JPWO2015178494A1 - 新規な食用水中油型ペースト状組成物 - Google Patents

新規な食用水中油型ペースト状組成物 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015178494A1
JPWO2015178494A1 JP2016521168A JP2016521168A JPWO2015178494A1 JP WO2015178494 A1 JPWO2015178494 A1 JP WO2015178494A1 JP 2016521168 A JP2016521168 A JP 2016521168A JP 2016521168 A JP2016521168 A JP 2016521168A JP WO2015178494 A1 JPWO2015178494 A1 JP WO2015178494A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
edible oil
weight
water
composition
water paste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016521168A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6581972B2 (ja
Inventor
康文 三宅
康文 三宅
英記 佐藤
英記 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Publication of JPWO2015178494A1 publication Critical patent/JPWO2015178494A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6581972B2 publication Critical patent/JP6581972B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT, e.g. PRESERVATION, OF FLOUR OR DOUGH, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS; PRESERVATION THEREOF
    • A21D13/00Finished or partly finished bakery products
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D7/00Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23GCOCOA; COCOA PRODUCTS, e.g. CHOCOLATE; SUBSTITUTES FOR COCOA OR COCOA PRODUCTS; CONFECTIONERY; CHEWING GUM; ICE-CREAM; PREPARATION THEREOF
    • A23G1/00Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23GCOCOA; COCOA PRODUCTS, e.g. CHOCOLATE; SUBSTITUTES FOR COCOA OR COCOA PRODUCTS; CONFECTIONERY; CHEWING GUM; ICE-CREAM; PREPARATION THEREOF
    • A23G1/00Cocoa; Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • A23G1/30Cocoa products, e.g. chocolate; Substitutes therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L7/00Cereal-derived products; Malt products; Preparation or treatment thereof
    • A23L7/10Cereal-derived products
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L9/00Puddings; Cream substitutes; Preparation or treatment thereof
    • A23L9/20Cream substitutes

Abstract

ココアパウダーを7〜15重量%含有し、25℃での、回転数が20rpmの一定条件における測定開始1分後のズリ応力が400〜700Pa、及び回転数10rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(A)と、50rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(B)との差(B−A)が−100〜0Paであって、食用水中油型ペースト状組成物約10gを約7cmの棒状になるように取り出し、上方向から見た加熱処理前の面積(C)と、その後190℃のオーブンで10分間加熱し、前記と同様に上方向から見た加熱処理後の面積(D)から算出される加熱膨張率(D/C)が1.5倍未満であり、水分活性が0.92〜0.94で、且つpHが5.5〜5.8である、生地にフィリング又はトッピングして加熱処理しても、耐熱性があり、口溶けが良好でねちゃつきのない食感のチョコレート風味の食用水中油型ペースト状組成物。

Description

本発明は、製菓・製パン分野で用いられる、生地にフィリング又はトッピングして加熱処理してから食用に供される食用水中油型ペースト状組成物及びその製造方法に関する。
主に製菓・製パン分野において使用されるチョコレート風味の食用水中油型ペースト状組成物(この種の食用水中油型ペースト状組成物を「フラワーペースト」とも称する。)は、最近の顧客志向として、口溶けが良好でねちゃつきのない食感、生地にフィリング又はトッピングして加熱処理した際に生地から流れ出たり、ダレたりしない耐熱性、さらには濃厚なチョコレート風味が求められるようになっている。しかし、チョコレート風味を強くするために無脂カカオ分を多く添加すると、口溶けが悪くなるし、原料としてカカオマスやチョコレートを含有させると、各原料を混ぜて乳化物を作製する際に酸性状態となる為、乳化が不安定になって離水や油分離を生じたり、耐熱性が低下したり、ねちゃつきが感じられるようになる。
また、近年、環境問題への関心の高まりもあって、店舗で大量に売れ残った消費期限間近の弁当やパンが破棄されていることへの対策として消費期限の延長が求められている。
これまで、澱粉性原料及び水分を特定量含有し、良好な加熱耐性を有する水中油型含水チョコレート(特許文献1)が開示されているが、パン生地に包餡して加熱処理すると耐熱性が不充分で、融解してダレると言った問題が残っている。
また、濃厚なチョコレート風味を付与するために、カカオ分と乳清ミネラルを特定量含有し、該カカオ分と該乳清ミネラルの固形分との質量比率が特定範囲であるフラワーペースト類(特許文献2)が開示されているが、特に口溶けや日持ちを考慮していないため、食感は硬く、口溶けが劣り、ねちゃつくと言った問題がある。
特開2000−262217号公報 特開2011−217646号公報
本発明の目的は、生地にフィリング又はトッピングして加熱処理し、常温で保存しても経日的にパン・菓子が硬くならず、衛生的にも日持ちし、且つ耐熱性があり、カカオ分が多くても口溶けが良好でねちゃつきのない食感のチョコレート風味の食用水中油型ペースト状組成物及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、チョコレート風味を付与するために無脂カカオ分を多量に加えても、特定のズリ応力、特定の加熱膨張率、特定の水分活性及び特定のpHを持つように作製された食用水中油型ペースト状組成物は、耐熱性があり、口溶けが良好で、ねちゃつきのない食感を有し、常温で3〜4日間保存してもパンが硬くならず、且つ衛生的に日持ちがすることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、ココアパウダーを7〜15重量%含有する食用水中油型ペースト状組成物であって、25℃での、回転数が20rpmの一定条件における測定開始1分後のズリ応力が400〜700Pa、及び回転数を5、10、20、50rpmと段階的に上げていき、回転数10rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(A)と、50rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(B)との差(B−A)が−100〜0Paであって、食用水中油型ペースト状組成物約10gを幅約1.5cm×長さ約7cmの棒状になるように取り出し、該食用水中油型ペースト状組成物の真上方向の約30cmの高さから見た加熱処理前の面積(C)と、その後190℃のオーブンで10分間加熱し、前記と同様に真上方向から見た加熱処理後の面積(D)から算出される加熱膨張率(D/C)が1.5倍未満であり、水分活性が0.92〜0.94で、且つpHが5.5〜5.8である、生地にフィリング又はトッピングして加熱処理してから食用に供されるチョコレート風味の食用水中油型ペースト状組成物に関する。好ましい実施態様は、食用水中油型ペースト状組成物全体中、ココアパウダー7〜15重量%、油脂10〜25重量%、リン酸架橋澱粉1〜5重量%、キサンタンガム、グルコマンナン及びローカストビンガムから選ばれる少なくとも2種の増粘剤0.01〜0.09重量%、ホエー蛋白質0.1〜0.45重量%、糖類30〜45重量%、酸味料0.1〜1.0重量%を含有する、水分32〜40重量%である上記記載の食用水中油型ペースト状組成物に関する。より好ましくは、リン酸架橋澱粉が、ワキシーコーン、コーン、米及びタピオカからなる群から選ばれる少なくとも1種の澱粉原料に由来するヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉である上記記載の食用水中油型ペースト状組成物、更に好ましくは、油脂の上昇融点が32〜37℃である上記記載の食用水中油型ペースト状組成物、に関する。本発明の第二は、混合物全体中、ココアパウダー7〜15重量%、リン酸架橋澱粉1〜5重量%、キサンタンガム、グルコマンナン及びローカストビンガムから選ばれる少なくとも2種の増粘剤0.01〜0.09重量%、ホエー蛋白質0.1〜0.45重量%、糖類30〜45重量%、酸味料0.1〜1.0重量%を水に溶解して加熱して調製した水相部に、油脂10〜25重量%を含む油相部を混合して水分が32〜40重量%の混合物を得る工程と、得られた混合物を予備乳化した後、均質化処理及び加熱処理する工程とを含む、食用水中油型ペースト状組成物の製造方法に関する。本発明の第三は、上記記載の食用水中油型ペースト状組成物を加熱処理前の生地にフィリング又はトッピングしてなるパン・菓子に関する。
本発明に従えば、生地にフィリング又はトッピングして加熱処理し、常温で保存しても経日的にパン・菓子が硬くならず、衛生的にも日持ちし、且つ耐熱性があり、カカオ分が多くても口溶けが良好でねちゃつきのない食感のチョコレート風味の食用水中油型ペースト状組成物及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の、チョコレート風味の食用水中油型ペースト状組成物は、生地にフィリング又はトッピングして、加熱処理してから食用に供されるものであり、カカオ分が多く、その上で、特定のズリ応力、特定の加熱膨張率、特定の水分活性(Aw)及び特定のpHを有することを特徴とする。なお、前記食用水中油型ペースト状組成物とは、小麦粉及び/又はでん粉、油脂、糖類、水を主要原料とし、これにココアパウダーなどを風味剤として加え、さらに必要に応じてコーヒー、乳主原、卵及び/又はこれらの加工品、増粘剤等を加え、加熱して得られる。以下、本発明では、食用水中油型ペースト状組成物をフラワーペーストとも称する。
本発明の食用水中油型ペースト状組成物において、回転数が20rpmの一定条件での測定開始1分後のズリ応力とは、食用水中油型ペースト状組成物の口溶けを示す指標であり、400〜700Paが好ましく、450〜650Paがより好ましい。400Paよりも小さいと耐熱性が劣る場合がある。700Paよりも大きいと、もったりした食感になり、口溶けが悪くなり、ねちゃつきが感じられるようになる場合がある。前記ズリ応力は、25℃に温調した食用水中油型ペースト状組成物を、温度制御可能な専用サンプルカップに約1ml供試し、円筒型回転式粘度計(東機産業株式会社製「TV−35形粘度計」)を用いて、ローター:3゜×R7.7で測定する。
本発明の食用水中油型ペースト状組成物において、回転数を5、10、20、50rpmと段階的に上げていった時の、回転数10rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(A)と、50rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(B)との差(B−A)とは、食用水中油型ペースト状組成物のねちゃつきのなさを示す指標であり、−100〜0Paが好ましく、−70〜0Paがより好ましい。−100Paよりも小さいと耐熱性が劣る場合がある。0Paよりも大きいと、ねちゃつきが感じられる場合がある。前記ズリ応力は、25℃に温調した食用水中油型ペースト状組成物を、温度制御可能な専用サンプルカップに約1ml供試し、円筒型回転式粘度計(東機産業株式会社製「TV−35形粘度計」)を用いて、ローター:3゜×R7.7、各回転数への切り替え時間:10秒、各回転数における保持時間:20秒で測定する。
本発明の食用水中油型ペースト状組成物における加熱膨張率とは、食用水中油型ペースト状組成物の耐熱性を示す指標であり、1.5倍未満が好ましく、1.35倍未満がより好ましく、1.2倍未満が更に好ましい。前記加熱膨張率が1.5倍以上では、加熱処理時にパンから流れ出たり、ダレる場合がある。また、あまりに加熱膨張率が低いとパンや菓子に空洞ができたりするので、0.9倍以上が好ましい。
前記加熱膨張率は、次のようにして測定できる。食用水中油型ペースト状組成物約10gをろ紙(東洋濾紙株式会社製「定性濾紙No.2、φ90mm」)上に幅約1.5cm×長さ約7cmの棒状になるように取り出し、該食用水中油型ペースト状組成物の真上方向の約30cmの高さから見た加熱処理前の面積(C)をデジタルカメラで撮影し、その画像を解析処理ソフト「ImageJ」を用いて測定する。その後、そのものを底面が10cm角で、高さが2cmの上面が空いた紙製の箱に入れ、箱の上面及び側面をアルミ箔で覆い、190℃のオーブンで10分間加熱し、前記と同様に真上方向から見た加熱処理後の面積(D)を測定し、D/Cで算出される値を加熱膨張率とする。
本発明の食用水中油型ペースト状組成物における水分活性(Aw)は、0.92〜0.94であることが好ましく、0.92〜0.93がより好ましい。食用水中油型ペースト状組成物の水分活性(Aw)が0.92未満であるとフィリング等したパン又は菓子の水分を吸収してしまい、パンや菓子が硬くなる場合がある。また、食用水中油型ペースト状組成物の水分活性(Aw)が0.94より大きいと衛生的な日持ちが劣る場合がある。水分活性は、露点法(Fleischwirtschaft, vol.52, pp.1461-1462, 1972)に準拠して、水分活性測定装置(デカゴンデバイス社(Decagon Devices, Inc.)製「AQUA LAB CX-2」)を用いて測定することができる。
本発明の食用水中油型ペースト状組成物におけるpHは、5.5〜5.8であることが好ましく、5.5〜5.7がより好ましく、5.5〜5.6が更に好ましい。食用水中油型ペースト状組成物のpHが5.5より小さいと乳化が不安定になったり、ザラツキや酸味が感じられる場合があり、また5.8より大きいとねちゃつきが感じられたり、保存性が劣る場合がある。pHは、pH METER(株式会社堀場製作所製「F-52」)を用いて測定することができる。
そして、上記のような食用水中油型ペースト状組成物は、耐熱性が高く、加熱処理用に好適に用いることができる。
前記のような特定のズリ応力、加熱膨張率、水分活性及びpHを有する食用水中油型ペースト状組成物は、ココアパウダーを多く含んでも、油脂、リン酸架橋澱粉、増粘剤、ホエー蛋白質、糖類及び酸味料を特定量含有し、更にその水分量を特定の範囲に調整すると、容易に得られる。
前記ココアパウダーとは、ダッチプロセスにより、アルカリで中和を行いながらカカオマスから脂肪分であるココアバターを搾り出した後のココアケーキを粉砕して粉末状にしたものを言う。ココアパウダー中のココアバター含有量は25重量%以下が好ましく、7〜20重量%がより好ましく、10〜18重量%が更に好ましい。ココアバター含有量が7重量%より少ないと、口溶けが劣ったり、チョコレート風味が弱く感じられる場合がある。ココアバター含有量が25重量%より多いと、食用水中油型ペースト状組成物に離水や油分離が生じたり、耐熱性が低下したり、ねちゃつきが感じられる場合がある。
ココアパウダーの含有量は、ある程度多い方が本発明の効果をより享受でき、食用水中油型ペースト状組成物全体中7〜15重量%が好ましく、9〜12重量%がより好ましい。ココアパウダーの含有量が7重量%より少ないと、食用水中油型ペースト状組成物のチョコレート風味が弱く感じられる場合がある。また、ココアパウダーの含有量が15重量%より多いと、食用水中油型ペースト状組成物のチョコレート風味や耐熱性は高まるものの、良好な口溶けが損なわれ、ねちゃついた食感になる場合がある。
前記油脂としては、菜種油、コーン油、オリーブ油、ひまわり油、サフラワー油、大豆油、カノーラ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、綿実油、カカオ脂、シア脂等の植物油脂、牛脂、ラード、魚油、乳脂等の動物油脂、またそれらの硬化油脂、エステル交換油脂、分別油脂等の各種加工油脂、バター、クリーム、マーガリン、ショートニングなどが例示でき、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用できるが、特に、口溶けを良くする等の理由から、上昇融点32〜37℃の油脂が好ましい。前記油脂の上昇融点は、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法 2.2.4.2−1996」に準拠して測定できる。
前記油脂の含有量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中10〜25重量%が好ましく、12〜20重量%がより好ましい。油脂の含有量が10重量%より少ないと良好な口溶けが損なわれ、ねちゃついた食感になる場合がある。また、油脂の含有量が25重量%より多いと、油が分離したり、耐熱性が劣ったりする場合がある。
前記リン酸架橋澱粉とは、澱粉にトリメタリン酸塩やオキシ塩化リンなどを作用させ、澱粉の分子内または分子間の水酸基が架橋して、澱粉粒の膨潤や糊化が抑制された澱粉を言う。前記リン酸架橋澱粉としては、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉などが挙げられるが、本発明においては、特に、酸臭等の異味が少なく食用水中油型ペースト状組成物本来の風味を邪魔しない点と保存時の硬さ変化や離水が少ない点等から、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉が好ましい。
また、前記リン酸架橋澱粉の原料澱粉としては、一般に食品に使用される澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等を挙げることができるが、本発明では、タピオカ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉の群から選ばれる少なくとも1種を使用することが、食用水中油型ペースト状組成物の良好な口溶けとねちゃつきのない食感を得る上で好ましい。
前記リン酸架橋澱粉の含有量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中1〜5重量%が好ましく、2〜4重量%がより好ましい。リン酸架橋澱粉の含有量が1重量%より少ないと食用水中油型ペースト状組成物の硬さが軟らかくなって十分な耐熱性が得られない場合がある。また、リン酸架橋澱粉の含有量が5重量%より多いと食用水中油型ペースト状組成物が硬くなり、口溶けが良好でねちゃつきのない食感が得られない場合がある。
前記増粘剤としては、口溶け及びねちゃつきのなさといった観点から、キサンタンガム、グルコマンナン及びローカストビンガムから選ばれる少なくとも2種以上を用いることが好ましく、キサンタンガムとグルコマンナン及び/又はローカストビンガムを併用することがより好ましい。
そして特に、キサンタンガム/グルコマンナン/ローカストビンガムを、重量比で20〜80/0〜80/0〜50で併用することがより好ましく、20〜80/20〜80/0〜35が更に好ましい。キサンタンガム/グルコマンナン/ローカストビンガムの割合が前記範囲を外れると、目的とする食用水中油型ペースト状組成物の良好な口溶けが損なわれ、ねちゃつきが感じられ、耐熱性が劣る場合がある。
前記キサンタンガムは、トウモロコシなどの澱粉を細菌(Xanthomonas campestris)により発酵させて作られ、β-D-グルコースがα-1,4結合した主鎖のアンヒドログルコースに、D-アセチルマンノース,D-グルクロン酸,D-マンノース,ピルビン酸からなる側鎖が結合している増粘多糖類をいう。また、前記グルコマンナンは、針葉樹の細胞壁や蒟蒻芋に多く含まれる水溶性中性多糖で、六炭糖のD-グルコース/D-マンノースが約1/1.6の割合でβ-1,4-結合したものをいう。更に、前記ローカストビンガムは、マメ科の植物であるローカストビーンの胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースを主成分とする増粘多糖類をいう。
前記増粘剤の含有量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中0.01〜0.09重量%が好ましく、0.015〜0.07重量%がより好ましく、0.02〜0.05重量%が更に好ましい。増粘剤の含有量が0.01重量%より少ないと、口溶けが良好で、ねちゃつきのない食感が得られなかったり、耐熱性が低下する場合がある。また、増粘剤の含有量が0.09重量%より多いと、耐熱性は高まるものの、良好な口溶けが損なわれ、ねちゃつきが感じられたり、極端に多くなると食用水中油型ペースト状組成物が硬くなり過ぎて、パンとの相性が悪くなる場合がある。
前記ホエー蛋白質とは、乳蛋白質の中でも、牛乳からカゼイン蛋白質や脂肪を取り除いた液体であるホエーに含まれる蛋白質であり、具体的にはα−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、ラクトフェリン、トランスフェリンなどが挙げられる。ホエー蛋白質の供給源としては、特に制限はなく、例えば、バターミルク、濃縮ホエー、乳清、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、発酵乳、クリーム等又はそれらの粉体や、ホエー蛋白濃縮物(WPC)、トータルミルクプロテイン等が挙げられる。
前記ホエー蛋白質の含有量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中に0.1〜0.45重量%が好ましく、0.3〜0.45重量%がより好ましい。ホエー蛋白質の含有量が0.1重量%より少ないと乳化が不安定になって、食用水中油型ペースト状組成物に離水や油分離が生じたり、耐熱性が低下する場合がある。また、ホエー蛋白質の含有量が0.45重量%より多いと、耐熱性は高まるものの、食用水中油型ペースト状組成物にザラツキが感じられて、良好な口溶けが損なわれ、ねちゃつきが感じられる場合がある。
前記糖類としては、ショ糖、グルコース、マルトース、トレハロース、水飴、果糖、乳糖、異性化糖、更にはソルビット、マルビットなどの糖アルコールなどが挙げられるが、本発明においては、特に、分子内に親水性のヒドロキシ基の割合が多く食用水中油型ペースト状組成物の水分活性を低下させる点、チョコレート風味に合致する甘味の質を有する点等から、糖類全体中における単糖及び二糖類の合計量が50〜100重量%であることが好ましく、70〜100重量%がより好ましく、80〜100重量%が更に好ましい。
前記糖類の含有量は固形分として、食用水中油型ペースト状組成物全体中に30〜45重量%が好ましく、30〜40重量%がより好ましく、30〜35重量%が更に好ましい。糖類の含有量が30重量%より少ないと水分活性が高くなって食用水中油型ペースト状組成物の衛生的な日持ちが低下したり、チョコレート風味が弱くなる場合がある。また、糖類の含有量が45重量%より多いと食用水中油型ペースト状組成物の甘味が強くなり過ぎたり、耐熱性が低下したり、所望の水分活性よりも低くなってパンや菓子にフィリング又はトッピングした場合にパンや菓子が硬くなったり、良好な口溶けやねちゃつきのない食感が損なわれる場合がある。
前記酸味料とは、食用水中油型ペースト状組成物のpHを調整するために使用する酸性物質をいい、例えばクエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、リン酸などが挙げられる。前記酸味料の含有量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中0.1〜1.0重量%が好ましく、0.2〜0.7重量%がより好ましい。酸味料の含有量が0.1重量%より少ないと所望のpHまで低下せず、食用水中油型ペースト状組成物の衛生的な日持ちが劣ったり、良好な口溶けが得られなかったり、ねちゃつきが感じられる場合がある。また、酸味料の含有量が1.0重量%より多いと所定のpH未満にまで下がり過ぎ、食用水中油型ペースト状組成物に酸味やザラツキが感じられたり、乳化が不安定になって離水や油分離が生じたり、耐熱性が低下する場合がある。
本発明の食用水中油型ペースト状組成物の水分量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中32〜40重量%が好ましく、34〜40重量%がより好ましい。水分量が32重量%より少ないと食用水中油型ペースト状組成物の良好な口溶けが損なわれたり、澱粉の糊化が十分に行なわれないために粘性が不足して耐熱性が低下したり、所望の水分活性よりも低くなってパンにフィリング又はトッピングした場合にパンが硬くなる場合がある。また、水分量が40重量%より多いと食用水中油型ペースト状組成物の衛生的な日持ちが劣ったり、耐熱性が低下する場合がある。
また本発明の食用水中油型ペースト状組成物には、本発明の効果を損ねない範囲であれば、上記以外の原料として以下のようなものを含んでも良い。
例えば、上記リン酸架橋澱粉以外の澱粉類;上記ホエー蛋白の供給源以外の乳主原、例えば、乳清ミネラル、チーズなどホエー蛋白を含まない、風味成分としての乳主原;バニラビーンズ、コーヒー、食塩、洋酒、苦味料などの呈味成分;バニラ、バニリン、チョコレート、ミルクなど各種香料;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチンなどの乳化剤;カゼインナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、塩化カリウム、デキストリン、セルロースなどの安定剤;カロテン、カラメル、クチナシ、アナトー、リボラビン、酸化チタンなどの各種天然着色料又は合成着色料である色素;などが挙げられる。また日持ち向上のためにソルビン酸カリウムなどの各種保存料やクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのpH調整剤やグリシン、リゾチーム、キトサンなどの抗菌剤を併用しても構わない。
尚、上記リン酸架橋澱粉以外の澱粉類を添加する場合は、上記リン酸架橋澱粉100重量部に対して20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、添加しないことが更に好ましい。リン酸架橋澱粉以外の澱粉類の添加量がリン酸架橋澱粉100重量部に対して20重量部を超えると良好な口溶けが損なわれ、ねちゃつきが感じられる場合がある。
前記乳主原の含有量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中、固形分換算で10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下が更に好ましい。前記乳主原の含有量が10重量%より多いと、食用水中油型ペースト状組成物全体中の蛋白質含量が多くなり過ぎて粘性が増加し、良好な口溶けが損なわれたり、ねちゃつきが感じられたりして、好ましいチョコレート風味が感じられにくくなる場合がある。
前記乳化剤の含有量は、食用水中油型ペースト状組成物全体中3重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、添加しないことが更に好ましい。乳化剤の含有量が3重量%より多いと、食用水中油型ペースト状組成物に乳化剤自体の風味が付与され、苦味などの異味が感じられる場合がある。
本発明の食用水中油型ペースト状組成物の製造方法を以下に例示する。まず、リン酸架橋澱粉、増粘剤、ココアパウダー、ホエー蛋白質、糖類、酸味料、必要に応じてその他水溶性の原料を水に均一に分散、溶解し、55±5℃に加熱して水相部とする。一方、加熱して融解した油脂に、その他の油溶性原料を溶解し、60±5℃に調整して油相部とする。該油相部を該水相部に添加して十分に攪拌し、予備乳化する。予備乳化した後、常法によりホモジナイザー等で均質化し、加熱冷却装置等を用いて一般的な条件で殺菌冷却し、本発明の食用水中油型ペースト状組成物を得ることが出来る。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<水分活性の測定>
25℃に温調した食用水中油型ペースト状組成物をプラスチック製容器(直径4cm×高さ1cm)に半分程度充填した後、水分活性測定装置(デカゴンデバイス社(Decagon Devices, Inc.)製「AQUA LAB CX-2」)を用いて水分活性を測定した。
<pHの測定>
pH METER(株式会社堀場製作所製「F-52」)を用いて食用水中油型ペースト状組成物のpHを測定した。
<物性評価方法>
(口溶けの指標としてのズリ応力)
25℃に温調した食用水中油型ペースト状組成物を、温度制御可能な専用サンプルカップに約1ml供試し、円筒型回転式粘度計(東機産業株式会社製「TV−35形粘度計」)を用いて、ローター:3゜×R7.7、回転数:20rpmの条件で測定し、測定開始1分後の値(ズリ応力)を、口溶けの評価値とした。この値が小さいほど、口溶けが良好であることを示す。
(ねちゃつきのなさの指標としてのズリ応力)
25℃に温調した食用水中油型ペースト状組成物を、温度制御可能な専用サンプルカップに約1ml供試し、円筒型回転式粘度計(東機産業株式会社製「TV−35形粘度計」)を用いて、ローター:3゜×R7.7、回転数を5、10、20、50rpmと段階的に上げていき、回転数10rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(A)と、50rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(B)との差(B−A)を、ねちゃつきのなさの評価値とした。なお、各回転数への切り替え時間が10秒間、各回転数における保持時間が20秒間とした。この値が小さいほど、ねちゃつきが少ないことを示す。
(耐熱性)
プラスチック製注射器(内径1.6cm、長さ8cm)に充填した食用水中油型ペースト状組成物約10gをろ紙(東洋濾紙株式会社製「定性濾紙No.2、φ90mm」)上に幅約1.5cm×長さ約7cmの棒状になるように取り出し、該食用水中油型ペースト状組成物の真上方向の約30cmの高さから見た加熱処理前の面積(C)をデジタルカメラで撮影し、その画像を解析処理ソフト「ImageJ」を用いて測定した。その後、前記取り出した食用水中油型ペースト状組成物を、ろ紙ごと、底面が10cm角で、高さが2cmの上面が解放された紙製の箱に入れ、箱の上面及び側面をアルミ箔で覆い、190℃のオーブンで10分間加熱し、前記と同様に真上方向から見た加熱処理後の面積(D)を測定し、D/Cで算出される値を加熱膨張率とし、耐熱性を評価した。
<食用水中油型ペースト状組成物の官能評価方法>
実施例・比較例で得られた食用水中油型ペースト状組成物を、熟練した10名のパネラーに食してもらって、以下の基準により評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。
(口溶け)
5点:口に入れた途端に崩れ、極めて口溶けが良好である。
4点:口に入れた途端に崩れ、非常に口溶けが良好である。
3点:口に入れると崩れ、口溶けが良好である。
2点:口に入れても崩れにくく、口溶けがやや悪い。
1点:口に入れても崩れにくく、口溶けが悪い。
(ねちゃつきのなさ)
5点:糊のようなねちゃつきが、全く感じられない。
4点:糊のようなねちゃつきが、感じられない。
3点:糊のようなねちゃつきが、殆ど感じられない。
2点:糊のようなねちゃつきが、若干感じられる。
1点:糊のようなねちゃつきが、感じられ、後口に残る。
(チョコレート風味)
5点:極めてチョコレート風味が強く、良好である。
4点:非常にチョコレート風味が強く、良好である。
3点:チョコレート風味が感じられ、良好である。
2点:チョコレート風味がやや不足している。
1点:チョコレート風味をほとんど感じない。
<食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの官能評価方法>
実施例・比較例で得られたパンを、熟練した10名のパネラーに食してもらって、以下の基準により評価してもらい、それらの平均点を評価値とした。なお、評価は全て製造当日に実施し、パンの軟らかさは、製造後、30℃で1日及び2日保存後にも実施した。
(食用水中油型ペースト状組成物の口溶け)
5点:パンにマッチしており、口に入れた途端に崩れ、極めて口溶けが良好である。
4点:パンにマッチしており、口に入れた途端に崩れ、非常に口溶けが良好である。
3点:パンにマッチしており、口に入れると崩れ、口溶けが良好である。
2点:パンの食感に比べ、口に入れても崩れにくく、口溶けがやや悪い。
1点:パンの食感に比べ、口に入れても崩れにくく、口溶けが悪い。
(食用水中油型ペースト状組成物のねちゃつきのなさ)
5点:糊のようなねちゃつきが全く感じられず、パンに極めてマッチしている。
4点:糊のようなねちゃつきが感じられず、パンに非常にマッチしている。
3点:糊のようなねちゃつきが殆ど感じられず、パンにマッチしている。
2点:糊のようなねちゃつきが若干感じられ、パンとの相性が悪い。
1点:糊のようなねちゃつきが感じられ、後口に残り、パンとの相性が極めて悪い。
(食用水中油型ペースト状組成物の耐熱性)
5点:パンから流れ出ることが全くなく、極めて高い耐熱性がある。
4点:パンから流れ出ることが全くなく、耐熱性がある。
3点:パンから流れ出ることはないが、耐熱性がやや劣りダレる。
2点:パンから流れ出てしまい、耐熱性が劣る。
1点:パンから流れ出てしまい、明らかに耐熱性が劣る。
(チョコレート風味)
5点:パンにマッチしており、極めてチョコレート風味が強く、良好である。
4点:パンにマッチしており、非常にチョコレート風味が強く、良好である。
3点:パンにマッチしており、チョコレート風味が感じられ、良好である。
2点:パンの風味に比べ、チョコレート風味がやや不足している。
1点:パンの風味に比べ、チョコレート風味をほとんど感じない。
(パンの軟らかさ)
5点:パンが非常に軟らかく、美味しい。
4点:パンが軟らかく、美味しい。
3点:パンが若干硬いが、美味しい。
2点:パンが硬く、美味しさに欠ける。
1点:パンが硬くてパサついており、美味しくない。
<食用水中油型ペースト状組成物の衛生の評価>
実施例及び比較例で得られた食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンを30℃で所定の日数保存後(製造後、0〜3日保存後)、フィリングした食用水中油型ペースト状組成物を1g採取し、9gの生理食塩水に混合した。混合液1gを標準寒天培地20gに混釈し、37℃で2日間培養してコロニー数をカウントし、その数を10倍して、以下の基準で衛生を評価した。
5点:衛生的に、全く問題ない(10個/g未満)。
4点:衛生的に、問題ない(10個/g以上、103個/g未満)。
3点:若干菌の増殖が見られるが、衛生的に問題ない(103個/g以上、105個/g未満)。
2点:腐敗はしていないが、菌増殖が見られ、衛生的に問題がある(105個/g以上、107個/g未満)。
1点:明らかに菌の増殖が見られ、腐敗しており、衛生的に問題がある(107個/g以上)。
<総合評価>
上記の評価結果を、以下の基準で総合的に評価した。
5点:全ての評価項目で、総じて評価が良好であり、商品性が極めて高い。
4点:全ての評価項目のうち、若干劣る項目があるが、商品性は高い。
3点:全ての評価項目のうち、劣る項目があるが、商品性に問題はない。
2点:全ての評価項目のうち、劣る項目があり、商品性に問題がある。
1点:全ての評価項目のうち、明らかに劣る項目があり、商品性に欠ける。
(実施例1) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表1に示す配合に従い、食用水中油型ペースト状組成物を以下の方法にて作製した。油脂以外の原料が均一になるよう攪拌・混合しながら55±1℃に昇温し、攪拌しているところに60±2℃に融解した油脂を添加した。その後、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)を用い100bar(107Pa)の圧力で均質化し、得られた乳化液を卓上加熱撹拌機(株式会社カジワラ製)で達温90±1℃、加熱時間6分間の条件で加熱した後、60℃まで冷却し充填包装した。その後、5℃の冷蔵庫にて冷却し食用水中油型ペースト状組成物を得た。得られた食用水中油型ペースト状組成物の評価結果を表1に示した。
Figure 2015178494
(実施例2) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表1に示す配合に従い、菜種油をパーム油に変えた以外は、実施例1と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、パーム油を配合したもの(実施例2)は、菜種油を配合したもの(実施例1)に比べ、耐熱性が向上し、口溶けが良好で、ねちゃつきは感じられなかった。
(実施例3及び4、比較例1及び2) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表1に示す配合に従い、パーム油の配合量を変更し、グラニュー糖及び/又は水で全体量を調整した以外は、実施例2と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、パーム油を10重量%に減らしたもの(実施例3)は、口溶けが若干低下し、ねちゃつきが少し感じられたものの、耐熱性は向上し、更にパーム油を24重量%に増やしたもの(実施例4)は、耐熱性は若干低下したものの、口溶けとねちゃつきのなさは向上し、共に食用水中油型ペースト状組成物としては問題ないものであった。一方、パーム油を8重量%に減らしたもの(比較例1)は、耐熱性は向上したものの、口溶けが悪化し、ねちゃつきが感じられ、更にパーム油を28重量%に増やしたもの(比較例2)は、口溶けとねちゃつきのなさは良好であったものの、耐熱性の評価で油分離が見られ、食用水中油型ペースト状組成物としては問題があった。
(実施例5) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表2に示す配合に従い、ローカストビンガムをグルコマンナンに変えた以外は、実施例2と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表2に示した。
Figure 2015178494
(実施例6) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表2に示す配合に従い、キサンタンガム/グルコマンナンの重量比(50/50)を、重量比(20/80)に変えた以外は、実施例5と同様にして食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表2に示した。
(実施例7) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表2に示す配合に従い、キサンタンガム/グルコマンナンの重量比(50/50)を、重量比(80/20)に変えた以外は、実施例5と同様にして食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、キサンタンガムとローカストビンガムの組合せ(実施例2)を、キサンタンガムとグルコマンナンの組合せ(実施例5)に変えることで、耐熱性、口溶けとねちゃつきのなさが向上した。また、キサンタンガム/グルコマンナン(重量比)が20/80(実施例6)及び80/20(実施例7)は、口溶け、ねちゃつきのなさ及び耐熱性が良好で、チョコレート風味も強く感じられた。
(比較例3) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表2に示す配合に従い、キサンタンガムを使用せず、その代わりにグルコマンナンの配合量を2倍に変えた以外は、実施例5と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表2に示した。
(比較例4) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表2に示す配合に従い、グルコマンナンを使用せず、その代わりにキサンタンガムの配合量を2倍に変えた以外は、実施例5と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、グルコマンナンのみを使用したもの(比較例3)は、耐熱性が低下し、ねちゃつきが感じられた。また、キサンタンガムのみを使用したもの(比較例4)は、耐熱性は良好であったものの、口溶けが悪く、ねちゃつきが感じられた。
(実施例8及び9、比較例5及び6) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表2に示す配合に従い、キサンタンガム/グルコマンナンの重量比(50/50)は同じで、その添加量を変えて、全体量を水で調整した以外は、実施例5と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表2に示した。
(実施例10) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表2に示す配合に従い、更にローカストビンガム0.015重量%を添加し、全体量を水で調整した以外は、実施例5と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、キサンタンガム/グルコマンナン(重量比)が50/50で、添加量が0.012重量%(実施例8)及び0.09重量%(実施例9)は、口溶け、ねちゃつきのなさ及び耐熱性が良好であった。一方、添加量が0.008重量%(比較例5)は、耐熱性が悪く、ねちゃつきも感じられ、0.12重量%(比較例6)は、耐熱性は良かったが、口溶けが悪く、ねちゃついて後口に残る食感であった。また、キサンタンガム、グルコマンナン及びローカストビンガムをそれぞれ等量で合計0.045重量%配合したもの(実施例10)は、口溶け、ねちゃつきのなさ及び耐熱性が極めて良好で、チョコレート風味も強く感じられた。
(実施例11〜13、比較例7及び8) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表3に示す配合に従い、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉をタピオカ由来のリン酸架橋澱粉に変え、その添加量を変更して、水で全体量を調整した以外は、実施例5と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表3に示した。
Figure 2015178494
(比較例9)
表3に示す配合に従い、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉をタピオカ由来のエーテル化澱粉に変えた以外は、実施例5と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表3に示した。
表3から明らかなように、ワキシーコーン由来のリン酸架橋澱粉をタピオカ由来のリン酸架橋澱粉(実施例11)に変えることで、耐熱性、口溶け、ねちゃつきのなさとチョコレート風味が向上した。また、リン酸架橋澱粉の使用量が1重量%(実施例12)、4.5重量%(実施例13)は、何れの評価項目も良好であったが、添加量0.5重量%(比較例7)は耐熱性が悪く、6重量%(比較例8)は口溶けが悪く、ねちゃつきも感じられた。また、エーテル化澱粉に変えたもの(比較例9)は、全ての評価項目が劣り、商品性のないものであった。
(実施例14、比較例10及び11) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表4に示す配合に従い、ホエー蛋白濃縮物の添加量を変えて、水で全体量を調整した以外は、実施例11と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表4に示した。
Figure 2015178494
表4から明らかなように、食用水中油型ペースト状組成物全体中のホエー蛋白質量が0.1重量%のもの(実施例14)は、0.41重量%(実施例11)に比べ、全ての評価項目で劣ったものの、商品性はあるレベルであったが、0.02重量%(比較例10)は、耐熱性が極めて悪くダレてしまった。また、0.48重量%のもの(比較例11)は、耐熱性は向上したものの、良好な口溶けが損なわれ、ねちゃつきが感じられた。
(実施例15及び16、比較例12及び13) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表4に示す配合に従い、ココアパウダーの添加量を変えて、水で全体量を、クエン酸でpHを調整した以外は、実施例11と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表4に示した。
表4から明らかなように、ココアパウダーが7.5重量%のもの(実施例15)及び15重量%(実施例16)は、全ての評価項目が良好であった。一方、5重量%(比較例12)は、ねちゃつきが感じられ、チョコレート風味も弱った。また、17重量%のもの(比較例13)は、耐熱性が向上したものの、良好な口溶けが損なわれ、ねちゃつきが感じられた。
(実施例17) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表4に示す配合に従い、油脂とホエー蛋白濃縮物を増量し、グラニュー糖を減量して、水で全体量を調整した以外は、実施例16と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表4に示した。
表4から明らかなように、若干耐熱性が低下したものの、口溶け、ねちゃつきのなさ、チョコレート風味は何れの項目も評価が極めて高かった。
(実施例18及び19) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表5に示す配合に従い、グラニュー糖の一部をオリゴトースに変えて、水で全体量を調整した以外は、実施例11と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表5に示した。
Figure 2015178494
表5から明らかなように、食用水中油型ペースト状組成物の糖類全体中の単糖及び二糖類の割合が高い方が、好ましいチョコレート風味が強く感じられた。
(実施例20、比較例14及び15) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表5に示す配合に従い、グラニュー糖の添加量を変えて、水で全体量を調整した以外は、実施例11と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表5に示した。
表5から明らかなように、グラニュー糖の添加量が33重量%のもの(実施例20)は、31重量%のもの(実施例11)に比べ、若干甘さが強く感じられたが、商品性には問題のないレベルであった。一方、グラニュー糖の添加量が27重量%で水分が41.4重量%のもの(比較例14)は耐熱性がやや低下し、またグラニュー糖の添加量が37重量%で水分が41.4重量%のもの(比較例15)は、澱粉の糊化が不十分で粘性が低く、耐熱性が悪かった。
(実施例21、比較例16及び17) 食用水中油型ペースト状組成物の作製
表5に示す配合に従い、クエン酸の添加量を変えて、水で全体量を調整した以外は、実施例11と同様に食用水中油型ペースト状組成物を作製して、その評価結果を表5に示した。
表5から明らかなように、pHを5.5に調整したもの(実施例21)は、全ての評価項目が良好であったが、pHを5.43に調整したもの(比較例16)は、若干乳化が悪く、耐熱性が劣り、ザラツキと酸味が感じられた。更に、pH6.55の未調整のもの(比較例17)は、ねちゃつきが感じられた。
(実施例22) 食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの作製
実施例1で得られた食用水中油型ペースト状組成物を、表6の配合に従って、パン生地を調整後、生地にフィリングして加熱処理したパンを以下の方法にて作製した。即ち、強力粉、薄力粉、上白糖、食塩、イースト、イーストフード、脱脂粉乳、全卵、水をミキサーボウルに投入し、縦型ミキサー(関東混合機工業(株)製「カントーミキサー」)にフックを取り付け、低速で3分間、高速で3分間混捏した。続いて20℃に温調されたショートニングを添加し、低速で3分間混捏後、高速で3分間混捏し、捏ね上げ温度27℃の生地を得た。得られた生地を28℃の恒温槽にて、60分間フロアータイムをとった後、60gずつの生地に分割した。分割後、28℃で20分間のベンチタイムをとり、モルダー((株)フジサワ製「FM−31Z」)にて生地を伸ばした後、食用水中油型ペースト状組成物40gを包餡して成型物を得た。この成型物を天板の上に置き、温度:38℃、湿度:75%で60分間最終発酵を行った。最終発酵後、200℃のオーブンで12分間加熱処理し、食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンを得た。パンの各種評価結果を表7に示す。
Figure 2015178494
Figure 2015178494
(実施例23〜25、比較例18及び19) 食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの作製
実施例22と同様の方法で作製した、食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの評価結果を表7に示す。
表7から明らかなように、実施例の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンは、何れも食用水中油型ペースト状組成物が型崩れすることはなく、食感もパンとマッチした口溶けが良好で、ねちゃつきのない美味しいものであった。一方、油分が少ない食用水中油型ペースト状組成物(比較例1)をフィリングしたパン(比較例18)は、食用水中油型ペースト状組成物の口溶けが悪く、ねちゃつきが感じられた。また、油分が多い食用水中油型ペースト状組成物(比較例2)をフィリングしたパン(比較例19)は、食用水中油型ペースト状組成物が油分離し、パンは日を経るごとにパサついて硬くなり、保存3日目には菌の増殖が見られた。
(実施例26〜31、比較例20〜23) 食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの作製
実施例22と同様の方法で作製した、食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの評価結果を表8に示す。
Figure 2015178494
表8から明らかなように、実施例の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンは、何れも食用水中油型ペースト状組成物が型崩れすることはなく、食感もパンとマッチした口溶けが良好で、ねちゃつきのない美味しいものであり、特に、キサンタンガム/グルコマンナンの重量比が50/50(実施例5)、重量比が20/80(実施例6)、キサンタンガム/グルコマンナン/ローカストビンガムの重量比が同じ(実施例10)の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパン(実施例26、27、31)の評価が良好であった。一方、比較例の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンは、食用水中油型ペースト状組成物が型崩れしたり、口溶けが劣ったり、ねちゃつきが感じられるなど美味しさに欠けるものであった。特に、グルコマンナンのみを使用した食用水中油型ペースト状組成物(比較例3)をフィリングしたパンは、食用水中油型ペースト状組成物の型崩れがひどく、そのために衛生も悪かった。
(実施例32〜34、比較例24〜26) 食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの作製
実施例22と同様の方法で作製した、食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの評価結果を表9に示す。
Figure 2015178494
表9から明らかなように、実施例の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンは、何れも食用水中油型ペースト状組成物が型崩れすることはなく、食感もパンとマッチした口溶けが良好で、ねちゃつきのない美味しいものであり、商品性が極めて高いものであった。一方、リン酸架橋澱粉が少ない食用水中油型ペースト状組成物(比較例7)をフィリングしたパン(比較例24)は、食用水中油型ペースト状組成物の耐熱性が悪く、食用水中油型ペースト状組成物が型崩れし、そのことで衛生も悪かった。また、リン酸架橋澱粉が多い食用水中油型ペースト状組成物(比較例8)やエーテル化澱粉を使用した食用水中油型ペースト状組成物(比較例9)をフィリングしたパン(比較例25、26)は、食用水中油型ペースト状組成物の口溶けが劣り、ねちゃつきが感じられてパンの食感との相性が悪く、美味しくなかった。
(実施例35〜38、比較例27〜30) 食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの作製
実施例22と同様の方法で作製した、食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの評価結果を表10に示す。
Figure 2015178494
表10から明らかなように、実施例の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンは、何れも食用水中油型ペースト状組成物が型崩れすることはなく、食感もパンとマッチした口溶けが良好で、ねちゃつきのない美味しいものであり、商品性が極めて高いものであった。一方、比較例の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンは、食用水中油型ペースト状組成物の口溶けが悪く、ねちゃつきが感じられ美味しさに欠けるものであった。特に、乳清蛋白濃縮物を含まずホエー蛋白質が少ない食用水中油型ペースト状組成物(比較例10)をフィリングしたパン(比較例27)は、食用水中油型ペースト状組成物の耐熱性が悪く、食用水中油型ペースト状組成物が型崩れし、パンも日を経るごとにパサついて硬くなった。
(実施例39〜42、比較例31〜34) 食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの作製
実施例22と同様の方法で作製した、食用水中油型ペースト状組成物をフィリングして加熱処理したパンの評価結果を表11に示す。
Figure 2015178494
表11から明らかなように、実施例の食用水中油型ペースト状組成物をフィリングしたパンは、何れも食用水中油型ペースト状組成物が型崩れすることはなく、食感もパンとマッチした口溶けが良好で、ねちゃつきのない美味しいものであり、商品性が高いものであった。一方、水分活性が高い食用水中油型ペースト状組成物(比較例14)及びpHが高い食用水中油型ペースト状組成物(比較例17)をフィリングしたパン(比較例31、34)は、食用水中油型ペースト状組成物が保存2日目で明らかに菌が増殖し、保存3日目には腐敗していた。また、水分活性が低い食用水中油型ペースト状組成物(比較例15)をフィリングしたパン(比較例32)は、食用水中油型ペースト状組成物の耐熱性が悪く型崩れし、パンの食感も日を経るごとにパサついて硬くなった。更に、pHが低い食用水中油型ペースト状組成物(比較例16)をフィリングしたパン(比較例33)は、食用水中油型ペースト状組成物の乳化が弱くて型崩れし、食感もねちゃつきが感じられ、美味しくなかった。

Claims (6)

  1. ココアパウダーを7〜15重量%含有する食用水中油型ペースト状組成物であって、25℃での、回転数が20rpmの一定条件における測定開始1分後のズリ応力が400〜700Pa、及び回転数を5、10、20、50rpmと段階的に上げていき、回転数10rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(A)と、50rpmにおける測定開始20秒後のズリ応力(B)との差(B−A)が−100〜0Paであって、食用水中油型ペースト状組成物約10gを幅約1.5cm×長さ約7cmの棒状になるように取り出し、該食用水中油型ペースト状組成物の真上方向の約30cmの高さから見た加熱処理前の面積(C)と、その後190℃のオーブンで10分間加熱し、前記と同様に真上方向から見た加熱処理後の面積(D)から算出される加熱膨張率(D/C)が1.5倍未満であり、水分活性が0.92〜0.94で、且つpHが5.5〜5.8である、生地にフィリング又はトッピングして加熱処理してから食用に供されるチョコレート風味の食用水中油型ペースト状組成物。
  2. 食用水中油型ペースト状組成物全体中、ココアパウダー7〜15重量%、油脂10〜25重量%、リン酸架橋澱粉1〜5重量%、キサンタンガム、グルコマンナン及びローカストビンガムから選ばれる少なくとも2種の増粘剤0.01〜0.09重量%、ホエー蛋白質0.1〜0.45重量%、糖類30〜45重量%、酸味料0.1〜1.0重量%を含有する、水分32〜40重量%である請求項1に記載の食用水中油型ペースト状組成物。
  3. リン酸架橋澱粉が、ワキシーコーン、コーン、米及びタピオカからなる群から選ばれる少なくとも1種の澱粉原料に由来するヒドロキシプロピルリン酸架橋澱粉である請求項2に記載の食用水中油型ペースト状組成物。
  4. 油脂の上昇融点が32〜37℃である請求項2又は3に記載の食用水中油型ペースト状組成物。
  5. 混合物全体中、ココアパウダー7〜15重量%、リン酸架橋澱粉1〜5重量%、キサンタンガム、グルコマンナン及びローカストビンガムから選ばれる少なくとも2種の増粘剤0.01〜0.09重量%、ホエー蛋白質0.1〜0.45重量%、糖類30〜45重量%、酸味料0.1〜1.0重量%を水に溶解して加熱して調製した水相部に、油脂10〜25重量%を含む油相部を混合して水分が32〜40重量%の混合物を得る工程と、得られた混合物を予備乳化した後、均質化処理及び加熱処理する工程とを含む、食用水中油型ペースト状組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載の食用水中油型ペースト状組成物を加熱処理前の生地にフィリング又はトッピングしてなるパン・菓子。
JP2016521168A 2014-05-22 2015-05-22 新規な食用水中油型ペースト状組成物 Active JP6581972B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014106016 2014-05-22
JP2014106016 2014-05-22
PCT/JP2015/064825 WO2015178494A1 (ja) 2014-05-22 2015-05-22 新規な食用水中油型ペースト状組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015178494A1 true JPWO2015178494A1 (ja) 2017-04-20
JP6581972B2 JP6581972B2 (ja) 2019-09-25

Family

ID=54554150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016521168A Active JP6581972B2 (ja) 2014-05-22 2015-05-22 新規な食用水中油型ペースト状組成物

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6581972B2 (ja)
CN (1) CN106455646A (ja)
TW (1) TW201600016A (ja)
WO (1) WO2015178494A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110200260A (zh) * 2019-06-28 2019-09-06 上海海融食品科技股份有限公司 一种高含油量水包油型耐烘焙卡仕达酱及其制备方法
JP6833091B1 (ja) * 2020-06-17 2021-02-24 キユーピー株式会社 酸性液状食品及びその製造方法
WO2023153466A1 (ja) * 2022-02-10 2023-08-17 株式会社日清製粉ウェルナ 冷凍フィリング

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62275646A (ja) * 1986-02-04 1987-11-30 Asahi Denka Kogyo Kk 高粘性水中油型乳化物の製造法
JP2000262217A (ja) * 1999-03-18 2000-09-26 Fuji Oil Co Ltd 水中油型含水チョコレート及びその製造法並びにその使用法
JP2010268751A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Adeka Corp フラワーペースト類
JP2011217646A (ja) * 2010-04-07 2011-11-04 Adeka Corp フラワーペースト類

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT896511E (pt) * 1996-05-01 2002-12-31 Unilever Nv Produto alimentar de baixa temperatura
CN1108106C (zh) * 1998-10-08 2003-05-14 不二制油株式会社 巧克力糕点的制作方法
EP2384630B1 (en) * 2010-04-30 2017-10-04 Generale Biscuit Soft cake with simulated unbaked heart
WO2015025688A1 (ja) * 2013-08-19 2015-02-26 株式会社カネカ 新規なフラワーペースト

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62275646A (ja) * 1986-02-04 1987-11-30 Asahi Denka Kogyo Kk 高粘性水中油型乳化物の製造法
JP2000262217A (ja) * 1999-03-18 2000-09-26 Fuji Oil Co Ltd 水中油型含水チョコレート及びその製造法並びにその使用法
JP2010268751A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Adeka Corp フラワーペースト類
JP2011217646A (ja) * 2010-04-07 2011-11-04 Adeka Corp フラワーペースト類

Also Published As

Publication number Publication date
JP6581972B2 (ja) 2019-09-25
CN106455646A (zh) 2017-02-22
WO2015178494A1 (ja) 2015-11-26
TW201600016A (zh) 2016-01-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5882704A (en) Process for the production of cream cheese-like products
CN102333448B (zh) 奶油干酪样食物
CA2197040A1 (en) Process for preparing an edible laminated dough and edible lamination dispersion therefor
JPS62275646A (ja) 高粘性水中油型乳化物の製造法
JP6581972B2 (ja) 新規な食用水中油型ペースト状組成物
JP3240917B2 (ja) ヨーグルト類の製造法及びヨーグルト類加工品
JP4119338B2 (ja) 耐熱性フィリング材
JP2004298061A (ja) ゲル状の水中油型乳化組成物およびその製造方法
JP6102015B2 (ja) フラワーペースト類及びその製造方法
JP6428602B2 (ja) フラワーペースト及びその製造方法
JP3060965B2 (ja) ヨーグルト類の製造法
JP2016158613A (ja) 無添加焼き込み用フラワーペースト、その製造方法、及びこれを用いたパン及び菓子
JP2010075138A (ja) パン生地
JP2006320269A (ja) ペースト状食品
JP7438682B2 (ja) フラワーペースト
JP7157524B2 (ja) 水中油型乳化油脂組成物及びこれを含有するベーカリー用フィリング材の製造方法
JP3368866B2 (ja) フラワーペースト類及びその製造法
JP4368434B2 (ja) 膨化でんぷんペースト様食品
JPWO2015025688A1 (ja) 新規なフラワーペースト
EP0741975A1 (en) Process for producing yoghurt and yoghurt products
JP7232370B1 (ja) 粉末油脂及びそれを用いた飲食品
JP2004000029A (ja) ベーカリー製品用湯種生地の製造方法
JP7271125B2 (ja) バウムクーヘン生地及びバウムクーヘン
JP2007166924A (ja) フィリング材
JP6721386B2 (ja) 製パン練り込み用水性液

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6581972

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250