JP2000262217A - 水中油型含水チョコレート及びその製造法並びにその使用法 - Google Patents
水中油型含水チョコレート及びその製造法並びにその使用法Info
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Abstract
食感を呈し、包餡適性に優れ、焼成前の生地又は焼成生
地に載置したり塗布したり、あるいは包餡したりした
後、焼成、蒸煮あるいはフライしても良好な焼成耐性、
蒸煮耐性あるいはフライ耐性を有する、水中油型含水チ
ョコレート及びその製造法並びにその使用法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】澱粉性原料0.5〜5重量%及び水分10
〜30重量%を含有する加熱耐性を有する水中油型含水
チョコレート、及びチョコレート又はチョコレート原料
中に、チョコレート全量に対し澱粉性原料を0.5〜5
重量%及び水分が10〜30重量%になるように水性成
分を混合することを特徴とする加熱耐性を有する水中油
型含水チョコレートの製造法、並びに当該含水チョコレ
ートを包餡用、載置用及び塗布用の何れか一つ又は二以
上の用途として使用することを特徴とする含水チョコレ
ートの使用方法。
Description
コレート及びその製造法並びにその使用法に関し、詳細
には菓子生地の内部に包餡したり、あるいは上面に載置
又は塗布して蒸煮、焼成、あるいはフライしても良好な
加熱耐性を有する、水中油型含水チョコレート及びその
製造法並びにその使用法に関する。
とを混合して製造される水中油型含水チョコレート、い
わゆるガナッシュは、例えばケーキ等にナッペ(ヘラで
ケーキ等の表面に塗布)したり、製菓用の器具を用いて
造花したり、またはケーキ生地の間にサンドしたりして
使用される高級洋菓子素材である。
等の内部に充填して焼成すると融解して焼き残りせず大
きな空洞が生じたり、また焼き菓子等の上面に載置乃至
塗布してオーブンなどで焼成すると沸騰して流れ出した
りするなどして、焼成耐性がないため専ら焼成後に充填
したり、または塗布したりすることが多い。
ターケーキを製造する場合には熟練した洋菓子職人によ
り球状に成型して冷凍されたガナッシュを、バターケー
キの焼成前の生地に注意深く埋め込むという非常に高度
な技術が必要であった。また冷凍状態のガナッシュは、
品温が上昇すると焼成耐性も著しく低下するため量産化
が困難であった。
工食品が提案されてきた。例えば、特開平3−1987
42号公報では、卵白を泡立てたメレンゲと特定量のキ
サンタンガムを使用してチョコレートムースを製造する
方法が提案されている。また、特開平4−95447号
公報では、乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル
を用いた非常に乳化安定なチョコレート利用食品が提案
されている。しかしながら、これらはいずれも焼菓子に
フィリングしたときの焼成耐性が弱く、いずれも満足な
結果は得られない。
様の高級感のある風味となめらかな食感を呈し、包餡適
性に優れ、焼成前の生地又は焼成生地に載置したり塗布
したり、あるいは包餡したりした後、焼成、蒸煮あるい
はフライしても良好な焼成耐性、蒸煮耐性あるいはフラ
イ耐性を有する、水中油型含水チョコレート及びその製
造法並びにその使用法を提供することを目的とする。
を達成するため鋭意研究を行った結果、澱粉性原料を配
合したチョコレートと水性成分とを混合して調製した水
中油型の含水チョコレートが上記課題を解決し得るとい
う知見を得、本発明を完成した。
重量%及び水分10〜30重量%を含有する加熱耐性を
有する水中油型の含水チョコレート、及びチョコレート
又はチョコレート原料中に、チョコレート全量に対し澱
粉性原料を0.5〜5重量%及び水分が10〜30重量
%になるように水性成分を混合することを特徴とする加
熱耐性を有する水中油型含水チョコレートの製造法、並
びに当該含水チョコレートを包餡用、載置用及び塗布用
の何れか一つ又は二以上の用途として使用することを特
徴とする含水チョコレートの使用法、である。
ーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉等
の天然澱粉をはじめ、アルファ化澱粉、エーテル架橋澱
粉、リン酸架橋澱粉で例示される加工澱粉が例示できる
が、食感をなめらかにする点においてアルファ化澱粉が
好ましい。この澱粉性原料は含水チョコレート全量に対
し0.5〜5重量%含有される。下限未満では焼成耐性
が得られず、上限を越えると糊感の強い食感となり、口
溶けが悪化し、なめらかさがなくなってしまう。従っ
て、本発明における含水チョコレートは従来より澱粉を
主原料とし、風味成分としてチョコレート成分を含むサ
ワーペースト類とは全く異質の食品である。
チョコレート業公正取引協議会で規定されたチョコレー
ト生地、準チョコレート生地だけではなく、カカオマ
ス、ココア、ココアバターを利用した油脂加工食品をも
包含するものである。
よいが、全粉乳もしくは脱脂粉乳を水に溶解もしくは分
散させた水性成分、天然の生クリーム類、牛乳、濃縮
乳、もしくは従来開発されてきた動植物性油脂等を使用
した合成クリーム類等の乳成分を含む水性成分、又は糖
類を含む水性成分が好ましく、本発明における含水チョ
コレートは以上の水性成分を用いて水分を10〜30重
量%となるように調製する。水分含量が下限未満では水
中油型の含水チョコレートにすることが困難であり、逆
に上限を越えると加熱耐性が得られ難くなる。特に、水
分含量は10重量%を越え30重量%以下となるように
調製するのが好ましい。
ト由来及びクリームなどの水性成分由来の油脂が含ま
れ、例えばココアバター、イリッペバター、サル脂、シ
アバター、パーム油、パーム核油、やし油,綿実油、ナ
タネ油、ヒマワリ種子油、落花生油、米糠油、コーン
油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、
月見草油等の植物性油脂、並びに乳脂、牛脂、ラード、
魚脂、鯨油等の動物性油脂又はこれらの硬化、分別、エ
ステル交換等を施したハードバター等の加工油脂が例示
でき、新たにこれらの油脂を単独もしくは混合して配合
してもよい。また、市販のバター、マーガリン、又はシ
ョートニング等を新たに配合してもよい。
レートやクリームなどに由来のレシチン、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、モノグリセリド、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等が例示でき
るが、新たにこれらの乳化剤の一種又は二種以上を水中
油型含水チョコレートの乳化安定性を高めるために使用
してもよい。
各種洋酒等を加えたり、甘味度を調整するために水飴等
の甘味剤を加えてもよい。さらに、安定剤としてガム
類、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガム、グ
アーガム、アラビアガム、CMC,微結晶セルロース
等、ペクチン、寒天、カラギーナン、ゼラチン等も必要
に応じて加えてもよい。また焼成耐性を更に付与するた
めに、卵白などの熱凝固性蛋白を加えてもよい。
コレートは、澱粉性原料を添加したチョコレートと水性
成分とを混合した後30℃〜70℃に加温する、あるい
はどちらか一方又は両方を30℃〜70℃に加熱溶解し
ておいてから混合し、手で攪拌するような緩やかな攪拌
方式、あるいは強力な剪断力を加えることのできる高速
攪拌方式、例えばホモミキサー(特殊機化工業(株))
等のいずれの方式でも製造することができる。場合によ
っては均質化(5〜150kg/cm2)処理を行って
も良い。乳化処理した後は冷却して製造される。乳化工
程あるいは均質化処理の前後で殺菌又は滅菌してもよ
い。
れる水中油型の含水チョコレートを焼成前の生地又は焼
成生地に載置したり塗布したり、あるいは包餡したりし
た後、焼成、蒸煮あるいはフライしても良好な焼成耐
性、蒸煮耐性あるいはフライ耐性を有するので、焼成用
としてはもちろんのこと、饅頭生地中に包餡して蒸すと
いう蒸煮用として、あるいはドーナツ生地中にセンター
材として使用してフライするというフライ用として有効
である。
発明をより一層明瞭にするが、これらは単なる例示であ
って本発明がこれらに限定されるものではない。なお、
例中、部及び%はいずれも重量基準を意味する。
油(株)製)20部とソルビトール10部を40℃まで
加温した。これに、アルファ化澱粉(「ミラゲル46
3」、ステーリー(株)製)を3%含有した油分30%
のスイートチョコレート70部を加え、湯煎温度40℃
でヘラを使って2分間攪拌した後、冷蔵庫で5℃まで冷
却し、水分16.7%の水中油型の含水チョコレートを
得た。
コレートをセンターとしてココア風味のバターケーキ生
地中に包餡し、オーブンで160℃15分間焼成した。
焼成後、バターケーキ中に包餡した当該含水チョコレー
トはしっかりと形が残り、滑らかな組織を保っていた。
このバターケーキを電子レンジで温めると、センターは
とろけるようになり、たいへん高級感あるケーキとなっ
た。また、当該含水チョコレートをバター生地の上に絞
って180℃12分間焼成したものも、焼成中に流れる
事なく焼き残った。
にして製造し、水分16.7%の水中油型の含水チョコ
レートを得た。以上の含水チョコレートは、実施例1と
同様に滑らかな組織であったが、実施例1と同様にバタ
ーケーキ生地のセンターに包餡し、オーブンで160℃
15分間焼成したところ、焼成中に包餡物がバターケー
キから吹き出し商品価値のないものとなった。また、こ
の含水チョコレートをバター生地の上に絞って180℃
12分間焼成したものも、焼成中に流れてしまい焼き残
らず商品価値のないものとなった。
にアルファ化澱粉(「ミラゲル463」、ステーリー
(株)製)を1%含有した油分30%のミルクチョコレ
ート75部を加え、湯煎温度65℃でヘラを使って2分
間手攪拌した後、35℃まで冷却し、水分14.5%の
水中油型の含水チョコレートを得た。
は、実施例1と同様に滑らかな組織で、このものをソフ
トクッキー生地(ガレット生地)のセンターに包餡し、
オーブンで200℃8分間焼成した。焼成後、ガレット
生地に包餡した当該含水チョコレートは良好な保形性を
保ち、滑らかな組織で空洞もみられず美味であった。ま
た水分活性も低いので、ソフトな食感のセンター素材が
入った室温(15〜25℃)で流通可能な菓子となっ
た。
3」、ステーリー(株)製)を3%含有した油分30%
のスイートの代わりに、アルファ化澱粉(「ミラゲル4
63」、ステーリー(株)製)を6%含有した油分30
%のスイートチョコレートを加える以外は同様にして製
造し、水分16.7%の水中油型の含水チョコレートを
得た。
様にバターケーキ生地中に包餡してから焼成したり、バ
ター生地の上に絞ってから焼成しても、しっかりと形が
残り加熱耐性があったが、糊感の強い食感となり、口溶
けが悪く、食感の滑らかさがなくなってしまった。
油(株)製)30部と還元水飴10部を65℃まで加温
した。これに、アルファ化澱粉(「ミラゲル463」、
ステーリー(株)製)を2%含有した油分30%のスイ
ートチョコレート60部を加え、湯煎温度40℃でヘラ
を使って2分間手攪拌した後、冷蔵庫で5℃まで冷却
し、水分23.5%の水中油型の含水チョコレートを得
た。
ートを包餡し90℃で蒸したものを7時間ホットサーバ
ーで置いていたが、チョコ風味が濃厚で、きめが細かく
なめらかでとろけるような状態を有し、美味であった。
また、以上の含水チョコレートをドーナツのセンターに
入れて180℃3分間フライも行ったが、フライ中に生
地から吹き出す事もなくなめらかな状態のままで、チョ
コ風味も濃厚で美味であった。
ト500」,不二製油(株)製)を20部ではなく8部
に減少し、その代わりに油分30%のスイートチョコレ
ートを82部まで増量した以外は同様にして製造し、水
分8.5%の水中油型の含水チョコレートを得ようとし
たが、乳化が不安定で水中油型の含水チョコレートは得
ることができなかった。
ト500」,不二製油(株)製)を20部ではなく30
部に増量し、さらに水を10%加え、その代わりに油分
30%のスイートチョコレートを50部まで減量した以
外は同様にして製造し、水分34%の含水チョコレート
を得た。以上の含水チョコレートは、実施例1と同様に
滑らかな組織であったが、実施例1と同様にバターケー
キ生地のセンターに包餡し、オーブンで160℃15分
間焼成したところ、焼成中に包餡物がバターケーキから
吹き出し、商品価値のないものとなった。またこの含水
チョコレートをバター生地の上に絞って180℃12分
間焼成したものも、焼成中に流れてしまって焼き残ら
ず、商品価値のないものとなった。
にして製造し、水分14.5%の水中油型の含水チョコ
レートを得た。以上の含水チョコレートは、実施例2と
同様に滑らかな組織であったが、実施例2と同様にソフ
トクッキー生地(ガレット生地)のセンターに包餡し、
オーブンで200℃8分間焼成したところ、ガレット生
地に包餡した当該食品はボソボソの状態になり、焼き残
っていなかった。
にして製造し、水分23.5%の水中油型の含水チョコ
レートを得た。餡饅の餡の代わりに、以上の含水チョコ
レートを包餡したが、ホイロの段階で外生地から溢れて
しまい商品価値のないものとなった。また、以上の含水
チョコレートをドーナツのセンターに入れて180℃で
フライしたが、フライ中に生地から吹き出し、商品価値
のないものとなった。
様の高級感ある風味となめらかな食感を呈し、焼成前の
生地又は焼成生地に載置したり塗布したり、あるいは包
餡したりした後、焼成、蒸煮あるいはフライしても良好
な焼成耐性、蒸煮耐性あるいはフライ耐性を有する、水
中油型含水チョコレートを提供することが可能となっ
た。
Claims (8)
- 【請求項1】澱粉性原料0.5〜5重量%及び水分10
〜30重量%を含有する、加熱耐性を有する水中油型含
水チョコレート。 - 【請求項2】澱粉性原料がアルファ化澱粉である、請求
項1記載の含水チョコレート。 - 【請求項3】加熱耐性が、蒸煮耐性、焼成耐性、フライ
耐性の何れかである、請求項1又は請求項2記載の含水
チョコレート。 - 【請求項4】請求項1又は請求項2記載の含水チョコレ
ートを包餡用、載置用及び塗布用の何れか一つ又は二以
上の用途として使用することを特徴とする、含水チョコ
レートの使用法。 - 【請求項5】チョコレート又はチョコレート原料中に、
チョコレート全量に対し澱粉性原料を0.5〜5重量%
及び水分が10〜30重量%になるように水性成分を混
合することを特徴とする、加熱耐性を有する水中油型含
水チョコレートの製造法。 - 【請求項6】澱粉性原料がアルファ化澱粉である、請求
項5記載の製造法。 - 【請求項7】加熱耐性が、蒸煮耐性、焼成耐性、フライ
耐性の何れかである、請求項5記載の製造法。 - 【請求項8】請求項5記載の方法によって製造された含
水チョコレートを包餡用、載置用及び塗布用の何れか一
つ又は二以上の用途として使用することを特徴とする、
含水チョコレートの使用法。
Priority Applications (8)
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