JP3060965B2 - ヨーグルト類の製造法 - Google Patents

ヨーグルト類の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヨーグルト類の製造
法に関し、詳細には乳酸菌醗酵液をベースとしてこれに
必要な油脂分及び蛋白質成分を混合乳化することによ
り、口当たりが良く、(醗酵臭の厭味が少なく且つ)風
味良好で、製菓、製パンの原料として脱水処理なしに使
用が容易で、且つスプレッドとして使用する際にも硬さ
が環境温度の影響を受けにくく、安定したスプレッド性
を示す柔らかいペースト性状を呈したヨーグルト類を容
易に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、製菓材料として、ヨーグルトが多
く消費されるようになってきた。ところが、これらのヨ
ーグルトは水分が高く、風味が薄いため、ケーキやクッ
キー等の焼菓子作成時に大量に使用する必要があり、そ
のため使用できる菓子の種類が限定されたり、ヨーグル
トを絞って脱水しなければ風味が出にくいなどの欠点が
ある。また、従来より製菓、製パンに用いられる素材と
しては、クリームを乳酸醗酵したサワークリームが存在
しているが、ヨーグルトと比較して低水分のため、生地
物性への影響は少ないものの、無脂乳固形分や蛋白量が
少なく、風味が不足したり醗酵臭の厭味が発生したりす
ることが多い。そのため製菓、製パンに広く使用可能な
ヨーグルトが要望されている。
【0003】また、従来より製パンに用いられるスプレ
ッドとして、水中油型の乳化物であるマヨネ−ズあるい
は油中水型の乳化物であるマ−ガリンが多く用いられて
きたが、両者とも高油分であるためパンの内部への油脂
の移行が多く、食感および風味の低下を招くことが多
い。さらに両者とも、ハム、カツ等に対する結着力に欠
けるため、パンからこれらの具材が剥がれ易いという欠
点がある。特に、後者のマーガリンは硬さが環境温度の
影響を受け易く、夏季などの高温度条件下では硬さが低
下するため安定したスプレッド性を得にくいという欠点
があり、また、フィリング材としての耐熱性もほとんど
有していない。その他、醗酵乳製品であるクリ−ムチ−
ズやヨ−グルト等も使用されるが、前者のクリームチー
ズは硬いボディ性を有するためスプレッドし難く、また
後者のヨーグルトはパンへの滲み込みが多い等の理由か
ら使用が困難であり、これらもまた、同様にフィリング
材としての耐熱性を有していない。
【0004】以上に対し、無脂乳固形分含有水溶液、油
脂、乳化剤からなるフィルドクリームを乳酸醗酵および
加熱殺菌した乳酸醗酵物を使用してパン類を製造する方
法(特開昭61-152227 号) や、酪酸を一定量含有した油
脂、無脂乳固形分含有水溶液、乳化剤からなるフィルド
クリームを乳酸醗酵および加熱殺菌した乳酸醗酵物を製
造する方法(特開昭64-39927号) が提案されている。し
かし、これらは両者ともに柔らかくスプレッド性がほと
んどないものであるし、製パン用の改良剤として利用す
るのが主目的のため、菓子およびパン類に積極的にヨー
グルト風味を与えるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下にお
いて、本出願人は先に蛋白質、乳酸菌資化性糖類、油
脂、水分及び乳化剤を使用して調製した特定組成のクリ
ームミックスを乳酸醗酵させてヨーグルト類を製造する
方法を特願平8-90651 号として出願しているが、さらに
検討を進めて、既存の乳酸菌醗酵液をベースとすること
により、口当たりが良く、醗酵臭の厭味が少なく且つ風
味良好で、製菓、製パンでの使用が脱水処理のような複
雑な処理工程なしに可能であり、またフィリング材とし
ての耐熱性に優れ、パン等のスプレッドとしてマ−ガリ
ンやマヨネ−ズを使用した際にみられるようなオイリ−
感がなく、具材に対し適度な結着性を示し、硬さが環境
温度により変化し難く安定したスプレッド性を有するヨ
ーグルト類を、容易に製造する方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の解
決課題に対して鋭意検討を行った結果、乳酸菌醗酵液を
原料とし、これに油脂及び蛋白質を一定の範囲内で添加
調合すれば、従来のヨーグルトと比較して口当たりが良
好で、且つフィリング材としての絞り適性に優れ、パン
等のスプレッドとしてマーガリンやマヨネーズを使用し
た際にみられるようなオイリー感がなく、具材に対し適
度な結着性を示し、硬さが環境温度により変化し難く安
定したスプレッド性を有するヨーグルト類を製造するこ
とができることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち本発明は、使用した乳酸菌醗酵液が20
〜90重量% であって、総油脂分12〜35重量% 及び総蛋白
質成分2 〜10重量% 、水分50〜80重量% に調整後、均質
化して水中油型の乳化物とすることを特徴とするヨーグ
ルト類の製造法、である。
【0008】本発明において、乳酸菌醗酵液とは乳また
はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌ま
たは酵母で醗酵させ、糊状または液状にしたもの、また
はこれらを凍結したものをいい、成分としては無脂乳固
形が8 重量% 以上、乳酸菌数( 酵母数) が1000万/ml 以
上のものが好ましく、通常は市販のプレーンヨーグルト
またはこれと同等の醗酵乳が適用できる。
【0009】本発明においては以上の乳酸菌醗酵液を20
〜90重量% 、好ましくは50〜85重量% 使用する。乳酸菌
醗酵液が下限未満ではヨーグルト風味が薄く、ボディー
形成に欠ける。また上限を越えると油脂配合量が不足す
るためこれもボディー形成に欠けることになる。
【0010】油脂分としては、例えば、ナタネ油、大豆
油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コー
ン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻
油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、
ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、
豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂
類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エ
ステル交換等を施した加工油脂等、如何なる油脂であっ
ても良く、またバタ−、生クリ−ム等の乳製品を乳脂源
として利用することもできる。以上の油脂分を総油脂分
が12〜35重量% 、好ましくは15〜30重量% 含まれるよう
に使用するのがよい。下限未満では製品に適度なボディ
−性を付与することができず、逆に上限を越えると油っ
ぽい食感となり好ましくない。
【0011】蛋白質成分としては、牛乳、加工乳、生ク
リーム、脱脂乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、酸カゼイン,レ
ンネットカゼイン若しくはカゼインナトリウム等のカゼ
イン類、または乳清蛋白質等に由来する乳蛋白質、その
他、各種動植物性由来の蛋白質が例示できる。以上の蛋
白質成分を、総蛋白質成分が2 〜10重量% になるように
使用する。
【0012】水分は50〜80重量% 含まれるようにするの
がよく、下限未満では乳化状態が不安定となり、また増
粘傾向を示し作業性、スプレッド性が悪化する。逆に上
限を越えると軟らかくなり過ぎてこれまた作業性、スプ
レッド性が悪くなる。
【0013】本発明においては、安定剤を使用する。安
定剤としては、ローカストビーンガム、グアーガム、キ
サンタンガム、アラビアガムのようなガム類、微細化セ
ルロースやカルボキシメチルセルロースあるいは水溶性
ヘミセルロースのようなセルロース誘導体、或いはコー
ン、米、馬鈴薯、タピオカ、小麦、甘薯などから得られ
る澱粉類、およびこれらの生澱粉の他、アルファー化澱
粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉などの加工澱粉類が
例示できる。以上の安定剤を全量に対し0.2 〜5 重量%
好ましくは0.5 〜4 重量% 添加する。特に本発明におい
ては安定剤として上記する澱粉類を添加使用することに
より、フィリング材としての耐熱性やスプレッド用とし
て好適な特性を備え持ったヨーグルト類を得ることがで
きる。
【0014】以上の各成分を使用してクリーム状物を調
合するのであるが、調合に際して乳化剤を使用する。乳
化剤としては特に限定されるものではなく、従来公知の
乳化剤が使用でき、例えばレシチン、アルコール等によ
る分画レシチン、酸またはアルカリあるいは酵素等によ
る部分加水分解レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセロ
ール脂肪酸エステル、さらに酢酸モノグリセリド、酒石
酸モノグリセリド、酢酸酒石酸混合モノグリセリド、ク
エン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリ
ド、乳酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、リ
ンゴ酸モノグリセリド等各種有機酸モノグリセリドが例
示できる。これらの一種または二種以上の乳化剤を油脂
に対し0.05〜5 重量% 、好ましくは0.1 〜2 重量% 使用
するのがよい。以上の乳化剤の他に、公知の添加剤例え
ば、カルシウム塩、リン酸塩等も使用することができ
る。
【0015】以上の各成分を調合して得たクリーム状物
を、均質化して水中油型の乳化物とすることにより、目
的とするヨーグルト類を得るのであるが、最終のpHが20
℃でpH3.5 〜5.5 、好ましくはpH3.8 〜5.0 となるよう
に、有機酸やアルカリ性塩類を用いてpH調整を行う。pH
がこれ以上高くなると日持ちが悪化し、風味もヨーグル
ト的でなくなる傾向を示し、逆にpHがこれ以下となると
酸味が強く、練り込み、フイリングあるいはスプレッド
として使用したとき食品全体としての風味の調和がとれ
なくなるため、上記範囲内に調整するのが適当である。
【0016】さらに風味付与の目的で、ヨーグルトフレ
ーバーの他にバターフレーバー、ミルクフレーバ−、チ
ーズフレーバーのような香料、各種香辛料、フルーツピ
ューレやフルーツパウダー類、甘味付与する目的でショ
糖、グルコース、フラクトース、マルトースのような単
糖および少糖類、ソルビトール、マルチトール、ラクチ
トールのような糖アルコール類、アスパルテーム、ステ
ビア、ソーマチンのような甘味料、また着色の目的でβ
−カロチン、アナトー色素のような着色量を適宜使用で
きる。
【0017】上記工程の最終段階として均質化、および
冷却を行う。均質化は品温40℃以上、好ましくは70〜90
℃で行い、均質化圧力は0 〜200 kg/cm2が適している。
このようにして得られたヨーグルト類は、柔らかいペー
スト性状を示し、且つ良好な風味を有している。これら
の製品の硬さはレオメーター測定値として10〜150g/0.7
85cm2 、好ましくは20〜80g/0.785cm2(但し、測定条
件:品温5 ℃、直径1 cmプランジャー、テーブルスピー
ド5 cm/分、不動工業(株)製)の範囲内にあるのが、
スプレッド材としての展延性を有している点において好
ましい。
【0018】また、このようなヨーグルト類にフルーツ
ジャムのようなフルーツ加工品を不均一に分散、例えば
層状にあるいはマーブル状に混合したヨーグルト類加工
品は風味の良さのみならず見栄えも良く好ましい。この
ようなヨーグルト類加工品を製造するにはスタティック
ミキサー等を使用することにより製造することができ
る。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例を例示して、この発
明の効果をより一層明確にするが、これらは例示であっ
て本発明が特に限定されるものではない。なお、部及び
%は何れも重量基準である。
【0020】実施例1 水分88% 、蛋白質成分3.2%、油脂分3%、糖分5%、灰分0.
8%の組成を有する市販の乳酸菌醗酵液75部に、水5 部と
脱脂粉乳5 部との混合溶解液を添加した液に、ホモミキ
サーで攪拌しながら、レシチンとモノグリセリドを各々
0.1 部とローカストビーンガム0.3 部、澱粉(商品名:
インスタントCJ,王子ナショナル(株)製)2 部を分散
させた菜種硬化油( 融点31℃)15 部を徐々に添加し80℃
で10分間混練した後、100kg/cm2 の圧力下に均質化後、
プラスチックフィルムチューブに充填、密封し5 ℃に急
冷してヨーグルト類を得た。このヨーグルト類の組成は
油分17% 、蛋白質4%、水分72% 、糖分6%、灰分1%であっ
た。
【0021】かくして得たヨーグルト類は、以下の比較
例等の対比からも明らかなように、展延性に優れ、柔ら
かく滑らかなペースト性状を示し、市販ヨーグルトに比
べて硬さに優れ、離水の少ないものであった。
【0022】比較例1 実施例1 と同様の乳酸菌醗酵液75部に、水12部と脱脂粉
乳5 部との混合溶解液を添加した液に、ホモミキサーで
攪拌しながら、レシチンとモノグリセリドを各々0.1 部
とローカストビーンガム0.3 部、澱粉(商品名:インス
タントCJ,王子ナショナル(株)製)2 部を分散させた
菜種硬化油( 融点31℃)8 部を徐々に添加し80℃で10分
間混練した後、100kg/cm2 の圧力下に均質化後、プラス
チックフィルムチューブに充填、密封し5 ℃に急冷し
た。このようにして得たものの組成は油分10% 、蛋白質
4%、水分79% 、糖分6%、灰分1%であった。この様にして
得られたものは、油分が低いため、ボディー感が無く、
風味も水っぽいものであった。
【0023】比較例2 実施例1 と同様の乳酸菌醗酵液60部に、水5 部と脱脂粉
乳5 部との混合溶解液を添加した液に、ホモミキサーで
攪拌しながら、レシチンとモノグリセリドを各々0.1 部
とローカストビーンガム0.3 部、澱粉(商品名:インス
タントCJ,王子ナショナル(株)製)2 部を分散させた
菜種硬化油( 融点31℃)30 部を徐々に添加し80℃で10分
間混練した後、100kg/cm2 の圧力下に均質化後、プラス
チックフィルムチューブに充填、密封し5 ℃に急冷し
た。このようにして得たものの組成は油分40% 、蛋白質
4%、水分50% 、糖分6%、灰分1%であった。この様にして
得られたものは、油分が高いため、乳化ができず、油っ
ぽいバタークリーム的なものであった。
【0024】比較例3 実施例1 と同様の乳酸菌醗酵液30部に、水25部と脱脂粉
乳30部との混合溶解液を添加した液に、ホモミキサーで
攪拌しながら、レシチンとモノグリセリドを各々0.1 部
とローカストビーンガム0.3 部、澱粉(商品名:インス
タントCJ,王子ナショナル(株)製)2 部を分散させた
菜種硬化油( 融点31℃)15 部を徐々に添加し80℃で10分
間混練した後、100kg/cm2 の圧力下に均質化後、プラス
チックフィルムチューブに充填、密封し5 ℃に急冷し
た。このようにして得たものの組成は油分16% 、蛋白質
11% 、水分54% 、糖分17% 、灰分2%であった。この様に
して得られたものは、ボディー感が硬すぎてスプレッド
ができず、食感も滑らかさの無いものであった。
【0025】実施例2 水分80% 、蛋白質成分7.3%、油脂分0.3%、糖分10% 、灰
分2.4%の組成を有する市販の乳酸菌醗酵液25部に、水51
部と脱脂粉乳7 部との混合溶解液を添加した液に、ホモ
ミキサーで攪拌しながら、レシチンとモノグリセリドを
各々0.1 部とローカストビーンガム0.3 部、澱粉(商品
名:インスタントCJ,王子ナショナル(株)製)2 部を
分散させた菜種硬化油( 融点31℃)17 部を徐々に添加し
80℃で10分間混練した後、100kg/cm2 の圧力下に均質化
後、プラスチックフィルムチューブに充填、密封し5 ℃
に急冷した。このようにして得たものの組成は油分17%
、蛋白質4%、水分72% 、糖分6%、灰分1%であった。こ
の様にして得られたものは、実施例1 と同様に展延性に
優れ、柔らかく滑らかなペースト性状を示し、市販ヨー
グルトに比べて硬さに優れ、離水の少ないものであっ
た。
【0026】比較例4 実施例2 と同様の乳酸菌醗酵液15部に、水59部と脱脂粉
乳9 部との混合溶解液を添加した液に、ホモミキサーで
攪拌しながら、レシチンとモノグリセリドを各々0.1 部
とローカストビーンガム0.3 部、澱粉(商品名:インス
タントCJ,王子ナショナル(株)製)2 部を分散させた
菜種硬化油( 融点31℃)17 部を徐々に添加し80℃で10分
間混練した後、100kg/cm2 の圧力下に均質化後、プラス
チックフィルムチューブに充填、密封し5 ℃に急冷し
た。このようにして得たものの組成は油分17% 、蛋白質
4%、水分72% 、糖分6%、灰分1%であった。この様にして
得られたものは、乳酸菌醗酵液の使用量が少ないため、
良好なヨーグルト味が得られず、水っぽいものであり、
またボディー感のないものであった。
【0027】以上、各例の配合割合は以下のとおり。 ○配合 実施例 比較例 比較例 比較例 (1) (1) (2) (3) ─────────────────────────────────── 乳酸菌醗酵液 75部 75部 60部 30部 脱脂粉乳 5 5 5 30 水 5 12 5 25 菜種硬化油 15 8 30 15 澱粉 2 2 2 2 ローカストビーンガム 0.3 0.3 0.3 0.3 レシチン 0.1 0.1 0.1 0.1 モノグリセリド 0.1 0.1 0.1 0.1 ─────────────────────────────────── ○組成 水分 72 79 50 54 油分 17 10 40 16 蛋白 4 4 4 11 糖分 6 6 6 17 灰分 1 1 1 2 ───────────────────────────────────
【0028】結果は以下のとおり。 市販ヨー 実施例 比較例 比較例 比較例 グルト (1) (1) (2) (3) ─────────────────────────────────── 口どけ 良好 良好 良好 悪い 悪い 風味 良好 良好 うすい うすい うすい 食感 良好 良好 良好 油っぽい ざらつき ─────────────────────────────────── 硬さ* 5 30 5 160 200 スプレッド性 不可 良好 不可 不可 不可 ─────────────────────────────────── *硬さ:ヨーグルト及びヨーグルト類の硬さ、レオメーター測定値(但し、測 定条件:品温5 ℃、直径1cm プランジャー、テーブルスピード5cm/分、不動工業 (株)製、単位:g/0.785cm2)
【0029】 ○配合 実施例 比較例 (2) (4) ─────────────────────────────────── 乳酸菌醗酵液 25部 15部 脱脂粉乳 7 9 水 51 59 菜種硬化油 17 17 澱粉 2 2 ローカストビーンガム 0.3 0.3 レシチン 0.1 0.1 モノグリセリド 0.1 0.1 ─────────────────────────────────── ○組成 水分 72 72 油分 17 17 蛋白 4 4 糖分 6 6 灰分 1 1 ───────────────────────────────────
【0030】結果は以下のとおり。 実施例 比較例 (2) (4) ─────────────────────────────────── 口どけ 良好 良好 風味 良好 うすい 食感 良好 良好 ─────────────────────────────────── 硬さ* 30 8 スプレッド性 良好 不可 ─────────────────────────────────── *硬さ:ヨーグルト及びヨーグルト類の硬さ、レオメーター測定値(但し、測 定条件:品温5 ℃、直径1cm プランジャー、テーブルスピード5cm/分、不動工業 (株)製、単位:g/0.785cm2)
【0031】以下に、実施例1で得た本発明品と市販マ
ーガリンおよび市販マヨネーズ、市販ヨーグルトのパン
へのスプレッド性の比較を示す。
【0032】○方法 市販の食パンを1cmにスライスしたもの2枚にサンプル
を各2g づつスプレッドし、カツをサンドして室温に一
晩放置した後の状態を観察した。
【0033】 実施例1 マーガリン マヨネーズ ヨーグルト ────────────────────────────────── 風味 良好 良好 良好 良好 組織 良好 良好 良好 良好 スプレッド性 良好 やや難あり 良好 良好 パンへの滲み込み 少ない やや多い 少ない 多い 具材との結着性 良好 不良 不良 不良 ──────────────────────────────────
【0034】以上の対比から明らかなように、本発明の
実施例1はパンへの滲み込みがマ−ガリン、マヨネ−
ズ、ヨーグルトに比べ少なく、良好であった。さらに、
サンドイッチ等にハム、カツ等を挟む際にもこれらがす
べりを生じるのに対し、本発明におけるスプレッドは優
れた結着性を示した。
【0035】
【発明の効果】以上のように、既存の乳酸菌醗酵液をベ
ースとして利用することにより風味良好かつ柔らかいペ
ースト性状を示し、ケーキ等を製造する際の作業性に優
れ、パンのスプレッドとして使用した際にも具材との結
着性にも優れパンへの滲み込みも少ないヨーグルト類を
製造することが可能となった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用した乳酸菌醗酵液が20〜90重量% であ
    って、総油脂分12〜35重量% 及び総蛋白質成分2 〜10重
    量% 、水分50〜80重量% に調整し安定剤及び乳化剤を添
    加後、均質化して水中油型の乳化物とすることを特徴と
    するヨーグルト類の製造法。
  2. 【請求項2】ヨーグルト類の硬さが、レオメ−タ−測定
    値として10〜150g/ 0.785 cm2 (但し、測定条件:品温
    5 ℃、直径1 cmプランジャー、テーブルスピード5 cm/
    分、不動工業(株)製)の範囲内にある、請求項1記載
    の製造法。
  3. 【請求項3】安定剤として、アルファー化加工澱粉、も
    しくはリン酸架橋澱粉を使用する、請求項1または2に
    記載の製造法。
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