JP7152977B2 - アルミニウム合金 - Google Patents
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Description
(1)本発明は、全体を100質量%(単に「%」という。)として、下記の組成を満たすアルミニウム合金である。
Si:7~10%、
Fe:0.3~0.9%、
V :0.05~0.3%、
Zr:0.05~0.3%、
Ti:0.05~0.3%、
残部:Alおよび不純物
(1)本発明のAl合金は、例えば、ダイカスト鋳造用原料またはダイカスト鋳物として把握される。また本発明は、例えば、そのダイカスト鋳造用原料を溶解した溶湯を、金型のキャビティへ加圧注湯(射出)して凝固させることにより、ダイカスト鋳物を得るダイカスト鋳造方法(製造方法)としても把握される。
(1)本明細書でいう不純物には、Al、Si、Fe、V、ZrおよびTi(これらを適宜「必須元素」という。)以外の1種以上の元素が含まれる。不純物量は、所望する機械的性質や鋳造性が阻害されない範囲であればよい。不純物は、例えば、1元素あたり0.5%以下、0.3%以下さらには0.1%以下であるとよい。不純物元素の合計量は、2%以下、1%以下さらには0.5%以下であるとよい。
本発明のAl合金は、Alの他に、Si、Fe、V、ZrおよびTiを必須の合金元素として含む。以下、各合金元素とその含有量(濃度)について詳述する。なお、本明細書でいう合金組成は、特に断らない限り、Al合金(鋳物/原料/溶湯)全体に対する質量割合であり、単に「%」で示す。
本発明のAl合金は、一般的な鋳造方法(砂型鋳造、金型鋳造等)に用いることもできるが、特にダイカスト鋳造に好適である。また、本発明のAl合金はFeの許容範囲が広いため、リサイクルした原料(再生地金等)の利用、活用を促す。再生原料を用いると、機械的性質に優れるダイカスト鋳物の製造コスト低減が可能となる。
本発明のAl合金(鋳物)は機械的性質(特に延性、靱性)に優れるため、強度と共に高延性または高靱性が要求される種々の製品や部材に適している。例えば、車両(自動車、二輪車)の骨格部分(ボディ、シャシ等)、サスペンションメンバー、ホイール、ジョイント、サスペンションタワー、ピラー等は、本発明の鋳物により構成され得る。
表1に示す多数の試料(ダイカスト鋳物)をダイカスト鋳造により製造した。ダイカスト鋳造は、縦型ダイカスト機を用いて行った。所望組成に調製した溶湯をプランジャ(φ40mm)で金型のキャビティへ加圧注入後(注入工程)、凝固させた(凝固工程)。鋳造条件は、鋳造圧力:65MPa、射出(プランジャ)速度:低速0.2m/s、高速1.0m/s、射出(溶解)温度:液相線温度+100℃、金型温度:室温、型開き時間:4sとした。このときの冷却速度は約200~400℃/sとなる。こうして、図3に示す板状(200mm×40mm×t3~5mm)のダイカスト鋳物(単に「鋳物」という。)を得た。各鋳物から、引張試験片(図3参照)、曲げ試験片、硬さ試験片を切り出した。また、各鋳物から金属組織を観察する観察片も切り出した。
各試料の観察片を走査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍に拡大して観察した。得られた金属組織(SEM像)を図1に対比して示した。また、試料1と試料C4の金属組織をEPMAで分析した。得られた元素分布(EPMA像)を図2にまとめて示した。
(1)引張試験
各試料の引張試験片を用いて、引張圧縮試験装置(ミネベアミツミ株式会社製)により引張試験を行った。引張試験は、クロスヘッド速度:0.5mm/min、試験温度:室温で行った。0.2%耐力は、歪みゲージを用いて求めた。破断伸びは、つき合せ法により求めた。
各試料の硬さ(HV1)をビッカース硬度計により測定した。測定は、室温下で、試験荷重:1kgfとして行った。
各試料の曲げ試験片(10mm×70mm×t3mm)を用いて3点曲げ試験(支点間距離L=30mm)を行った。各試料について、曲げ試験片に亀裂が発生したときのたわみ量を表1にまとめて示した。こうして求めたたわみ量も、Al合金(鋳物)の延性を評価する一指標とした。なお、機械的性質の測定はいずれもJISに準拠して行った。
(1)リサイクル性
表1から明らかなように、Fe量が少ない試料C1は、Vを含まなくても優れた機械的性質を発揮した。しかし、試料C1のようなAl合金は、Feの許容範囲が狭く、再生原料を利用した製造が困難であり、リサイクル性が劣る。一方、試料1~4はFeを0.3~0.9%含み、いずれも機械的性質に優れる。従って、試料1~4のAl合金は、再生原料を利用した調製可能であり、リサイクル性に優れる。
試料C1に対して、実質的にFeだけを約0.5%にした試料C2は、Feの増量により延性(破断伸び等)が急減した。一方、試料1~4は、Feを0.3~0.9%含むが、V、ZrおよびTiが複合添加されているために、優れた機械的性質を発揮した。
図1と図2から明らかなように、V、ZrおよびTiを共に含む試料1は、Feが多いにも拘わらず、α―Al(基地相)の外周部に、共晶SiとFe系化合物が、微細かつ均一的に分散した金属組織となった。また試料1の金属組織では、VもFeと同様な分布を示した。このため、試料1のFe系化合物は、Vにより微細化されることがわかった。また、Tiはα―Al内に比較的多く分布(固溶)することもわかった。
V、ZrおよびTiを含むAl合金(鋳物)が、上述したような金属組織となった理由は次のように考えられる。
Claims (4)
- 全体を100質量%(単に「%」という。)として、下記の組成を満たすアルミニウム合金。
Si:7~10%、
Fe:0.3~0.9%、
V :0.05~0.3%、
Zr:0.05~0.3%、
Ti:0.05~0.3%、
残部:Alおよび不可避不純物 - さらに、MnまたはCrの少なくとも一方が含まれ、
全体に対するFe、MnおよびCrの各質量割合が下式を満たす請求項1に記載のアルミニウム合金。
Fe(%)+2×Mn(%)+2×Cr(%)≦1(%) - ダイカスト鋳造用原料またはダイカスト鋳物である請求項1または2に記載のアルミニウム合金。
- 前記ダイカスト鋳物は、破断伸びが10%以上で、0.2%耐力が120MPa以上である請求項3に記載のアルミニウム合金。
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