JP2016102246A - 延性に優れたダイカスト鋳造用アルミニウム合金及びそれを用いた鋳造製品 - Google Patents
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Abstract
Description
これまで一般的に使用されているアルミニウム合金は、JIS ADC12アルミニウム合金があるが、材料としての伸び(延性)特性が不充分であり、機能性が要求される部品では適用が難しい場合もあった。
特に強度向上を目的にT5熱処理をする場合に、組織中に鉄系の粗大な針状組織や粗大な板状共晶Siが晶出するために、それらが基点として破壊する恐れがあった。
しかし、強度が不充分で高強度が要求される機能部品には、適用できないものである。
Si:6〜9%の範囲としたのは、ダイカスト鋳造において湯流れ性(鋳造性)を確保するにはSiが6%以上必要であり、9%を超えると延性(伸び)が低下するからである。
本発明においては、機能部品に適用することを考慮し、延性が優れるとは伸び特性として7%以上を目標とした。
Mg:0.3〜0.5%の範囲としたのは、強度を確保するためであり、T5処理後の引張強さで少なくとも200MPa以上必要である。
Mgが0.5%を超えると、伸びが低下する。
Fe:0.2%以下としたのは、Feが0.2%を超えると伸びが急激に低下するからである。
Fe成分は、針状晶出物が発生する原因であり、含有量が少ない方が好ましいが、鋳造行程において不純物として混入する恐れが高く、0.05%未満にするとコストアップの要因になるため、好ましくはFe:0.05〜0.2%の範囲である。
Mn:0.5%以下としたのは、この範囲であれば延性に及ぼす影響が小さく、Mnを少量添加することで鋳造時の金型への焼き付き防止効果があるからである。
好ましくは、Mn:0.01〜0.5%の範囲である。
P:10ppm以下としたのは、この範囲であればT5熱処理をする場合に組織の微細化効果が認められる。
この場合に好ましくは、P:5〜10ppmの範囲である。
なお、T6熱処理をする場合には、Pは不要である。
Sr及びNaも結晶組織の微細化による改良効果があり、200ppmの範囲であれば、添加する方が好ましい。
好ましくは、40〜100ppmの範囲である。
Tiは鋳造時の結晶微細化効果があり、0.2%以下の範囲で添加をしてもよい。
Tiを添加する場合には、母合金に含まれるBも僅かに含まれることになる。
その他の成分としては、Cuは0.9%以下の範囲で含有が許容され、他の成分は不純物として取り扱われる。
このようなアルミニウム合金の特性を充分に発現されるには、鋳造時に溶湯中のガス含有量を抑えたり、酸化物等の異物の巻き込みを抑えるのが好ましい。
溶湯炉にてアルゴンガス等を充分に撹拌注入することで脱ガスを行い、フラックス処理により除さいを行うのが好ましい。
好ましくは、ダイカスト鋳造された製品中のガス含有量を0.2cc/100gAl以下に抑えるのが好ましい。
ダイカスト鋳造における湯温は720〜750℃とした。
T5処理条件は180℃×4hrとし、T6処理条件は500℃×1hrで溶体化処理後に水焼入れし、180℃×4hrの焼戻しを実施した。
試験片はL180mm×W15mm×T5mm,標点間距離35mm比例試験片を作成し、JIS Z2241に準じて機械的性質を評価した。
これに対して、Fe及びSi量が多い比較例1〜3は、伸び2%と非常に悪い。
また、比較例4は、Fe,Si量が設定の範囲内であるが、Mgが0.52%と0.5%をやや超えたので、伸びが6%にとどまった。
比較例5〜7は、Mnが所定量よりも多く、伸びが低かった。
Claims (5)
- 以下質量%にて、Si:6〜9%,Mg:0.3〜0.5%,Fe:0.2%以下,Mn:0.5%以下,Cu:0.9%以下,Ti:0.2%以下であり、
P:10ppm以下,Sr:100ppm以下,Na:100ppm以下であり、
残部がAlと不可避的不純物からなることを特徴とする延性に優れたダイカスト鋳造用アルミニウム合金。 - Fe:0.05〜0.2%,P:5〜10ppmであることを特徴とする請求項1記載の延性に優れたダイカスト鋳造用アルミニウム合金。
- Sr又は/及びNaが30〜200ppm含有することを特徴とする請求項1又は2記載の延性に優れたダイカスト鋳造用アルミニウム合金。
- Mn:0.01〜0.5%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の延性に優れたダイカスト鋳造用アルミニウム合金。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金を用いてダイカスト鋳造された製品であって、当該製品中のガス含有量が0.2cc/100gAl以下であることを特徴とする延性に優れた鋳造製品。
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