JPWO2016166779A1 - ダイカスト用アルミニウム合金およびこれを用いたアルミニウム合金ダイカスト - Google Patents

ダイカスト用アルミニウム合金およびこれを用いたアルミニウム合金ダイカスト Download PDF

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Abstract

機械的性質の向上効果を発揮できる割合でCuを含有しているにもかかわらず、耐食性を著しく悪化させることがなく、自動車の重要保安部品などに好適なダイカスト用アルミニウム合金と、当該合金でダイカストされたアルミニウム合金ダイカストとを提供する。
すなわち、本発明は、重量%で、0.03%<Cu≦0.7%、6.0%<Si≦11.0%、0.15%≦Mg≦0.50%、0.05%≦Fe≦0.6%、0.05%≦Ti≦0.25%、Mn≦0.8%、0.10%≦Cr≦0.40%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなることを特徴とするダイカスト用アルミニウム合金である。

Description

本発明は、機械的特性と耐食性とに優れたダイカスト用アルミニウム合金および当該合金を利用したアルミニウム合金ダイカストに関する。
アルミニウム合金は、軽量であると共に、成形性や量産性に優れることから、自動車や産業機械、航空機、家庭電化製品その他各種分野において、その構成部品素材として広く使用されている。
このうち、自動車用途においては、車体の軽量化やそれに伴う省燃費を目的に、ボディや足回り部品などへのアルミニウム合金ダイカストの適用が拡大している。このように近年、アルミニウム合金を用いた部品が数多く採用されて来ているが、その一方で、これらの部品の多くは重要保安部品であるため、耐力や延性と言った機械的性質のみならず、必要耐用年数や使用環境などの観点から、長期間の使用に耐え得るだけの耐食性が要求される。このため、既存合金では、かかる部品に要求される機械的特性は充足できるものの、耐食性を満足できない事態が生じ始めている。
そこで、そのような問題を解決する技術の一つとして、例えば、下記の特許文献1には、自動車のホイール(車輪)などの安全構成要素に好適な材料として、9.5〜11.5重量%の珪素,0.1〜0.5重量%のマグネシウム,0.5〜0.8重量%のマンガン,最大0.15重量%の鉄,最大0.03重量%の銅,最大0.10重量%の亜鉛,最大0.15重量%のチタンを含み、残部がアルミニウム及び永続的微粒化剤としての30〜300ppmのストロンチウムで構成されたダイカスト用アルミニウム合金が開示されている。
この技術によれば、電池作用によってアルミニウム合金を腐食させるCuの含有割合を最大で0.03重量%に抑えているので、高い耐食性を有するダイカスト用アルミニウム合金を提供することができる。
特許第3255560号公報
しかしながら、耐食性を向上させるため、上述のようにCuの含有割合を制限すれば、実質的にスクラップ原料の使用が不可能となり、アルミニウム合金を経済的に製造できなくなるばかりでなく、循環型社会を構築する上での律速となる。また、Cuはアルミニウム合金に対して引張強さや0.2%耐力と言った機械的性質を向上させる効果を有しているが、Cuの含有割合を0.03重量%以下に制限すれば、かかる効果も期待できなくなる。
それゆえに、この発明の主たる課題は、機械的性質の向上効果を発揮できる割合でCuを含有しているにもかかわらず、耐食性を著しく悪化させることがなく、自動車の重要保安部品などに好適なダイカスト用アルミニウム合金と、当該合金でダイカストされたアルミニウム合金ダイカストとを提供することである。
本発明における第1の発明は、「重量%で、0.03%<Cu≦0.7%、6.0%<Si≦11.0%、0.15%≦Mg≦0.50%、0.05%≦Fe≦0.6%、0.05%≦Ti≦0.25%、Mn≦0.8%、0.10%≦Cr≦0.40%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなる」ことを特徴とするダイカスト用アルミニウム合金である。
この発明では、Cuを0.03重量%超から0.7重量%以下の範囲内で含有させることができるので、リサイクル原料の使用が可能となるのに加え、特に引張強さや0.2%耐力と言った機械的性質を向上させることができる。また、上記範囲内でのCuの含有に併せて、Crを0.10重量%以上で且つ0.40重量%以下含有するようにしているので、耐食性の悪化を防止することができる。
以上のように、本発明では、7種類の元素成分を所定の割合で含有させるだけで、それらの相互的作用により、鋳造性や機械的性質のみならず、耐食性にも優れたダイカスト用アルミニウム合金のインゴットを安全且つ簡便に製造することができる。
なお、本発明のダイカスト用アルミニウム合金では、Na,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種を30〜200ppm添加することや、Sbを0.05〜0.20重量%添加するのが好ましい。こうすることにより、共晶Siの粒子を細かくすることができ、アルミニウム合金の靱性や強度をより一層向上させることができる。
また、Bを1〜50ppm添加することも好ましい。こうすることにより、特にSi量が少ない場合や冷却速度の遅い鋳造方法を用いる場合であってもアルミニウム合金の結晶粒を微細化させることができ、その結果、当該アルミニウム合金の伸びを向上させることができる。
本発明における第2の発明は、上記第1の発明に記載のダイカスト用アルミニウム合金でダイカストされたことを特徴とするアルミニウム合金ダイカストである。
本発明のダイカスト用アルミニウム合金でダイカストされたアルミニウム合金ダイカストは、鋳造性よく量産できると共に、引張強さや硬さと言った機械的特性のみならず耐食性にも優れているため、例えば自動車の重要保安部品などの用途に最適である。
本発明によれば、機械的性質の向上効果を発揮できる割合でCuを含有しているにもかかわらず、耐食性を著しく悪化させることがなく、自動車の重要保安部品などに好適なダイカスト用アルミニウム合金と、当該合金でダイカストされたアルミニウム合金ダイカストとを提供することができる。
ダイカスト用アルミニウム合金におけるCuの含有割合と機械的性質との関係を示すグラフである。 ダイカスト用アルミニウム合金におけるCu及びCrの含有割合と耐食性との関係を示すグラフである。 ダイカスト用アルミニウム合金におけるTiの含有割合と機械的性質との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について具体例を示しながら詳述する。
本発明のダイカスト用アルミニウム合金(以下、単に「アルミニウム合金」とも云う。)は、重量%で、0.03%<Cu(銅)≦0.7%、6.0%<Si(ケイ素)≦11.0%、0.15%≦Mg(マグネシウム)≦0.50%、0.05%≦Fe(鉄)≦0.6%、0.05%≦Ti(チタン)≦0.25%、Mn(マンガン)≦0.8%、0.1%≦Cr(クロム)≦0.4%を含有し、残部がAl(アルミニウム)と不可避不純物とで大略構成されている。以下、各元素の特性について説明する。
Cu(銅)は、アルミニウム合金の耐摩耗性や機械的強度や硬さを向上させるために重要な元素である。
アルミニウム合金全体の重量に対するCuの含有割合は、上述したように0.03重量%超で且つ0.7重量%以下の範囲内であることが好ましい。Cuの含有割合が0.03重量%以下の場合には、上述の機械的性質改善効果を得ることができなくなり、逆に、Cuの含有割合が0.7重量%を超える場合には、耐食性の著しい低下、伸びの低下、比重の増大、原材料コストの増加と言った問題が生じるようになるからである。
なお、得られるアルミニウム合金に特に高い耐食性が必要な場合には、このCuの含有割合を0.03重量%超〜0.2重量%以下の範囲内にするのが好ましい。
Si(ケイ素)は、アルミニウム合金溶融時における流動性の確保し、鋳造性を向上させる重要な元素である。
アルミニウム合金全体の重量に対するSiの含有割合は、上述したように6.0重量%以上で且つ11.0重量%以下の範囲内であることが好ましい。Siの含有割合が6.0重量%未満の場合には、溶湯の流動性を確保することが難しく、一般的に多用されている通常のダイカストでの成形を考えた場合、大型部品への適用の妨げになり、逆に、Siの含有割合が11.0重量%を超える場合には、合金の伸びが低下するようになるからである。
Mg(マグネシウム)は、主としてアルミニウム合金中のAl母材に固溶した状態又はMgSiとして存在し、アルミニウム合金に耐力および引張強さを付与する一方で、過大量の含有により鋳造性や耐食性に悪影響を及ぼす成分である。
アルミニウム合金全体の重量に対するMgの含有割合は、上述したように0.15重量%以上で且つ0.5重量%以下の範囲であることが好ましい。Mgの含有割合が0.15重量%未満の場合には、上述の効果を十分に得ることができなくなり、逆に、Mgの含有割合が0.5重量%を超える場合には、合金の伸びや耐食性が低下するようになるからである。
Fe(鉄)は、ダイカスト時の焼付き防止効果を有することが知られている。しかしながら、このFeは、Al-Si-Feからなる針状晶を晶出し、アルミニウム合金の靱性を低下させると共に、大量に添加すると適温での溶解を困難にする。
アルミニウム合金全体の重量に対するFeの含有割合は、上述したように0.05〜0.6重量%の範囲内であることが好ましい。Feの含有割合が0.05重量%未満の場合には、ダイカスト時の焼付き防止効果が十分ではなく、逆に、Feの含有割合が0.6重量%より多い場合にも、上記焼付き防止効果は十分なものになるが、当該合金の靱性が低下すると共に溶解温度が上昇して鋳造性が悪化するようになるからである。
Ti(チタン)は、結晶粒を微細化させる効果を有しており、一般的には鋳造割れの抑制や機械的性質のうち特に伸びを向上させることができる元素であると言われている。
アルミニウム合金全体の重量に対するTiの含有割合は、0.05重量%以上で且つ0.25重量%以下の範囲内であることが好ましい。Tiの含有割合が0.05重量%未満の場合には、アルミニウム合金中の結晶粒を微細化するのが困難となり、逆に、Tiの含有割合が0.25重量%を超える場合には、アルミニウム合金の溶解が難しくなり、溶け残りの生じる可能性が出てくるからである。
なお、本発明成分のアルミニウム合金では、後述するように、その成分組成の相互的作用により、Tiの含有割合が概ね0.25重量%以下の範囲内において、Tiの含有割合が増えるに伴って、アルミニウム合金の引張強さ及び0.2%耐力が向上する一方、伸びについてはほとんど影響がないことが新たな知見として見出された。
Mn(マンガン)は、上述したFeと同様に、主としてダイカスト時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止するためのものである。このMnもFeと同様に、大量に含有させると適温での溶解が困難になることから、本発明では、アルミニウム合金全体の重量に対するMnの含有割合を0.8重量%以下に抑えている。
なお、このMnの含有割合の下限については特に限定する必要はないが、上記焼付き防止効果を顕著に発揮させるためには、Mnを0.2重量%以上含有させるのが好ましい。
Cr(クロム)は、上述したFeやMnと同様に、ダイカスト時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止するのに加え、合金の耐食性を向上させる効果を有する元素である。
アルミニウム合金全体の重量に対するCrの含有割合は、上述したように0.1重量%以上で且つ0.4重量%以下の範囲内であることが好ましい。Crの含有割合が0.1重量%未満の場合には、上述の効果を十分に得ることができなくなり、逆に、Crの含有割合が0.4重量%を超える場合には、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
以上の含有割合に従って、Cu,Si,Mg,Fe,Ti,Mn及びCrの含有割合を調整すると、安全性の高い簡単な処方で有りながら、鋳造性や機械的性質のみならず、耐食性にも優れたダイカスト用アルミニウム合金地金を得ることができる。
なお、上述した各元素成分のほかに、Na(ナトリウム),Sr(ストロンチウム),Ca(カルシウム)およびSb(アンチモン)から選ばれる少なくとも1種を改良処理材として添加するようにしてもよい。このような改良処理材を添加することによって共晶Siの粒子を細かくすることができ、アルミニウム合金の靱性や強度をより一層向上させることができる。
ここで、アルミニウム合金全体の重量に対する改良処理材の添加割合は、当該改良処理材がNa,SrおよびCaの場合には30〜200ppm、Sbの場合には0.05〜0.20重量%の範囲であることが好ましい。改良処理材の添加割合が30ppm(Sbの場合には0.05重量%)未満の場合には、アルミニウム合金中の共晶Siの粒子を微細化するのが困難となり、逆に、改良処理材の添加割合が200ppm(Sbの場合には0.20重量%)より多い場合には、アルミニウム合金中の共晶Siの粒子は十分に微細化されており、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
また、上記改良処理材に代えて、或いは改良処理材と共に、B(硼素)を添加するようにしてもよい。このようにBを添加することによってアルミニウム合金の結晶粒が微細化され、当該合金の伸びを向上させることができる。なお、かかる効果は、特にSi量が少ない場合や冷却速度の遅い鋳造方法を用いる場合に顕著となる。
アルミニウム合金全体の重量に対するBの添加割合は、1〜50ppmの範囲であることが好ましい。Bの添加割合が1ppm未満の場合には、アルミニウム合金中の結晶粒を微細化するのが困難となり、逆に、Bの添加割合が50ppmより多い場合には、アルミニウム合金中の結晶粒は十分に微細化されており、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
本発明のダイカスト用アルミニウム合金を製造する際には、まず、Al,Cu,Si,Mg,Fe,Ti,Mn及びCrの各元素成分が上述した所定の割合となるように含有させた原料を準備する(必要に応じて上記改良処理材等も添加。)。続いて、この原料を前炉付溶解炉や密閉溶解炉などの溶解炉に投入し、これらを溶解させる。溶解させた原料すなわちアルミニウム合金の溶湯は、必要に応じて脱水素処理および脱介在物処理などの精製処理が施される。そして、精製された溶湯を所定の鋳型などに流し込み、固化させることによって、アルミニウム合金の溶湯を合金地金インゴットなどに成形する。
また、本発明のダイカスト用アルミニウム合金を用いてアルミニウム合金ダイカストを鋳造した後、必要に応じて溶体化処理及び時効処理などが施される。このようにアルミニウム合金ダイカストに溶体化処理および時効処理などを施すことによってアルミニウム合金鋳物の機械的特性を改良することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、下記の各種合金における機械的特性(具体的には、引張強さ,伸び,0.2%耐力)は、次の方法で測定した。すなわち、型締力135トンの通常のダイカストマシン(東芝機械(株)社製・DC135EL)を用いて、射出速度1.0m/秒、鋳造圧力60MPaでダイカスト鋳造し、ASTM(American Society for Testing and Material)規格に準拠した丸棒試験片を作製した。そして、鋳放しの状態のかかる丸棒試験片について、(株)島津製作所社製の万能試験機(AG−IS 100kN)を用いて、引張強さ,伸び,0.2%耐力を測定した。
また、各種合金の合金成分は、固体発光分光分析機(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Thermo Scientific ARL4460)を用いて測定した。
さらに、耐食性については、日本工業規格JIS Z2371に準拠した(中性)塩水噴霧試験にて評価を行なった。その際、スガ試験機(株)社製のキャス試験機CASSER−ISO−3を用いて当該試験を行った。
Cuのアルミニウム合金物性に対する影響
表1は、Cu以外の合金成分が本発明範囲内における或る一定の割合となるように調整すると共に、Cuの含有割合を変化させて製造したダイカスト用アルミニウム合金の成分組成及び各機械的特性(引張強さ,伸び,0.2%耐力)を示したものである。
Figure 2016166779
この表1が示すように、Cuの含有割合が概ね1.0重量%以下の範囲内では、Cuの含有割合が増えるのに伴って、アルミニウム合金の引張強さ(図1−1参照)及び0.2%耐力(図1−2参照)が向上することが窺える。
これに対し、アルミニウム合金の伸びは、Cuの含有割合が0.7重量%を超えると低下するような傾向が窺える。
なお、表1中の合金3〜11は、本発明範囲内の合金組成、すなわち実施例合金である。
Crの含有による耐食性向上効果
表2は、鋳造方法別の各アルミニウム合金組成と耐食性との関係を示した表である。
ここで、表2におけるダイカストのものは、上述の機械的性質測定に供した試料と同様の方法で鋳造したものである。一方、表2における重力鋳造のものは、所定の成分に調整したアルミニウム合金を金型に投入して重力鋳造を行い、その後はダイカストと同様にJIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験用の試料(耐食性評価試験片)に加工し、塩水噴霧試験を行った。
Figure 2016166779
この表2が示すように、ダイカストにより得た鋳造品において、Cuの含有割合を0.10重量%の一定とした場合、Crの含有割合が0.10重量%以上になると腐食減量が減少し、耐食性が良くなることが窺える(図2−1参照)。
また、ダイカストにより得た鋳造品において、Crの含有割合を0.20重量%の一定とした場合、Cuの含有割合を0.10重量%から0.73重量%まで増加させるのに伴って腐食減量も増加し、耐食性が悪化する傾向が示された(図2−3参照)。
また、重力鋳造により得た鋳造品においても、Cuの含有割合の増加に伴って合金の耐食性が悪化するが、Crを0.20重量%含有させることにより、腐食減量を著しく低下させ、耐食性を向上できることが明らかになった(図2−2参照)。
なお、表2中の合金15〜20,26及び27は、本発明範囲内の合金組成、すなわち実施例合金である。
Tiのアルミニウム合金物性に対する影響
表3は、Ti以外の合金成分が本発明範囲内における或る一定の割合となるように調整すると共に、Tiの含有割合を変化させて製造したダイカスト用アルミニウム合金の成分組成及び各機械的特性(引張強さ,伸び,0.2%耐力)を示したものである。
Figure 2016166779
この表3が示すように、Tiの含有割合が概ね0.25重量%以下の範囲内では、Tiの含有割合が増えるに伴って、アルミニウム合金の引張強さ(図3−1参照)及び0.2%耐力(図3−2参照)が向上することが窺える。
これに対し、アルミニウム合金の伸びは、Tiの含有割合が概ね0.25重量%以下の範囲内において、Tiの含有割合との間に顕著な違いは認められなかった(図3−3)。
なお、表3中の合金30〜32は、本発明範囲内の合金組成、すなわち実施例合金である。
Figure 2016166779
この表3が示すように、Tiの含有割合が概ね0.25重量%以下の範囲内では、Tiの含有割合が増えるに伴って、アルミニウム合金の引張強さ(図3−1参照)及び0.2%耐力(図3−参照)が向上することが窺える。
これに対し、アルミニウム合金の伸びは、Tiの含有割合が概ね0.25重量%以下の範囲内において、Tiの含有割合との間に顕著な違いは認められなかった(図3−)。
なお、表3中の合金30〜33は、本発明範囲内の合金組成、すなわち実施例合金である。

Claims (5)

  1. 重量%で、0.03%<Cu≦0.7%、6.0%<Si≦11.0%、0.15%≦Mg≦0.50%、0.05%≦Fe≦0.6%、0.05%≦Ti≦0.25%、Mn≦0.8%、0.10%≦Cr≦0.40%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなることを特徴とするダイカスト用アルミニウム合金。
  2. Na,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種を30〜200ppm添加したことを特徴とする請求項1に記載のダイカスト用アルミニウム合金。
  3. Sbを0.05〜0.20重量%添加したことを特徴とする請求項1又は2に記載のダイカスト用アルミニウム合金。
  4. Bを1〜50ppm添加したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のダイカスト用アルミニウム合金。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のダイカスト用アルミニウム合金でダイカストされたことを特徴とするアルミニウム合金ダイカスト。
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