JP2882990B2 - 加糖餡の製造方法 - Google Patents
加糖餡の製造方法Info
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Description
菓子等の菓子類やパン製品等に用いられる餡の製造方法
に係わり、とくに乾燥が抑制され、パサついた食感のな
い加糖餡の製造方法に関するものである。
最中等の和菓子の基本的原料として利用されてきた。ま
た近年ではパイをはじめとする洋菓子やパン製品の詰め
ものとしても使われている。原料豆の種類により赤餡と
白餡とに分けられ、また形態により粒餡とこし餡があ
り、これらはさらに小倉餡、うぐいす餡、栗まん用餡等
に使い分けされている。餡を製造するには、通常、小
豆、うずら豆、金時豆、いんげん豆、そら豆、イエロー
ビーン等の豆類を水に浸漬し、これを煮るか蒸して煮豆
となし、磨砕した後、要すれば篩分け、さらし工程等を
経て、脱水処理して生餡となす。また生餡に砂糖、水、
食塩、水飴、その他の原料を加えて加熱、攪拌し炊き上
げることにより加糖餡いわゆる練り餡やようかん等を製
造する。
日もち、ねばり、食感等に影響を及ぼす大きな要因であ
る。加糖餡では通常約30〜50重量%の水分を含み、
これを詰めもの製品の素材として用いる場合、外側の生
地いわゆる皮の部分の水分量の多少に応じて加糖餡の水
分含量を調節することが行われている。
の製品では、生地に加糖餡を詰めた後の焼上げ工程にお
いて、外側の生地が乾燥して水分量が減少するにともな
い加糖餡自体の水分含量も低下し、でき上がった製品段
階では加糖餡が乾燥してパサついた食感になるという欠
点があった。この欠点は、小豆等の原料豆の皮が混在す
る小倉餡タイプのものでは、機械的に練り上げる際に空
気を該餡中に包含しやすく、とくに顕著に現われる。加
糖餡のパサつきを防止する方法としては糖分含量を増や
すことが考えられ、例えば最中に詰める加糖餡のような
ものもあるが、かかる加糖餡は生餡とほぼ同重量もしく
はそれ以上の甘味料を配合してなるもので、極めて甘味
が強く、最終製品への利用範囲も制限される難点があ
る。
は、従来の加糖餡の糖分を増やすことなく、詰めもの製
品に用いた場合に焼成後においてもパサつきがなく、し
っとりした食感のある加糖餡を製造する方法を提供する
ことを目的とした。
に、本発明者らは鋭意検討の結果、従来の加糖餡の製造
方法において煮豆または生餡に特定の成分からなる水中
油型乳化組成物を配合することにより、前記欠点がな
く、好ましい食感を有する加糖餡が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、煮
豆または生餡に、油脂、糖質、澱粉またはセルロース、
蛋白質、および増粘剤を含有してなる水中油型乳化組成
物を前記煮豆または生餡の5〜20重量%配合し、炊き
上げることを特徴とする加糖餡の製造方法である。
んげん豆、そら豆、イエロービーン等の豆類を前述の公
知方法により処理して得られる煮豆または生餡を出発原
料とする。なお、生餡としては従来公知の赤餡または白
餡、またこれらの粒餡またはこし餡、あるいは前記餡に
柚子、マロン、ゴマ、クルミ、梅肉等の果汁、エキスま
たは果肉を添加、混練した各種餡を使用できる。とりわ
け本願発明においては、小倉餡タイプの原料豆類の皮も
しくはその小片が混在しているものが好適である。
かる煮豆または生餡に、油脂、糖質、澱粉またはセルロ
ース、蛋白質および増粘剤を含有してなる水中油型乳化
組成物を配合することを特徴とする。水中油型乳化組成
物を構成する油脂としては、一般に食用に供せられる油
脂または加工油脂であり、例えば大豆油、菜種油、綿実
油、サフラワー油、ひまわり油、パーム油、やし油、カ
カオ脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油およびこれらの分別油
脂、水素添加油脂、エステル交換油脂等の加工油脂、ま
たショートニング、マーガリン、バター等の1種もしく
は2種以上を使用できる。これらのうち、風味の点から
は植物性油脂類が好ましい。
ウ糖、水飴、異性化糖、蜂蜜、麦芽糖、乳糖、果糖、果
糖ブドウ糖液糖、ブトウ糖果糖液糖、糖アルコール、還
元澱粉糖化物等を例示できる。また澱粉の例として米澱
粉、コーンスターチ、ポテトスターチ、小麦粉澱粉等の
生および加工澱粉があり、セルロースは食用に供せられ
るものであれば特に限定されない。澱粉またはセルロー
スは、口中においてザラつきのない低粒度分級品、例え
ば粒度20μm以下、好ましくは10μm以下のものが
望ましい。蛋白質としては卵白、乳蛋白、大豆蛋白およ
びこれらの加水分解物等を用いることができる。増粘剤
としてはグアーガム、トラガントガム、キサンタンガ
ム、ペクチン、カラギーナン、ジェランガム、アラビア
ガム、カードラン等の各種食用増粘剤を使用できるが、
とりわけカラギーナンは前記蛋白質と併用することによ
り強固な乳化界面膜を形成し、安定な乳化状態を維持さ
せることにおいて効果がある。
含有量は適宜に選択できるが、好ましくは水相全体に対
して糖質を50〜80重量%、澱粉またはセルロースを
1〜25重量%、蛋白質を0.1〜3重量%、増粘剤と
してカラギーナンを0.05〜1重量%とし、さらにこ
れらを含有する水相と前記油脂を含有する油相とを重量
比で油相/水相=30〜70/70〜30として、常法
により水中油型乳化組成物とする。また該水中油型乳化
組成物を例えば間接もしくは直接加熱方式により60〜
100℃に1〜30分間加熱処理を施した水中油型乳化
組成物となす。かかる配合比率により、また加熱処理に
より耐熱性の優れた水中油型乳化組成物となる。
り、前記水中油型乳化組成物を使用することを必須とす
る。水中油型乳化組成物を使用することなく、単に該水
中油型乳化組成物の構成成分を煮豆または生餡に順次ま
たは同時に添加し、混練しながら炊き上げても、これら
の成分どうしの混合のみならず、煮豆または生餡との十
分な混合が行なえず、餡中に十分な水分を包含させるこ
とができず、この結果として本発明のねらいとするパサ
つきがなく、しっとりした食感のある加糖餡を得ること
ができなくなる。また前記水中油型乳化組成物は、煮豆
または生餡に、その5〜20重量%好ましくは10〜1
5重量%に相当する量を配合する。5重量%未満では所
望の性状を得ることができず、逆に20重量%を超えて
配合すると油分が浮いた状態になるので好ましくない。
は、例えば次のように行う。すなわち、小豆(1.5k
g)を水洗後、水に浸漬し、これを沸騰させ、水切りす
る。新たな水を加え、沸騰させ、水切りをする操作を数
回繰り返してアク抜きし、中火で煮上げた後、蒸して煮
豆(3kg)とする。あるいは該煮豆を磨砕し、要すれ
ば篩分け、さらし処理等を施して生餡となす。かくして
得られる煮豆または生餡(2500g)に、前記水中油
型乳化組成物(125〜500g)とともに砂糖(白双
目)もしくはグラニュー糖(1000〜1750g)を
添加し、こげつかないように混練しながら加熱し、さら
に要すれば水飴(150〜200g)、食塩(5〜15
g)等を加え、糖度が50〜78になるまで炊き上げる
ことにより、本発明の加糖餡を得ることができる。
行う製品に用いると最も効果的であるが、焼成工程を経
ない製品に使用しても何ら差し支えない。
騰させ、水切りした後、新たに水3リットルを加え同様
に沸騰させ、水切りし、この操作を3回繰り返してアク
抜きした。ついで中火で煮上げ、30分間蒸して煮豆3
kgを得た。 この 煮豆にグラニュー糖および水を加え、
一夜漬けた後、水中油型乳化組成物を添加し、混練しな
がら加熱を続け、さらに水飴および食塩を加えて炊き上
げ、本発明の加糖餡(小豆潰し餡)(試作品B、C、
D、E、F)および比較品(試作品G)を得た。なお、
これと同時に水中油型乳化組成物を配合しない対照品を
調製した。また水中油型乳化組成物として、油相が菜種
油、水相が還元澱粉糖化物70重量%、α化澱粉1重量
%、米澱粉3重量%、卵白粉末0.5重量%、グアーガ
ム0.1重量%およびカラギーナン0.1重量%を含
み、油相/水相=45/55(重量比)とし、水相に油
相を添加してホモミキサーで水中油型に乳化させたもの
をバッチ式間接加熱により70℃で20分間加熱処理し
たものを用いた。
例と同様に小豆潰し餡入りパンを試作した。その結果、
試作品B〜Fを詰めたものではいずれもパサつきがな
く、しっとりした食感の餡であったが、本発明の水中油
型乳化組成物を配合しない対象品の場合には乾燥し、パ
サついた状態で、ボソついた食感の餡となった。また試
作品Gの場合には油っぽさが強く、ネトついた食感の餡
であった。
成分を乳化せず各成分のままで同量を配合し、加糖餡を
試作したが、生餡とこれらの成分が十分に混合せず、異
物が混入した状態となり、またこれを詰めたパンを試作
したところ、乾燥し、パサついた状態となり、しっとり
した食感のある餡とはならなかった。
増やすことなく、詰めもの製品に用いた場合に焼成後に
おいても乾燥が抑制され、パサつきがなく、しっとりし
た食感のある加糖餡を製造することが可能となる。該加
糖餡は従来のものと同程度の甘さであるため、まんじゅ
う、パイ、パンや各種ベーカリー製品に広く利用できる
利点を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】 煮豆または生餡に、油脂、糖質、澱粉ま
たはセルロース、蛋白質および増粘剤を含有し加熱処理
してなる水中油型乳化組成物を前記煮豆または生餡の5
〜20重量%配合し、さらに糖質を加え、炊き上げるこ
とを特徴とする加糖餡の製造方法。 - 【請求項2】 生餡が生小倉餡である請求項1に記載の
加糖餡の製造方法。 - 【請求項3】 水中油型乳化組成物が、油相/水相=3
0〜70/70〜30(重量比)からなり、かつ該油相
と、水相全体に対して糖質を50〜80重量%、澱粉ま
たはセルロースを1〜25重量%、蛋白質を0.1〜3
重量%、カラギーナンを0.05〜1重量%含有する該
水相とを水中油型に乳化した組成物、または該組成物を
60〜100℃に加熱処理してなる乳化組成物である請
求項1または2に記載の加糖餡の製造方法。 - 【請求項4】 加糖餡の糖度が50〜78である請求項
1〜3のいずれかに記載の加糖餡の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP5353018A JP2882990B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 加糖餡の製造方法 |
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JP5353018A JP2882990B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 加糖餡の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07194312A JPH07194312A (ja) | 1995-08-01 |
JP2882990B2 true JP2882990B2 (ja) | 1999-04-19 |
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ID=18428013
Family Applications (1)
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JP5353018A Expired - Lifetime JP2882990B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 加糖餡の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6602539B2 (en) * | 2001-05-10 | 2003-08-05 | Kraft Foods Holdings, Inc. | Cooked bean product having reduced solids content and improved viscosity |
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KR101426816B1 (ko) * | 2014-01-13 | 2014-08-05 | 김봉수 | 콩앙금 및 그의 제조방법 |
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-
1993
- 1993-12-29 JP JP5353018A patent/JP2882990B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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