JPWO2015177954A1 - シリカエアロゲルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

シリカエアロゲルの製造方法は、界面活性剤を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成した後、ゾルをゲル化させて、湿潤ゲルを得るゲル化工程を有する。さらに当該製造方法は、第一溶媒と、第一溶媒と不混和性を有する第二溶媒との混合溶媒中に、湿潤ゲルを浸漬することにより、湿潤ゲルに含まれる界面活性剤を第二溶媒の相に移すと共に、湿潤ゲルを第一溶媒の相に移す分離工程を有する。この際、第一溶媒はETN値が0.5以下であり、第二溶媒はETN値の値が第一溶媒と水との間である。そして、当該製造方法は、分離工程で第一溶媒の相に移動した湿潤ゲルを、第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから第一溶媒を除去する乾燥工程を有する。

Description

本発明は、シリカエアロゲルの製造方法に関する。詳細には本発明は、簡単な工程及び低コストで製造することが可能なシリカエアロゲルの製造方法に関する。
シリカエアロゲルは、高い光透過性及び断熱性、並びに気体なみの低屈折率及び低誘電性を併せ持つため、透明断熱材をはじめとして様々な用途への活用が期待されている。
このようなシリカエアロゲルの製造方法としては、例えば特許文献1に記載の方法が知られている。特許文献1では、非イオン性界面活性剤を酸性水溶液に溶かし、それに加水分解性の官能基を有する金属化合物を添加して生成物を固化した後、乾燥する方法が開示されている。そして、特許文献1の方法により得られた無機系多孔質体は、孔径200nm以上で三次元網目状に連続した貫通孔と、当該貫通孔の内壁面に形成された孔径5〜100nmの細孔とを有することが示されている。
ここで、シリカエアロゲルの製造に用いられるアルコゲルは、シリコン化合物が重縮合することにより形成される微細孔を有している。しかし、微細孔にかかる毛細管力は、一般に細孔径が小さく、溶媒の表面張力が大きいほど増大するため、アルコゲルは破壊されやすくなる。これを回避するための方法としては、二酸化炭素を利用した超臨界条件でアルコゲルの乾燥を行う方法が考えられている。しかし、超臨界条件での乾燥は高圧プロセスであるため、特殊な装置など多額の設備投資が必要であり、さらに多くの手間と時間も必要となる。
そのため、より簡便に乾燥させる方法として、アルコゲルに対して、毛細管力を上回る骨格強度又は毛細管力に伴って自由に変形できる骨格柔軟性を付与する方法が検討されている。特許文献2では、メチルトリメトキシシランのようなシリコン化合物を、界面活性剤を含む酸性水溶液に添加してゾルを生成した後、ゾルをゲル化させる工程と、ゲルを乾燥させる工程とを有する方法が開示されている。さらに特許文献2では、ゲルの乾燥に用いられる溶媒の臨界点未満の温度及び圧力下で、ゲルを乾燥させることが示されている。
特開平10−182261号公報 特許第5250900号明細書
ここで、ゲル中に界面活性剤が残存した状態で乾燥させた場合、乾燥時にゲルが収縮してしまい、得られるシリカエアロゲルの気孔率が低下してしまう。そのため、ゲルを乾燥させる前に界面活性剤を除去する必要がある。しかしながら、特許文献2ではゲルから界面活性剤を除去するために溶媒置換を複数回行っているため、多量の有機溶媒が必要であった。特に特許文献2では、置換する有機溶媒としてフッ素系溶媒を使用しているため、環境保護及びコストの観点から問題があった。さらに、溶媒置換の工程が煩雑であることから、製造コストが増加するという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、簡単な工程及び低コストで製造することが可能なシリカエアロゲルの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の態様に係るシリカエアロゲルの製造方法は、界面活性剤を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成した後、ゾルをゲル化させて、湿潤ゲルを得るゲル化工程を有する。さらに当該製造方法は、第一溶媒と、第一溶媒と不混和性を有する第二溶媒との混合溶媒中に、湿潤ゲルを浸漬することにより、湿潤ゲルに含まれる界面活性剤を第二溶媒の相に移すと共に、湿潤ゲルを第一溶媒の相に移す分離工程を有する。この際、第一溶媒はE 値が0.5以下であり、第二溶媒はE 値の値が第一溶媒と水との間である。そして、当該製造方法は、分離工程で第一溶媒の相に移動した湿潤ゲルを、第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから第一溶媒を除去する乾燥工程を有する。
以下、本実施形態に係るシリカエアロゲルの製造方法について詳細に説明する。
[第一実施形態]
本実施形態のシリカエアロゲルの製造方法は、界面活性剤を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成させた後、当該ゾルをゲル化させて、湿潤ゲルを得るゲル化工程を有する。さらに、混合溶媒中に湿潤ゲルを浸漬することにより、湿潤ゲルに含まれる界面活性剤と湿潤ゲルとを分離する分離工程と、分離された湿潤ゲルを乾燥させる乾燥工程とを有する。
(ゲル化工程)
本実施形態の製造方法では、まず、界面活性剤を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加し、これらを混合することによりゾルを調製する。モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ素−炭素結合を含む安定な末端基であるアルキル基を有しており、アルキル基の化学的性質を持ったシリコン化合物である。さらにアルコキシ基の加水分解反応により、1分子中にシラノール基を3個生成するため、ゲル化工程にて湿潤ゲルの架橋密度を高めることができる。また、モノアルキルトリアルコキシシランは化学的に安定なアルキル基を有しているため、後述するように湿潤ゲルを乾燥させる際にゲルの体積が収縮することを抑制でき、嵩密度が小さく平均細孔径が小さいシリカエアロゲルを得ることが可能となる。
モノアルキルトリアルコキシシランとしては、安定な末端基であるアルキル基を有するものであれば特に限定されない。モノアルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。また、モノアルキルトリアルコキシシランとしては、モノn−プロピルトリメトキシシラン、モノn−プロピルトリエトキシシラン、モノヘキシルトリメトキシシラン、モノヘキシルトリエトキシシラン等も挙げられる。これらのモノアルキルトリアルコキシシランは、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、ゾルを製造する際の水との相溶性が高く、さらに加水分解反応の速度が速いという観点から、モノアルキルトリアルコキシシランとしてはメチルトリメトキシシランが好ましい。
本実施形態の製造方法において、酸性水溶液は界面活性剤を含有する。本実施形態では、モノアルキルトリアルコキシシランを加水分解した後、ゲル化工程において、重縮合によってアルキル基を維持したままシロキサンの三次元網目構造を形成する。この際、界面活性剤が存在することにより、反応系中の溶媒と成長していくシロキサン重合体との間の化学的親和性の差異を小さくし、重合反応によって誘起される相分離の傾向を抑制することができる。そして、相分離の傾向を抑制することにより、ゾルゲル転移によって固化したエアロゲル中の細孔はより微細となり、メソスコピックレベルの相分離を維持することが可能となる。
界面活性剤は、非イオン性界面活性剤及びイオン性界面活性剤の少なくともいずれか一方を使用することができる。また、イオン性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤の少なくともいずれか一つを使用することができる。ただ、本実施形態では、カチオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン等の親水部とアルキル基からなる疎水部とを含むものが使用できる。また、非イオン性界面活性剤としては、親水部としてポリオキシプロピレンを含むものも使用できる。ポリオキシエチレン等の親水部とアルキル基からなる疎水部とを含む界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。親水部としてポリオキシプロピレンを含む界面活性剤としては、例えば、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合体等が挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、例えば、臭化セチルトリメチルアンモニウム及び塩化セチルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
両イオン性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸系、ベタイン系及びアミンオキシド系等が挙げられる。アミノ酸系の界面活性剤としては、例えば、アシルグルタミン酸等が挙げられる。ベタイン系の界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。アミンオキシド系の界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
上述の界面活性剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類、並びにモノアルキルトリアルコキシシランの種類及び量により適宜調整することが好ましい。界面活性剤の添加量は、モノアルキルトリアルコキシシラン10gに対し0.1g〜10.0gとすることが好ましく、0.5g〜6.0gとすることがより好ましい。
本実施形態において、酸性水溶液は、モノアルキルトリアルコキシシランにおけるアルコキシ基を加水分解してシラノール基を生成するために、酸触媒を含有することが好ましい。酸触媒としては、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸などのカルボン酸類が好ましく、これらの中でも特に酢酸が好ましい。また、酸性水溶液の酸濃度は、例えば0.0003mol/L〜0.05mol/Lの範囲が好ましく、特に0.0008mol/L〜0.02mol/Lの範囲が特に好ましい。
上述のゾルの調製方法は特に限定されない。調製方法としては、例えば密閉容器及び密閉式の攪拌機が付いた反応装置に、水及び界面活性剤、並びに必要に応じて酸触媒を添加した後、さらにモノアルキルトリアルコキシシランを添加して十分に攪拌する。このようにして、モノアルキルトリアルコキシシランが加水分解したゾルを調製することができる。
次に、上述のようにして得られたゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成する。上記ゾルをゲル化させる方法は特に限定されないが、例えばゾルに塩基を添加することによりゲル化させ、湿潤ゲルを生成することができる。
ゾルをゲル化させるための塩基としては、揮発性が高く、さらに得られる湿潤ゲルに残留し難いという観点から、例えばアンモニア水を使用することができる。この際、アンモニア水の濃度は希薄であることが好ましく、例えば0.01mol/L〜1mol/Lとすることが好ましい。このような希薄なアンモニア水をゾルに添加することにより、ゾルのpHを徐々に上昇させ、ゲル化反応を略均一に生じさせることが可能となる。
上記ゾルをゲル化させる方法としては上述の他に、例えばゾルに、加水分解によって当該ゾルを塩基性にする化合物を添加することによりゲル化させ、湿潤ゲルを生成することができる。
加水分解によって当該ゾルを塩基性にする化合物としては特に限定されないが、例えば尿素を挙げることができる。また、当該化合物としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の酸アミドや、環状窒素化合物であるヘキサメチレンテトラミンも挙げられる。さらに、分解反応によって、フッ化水素酸のようにゲル化を促進する性質を有する化合物を生じるものも、同様に用いることができる。なお、ゾルを塩基性にする化合物は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
ゾルを塩基性にする化合物の添加量は、化合物の種類により調整することが好ましい。当該化合物として尿素を使用する場合には、モノアルキルトリアルコキシシラン10gに対して0.1g〜20.0gとすることが好ましく、0.2g〜15.0gとすることがより好ましい。この範囲内であることにより、加水分解時に十分な量のアンモニアを発生させることができ、ゲル化を効率的に行うことが可能となる。
また、ゾルを塩基性にする化合物の加水分解反応を促進するために、当該化合物を混合したゾルを加熱してもよい。なお、加熱温度は、化合物の種類により調整する必要がある。当該化合物として尿素を使用する場合には、50℃〜200℃の範囲でゾルを加熱することが好ましい。また、加熱後のゾルのpH値は、9.0〜11.0となることが好ましい。
本実施形態のゲル化工程では、上述のように、塩基を添加するか、又は加水分解によってゾルを塩基性にする化合物を添加することにより、ゾルを塩基性にする。この際、ゾルを密閉条件下に置き、ゾル中の物質の揮発や分解を抑制することが好ましい。これにより、モノアルキルトリヒドロキシシランが脱水縮合し、ゾルを溶媒リッチ相と骨格相とに分離したゲルに転化させ易くなる。
上述のようにゾルゲル転移を起こして流動性を失ったゲルは、生成した網目構造の中に微細な未反応の部位を持つ。そのため、未反応部位を減少されるために、必要に応じて適当な温度と時間をかけて、ゲルを熟成させることが好ましい。ゲルの熟成は、熱振動や溶媒共存の条件下で、未反応部位において徐々に網目をきめ細かく繋いでいく反応である。なお、熟成は、ゾルゲル反応を起こしたときと同じ温度範囲内で静置することにより行うことが好ましい。また、熟成過程においては、ゲルを密閉条件下に置き、ゲル中の物質の揮発や分解を抑制することが好ましい。
上述の熟成処理は、例えば加熱温度が50℃〜200℃で、加熱時間が2時間以上であることが好ましい。つまり、熟成に要する時間は、湿潤ゲルの細孔の大きさや体積によって変化するため、実質的に細孔構造が変化しなくなる最短処理時間以上とすることが好ましい。
(分離工程)
上述のように、湿潤ゲル中に界面活性剤が残存した状態で乾燥させた場合、乾燥時に湿潤ゲルが収縮してしまい、得られるシリカエアロゲルの気孔率が低下し、嵩密度が大きくなる恐れがある。そのため、湿潤ゲルから界面活性剤を除去する必要がある。
本実施形態では、第一溶媒と、当該第一溶媒と不混和性を有する第二溶媒との混合溶媒中に、上述のようにして得られた湿潤ゲルを浸漬する。第一溶媒は湿潤ゲルとの親和性が高く、第二溶媒は界面活性剤との親和性が高い。そして、第一溶媒と第二溶媒は、混合したとしても静置することにより上下に二層に分離するものを使用する。そのため、湿潤ゲルは第一溶媒からなる相に移動し、界面活性剤は第二溶媒からなる相に移動することから、従来のように多量の有機溶媒で溶媒置換しなくても、湿潤ゲルから界面活性剤を容易に除去することが可能となる。
第一溶媒は、溶媒の極性を表すパラメーターとして知られているE 値が0.5以下の低極性溶媒を使用することが好ましく、E 値が0.03以下の無極性溶媒を使用することがより好ましい。上述のように、湿潤ゲルは極性が低いアルキル基を備えているため、第一溶媒として低極性溶媒を使用することにより湿潤ゲルとの親和性が向上し、第一溶媒の相に湿潤ゲルを移動させやすくなる。
第二溶媒は、第一溶媒に対して不混和性を有する溶媒である必要がある。さらに、第二溶媒は、E 値の値が第一溶媒と水との間である必要がある。つまり、水のE 値は1.00であるため、第二溶媒のE 値は、0.5を超え1.00未満である必要がある。界面活性剤は通常極性を有するため、第二溶媒としてこのような極性溶媒を使用することにより、第二溶媒の相に界面活性剤を移動させやすくなる。なお、界面活性剤との親和性をより向上させ、さらに第一溶媒と相分離しやすくするとの観点から、第二溶媒のE 値は0.70以上1.00未満であることがより好ましい。
このように、低極性溶媒としての第一溶媒と極性溶媒としての第二溶媒の混合溶液に、湿潤ゲルを投入して静置することにより、低極性基を有する湿潤ゲルは次第に第一溶媒相に移動し、高極性を有する界面活性剤は第二溶媒相に移動する。そして、第一溶媒相に移動した湿潤ゲルからは界面活性剤が除去されていることから、第一溶媒と共に湿潤ゲルを取り出し、後述するように乾燥することで、シリカエアロゲルを得ることができる。
なお、上述のゲル化工程にて得られた湿潤ゲルを含む混合物には、湿潤ゲル及び界面活性剤だけではなく、溶媒として使用した水や未反応のシリコン化合物も混入されている。しかし、これらの水やシリコン化合物は高極性であるため、第一溶媒と第二溶媒の混合溶媒に投入した場合、これらは第二溶媒の相に移動する。そのため、本実施形態の分離工程により、湿潤ゲルから界面活性剤、溶媒としての水及び未反応のシリコン化合物を容易に除去することが可能となる。
第一溶媒は、炭化水素系の溶媒や有機ケイ素化合物系の溶媒を使用することができる。具体的には、第一溶媒は、ヘプタン(E 値:0.01程度)、ヘキサン(E 値:0.009)及びヘキサメチルジジロキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。また、第一溶媒は、ヘプタン、ヘキサン及びヘキサメチルジジロキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種からなることがより好ましい。この中でも、湿潤ゲルとの親和性が高く、E 値が0.03以下のヘプタンが特に好ましい。
また、第二溶媒は、アルコール系の溶媒を使用することができる。具体的には、第二溶媒は、メタノール(E 値:0.762)及びイソプロピルアルコール(E 値:0.546)の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。また、第二溶媒は、メタノール及びイソプロピルアルコールの少なくともいずれか一方からなることがより好ましい。この中でも界面活性剤、水及び未反応のシリコン化合物との親和性が高いメタノールが特に好ましい。
なお、本実施形態の分離工程において、湿潤ゲルの抽出反応を促進するために、溶解度パラメーターの値が第一溶媒と第二溶媒の間の第三溶媒を混合溶媒に添加してもよい。このような第三溶媒としては、例えば第一溶媒がヘプタンであり、第二溶媒がメタノールである場合には、イソプロピルアルコールを用いることが好ましい。
湿潤ゲルの抽出操作は、溶媒の相互拡散および被抽出物の拡散を促進させるため、できるだけ高温での処理が望ましい。そのため、第一溶媒及び第二溶媒の混合溶媒を加熱してもよい。加熱温度は第一溶媒及び第二溶媒が揮発しない温度が好ましく、例えば50℃〜100℃とすることが好ましい。
(乾燥工程)
本実施形態の製造方法では、上述の分離工程で抽出された湿潤ゲルから第一溶媒を除去する。このように湿潤ゲルを乾燥させることにより、所望のシリカエアロゲルを得ることができる。
具体的には、上述のように第一溶媒に移動した湿潤ゲルを乾燥させ、湿潤ゲルから第一溶媒を除去する。この際、湿潤ゲルを、当該湿潤ゲルに含まれる第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させる。本実施形態に係る湿潤ゲルは、高い骨格柔軟性を備えるため、溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させた場合でも、湿潤ゲルの収縮及び破壊を抑制することができる。なお、湿潤ゲルの乾燥条件は、湿潤ゲルに含まれる第一溶媒の種類によって異なるが、例えば大気圧下で120℃〜200℃の範囲内とすることが好ましい。
このように湿潤ゲルから溶媒を除去することにより、本実施形態に係るシリカエアロゲルを得ることができる。得られたシリカエアロゲルは、三次元に網目状に連続した貫通孔と、アルキル基を備えるモノアルキルトリアルコキシシランからなり、三次元網目状に連続した骨格とから形成されている。なお、三次元網目状に連続した貫通孔の孔径は、5nm〜100nmとすることができ、20nm〜35nmとすることがより好ましい。また、骨格の断面積の直径は、2nm〜25nmとすることができ、3nm〜7nmとすることがより好ましい。
上述のように、本実施形態に係るシリカエアロゲルは、次のプロセスにより得ることができる。
(a)親和性、つまりE 値が互いに異なる第一溶媒及び第二溶媒の混合溶媒に、湿潤ゲルを混合する。この際、当該混合溶媒に、溶解度パラメーターの値が第一溶媒と第二溶媒の間の第三溶媒を添加することにより、第一溶媒及び第二溶媒の相溶性が向上する。
(b)極性が低いアルキル基を備えた湿潤ゲルは、高極性溶媒である第二溶媒から低極性溶媒である第一溶媒に移動し、湿潤ゲルの内部に存在する第二溶媒が第一溶媒と置換する。
(c)低極性溶媒である第一溶媒で置換された湿潤ゲルを、所定条件で乾燥する。
ここで、通常、湿潤ゲルにアルキル基などの疎水基を設け、疎水化させることにより、湿潤ゲル中の溶媒が低密度の溶媒に置換される現象が生じる。そして、上述の第一溶媒は、一般的に密度が低い。そのため、第一溶媒及び第二溶媒の混合溶媒を使用することで、アルキル基を備えた湿潤ゲルは、低密度・低極性の第一溶媒に移動する現象が起こる。また、第三溶媒を添加することで、第一溶媒及び第二溶媒の相溶性が向上して相互に拡散し、湿潤ゲルの第一溶媒への移動が起こりやすくなる。そして、置換された第一溶媒は表面張力が小さいため、乾燥時に湿潤ゲルが収縮することを抑制することができる。
そのため、E 値が0.5以下の第一溶媒と、第一溶媒と不混和性を有し、かつ、E 値の値が第一溶媒と水との間である第二溶媒とを使用することにより、湿潤ゲルが低密度・低極性の第一溶媒に移動する現象を容易に生じさせることができる。その結果、湿潤ゲルにおける低極性溶媒への置換を容易にし、嵩密度が小さいシリカエアロゲルを得ることが可能となる。
本実施形態に係るシリカエアロゲルの製造方法は、界面活性剤を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成した後、ゾルをゲル化させて、湿潤ゲルを得るゲル化工程を有する。さらに当該製造方法は、第一溶媒と、第一溶媒と不混和性を有する第二溶媒との混合溶媒中に、湿潤ゲルを浸漬することにより、湿潤ゲルに含まれる界面活性剤を第二溶媒の相に移すと共に、湿潤ゲルを第一溶媒の相に移す分離工程を有する。この際、第一溶媒はE 値が0.5以下であり、第二溶媒はE 値の値が第一溶媒と水との間である。そして、当該製造方法は、分離工程で第一溶媒の相に移動した湿潤ゲルを、第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから第一溶媒を除去する乾燥工程を有する。
このように、本実施形態の製造方法では、互いに不混和性を有する、低極性溶媒としての第一溶媒と極性溶媒としての第二溶媒との混合溶媒中に、界面活性剤を含んだ方法で合成した湿潤ゲルを浸漬し、界面活性剤を除去する工程を有する。そのため、界面活性剤の除去と乾燥溶媒への置換を同時に実現できることから、溶媒置換の工程を短縮させ、さらに溶媒使用量を大幅に低減させることが可能となる。その結果、環境を保護し、さらに製造コストも削減することができる。
さらに、本実施形態の製造方法では、従来の製造方法で必要とされた超臨界条件での乾燥が不要となるため、製造工程を簡略化し、設備も簡素化することが可能となる。また、特許文献2のように、乾燥溶媒としてフッ素系溶媒を使用する必要もないため、生産コストを抑え、さらに環境への影響も低減することができる。
また、本実施形態の製造方法で得られたシリカエアロゲルは骨格分子中にアルキル基を有することから、高い剛性と柔軟性とを両立したシリカエアロゲルとすることができる。また、当該シリカエアロゲルは、空気の平均自由行程より小さな細孔を有し、さらに嵩密度が低い。そのため、断熱性能に優れ、建築分野、家電製品、産業用設備の断熱材等に好ましく用いることができる。また、断熱材の他に、触媒担持体等にも好ましく用いることができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係るシリカエアロゲルの製造方法について詳細に説明する。なお、第一実施形態と重複する説明は省略する。
第一実施形態の製造方法では、シリカエアロゲルの原料としてモノアルキルトリアルコキシシランを使用している。しかし、本実施形態では、シリカエアロゲルの原料としてモノアルキルトリアルコキシシランに加え、ケイ酸を使用する。原料としてモノアルキルトリアルコキシシランとケイ酸とを組み合わせて使用することにより、湿潤ゲルを乾燥させる際、体積が収縮することをさらに抑制でき、嵩密度が小さく、平均細孔径が小さいシリカエアロゲルを製造することが可能となる。
具体的には、本実施形態の製造方法では、まず、ケイ酸を含む酸性水溶液(ケイ酸酸性水溶液)にモノアルキルトリアルコキシシランを添加し、これらを混合することによりゾルを調製する。上述のように、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ素−炭素結合を含む安定な末端基であるアルキル基を有しており、アルキル基の化学的性質を持ったシリコン化合物である。さらにアルコキシ基の加水分解反応により、1分子中にシラノール基を3個生成するため、後述するゲル化工程にて湿潤ゲルの架橋密度を高めることができる。
ケイ酸酸性水溶液は、組成がnSiO・mHOで表されるケイ酸を含有する。つまり、ケイ酸酸性水溶液は、例えばオルトケイ酸(HSiO)、メタケイ酸((HSi)及び二ケイ酸(HSi)等のケイ酸を含有している。ケイ酸酸性水溶液にモノアルキルトリアルコキシシランを添加することにより、当該ケイ酸酸性水溶液がモノアルキルトリアルコキシシランのアルコキシ基を加水分解するための酸触媒として作用する。そのため、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液中でモノアルキルトリヒドロキシシランとアルコールに加水分解される。
生成したモノアルキルトリヒドロキシシランは、ゲル化工程にてケイ酸と脱水縮合し、湿潤ゲルの核と成るケイ酸の表面をアルキル基で有機修飾する。その結果、超臨界条件で乾燥しなくても、空気の平均自由行程より小さな細孔を有し、嵩密度の低いシリカエアロゲルを得ることができる。なお、モノアルキルトリアルコキシシランとしては、ケイ酸の表面をアルキル基で有機修飾することが可能なものであれば特に限定されず、第一実施形態で説明したものを使用することができる。
ここで、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が1モル部以上となるように、ケイ酸酸性水溶液に添加することが好ましい。つまり、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素1モルに対し、ケイ酸中のケイ素が1モル以上となるように、これらの混合量を調整することが好ましい。上述のように、モノアルキルトリアルコキシシランが加水分解して生成したモノアルキルトリヒドロキシシランは、ケイ酸の表面をアルキル基で有機修飾する。この際、ケイ酸の表面がアルキル基で十分に修飾された場合には、乾燥工程にて湿潤ゲルが収縮することを抑制し、得られるシリカエアロゲルの嵩密度を低下させることが可能となる。
ケイ酸酸性水溶液に対するモノアルキルトリアルコキシシランの添加量の上限は、特に限定されない。ただ、本実施形態では、乾燥工程における収縮を効果的に抑制することが好ましい。そのため、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が10モル部以下となるように、ケイ酸酸性水溶液に添加することが好ましい。さらに、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が2〜5モル部となるように、ケイ酸酸性水溶液に添加することがより好ましい。
ケイ酸酸性水溶液は、例えば、酸性陽イオン交換樹脂又は無機酸を用いて水ガラスを酸性にすることで得ることができる。水ガラスは、ケイ酸ナトリウム(NaO・nSiO、n=2〜4)の濃厚水溶液であり、ケイ酸ナトリウムを水に溶解して加熱することで得られる。そして、水ガラスを酸性陽イオン交換樹脂に接触させることにより、NaイオンがHイオンに置換し、ケイ酸酸性水溶液を得ることができる。また、水ガラスに無機酸を加えることでも、弱酸遊離によりケイ酸酸性水溶液を得ることができる。
酸性陽イオン交換樹脂としては特に限定されないが、例えばイオン交換基としてスルホン酸基を有するスルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂が用いることができる。具体的なスルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂としては、ポリスチレン系スルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂、フェノール系スルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂、フッ素系スルホン酸型酸性陽イオン交換樹脂等を例示することができる。また、無機酸も特に限定されないが、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸等を例示することができる。
ケイ酸酸性水溶液のpHは3.0以下であることが好ましい。つまり、当該ケイ酸酸性水溶液は、酸性陽イオン交換樹脂又は無機酸を用いて水ガラスのpHを3.0以下にすることにより得られることが好ましい。酸性水溶液のpHが3.0以下であることにより、モノアルキルトリアルコキシシランのアルコキシ基を加水分解するための酸触媒として効果的に作用することができる。
上記ケイ酸酸性水溶液におけるケイ酸の濃度は、モノアルキルトリアルコキシシランと混合するための流動性が確保できるならば特に限定されないが、例えば3質量%〜15質量%とすることができる。
第一実施形態と同様に、本実施形態の酸性水溶液も界面活性剤を含有する。上述のように界面活性剤が存在することにより、反応系中の溶媒と成長していくシロキサン重合体との間の化学的親和性の差異を小さくし、重合反応によって誘起される相分離の傾向を抑制することができる。そして、相分離の傾向を抑制することにより、ゾルゲル転移によって固化したエアロゲル中の細孔はより微細となり、メソスコピックレベルの相分離を維持することが可能となる。なお、界面活性剤としては、第一実施形態で説明したものを使用することができる。また、界面活性剤の使用量も第一実施形態と同様にすることができる。
上述のゾルの調製方法は特に限定されない。調製方法としては、例えば密閉容器及び密閉式の攪拌機が付いた反応装置に、所定量のケイ酸酸性水溶液を投入し、モノアルキルトリアルコキシシラン及び界面活性剤を順次添加した後、十分に攪拌する。なお、界面活性剤の添加順序は特に限定されず、例えばケイ酸酸性水溶液に界面活性剤を添加した後に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してもよい。また、ケイ酸酸性水溶液にモノアルキルトリアルコキシシランを添加した後に、界面活性剤を添加してもよい。さらに、ケイ酸酸性水溶液に界面活性剤とモノアルキルトリアルコキシシランを同時に添加してもよい。
次に、上述のようにして得られたゾルをゲル化させ、湿潤ゲルを生成する。上記ゾルをゲル化させる方法は特に限定されないが、第一実施形態と同様に、例えばゾルに塩基を添加することによりゲル化させ、湿潤ゲルを生成することができる。また、例えばゾルに、加水分解によって当該ゾルを塩基性にする化合物を添加することによりゲル化させ、湿潤ゲルを生成することができる。なお、ゾルをゲル化させるための塩基としては、第一実施形態と同様に、例えばアンモニア水や、加水分解によってゾルを塩基性にする化合物を使用することができる。また、加水分解によってゾルを塩基性にする化合物の添加量も第一実施形態と同様にすることができる。
本実施形態のゲル化工程では、上述のように、塩基を添加するか、又は加水分解によってゾルを塩基性にする化合物を添加することにより、ゾルを塩基性にする。この際、第一実施形態と同様に、ゾルを密閉条件下に置き、ゾル中の物質の揮発や分解を抑制することが好ましい。これにより、ケイ酸の表面で、モノアルキルトリヒドロキシシランが脱水縮合し、当該表面にアルキル基が有機修飾され易くなる。さらに、有機修飾されたケイ酸及び残存するモノアルキルトリヒドロキシシランが縮合し、ゾルを溶媒リッチ相と骨格相とに分離したゲルに転化させ易くなる。
さらに、第一実施形態と同様に、得られた湿潤ゲルを熟成することが好ましい。熟成処理は、第一実施形態と同様に、例えば加熱温度が50℃〜200℃で、加熱時間が2時間以上とすることが好ましい。
そして、得られた湿潤ゲルを、第一実施形態の分離工程と同様に、第一溶媒と、当該第一溶媒と不混和性を有する第二溶媒との混合溶媒中に浸漬する。これにより、湿潤ゲルは第一溶媒からなる相に移動し、界面活性剤は第二溶媒からなる相に移動することから、多量の有機溶媒で溶媒置換しなくても、湿潤ゲルから界面活性剤を容易に除去することが可能となる。なお、分離工程の条件は、第一実施形態と同様にすることができる。
その後、分離工程にて抽出された湿潤ゲルを、第一実施形態と同様に、第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから第一溶媒を除去する。このように湿潤ゲルを乾燥させることにより、所望のシリカエアロゲルを得ることができる。
本実施形態に係る湿潤ゲルは、上述のように、モノアルキルトリアルコキシシランとケイ酸ゾルより合成し、さらに内部にアルキル基を有している。そのため、当該湿潤ゲルは、毛細管力を上回る骨格強度及び/又は毛細管力に伴って自由に変形できる骨格柔軟性を備えることから、フッ素系溶媒等の表面張力が低い溶媒を用いずに乾燥することができる。つまり、第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させた場合でも、湿潤ゲルの収縮及び破壊を抑制することができる。なお、湿潤ゲルの乾燥条件は、湿潤ゲルに含まれる溶媒の種類によって異なるが、例えば大気圧下で120℃〜200℃の範囲内とすることが好ましい。
このように湿潤ゲルから溶媒を除去することにより、本実施形態に係るシリカエアロゲルを得ることができる。得られたシリカエアロゲルは、三次元に網目状に連続した貫通孔と、ゲル壁表面をアルキル基で覆ったケイ酸からなり、三次元網目状に連続した骨格とから形成されている。
ここで、上述のように、本実施形態のシリカエアロゲルにおける骨格は、nSiO・mHOで表されるケイ酸とRSi(OH)(R:アルキル基)で表されるモノアルキルトリヒドロキシシランとの縮合により得られている。そのため、シリカエアロゲルの骨格は、ケイ酸に起因し、Q単位と呼ばれる4官能型のシリケート(SiO)と、モノアルキルトリヒドロキシシランに起因し、T単位と呼ばれるオルガノシルセスキオキサン(RSiO1.5)とを有している。そして、シリケートが中性酸素3原子と水酸基1つに結合したQ3や中性酸素4原子と結合したQ4構造を形成し、さらにオルガノシルセスキオキサンが中性酸素2原子と水酸基1つに結合したT2や中性酸素3原子と結合したT3を形成している。さらに、上述のように、当該シリカエアロゲルは、骨格中にアルキル基を備えている。そのため、適度な強度と柔軟性を備えた骨格とすることが可能となる。
また、上述のように得られたシリカエアロゲルは、メソスコピック領域(1nm〜100nmの領域)での三次元網目構造を有する。三次元網目状に連続した貫通孔の孔径は、5nm〜100nmとすることができ、20nm〜35nmとすることがより好ましい。また、骨格の断面積の直径は、2nm〜25nmとすることができ、3nm〜7nmとすることがより好ましい。
本実施形態に係るシリカエアロゲルの製造方法は、界面活性剤及びケイ酸を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成した後、ゾルをゲル化させて、湿潤ゲルを得るゲル化工程を有する。さらに当該製造方法は、第一溶媒と、第一溶媒と不混和性を有する第二溶媒との混合溶媒中に湿潤ゲルを浸漬することにより、湿潤ゲルに含まれる界面活性剤を第二溶媒の相に移すと共に、湿潤ゲルを第一溶媒の相に移す分離工程を有する。この際、第一溶媒はE 値が0.5以下であり、第二溶媒はE 値の値が第一溶媒と水との間である。そして、当該製造方法は、分離工程で第一溶媒の相に移動した湿潤ゲルを、第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから第一溶媒を除去する乾燥工程を有する。
このように、本実施形態の製造方法では、第一実施形態と同様に、互いに不混和性を有する、低極性溶媒としての第一溶媒と極性溶媒としての第二溶媒との混合溶媒中に湿潤ゲルを浸漬し、界面活性剤を除去する工程を有する。そのため、溶媒置換の工程を短縮させ、さらに溶媒使用量を大幅に低減させることが可能となる。その結果、環境を保護し、さらに製造コストも削減することができる。
さらに、本実施形態の製造方法では、従来の製造方法で必要とされた超臨界条件での乾燥が不要となるため、製造工程を簡略化し、設備も簡素化することが可能となる。また、特許文献2のように、乾燥溶媒としてフッ素系溶媒を使用する必要もないため、生産コストを抑え、さらに環境への影響も低減することができる。
また、シリカエアロゲルの原料をモノアルキルトリアルコキシシランのみとした場合、モノアルキルトリアルコキシシランは高価であるため、生産コストが上昇してしまう。しかし、本実施形態では、原料のモノアルキルトリアルコキシシランの一部を安価な水ガラス由来のケイ酸酸性水溶液に置き換えたため、生産コストを低減することが可能となる。
さらに本実施形態の製造方法では、ケイ酸酸性水溶液とモノアルキルトリアルコキシシランとを使用し、分子レベルでケイ酸ゾルとアルキル基を有するシリコン化合物とを結合させている。つまり、湿潤ゲルのゲル壁表面を、モノアルキルトリアルコキシシランに由来するアルキル基で被覆している。そのため、この湿潤ゲルを乾燥させる際、体積が収縮することを抑制でき、嵩密度が小さく、平均細孔径が小さいシリカエアロゲルを製造することができる。また、骨格分子中にアルキル基を有することから、高い剛性と柔軟性とを両立したシリカエアロゲルとすることができる。また、当該シリカエアロゲルは、空気の平均自由行程より小さな細孔を有し、さらに嵩密度が低い。そのため、第一実施形態と同様に、断熱性能に優れ、建築分野、家電製品、産業用設備の断熱材等に好ましく用いることができる。また、断熱材の他に、触媒担持体等にも好ましく用いることができる。
以下、本実施形態を実施例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、界面活性剤として、ナカライテスク株式会社製の塩化セチルトリメチルアンモニウム(別名:塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、以下、「CTAC」と略記)0.50gを、濃度が0.01mol/Lの酢酸水溶液10.00gに溶解させた。さらにナカライテスク株式会社製の尿素3.00gを溶解させることで、酸性水溶液を作製した。
次に、酸性水溶液にシリコン化合物としてメチルトリメトキシシラン(以下、「MTMS」と略記)5.0mLを添加して30分間攪拌し、MTMSの加水分解反応を行わせてゾルを生成させた。なお、メチルトリメトキシシランは、信越化学工業株式会社製の試薬名KBM−13(比重:0.95)を使用した。そして、生成させたゾルを、密閉容器内において60℃で静置し、ゲル化させた。続けて96時間静置することによりゲルを熟成させて、ゲル状化合物を得た。
次に、ゲル状化合物を粉砕し、水に60℃で24時間浸漬する処理を行った。その後、メタノール100mLにヘプタン100mLとイソプロピルアルコール(IPA)10mLとを加えた混合溶媒中へ、ゲル状化合物を反応溶液と共に投入し、60℃で静置した。なお、メタノールのE 値は0.762であり、ヘプタンのE 値は0.01程度である。そのため、混合溶液は二相に分離しており、上相がヘプタン相であり、下相がメタノール及び水の混合相である。
そして、6時間静置した結果、ゲル状化合物は下相から上相へ浮上した。上相からゲル状化合物を取り出し、大気圧下、120℃で12時間乾燥させた。このようにして、本例のシリカエアロゲル粒子を得た。
このシリカエアロゲル粒子を評価した結果、嵩密度が0.15g/cmであり、熱伝導率が0.012W/(m・K)であり、平均粒径が1000μmであった。
[実施例2]
まず、SiO含有率が6質量%であり、NaO:SiOの比が1:3のナトリウム水ガラス溶液を準備した。そして、1Lの当該ナトリウム水ガラス溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂が0.5L充填されているカラムの中に通過させることにより、酸性のケイ酸ゾルを得た。この際、流出してくる溶液のpHは1.5であった。ここで、強酸性陽イオン交換樹脂としては、オルガノ株式会社製のアンバーライト(登録商標)を使用した。
次に、得られた酸性のケイ酸ゾル10gに、界面活性剤としてCTAC0.50gを溶解させた。さらに、界面活性剤を混合した当該ケイ酸ゾルに尿素3.00gを溶解させ、酸性水溶液を調製した。
その後、当該酸性水溶液に、シリコン化合物として実施例1のMTMS5.0mLを添加して30分間攪拌し、MTMSの加水分解反応を行わせてゾルを生成させた。そして、生成させたゾルを、密閉容器内において60℃で静置し、ゲル化させた。続けて96時間静置することによりゲルを熟成させて、ゲル状化合物を得た。
次に、ゲル状化合物を粉砕し、水に60℃で24時間浸漬する処理を行った。その後、メタノール100mLにヘプタン100mLとイソプロピルアルコール(IPA)10mLとを加えた混合溶媒中へ、ゲル状化合物を反応溶液と共に投入し、60℃で静置した。混合溶液は二相に分離しており、上相がヘプタン相であり、下相がメタノール及び水の混合相である。
そして、6時間静置した結果、ゲル状化合物は下相から上相へ浮上した。上相からゲル状化合物を取り出し、大気圧下、120℃で12時間乾燥させた。このようにして、本例のシリカエアロゲル粒子を得た。
このシリカエアロゲル粒子を評価した結果、嵩密度が0.15g/cmであり、熱伝導率が0.012W/(m・K)であり、平均粒径が1000μmであった。
本実施例では、メタノール、ヘプタン及びIPAの混合溶媒を用いて、湿潤ゲルを抽出しているため、従来のように多量の溶媒を用いなくても、シリカエアロゲルを得ることができた。また、得られたシリカエアロゲルは、嵩密度が0.20g/cm以下であり、熱伝導率も0.020W/(m・K)以下であるため、軽量かつ断熱性に優れていることが分かった。
特願2014−106119号(出願日:2014年5月22日)の全内容は、ここに援用される。
以上、実施例に沿って本実施形態の内容を説明したが、本実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
本発明のシリカエアロゲルの製造方法は、互いに不混和である低極性溶媒と極性溶媒との混合溶媒中に、界面活性剤を含んだ方法で合成した湿潤ゲルを浸漬し、界面活性剤を除去する。そのため、溶媒置換の工程を短縮させ、さらに溶媒使用量を大幅に低減させることが可能となる。その結果、環境を保護し、さらに製造コストも削減することができる。
第一溶媒は、炭化水素系の溶媒や有機ケイ素化合物系の溶媒を使用することができる。具体的には、第一溶媒は、ヘプタン(E 値:0.01程度)、ヘキサン(E 値:0.009)及びヘキサメチルジロキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。また、第一溶媒は、ヘプタン、ヘキサン及びヘキサメチルジロキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種からなることがより好ましい。この中でも、湿潤ゲルとの親和性が高く、E 値が0.03以下のヘプタンが特に好ましい。
ここで、モノアルキルトリアルコキシシランは、ケイ酸酸性水溶液のケイ素量1モル部に対して、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素量が1モル部以上となるように、ケイ酸酸性水溶液に添加することが好ましい。つまり、ケイ酸中のケイ素1モルに対し、モノアルキルトリアルコキシシラン中のケイ素が1モル以上となるように、これらの混合量を調整することが好ましい。上述のように、モノアルキルトリアルコキシシランが加水分解して生成したモノアルキルトリヒドロキシシランは、ケイ酸の表面をアルキル基で有機修飾する。この際、ケイ酸の表面がアルキル基で十分に修飾された場合には、乾燥工程にて湿潤ゲルが収縮することを抑制し、得られるシリカエアロゲルの嵩密度を低下させることが可能となる。

Claims (4)

  1. 界面活性剤を含む酸性水溶液に、モノアルキルトリアルコキシシランを添加してゾルを生成した後、前記ゾルをゲル化させて、湿潤ゲルを得るゲル化工程と、
    値が0.5以下の第一溶媒と、前記第一溶媒と不混和性を有し、かつ、E 値の値が前記第一溶媒と水との間である第二溶媒との混合溶媒中に、前記湿潤ゲルを浸漬することにより、前記湿潤ゲルに含まれる界面活性剤を第二溶媒の相に移すと共に、湿潤ゲルを第一溶媒の相に移す分離工程と、
    前記分離工程で第一溶媒の相に移動した湿潤ゲルを、前記第一溶媒の臨界温度未満及び臨界圧未満で乾燥させることにより、湿潤ゲルから第一溶媒を除去する乾燥工程と、
    を有するシリカエアロゲルの製造方法。
  2. 前記酸性水溶液は、さらにケイ酸を含む請求項1に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
  3. 前記第一溶媒は、ヘプタン、ヘキサン及びヘキサメチルジジロキサンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む請求項1又は2に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
  4. 前記第二溶媒は、メタノール及びイソプロピルアルコールの少なくともいずれか一方を含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリカエアロゲルの製造方法。
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