JP5469100B2 - 加圧鋳造用アルミニウム合金および同アルミニウム合金鋳物 - Google Patents

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Description

本発明は、靱性に優れた加圧鋳造用アルミニウム合金および当該合金を利用したアルミニウム合金鋳物に関する。
アルミニウム合金は、軽量であると共に、優れた熱伝導性および高い耐蝕性などの諸特性から、自動車や産業機械、航空機、家庭電化製品その他各種分野において、その構成部品素材として広く使用されている。その一つとしてダイカスト用アルミニウム合金の分野があり、その代表的なものとして日本工業規格JIS H5302にて規定されたADC10或いはADC12に代表されるAl−Si−Cu系ダイカスト用合金がある。このAl−Si−Cu系ダイカスト用合金は、自動車のキャブレター,シリンダーブロック,シリンダーヘッドカバーなどのカバー類やケース類等の用途、或いは自動車以外の鋳造部品で、特にダイカスト部品に多用されてきた。
ところが、最近の省エネルギー対策の推進による自動車を始めその他機械類の軽量化の観点から、力が加わる部分にもダイカスト部品の積極的導入が検討されており、このような用途に用いられるアルミニウム合金には鋳造性は元より経済性も満足し、しかも既存のADC12よりも高い耐力や伸びなどが要求されるようになってきた(特許文献1参照)。
特開2001−49376号公報(第2頁)
それゆえに、この発明の主たる課題は、耐力や伸びに優れ、しかも焼付きにくい、ADC10やADC12に代り得る加圧鋳造用アルミニウム合金と、当該合金で加圧鋳造された靱性の高いアルミニウム合金鋳物とを提供することである。
請求項1に記載した発明は、「Si:4.0〜9.0重量%,Mg:0.50〜1.0重量%,Fe:0.55重量%以下,Mn:0.30〜0.60重量%およびCr:0.10〜0.25重量%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなり、ダイカスト鋳造後において、伸びが6.5%以上で且つ8.5%以下の範囲であると共に、0.2%耐力が183MPa以上で且つ202MPa以下の範囲である」ことを特徴とする加圧鋳造用アルミニウム合金である。
この発明では、Siを4.0〜9.0重量%配合しているので、伸びの低下を抑えつつ、アルミニウム合金溶湯の流動性を向上させることができ、又、Mgを0.50〜1.0重量%配合しているので、伸びの低下を抑えつつ、アルミニウム合金の耐力を向上させることができる。さらに、Feを0.55重量%以下に抑えているので、Al−Si−Feからなる針状晶の晶出に起因するアルミニウム合金の靱性低下を抑えることができ、又、Mnを0.30〜0.60重量%配合しているので、鋳造時におけるアルミニウム合金と金型との間の焼付きを防止でき鋳造性を向上させることができる。そして、Crを0.10〜0.25重量%配合しているので、伸びの低下を抑えつつ、鋳造時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止することができる。
以上のように、本発明では、6種類の元素成分を所定の割合で配合するだけで、耐力や伸びに優れ、焼付きが生じ難い加圧鋳造用アルミニウム合金のインゴットを製造することができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の鋳造用アルミニウム合金において、「Na,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種を30〜200ppm添加した」ことを特徴とするものであり、請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の鋳造用アルミニウム合金において、「Sbを0.05〜0.20重量%添加した」ことを特徴とするものである。
これらの発明では、共晶Siの粒子を細かくすることができ、アルミニウム合金の靱性や強度をより一層向上させることができる。
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の加圧鋳造用アルミニウム合金において、「Tiを0.05〜0.30重量%添加した」ことを特徴とするものであり、請求項5に記載した発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の加圧鋳造用アルミニウム合金において、さらに「Bを1〜50ppm添加した」ことを特徴とするものである。
これらの発明では、特にSi量が少ない場合や冷却速度の遅い鋳造方法を用いる場合であってもアルミニウム合金の結晶粒を微細化させることができ、その結果、当該アルミニウム合金の伸びを向上させることができる。
請求項6に記載した発明は、「請求項1乃至5のいずれかに記載のアルミニウム合金で加圧鋳造された」ことを特徴とするアルミニウム合金鋳物である。
請求項1乃至5のいずれかに記載のアルミニウム合金で加圧鋳造された鋳物(例えばダイカスト部品)は、鋳造性よく量産できると共に、耐力と伸びとに優れている(つまり靱性が高い)ため、力が加わる部分、例えば自動車用構造部品など長期間繰返し振動荷重が与えられ、且つ衝突時に衝撃が加わる部材にも適用することができる。
本発明によれば、既存のADC12よりも耐力や伸びに優れ、しかも焼付きにくい加圧鋳造用アルミニウム合金と、当該合金で加圧鋳造された靱性の高いアルミニウム合金鋳物とを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体例を示しながら詳述する。
本発明の加圧鋳造用アルミニウム合金(以下、単に「アルミニウム合金」という。)は、主として4.0〜9.0重量%のSi(シリコン;ケイ素),0.50〜1.0重量%のMg(マグネシウム),0.55重量%以下のFe(鉄),0.30〜0.60重量%のMn(マンガン)および0.10〜0.25重量%のCr(クロム)を含有し、残部がAl(アルミニウム)と不可避不純物とで構成されている。以下、各元素の特性について説明する。
Si(シリコン;ケイ素)は、アルミニウム合金を溶融して加圧鋳造する際に、その流動性を向上させるためのものである。
アルミニウム合金全体の重量に対するSiの配合割合は、上述したように4.0〜9.0重量%の範囲であることが好ましい。Siの配合割合が4.0重量%未満の場合には、アルミニウム合金の溶融温度および鋳造温度が高くなると共に、アルミニウム合金を溶融した際の流動性が低下するため加圧鋳造時に十分な湯流れ性が確保できず、逆に、Siの配合割合が9.0重量%より多い場合には、アルミニウム合金の溶融時の流動性は十分なものとなるが、伸びが低下するようになるからである。
Mg(マグネシウム)は、主としてアルミニウム合金中のAl母材に固溶した状態又はMgSiとして存在し、アルミニウム合金に耐力および引張強さを付与するためのものである。
アルミニウム合金全体の重量に対するMgの配合割合は、上述したように0.50〜1.0重量%の範囲であることが好ましい。Mgの配合割合が0.50重量%未満の場合には、耐力および引張強さといった機械的特性の向上が十分に認められず、逆に、Mgの配合割合が1.0重量%より多い場合には、アルミニウム合金の伸びが急激に低下するようになるからである。
Fe(鉄)は、加圧鋳造時の焼付き防止効果を有することが知られており、ADC12などの一般のダイカスト用アルミニウム合金には0.5重量%以上添加されている。しかしながら、このFeはAl−Si−Feからなる針状晶を晶出し、アルミニウム合金の靱性を低下させる。このため、本発明では、Feによるアルミニウム合金の靱性低下を防止すべく、Feの含有量を0.55重量%以下に抑える一方、後述するように焼付き防止材として所定量のMn及びCrを配合し、加圧鋳造時における焼付きの発生を防止している。
Mn(マンガン)は、主として鋳造時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止するためのものである。
アルミニウム合金全体の重量に対するMnの配合割合は、上述したように0.30〜0.60重量%、より好ましくは0.40〜0.55重量%の範囲であることが好ましい。Mnの配合割合が0.30重量%未満の場合には、アルミニウム合金を鋳造する際にアルミニウム合金と金型との間で焼付きが生じるようになり、逆に、Mnの配合割合が0.60重量%より多い場合には、鋳造時に焼付きの問題は生じないものの、合金の伸びが低下するようになるからである。
なお、本発明のアルミニウム合金では、上述のようにMnの配合割合を合金全体の重量に対して最大で0.60重量%まで許容しているので、アルミ缶回収材料などMn含有量が高いAl−Mn系スクラップを合金原料の一部として使用することができる。
Cr(クロム)は、主としてアルミニウム合金が溶融している時には溶融状態で、また、固体の時にはAl相に固溶した状態あるいはCr系化合物として晶出した状態で存在し、アルミニウム合金鋳造時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止するためのものである。
アルミニウム合金全体の重量に対するCrの配合割合は、上述したように0.10〜0.25重量%、より好ましくは0.10〜0.15重量%の範囲であることが好ましい。Crの配合割合が0.10重量%未満の場合には、アルミニウム合金を加圧鋳造する際にアルミニウム合金と金型との間で焼付きが生じるようになり、逆に、Crの配合割合が0.25重量%より多い場合には、加圧鋳造時に焼付きの問題は生じないものの、アルミニウム合金の伸びが急激に低下するようになるからである。
以上の配合割合に従って、Si,Mg,Fe,MnおよびCrの配合割合を調整すると、加圧鋳造時におけるアルミニウム合金と金型との焼付きを防止できると共に、優れた耐力と伸びとを有する加圧鋳造用アルミニウム合金地金を得ることができる。
なお、上述した各元素成分のほかに、Na(ナトリウム),Sr(ストロンチウム),Ca(カルシウム)およびSb(アンチモン)から選ばれる少なくとも1種を改良処理材として添加するようにしてもよい。このような改良処理材を添加することによって共晶Siの粒子を細かくすることができ、アルミニウム合金の靱性や強度をより一層向上させることができる。
ここで、アルミニウム合金全体の重量に対する改良処理材の添加割合は、当該改良処理材がNa,SrおよびCaの場合には30〜200ppm、Sbの場合には0.05〜0.20重量%の範囲であることが好ましい。改良処理材の添加割合が30ppm(Sbの場合には0.05重量%)未満の場合には、アルミニウム合金中の共晶Siの粒子を微細化するのが困難となり、逆に、改良処理材の添加割合が200ppm(Sbの場合には0.20重量%)より多い場合には、アルミニウム合金中の共晶Siの粒子は十分に微細化されており、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
また、上記改良処理材に代えて、或いは改良処理材と共に、Ti(チタン)およびB(硼素)の少なくとも一方を添加するようにしてもよい。このようにTiおよびBの少なくとも一方を添加することによってアルミニウム合金の結晶粒が微細化され、当該合金の伸びを向上させることができる。なお、かかる効果は、特にSi量が少ない場合や冷却速度の遅い鋳造方法を用いる場合に顕著となる。
アルミニウム合金全体の重量に対するTiおよびBの添加割合は、Tiの場合には0.05〜0.30重量%、Bの場合には1〜50ppmの範囲であることが好ましい。Tiの添加割合が0.05重量%未満或いはBの添加割合が1ppm未満の場合には、アルミニウム合金中の結晶粒を微細化するのが困難となり、逆に、Tiの添加割合が0.30重量%より多い場合或いはBの添加割合が50ppmより多い場合には、アルミニウム合金中の結晶粒は十分に微細化されており、これ以上添加量を増やしても添加効果が上がらなくなるからである。
本発明のアルミニウム合金を製造する際には、まず、Al,Si,Mg,Fe,MnおよびCrの各元素成分が上述した所定の割合となるように配合した原料を準備する。続いて、この原料を前炉付溶解炉や密閉溶解炉などの溶解炉に投入し、これらを溶解させる。溶解させた原料すなわちアルミニウム合金の溶湯は、必要に応じて脱水素処理および脱介在物処理などの精製処理が施される。そして、精製された溶湯を所定の鋳型などに流し込み、固化させることによって、アルミニウム合金の溶湯を合金地金インゴットなどに成形する。
また、本発明のアルミニウム合金を用いてアルミニウム合金鋳物(鋳造品)を鋳造する際にはダイカスト法などの加圧鋳造法が用いられる。このように加圧鋳造法を用いることによって、鋳造品を効率よく量産することができる。
そして、これらの鋳造法によって得られたアルミニウム合金鋳物は、必要に応じて溶体化処理および時効処理などが施される。このようにアルミニウム合金鋳物に溶体化処理および時効処理などを施すことによってアルミニウム合金鋳物の機械的特性を改良することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各機械的特性(引張強さ,伸び,0.2%耐力)は、(株)島津製作所社製の万能試験機(AG−IS 100kN)で測定した。
[実施例1]
Siの配合割合を6.37重量%,Mgの配合割合を0.84重量%,Feの存在割合を0.45重量%,Mnの配合割合を0.44重量%,Crの配合割合を0.11重量%,そして残部をAlとすることによって、本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲内となるように配合した溶湯を調製した。なお、この溶湯の中には、不可避不純物として0.09重量%のCu(銅)及び0.08重量%のZn(亜鉛)が含まれている。
続いて、この溶湯を真空ダイカストではなく、通常のダイカストマシンにて射出速度5m/秒(ゲート速度100m/秒)でダイカスト鋳造し、ASTM(American Society for Testing and Material)規格に準拠した丸棒試験片を作製した。
そして、作製した丸棒試験片を鋳放しの状態で機械的特性測定用のサンプルとした。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[実施例2]
Siの配合割合を6.59重量%,Mgの配合割合を0.82重量%,Feの存在割合を0.52重量%,Mnの配合割合を0.51重量%,Crの配合割合を0.15重量%とした以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[実施例3]
Siの配合割合を6.58重量%,Mgの配合割合を0.93重量%,Feの存在割合を0.52重量%,Mnの配合割合を0.50重量%,Crの配合割合を0.15重量%とした以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[実施例4]
Siの配合割合を6.65重量%,Mgの配合割合を0.87重量%,Feの存在割合を0.44重量%,Mnの配合割合を0.40重量%,Crの配合割合を0.18重量%とした以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[実施例5]
Siの配合割合を8.21重量%,Mgの配合割合を0.86重量%,Feの存在割合を0.40重量%,Mnの配合割合を0.37重量%,Crの配合割合を0.20重量%とした以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[実施例6]
Siの配合割合を6.47重量%,Mgの配合割合を0.77重量%,Feの存在割合を0.49重量%,Mnの配合割合を0.45重量%,Crの配合割合を0.13重量%とした以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[実施例7]
Siの配合割合を4.66重量%,Mgの配合割合を0.73重量%,Feの存在割合を0.43重量%,Mnの配合割合を0.40重量%,Crの配合割合を0.13重量%とし、鋳造した丸棒試験片をT5処理したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
なお、T5処理とは、溶体化処理は行なわずに、機械的特性の改善あるいは寸法安定化のため、人工時効処理する熱処理方法であり、具体的な人工時効処理方法としては160℃で3時間加熱した後に空冷した。
[実施例8]
Siの配合割合を6.51重量%,Mgの配合割合を0.57重量%,Feの存在割合を0.49重量%,Mnの配合割合を0.45重量%,Crの配合割合を0.13重量%とし、且つ人工時効処理時の温度を155℃とした以外は、実施例7と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例1]
Siの配合割合を7.02重量%,Mgの配合割合を0.58重量%,Feの存在割合を0.45重量%,Mnを無配合,Crの配合割合を0.29重量%とし、不可避不純物としてZnのみを0.01重量%含むことにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例2]
Siの配合割合を9.50重量%,Mgの配合割合を0.62重量%,Feの存在割合を0.45重量%,Mnを無配合,Crの配合割合を0.43重量%とし、不可避不純物としてZnのみを0.01重量%含むことにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例3]
Siの配合割合を9.89重量%,Mgの配合割合を0.60重量%,Feの存在割合を0.09重量%,Mnを無配合,Crの配合割合を0.31重量%とし、不可避不純物としてZnのみを0.01重量%含むことにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例4]
Siの配合割合を6.19重量%,Mgの配合割合を0.80重量%,Feの存在割合を0.46重量%,Mnの配合割合を0.36重量%,Crを無配合とし、不可避不純物としてCuのみを0.02重量%含むことにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例5]
Siの配合割合を6.59重量%,Mgの配合割合を0.85重量%,Feの存在割合を0.44重量%,Mnの配合割合を0.40重量%,Crの配合割合を0.30重量%とすることにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例6]
Siの配合割合を6.63重量%,Mgの配合割合を0.47重量%,Feの存在割合を0.49重量%,Mnの配合割合を0.46重量%,Crの配合割合を0.13重量%とすることにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例7]
Siの配合割合を9.30重量%,Mgの配合割合を0.78重量%,Feの存在割合を0.47重量%,Mnの配合割合を0.40重量%,Crの配合割合を0.12重量%とすることにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例8]
Siの配合割合を9.40重量%,Mgの配合割合を0.90重量%,Feの存在割合を0.47重量%,Mnの配合割合を0.40重量%,Crの配合割合を0.12重量%とすることにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
[比較例9]
Siの配合割合を4.72重量%,Mgの配合割合を1.20重量%,Feの存在割合を0.43重量%,Mnの配合割合を0.39重量%,Crの配合割合を0.13重量%とすることにより本発明におけるアルミニウム合金の元素組成の範囲外となるように調製したこと以外は、実施例1と同じ条件にして機械的特性測定用のサンプルを作製した。得られたサンプルの機械的特性を表1に示す。
Figure 0005469100
表1より、実施例1乃至8のアルミニウム合金は、比較例1乃至9の合金に比べて特に「伸び」と「0.2%耐力」とに優れていることがうかがえる。すなわち、表1には、実施例合金(実施例1〜8)と、Mnが無添加なこと及びCrの配合割合が多いこと以外は本発明合金の組成に極めて近い比較例1とを比較した場合、実施例合金は0.2%耐力に優れていることが示されている。
また、実施例合金と、Mnが添加されないこと及びCrの配合割合が多いことに加え、Siの配合割合が本発明合金よりも多い比較例2及び3とを比較した場合、実施例合金は伸びと0.2%耐力とに優れていることが示されている。
また、実施例合金と、Crが無添加なこと以外は本発明合金と同様な組成の比較例4及びCrの配合割合が多いこと以外は本発明合金の組成に極めて近い比較例5とを比較した場合、実施例合金は伸びに優れることが示されている。
さらに、実施例合金と、Mgの配合割合が0.5重量%未満であること以外は本発明合金の組成に極めて近い比較例6とを比較した場合、実施例合金は0.2%耐力に優れていることが示されている。
そして、実施例合金と、Siの配合割合が9.0重量%を超えること以外は本発明合金の組成に極めて近い比較例7及び8とを比較した場合、或いは、実施例合金と、Mgの配合割合が1.0重量%を超えること以外は本発明合金の組成に極めて近い比較例9とを比較した場合、実施例合金は伸びに優れていることが示されている。
なお、上述した各実施例1乃至8では、射出速度5m/秒(ゲート速度100m/秒)にてダイカスト鋳造を行なったが、その際、アルミニウム合金と金型との間に焼付きは全く生じなかった。
本発明のアルミニウム合金は自動車構成部品のみならず、例えば産業機械や家電製品など、あらゆる機器の構成部品素材として広く利用可能であり、特に長期間繰返し振動荷重が与えられ、且つ衝突時に衝撃が加わる部品の材料に好適である。

Claims (6)

  1. Si:4.0〜9.0重量%,Mg:0.50〜1.0重量%,Fe:0.55重量%以下,Mn:0.30〜0.60重量%およびCr:0.10〜0.25重量%を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなり、ダイカスト鋳造後において、伸びが6.5%以上で且つ8.5%以下の範囲であると共に、0.2%耐力が183MPa以上で且つ202MPa以下の範囲であることを特徴とする加圧鋳造用アルミニウム合金。
  2. Na,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種を30〜200ppm添加したことを特徴とする請求項1に記載の加圧鋳造用アルミニウム合金。
  3. Sbを0.05〜0.20重量%添加したことを特徴とする請求項1又は2に記載の加圧鋳造用アルミニウム合金。
  4. Tiを0.05〜0.30重量%添加したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の加圧鋳造用アルミニウム合金。
  5. Bを1〜50ppm添加したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の加圧鋳造用アルミニウム合金。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のアルミニウム合金で加圧鋳造されたことを特徴とするアルミニウム合金鋳物。
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