JP2017071847A - 亜鉛ダイカスト合金 - Google Patents
亜鉛ダイカスト合金 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017071847A JP2017071847A JP2015212348A JP2015212348A JP2017071847A JP 2017071847 A JP2017071847 A JP 2017071847A JP 2015212348 A JP2015212348 A JP 2015212348A JP 2015212348 A JP2015212348 A JP 2015212348A JP 2017071847 A JP2017071847 A JP 2017071847A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- die casting
- casting alloy
- zinc die
- zinc
- strength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
【課題】 ダイカスト用亜鉛ダイカスト合金をホットチャンバーダイカスト機で生産できることを維持しながら組成を変更することにより高強度であり経年強度劣化抑制、耐クリープ性を有す。
【解決手段】 組成比を次のように変更する。Al:10〜20重量%、Cu:0.1〜5重量%、Mg:0.1〜1.0重量%、を含有し残部をZnと不可避不純物からなる。引張強度は従来JIS ZDC−2:289〜304MPaに対し本発明:418MPa以上を得ている。経年強度劣化はZDC−2:低下率17%に対し10%以下、クリープ歪みZDC−2:4.6%に対し1%以下を達成した。高精度、高強度、一定荷重が連続して作用し高信頼性を必要とする構造部材への転用可能となり工期短縮や性能向上に貢献する。
【解決手段】 組成比を次のように変更する。Al:10〜20重量%、Cu:0.1〜5重量%、Mg:0.1〜1.0重量%、を含有し残部をZnと不可避不純物からなる。引張強度は従来JIS ZDC−2:289〜304MPaに対し本発明:418MPa以上を得ている。経年強度劣化はZDC−2:低下率17%に対し10%以下、クリープ歪みZDC−2:4.6%に対し1%以下を達成した。高精度、高強度、一定荷重が連続して作用し高信頼性を必要とする構造部材への転用可能となり工期短縮や性能向上に貢献する。
Description
本発明は高強度を有しながら、経年強度劣化を抑制し、耐クリープ性に優れた亜鉛ダイカスト合金に関するものである。
亜鉛ダイカスト合金は、金型転写性に優れ、500℃以下の比較的低温で鋳造可能であることから、低コストで寸法精度の高い製品を生産可能である。近年、このような亜鉛ダイカスト合金のコスト優位性に着目して、高い信頼性が必要な構造部材への利用が求められている。
従来の高強度を有する亜鉛ダイカスト合金は、JIS規格 金型合金3種や、ASTM規格ZA合金(ZA8、ZA12、ZA27)がある。これらの合金は、アルミニウムと銅の含有量を増加させることによって、高強度を得ている。しかしながら、これらの合金は、引張強度が400MPa程度であり、特にアルミニウム含有量が多いZA合金は、95℃、10日の時効処理で15〜20%程度の強度低下が生ずるため、高信頼性が必要な構造部材に利用することはできない。
また、JIS ZDC2といった従来の亜鉛ダイカスト合金は、耐クリープ特性が低い(100℃、25MPaで100時間後の歪み5%)ため、長時間一定応力が作用するような構造部材に利用することはできない。
このような課題に対し、例えば特許文献1ではアルミニウムを12〜30質量%、銅を6〜20重量%含有させることで、引張強度が450MPa以上としながら、時効軟化を抑制できることが開示されている。
また、特許文献2ではマグネシウムを1〜4.5質量%含有し、銅、ニッケル及びマンガンの少なくとも1種を合計で7質量%以下追加含有することで、耐クリープ特性を向上できることが開示されている。
しかしながら、特許文献1の合金はアルミニウムおよび銅含有量が多いことから、ホットチャンバーダイカストで製造することが難しく、コスト優位性に優れる亜鉛合金の特性を損なう。また、銅の含有量が多く密度が増加することから、部品の重量が増加する。
また、特許文献2の合金はマグネシウム含有量が多いため、靱性が低く構造部材には不適である。
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、高強度を有しながら経年劣化を抑制しつつ、耐クリープ特性に優れ、コストを抑制した亜鉛合金を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、亜鉛合金においてアルミニウムを10〜20質量%、マグネシウムを0.1〜1.0質量%含有させることにより、ダイカストに用いる、高強度を有しながら経年劣化を抑制しつつ、耐クリープ特性に優れた亜鉛合金が得られることを見出した。
即ち、本発明のダイカスト用いる、高強度を有しながら経年劣化を抑制しつつ、耐クリープ特性に優れた亜鉛合金は、アルミニウムを10〜20質量%、マグネシウムを0.1〜1.0質量%含有し、残部を亜鉛と不可避不純物からなることを特徴とする。
本発明の亜鉛合金は、必要により、銅を0.1〜5質量%追加含有することができる。また、本発明の成形品は、上記した亜鉛合金からダイカストにより成形されたことを特徴とする。
本発明の亜鉛合金において、アルミニウムを含有させると強度が向上する。アルミニウム含有量の増加とともに強度は向上するが、経年劣化による強度低下が顕著となる。経年劣化の原因は、アルミニウムが添加されると生ずる共晶相(FCC(Al)+Zn)が粗大化することである。これに対して、マグネシウムを0.1質量%以上含有させると、亜鉛が塊状に晶出して、前述した共晶相、すなわち経年劣化により粗大化する相の占める割合が小さくなり、経年劣化が抑制される。このようにマグネシウムを添加することは、組織を安定化させる効果があることから、耐クリープ特性を向上させる効果がある。しかしながら、マグネシウムの添加量が1.0質量%を超えると、引張試験後の破断伸びが1%以下となり、構造部材として利用することができない。また、アルミニウム含有量が10質量%以下であると、強度向上効果が小さく、20質量%以上であると、経年劣化の程度が大きく、マグネシウム添加による経年劣化抑制の効果が得にくくなる。従って、本発明の亜鉛合金においては、アルミニウムの含有量を10〜20質量%、望ましくは10〜12質量%、マグネシウム含有量を0.1〜1質量%、望ましくは0.4〜0.5質量%とする。
本発明の亜鉛合金においては、必要により、銅を0.1〜5質量%追加含有することで、銅濃度が高い相が晶出することから、亜鉛合金の機械的強度を増加させることができる。
本発明による亜鉛合金は、アルミニウムと銅の含有量を増加させすぎないように、マグネシウムを添加して経年劣化を抑制し、耐クリープ性を向上させていることから、鋳造温度が低く、ホットチャンバーダイカストに特に適している。
以下に、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1〜4及び比較例1〜3
ダイカストマシンに付属した溶解炉で、Zn−Al−Cu−Mg母合金のインゴットを約80kg溶解し、溶湯温度が600℃に到達した後、純マグネシウム(99.7%以上)を目標の組成となるよう秤量して加えて、表1に示す合金成分を表1に示す量(質量%)含有し、残部が亜鉛と不可避の不純物からなる亜鉛合金を作成した。それらの亜鉛合金から、ホットチャンバーダイカストにより、下記の成形条件下で、平行部直径5mm、長さ100mmの試験片を作製した。
実施例1〜4及び比較例1〜3
ダイカストマシンに付属した溶解炉で、Zn−Al−Cu−Mg母合金のインゴットを約80kg溶解し、溶湯温度が600℃に到達した後、純マグネシウム(99.7%以上)を目標の組成となるよう秤量して加えて、表1に示す合金成分を表1に示す量(質量%)含有し、残部が亜鉛と不可避の不純物からなる亜鉛合金を作成した。それらの亜鉛合金から、ホットチャンバーダイカストにより、下記の成形条件下で、平行部直径5mm、長さ100mmの試験片を作製した。
成形条件:溶湯温度500℃、型温度80℃、型締め力245kN、射出速度1.38m/s、鋳造圧力72MPa
前記した試験片を用いて以下の試験を実施した。
鋳造したままの試験片及び100℃で1週間の時効後の試験片を用い、クロスヘッド速度5mm/min、標点間距離25mmの条件で引張試験を実施した。また、同じ試験片を用いて、鋳造したままの試験片を、試験温度100℃、試験荷重25MPaの条件で、100時間後のクリープ歪を求めた。測定結果は表2に示すとおりであった。
鋳造したままの試験片及び100℃で1週間の時効後の試験片を用い、クロスヘッド速度5mm/min、標点間距離25mmの条件で引張試験を実施した。また、同じ試験片を用いて、鋳造したままの試験片を、試験温度100℃、試験荷重25MPaの条件で、100時間後のクリープ歪を求めた。測定結果は表2に示すとおりであった。
表2のデータから明らかなように、実施例1〜4の亜鉛合金は、アルミニウム含有量が少ない従来亜鉛合金1、2およびマグネシウム含有量が少ない比較例1〜3と比較して、高強度を有しながら、時効後の強度低下が小さく、クリープ歪が小さい。
一方、本発明の亜鉛合金のアルミニウム含有量より多い従来亜鉛合金3は、高強度を有するが、時効後の強度低下が実施例より大きく、クリープ歪も大きい。さらに、本発明の組成範囲から外れているMg含有量が1質量%より多い比較例3は、時効後の強度低下は少なく、クリープ歪も小さいが、破断伸びが1%未満であり、構造部材には適さない。
本発明の高強度を有しながら経年劣化を抑制しつつ、耐クリープ特性に優れ、コストを抑制した亜鉛合金は、これまで亜鉛合金の適用が困難であった、一定荷重が連続して作用し、高信頼性が要求される構造部材への適用が可能である。これにより、メタルインジェクションモールドや焼結で製作する部品の代替が可能となる。
Claims (4)
- アルミニウムを10〜20質量%、マグネシウムを0.1〜1.0質量%含有し、残部を亜鉛と不可避不純物からなることを特徴とする、ダイカストに用いる亜鉛合金。
- 銅を0.1〜5質量%追加含有することを特徴とする請求項1記載の、ダイカストに用いる亜鉛合金。
- 引張強度が418MPa以上で有ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した亜鉛合金。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の亜鉛合金からなり、ダイカストにより成形されたことを特徴とする成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015212348A JP2017071847A (ja) | 2015-10-09 | 2015-10-09 | 亜鉛ダイカスト合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015212348A JP2017071847A (ja) | 2015-10-09 | 2015-10-09 | 亜鉛ダイカスト合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017071847A true JP2017071847A (ja) | 2017-04-13 |
Family
ID=58538651
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015212348A Pending JP2017071847A (ja) | 2015-10-09 | 2015-10-09 | 亜鉛ダイカスト合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017071847A (ja) |
-
2015
- 2015-10-09 JP JP2015212348A patent/JP2017071847A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP3121302B1 (en) | Aluminum alloy for die casting, and die-cast aluminum alloy using same | |
US20200102631A1 (en) | Mg-gd-y-zn-zr alloy and process for preparing the same | |
JP5305323B2 (ja) | ダイカスト用Zn合金およびダイカスト用Zn合金を用いたダイカスト部材の製造方法 | |
JP4204650B2 (ja) | 高強度耐熱亜鉛合金及び成形品 | |
JP2016520714A5 (ja) | ||
JP7152977B2 (ja) | アルミニウム合金 | |
JP5969713B1 (ja) | ダイカスト用アルミニウム合金およびこれを用いたアルミニウム合金ダイカスト | |
JP2010150624A (ja) | 鋳造用アルファ+ベータ型チタン合金及びこれを用いたゴルフクラブヘッド | |
WO2016145644A1 (en) | Alloy composition | |
JP2021021138A (ja) | ダイカスト鋳造用アルミニウム合金及びそれを用いた鋳造製品の製造方法 | |
CN110564996B (zh) | 一种高强度镁合金材料及其制备方法 | |
KR101007856B1 (ko) | 고강도 고연성 마그네슘 합금 | |
JP5852039B2 (ja) | 耐熱マグネシウム合金 | |
JP2016102246A (ja) | 延性に優れたダイカスト鋳造用アルミニウム合金及びそれを用いた鋳造製品 | |
JP6778675B2 (ja) | 耐熱マグネシウム合金 | |
JP2017071847A (ja) | 亜鉛ダイカスト合金 | |
JP7293696B2 (ja) | アルミニウム合金鋳造材およびその製造方法 | |
JP5522692B2 (ja) | 高強度銅合金鍛造材 | |
JP5688744B2 (ja) | 高強度高靱性銅合金鍛造材 | |
JPWO2017168645A1 (ja) | 耐熱性マグネシウム合金 | |
JP6122932B2 (ja) | 高靭性アルミニウム合金鋳物 | |
JP7475330B2 (ja) | 耐熱性を有する鋳造用マグネシウム合金 | |
KR101269516B1 (ko) | 스칸듐이 없는 다이캐스팅용 고강도 알루미늄 합금 | |
JP2020125528A (ja) | アルミニウム合金鋳造材 | |
JP2017061713A (ja) | マグネシウム合金及びそれを用いた鍛造品 |