浄水吐出管17は、下側洗浄ノズル7に接続されている。
洗浄タンク9には、上下方向に延びるオーバーフローパイプ11が設けられている。オーバーフローパイプ11の上端は、洗浄タンク9の上縁を僅かに超えて洗浄室2A内に位置しており、下端は洗浄タンク9の底面から外へ突出している。洗浄タンク9内の余剰な洗浄水は、オーバーフローパイプ11上端の流入孔から管内に流れ込んで外部に排出される。オーバーフローパイプ11は、洗浄タンク9に対して取り外し可能に構成されている。使用者がオーバーフローパイプ11を取り外すことで、オーバーフローパイプ11が差し込まれていた排水口が洗浄タンク9の底面に露出し、洗浄タンク9内の洗浄水を完全に排水することができる。
貯湯タンク18は、食器Dを濯ぐ水が貯留されるタンクである。貯湯タンク18には、外部の給湯器(図示せず)等の水源から給水管19Aを介して水が供給される。給水管19Aには、ストレーナ19Bが設けられている。給水管19Aにおけるストレーナ19Bの下流側には、ウォータバルブ(供給バルブ)20が設けられている。貯湯タンク18には、フロートスイッチ(検知部)22と、オーバーフローパイプ(排出部)21と、濯ぎ水ヒータ23Aと、濯ぎ水温度センサ23Bと、が設置されている。
フロートスイッチ22は、貯湯タンク18に貯留された水が、定水位(第一規定水位)にあること及び定水位H1よりも高い満水位(第二規定水位)H2にあることを検知するスイッチである。フロートスイッチ22は、浮子部と、浮子部を上下方向(貯湯タンク18の深さ方向)に沿って移動可能に支持するガイド部と、を有している。ガイド部は、定水位H1及び満水位H2に対応する箇所にそれぞれ設けられた接点を有している。これにより、水面位置に連動して移動する浮子部が定水位H1及び満水位H2に位置することを検知する。このような構成により、浮子部の位置が定水位H1以上になると接点がONとなり、浮子部の位置が定水位H1よりも低くなると接点がOFFとなる。また、浮子部の位置が満水位H2以上になると接点がONとなり、浮子部の位置が満水位H2よりも低くなると接点がOFFとなる。
ウォータバルブ20は、コントローラ51によって制御されている(図3参照)。例えば、コントローラ51は、フロートスイッチ22における定水位H1の検知と連動して弁を開閉し、貯湯タンク18に貯留される濯ぎ水の水位を一定に維持するように、ウォータバルブ20を制御する。また、コントローラ51は、自動修復モード(第一自動修復モード及び第二自動修復モード)において、開動作及び閉動作を少なくとも二回繰り返すようにウォータバルブ20を制御する。なお、自動修復モードについては、後段にて詳細に説明する。
オーバーフローパイプ21は、貯湯タンク18において満水位H2を超えた水を排出する。濯ぎ水ヒータ23Aは、濯ぎ水を所定温度に維持するためのヒータである。濯ぎ水温度センサ23Bは、濯ぎ水の温度を検知するためのセンサである。濯ぎ水ヒータ23Aは、殺菌能力を向上させるために濯ぎ水を加熱する。濯ぎ水温度センサ23Bは、検知する濯ぎ水の温度をコントローラ51に出力する。濯ぎ水ヒータ23Aは、コントローラ51によって作動の制御がなされる(図3参照)。コントローラ51は、濯ぎ水温度センサ23Bが検知する水温に基づいて、濯ぐ水を所定温度に維持するように濯ぎ水ヒータ23Aの作動を制御する。
貯湯タンク18には、濯ぎ水吸込管24を介して濯ぎポンプ25が接続されている。この濯ぎポンプ25の吐出口には濯ぎ水吐出管26が接続されている。濯ぎ水吐出管26は、第一濯ぎ水吐出管27と第二濯ぎ水吐出管28とに分岐している。第一濯ぎ水吐出管27は、上側濯ぎノズル6に接続されている。第二濯ぎ水吐出管28は、下側濯ぎノズル8に接続されている。
洗剤供給ポンプ32は、機械室2Bに配置されている。洗剤供給ポンプ32は、洗剤タンク33内に貯留された洗剤を洗浄室2Aに供給するためのベローズポンプである。洗剤供給ポンプ32は、洗浄室2Aの側壁に接続された洗剤吐出管34と接続され、信号線によりコントローラ51に接続されている。洗剤供給ポンプ32は、コントローラ51から出力される信号に応じて動作し(図3参照)、接続された洗剤吸込管35から洗剤タンク33内の洗剤を吸い込み、洗剤吐出管34へ所定量の洗剤を吐出する。この洗剤は、洗剤吐出管34の先端に設けられ、洗浄室2Aと洗剤吐出管34とを接続する洗剤吐出口36から洗浄室2A内に吐出される。洗浄室2A内に吐出された洗剤は、洗浄室2Aの下方の洗浄タンク9内に流れ込み洗浄水と混入される。
リンス剤供給ポンプ37は、機械室2Bに配置されている。リンス剤供給ポンプ37は、リンス剤タンク38内に貯留されたリンス剤を濯ぎ水路に供給するためのものである。リンス剤供給ポンプ37は、第一濯ぎ水吐出管27と連通するリンス剤吐出管39に接続され、信号線によりコントローラ51に接続されている。リンス剤供給ポンプ37は、コントローラ51から出力される信号に応じて動作し(図3参照)、接続されたリンス剤吸込管40からリンス剤タンク38内の洗剤を吸い込み、リンス剤吐出管39へリンス剤を吐出する。リンス剤は、リンス剤供給ポンプ37によってリンス剤吐出管39から濯ぎ水吐出管26内の濯ぎ水路へ吐出され、濯ぎ水に混入される。
コントローラ51は、機械室2Bに配置されている。コントローラ51は、食器洗浄機1における動作全般を制御する。コントローラ51は、電装ボックス50に内蔵されている。コントローラ51は、集積回路に実装されたコンピュータシステムあるいはプロセッサである。コントローラ51は、食器洗浄機1における各種動作を制御する部分であり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等、及び入出力インターフェース等から構成される。ROMには、各種プログラム又はデータが格納されている。
コントローラ51は、自動修復モードを実行する。本実施形態の自動修復モードには、第一自動修復モードと第二自動修復モードとがある。第一自動修復モードは、電源スイッチがONされた食器洗浄機1の稼働中に、ウォータバルブ20の閉弁不良に対する自動修復を試みる機能である。一方、第二自動修復モードは、洗浄コース又は濯ぎコースが開始され貯湯タンク18の水位が低下した場合に、第一自動修復モードに先んじてウォータバルブ20の閉弁不良に対する自動修復を試みる機能である。
コントローラ51は、フロートスイッチ22によって定水位H1が検知されると、ウォータバルブ20に閉弁信号を送信すると共に、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分(第一規定時間)を超えた場合に第一自動修復モード及び第二自動修復モードを実行する。
第一自動修復モードは、開閉制御と第一監視制御とを三回(第一規定回数)繰り返すモードである。開閉制御は、ウォータバルブ20の開動作及び閉動作を二回(少なくとも一回以上)繰り返すようにウォータバルブ20を制御する制御である。第一監視制御は、開閉制御後のフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分(第二規定時間)を超えるか否かを監視する制御である。
コントローラ51は、第一監視制御においてフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分を超えない場合に、フロートスイッチ22の閉弁不良が解消したと判定して、第一自動修復モードを解除する。一方、コントローラ51は、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分を超えた場合には、第一自動修復モードを継続し、次(N+1回目)の開閉制御を実行する。そして、コントローラ51は、三回目の第一監視制御において、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分を超えた場合に、ウォータバルブ20に異常が有ると判定する。コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有る旨を操作パネル2Dに表示させたり、ブザー(報知部)に警告音を発しさせたりする。
第二自動修復モードは、上述した開閉制御と第二監視制御とを三回(第二規定回数)繰り返すモードである。第二監視制御は、食器Dの濯ぎが開始されたことによりフロートスイッチ22による満水位H2の検知が一度なくなった後において、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分(第三規定時間)を超えるか否かを監視する制御である。
コントローラ51は、第二監視制御においてフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えない場合に、フロートスイッチ22の閉弁処理が解消したと判定して、第二自動修復モードを解除する。一方、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えた場合に、第二自動修復モードを継続し、次(N+1回目)の開閉制御を実行する。そして、コントローラ51は、三回目の第二監視制御において、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えた場合に、ウォータバルブ20に異常が有ると判定する。コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有る旨を操作パネル2Dに表示させたり、ブザーに警告音を発しさせたりする。
次に、食器洗浄機1の運転制御について説明する。食器洗浄機1では、食器Dの洗浄工程及び濯ぎ工程を1サイクルとする洗浄運転が行われる。洗浄運転では、まず洗剤を含む洗浄水で食器Dを洗浄する洗浄工程が行われ、その後にきれいな濯ぎ水で食器Dを濯ぐ濯ぎ工程が行われる。
食器洗浄機1は、電源スイッチがONされると、コントローラ51は、濯ぎポンプ25を作動させ、初期給湯を開始させる。初期給湯は、貯湯タンク18内の水を洗浄室2Aへ供給することにより、洗浄タンク9内へ水を供給する。そして、洗剤供給ポンプ32によって初期給湯量に合った量の洗剤が洗浄タンク9内へ供給されて、洗浄タンク9内の洗浄水の洗剤濃度が所定濃度となる。
洗浄運転について説明する。食器Dの洗浄は、洗浄タンク9内の洗浄水を洗浄室2A内に供給することにより行われる。洗浄ポンプ14が作動することにより、洗浄タンク9内に貯留された洗浄水は、洗浄水吐出管15等を介して上側洗浄ノズル5及び下側洗浄ノズル7に圧送されて、上側洗浄ノズル5及び下側洗浄ノズル7のそれぞれから洗浄室2A内の食器Dに向けて噴射される。この洗浄室2A内に噴射された洗浄水は、食器Dから洗い落とされた残菜等が図示しないフィルタによって取り除かれつつ洗浄タンク9内に回収される。さらに、ポンプフィルタ12等を介して洗浄ポンプ14によって洗浄タンク9内の水が取り込まれ、再び洗浄室2A内に供給される。上述の洗浄工程が所定時間行われると、コントローラ51は、洗浄ポンプ14を停止させる。
次に、コントローラ51は、濯ぎポンプ25を始動させ、食器Dの濯ぎを開始させる。食器Dの濯ぎは、貯湯タンク18内の濯ぎ水を洗浄室2A内に供給することにより行われる。濯ぎポンプ25が作動することにより、貯湯タンク18内に貯留された濯ぎ水は、第一濯ぎ水吐出管27及び第二濯ぎ水吐出管28を介して上側濯ぎノズル6及び下側濯ぎノズル8に圧送されて、上側濯ぎノズル6及び下側濯ぎノズル8のそれぞれから食器Dに向けて噴射される。濯ぎ工程では、リンス剤がリンス剤供給ポンプ37によって供給される。食器Dに噴射された濯ぎ水は、洗浄タンク9内に回収されて洗浄水と混ざり合い、次回の洗浄工程における洗浄水として使用される。洗浄タンク9内の余剰な洗浄水は、オーバーフローパイプ11から外部に排出される。このような濯ぎ工程が所定時間行われると、コントローラ51は、濯ぎポンプ25を停止させ、食器洗浄機1における洗浄運転の1サイクルの動作が完了する。
食器洗浄機1では、1サイクルの運転動作が終了した後、電源スイッチがOFFされると、一連の処理を終了する。一方、電源スイッチがOFFされず、運転開始信号の入力が検知されると、再び洗浄運転が実行される。洗浄運転は、操作パネル2Dのスタートスイッチを押されるか、又はドア4を閉めることによってスタートスイッチが自動でONされることによって開始される。また、洗浄運転中以外は、洗浄及び濯ぎが実行される洗浄コース又は濯ぎのみが実行される濯ぎコースの開始を受け付け可能な状態(受付待機中)となる。このようにして、食器洗浄機1では、電源スイッチがOFFにされるまで、断続的に洗浄運転が行われる。
本実施形態の食器洗浄機1では、食器洗浄機1の電源スイッチが投入され、洗浄運転が断続的に行われているとき、すなわち食器洗浄機1の稼働中に、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分(第一規定時間)を超えると、自動修復モードが実行される。本実施形態では、食器洗浄機1の稼働中に、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えると、上述した第一自動修復モード及び第二自動修復モードが開始される。以下、第一自動修復モード及び第二自動修復モードの処理の流れについて、図4及び図5を用いて説明する。
まず、第二自動修復モードについて説明する。第二自動修復モードでは、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分(第一規定時間)を超えると、図4に示されるように、Aカウンタのカウントが開始される(ステップS1)。次に、Aカウンタのカウントが3以上であるか否かが判定される(ステップS2)。
Aカウンタによるカウントが3(第二規定回数)未満である場合には(S2:NO)、ウォータバルブ20の開閉制御が実行される(ステップS3)。すなわち、ウォータバルブ20の開動作及び閉動作が、二回繰り返されるように制御される。次に、洗浄又は濯ぎが開始されるか否かを判定する(ステップS4)。なお、ここでいう洗浄又は濯ぎの開始とは、上述の洗浄コース又は濯ぎコースが開始されることを意味しており、ステップS4では、洗浄コース又は濯ぎコースの実行中に濯ぎが行われることによって、貯湯タンク18の水が減らされる動作が行われる否かが判定される(ステップS11においても同様)。ここで、洗浄又は濯ぎが開始される場合(S4:YES)には、フロートスイッチ22による定水位H1の検知がOFFとなるか否かを監視する(ステップS5)。ここで、洗浄又は濯ぎが開始されることにより、貯湯タンク18の水が濯ぎ工程に利用され定水位H1の検知がOFFとなった場合には、ウォータバルブ20が開制御され、貯湯タンク18に水が供給される(ステップS6:給水制御)。
貯湯タンク18に水が供給されると、フロートスイッチ22によって定水位H1が検知される。フロートスイッチ22に閉弁不良がなければ、ここで貯湯タンク18への水の供給は停止される。一方、フロートスイッチ22に閉弁不良があれば、そのまま貯湯タンク18への水の供給が継続され、フロートスイッチ22によって満水位H2の検知がなされる。このため、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えるか否かが監視される(ステップS7)。ここで、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えない場合には(S8:NO)、自動修復モードが終了される。すなわち、ウォータバルブ20の閉弁不良が解消したと判断して、自動修復モードを終了している。一方、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えた場合には(S7:YES)、ステップS1に戻り、Aカウンタによるカウントが一つ加算される。
このように、ステップS1〜S7の処理により、洗浄又は濯ぎを挟んで、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えるか否かが判定される。そして、洗浄又は濯ぎを挟んで、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えることが三回連続して発生する場合(S2:YES)、コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有ると判定する。そして、コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有る旨を操作パネル2Dに表示させたり、ブザーに警告音を発しさせたりする(ステップS9)。
次に、第一自動修復モードについて説明する。第一自動修復モードでは、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分(第一規定時間)を超え、ウォータバルブ20の開閉制御が実行された(ステップS3)後、ステップS4において洗浄又は濯ぎが開始されない場合(S4:NO)、又はステップS4において洗浄又は濯ぎが開始された場合であっても、貯湯タンク18の水が定水位H1を下回らない場合には(S5:NO)、図5に示されるように、ウォータバルブ20の開閉制御(ステップS3)後のフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分(第二規定時間)を超えるか否かが監視される(ステップS13:第一監視制御)。なお、ステップS4において洗浄又は濯ぎが開始された場合であっても、貯湯タンク18の水が定水位H1を下回らない場合とは、ウォータバルブ20に閉弁不良があり、濯ぎ工程に用いられる水量よりもウォータバルブ20から供給される水量が多い場合を示している。つまり、ステップS6の給水制御がなくても、貯湯タンク18に水が供給されていく状態を示している。
ここで、ステップS13による満水位H2の検知継続時間が20分を超えない場合には(S14:NO)、自動修復モードが終了される。一方、ステップS13による満水位H2の検知継続時間が20分を超える場合には(S14:YES)、Bカウンタのカウントが開始される(ステップS15)。次に、Bカウンタのカウントが3以上であるか否かが判定される(ステップS16)。Bカウンタによるカウントが3未満であり(S16:NO)、その後洗浄又は濯ぎが開始されない場合には(S11:NO)、第一自動修復モードが継続され、ウォータバルブ20の開閉制御が実行される(ステップS12)。次に、ウォータバルブ20の開閉制御(ステップS12)後のフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分(第二規定時間)を超えるか否かが監視される(ステップS13:第一監視制御)。以下、ステップS14〜ステップS16の処理は、前段にて説明したとおりである。
このように、ステップS11〜S16の処理により、20分ごとにウォータバルブ20の開閉制御がなされ、当該開閉制御によってウォータバルブ20の閉弁不良が解消したか否かが判定される。そして、20分ごとのフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分を超えることが三回連続して発生する場合(S16:YES)、コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有ると判定する。そして、コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有る旨を操作パネル2Dに表示させたり、ブザーに警告音を発しさせたりする(ステップS17)。
また、ステップS11において洗浄又は濯ぎが開始される場合(S11:YES)、図4に示されるステップS5に戻る。すなわち、第二自動修復モードに移行する。
次に、上記実施形態の食器洗浄機1の作用効果について説明する。一実施形態の食器洗浄機1では、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えた場合に第一自動修復モードに移行し、修復動作を実行するようにウォータバルブ20が制御される(ウォータバルブ20の開閉制御)。ウォータバルブ20は、例えば、異物の噛み込み等により一時的に閉弁不良が生じる場合があるが、本実施形態では、閉弁不良の発生が疑われる場合、すなわち、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えた場合、修復動作を実行するようにウォータバルブ20が制御され、閉弁不良の解消が試みられる。上記修復動作は、20分の間隔をあけて三回繰り返し実施されるので、閉弁不良を解消できる可能性を高めることができる。また、この第一自動修復モードは、排水弁等によって貯湯タンク18の水が排出される工程を経ることなく実行される。したがって、食器洗浄機1が稼働状態にあるときでも、ウォータバルブ20の閉弁不良に対する自動修復を試みることができる。
また、上記実施形態の食器洗浄機1では、貯湯タンク18からの溢水の原因として、ウォータバルブ20の閉弁不良以外にも、例えば、浮子部の一時的なひっかかりによってフロートスイッチ22に異常が発生した場合又は濯ぎポンプ25の一時的な不調等が考えられるが、20分の間隔をあけて三回繰り返し実施される間に、それらの異常が解消される可能性を高めることができる。
また、上記実施形態の食器洗浄機1では、修復動作が20分のインターバルをあけて繰り返されるので、その20分の間に閉弁不良の解消の有無を確認することができる。更に、上記修復動作を20分のインターバルをあけて三回繰り返しても(1時間が経過しても)閉弁不良を解消できていない場合には、コントローラ51がその旨を判定する。そして、操作パネル2D及び/又はブザーを介して作業者等にその旨が報知されるので、オーバーフローパイプ21から無駄に水が排出されてしまうことを抑制できる。
また、上記実施形態の食器洗浄機1では、上記のような開閉制御を実行した後、洗浄又は濯ぎが実施されることによって、フロートスイッチ22による満水位H2の検知は一時的に非検知となることがある。上述したように、貯湯タンク18からの溢水の原因はウォータバルブ20の閉弁不良以外にも考えられるが、フロートスイッチ22による満水位H2の検知が非検知になるということはフロートスイッチ22及び濯ぎポンプ25は正常であると判断でき、貯湯タンク18からの溢水の原因がウォータバルブ20の閉弁不良であることが特定できる。本実施形態では、このような場合には第二自動修復モードに移行し、第一自動修復モードでは20分に1回実行される上記開閉制御が、ステップS7のタイミングで実行されるようになる。このため、20分よりも短い間隔で上記開閉制御が繰り返されるようになり、ウォータバルブ20における閉弁不良の自動修復を迅速に実行できる。
また、上記実施形態の食器洗浄機1では、修復動作が洗浄又は濯ぎを挟んで繰り返され、その後の第二監視制御の1分の間に閉弁不良の解消の有無を確認することができる。更に、上記修復動作を三回繰り返しても閉弁不良を解消できていない場合には、コントローラ51がその旨を判定する。そして、操作パネル2D及び/又はブザーを介して作業者等にその旨が報知されるので、オーバーフローパイプ21から無駄に水が排出されてしまうことを抑制できる。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
上記実施形態では、Aカウンタ及びBカウンタの両方をカウントする例を挙げて説明したが、例えば、第一自動修復モードのみを起動させ、Bカウンタのみをカウントしてもよい。すなわち、変形例に係る食器洗浄機1では、洗浄コース又は濯ぎコースの実行の有無に関係なく、ウォータバルブ20の閉弁不良に対する自動修復を試みる。この場合も、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分(第一規定時間)を超えたことが検知されると、自動修復モード(第一自動修復モード)が実行される。以下、変形例に係る自動修復モードについて図6を用いて説明する。
まずは、ウォータバルブ20の開閉制御が実行される(ステップS21)。すなわち、ウォータバルブ20の開動作及び閉動作が、二回繰り返されるように制御される。次に、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分(第二規定時間)を超えるか否かを監視する監視制御が実行される(ステップS22:第一監視制御)。ここで、ステップS22による満水位H2の検知継続時間が20分を超えない場合には(S23:NO)、自動修復モードが終了される。一方、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えた場合には(S23:YES)、Bカウンタのカウントが開始される(ステップS24)。次に、Bカウンタのカウントが3以上(第一規定回数以上)であるか否かが判定される(ステップS25)。Bカウンタによるカウントが3未満である場合には(S25:NO)、第一自動修復モードが継続され、再度、ウォータバルブ20の開閉制御が実行される(ステップS21)。すなわち、最初のウォータバルブ20の開閉制御から20分後に、二回目のウォータバルブ20の開閉制御がなされる。以下、ステップS22〜ステップS25の処理は、前段にて説明したとおりである。
このように、ステップS21〜S25の処理により、20分ごとにウォータバルブ20の開閉制御がなされ、当該開閉制御によってウォータバルブ20の閉弁不良が解消したか否かが判定される。そして、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分を超えることが三回連続して発生する場合(S25:YES)、コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有ると判定する。そして、コントローラ51は、ウォータバルブ20に異常が有る旨を操作パネル2Dに表示させたり、ブザーに警告音を発しさせたりする(ステップS26)。
上記変形例の説明では、ステップS21〜S25の処理の間に洗浄又は濯ぎが実行されることを明示しなかったが、ステップS21〜S25の処理の間に洗浄又は濯ぎが実行された場合であっても、上記実施形態のように第二自動修復モードに移行することなく、ステップS21〜S25の処理が実行される。
変形例に係る食器洗浄機1においても、閉弁不良の発生が疑われる場合、すなわち、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えた場合、修復動作を実行するようにウォータバルブ20が制御され、閉弁不良の解消が試みられる。上記修復動作は、20分の間隔をあけて三回繰り返し実施されるので、閉弁不良を解消できる可能性を高めることができる。また、この第一自動修復モードは、排水弁等によって貯湯タンク18の水が排出される工程を経ることなく実行される。したがって、食器洗浄機1が稼働状態にあるときでも、ウォータバルブ20の閉弁不良に対する自動修復を試みることができる。
<その他の変形例>
上記実施形態及び変形例では、ウォータバルブ20の修復動作(ウォータバルブ20の開閉制御)として、開動作及び閉動作を二回繰り返す例を挙げて説明したが、例えば、開動作及び閉動作を一回実行してもよいし、三回以上実行(繰り返し)てもよい。
また、上記実施形態及び変形例では、第一自動修復モード又は第二自動修復モードを実行するための条件として、フロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分とする例を挙げて説明したが、当該継続時間(第一規定時間)は、一分未満の時間であってもよいし、一分より長い時間であってもよい。
また、第一自動修復モードにおける第一監視制御では、開閉制御後のフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が20分を超えるか否かを監視する例を挙げて説明したが、その時間(第二規定時間)は、20分未満であってもよいし、20分よりも長くてもよい。また、第一自動修復モードでは、開閉制御と第一監視制御とを三回繰り返す例を挙げて説明したが、その回数(第一規定回数)は二回以下であってもよいし、四回以上であってもよい。
また、第二自動修復モードにおける第二監視制御では、開閉制御後のフロートスイッチ22による満水位H2の検知継続時間が1分を超えるか否かを監視する例を挙げて説明したが、その時間(第三規定時間)は、1分未満であってもよいし、1分よりも長い時間であってもよい。また、第二自動修復モードでは、開閉制御と第二監視制御とを三回繰り返す例を挙げて説明したが、その回数(第二規定回数)は二回以下であってもよいし、四回以上であってもよい。
上記実施形態及び変形例は、上述したようなオーブンのように洗浄機本体の前面側にドアが設けられたタイプの食器洗浄機1に適用するだけでなく、例えば、ドアが上下に開閉するタイプの食器洗浄機等にも適用することができる。
上記実施形態及び変形例は、貯湯タンク18が機械室2Bに配置されている例を挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、本発明は、機械室2Bの内部に貯湯タンク18が設けられないで、機械室2Bの外側にガスブースタ又は電気ブースタとして設けられ、当該ガスブースタ又は電気ブースタから洗浄室に水を供給する構成の食器洗浄機に適用されてもよい。
本願発明は、上記実施形態及びその他の変形例を適宜組み合わせてもよい。