JP6267408B1 - アルミニウム合金およびアルミニウム合金鋳物品 - Google Patents

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Abstract

機械的特性、とりわけ引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さを高い次元でバランスさせ、主として輸送機器全般において拡大する用途にも対応できるアルミニウム合金であって、スクラップなどのリサイクル原料を使用して経済的且つ持続可能に生産することが可能なアルミニウム合金と、当該合金からなるアルミニウム合金鋳物品とを提供する。すなわち、本発明は、重量%で、0.75%≦Cu≦1.25%、7.5%≦Si≦8.5%、0.50%<Mg≦0.80%、0.20%≦Fe≦0.50%、0.30%≦Mn≦0.50%、0.10%≦Cr≦0.30%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなることを特徴とするアルミニウム合金およびそのアルミニウム合金鋳物品である。

Description

本発明は、機械的特性に優れたアルミニウム合金および当該合金を利用したアルミニウム合金鋳物品に関する。
自転車や自動車などの輸送機器全般において軽量化が求められており、アルミニウム合金鋳物品の適用が拡大している。従来より、この種の用途には、JIS ADC3合金が多用されているが、かかる適用の拡がりに伴い、この従来材では機械的性質を満足できない用途も顕在化している。
そこで、JIS ADC3合金のような従来材では対応できない用途に対応するため、例えば、下記の特許文献1(日本国・特開2003−27169号公報)には、機械的強度と靭性とを高めたアルミニウム合金として、重量基準で8.5〜9.5%のSiと、0.20%以下のCuと、0.20〜0.40%のMgと、0.6%以下のFeと、0.30〜0.50%のMnと、0.05〜0.15%のTiと、0.01〜0.025%のSrと、0.15%以下のZnとを含むと共に、残部にAlを含むアルミニウム合金が開示されている。
この技術によれば、(従来材の使用環境よりも)過酷な使用環境においても破壊に耐えられるよう、強度が高く、且つ靭性の高いアルミニウム合金を提供することができるとされている。
特開2003−27169号公報
しかしながら、合金の耐食性を維持するためにCuを不純物扱いとし、その含有割合を上述のように0.20%以下に制限すれば、実質的にスクラップ原料の使用が不可能となり、アルミニウム合金を経済的に製造できなくなるのに加え、循環型社会を構築していく上での律速ともなる。また、Cuはアルミニウム合金に対して引張強さや0.2%耐力と言った機械的性質を向上させる効果を有しているが、そのCuの含有割合を0.20%以下に制限すれば、かかる効果も限定的となる。
それゆえに、本発明は、機械的特性、とりわけ引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さを高い次元でバランスさせ、主として輸送機器全般において拡大する用途にも対応できるアルミニウム合金であって、スクラップなどのリサイクル原料を使用して経済的且つ持続可能に生産することが可能なアルミニウム合金と、当該合金からなるアルミニウム合金鋳物品とを提供することを目的とする。
本発明における第1の発明は、「重量%で、0.75%≦Cu≦1.25%、7.5%≦Si≦8.5%、0.50%<Mg≦0.80%、0.20%≦Fe≦0.50%、0.30%≦Mn≦0.50%、0.10%≦Cr≦0.30%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなる」ことを特徴とするアルミニウム合金である。
この発明では、Cuを0.75重量%以上で且つ1.25重量%以下の範囲内で含有させると共に、Mgも0.50重量%超から0.80重量%以下の範囲内で含有させているので、スクラップなどのリサイクル原料の使用が可能となるのみならず、引張強さや0.2%耐力や硬さと言った機械的性質を向上させることもできる。また、耐食性を悪化させる虞のあるCuの含有割合を上記範囲内に抑える一方で、耐食性改善効果のあるCrを0.10重量%以上で且つ0.30重量%以下含有するようにしているので、Cuの含有に伴うアルミニウム合金の耐食性の低下を最低限に抑えることができる。
以上のように、本発明では、主として上記の6種類の元素成分を所定の割合で含有させるだけで、それらの相互的作用によって、鋳造性や機械的性質に優れたアルミニウム合金のインゴットを、リサイクル原料を用いて経済的且つ簡便に製造することができる。
なお、本発明のアルミニウム合金では、合金全体の重量に対して更にTiを0.30重量%以下含有させるのが好ましい。こうすることにより、当該合金の結晶粒を微細化させて鋳造割れをより一層効果的に抑制できると共、機械的性質とりわけ伸びを向上させることができる。
また、本発明のアルミニウム合金では、更に、Na,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種を合金全体の重量に対して30〜200ppmとなるように添加することや、Sbを合金全体の重量に対して0.05〜0.20重量%となるように添加するのが好ましい。こうすることにより、共晶Siの粒子を細かくすることができ、アルミニウム合金の靱性や強度をより一層向上させることができる。
更に、Bを合金全体の重量に対して1〜50ppmとなるように添加することも好ましい。こうすることにより、特にSi量が少ない場合や冷却速度の遅い鋳造方法を用いる場合であってもアルミニウム合金の結晶粒を微細化させることができ、その結果、当該アルミニウム合金の伸びを向上させることができる。
本発明における第2の発明は、上記第1の発明に記載のアルミニウム合金からなることを特徴とするアルミニウム合金鋳物品である。
本発明のアルミニウム合金からなるアルミニウム合金鋳物品は、鋳造性よく量産できると共に、機械的特性、とりわけ引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さが高い次元でバランスされているため、例えばアルミニウム合金鋳物品の適用が拡大している輸送機器全般において、軽量化が必要な鋳物品の新規用途で好適に使用することができる。
本発明によれば、機械的特性、とりわけ引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さを高い次元でバランスさせ、主として輸送機器全般において拡大する用途にも対応できるアルミニウム合金であって、スクラップなどのリサイクル原料を使用して経済的且つ持続可能に生産することが可能なアルミニウム合金と、当該合金からなるアルミニウム合金鋳物品とを提供することができる。
Cuの含有割合と非熱処理のアルミニウム合金各物性との関係を示すグラフである。 Cuの含有割合とT6処理後のアルミニウム合金各物性との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について具体例を示しながら詳述する。
本発明のアルミニウム合金は、重量%で、0.75%≦Cu≦1.25%、7.5%≦Si≦8.5%、0.50%<Mg≦0.80%、0.20%≦Fe≦0.50%、0.30%≦Mn≦0.50%、0.10%≦Cr≦0.30%を含有し、残部がAlと不可避不純物とで大略構成されている。以下、各元素の特性について説明する。
Cu(銅)は、アルミニウム合金の耐摩耗性や機械的強度や硬さを向上させるために重要な元素である。
アルミニウム合金全体の重量に対するCuの含有割合は、上述したように0.75重量%以上で且つ1.25重量%以下の範囲内であることが好ましい。Cuの含有割合が0.75重量%未満の場合には、上述の機械的性質改善効果を得ることができなくなり、逆に、Cuの含有割合が1.25重量%を超える場合には、主にT6処理材(詳しくは後述)において引張強度や伸びが不十分なものとなるからである。
Si(ケイ素)は、アルミニウム合金溶融時における流動性を確保し、鋳造性を向上させる重要な元素である。
アルミニウム合金全体の重量に対するSiの含有割合は、上述したように7.5重量%以上で且つ8.5重量%以下の範囲内であることが好ましい。Siの含有割合が7.5重量%未満の場合には、溶湯の流動性を確保することが難しく、その鋳造方法として一般的に多用されている通常のダイカストでの成形を考えた場合、大型部品への適用の妨げとなり、逆に、Siの含有割合が8.5重量%を超える場合には、鋳造性は向上するが合金の伸びが著しく低下するようになるからである。
Mg(マグネシウム)は、主としてアルミニウム合金中のAl母材に固溶した状態又はMgSiとして存在し、アルミニウム合金に耐力および硬さを付与する一方で、過大量の含有によって伸びが著しく低下すると共に鋳造性や耐食性にも悪影響を及ぼす成分である。
アルミニウム合金全体の重量に対するMgの含有割合は、上述したように0.50重量%超で且つ0.80重量%以下の範囲であることが好ましい。Mgの含有割合が0.5重量%以下の場合には、熱処理の有無にかかわらず合金の0.2%耐力と硬さとを確保することが可能となる一方、Mgの含有割合が0.8重量%を超える場合には、合金の伸びが著しく低下するようになるからである。
Fe(鉄)は、例えばダイカストなどの鋳造を行う際に、金型の焼付きを防止する効果を有していることが知られている。しかしながら、このFeは、Al-Si-Feからなる針状晶を晶出し、アルミニウム合金の靱性(伸び)を低下させると共に、大量に添加すると適温での溶解を困難にする。
アルミニウム合金全体の重量に対するFeの含有割合は、リサイクルの観点から原料の一部にスクラップなどのリサイクル原料を用いることを考慮すれば、上述したように0.20重量%以上であることが好ましい。その一方で、Feの含有割合が高すぎると、上記の通りAl-Si-Feからなる針状晶を晶出し、合金の伸びが低下するため、その上限は上述したように0.50重量%以下であることが好ましい。
Mn(マンガン)は、上述したFeと同様に、主としてダイカストなどの鋳造時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止するためのものである。このMnもFeと同様に、大量に含有させると適温での溶解が困難になることから、本発明では、アルミニウム合金全体の重量に対するMnの含有割合の上限を0.50重量%以下に抑えている。
なお、このMnの含有割合の下限については、上記焼付き防止効果を顕著に発揮させるためには、上述したように0.30重量%以上含有させるのが好ましい。
Cr(クロム)は、上述したFeやMnと同様に、ダイカストなどの鋳造時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止するのに加え、合金の耐食性を向上させる効果を有する元素である。
アルミニウム合金全体の重量に対するCrの含有割合は、上述したように0.10重量%以上で且つ0.30重量%以下の範囲内であることが好ましい。Crの含有割合が0.10重量%未満の場合には、上述の効果を十分に得ることができなくなり、逆に、Crの含有割合が0.30重量%を超える場合には、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
以上の含有割合に従って、Cu,Si,Mg,Fe,Mn及びCrの含有割合を調整すると、機械的特性、とりわけ引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さを高い次元でバランスさせたアルミニウム合金をリサイクル原料を用いて経済的且つ持続可能に生産することができる。
なお、上述した各元素成分のほかに、Ti(チタン)を添加するようにしてもよい。このTiは、結晶粒を微細化させる効果を有しており、一般的には鋳造割れの抑制や機械的性質のうち特に伸びを向上させることができる元素である。
アルミニウム合金全体の重量に対するこのTiの含有割合は、0.30重量%以下の範囲内であることが好ましい。Tiの含有割合が0.30重量%を超える場合には、アルミニウム合金の溶解が難しくなり、溶け残りの生じる可能性が出てくるからである。
また、上述した各元素成分のほかに、Na(ナトリウム),Sr(ストロンチウム),Ca(カルシウム)およびSb(アンチモン)から選ばれる少なくとも1種を改良処理材として添加するようにしてもよい。このような改良処理材を添加することによって共晶Siの粒子を細かくすることができ、アルミニウム合金の靱性や強度をより一層向上させることができる。
ここで、アルミニウム合金全体の重量に対する改良処理材の添加割合は、当該改良処理材がNa,SrおよびCaの場合には30〜200ppm、Sbの場合には0.05〜0.20重量%の範囲であることが好ましい。改良処理材の添加割合が30ppm(Sbの場合には0.05重量%)未満の場合には、アルミニウム合金中の共晶Siの粒子を微細化するのが困難となり、逆に、改良処理材の添加割合が200ppm(Sbの場合には0.20重量%)より多い場合には、アルミニウム合金中の共晶Siの粒子は十分に微細化されており、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
また、上記改良処理材に代えて、或いは改良処理材と共に、B(硼素)を添加するようにしてもよい。このようにBを添加することによってアルミニウム合金の結晶粒が微細化され、当該合金の伸びを向上させることができる。なお、かかる効果は、特にSi量が少ない場合や冷却速度の遅い鋳造方法を用いる場合に顕著となる。
アルミニウム合金全体の重量に対するBの添加割合は、1〜50ppmの範囲であることが好ましい。Bの添加割合が1ppm未満の場合には、アルミニウム合金中の結晶粒を微細化するのが困難となり、逆に、Bの添加割合が50ppmより多い場合には、アルミニウム合金中の結晶粒は十分に微細化されており、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
本発明のアルミニウム合金を製造する際には、まず、Al,Cu,Si,Mg,Fe,Mn及びCrの各元素成分が上述した所定の割合となるように含有させた原料を準備する(必要に応じて上記のTiや改良処理材等も添加)。続いて、この原料を前炉付溶解炉や密閉溶解炉などの溶解炉に投入し、これらを溶解させる。溶解させた原料すなわちアルミニウム合金の溶湯は、必要に応じて脱水素処理および脱介在物処理などの精製処理が施される。そして、精製された溶湯を所定の鋳型などに流し込み、固化させることによって、アルミニウム合金の溶湯を合金地金インゴットなどに成形する。
また、本発明のアルミニウム合金を用いて、ダイカストや重力鋳造などの金型鋳造法,砂型鋳造法或いは精密鋳造法と言った様々な鋳造方法でアルミニウム合金鋳物品を鋳造した後、必要に応じて溶体化処理及び時効処理などが施される。このようにアルミニウム合金鋳物品に溶体化処理および時効処理などを施すことによってアルミニウム合金鋳物品の機械的特性を改良することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、下記の各種合金における機械的特性のうち、引張強さ,伸び及び0.2%耐力は、次の方法で測定した。すなわち、型締力135トンの通常のダイカストマシン(東芝機械(株)社製・DC135EL)を用いて、射出速度1.0m/秒、鋳造圧力60MPaでダイカスト鋳造し、ASTM(American Society for Testing and Material)規格に準拠した丸棒試験片を作製した。そして、鋳放しの状態及びT6処理後のかかる丸棒試験片について、(株)島津製作所社製の万能試験機(AG−IS 100kN)を用いて、引張強さ,伸び,0.2%耐力を測定した。ここで、T6処理とは、溶体化処理を行った後、再加熱して人工時効処理する熱処理方法である。本実施例では、このT6処理として510℃で3時間加熱した後に水冷(溶体化処理)し、さらに180℃で3時間加熱した後に空冷(人工時効処理)した。
また、硬さについては、日本工業規格JIS G0202に準拠したロックウェル硬さ試験にて評価を行なった。すなわち、上記と同じ条件で鋳造した平板試験片の表面を1mm切削後、研磨したものについてロックウェル硬さ試験機で試験を行った。かかる試験機での測定を3回行い、その平均値をロックウェル硬さ試験の測定値とした。
さらに、各種合金の合金成分は、固体発光分光分析機(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 Thermo Scientific ARL4460)を用いて測定した。
Cuのアルミニウム合金物性に対する影響
表1は、Cu以外の合金成分が本発明範囲内における或る一定の割合となるように調整すると共に、Cuの含有割合を変化させて製造したアルミニウム合金の成分組成と各機械的特性(引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さ)との関係を示したものである。
Figure 0006267408
この表1および図1,2に示すように、アルミニウム合金のCuの含有割合が0.75重量%以上になると、機械的特性、とりわけ引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さを高い次元でバランスさせるのに十分な引張強さを得ることができるようになり、1.25重量%までは、非熱処理材・T6処理材共にその含有割合が増えるに従って引張強さの向上することが窺える。そして、T6処理材ではCuの含有割合が1.25重量%を超えると引張強さが低下するようになる。このような傾向は、0.2%耐力や硬さでも窺える。
一方、当該合金の伸びは、Cuの含有割合が増えるに従って漸減するようになり、特にT6処理材ではCuの含有割合が1.25重量%を超えると伸びが5.0%を下回るようになり伸びに優れたものとは言い難くなる。
このため、本発明のアルミニウム合金では、Cuの含有割合を0.75重量%以上で且つ1.25重量%以下の範囲内としている。
なお、表1中の合金1及び2は、本発明範囲内の合金組成すなわち実施例合金であり、合金9は、従来材を代表するJIS ADC3合金である。
Mgのアルミニウム合金物性に対する影響
表2は、Mg以外の合金成分が本発明範囲内における或る一定の割合となるように調整すると共に、Mgの含有割合を変化させて製造したアルミニウム合金の成分組成と各機械的特性(引張強さ,伸び,0.2%耐力及び硬さ)との関係を示したものである。
Figure 0006267408
この表2が示すように、アルミニウム合金のMgの含有割合が0.29重量%の合金10と0.66重量%の合金1及び2とを比較した場合、Mgの含有割合が多いと、当該合金の0.2%耐力及び硬さが向上する一方で伸びは減少する。このため、本発明のアルミニウム合金では、上述したように、他の元素成分とのバランスも考慮し、Mgの含有割合を0.50重量%超で且つ0.80重量%以下の範囲内としている。
なお、表2中の合金1及び2は、本発明範囲内の合金組成すなわち実施例合金である。
本実施形態のアルミニウム合金によれば、Cuを0.75重量%以上で且つ1.25重量%以下の範囲内で含有させると共に、Mgも0.50重量%超から0.80重量%以下の範囲内で含有させているので、スクラップなどのリサイクル原料の使用が可能となるのみならず、引張強さや0.2%耐力や硬さと言った機械的性質を向上させることもできる。また、耐食性を悪化させる虞のあるCuの含有割合を上記範囲内に抑える一方で、耐食性改善効果のあるCrを0.10重量%以上で且つ0.30重量%以下含有するようにしているので、Cuの含有に伴うアルミニウム合金の耐食性の低下を最低限に抑えることができる。

Claims (6)

  1. 重量%で、0.75%≦Cu≦1.25%、7.5%≦Si≦8.5%、0.50%<Mg≦0.80%、0.20%≦Fe≦0.50%、0.30%≦Mn≦0.50%、0.10%≦Cr≦0.30%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなる、ことを特徴とするアルミニウム合金。
  2. 請求項1のアルミニウム合金において、
    合金全体の重量に対して更にTiを0.30重量%以下含有する、ことを特徴とするアルミニウム合金。
  3. 請求項1又は2のアルミニウム合金において、
    更にNa,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種を合金全体の重量に対して30〜200ppmとなるように添加した、ことを特徴とするアルミニウム合金。
  4. 請求項1乃至3の何れかのアルミニウム合金において、
    更にSbを合金全体の重量に対して0.05〜0.20重量%となるように添加した、ことを特徴とするアルミニウム合金。
  5. 請求項1乃至4の何れかのアルミニウム合金において、
    更にBを合金全体の重量に対して1〜50ppmとなるように添加した、ことを特徴とするアルミニウム合金。
  6. 請求項1乃至5の何れかのアルミニウム合金からなることを特徴とするアルミニウム合金鋳物品。
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