JPH0618506B2 - 練り餡の製造法 - Google Patents

練り餡の製造法

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JPH0618506B2
JPH0618506B2 JP60299503A JP29950385A JPH0618506B2 JP H0618506 B2 JPH0618506 B2 JP H0618506B2 JP 60299503 A JP60299503 A JP 60299503A JP 29950385 A JP29950385 A JP 29950385A JP H0618506 B2 JPH0618506 B2 JP H0618506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、二軸型エクストルーダーを用いて、製菓・製
パン用材料としての優れた食感・風味を有し且つ品質の
バラつきが少ない練り餡を連続的に製造する方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、製菓・製パン用材料としての練り餡の製造は生餡
購入後の二次加工によってまかなわれてきたが、最近の
生産規模の拡大、機械化の進展、省力化の観点から、生
餡よりも保存性に優れた加糖餡や、粉末・顆粒タイプの
乾燥生餡の供給・購入が広く行われている。
練り餡製造における餡練りの目的は、生餡又は乾燥生餡
を水で戻したものと糖類を原料とし、餡粒子中のデンプ
ンを完全に糊化し、餡に適度の粘りけと弾性とを与え、
又、餡粒子の内部まで糖類を浸透させ、独特の香りと艶
を出し、且つ保存性を持たせることにあり、このような
餡練りを行うための練り餡製造機としては、従来、常圧
式の煮炊攪拌機、真空式の煮炊攪拌機や、水平軸を持つ
ニーダー型攪拌機が用いられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記の従来の練り餡製造機を用いて前記の餡練りの目的
を達成するためには、熱を十分に通し、じっくりと練り
上げるのがコツであるが、これらの従来の製造機では、
餡粒子への糖類の浸透が不十分なことが多く、又、練り
上げには高度な熟練と勘が要求され、且つ多大な燃料、
時間、労力が必要とされる。又、練り上げ工程は濃縮工
程でもあり、練り上げに長時間を要すということは経済
的に不利であり、又品質のバラつきを生じやすい。一
方、練り上げが不十分であると、餡粒子への糖類の浸透
が不十分となり、風味・保存性が悪くなる。
又、餡の製造は大量バッチ式よりも小仕込みバッチ式に
よって製造されているため、非能率的で一定品質の練り
餡を大量に製造することは困難である。
従って、本発明の目的は、上述の問題点を解決し、製菓
・製パン用材料として優れた食感・風味を有し且つ品質
のバラつきが少ない練り餡を連続的に製造する方法を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、生餡及び/又は乾燥生餡、糖類及び水を必須
成分とする原料を用いて練り餡を製造する方法におい
て、原料を二軸型エクストルーダーに供給し、搬送させ
つつ加熱・混練することを特徴とする練り餡の製造法に
より、前記目的を達成したものである。
以下、本発明の練り餡の製造法について詳述する。
本発明においては、二軸型エクストルーダーの使用が必
須条件となるが、かかる二軸型エクストルーダーとして
は、フィーダー,バレル,二軸スクリュー,ダイ,バレ
ル加熱装置,冷却装置,及び中途バレルよりの液体注入
機構を備えたものであって、混合、混練、圧縮、粉砕、
剪断、加熱の各工程をひとつのユニットで処理できる装
置であれば全てのタイプのものが使用できるが、例えば
(株)栗本鐡工所製の二軸型エクストルーダーKEX−
65型が好適なものとして挙げられる。
本発明で用いられる生餡としては、小豆、インゲン豆、
ササゲ、ソラ豆、エンドウ豆、緑豆、手忙豆等の豆類
を、蒸煮し、磨砕、篩別、水晒し等の工程を経て脱水し
たコシ生餡や、蒸煮した豆を水晒し後、脱水した粒生餡
を利用することができる。これらの生餡は、通常、55
〜70重量%の水分を含んでいる。
また、本発明で用いられる乾燥生餡としては、一般に、
上記コシ生餡を乾燥したものが用いられる。
上記生餡及び上記乾燥生餡は、二軸型エクストルーダー
のホッパーより供給されるが、原料として生餡だけを用
いてもよいし、乾燥生餡だけを用いてもよく、また両者
を併用してもよい。
更に、本発明では、生餡、乾燥生餡の一部を豆粉に置き
換えることができる。ここに豆粉とは前記豆類をそのま
ま、もしくは加熱後粉砕したもので、粉砕の程度は特に
限定されないが通常10メッシュ以下に粉砕するのがよ
い。豆粉は、粉砕工程で餡粒子が損傷しているため、通
常、生餡及び/又は乾燥生餡の全てを豆粉に置き換える
と、糊状となり、餡とならない。上記豆粉の置換割合
は、目的とする練り餡に応じて決められるが、生餡及び
/又は乾燥生餡の固形分の重量と豆粉の固形分の重量の
比を2〜10:8〜0とするのがよい。
上記豆粉は二軸型エクストルーダーのホッパーより供給
される。
本発明で用いられる糖類としては、ブドウ糖、ショ糖、
麦芽糖、麦芽糖水飴、糖アルコール、デキストリン等が
挙げられるが、特に制限はない。これらの糖類は、粉末
糖の形態で上記生餡、乾燥生餡、豆粉と同時に二軸型エ
クストルーダーのホッパーより供給してもよいし、ある
いは糖水溶液の形態で二軸型エクストルーダーのホッパ
ー及び/又は中途バレルより定量ポンプを用いて注入し
てもよく、又、両者を併用してもよい。
本発明において、生餡及び/又は乾燥生餡、及び豆粉を
用いる時は、生餡及び/又は乾燥生餡と豆粉との合計量
(以下、餡固形分と称する)、糖類、及び水の使用割合
は、目的に応じて適宜決められるが、餡固形分の乾燥重
量1重量部に対して、糖類を0.1〜10重量部、水を1
〜10重量部にすることが好ましい。
本発明においては、原料として油脂を加えることによっ
て油脂を含有した練り餡を得ることもできる。この場
合、油脂は、融点以上に加熱し、溶解させて用いるか、
あるいは適当な乳化剤の存在下で油脂を水中油型に乳化
させた水中油型乳化脂の形態で用いるとよい。これらの
油脂は、二軸型エクストルーダーのホッパーより供給し
てもよいし、中途バレルより定量ポンプを用いて注入し
てもよい。上記油脂の添加量は目的に応じて適宜決めら
れるが、餡固形分の乾燥重量1重量部に対して、0.1〜
5重量部にすることが好ましい。
更に、本発明においては、必要に応じて、副成分とし
て、乳製品、果汁、蛋白質、デンプン類、塩類、呈味
剤、糊料、着香料等を自由に加えることができる。
而して、本発明においては、前記の生餡及び/又は乾燥
生餡、糖類及び水を必須成分とする原料を二軸型エクス
トルーダーに供給し、搬送させつつ加熱・混練すること
により練り餡を得るが、水の供給には定量ポンプを用い
るのがよい。又、二軸型エクストルーダーのバレルの加
熱の程度は、特に限定されないが、餡粒子への糖類の浸
透が十分に起こる程度の加温が必要で、通常、70〜1
60℃、好ましくは80〜150℃である。
また、加熱・混練後又は加熱・脱気後、バレルの下流側
で練り餡を冷却しても差し支えない。
また、二軸型エクストルーダーの二軸スクリューの回転
速度は10〜500r.p.m.とするのが適当である。
また、ダイの形状は特に限定されないが、通常直径5〜
50mmの丸穴型ダイが好ましい。
更に、本発明においては、上記の如く得られた練り餡の
煮詰めを行う目的で、前記の加熱・混練後、下流側で真
空ポンプと接続したバレルを用い、減圧下に保持しても
よい。この場合、二軸型エクストルーダーのスクリュー
を適当に組み合わせることによって、原料を一旦加熱加
圧状態で混練した後、大気圧又はそれ以下に減圧し、次
いで減圧保持するのが良い。
本発明では、二軸型エクストルーダーを用いることによ
り、従来の煮炊攪拌機や、水平軸を持つニーダー型攪拌
機を用いる場合と比べて、優れた食感・風味を有し且つ
品質のバラつきが少ない練り餡を連続的に製造すること
ができる。
このようにして、効率よく、品質のバラつきが少ない練
り餡が得られる理由は定かではないが、前記の二軸型エ
クストルーダーのバレル内の加熱・加圧条件下で混練さ
れることによって、餡粒子への糖類の浸透が効率よく起
こるためと推定される。
また、生餡、乾燥生餡と比べて豆粉中には「アク」と称
される収れん味成分が残っているが、これらも二軸型エ
クストルーダーのバレル内の加熱・加圧条件下で、分解
・重合等の反応により、不活性化されてしまうと考えら
れる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を挙げ、更に本発明を詳細に説明
するが、以下の実施例は本発明を何等制限するものでは
ない。
実施例1 谷尾食糧工業(株)製の膨軟性乾燥餡Rを、(株)栗本
鐡工所製の二軸型エクストルーダーKEX−65型(ダ
イの形状:直径10mmの丸穴型)のホッパーより20kg
/hで供給しつつ、中途バレルより、ショ糖と水を1:1
の重量比率で混合した水性相を45kg/hで添加し、これ
らの原料を搬送させつつ加熱・混練し、練り餡を得た。
二軸スクリューは30r.p.m.で回転させ、バレル温度は
最高125℃迄上昇させた。
このようにして得られた練り餡は、優れた食感・風味を
有し、且つ品質もバラつきがなかった。
実施例2 60℃の熱水75重量部にHLB11のショ糖脂肪酸エ
ステル0.5重量部を溶解後、ホモミキサーにて攪拌しつ
つ、予め50℃に加熱した大豆油25重量部を少しずつ
加え、水中油型乳化脂を得た。
(株)栗本鐡工所製の二軸型エクストルーダーKEX−
65型(ダイの形状:直径10mmの丸穴型)のホッパー
より、谷尾食糧工業(株)製の膨軟性乾燥餡Kを10kg
/h、又、上白糖を20kg/hで供給しつつ、中途バレルよ
り、前記水中油型乳化脂を25kg/hで添加し、これらの
原料を搬送させつつ加熱・混練し、練り餡を得た。二軸
スクリューは35r.p.m.で回転させ、バレル温度は最高
130℃迄上昇させた。
このようにして得られた練り餡は、油脂入り餡として優
れた食感・風味を有し、且つ品質も安定していた。
実施例3 (株)栗本鐡工所製の二軸型エクストルーダーKEX−
65型(ダイの形状:直径10mmの丸穴型)のホッパー
より生餡(水分:60重量%)を20kg/hで、又、上白
糖を30kg/hで供給し、これらの原料を搬送させつつ加
熱・混練し、練り餡を得た。二軸スクリューは30r.p.
m.で回転させ、バレル温度は最高120℃迄上昇させ
た。
このようにして得られた練り餡は、優れた食感・風味を
有し、且つ品質もバラつきがなかった。
実施例4 小豆を粉砕機にて16メッシュ以下に粉砕した。この小
豆の豆粉1重量部と、谷尾食糧工業(株)製の膨軟性乾
燥餡R3重量部との混合物を、(株)栗本鐡工所製の二
軸型エクストルーダーKEX−65型(ダイの形状:直
径10mmの丸穴型)のホッパーより10kg/hで供給しつ
つ、中途バレルより麦芽糖水飴(水分:30重量%)を
15kg/hで添加し、これらの原料を加熱・混練した。二
軸スクリューは20r.p.m.で回転させ、バレル温度は最
高120℃迄上昇させた。
更に、上記の加熱・混練物に麦芽糖水飴をkg/hで添加し
て加熱・混練後、下流側のバレルより真空ポンプを用い
て脱気し、練り餡を得た。真空ポンプは、ゲージ圧力3
00mmHgになるように調節した。
このようにして得られた練り餡は、優れた食感・風味を
有し、且つ品質も安定していた。
〔発明の効果〕
本発明の製造法によれば、製菓・製パン用材料として優
れた食感・風味を有し且つ品質のバラつきが少ない練り
餡を連続的に製造することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生餡及び/又は乾燥生餡、糖類及び水を必
    須成分とする原料を用いて練り餡を製造する方法におい
    て、原料を二軸型エクストルーダーに供給し、搬送させ
    つつ加熱・混練することを特徴とする練り餡の製造法。
  2. 【請求項2】原料が豆粉を含んでいる、特許請求の範囲
    第(1)項記載の練り餡の製造法。
  3. 【請求項3】原料が油脂を含んでいる、特許請求の範囲
    第(1)項又は第(2)項記載の練り餡の製造法。
  4. 【請求項4】油脂を水中油型乳化脂の形態で用いる、特
    許請求の範囲第(3)項記載の練り餡の製造法。
  5. 【請求項5】生餡及び/又は乾燥生餡、及び原料が豆粉
    を含んでいる場合には豆粉を、二軸型エクストルーダー
    のホッパーより供給し、糖類を糖水溶液の形態で二軸型
    エクストルーダーのホッパー及び/又は中途バレルより
    供給する、特許請求の範囲第(1)〜(4)項何れかに記載の
    練り餡の製造法。
  6. 【請求項6】糖類の一部もしくは全部を粉末糖の形態で
    二軸型エクストルーダーのホッパーより供給する、特許
    請求の範囲第(1)〜(4)項何れかに記載の練り餡の製造
    法。
  7. 【請求項7】油脂を二軸型エクストルーダーのホッパー
    及び/又は中途バレルより供給する、特許請求の範囲第
    (3)項記載の練り餡の製造法。
  8. 【請求項8】水中油型乳化脂を二軸型エクストルーダー
    のホッパー及び/又は中途バレルより供給する、特許請
    求の範囲第(4)項記載の練り餡の製造法。
  9. 【請求項9】中途バレルより脱気する、特許請求の範囲
    第(1)〜(8)項何れかに記載の練り餡の製造法。
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