JP2014237910A - 繊維シート - Google Patents

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健太郎 高田
一摩 及川
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一摩 及川
茂昭 酒谷
Shigeaki Sakatani
茂昭 酒谷
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Abstract

【課題】繊維材にキセロゲルを担持させた繊維系断熱材において、シート表面及び任意に切断した端面からのキセロゲル微粒子の脱離を抑制し、半永久的に断熱性能を維持する。
【解決手段】繊維径が50nm以下のナノファイバーを含むシリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルと、シリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルが充填された繊維シートと、からなる繊維シートを用いる。さらに、シリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルは、常圧乾燥もしくは超臨界乾燥を用いて製造されたものである繊維シートを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリカキセロゲルまたはシリカエアロゲルを含有する繊維シートに関する。
シリカキセロゲルまたはシリカエアロゲルを担持した繊維系断熱材は、嵩密度が100〜250kg/m3と小さい。また、空気の平均自由行程68nmよりも小さな細孔を緻密に有するため、固体熱伝導および対流による熱伝導が低減される構造を有する。
このシリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルを合成する過程で、繊維材を複合化させ、繊維材内の空気が占めている部分がシリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルに置き換わったものを、シリカキセロゲルまたはシリカエアロゲルを担持した繊維系断熱材とする。
また、シリカエアロゲルは超臨界乾燥を用いて乾燥させたゲルを指し、シリカキセロゲルは超臨界乾燥を用いずに常圧で乾燥させたゲルを指す。エアロゲルとキセロゲルにおいては、ゲルの細孔径や細孔容積等の構造物性が同じであれば基本的には断熱性能は同等のものが製造可能である。
従来のシリカキセロゲルまたはシリカエアロゲルを担持した繊維系断熱材では、シリカキセロゲルやシリカエアロゲル単体で課題となっていた強度の向上が可能である。応用例として、Aspen社製のシート状断熱材「Cryogel」や「Pyrogel」がある。配管等の湾曲部に巻きつけて使用することが可能となっている。
しかし、このようなシリカキセロゲルを繊維材に担持させた断熱材では、シリカキセロゲル微粒子間の結合力が小さいため、非常に脆弱で微粒子が脱離し易い。さらにシリカキセロゲルの微粒子が継続的に脱離することで断熱性能は低下するという問題がある。シリカエアロゲルを用いた場合も同様である。
そこで、従来繊維シートにシリカキセロゲルを付着させた基材の表面の少なくとも一部が、アルミナからなるコーティング層で被覆されていることを特徴とする断熱材が検討されており、コーティング面の垂直方向へは微粒子が脱離しない工夫がなされている。
特開2011−162902号公報
しかしながら、このような断熱材は施工時に裁断すると、切断面から微粒子が脱離し、断熱性能が低下していくという問題がある。
上記課題を解決するために、繊維径が50nm以下のナノファイバーが分散されたシリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルの少なくとも1方を、内部に含む繊維シートを用いる。
本発明のシリカキセロゲル、または、シリカエアロゲルを複合化させ繊維系断熱材は、施工時に任意の箇所で切断しても微粒子の脱離を防ぐことができる。また、コーティングや外装袋等で繊維系断熱材を全面覆い、微粒子脱離を抑制しようとした際に問題となるヒートブリッジ(熱伝達パスができる現象)も生じることなく、0.025W/mK以下の断熱性能を得ることを可能とする。
(実施の形態)
(繊維系断熱材)
本実施の形態の繊維系断熱材は、基材となる繊維シート1と、ナノファイバー2を含むシリカキセロゲル3もしくはシリカエアロゲルと、から構成される。
<組成>
ナノファイバー2を含むシリカキセロゲルまたはシリカエアロゲル(以下、シリカキセロゲル3のみで表現する)が、繊維シート1中の空気層に対して、空気層の体積に対して50〜98%の割合で担持されていることが好ましい。80〜98%がより好ましく、90〜98%が特に好ましい。この状態であれば取扱性が良く、断熱性能に優れた繊維系断熱材となる。体積分率が50%未満であると、対流が十分抑制できずに熱伝導率が高くなる場合がある。一方、体積分率が98%を越えると、繊維状断熱材の可撓性が不十分となり、取扱性が低下してしまう。
<繊維シート1>
基材の繊維シート1の形態としてはグラスウールやロックウール、ポリエステル等の樹脂繊維、およびこれらの複数を含有した複合繊維などであればよく、使用時の耐熱温度や不燃性をふまえて選定できる。しかし、セルロース、パルプ繊維は疎水化時に酸を使用するプロセスでは分解されてしまうため、アルコキシシランもしくはヘキサメチルジシラザンなどで疎水化する必要がある。
シリカキセロゲル3がゾルの状態の際に繊維シート1へ複合化させる場合には、グラスウールやセルロースファイバーなどのゾルと親和性の高い繊維シート1では濡れ性が良く、繊維シート1とキセロゲルを複合化させ易い。
<ナノファイバー2>
ナノファイバー2は、セルロースナノファイバーもしくはシリカナノファイバー等の表面に水酸基を有するナノファイバーで繊維径が30nm以下のものを使用する。
シリカキセロゲル3で脱離する微粒子の粒子径は0.1〜10μmサイズのものが7〜9.5割であり(平均粒子径も0.1〜10μm)、ナノファイバー2の繊維径が30nm以下もの(平均繊維径も30nm以下)を使用することで、ナノファイバー2の三次元網目を形成した時に0.1μm以上の微粒子の脱離が抑制し易くなった。
ナノファイバー2の繊維径が30nm以下で、かつ、シリカキセロゲル3の体積に対して1〜10wt%のナノファイバー含有量であれば、シリカキセロゲル3にナノファイバー2を複合化させたときに、ナノファイバー2の間隙サイズは、およそ5〜70nmサイズになる。
よって、0.1μm以上のシリカキセロゲル3の微粒子は、このナノファイバー2の間隙から脱離し難くなると考えられる。これは、シリカキセロゲル3の二次粒子径が20〜30nmで、その粒子の連続構造が均一に三次元構造を作ったときに、5〜67nmサイズの細孔が形成されることを考えれば想定される構造である。
また、5〜100nmの繊維径サイズのもので効果的にシリカキセロゲル3微粒子の脱離は抑制され、5〜50nmのものが好ましく、5〜30nmのものがより好ましい。
また本検討実施例では、特に30nm以下のナノファイバー2を用いることで、ナノファイバー2の熱伝導率を最小限に抑えて繊維系断熱材の熱伝導率を増加させない効果もある。
ナノファイバー2を1〜10wt%添加した場合、一般的な繊維シート1の固体熱伝導成分は約0.001〜0.003W/mK程度であるので、本検討実施例における繊維系断熱材の熱伝導率約0.025W/mKの4〜12%程度は増加する。
一般的な繊維においては、熱伝導率の3成分である固体熱伝導成分、対流成分、輻射成分のうち固体熱伝導成分は非常に小さく、一般的には繊維の熱伝導率の3成分合計が0.03〜0.08W/mK程度のうち、固体熱伝導率成分は0.001〜0.003W/mK程度である。
このナノファイバー2の添加によって増加するのは固体熱伝導成分と輻射成分であると考えられる。しかし、100℃以上のような高温でなければ輻射成分はほぼ無視でき、固体熱伝導成分の増加のみとみなせる。よって、ナノファイバー2を添加しても0.001〜0.003W/mKの微小な熱伝導率の増加はあるが、繊維系断熱材の総熱伝導率はナノファイバー2の添加によって著しく増大することはない。
これらのナノファイバー2をシリカキセロゲル3に対して1〜10重量%含有させ、0.1〜10μm程度の粒サイズのシリカキセロゲル3よりも小さい網目のナノファイバー2のネットワークを作り、物理的にシリカキセロゲル3の微粒子の脱離を抑制する。また、ナノファイバー2の表面の水酸基とシリカキセロゲル3を脱水縮合させることで化学的に強固に結合できる。
またナノファイバー2を50重量パーセントまで添加した場合、ナノファイバー2同士の接触熱抵抗やシリカキセロゲル3とナノファイバー2との接触熱抵抗が生じるため、繊維系断熱材への断熱性能を悪くする様な影響はない。
<シリカキセロゲル3>
また、シリカキセロゲル3は、平均細孔が10〜67nm、細孔容積3.5〜8cc/g、500〜900m2/gの比表面積を有する。空気の平均自由行程68nmよりも小さな細孔を有する。
平均細孔は、10〜50nmが好ましく、10〜30nmがより好ましい。細孔容積は、5〜8cc/gが好ましく、6〜8cc/gがより好ましい。嵩密度は90〜250kg/m3、嵩密度は、120〜180kg/m3が好ましく、140〜150kg/m3がより好ましい。断熱性を確保するため、熱伝導率は、0.025W/mK以下が必要である。
シリカキセロゲル3の平均細孔径、比表面積及び嵩密度が上記範囲であれば、断熱性に優れるので断熱材として好適である。
シリカキセロゲル3を製造する際の出発原料として、水ガラス(珪酸ソーダ水溶液)を用い、調製は水ガラスの珪酸濃度、またゲル化時に使用する酸の種類と濃度、ゲル化条件(温度、時間、pH)を調整することで制御できる。また疎水化条件としてシリル化剤の量、溶媒の量、温度、時間を調整することで制御できる。乾燥条件は、乾燥温度、時間などを調整することで制御できる。
このシリカキセロゲル3の原料の水ガラスにおいては、シリカ重量がゾル総重量に対して5〜20重量%になるように調製すればよく、10〜20重量%であると好ましく、15〜20重量%であるとより好ましい。
珪酸濃度が、6重量%以下であると、珪酸濃度が薄いため湿潤ゲル骨格の強度が不十分になる場合がある。また、珪酸濃度が20%を越えると、ゾル溶液のゲル化時間が急激に早くなり制御できなくなる場合がある。
シリカエアロゲルも、上記のシリカキセロゲル3と同様の構造のものならよい。常圧乾燥で作製したものがよいが、超臨界乾燥で作製したものでもよい。
(繊維状断熱材の製造方法)
実施の形態の繊維系断熱材の製造方法について説明する。実施の形態の繊維系断熱材の製造方法は、シリカキセロゲル3の原料となる水ガラス中のナトリウムを除去し、その後ゲル化するpHに調整するゾル調製工程4と、ゾルがゲル化前にナノファイバー2と基材の繊維シート1に含浸させる含浸工程5と、溶媒乾燥時にゲルの内壁にかかる毛管力に耐えうるシリカの強固な骨格を得るための養生工程6と、ゲルの内壁に存在する水酸基同士が乾燥時に脱水縮合し、収縮するのを防ぐためにシリカキセロゲル3の表面をシリル化剤や機能性シランで疎水化させる疎水化工程7と、繊維状断熱材中に存在する溶媒を除去するための乾燥工程8と、を含む工程からなる。
ここで、機能性シランは、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザンで構成される一群の珪素化合物で、シリル化剤でもある。特にこの場合、溶媒であるアルコール類、ケトン類、直鎖脂肪族炭化水素類との相性からアルコキシシランがよい。シリル化剤は、有機化合物中の活性水素をSi原子で置き換えることができる有機ケイ素化合物である。活性水素をSi原子で置き換えるものである。
<ゾル調製工程4>
実施の形態で使用する水ガラス水溶液は、5〜20重量%になるように調製すればよく、10〜20重量%であると好ましく、15〜20重量%であるとより好ましい。水溶液の珪酸濃度が5%未満の場合、珪酸濃度が薄いため湿潤ゲル骨格の強度が不十分になる場合がある。また、珪酸濃度が20%を越えると、ゾル溶液のゲル化時間が急激に早くなり制御できなくなる場合がある。
水ガラスは、シリカキセロゲル3の製造時に水ガラス中に含まれるナトリウムを除去して使用する。使用する水ガラスは1号水ガラス(シリカ濃度35〜38重量%)、2号水ガラス(シリカ濃度34〜36%)、3号水ガラス(シリカ濃度28〜30%)(日本工業規格(JIS K1408))のいずれでもよい。しかし、シリカの三次元ネットワークを緻密かつ均一に形成するためには、シリカ濃度の高い1号水ガラスを用いることが好ましい。
水ガラス水溶液中のナトリウムを除去するために、酸イオン交換体を用いて水ガラスに含まれるナトリウムを除去する。この水ガラスをプロトン型イオン交換樹脂と混合し、水ガラス水溶液がpH=1〜3になるまで攪拌し、ナトリウムを除去する。その後、ゲル化可能なpH=5〜8に調整するために塩基を添加する。塩基は一般的に、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウムが挙げられるが、調整のし易さの点からアンモニアが好ましい。
もしくは、酸を用いてナトリウムを塩として生成し、その後生成したヒドロゲルを洗浄し、塩を除去してゾル調製もよい。その際は水ガラス重量の10〜30重量%の酸を添加し、養生後に電解質が無くなるまでゲルを洗浄する。
この際、使用する酸は塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等の無機酸類、酸性リン酸アルミニウム、酸性リン酸マグネシウム、酸性リン酸亜鉛等の酸性リン酸塩類、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸等の有機酸等が挙げられる。得られるシリカキセロゲルのゲル骨格強度の観点から、塩酸が好ましい。
洗浄に使用する溶液は、純水、メタノール、エタノール、プロパノール等の水溶性の溶剤を使用するとよい。
あるいは、ナトリウムを含んだ水ガラスを出発原料とせず、既に粒成長させたコロイド状のシリカ溶液(pH=10〜11)を使用してもよく、その調整に上記の酸を溶液に添加しゲル化可能なpH=5〜8に調整することで同様に均一なヒドロゲルを製造することができる。その際に添加する酸触媒の添加量は、調整するpH値にもよるが、塩酸の場合は、ヒドロゲルの重量100%に対して、12N塩酸水溶液0.5〜5.0%が好ましく、1〜2.5%がより好ましい。
<含浸工程5>
次に、調製の終わったゾルへ、ゾル重量に対し1〜50重量%のナノファイバー2を添加し、攪拌機などを用いて分散させる。ナノファイバー2の比重が大きいものに関しては、撹拌後に長時間ゾル中で静置しておくと底へ沈殿してしまう可能性があるため、ゲル化する直前に入れることが好ましい。
使用するナノファイバー2は、ヒドロキシル基が存在しているシリカのナノファイバー2またはセルロースのナノファイバー2で、繊維径が50nm以下のものを用いる。また、これらの両繊維とも添加してもよい。
次に、ナノファイバー2を分散させたゾルを繊維シート1へ含浸させるため、繊維の空気層に対して50〜95vol%のナノファイバー2の含有ゾルに繊維シート1を浸漬することで複合化させる。
使用する繊維シート1は、1〜50μmの繊維径で、単位体積中の空気の占める割合が80〜99%、より好ましくは90〜99%で構成されるシートである。
繊維シート1の形態としてはグラスウールやロックウール、ポリエステル等の樹脂繊維、およびこれらの複数を含有した複合繊維などであればよく、使用時の耐熱温度や不燃性をふまえて選定できる。また、セルロース、パルプ繊維は疎水化時に酸を使用するプロセスでは分解されてしまうため、アルコキシシランもしくはヘキサメチルジシラザンなどで疎水化する必要がある。
<養生工程6>
ナノファイバー2を含有するゾルを繊維シート1に含浸した後、乾燥時にかかる毛管力に耐えうるだけの強度にする為に、ゾル中のシリカコロイドの重縮合、および、二次粒子の成長を促す必要がある。含浸の繊維シート1中のゾルがゲル化した後、シート中の水が揮発しない70〜95℃で、好ましくは80〜95℃、より好ましくは90〜95℃で加熱養生し、シリカ粒子の重縮合と二次粒子の成長を促進させる。
養生時間は2〜24時間施すが、6〜24時間であればよく、12〜24時間であればより好ましい。もしくは、養生時間を短縮させるために高温高圧中で養生させることで必要養生時間は短縮可能である。
<疎水化工程7>
シリカのナノファイバー2を添加した場合に使用されるシリル化剤は、一般式R12 2SiCl、またはR1 nSi(OR24-n(式中、R1およびR2は互いに関係なくC1〜C6の直鎖状アルキル、環状アルキルまたはフェニルである、アルコキシシラン)で表されるシランである。ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)でも適する。
ここで、シリル化剤とは、有機化合物中の水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アミド基、メルカプト基等の活性水素をケイ素に置換するものである。
一方、セルロースのナノファイバー2を使用する場合、疎水化溶液中で塩酸が発生すると、セルロースが分解されてしまう。このため、R1 nSi(OR24-n(式中、R1およびR2は互いに関係なくC1〜C6の直鎖状アルキル、環状アルキルまたはフェニルである)、もしくは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いて疎水化を行う。
12 2SiClとしては、トリメチルクロロシラン(TMCS)、R1 nSi(OR24-nとしては、トリメチルメトキシシランが好ましい。
HMDSOを用いる場合は、HMDSOの仕込量に対してHClをモル比で0.02〜2.0となるように配合させて、反応系中で活性種であるTMCSを発生させることもできる。その場合、塩酸水溶液の濃度は1〜12規定が好ましく、10〜12規定がさらに好ましい。
シリル化剤の仕込量は、ヒドロゲルの細孔容積に対して、100〜800%が好ましく、100〜300%がより好ましい。
疎水化反応は必要であれば溶媒中で行い、一般に20〜100℃、好ましくは30〜60℃において実施される。反応温度が20℃未満の場合、シリル化剤の拡散が十分でなく疎水化が十分に行われない場合がある。
使用する溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの直鎖脂肪族炭化水素類が好ましい。疎水化前のゲルが親水性であるのに対し、シリル化剤は疎水性溶剤であるため、活性種のシリル化剤を効率良くヒドロゲルと反応させるために両親媒性の溶媒であるアルコール類もしくはケトン類を用いるのが好ましい。
また、疎水化時間は2〜24時間であれば好ましく、2〜12時間であればより好ましい。
<乾燥工程8>
次に、疎水化後の含浸シート中に含まれる溶媒を揮発させるために、100〜150℃で2〜5hr乾燥させる。その際、基材の繊維シート1が樹脂の耐熱温度が乾燥温度以下の場合、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ペンタン、ヘキサン等に置換して、樹脂繊維の耐熱温度以下の沸点を持つ溶媒に置換して乾燥させるとよい。
上記各工程を経て得られる繊維系断熱材は、従来例の断熱材と違いシリカキセロゲル3の微粒子径よりも小さいナノファイバー2の網目形成と、シリカキセロゲル3とナノファイバー2の脱水縮合の効果により微粒子が脱離することを抑制しており、任意に裁断し使用する場合にも、その断面からシリカキセロゲル3の微粒子が脱離することを抑制し、半永久的に断熱性能を維持することを可能とする。
なお、上記例では、シリカキセロゲルとシリカエアロゲルとの少なくとも1方を含めばよい。
実施の形態のナノファイバーが複合化されたシリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルと、シリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルが充填された繊維シートとからなる材料は、断熱材として広く利用できる。
1 繊維シート
2 ナノファイバー
3 シリカキセロゲル
4 ゾル調製工程
5 含浸工程
6 養生工程
7 疎水化工程
8 乾燥工程

Claims (7)

  1. 繊維径が50nm以下のナノファイバーが分散されたシリカキセロゲルもしくはシリカエアロゲルの少なくとも1方を、内部に含む繊維シート。
  2. 前記シリカキセロゲルもしくは前記シリカエアロゲルは、常圧乾燥もしくは超臨界乾燥を用いて製造されたものである請求項1記載の繊維シート。
  3. 前記ナノファイバーは、その表面の少なくとも一部に水酸基を有することを特徴とする請求項1記載の繊維シート。
  4. 前記ナノファイバーが、セルロースナノファイバーもしくはシリカナノファイバーであり、
    前記シリカキセロゲルまたは前記シリカエアロゲルの表面の水酸基と、前記セルロースナノファイバーもしくは前記シリカナノファイバーの水酸基と、が脱水縮合し、化学的に結合していることを特徴とする請求項1記載の繊維シート。
  5. 前記シリカエアロゲルもしくは前記シリカキセロゲルは、空気の平均自由行程68nmよりも小さな細孔を有し、嵩密度が90〜250kg/m3である請求項1、2、4のいずれか1項に記載の繊維シート。
  6. 前記セルロースナノファイバーもしくは前記シリカナノファイバーの平均繊維径が30nm以下で、
    前記シリカキセロゲルまたは前記シリカエアロゲルの平均粒子径が、0.1〜10μmである請求項1、2、4、5のいずれか1項に記載の繊維シート。
  7. 前記シリカキセロゲルもしくは前記シリカエアロゲルが、前記繊維シートに対して体積分率で50〜95%含有され、熱伝導率が0.025W/mK以下であることを特徴とする請求項1、2、4、5、6のいずれかに記載の繊維シート。
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