JP2019065344A - 低熱膨張合金 - Google Patents

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晴康 大野
浩太郎 小奈
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浩太郎 小奈
直輝 坂口
Naoteru Sakaguchi
直輝 坂口
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Abstract

【課題】室温における熱膨張係数がさらに低く、さらに熱間加工性に優れ、鋳造割れ対策を施した低熱膨張合金を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.04%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、S:0.050%以下、Ni:31.0〜36.0%、Co:2.0〜6.5%、Al:0.01〜0.20%、Mg:0〜0.05%、Ca:0〜0.05%、Ce:0.02〜0.10%、及びLa:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であり、Mn、Mg、Ca、Ce、Laの含有量(質量%)[Mn]、[Mg]、[Ca]、[Ce]、[La]が0.004×[Mn]+0.4×[Mg]+0.6×[Ca]+0.6×[Ce]+0.4×[La]>0.03を満たし、25〜100℃の平均熱膨張係数が1.0×10-6/℃以下であり、900℃における引張試験で測定した絞りが50%以上であることを特徴とする低熱膨張合金。【選択図】なし

Description

本発明は低熱膨張合金に関し、特に、熱間加工性に優れ、さらに鋳造割れ対策を施した低熱膨張合金に関する。
エレクトロニクスや半導体関連機器、レーザー加工機、超精密加工機器の部品材料として、熱的に安定なインバー合金が広く使用されている。
インバー合金は、Fe−高Ni合金であり、オーステナイト単相として凝固するので、不純物元素の偏析が大きく、粗大な柱状晶を形成しやすい。このため、鋳鋼品の割れ、インゴットの鋳造割れ、鍛鋼品インゴットの熱間鍛造割れが発生しやすい。
特許文献1は、高強度で、かつ優れた熱間加工性を有していて製造コストが安価な、室温以下での熱膨張係数の低いインバー合金を開示している。特許文献1のインバー合金は、重量割合にてC:0.015〜0.10%,Si:0.35%以下,Mn:1.0%以下,P:0.015%以下,S:0.0010%以下,Cr:0.3%以下,Ni:35〜37%,Mo:0〜0.5%,V:0〜0.05%,Al:0.01%以下,Nb:0.15%以上1.0%未満,Ti:0.003%以下,N:0.005%以下、B:0.0005〜0.005%を含有すると共に残部がFe及び不可避的不純物より成ることを特徴とする。
特許文献2は、熱間加工性のすぐれたFe−Ni合金を開示している。特許文献3のFe−Ni合金は、重量でNi:30〜80%、C:0.03%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Cr:7.0%以下、Al:0.10%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなる合金であって、B:0.001〜0.03%を含有することを特徴とする。
特開平10−17997号公報 特開昭60−159157号公報
前記特許文献に開示されているインバー合金の熱膨張係数、熱間加工性は、近年の要求に対しては、まだ十分とはいえない。また、前述のとおり、インバー合金には、インゴットの鋳造割れが発生しやすいという問題がある。
本発明は、室温における熱膨張係数がさらに低く、さらに熱間加工性に優れ、鋳造割れ対策を施した低熱膨張合金を提供することを課題とする。
本発明者らは、低い熱膨張係数を有し、さらに熱間加工性に優れ、鋳造割れ対策を施し、被削性に優れた低熱膨張合金を得る方法を鋭意検討した。その結果、成分組成を適切な範囲に設定し、溶体化処理を施すことにより、低い熱膨張係数を有し、さらに熱間加工性に優れ、鋳造割れ対策を施した低熱膨張合金が得られることを知見した。
本発明は上記の知見に基づきなされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
質量%で、C:0.04%以下、Si:0.50%以下、Mn:0.50%以下、S:0.050%以下、Ni:31.0〜36.0%、Co:2.0〜6.5%、Al:0.01〜0.20%、Mg:0〜0.05%、Ca:0〜0.05%、Ce:0.02〜0.10%、及びLa:0.01〜0.10%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であり、Mn、Mg、Ca、Ce、Laの含有量(質量%)[Mn]、[Mg]、[Ca]、[Ce]、[La]が0.004×[Mn]+0.4×[Mg]+0.6×[Ca]+0.6×[Ce]+0.4×[La]>0.03を満たし、25〜100℃の平均熱膨張係数が1.0×10-6/℃以下であり、900℃における引張試験で測定した絞りが50%以上であることを特徴とする低熱膨張合金。
本発明によれば、低い熱膨張係数を有し、熱間加工性に優れ、鋳造割れ対策を施した低熱膨張合金を得られるので、熱的に安定でありかつ高強度が望まれる部品の素材等に適用できる。
以下、本発明について詳細に説明する。以下、成分組成に関する「%」は特に断りのない限り「質量%」を表すものとする。はじめに、本発明の鋳物の成分組成について説明する。
Cは、オーステナイトに固溶し強度の上昇に寄与する。Cの含有量が多くなると、熱膨張係数が大きくなる。さらに、延性が低下して、鋳造割れが生じやすくなるので、含有量は0.04%以下、好ましくは0.02%以下とする。本発明の低熱膨張合金においては、Cは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Siは、脱酸材として添加することができる。Si量が0.5%を超えると熱膨張係数が増加するので、Si量は0.5%以下、好ましくは0.4%以下とする。本発明の低熱膨張合金においては、Siは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Mnは、脱酸材として添加することができる。また、Sと結合することでSの粒界偏析を抑え、熱間延性を向上させる。Mnの含有量が0.5%を超えても効果が飽和し、コスト高となるので、Mn量は0.5%以下、好ましくは0.3%以下とする。Mnは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Sは不純物として鋼に含有されることがある元素である。Sが多量に含有されると、熱間加工性が劣化し、さらに鋳造割れが生じやすくなるので、Sの含有量は0.050%以下とする。Sの含有量は0でもよい。
Niは、熱膨張係数を低下させる、必須の元素である。Ni量は多すぎても少なすぎても熱膨張係数が十分に小さくならない。熱膨張係数を十分に小さくするために、Ni量は31〜36%、好ましくは32〜34%の範囲とする。
Coは、Niとの組み合わせにより熱膨張係数の低下に寄与する。所望の熱膨張係数を得るため、Coの範囲は2.0〜6.5%、好ましくは3.0〜6.0%とする。
Alは、脱酸の目的で添加される。また、強度の低下を抑制させる効果がある。この効果を得るために、Alの含有量を0.01%以上とする。また、介在物の形成を抑え、鋳造欠陥を少なくし、さらに低い熱膨張係数を得るために、含有量は0.20%以下、好ましくは0.10%以下とする。
Mgは、不純物として含有されるSと結合することでSの粒界偏析を抑え、熱間延性を向上させる機能を有する。さらに、Mg酸化物あるいはMg蒸気が接種材としての効果も有する。Mgの含有量が0.05%を超えると、溶湯の粘性が高められ、また、鋳造欠陥を生じるおそれがあるので、Mgの含有量は0〜0.05%以下とする。Mgは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Caは、Sと結びついて硫化物をつくり、熱間加工性の改善や常温の延性改善に役立つ。Caの含有量が0.05%を超えると、合金の融点を下げて、逆に熱間加工性を低下させるので、Caの含有量は0〜0.05%以下とする。Caは必須の元素ではなく、含有量は0でもよい。
Ce、Laは、Sと結合することでSの粒界偏析を抑え、熱間延性を向上させ、さらに、硫化物による靭性の低下を抑制する元素である。この効果を得るために、Ce、Laの含有量は、それぞれ、0.02%以上、0.01%以上とする。含有量が0.10%を超えると効果が飽和するので、Ce、Laの含有量は0.10%以下とする。
成分組成の残部は、Fe及び不可避的不純物である。不可避的不純物とは、本発明で規定する成分組成を有する鋼を工業的に製造する際に、原料や製造環境等から不可避的に混入するものをいう。具体的には、0.02%以下のP、O、Nなどが挙げられる。
本発明の低熱膨張合金の成分組成は、さらに、Mn、Mg、Ca、Ce、Laの含有量(質量%)を、それぞれ、[Mn]、[Mg]、[Ca]、[Ce]、[La]としたときの、0.004×[Mn]+0.4×[Mg]+0.6×[Ca]+0.6×[Ce]+0.4×[La]>0.03を満たす必要がある。
Mn、Mg、Ca、Ce、及びLaは、上述のとおり、硫化物を生成する元素であり、上式を満たすことにより、Sの結晶粒界への偏析が十分に抑制され、熱間加工性を向上させ、鋳造割れを低減することが可能となる。
次に、本発明の低熱膨張合金の製造方法について説明する。
はじめに、鋳造により、所望の成分組成を有する鋳造合金を製造する。鋳造に用いる鋳型や、鋳型への溶鋼の注入装置、注入方法は特に限定されるものではなく、公知の装置、方法を用いればよい。
得られた鋳造合金に直接、あるいは、鍛造後に、溶体化処理を施す。溶体化処理は、合金を600〜1000℃、好ましくは750〜850℃に加熱し、0.5〜5hr保持した後、急冷する。冷却速度は10℃/min以上が好ましく、100℃/min以上がより好ましい。溶体化により、鋳造時に析出した析出物が固溶して、延性、靭性が向上する。
溶体化処理の後に、必要に応じて、300〜350℃で1〜5hr保持し、その後空冷する応力除去焼きなまし等の公知の熱処理を施してもよい。
本発明の低熱膨張合金の優れた熱間加工性は、900℃における引張試験(グリーブル試験)の結果により評価できる。具体的には、本発明の低熱膨張合金は、900℃における引張試験で測定された絞りが50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上の特性を有する。
本発明の低熱膨張合金は、25〜100℃における平均熱膨張係数が1.0×10-6/℃以下となる低い熱膨張係数を有する。
表1、表2に示す成分組成となるように調整した溶湯を鋳型に注湯し鋳鋼品(Yブロックとインゴット)を複数製造した。表1、表2中の「ΔS」は、Mn、Mg、Ca、Ce、Laの含有量(質量%)を、それぞれ、[Mn]、[Mg]、[Ca]、[Ce]、[La]としたときの、0.004×[Mn]+0.4×[Mg]+0.6×[Ca]+0.6×[Ce]+0.4×[La]の値を示す。
Yブロックから、2つのサンプルを採取して900℃で歪速度0.07〜0.08s−1の引張試験を行い、平均値を引張強さ、絞りの測定値とした。同様に、熱膨張係数測定用の試験片を採取し、830℃で2hr保持し、平均冷却速度200℃/minの溶体化処理、さらに350℃で5hr保持後空冷の応力除去焼きなましを施し、25〜100℃の平均熱膨張係数を測定した。
また、インゴットを鋳造した後、鍛練成形比を15として熱間鍛造を行い、割れの有無で鍛造性を評価し、割れがなかったものを「○」、割れが生じたものを「×」とした。鍛造によって得られた鍛鋼品から、熱膨張係数測定用の試験片を採取し、830℃で2hr保持し、平均冷却速度200℃/minの溶体化処理、さらに350℃で5hr保持後空冷の応力除去焼きなましを施し、25〜100℃の平均熱膨張係数を測定した。
結果を表1、表2に示す
本発明の低熱膨張合金は、熱膨張係数が低く、さらに900℃で引張試験において、高い絞りを示した。
これに対して比較例では、熱間加工性、熱膨張係数の少なくとも一方で目標の特性が得られなかった。
Figure 2019065344
Figure 2019065344

Claims (1)

  1. 質量%で、
    C :0.04%以下、
    Si:0.50%以下、
    Mn:0.50%以下、
    S :0.050%以下、
    Ni:31.0〜36.0%、
    Co:2.0〜6.5%、
    Al:0.01〜0.20%、
    Mg:0〜0.05%、
    Ca:0〜0.05%、
    Ce:0.02〜0.10%、及び
    La:0.01〜0.10%
    を含有し、残部がFe及び不可避的不純物であり、
    Mn、Mg、Ca、Ce、Laの含有量(質量%)[Mn]、[Mg]、[Ca]、[Ce]、[La]が
    0.004×[Mn]+0.4×[Mg]+0.6×[Ca]+0.6×[Ce]
    +0.4×[La]>0.03
    を満たし、
    25〜100℃の平均熱膨張係数が1.0×10-6/℃以下であり、
    900℃における引張試験で測定した絞りが50%以上である
    ことを特徴とする低熱膨張合金。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110760764A (zh) * 2019-11-05 2020-02-07 重庆材料研究院有限公司 一种铁镍基含Al高强度定膨胀合金
US11672279B2 (en) 2011-09-06 2023-06-13 Nicoventures Trading Limited Heating smokeable material
WO2024014484A1 (ja) * 2022-07-12 2024-01-18 新報国マテリアル株式会社 低熱膨張合金
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