JP6617297B2 - エアロゲルおよびそれを用いた部材 - Google Patents

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Description

本発明は、エアロゲルおよびそれを用いた部材とその製造方法に関する。特に、疎水性エアロゲルおよびそれを用いた部材とその製造方法に関する。
現在、環境面から高性能な断熱材が必要である。汎用的な断熱材である発泡ウレタン(PU)や発泡スチロール(EPS)、あるいは、真空断熱材(VIP)は、その断熱性能が経年変化し、かつ、耐熱性が低い。
一方、シリカエアロゲルという断熱材がある。シリカエアロゲルは、経年変化が少なく、その耐熱性も400℃以上で高い。そのため、シリカエアロゲルは、次世代の断熱材として注目を集めている。
エアロゲルは、水ガラス(珪酸ナトリウム水溶液)やテトラメトキシシラン(TEOS)といったアルコキシシランを原料とし、ゾルゲル反応によって製造される。
まず、原料と水やアルコール等の液体媒質とを混合し、原料を加水分解させる。次に、液体媒質中において、原料を重縮合させてヒドロゲル(水を含むゲル、という意味)を形成する。この工程は、養生(エージング)と呼ばれる。養生は、上記重縮合反応を進行させ、ヒドロゲルのシリカ粒子のネットワークを骨太化して強化する工程である。
次に、このヒドロゲルの疎水化反応を行う。もしくは、その前に溶媒置換を行う。疎水化処理を行わない場合、ヒドロゲル中の液体媒質を蒸発乾燥させる際に、強い毛管力によるゲル骨格の収縮が起こり、シリカ粒子が物理的に接触することで表面に存在したシラノール同士の脱水縮合反応が進み、収縮・高密度化を誘起するのでよくない。
一方、疎水化反応により、ヒドロゲルのシリカ粒子表面に存在するシラノールがシリル化剤と十分に反応して水酸基がキャッピング(端末に付く)されると、ゲル中の液体媒質を蒸発乾燥させた際、毛管力により一時的にゲル骨格が収縮したとしても、シラノールが存在しないため収縮が大きく緩和され、収縮・高密度化が抑制される。
この現象は、スプリングバックと呼ばれる。したがって、このスプリングバックをさせるためには、上記疎水化は必須である。
疎水化剤として一般式R−Si−X4−nで表される構造のものや、一般式RSi−NH−SiRで示されるシラザン類が挙げられる。特に、疎水化処理に好適に用いられる疎水化剤として、具体的に、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、モノメチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジシラザンを使用する方法が知られている(特許文献1)。
同様に、疎水化剤として、一般式RSi−O−SiRで表されるジシロキサン、または、一般式RSi−N(H)−SiRで表されるジシラザンを用いることを特徴とするエアロゲルの製造方法が知られている(特許文献2)。
最後に、ヒドロゲル内部の液体媒質を蒸発乾燥させる。乾燥手法としては、超臨界乾燥法、非超臨界乾燥法(常圧乾燥法、凍結乾燥法)がある。
特開2012−172378号公報 特表2001−524439号公報
本開示は、熱安定性が高く、大気中の水分と反応しにくい疎水性エアロゲルと、それを用いた部材と、その製造方法を提供する。
本開示によるエアロゲルは、少なくとも1種のジアルキルジシロキサンを疎水基として、表面に有する。あるいは、少なくとも1種の架橋型ジシロキサン結合の疎水基を表面に有する。
本開示による部材は、上記のエアロゲルを含む、断熱材、吸音材、撥水材、吸着剤のいずれかである。
本開示によるエアロゲルの製造方法では、まず水ガラスあるいはアルコキシシランをゲル化させる状態に調整する。この後に、シリカの骨格を強化させてヒドロゲルを調製する。そしてヒドロゲルを疎水化させる。さらに、疎水化されたヒドロゲルから溶媒を除去する。ヒドロゲルを疎水化させる際には、特定のシロキサン類を疎水化剤として用いる。
これにより得られるエアロゲルは、トリアルキルシロキサン結合より熱分解しにくいジアルキルジシロキサン結合を有する。そのため、従来のエアロゲルよりも熱安定性が向上し、低分子シロキサンの発生が低減される。
さらに、本開示の疎水化剤はそれ自体の沸点が高く、尚且つ、大気中の水分と反応して加水分解することがない。そのため、工業的規模で生産することが可能となる。本開示により得られるエアロゲルを用いることで、優れた断熱材、吸音材、撥水材、吸着材を作製できる。
図1は、実施の形態におけるエアロゲルが有するジアルキルジシロキサン結合を示す図である。 図2は、従来のエアロゲルが有するトリアルキルシロキサン結合を示す図である。 図3は、従来のエアロゲルから発生するトリアルキルシラノールを示す図である。 図4は、実施の形態におけるエアロゲルの製造方法を示す図である。 図5は、実施の形態の疎水化剤である鎖状シロキサンを示す図である。 図6は、実施の形態の疎水化剤である環状シロキサンを示す図である。 図7は、実施の形態の鎖状シロキサンと塩酸の反応機構を示す図である。 図8は、実施の形態の環状シロキサンと塩酸の反応機構を示す図である。 図9は、従来の形態のトリアルキルシロキサン結合形成を示す図である。 図10は、実施の形態のジアルキルジシロキサン結合形成を示す図である。 図11は、実施の形態の架橋型ジシロキサン結合形成を示す図である。
本発明の実施の形態の説明に先立ち、従来の技術における問題点を簡単に説明する。上述の従来技術では、疎水化剤として、クロロメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンを用いて疎水化する。この場合、エアロゲル表面には疎水基としてトリメチルシリル基(トリアルキルシロキサン結合)のみが表面に存在する。このため、ゲルの熱安定性が低く、熱分解して生成したトリメチルシラノールなどの低分子シロキサンが発生する。
さらに、疎水化剤は、沸点が低く、大気中の水分と反応して加水分解しやすい。このため、工業的規模で生産する場合の課題もある。
次に好ましい発明の一実施の形態を挙げて本発明を説明する。
<ジアルキルジシロキサン結合110を有するエアロゲル111a>
図1は、実施の形態のエアロゲル111aの構造を示す。つまり、ジアルキルジシロキサン結合110の結合を有するエアロゲル111aのネットワーク構造を示したものである。エアロゲル111aは、水ガラスあるいはアルコキシシランを原料とし、これらを加水分解および脱水縮合させることで、SiO粒子112からなる親水性の脱水縮合物(ヒドロゲル)を得る。本実施の形態のエアロゲル111aは、このヒドロゲルを疎水化することで得られ、少なくとも1種のジアルキルジシロキサン結合110を有する疎水性エアロゲルからなる。
図2は、従来のトリアルキルシロキサン結合113を有するエアロゲル111bのネットワーク構造を模式的に示したものである。図2に示すように、従来の疎水化技術で得られるエアロゲル111bは、トリアルキルシロキサン結合113のみを有している。このため、図1に示した少なくとも1種のジアルキルジシロキサン結合110を有する実施の形態のエアロゲル111aよりも相対的に熱的安定性が劣っていた。
これらシロキサン結合の熱分解は、ケイ素(Si)−酸素(O)結合が解裂するために起きる。従来のトリアルキルシロキサン結合113では、Si−O結合の結合エネルギーは、444kJ/molである。一方、実施の形態のジアルキルジシロキサン結合110では、倍の888kJ/molである。
したがって、実施の形態のジアルキルジシロキサン結合110を有するエアロゲル111aは、熱的安定性が向上する。
図3は、従来のエアロゲル111bからシロキサン結合の熱分解で発生するトリアルキルシラノール114である。熱的安定性が向上すると、シロキサン結合は分解されないので、このトリアルキルシラノール114の発生を低減することができる。
このようなトリアルキルシラノール114をはじめとした低分子シロキサンの発生は、電子機器内において不具合を誘発するため、好ましくない。電子部品に対してシロキサンが不具合を誘発する例としてはリレーの接点不良が多い。密閉された部品の中で、低分子シロキサンを発生させるシリコーンを使用していると、部品の動作熱により、シリコーンからシロキサンが発生し、リレー接点上に付着する。特に、ON/OFF回数の多いリレー接点は、常時、接点上に衝撃を与え、接点上に付着したシロキサンを酸化分解させ、SiOとする。その結果、SiOは、電気絶縁物として作用し、接点障害を引き起こす。ここで、R〜Rは、それぞれ独立しており、互いに同一であっても異なっていてもよい。
<実施の形態のエアロゲル111aの物性>
実施の形態のエアロゲル111aは、平均細孔径が10〜60nm、細孔容積3.0〜10cc/g、200〜1200m/gの比表面積を有する。
平均細孔径は、10〜60nmが好ましく、20〜50nmがより好ましい。平均細孔径が10nm未満の場合、固体成分が過多となるため、固体の伝熱成分の影響により熱伝導率が大きくなってしまう。
また、平均細孔径が60nmより大きい場合は、空気の約78%を占める窒素分子の平均自由行程68nmに近接するため、熱伝導率が大きくなってしまう。
尚、窒素分子の直径dは約370pmであり、常温(25℃)、常圧(1.0×105Pa)での平均自由行程を計算すると、68nmとなる。
平均細孔径が20〜50nmの範囲であれば、固体の伝熱成分の影響を受けにくく、窒素分子の平均自由行程よりも十分小さいため、所望の熱伝導率を有する疎水性エアロゲルを得ることができる。
細孔容積は、3.0〜10cc/gが好ましい。細孔容積が3.0cc/g未満の場合は、固体成分が過多となるため、固体の伝熱成分の影響により熱伝導率が大きくなってしまう。また細孔容積が10cc/gより大きい場合は、固体成分が過少となるため、逆に気体(窒素分子)の影響が大きくなり、熱伝導率が大きくなってしまう。
比表面積は200〜1200m/gがより好ましい。比表面積が200m/g未満の場合、固体成分が過多となるため、固体の伝熱成分の影響により熱伝導率が大きくなってしまう。比表面積が1200m/gより大きい場合、固体成分が過少となるため、逆に気体(窒素分子)の影響が大きくなり、熱伝導率が大きくなってしまう。
エアロゲル111aの平均細孔、細孔容積が上記範囲であれば、エアロゲル111aは、断熱性に優れるので断熱材、および吸音材として好適である。また、エアロゲル111aの比表面積が上記範囲内であれば、撥水材、吸着剤として好適である。
エアロゲル111aの平均細孔、細孔容積を制御するためには、原料である水ガラスあるいはアルコキシシランのシリカ濃度、ゾル化時に使用する酸あるいは塩基の種類・濃度、ゾルのゲル化条件(温度、時間)、疎水化剤の種類・量、疎水化時の溶媒の量、疎水化の温度、疎水化の時間などを調整することで容易に制御できる。
<エアロゲル111aの製造方法>
実施の形態のエアロゲル111aの製造方法について説明する。図4に実施の形態における疎水性エアロゲルの製造方法を示す。なお、記載条件は一例であり、これに限定されるものではない。
まず、原料となる水ガラスあるいはアルコキシシランを準備する準備工程115をし、その後、ゲル化させる状態に調整するゾル調製工程116、117を行う。
次に、ゲル化後にシリカの骨格を強化させる養生工程118を行う。
その後、乾燥時に収縮を防ぐためにエアロゲル表面を疎水化させる疎水化工程119、120を行う。
最後に溶媒を除去するための乾燥工程121を行い、疎水性エアロゲルを製造する。
<ゾル調製工程116、117>
ゾル調整工程では、原料である水ガラスあるいはアルコキシシランにpH調製剤を加えて、水ガラスあるいはアルコキシシランを重縮合させる。実施の形態において原料として使用する水ガラスあるいはアルコキシシランの珪酸濃度は4〜20%が好ましく、6〜16%がより好ましい。
珪酸濃度が4%未満の場合、珪酸濃度が薄いため、ヒドロゲル骨格の強度が不十分になる場合がある。
また、珪酸濃度が20%を越えると、固体成分が過多となるため、エアロゲルの熱伝導率が高くなってしまう上に、ゾル溶液のゲル化時間が急激に早くなり制御できなくなる場合がある。
重縮合反応(加水分解反応)を促進させるため、酸触媒を添加することが好ましい。
珪酸濃度が6〜16%の範囲であれば、ゲル骨格の強度が乾燥時の毛細管圧力に十分耐えることができる。このため、乾燥時にゲルが収縮、崩壊することがない。また、固体成分の濃度が適性範囲であるため、エアロゲルの熱伝導率が大きくなり過ぎることがない。
使用する酸の種類としては、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等の無機酸類、酸性リン酸アルミニウム、酸性リン酸マグネシウム、酸性リン酸亜鉛等の酸性リン酸塩類、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、アゼライン酸等の有機酸等が挙げられる。使用する酸触媒の種類に制限はないが、得られるシリカエアロゲルのゲル骨格強度、疎水性の観点から、塩酸が好ましい。また、重縮合反応(加水分解反応)を進行させるためのpH調製剤としては、一般に用いられる塩基であれば特に制限はないが、NHOH,NaOH,KOHおよび/またはAl(OH)が好ましい。
酸の濃度は、例えば塩酸の場合は1〜12Nが好ましく、6〜12Nがより好ましい。濃度が1N未満の場合、原料水溶液を所望のpHに調整する際、より大量の希塩酸を添加する必要があるため、珪酸濃度が減少し、シリカネットワークの構築が効果的に進行しない場合がある。
酸触媒の添加量は、調整するpH値にもよるが、塩酸の場合、ヒドロゲルの重量100%に対して、12N塩酸水溶液の場合は0.5〜6.0%がより好ましい。塩酸水溶液濃度が、0.5%未満の場合、あるいは6.0%より大きい場合、そのときの温度にもよるが高モル珪酸水溶液がゲル化しない場合がある。
上記の酸触媒を原料水溶液に添加して、調製したゾル溶液のゲル化を行う。ゾルのゲル化は、液体溶媒が揮発しないような密閉容器内で行うことが好ましい。
原料水溶液に酸を添加してゲル化させる場合、そのときのpH値は4.0〜8.0が好ましい。pHが4.0未満の場合、あるいは8.0より大きい場合、そのときの温度にもよるが高モル珪酸水溶液がゲル化しない場合がある。
ゾルのゲル化温度は、常圧下の場合においては、0〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。
ゲル化温度が0℃未満であると、ゾルに必要な熱が伝わらず、シリカ粒子の成長が促進されない。結果、ゲル化が十分に進行するまでに時間を要する上に、生成されるヒドロゲルの強度が低く、乾燥時に大きく収縮する場合がある。また、この時、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
また、ゲル化温度が100℃を越えると、容器を密閉していたとしても容器の中で水が揮発して、ゲルと分離する現象がみられる。これにより得られるヒドロゲルの体積が減少して、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
<養生工程118>
養生温度は、使用する原料によるが、常圧下の場合においては、0〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。
養生温度が0℃未満であると、ゲル化同様、珪酸に必要な熱が伝わらず、シリカ粒子の成長が促進されず、養生が十分に進行するまでに時間を要する上に、生成されるヒドロゲルの強度が低く、乾燥時に大きく収縮する場合があり、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
また、養生温度が100℃を越えると、容器を密閉していたとしても容器の中で水が揮発してゲルと分離する現象がみられ、これにより得られるヒドロゲルの体積が減少して、所望のシリカエアロゲルが得られない場合がある。
養生時間は、養生する温度にもよるが、3分〜24時間が好ましい。養生時間が、3分未満であると、ゲル壁の強度向上が不十分な場合がある。養生時間が、24時間を越えると、ゲル壁の強度の向上における養生の効果が乏しくなり、逆に生産性を損なう場合がある。
シリカエアロゲルの細孔容積を大きくしたり、平均細孔径を大きくするためには、ゲル化温度や養生温度を上記範囲内で高めたり、ゲル化時間と養生時間の合計時間を上記範囲内で長くすることが好ましい。
また、シリカエアロゲルの細孔容積を小さくしたり、平均細孔径を小さくするためには、ゲル化温度や養生温度を上記範囲内で低くしたり、ゲル化時間と養生時間の合計時間を上記範囲内で短くすることが好ましい。
<疎水化工程119、120>
疎水化工程は、親水性のヒドロゲルを疎水化剤と反応させて、疎水性のゲルとする工程である。この疎水化工程は主に2つのステップに分かれている。
まず、第1のステップ(疎水化工程119)は、養生後のヒドロゲルの細孔に塩酸を取り込む工程である。このときの塩酸濃度は3〜12Nが好ましい。
3N未満の塩酸濃度の場合、塩酸濃度が低いため、シロキサンの反応性生物である活性種の濃度が低く、第2のステップ(疎水化工程120)が十分に進行しないことがある。
12Nより高い濃度の塩酸は、工業的に生産されておらず入手できない。
また、塩酸の量は、ヒドロゲルが十分に浸漬する量であれば特に制限はないが、ヒドロゲル重量の2〜100倍が好ましい。
塩酸の使用量がヒドロゲル重量の2倍未満の場合、塩酸濃度が低いため、シロキサンの反応性生物である活性種の濃度が低く、第2のステップ(疎水化工程120)が十分に進行しないことがある。
また、塩酸の使用量が100倍量より多い場合、塩酸を過剰量使用するため生産性を損なう場合がある。塩酸の浸漬条件としては、液温0〜50℃、浸漬時間30秒〜72時間が好ましい。
液温が0℃未満、尚且つ浸漬時間30秒未満の場合、ヒドロゲルの細孔に塩酸が十分浸透しない場合がある。
液温が50℃より高く、尚且つ浸漬時間が72時間より長い場合、生産性を損なう場合がある。
疎水化の第2のステップ(疎水化工程120)は、ヒドロゲルの細孔に浸透させた塩酸と疎水化剤の反応により生成した活性種とシリカ表面のシラノールを反応させる工程である。
実施の形態の疎水化剤は、図5で表される鎖状シロキサン鎖状シロキサン、又は、図6で表される環状シロキサンである。図5中、n=1〜3であり、R〜Rはそれぞれ独立しており、互いに同一であっても異なっていてもよい。R〜Rは、それぞれ炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であり、直鎖状、分枝状、または環状の基である。炭素数1未満または11以上の脂肪族炭化水素基は、商業的に入手することが難しい。
ただし、立体的な観点から、RとRとは同じものであるのが好ましい。RとRとが同じものであることが好ましい。
実施の形態では、上記疎水化剤を少なくとも1種の疎水化剤として用いられることを特徴とする。また、上記疎水化剤を使用する前に、予めヒドロゲルを塩酸に浸漬させておき、次いで、アルコールと上記疎水化剤との混合溶媒中において疎水化反応を行うことを特徴とする。
<疎水化工程119、120での反応機構>
以下、実施の形態における疎水化の反応機構を説明する。
図7は、実施の形態の疎水化剤である鎖状シロキサン122と塩酸との反応により、トリアルキルクロロシラン123とジアルキルジクロロシラン124とが生成することを示している。鎖状シロキサン122と塩酸とを反応させることで、トリアルキルクロロシラン123とジアルキルジクロロシラン124が生成し、同時に水が副生する。鎖状シロキサンとしては、図5のものがよい。
例えば、n=1、R〜Rがメチル基の場合、鎖状シロキサンはオクタメチルトリシロキサンを指し、活性種として、トリアルキルクロロシラン123が2分子とジアルキルジクロロシラン124が1分子発生することとなる。
鎖状シロキサンとしては、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンなどが用いられる。
図8は、実施の形態の疎水化剤である環状シロキサン125と塩酸の反応によりジアルキルジクロロシラン126とジアルキルジクロロシラン124が生成することを示している。
環状シロキサン125と塩酸を反応させることで、ジアルキルジクロロシラン126とジアルキルジクロロシラン124が生成し、同時に水が副生する。環状シロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが用いられる。
この中で、ヘキサメチルシクロトリシロキサンは室温では固体のため70℃以上に加熱溶融させて、液体状態とした上で反応を行う。ヘキサメチルシクロトリシロキサンの融点は64〜66℃であるため、それより高い温度であれば問題ないが、粘度を下げて速やかに反応を進行させるために70℃以上とする必要がある。
図9は、従来の例であり、活性種であるトリアルキルクロロシラン123とシリカ粒子表面のシラノール基127とが反応し、疎水基であるトリアルキルシロキサン結合113を形成する図を示す。
図10,図11は、実施の形態の図である。図10は、活性種であるジアルキルジクロロシラン124あるいはジアルキルジクロロシラン126が、シリカ粒子表面のシラノール基127と反応し、ジアルキルジシロキサン結合110を形成することを示す図である。図11は、活性種であるジアルキルジクロロシラン124あるいはジアルキルジクロロシラン126が、シリカ粒子表面のシラノール基127と反応し、架橋型ジシロキサン結合128を形成する図を示す。
ここで、図7の場合、n=1で、トリアルキルクロロシラン123の分子とジアルキルジクロロシラン124の分子数は、2:1であった。結果、図9と図10の反応から、トリアルキルシロキサン結合113とジアルキルジシロキサン結合110とが生成される比は、2:1となる。
同様に、n=2の場合、トリアルキルクロロシラン123の分子とジアルキルジクロロシラン124の分子数は、2:2となる。結果、図9と図10の反応から、トリアルキルシロキサン結合113とジアルキルジシロキサン結合110とが生成される比は、2:2となる。
同様に、n=3の場合、トリアルキルクロロシラン123の分子とジアルキルジクロロシラン124の分子数は、2:3となる。結果、図9と図10の反応から、トリアルキルシロキサン結合113とジアルキルジシロキサン結合110とが生成される比は、2:3となる。
結果、ジアルキルジシロキサン結合110は、トリアルキルシロキサン結合113の0.5〜1.5倍、生成される。
鎖状シロキサン122(図7)あるいは環状シロキサン125(図8)、いずれの疎水化剤を用いる場合でも、前述した第1のステップにおいて予めヒドロゲルに塩酸を浸漬させておくことで、ゲル内において、図7あるいは図8に示した反応が効率的に進行する。
疎水化剤である鎖状シロキサン122あるいは環状シロキサン125の仕込量は、ヒドロゲルの細孔容積に対して、100〜800%が好ましく、100〜300%がさらに好ましい。
疎水化剤の仕込量は、ヒドロゲルの細孔容積を基準にしており、例えば、疎水化剤仕込み量がヒドロゲルの細孔容積に対して、150%の場合は、ヒドロゲルの細孔容積に対して、1.5倍の疎水化剤を入れていることになる。
ヒドロゲルの細孔容積は、原料水溶液の単位重量あたりの容積からSiOの単位重量あたりの体積を差し引いた値であり、式1〜式3で計算される。
ヒドロゲル細孔容積(ゲル中の水の体積に相当)=原料水溶液の体積−SiOの体積・・・(式1)
原料水溶液の体積=原料水溶液の重量(g)÷原料水溶液の密度(cm/g)・・・(式2)
SiOの体積=(高モル珪酸水溶液重量(g)×珪酸濃度)÷SiOの密度(2.2)(cm/g)・・・(式3)
疎水化剤が100%未満の場合、ヒドロゲル表面および内部に存在するシラノール(Si−OH)が未反応のまま残ってしまう場合がある。この場合、乾燥時に溶媒の毛管力によりシラノールが物理的に接触することで脱水縮合反応が起こり、ゲルの収縮・高密度化につながってしまう場合がある。
疎水化剤がヒドロゲルの細孔容積に対して、800%より多い場合、シラノールと反応すべき必要最低限の疎水化剤量よりも大過剰になっている場合があり、その場合、経済性及び生産性を損なってしまう。
疎水化反応は必要であれば溶媒中で行い、一般に20〜100℃、好ましくは40〜80℃において実施される。
反応温度が20℃未満の場合、疎水化剤の拡散が十分でなく疎水化が十分に行われない場合がある。
反応温度が、100℃を越えると疎水化剤が揮発しやすく、反応に必要なシリル化剤がヒドロゲルの外部及び内部に供給されない場合がある。同時に、疎水化反応の進行に伴い排出する酸水溶液が沸騰してしまい安全性に問題が生じる。
反応温度が、40〜80℃であれば、疎水化剤は速やかに拡散するため十分に反応が行われ、疎水化反応の進行に伴い排出する酸水溶液を沸騰させずに安全に作業することができる。
使用する溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの直鎖脂肪族炭化水素類が好ましい。
ヒドロゲルは固体で親水性であるのに対し、疎水化剤は液体で疎水性であるため、両者は容易に混ざり合わない上に、固液不均一系反応であることから、反応活性種を効率良くヒドロゲルと反応させるために両親媒性の溶媒であるアルコール類もしくはケトン類を用いるのが好ましく、アルコール類がより好ましい。
<乾燥工程121>
乾燥工程は、前工程で得られた疎水化ゲル120中の液体溶媒を揮発させる工程である。乾燥手法は公知の乾燥方法であれば、超臨界乾燥法、及び非超臨界乾燥法(常圧乾燥法、凍結乾燥法)のどちらでもよく特に制限はない。
非超臨界乾燥法として常圧乾燥を用いることが、量産性、安全性、経済性の観点から好ましい。乾燥温度、乾燥時間に制限はないが、急激な加熱では、ヒドロゲル中の溶媒が突沸して、シリカエアロゲル中に大きな亀裂(クラック)が生じる場合がある。シリカエアロゲルに亀裂が生じると、亀裂の大きさによるが空気の対流による伝熱を生じさせ、断熱性を損なわせたり、粉状となり取扱性が著しく損なわれたりする場合がある。
乾燥工程は、例えば常圧以下においては、乾燥温度0〜400℃で0.5〜5時間乾燥することが好ましい。
乾燥温度が0℃以下だと、著しく乾燥時間が長くなり、生産性を損なう場合がある。
また、乾燥温度が、400℃より高温の場合、疎水化条件にもよるが、疎水性エアロゲルのジアルキルジシロキサン結合110あるいは架橋型ジシロキサン結合128が熱分解により遊離し、得られるゲルは疎水性を消失したヒドロゲルになってしまう場合がある。尚、疎水性エアロゲルを樹脂系の不織布、繊維などの基材に含浸させて製造する場合は、基材の融点以下である200℃以下で乾燥させるのが好ましい。
このようにして得られる実施の形態の疎水性エアロゲルは、熱安定性に優れ電子機器内において不具合を誘発する低分子シロキサンの発生が非常に少ないため、優れた断熱材、吸音材、撥水材、吸着材である。さらに、実施の形態の疎水化剤は、それ自体の沸点が高く、大気中の水分と反応して加水分解することがないため、工業的規模で利用することが可能となる。
(実施例)
以下、本実施の形態を実施例に基づいて説明する。但し、本実施の形態は、下記実施例に限定されるものではない。すべての反応は、大気下のもとで行われた。
得られたエアロゲルの低分子シロキサン量を、加熱脱着GC/MS(以下ATD−GCMS)により分析した。
分析装置はPerkinElmer社製のTurboMatrixATD/Clarus SQ 8T/Clarus680、カラムはSPB−5(60m×0.25mm×0.25um)を使用し、試料加熱条件150℃・10分、注入量14.3%、カラム昇温条件は以下である。10℃/分で100℃まで温度を上げる。その後、290℃まで20℃/分で温度を上げる。290℃で19分保持して測定した。
<実施例1>
水ガラス(東曹産業株式会社、SiO;14wt%)5.00gに酸触媒として塩酸(関東化学株式会社、鹿特級、12N)を0.07g添加して、均一になるように攪拌し、ゾル溶液のpHを7.2に調整した。
ゾル溶液は室温約15分でゲル化し、加熱炉の中で3時間80℃において養生させた。こうして得られたヒドロゲルを、塩酸(関東化学株式会社、鹿特級、12N)50gに室温で30分浸漬させた。この溶液に、鎖状シロキサンであるオクタメチルトリシロキサン(MW236.534、bp153℃、d0.84g/ml(25℃)、信越シリコーン株式会社、KF−96L−1cs)を、ヒドロゲルの細孔容積4.3mlに対して750%の量(32.3ml、27.1g、115mmol)と、2−プロパノールをオクタメチルトリシロキサンに対してモル比で1当量(115mmol)と、を入れ込み、同様に加熱炉において2時間55℃において疎水化させた。
反応後は、反応液が2相分離(上層;オクタメチルトリシロキサン、下層;HCl水溶液)していた。次いでゲルを採取して、空気中で150℃2時間加熱乾燥を実施し、無色透明のシリカエアロゲルを0.65g得た。
得られた疎水性エアロゲルのATD−GC/MS分析を行った結果、トリメチルシラノールは0.80μg/g、ヘキサメチルジシロキサンは、0.01μg/gであった。オクタメチルトリシロキサンは0.34μg/gより少なかった。低分子シロキサンの総検出量は1.14μg/gと極めて低かった。
<比較例1>
水ガラス(東曹産業株式会社、SiO;14wt%)5.02gに酸触媒として塩酸(関東化学株式会社、鹿特級、12N)を0.08g添加して、均一になるように攪拌し、ゾル溶液のpHを7.3に調整した。
ゾル溶液は室温約15分でゲル化し、加熱炉の中で3時間80℃において養生させた。こうして得られたヒドロゲルを、塩酸(関東化学株式会社、鹿特級、12N)50gに室温で30分浸漬させ、ヘキサメチルジシロキサン(以下HMDSO、MW162.38、bp101℃、d0.764g/ml(20℃)、信越シリコーン株式会社、KF−96L−0.65cs)、ヒドロゲルの細孔容積4.2mlに対して750%量(31.5ml、24.1g、148mmol)と、2−プロパノールをHMDSOに対してモル比で1当量(148mmol)と、を入れ込んだ。その後、同様に加熱炉において2時間、55℃において疎水化させた。反応後は、反応液が2相分離(上層;オクタメチルトリシロキサン、下層;HCl水溶液)していた。次いでゲルを採取して、空気中で150℃2時間加熱乾燥を実施し、無色透明のシリカエアロゲルを0.65g得た。
得られた疎水性エアロゲルのATD−GC/MS分析を行った結果、トリメチルシラノールは674.0μg/g、ヘキサメチルジシロキサンは185.2μg/gであった。オクタメチルトリシロキサンは0.01μg/gより少なかった。低分子の総検出量は859μg/gと非常に多かった。
<結果>
以上より、実施例1で得られたエアロゲル111aは、比較例1で合成したエアロゲル111bよりも低分子シロキサンであるトリメチルシラノールの発生量が低減されることが判明し、熱的安定性が向上していることを見出した。さらに、実施の形態の疎水化剤はそれ自体の沸点が高く、尚且つ、大気中の水分と反応して加水分解することがないため、工業的規模で生産することが可能となる。実施の形態により得られるエアロゲルは、優れた断熱材、吸音材、撥水材、吸着材である。
本実施の形態の熱安定性に優れたエアロゲルは、優れた断熱材、吸音材、撥水材、吸着材であり、電子機器、産業機器、車載、冷熱システム、建材など、熱や音に関わる全ての製品に応用される。
110 ジアルキルジシロキサン結合
111a,111b エアロゲル
112 SiO粒子
113 トリアルキルシロキサン結合
114 トリアルキルシラノール
115 準備工程
116 ゾル調製工程
118 養生工程
119 疎水化工程
120 疎水化ゲル
121 乾燥工程
122 鎖状シロキサン
123 トリアルキルクロロシラン
124 ジアルキルジクロロシラン
125 環状シロキサン
126 ジアルキルジクロロシラン
127 シラノール基
128 架橋型ジシロキサン結合

Claims (8)

  1. 表面に、少なくとも1種のジアルキルジシロキサンを疎水基として有する第1エアロゲルと、
    表面に、トリアルキルシロキサンを疎水基として有する第2エアロゲルと、を含むエアロゲル。
  2. 前記ジアルキルジシロキサンにおけるアルキル基の炭素数は1以上、10以下である、
    請求項1に記載のエアロゲル。
  3. 前記第1エアロゲルの分子数は、前記第2エアロゲルの分子数の0.5倍以上、1.5倍以下である、請求項1または2に記載のエアロゲル。
  4. 前記ジアルキルジシロキサンおよび前記トリアルキルシロキサンにおけるアルキル基の炭素数は1以上、10以下である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアロゲル。
  5. 表面に、少なくとも1種の架橋型ジシロキサン結合の疎水基を有する第3エアロゲルと、表面に、トリアルキルシロキサンを疎水基として有する第4エアロゲルと、を含み、
    前記第3エアロゲルの分子数は、前記第4エアロゲルの分子数の0.5倍以上、1.5倍以下であるエアロゲル。
  6. 前記トリアルキルシロキサンにおけるアルキル基の炭素数は1以上、10以下である、
    請求項に記載のエアロゲル。
  7. 前記エアロゲルは、10nm以上、60nm以下の平均細孔径と、3.0cc/g以上、10cc/g以下の細孔容積と、200m/g以上、1200m/g以下の比表面積と、を有する、
    請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゲル。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゲルを含む、断熱材、吸音材、撥水材、吸着剤のいずれかである部材。
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